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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】里路 久幸

【要約】 【課題】携帯電話機の無線通信機能を発揮することができるようにしたコンバインを提供すること。

【解決手段】グレンタンク13から伸縮自在の排穀オーガ15により穀粒を外部に排出する場合に排穀オーガ15の伸縮操作、穀粒の排出と運転停止を携帯電話機30を用いて行うことができる制御装置を備えたコンバインであり、普及率の高い携帯電話機30を用いてオーガ15を操作できるので、コンバインの操縦性が従来以上に高くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を脱穀選別して得た穀粒を一時貯溜するグレンタンク(13)から伸縮自在の排穀オーガ(15)により外部に排出するコンバインにおいて、
少なくとも排穀オーガ(15)の操作を携帯電話機(30)を用いて行うことができる制御装置を備えたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
携帯電話機(30)の予め決められた特定の局番でのみ排穀オーガ(15)の操作を可能にしたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機を用いて遠隔操作が可能なコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、穀稈を刈取装置により刈り取って搬送し、フィードチェーンから脱穀装置に供給して、脱穀、選別し、脱穀選別された穀粒をグレンタンクに一時貯溜した後、グレンタンク内の穀粒をコンバインの外部に排出する構成であるが、近年ではコンバインの操縦性を高めるために操縦部には画像表示装置を設けて、該表示装置に表示された画像を見ながらコンバインの操作を行う機構が採用されている。
【0003】
このようなコンバインの中には携帯電話機を操縦部に装着して、携帯電話機を画像表示装置として利用する発明がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−283129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の発明は携帯電話機を画像表示装置として利用するものであるが、この携帯電話機が有する本来の機能である無線通信機能を十分利用しているとはいえない。
本発明の課題は、携帯電話機の前記無線通信機能を発揮することができるようにしたコンバインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は次の解決手段により解決できる。
請求項1記載の発明は、穀稈を脱穀選別して得た穀粒を一時貯溜するグレンタンク(13)から伸縮自在の排穀オーガ(15)により外部に排出するコンバインにおいて、少なくとも排穀オーガ(15)の操作を携帯電話機(30)を用いて行うことができる制御装置を備えたコンバインである。
【0006】
なお、携帯電話機(30)を用いて排穀オーガ(15)の操作以外の刈取装置、脱穀装置などの各駆動部材の遠隔操作が可能な構成にしてもよい。
【0007】
請求項2記載の発明は、携帯電話機(30)の予め決められた特定の局番でのみ排穀オーガ(15)の操作を可能にした請求項1記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、普及率の高い携帯電話機(30)を用いてオーガ(15)を操作できるので、コンバインの操縦性が従来以上に良くなる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、特定の局番の携帯電話機(30)でしかコンバインを遠隔操作できないので、混信によるコンバインの暴走を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は本実施例のコンバインの斜め前方から見た斜視図であり、図2は図1のコンバインの平面図であり、図3は図1のコンバインのオーガ等の駆動機構図を示す。なお、本明細書では、左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向いたときの方向を言う。
【0010】
