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【発明の名称】 乗用型芝刈機
【発明者】 【氏名】小谷 和行

【氏名】林 恵一

【要約】 【課題】作業者が乗って操縦するようにした走行機体における下面の部位にロータリーモアを装着し,更に,前記走行機体における下面のうち一対の後車輪の間の部位に,前記ロータリーモアにおける刈取り芝草に対する芝草排出ダクトを後方に延びるように設けて成る芝刈機において,刈取り芝草の地面に対する散布位置を任意に変更する。

【解決手段】前記芝草排出ダクト11の後端に,当該芝草排出ダクトからの芝草を受け入れたのち下面の芝草放出口13より地面に放出するデフレクタ12を配設し,このデフレクタにおける芝草放出口を,前記走行機体の走行方向に対して前後及び左右のうちいずれか一方又は両方の方向に移動自在に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が乗って操縦するようにした走行機体における下面の部位にロータリーモアを装着し,更に,前記走行機体における下面のうち一対の後車輪の間の部位に,前記ロータリーモアにおける刈取り芝草に対する芝草排出ダクトを後方に延びるように設けて成る芝刈機において,
前記芝草排出ダクトの後端に,当該芝草排出ダクトからの芝草を受け入れたのち下面の芝草放出口より地面に放出するデフレクタを配設し,このデフレクタにおける芝草放出口を,前記走行機体の走行方向に対して前後及び左右のうちいずれか一方又は両方の方向に移動自在に構成したことを特徴とする乗用型芝刈機。
【請求項2】
前記請求項1の記載において,前記デフレクタは,その筒状の部分が前記芝草排出ダクトの後端に嵌合した状態で前記芝草排出ダクトの回りに回動するように支持されていることを特徴とする乗用型芝刈機。
【請求項3】
前記請求項1の記載において,前記デフレクタは,その筒状の部分が前記芝草排出ダクトの後端に嵌合した状態で当該デフレクタにおける前記芝草放出口が前後動するように支持されていることを特徴とする乗用型芝刈機。
【請求項4】
前記請求項1の記載において,前記デフレクタは,前記芝草排出ダクトの後端に嵌合する筒型の第1デフレクタと,この第1デフレクタの後端に装着され且つ地面に向かっての芝草放出口を有する第2デフレクタとで構成され,前記第1デフレクタは,前記芝草排出ダクトの回りに回動するように前記芝草排出ダクト又は前記走行機体に支持され,前記第2デフレクタは,その前後動するように前記第1デフレクタに支持されていることを特徴とする乗用型芝刈機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は,作業者が乗って操縦するようにした走行機体に,当該走行機体に搭載したエンジンにて回転駆動されるロータリーモアを装着して成る乗用型の芝刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,この種の芝刈機は,作業者が乗って操縦するようにした走行機体における下面のうち当該走行機体を支持する一対の前車輪と一対の後車輪との間に部位に,ロータリーモアを装着し,このロータリーモアを,前記走行機体に搭載したエンジンからの動力伝達によって駆動することで,下面における芝草の刈取を行い,刈取り芝草を前記走行機体の側方に放出するという構成にしていたが,刈取り芝草を走行機体の側方に放出することは,刈取り芝草が前記走行機体に搭乗する作業者に対して降りかかるおそれが大きいという問題がある。
【0003】
そこで,先行技術としての特許文献1は,作業者が乗って操縦するようにした走行機体における下面のうち当該走行機体を支持する一対の前車輪と一対の後車輪との間に部位にロータリーモアを装着して成る芝刈機において,前記走行機体における下面のうち前記一対の後車輪の間の部位に,前記ロータリーモアにおける刈取り芝草に対する芝草排出ダクトを後方に延びるように設けて,この芝草排出ダクトの後端を後方に向かって開口することにより,前記刈取り芝草を後方に放出するように構成することを提案している。
【特許文献1】特開平2003−23831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし,前記した先行技術による構成であると,刈取り芝草の作業者への降りかかりを少なくすることができるものの,前記刈取り芝草の地面に対する散布位置が常に同じ位置に限られることになるから,例えば,道路際における芝刈り時においては,刈取り芝草を,本来刈取り芝草を散乱してはならない道路面に飛散する事態が発生することになるというように,前記刈取り芝草の地面に対する散布位置を任意に変更することができないという問題があった。
【0005】
本発明は,この問題を解消した乗用型芝刈機を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を達成するため本発明の請求項1は,
