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【発明の名称】 ロールベーラ
【発明者】 【氏名】山中 健史

【氏名】西村 昭人

【要約】 【課題】圃場にある藁草を回収して、この回収物をロール状のベールに成形・梱包するためのロールベーラにおいて、ベールが仕上がり直径になったことをオペレータが気づかずに藁草回収作業を続けて、ベール形成部4に回収物(藁草)を詰まらせてしまうという問題を解消する。

【解決手段】ベール形成部4内にあるベールの直径を検出するためのベールスイッチと、ベールスイッチの検出情報に基づいて点灯したり消灯したりする警報ランプ19とを備える。走行機体1の前面上部に、操縦部8側からピックアップ部3を見るための作業用ミラー27を取り付ける。警報ランプ19は走行機体1の上面のうち作業用ミラー27と操縦部8との間に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に装着されたピックアップ部にて、圃場にある藁草を拾い上げて回収し、この回収物を前記走行機体に搭載されたベール形成部にてロール状のベールに形成するように構成されているロールベーラであって、
前記ベール形成部内にある前記ベールの直径を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出情報に基づいて視覚に訴えて報知を行う視覚報知手段とを備えている一方、
前記走行機体の前面上部には、前記走行機体の後部に位置した操縦部側から前記ピックアップ部を見るための作業用ミラーが取り付けられており、
前記視覚報知手段は、前記走行機体の上面のうち前記作業用ミラーと前記操縦部との間に配置されていることを特徴とするロールベーラ。
【請求項2】
前記視覚報知手段は、前記操縦部側から前記作業用ミラーを介して前記ピックアップ部を見ているオペレータの視界に入る箇所に位置していることを特徴とする請求項1に記載したロールベーラ。
【請求項3】
前記視覚報知手段は、前記走行機体に搭載されたエンジンを始動させるときには、前記検出手段の検出状態に拘らず作動するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載したロールベーラ。
【請求項4】
前記操縦部には、前記走行機体の走行部に対する走行系操作手段と、前記ピックアップ部や前記ベール形成部等の作業部に対する作業系操作手段との2系統の操作手段を備えており、
前記各操作手段又はその近傍には、当該操作手段が走行系のものか作業系のものかを目視で識別するための指標手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載したロールベーラ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、圃場にある藁草(牧草や排藁)を回収して、この回収物をロール状のベールに成形・梱包するためのロールベーラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロールベーラにおいては、走行機体の前部に、圃場にある藁草を拾い上げて回収するためのピックアップ部が昇降調節可能に装着されており、走行機体には、ピックアップ部にて回収された回収物をロール状のベールに成形するためのベール形成部と、ベールの外周に紐(トワイン)を巻き付けるための結束装置とが搭載されている。
【0003】
かかるロールベーラを用いての藁草回収・ベール化作業では、まず、ピックアップ部にて拾い上げた藁草を、ベール形成部にてロール状のベールに成形する。次いで、ベールの直径が所定値以上の仕上がり寸法になったときに、当該ベールの外周に、結束装置から供給された紐を巻き付けて結束する。その後、ベール形成部の開閉扉を開けて、結束済みのベールを取り出すのである。
【0004】
この種のロールベーラでは、藁草回収・ベール化作業に際してベールの直径が所定値以上の仕上がり寸法になると、オペレータにその旨を知らせて注意を促すために警報ブザーを鳴動させるように構成されている(例えば特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開平9−238567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、オペレータの不注意でブザー音を聞き漏らす場合や、周囲の騒音等のせいでオペレータがブザー音を聞き取りづらい場合もあるため、前記従来の構成では、ベール形成部内のベールが仕上がり直径に至ったにも拘らず、オペレータがブザー音に気づかずに藁草回収作業(拾い上げ作業)を続けて、ベール形成部に回収物(藁草)を詰まらせてしまい、ベール形成部内にあるベールの排出も新規ベールの形成もできなくなるというおそれがあった。