図1および図2に示すように、コンバインの車体2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行装置(以下、走行クローラと称す。)3を配設し、車体2の前端側に分草杆8を備えた刈取装置9が設けられている。刈取装置9は車体2の上方の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム(図示せず)で支持されているので、コンバインに搭乗したオペレータが操縦室19内で操向具を前後に傾倒操作することにより、刈取装置支持フレームと共に上下に昇降する構成である。
【0011】
車体2の上方には、刈取装置9から搬送されてくる穀稈をフィードチェーンにより引き継いで搬送して脱穀、選別する脱穀装置10と該脱穀装置10で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク13が載置され、グレンタンク13の後部に縦オーガ16、横オーガ17からなる排穀オーガ15を連接して、グレンタンク13内の穀粒をグレンタンク13の下部の螺旋14(図3)から縦オーガ16の螺旋26と横オーガ17の螺旋18,20により搬送して、排穀オーガ15の穀粒排出口17c(図4)からコンバインの外部に排出する構成としている。
【0012】
上記構成のコンバインではオペレータが操縦室19においてHST28の駆動操作用の主変速レバーおよび副変速レバーを操作し、エンジン29の動力を走行トランスミッションケース内の変速装置27を介して変速し、左右の走行クローラ3、3に伝動して任意の速度で走行する。
【0013】
図4には、コンバインの排穀オーガ15を構成する横オーガ17の縦側断面図を示す。本実施例によるコンバインは、横オーガ17が筒状の固定オーガ17aと、該固定オーガ17aに伸縮自在に取付けた筒状の移動オーガ17bとにより分割形成される構成である。前記固定オーガ17aの基部と縦オーガ16との接続部分は公知であり、横排出オーガ17が上下動自在および縦オーガ16の軸心を中心に旋回するように構成する。固定オーガ17aには固定オーガ螺旋20を設けている。固定オーガ螺旋20は、固定オーガ17aに設けた中間側軸受部24に軸装している。
【0014】
前記移動オーガ17bを移動させるための構成は任意であり、一例を示すと、固定オーガ17aの外周部分には外側軸受部材21を設け、外側軸受部材21には伸縮作動軸部材22の先端を軸装し、伸縮作動軸部材22には移動オーガ17bの任意部分に設けた伸縮用受部材23を螺合させ、前記伸縮作動軸部材22の基部側は前記固定オーガ17aの外周に設けたモータ等により構成する駆動部材25に接続し、駆動部材25により伸縮作動軸部材22を回転させて伸縮用受部材23を長さ方向(図4の矢印D方向)に往復移動させて移動オーガ17bを固定オーガ17aに対して伸縮させる。
【0015】
そして、前記移動オーガ17bには伸縮螺旋18を設けており、該伸縮螺旋18が回動することにより穀粒を搬送する。前記横オーガ17は、その先端に軸心方向に対する円周方向に所定範囲の角度以内で左右回動するオーガ穀粒排出口17cを回動自在に設けている。
【0016】
オーガ先端の穀粒排出口17cは、横オーガ17と同心状の筒部材を、横オーガ17の先端に左右回動のみ自在に取付け、この横オーガ17の軸心に対して交差する方向に排出口17cを有する。穀粒排出作業停止中には穀粒排出口17cは、例えば横オーガ17に対して真上の位置まで回動可能であり、所定角度以上穀粒排出口17cを左右回動させると、機体移動中にオーガ穀粒排出口17cから穀粒が漏れるのを防止でき、また穀粒排出方向を変更できる。
【0017】
操縦室19には、前記オーガの伸縮、穀粒の排出等のオーガの操作をはじめ、コンバインの走行制御、刈取装置9、脱穀装置10などの駆動部材の操作を行う操作具、操作用タッチパネルなどが設けられている。しかし、コンバインを一人のオペレータが操縦しながら穀稈の収穫作業などをしている場合に、オーガ15からの穀粒排出時にはオペレータが機械を離れて穀粒積み込み用のトラックを移動させる等の必要がある。この様なときにはリモートコントローラを常備しておき、該リモートコントローラを使用してオーガの操縦をすることが多い。
しかし、携帯電話機が普及しているので、携帯電話機をリモートコントローラの代わりに用いることができれば、コンバインの操縦性が従来以上に高くなる。
そこで、本実施例では携帯電話機の遠隔操作でオーガ15の自動収納、自動張り出しなどの操作が可能な構成にした。
【0018】
図5に携帯電話機の平面図を示す。