「作業者が乗って操縦するようにした走行機体における下面の部位にロータリーモアを装着し,更に,前記走行機体における下面のうち一対の後車輪の間の部位に,前記ロータリーモアにおける刈取り芝草に対する芝草排出ダクトを後方に延びるように設けて成る芝刈機において,
前記芝草排出ダクトの後端に,当該芝草排出ダクトからの芝草を受け入れたのち下面の芝草放出口より地面に放出するデフレクタを配設し,このデフレクタにおける芝草放出口を,前記走行機体の走行方向に対して前後及び左右のうちいずれか一方又は両方の方向に移動自在に構成した。」
ことを特徴としている。
【0007】
本発明の請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記デフレクタは,その筒状の部分が前記芝草排出ダクトの後端に嵌合した状態で前記芝草排出ダクトの回りに回動するように支持されている。」
ことを特徴としている。
【0008】
本発明の請求項3は,
「前記請求項1の記載において,前記デフレクタは,その筒状の部分が前記芝草排出ダクトの後端に嵌合した状態で当該デフレクタにおける前記芝草放出口が前後動するように支持されている。」
ことを特徴としている。
【0009】
本発明の請求項4は,
「前記請求項1の記載において,前記デフレクタは,前記芝草排出ダクトの後端に嵌合する筒型の第1デフレクタと,この第1デフレクタの後端に装着され且つ地面に向かっての芝草放出口を有する第2デフレクタとで構成され,前記第1デフレクタは,前記芝草排出ダクトの回りに回動するように前記芝草排出ダクト又は前記走行機体に支持され,前記第2デフレクタは,その前後動するように前記第1デフレクタに支持されている。」
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
前記走行機体を前進走行するとき前記ロータリーモアにて刈り取られた芝草は,芝草排出ダクトを介してその後端におけるデフレクタに導かれ,このデフレクタにおける芝草放出口から前記走行機体の後方における地面に散布される。
【0011】
この場合,前記デフレクタにおける芝草放出口を左右方向に移動することで,地面に対する芝草の散布位置を,右側にしたり,左側にしたりするように,左右方向の任意の位置に自在に変更することができる。
【0012】
また,前記デフレクタにおける芝草放出口を前後方向に移動することで,地面に対する芝草の散布位置を,走行機体に近づけたり走行機体から遠ざけたりするように,前後方向の任意の位置に自在に変更することができる。
【0013】
更にまた,前記デフレクタにおける芝草放出口を左右方向に移動することと左右方向に移動することを合わせることで,地面に対する芝草の散布位置を,右側で前側の位置,右側で後側の位置,左側で前側の位置及び左側で後側の位置にて囲まれた範囲内における任意の位置に自在に変更することができる。
【0014】
つまり,本発明によると,刈り取った芝草の地面に対する散布位置を変更することができるから,芝草を走行機体の後方において地面に散布しながら刈取作業を行う場合に,例えば,道路際における芝刈り時に芝草を道路面に飛散しないとするように,特定の箇所への芝草の飛散を避けるようにすることが確実にできる効果を有する。
【0015】
なお,前記デフレクタにおける芝草放出口を前後及び左右のうちいずれか一方又は両方の方向に移動自在に構成することは,請求項2,請求項3又は請求項4に記載した構成にすることによって容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下,本発明の実施の形態を,図1〜図3の図面について説明する。
【0017】
この図において,符号1は,左右一対の前車輪2と,同じく左右一対の後車輪3とで支持された走行機体を示し,この走行機体1の前部上面には,エンジン4が搭載されているとともに,前記両前車輪2を同時に回動して方向変換するための操縦ハンドル5が設けられ,また,前記走行機体1の後部上面には,作業者が座る操縦座席6と,前記両後車輪3に対するフェンダー7とが設けられ,更に,前記走行機体1における中程部の上面には,ステップ台8が設けられている。
【0018】
また,前記走行機体1における下面側で,且つ,前記両前車輪2と両後車輪3との間には,左右一対の回転式刈り刃9a,9bを備えたロータリーモア9が,上下動可能に装着されている。なお,ロータリーモア9の上下動機構は省略している。
【0019】
前記エンジン4における動力を,ベルト式動力伝達機構10を介して前記ロータリーモア9における両回転式刈り刃9a,9bに伝達して,前記両回転式刈り刃9a,9bを矢印で示すように互いに逆方向に回転駆動することにより,芝草の刈取を行うように構成している。
【0020】
また,前記走行機体1における後部下面側には,前記両回転式刈り刃9a,9bにて刈った芝草を後方に排出する芝草排出ダクト11が,前記両後車輪3間を後方に延びるように設けられており,この芝草排出ダクト11は,その全長にわたって矩形の断面であり,且つ,その天井板11aは,後方に向かって斜め上向きに傾斜している。