【0006】
そこで、本願発明は、上記の問題を解消したロールベーラを提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を達成するため、請求項1の発明は、走行機体の前部に装着されたピックアップ部にて、圃場にある藁草を拾い上げて回収し、この回収物を前記走行機体に搭載されたベール形成部にてロール状のベールに形成するように構成されているロールベーラであって、前記ベール形成部内にある前記ベールの直径を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出情報に基づいて視覚に訴えて報知を行う視覚報知手段とを備えている一方、前記走行機体の前面上部には、前記走行機体の後部に位置した操縦部側から前記ピックアップ部を見るための作業用ミラーが取り付けられており、前記視覚報知手段は、前記走行機体の上面のうち前記作業用ミラーと前記操縦部との間に配置されているというものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載したロールベーラにおいて、前記視覚報知手段は、前記操縦部側から前記作業用ミラーを介して前記ピックアップ部を見ているオペレータの視界に入る箇所に位置しているというものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載したロールベーラにおいて、前記視覚報知手段は、前記走行機体に搭載されたエンジンを始動させるときには、前記検出手段の検出状態に拘らず作動するように構成されているというものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載したロールベーラにおいて、前記操縦部には、前記走行機体の走行部に対する走行系操作手段と、前記ピックアップ部や前記ベール形成部等の作業部に対する作業系操作手段との2系統の操作手段を備えており、前記各操作手段又はその近傍には、当該操作手段が走行系のものか作業系のものかを目視で識別するための指標手段が取り付けられているというものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によると、視覚報知手段が走行機体の上面のうち作業用ミラーと操縦部との間に配置されているから、ベールの直径が所定の寸法になったときは、操縦中のオペレータの前方で前記視覚報知手段が作動することになる。
【0012】
このため、前記視覚報知手段の作動にて、オペレータの注意を確実に喚起でき、ベールが所定の直径に至ったにも拘らずオペレータが藁草回収作業(拾い上げ作業)を続行するミスを著しく抑制できる。従って、ベール形成部に回収物(藁草)を詰まらせてしまうという不都合を未然に防止できるという効果を奏する。
【0013】
特に、請求項2のように構成すると、前記視覚報知手段が、前記操縦部側から前記作業用ミラーを介して前記ピックアップ部を見ているオペレータの視界に入る箇所に位置しているから、この視覚報知手段は、ロールベーラ操縦中のオペレータの視界内に入り易くて目立つ。このため、オペレータが前記視覚報知手段の作動を見落とすおそれを確実に回避でき、スムーズに藁草回収・ベール化作業を実行できるという効果を奏する。
【0014】
請求項3の発明によると、前記視覚報知手段は、前記走行機体に搭載されたエンジンを始動させるときには、前記検出手段の検出状態に拘らず作動するように構成されており、前記視覚報知手段に、ベール直径の検出とエンジン始動の確認との2つの機能を兼ねさせている。このため、部品点数を減らしてコストを抑制するのに寄与できるという効果を奏する。
【0015】
ところで、走行部に対する走行系操作手段や作業部に対する作業系操作手段は、操作ミスをすれば事故に直結しかねないものである。
【0016】
この点、請求項4のように構成すると、走行系や作業系の操作手段又はその近傍に、当該操作手段が走行系のものか作業系のものかを目視で識別するための指標手段を取り付けているから、オペレータは前記指標手段を見れば、前記各操作手段が走行系のものか作業系のものかをすぐに把握できることになる。このため、操作ミスのおそれを著しく抑制できると共に、走行系や作業系の操作手段を、多くの人が簡単且つスムーズに操作できる。従って、ユニバーサルデザインの観点からユーザーフレンドリーな操作手段になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図6)に基づいて説明する。図1はロールベーラを左斜め後方から見た斜視図、図2はロールベーラを右斜め前方から見た斜視図、図3はロールベーラを操縦部側から見た斜視図、図4はロールベーラの側面図、図5はピックアップ部及びベール形成部の概略側面図、図6は警報ランプ関連の電気回路図である。