図5に示す携帯電話機30の表面には表示画面31とボタン32が配置されているが、通話ボタン操作でオーガ15の自動収納、自動張り出し及び穀粒排出、穀粒排出停止を可能にする構成である。携帯電話機30のボタン32aをオーガ15の自動張り出しに対応させ、ボタン32bをオーガ15の自動収納に対応させる。さらにボタン32aをもう一度押すことで穀粒排出クラッチ12(図3)をオンさせて穀粒排出を可能とし、その後ボタン32bを押すことで穀粒排出クラッチ12をオフさせて穀粒排出を停止させる。また携帯電話機30の切りボタン32cを押すことでオーガ15の伸縮動作を停止させる。また、携帯電話機30の十字スイッチボタン32dの操作で、オーガ15の伸縮を行う構成としても良い。
このように携帯電話機30の適宜のボタン32をオーガ15の各種操作に対応させて、図示しないコンバインに設置した制御装置による制御により、携帯電話機30のボタン32の操作によりオーガ15の遠隔操作が可能となる。
【0019】
また、図6に示すように携帯電話機30の十字スイッチボタン32dの操作で、穀粒排出口17cを回動させる構成としても良い。さらに、十字スイッチボタン32dの操作方向と、コンバインの機体に設けている穀粒排出口17cの回動移動のスイッチ(図示せず)の操作方向とを一致させる構成にすると、オペレータは携帯電話機の十字スイッチボタン32dと機体に設けたスイッチとで操作が同じであるので、オーガ操作ミスを防ぎながらオーガ15を効率よく操作できる。
この携帯電話機30を用いる操作はオーガ15に限らず、その他のコンバインの遠隔操作が必要な場合に適用できるよう制御装置(図示せず)と携帯電話機30の制御機構を組み込むこともできる。
【0020】
上記携帯電話機30を用いて行うコンバインの遠隔操作は、予め決められた特定の局番の携帯電話機30でのみで可能にする設定にする。また、コンバイン側にインターネットに接続可能な制御装置を設置することで、携帯電話機30からインターネットを介してコンバイン側に接続しようとすると、携帯電話機30の局番に対応したコンバイン側の制御装置のみ接続されるように構成する。この接続状態で携帯電話機30の特定のボタン32を操作すると、コンバインを動かすことができる。
【0021】
こうして特定の局番の携帯電話機30でしかコンバインを遠隔操作できないので、混信によるコンバインの暴走を防止でき、また、携帯電話機30の微弱な電波でも遠隔操作が可能になるので、従来のような大型の無線機に比べて持ち運びがし易くなり、操作性が良い。
【0022】
なお、本実施例では携帯電話機30を用いて排穀オーガ15の操作をすることを説明したが、排穀オーガ15の操作以外に刈取装置9、脱穀装置10などの各駆動部材の遠隔操作が可能な構成にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明はコンバインだけでなくトラクタなどの農業用作業車両をはじめ工業用作業車両においても利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例のコンバインの斜視図である。
【図2】図1のコンバインの平面図である。
【図3】図1のコンバインのオーガ等の駆動機構図である。
【図4】図1のコンバインの横オーガの縦断面図である。
【図5】図1のコンバインのオーガ操作用の携帯電話機の表面を示す平面図である。
【図6】図1のコンバインのオーガ先端部の斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
2 車体 3 走行クローラ
8 分草杆 9 刈取装置
10 脱穀装置 12 穀粒排出クラッチ
13 グレンタンク 14 グレンタンク螺旋
15 オーガ 16 縦オーガ
17 横オーガ 17a 固定オーガ
17b 移動オーガ 17c 穀粒排出口
18 伸縮螺旋 19 操縦室
20 固定オーガ螺旋 21 外側軸受部材
22 伸縮作動軸部材 23 伸縮用受部材
24 中間側軸受部 25 駆動部材
26 縦オーガ螺旋 27 変速装置
28 HST 29 エンジン
30 携帯電話機 31 表示画面
32 ボタン
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成18年5月23日(2006.5.23)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義

【識別番号】100133318
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 向日子


【公開番号】 特開2007−312614(P2007−312614A)
【公開日】 平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願番号】 特願2006−142657(P2006−142657)