【0021】
そして,前記芝草排出ダクト11の後端には,当該芝草排出ダクト11からの芝草を受け入れたのち下面の芝草放出口13より地面に放出するようにしたデフレクタ12を配設する。
【0022】
このデフレクタ12を,前記芝草排出ダクト11の後端に被嵌するように末広がりの梯形断面の筒型に構成した第1デフレクタ14と,下面に前記芝草放出口13を有する第2デフレクタ15とで構成する。
【0023】
前記第1デフレクタ14を,前記走行機体1に前記芝草排出ダクト11の上面に沿って後方に突出するように固着した第1支持軸16にて回動自在に支持することにより,前記芝草排出ダクト11の後端に被嵌した状態で,前記芝草排出ダクト11の回りに回動するように構成する。なお,前記第1支持軸16は,前記芝草排出ダクト11に固着する構成にしても良い。
【0024】
一方,前記第2デフレクタ15を,前記第1デフレクタ14の後端に当該第1デフレクタ14における後端開口部を塞ぐように被嵌し,その上面において,前記デフレクタ14の上面に横方向に延びるように固着した第2支持軸17にて回動自在に支持することにより,走行機体1に対して前後方向に回動するように構成する。
【0025】
なお,前記第1デフレクタ14における第1支持軸16を中心としての回動操作,及び前記第2デフレクタ15における第2支持軸17を中心としての回動操作は,図示していないがこれらに適宜設けたハンドル等にて,作業者が前記操縦座席6に着座した状態で行うことができるように構成されていることはいうまでもない。
【0026】
この構成において,刈取り作業は,走行機体1を前進走行した状態で,ロータリーモア9における両回転式刈り刃9a,9bを矢印で示すように互いに逆方向に回転駆動することによって行う。
【0027】
前記ロータリーモア9にて刈り取られた芝草は,芝草排出ダクト11を介してその後端におけるデフレクタ12に導かれ,このデフレクタ12における芝草放出口13から前記走行機体1の後方における地面18に散布される。
【0028】
この場合において,前記デフレクタ12における第1デフレクタ14を,図3に矢印Aで示すように,その第1支持軸16を中心にして回動することにより,前記デフレクタ12における芝草放出口13が,走行方向に対して左右に移動するから,地面18に対する芝草の散布位置を,図3に一点鎖線及び二点鎖線で示すように,右側にしたり,左側にしたりするように,左右方向の任意の位置に自在に変更することができる。
【0029】
また,前記デフレクタ12における第2デフレクタ15を,図1に矢印Bで示すように,その第2支持軸17を中心にして回動することにより,前記デフレクタ12における芝草放出口13が走行方向に対して前後に移動するから,地面18に対する芝草の散布位置を,図1に実線と二点鎖線とで示すように,走行機体1に近づけたり走行機体1から遠ざけたりするように,前後方向の任意の位置に自在に変更することができる。
【0030】
更にまた,前記第1デフレクタ14を第1支持軸16を中心にして回動することと,前記第2デフレクタ15を第2支持軸17を中心にして回動することとを合わせることにより,地面18に対する芝草の散布位置を,右側で前側の位置,右側で後側の位置,左側で前側の位置及び左側で後側の位置にて囲まれた範囲内における任意の位置に自在に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】芝刈機の側面図である。
【図2】芝刈機の平面図である。
【図3】図1のIII −III 視拡大断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 走行機体
2 前車輪
3 後車輪
4 エンジン
5 操縦ハンドル
6 操縦座席
9 ロータリーモア
11 芝草排出ダクト
12 デフレクタ
13 芝草放出口
14 第1デフレクタ
15 第2デフレクタ
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年5月19日(2006.5.19)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫

【識別番号】100096747
【弁理士】
【氏名又は名称】東野 正

【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸

【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一


【公開番号】 特開2007−306873(P2007−306873A)
【公開日】 平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願番号】 特願2006−140673(P2006−140673)