【0018】
(1).ロールベーラの概要
まず、主として図1〜図4を参照しながら、ロールベーラの概要について説明する。
【0019】
実施形態のロールベーラは、走行部としての左右一対の走行クローラ2,2にて下方から支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前面下部には、圃場にある藁草(牧草や排藁等)を拾い上げて取り込むためのピックアップ部3が昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、ピックアップ部3にて回収された回収物(藁草)をロール状のベールB(図5参照)に圧縮成形するためのベール形成部4が搭載されている。ベール形成部4内における前寄りの部位には、ベールBの外周に結束用の紐(トワイン)を巻き付けるための結束装置5(図4及び図5参照)が配置されている。ピックアップ部3、ベール形成部4及び結束装置5は特許請求の範囲に記載した作業部に相当する。
【0020】
かかるロールベーラを用いての藁草回収・ベール化作業では、まず、ピックアップ部3にて拾い上げた藁草をベール形成部4にてロール状のベールに成形する。次いで、ベールの直径が所定値以上の仕上がり寸法になったときに、当該ベールの外周に、結束装置5から供給された紐を巻き付けて結束する。その後、ベール形成部4を構成する筐体40の一側部(実施形態では左側部)に設けられた水平回動扉69(図1及び図4参照)を開けて、結束済みのベールを取り出すのである。
【0021】
走行機体1のうちベール形成部4の後方には、動力源としてのエンジン6が搭載されている。エンジン6の下方には、当該エンジン6からの動力を適宜変速して左右の走行クローラ2やピックアップ部3等に伝達するミッション機構(図示せず)を内蔵したミッションケース7が配置されている(図4参照)。走行機体1の後部のうちエンジン6の上方部位には、平面視略コ字状の操向ハンドル9を有する操縦部8が設けられている。
【0022】
操縦部8には、左右の走行クローラ2やピックアップ部3等の各種操作を行うための操作手段10が配置されている。実施形態の操作手段10としては、ピックアップ部3の取り込み高さを微調節操作するための高さ調節ハンドル11、ピックアップ部3を昇降操作するための昇降レバー12、エンジン6の回転数を調節操作するためのアクセルレバー13、ミッション機構の出力範囲を高低2段階に切り替える操作や、ミッション機構への動力伝達を継断する操作を行うための走行クラッチレバー14、走行機体1を左右に旋回操作するための左右一対のサイドクラッチレバー15、走行機体1の前進、停止、後退及びその車速を変更操作するための走行変速レバー16、ピックアップ部3やベール形成部4等への動力伝達を継断操作するための作業クラッチレバー17、結束装置5の作動操作や、ベール形成部4における水平回動扉69(図1及び図4参照)の開閉操作を行うための結束放出レバー18がある。
【0023】
実施形態では、操縦部8に左右及び中央の3つの操作パネル21〜23が配置されており、左操作パネル21に高さ調節ハンドル11と昇降レバー12とが配置されている。中央操作パネル22には、走行機体1の左側から順に、アクセルレバー13、走行クラッチレバー14、サイドクラッチレバー15、及び走行変速レバー16が配置されている。右操作パネル23には結束放出レバー18が配置されており、結束放出レバー18の下方に作業クラッチレバー17が配置されている。走行クラッチレバー14及び走行変速レバー16は特許請求の範囲に記載した走行系操作手段に相当する。作業クラッチレバー17は特許請求の範囲に記載した作業系操作手段に相当する。
【0024】
前述した平面視略コ字状の操向ハンドル9は、中央操作パネル22の後面に後ろ向き突設されている。操向ハンドル9の下方には、走行機体1の緊急停止操作のための緊急停止レバー24が設けられている。緊急停止レバー24は、後進している走行機体1と例えば建屋の外壁等との間にオペレータが挟まれるのを防止するためのものである。実施形態では、緊急停止レバー24を前方に押圧操作することにより、ミッション機構への動力伝達を遮断して、走行クローラ2の駆動が緊急停止するように構成されている。
【0025】
中央操作パネル22のうち走行変速レバー16より右側には、エンジン6の始動及び停止操作用のキースイッチ25が設けられている。実施形態のキースイッチ25は、その回動操作にて、エンジン停止端子71、通電端子72及びスタート端子73という3つの端子位置(図6参照)に切り替え可能に構成されたロータリ式スイッチである。
【0026】
エンジン停止端子71から通電端子72を超えてスタート端子73の位置までキースイッチ25を回すと、スタータ29(図6参照)が作動してエンジン6が始動する。キースイッチ25から手を離すと、ばね(図示せず)の弾性付勢力にてキースイッチ25が通電端子72の位置に戻り、エンジン6の駆動が維持される。キースイッチ25をエンジン停止端子71の位置まで回すと、エンジン6の駆動が停止する。
【0027】
走行機体1のうち左操作パネル21の下方には、電気制御用のバッテリ26(図2及び図6参照)が配置されている。
【0028】
図1〜図4に示すように、走行機体1のうちベール形成部4(筐体40)の前面上部には、操縦部8側からピックアップ部3を見るための作業用ミラー27が取り付けられている。この作業用ミラー27の存在により、操縦部8側にいるオペレータは、操縦しながらピックアップ部3での藁草の取り込み状態を確認できる。
【0029】
作業用ミラー27と操縦部8との間に位置したベール形成部4(筐体40)の上面には、視覚報知手段としての警報ランプ19が取り付けられている。この警報ランプ19は、主としてベールスイッチ70(詳細は後述する)の検出情報に基づいて点灯したり消灯したりするように構成されている。
【0030】
実施形態の警報ランプ19は、筐体40の上面のうち操縦部8側から作業用ミラー27を介してピックアップ部3を見ているオペレータの視界に入る箇所に位置している(図3の一点鎖線で挟まれた領域参照)。
【0031】
また、操縦部8には、聴覚報知手段としての警報ブザー20も配置されている(図6参照)。詳細は後述するが、実施形態では、主としてベール形成部4内にあるベールBの直径が所定値以上の仕上がり寸法になったときに、筐体40上の警報ランプ19を点灯させるとともに、警報ブザー20を鳴動させるように設定されている。
【0032】
なお、ピックアップ部3の一側部(実施形態では左側部)には、当該ピックアップ部3の取り込み高さを段階的に調節するためのゲージ車輪28が着脱可能に取り付けられている(図1及び図2参照)。
【0033】
(2).ピックアップ部の構造
次に、図4及び図5を参照しながら、ピックアップ部3の構造について説明する。
【0034】
ピックアップ部3は、ベール形成部4の前面下部から前向きに突出したフィーダハウス30の前端部に上下揺動可能に枢支されたピックアップケース31と、当該ピックアップケース31内に横支軸34にて回転可能に軸支された横長中空状の回転ドラム32と、回転ドラム32の前方及び上方を覆う案内カバー33とを備えている。
【0035】
横支軸34は横長のクランク軸状に形成されており、その両端部が回転ドラム32の回動中心になっている。横支軸34の長手中途部は、回転ドラム32の回転中心に対して前斜め下側に偏心した偏心軸部35になっている。偏心軸部35には、複数本のピックアップフィンガー36の基端部が偏心軸部35回りに回転可能に枢着されている。当該ピックアップフィンガー36の先端部は、回転ドラム32の胴部に多数形成された開口(図示せず)から外向きに突出している。
【0036】
実施形態では、エンジン6から主コンベヤ41(詳細は後述する)に伝達された回転動力の一部が、プーリ37,38及びベルト39を介して回転ドラム32に伝達される。この分岐動力にて回転ドラム32を横支軸34回りに図4の反時計方向に回転駆動させることにより、ピックアップフィンガー36は、偏心軸部35回りに回転しながら、その先端部を回転ドラム32の開口から出没させて圃場の藁草を拾い上げ、拾い上げた藁草を主コンベヤ41のうちフィーダハウス30内に延出した下端部上に載置する。
【0037】
なお、言うまでもないが、フィーダハウス30の後端部は、ベール形成部4を構成する筐体40の前向き開口(図示せず)に連通している。
【0038】
(3).ベール形成部の構造
次に、図4及び図5を参照しながら、ベール形成部4の構造について説明する。
【0039】
ベール形成部4は、走行機体1上の筐体40内に前後に相対向して配置された側面視湾曲状の主コンベヤ41及び副コンベヤ42を備えており、これら両コンベヤ41,42にて囲われた領域がロール状のベールBを形成するためのベール室43になっている。
【0040】
主コンベヤ41は側面視で後ろ向き凸状に湾曲した形態になっており、ベール室43の後半部及び下方を囲うように構成されている。副コンベヤ42は側面視で前向き凸状に湾曲した形態になっており、ベール室43の前部上方を囲うように構成されている。
【0041】
主及び副コンベヤ41,42はいずれもチェーン式のものである。すなわち、主コンベヤ41は、筐体40内の上部に回転可能に軸支された横長のメイン駆動軸44と、フィーダハウス30内に回転可能に軸支された横長のメイン従動軸45と、メイン駆動軸44の両端部に固着された左右一対の主駆動スプロケット46と、メイン従動軸45の両端部に固着された左右一対の主従動スプロケット47と、左右の主駆動及び主従動スプロケット46,47に巻き掛けられた左右一対の主チェーン48と、これら両主チェーン48間に適宜間隔で横架された主パイプ49と、各主チェーン48がベール室43側の箇所で後ろ向き凸状に湾曲して移動するように各主チェーン48の巻き掛け内側に配置された主ガイド体50とを備えている。
【0042】
実施形態では、エンジン6から筐体40内のベールカウンタ軸61に伝達された回転動力が、スプロケット62,63及びチェーン64を介してメイン駆動軸44に伝達される。その結果、主コンベヤ41が図5の矢印M方向に回転駆動する。
【0043】
他方、副コンベヤ42は、筐体40内のうちメイン駆動軸44の前方に回転可能に軸支された横長のサブ従動軸55と、サブ従動軸55の下方に回転可能に軸支された横長のサブ駆動軸54と、サブ駆動軸54の両端部に固着された左右一対の副駆動スプロケット56と、サブ従動軸55の両端部に固着された左右一対の副従動スプロケット57と、左右の副駆動及び副従動スプロケット56,57に巻き掛けられた左右一対の副チェーン58と、これら両副チェーン58間に適宜間隔で横架された副パイプ59と、各副チェーン58がベール室43側の箇所で前向き凸状に湾曲して移動するように各副チェーン58の巻き掛け内側に配置された副ガイド体60とを備えている。
【0044】
実施形態では、エンジン6から筐体40内のベールカウンタ軸61に伝達された回転動力は、スプロケット65,66及びチェーン67を介してサブ駆動軸54にも伝達される。その結果、副コンベヤ42は図5の矢印S方向に回転駆動する。
【0045】
これら主及び副コンベヤ41,42の回転駆動により、ピックアップ部3からベール室43内に藁草を搬送・集積して、ロール状のベールBが形成される。
【0046】
図4に示すように、各主チェーン48の巻き掛け内側に配置された主ガイド体50の下端部は、ベールカウンタ軸61に前後揺動可能に軸支されており、主ガイド体50の上端部にはメイン駆動軸44が回転可能に軸支されている。
【0047】
このため、ベールBの直径がある程度大きくなって主コンベヤ41を半径外向きに押し広げる力が作用したときは、ベールカウンタ軸61を中心として主ガイド体50が後方に揺動回動することにより(図5の一点鎖線状態参照)、主コンベヤ41の搬送終端側が後方に移動して、ベール室43自体の直径が広がることになる。
【0048】
なお、主ガイド体50は、図5の実線位置に復帰する方向(ベール室43の直径を狭める方向)に向けて、図示しない付勢手段にて常時付勢されている。また、主ガイド体50は、図示しないリンク機構を介して水平回動扉69にも連動連結されている。この場合、ベールBを取り出し易くするために、水平回動扉69の開き回動時に、リンク機構の作用にて主ガイド体50ひいては主コンベヤ41の搬送終端側を後方に移動させるように構成されている。
【0049】
図5に示すように、筐体40内における一方の主ガイド体50の後方には、検出手段としてのベールスイッチ70が配置されている。実施形態のベールスイッチ70は、主ガイド体50に当接し得る接触式(リミットスイッチ式)のものであり、主ガイド体50がベールカウンタ軸61回りに所定角度だけ後方に揺動回動してベールスイッチ70に接触しているか否かにより、ベールBの直径が所定値以上の仕上がり寸法になったか否かを検出するように構成されている。
【0050】
なお、実施形態では、筐体40内のうち副コンベヤ42の前方に、結束装置5が配置されている。
【0051】
(4).警報ランプ関連の回路構造
次に、図6を参照しながら、警報ランプ19関連の回路構造について説明する。
【0052】
走行機体1に搭載されたバッテリ26の出力端子+には、走行クラッチレバー14が所定の駐車位置(図5に示す位置参照)にあるときに導通状態になる走行クラッチスイッチ74と、キースイッチ25の入力端子とがそれぞれ分岐して接続されている。バッテリ26の入力端子−は接地されている。走行クラッチスイッチ74の出力端子には、第1リレー75のコイル部76と、第2リレー78における常閉形のスイッチ部79と、警報ランプ19とが直列接続されている。警報ランプ19の他端は接地されている。
【0053】
一方、キースイッチ25のうちスタート端子73は、第1リレー75における常開形のスイッチ部77を介して、エンジン6を始動させるためのスタータ29に接続されている。スタータ29の他端は接地されている。
【0054】
走行クラッチレバー14を図5に示す駐車位置に操作した状態でスタート端子73の位置までキースイッチ25を回すと、走行クラッチスイッチ74が導通状態(図6の二点鎖線状態参照)になっているから、第1リレー75ではコイル部76が励磁されてスイッチ部77が閉じ状態となる。第2リレー78のスイッチ部79は閉じたままである。
【0055】
このため、バッテリ26からの電力供給にて、警報ランプ19が点灯すると共に、スタータ29が作動してエンジン6が始動する。すなわち、エンジン6を始動させる際は、ベールスイッチ70の検出状態に関係なく警報ランプ19が点灯(作動)する。
【0056】
キースイッチ25の通電端子72には、ピックアップ部3等への動力継断用の作業クラッチ(図示せず)の入り切り状態を検出するための作業クラッチスイッチ81と、ベールスイッチ70と、結束装置5への動力継断用の結束クラッチ(図示せず)の入り切り状態を検出するための結束クラッチスイッチ82と、警報ブザー20と、第2リレー78のコイル部80とが直列に接続されている。第2リレー78におけるコイル部80の他端は接地されている。第2リレー78のコイル部80より下流側の分岐点83は、第2リレー78のスイッチ部79と警報ランプ19との間にある接続点84に接続されている。
【0057】
ロールベーラでの藁草回収・ベール化作業時は、ピックアップ部3やベール形成部4に対して動力伝達する必要があるため、作業クラッチレバー17が入り操作されて、作業クラッチスイッチ81は導通状態(図6の二点鎖線状態参照)になっている。走行クラッチスイッチ74は遮断状態(図6の実線状態参照)になっている(前進走行しながら藁草を拾い上げるため)。
【0058】
ベール形成部4内のベールBの直径が所定値以上の仕上がり寸法になって、主ガイド体50がベールスイッチ70に接触すると、ベーススイッチ70が入り作動する(図6の二点鎖線状態参照)。この段階では結束装置5への動力伝達は遮断されており、結束クラッチスイッチ82が導通状態(図6の実線状態参照)になっているから、バッテリ26からの電力供給にて、警報ブザー20が鳴動すると共に警報ランプ19が点灯する。すなわち、警報ブザー20と警報ランプ19とが相互補完的に機能して、ベールBの直径が所定値以上の仕上がり寸法になったことをオペレータに知らせるのである。
【0059】
それから、オペレータが結束放出レバー18を操作して、結束クラッチを入り作動させると、結束クラッチスイッチ82が遮断状態(図6の二点鎖線状態参照)となるから、警報ブザー20及び警報ランプ19への通電が遮断され、警報ブザー20の鳴動が停止すると共に、警報ランプ19が消灯する。
【0060】
(5).作用及び効果
以上の構成によると、視覚報知手段としての警報ランプ19が作業用ミラー27と操縦部8との間に位置したベール形成部4(筐体40)の上面に配置されているから、ベール形成部4内のベールBの直径が所定値以上の仕上がり寸法になったときは、操縦中のオペレータの前方で警報ランプ19が点灯することになる。
【0061】
このため、例えばオペレータの不注意で警報ブザー20のブザー音を聞き漏らしたり、周囲の騒音等のせいでオペレータがブザー音を聞き取りづらかったりしたとしても、オペレータの注意を確実に喚起でき、ベールBが仕上がり直径に至ったにも拘らずオペレータが藁草回収作業(拾い上げ作業)を続行するミスを著しく抑制できるから、ベール形成部4に回収物(藁草)を詰まらせてしまうという不都合を未然に防止できるのである。
【0062】
特に、実施形態の警報ランプ19は、筐体40の上面のうち操縦部8側から作業用ミラー27を介してピックアップ部3を見ているオペレータの視界に入る箇所に位置しているから、当該警報ランプ19は、ロールベーラ操縦中のオペレータの視界内に入り易くて目立つ。このため、オペレータが警報ランプ19の点灯を見落とすおそれを確実に回避でき、スムーズに藁草回収・ベール化作業を実行できるのである。
【0063】
その上、実施形態では、エンジン6の始動時に、ベールスイッチ70の検出状態に関係なく警報ランプ19を点灯(作動)させることにより、警報ランプ19に、ベールB直径の検出とエンジン6始動の確認との2つの機能を兼ねさせている。このため、部品点数を減らしてコストを抑制するのに寄与できる。
【0064】
なお、警報ランプ19がベールB直径の検出用として機能するのは、藁草回収・ベール化作業の実行中であるのに対して、エンジン6始動の確認用として機能するのは、電源投入時であるから、オペレータが警報ランプ19の点灯を見て、現在の作動状況を誤認するおそれはほとんどない。
【0065】
(6).操作手段を識別するための構成
ところで、操作手段10のうち走行クラッチレバー14及び走行変速レバー16(走行系操作手段)と作業クラッチレバー17(作業系操作手段)とは、操作ミスをすれば事故に直結しかねないものである。
【0066】
そこで、実施形態では、走行クラッチレバー14、走行変速レバー16及び作業クラッチレバー17に、それぞれ色調の異なる色で塗られた指標手段としての握り部94,96,97が取り付けられている(図3参照)。
【0067】
これら握り部94,96,97の色は、一般に警告のために用いられる警告色が採用されており、オペレータにとって視認性の高いものになっている。
【0068】
この場合、走行クラッチレバー14の握り部94の色は赤色、走行変速レバー16の握り部96の色は橙色に設定されている。赤色と橙色とは色相が近い関係にあるため、この色相関係により、オペレータは、走行クラッチレバー14と走行変速レバー16とが走行部に対する操作手段(走行系操作手段)であることを把握し易くなっている。
【0069】
作業クラッチレバー17の握り部97の色は最も明度の高い黄色に設定されている。赤色及び橙色と黄色とは明度が異なるため、一般に黄色は、同じ警告色であるものの、赤色及び橙色とは性質の異なる色として感知される傾向にある。このため、オペレータは、作業クラッチレバー17が走行系操作手段ではなく、作業部に対する操作手段(作業系操作手段)であることを把握し易くなっている。
【0070】
以上のように構成すると、握り部94,96,97の色の違いにより、オペレータは各レバー14,16,17が走行系のものか作業系のものかを目視で確認できるから、操作ミスのおそれを著しく抑制できると共に、これらのレバー14,16,17を、多くの人が簡単且つスムーズに操作できる。従って、ユニバーサルデザインの観点からユーザーフレンドリーな操作手段10となるのである。
【0071】
なお、他の操作手段10(例えば昇降レバー12やサイドクラッチレバー15等)の握り部は黒色に設定されている。
【0072】
また、実施形態では、操作パネル21〜23における前述の各レバー14,16,17の近傍箇所に、各レバー14,16,17の名称や操作位置ごとの作動内容を表示した銘板104,106,107が貼り付けられている。これら銘板104,106,107も特許請求の範囲に記載した指標手段の一環をなすものである。
【0073】
銘板104,106,107の背景色は、各レバー14,16,17の握り部94,96,97の配色に対応させ、各色の持つ意味(走行系を示す色か作業系を示す色か)を統一している。この場合、走行クラッチレバー14及び走行変速レバー16の銘板104,106の色は橙色に設定されており、作業クラッチレバー17の銘板107の色は黄色に設定されている。
【0074】
従って、銘板104,106,107の色の違いによっても、オペレータは各レバー14,16,17が走行系のものか作業系のものかを目視で確認でき、これらレバー14,16,17の識別性の向上に寄与しているのである。
【0075】
(7).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様にも具体化できる。例えば視覚報知手段としては、警報ランプ19に限らず、文字や記号等を表示するCRTディスプレイや液晶パネルのような表示手段であってもよい。また、警報ブザー20はなくてもよい。
【0076】
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ロールベーラを左斜め後方から見た斜視図である。
【図2】ロールベーラを右斜め前方から見た斜視図である。
【図3】ロールベーラを操縦部側から見た斜視図である。
【図4】ロールベーラの側面図である。
【図5】ピックアップ部及びベール形成部の概略側面図である。
【図6】警報ランプ関連の電気回路図である。
【符号の説明】
【0078】
1 走行機体
2 走行部としての走行クローラ
3 ピックアップ部
4 ベール形成部
6 エンジン
8 操縦部
14 走行系操作手段としての走行クラッチレバー
16 走行系操作手段としての走行変速レバー
17 作業系操作手段としての作業クラッチレバー
19 視覚報知手段としての警報ランプ
27 作業用ミラー
70 検出手段としてのベールスイッチ
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年6月7日(2006.6.7)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫

【識別番号】100096747
【弁理士】
【氏名又は名称】東野 正

【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸

【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一


【公開番号】 特開2007−325532(P2007−325532A)
【公開日】 平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願番号】 特願2006−158792(P2006−158792)