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【発明の名称】 歩行型芝刈機の運転操作装置
【発明者】 【氏名】日比 義寿

【氏名】グレイアム・シドニー・パリス

【氏名】林 昭男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の後部に斜後上方に向けてハンドルアームが一体に設けられ、当該ハンドルアームの後端部にループ型のハンドルが僅かに前傾して設けられ、自走する前記機体の後方において運転者が追随歩行しながら運転操作を行なう形式の歩行型芝刈機において、
前記ハンドルを握る左右のいずれの手の操作によっても当該ハンドルと一緒に引き寄せることが可能であって、しかもその引寄せ量によりエンジン回転数が調整可能であるスロットルレバーが、前記ハンドルアームにおけるハンドルの斜前下方又は斜後上方に回動可能に設けられていることを特徴とする歩行型芝刈機の運転操作装置。
【請求項2】
前記スロットルレバーは、前記ハンドルの斜前下方に設けられ、前記ハンドルの斜後上方には、当該ハンドルを握る左右のいずれの手によってもハンドルと一緒に握り込むことが可能なクラッチレバーが回動可能に設けられて、
前記ハンドル、クラッチレバー、及びスロットルレバーの三者を一緒に握って操作することを特徴とする請求項1に記載の歩行型芝刈機の運転操作装置。
【請求項3】
前記ハンドルは、ハンドルアームに固定される水平固定部の両端部が90度を超えて内方にわん曲されることにより、対向配置された左右一対の握り部が起立して形成された形状であって、
前記スロットルレバーは、ハンドルアームに対して起立状態で回動可能に支持された回動支持棹部の上端部に水平棹部が機体の幅方向に沿って設けられて、略T字状となっていて、
前記スロットルレバーの水平棹部の両端部は、ハンドルの前記握り部を握った手で握り込み易いように、当該握り部と機体の幅方向に沿って重複配置された状態で略平行となるように斜下方に向けて屈曲されて、引寄せ部となっていることを特徴とする請求項2に記載の歩行型芝刈機の運転操作装置。
【請求項4】
前記スロットルレバーは、ハンドルから離間する方向に回動付勢されていて、スロットルレバーをハンドル側に引き寄せて近接させることによりエンジン回転数が高くなると共に、スロットルレバーの開放によりエンジン回転数は最低となるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の歩行型芝刈機の運転操作装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ型のハンドルを備え、自走する機体の後方において運転者が追随歩行しながら運転操作を行なう歩行型芝刈機の運転操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記形式の歩行型芝刈機(以下、単に「芝刈機」と略すこともある)においては、機体の後部に斜後上方に向けてハンドルアームが一体に設けられ、当該ハンドルアームの後端部にループ型のハンドルが僅かに前傾して設けられ、運転者は、自走する機体の後方において前記ハンドルの両側の各起立部を両手で握った状態で追随歩行しながら運転操作している。
【0003】
上記形式の芝刈機において、エンジンの動力がドラム、及びリールカッターユニットに伝達されるのをON・OFFするクラッチレバーをループ型のハンドルに近接させて設け、ハンドルを握る手によりクラッチレバーを同時に操作する構成の芝刈機は公知である。また、ループ型のハンドルの後方に、クラッチの接続を不能とする安全レバーを設け、通常運転時には、ハンドルを握る手により安全レバーをハンドル側に引き寄せ、異常事態により運転者が機体に追随できなくなった場合には、付勢手段により安全レバーがハンドルから離間して、クラッチを遮断することにより機体を停止させて安全を図る芝刈機も公知である(特許文献1)。
【0004】
いずれの芝刈機においても、クラッチレバーの操作は、ハンドルを握る手により同時に行なえる利点はあるが、エンジン回転数の調整を行なうスロットルレバーを操作するには、ハンドルを握っているいずれかの手を離して行なう構成であった。よって、機体の旋回時には、機体の速度を一旦低くして行なうのが普通であって、上記のようにしてスロットルレバーを操作するのは、煩わしいと共に、スロットルレバーはハンドルアームの幅方向の一方にのみ設けられているため、交互に逆方向に旋回して芝刈作業を行なう場合には、一方の旋回時において、スロットルレバーが運転者の側と離れた位置となって、その操作が一層行ないにくいという問題があった。
【特許文献1】特開平9−249044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ループ型のハンドルを握っている手により同時にスロットルレバーを操作できるようにして、歩行型の芝刈機の運転操作を容易にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、機体の後部に斜後上方に向けてハンドルアームが一体に設けられ、当該ハンドルアームの後端部にループ型のハンドルが僅かに前傾して設けられ、自走する前記機体の後方において運転者が追随歩行しながら運転操作を行なう形式の歩行型芝刈機において、前記ハンドルを握る左右のいずれの手の操作によっても当該ハンドルと一緒に引き寄せることが可能であって、しかもその引寄せ量によりエンジン回転数が調整可能であるスロットルレバーが、前記ハンドルアームにおけるハンドルの斜前下方又は斜後上方に回動可能に設けられていることを特徴としている。
【0007】
通常の芝刈作業においては、運転者は、ループ型のハンドルの起立部を両手で握った状態で、走行中の機体に追随歩行しながら運転操作を行なう。請求項1の発明では、ハンドルを握っているいずれの手によってもスロットルレバーを引寄せ可能になっているため、運転者は、ハンドルを握っている一方又は双方の手によってスロットルレバーを引き寄せると共に、その引寄せ量の調整によってエンジン回転数を調整できる。よって、芝刈作業中において、走行速度の調整をしたい場合には、ハンドルから手を離すことなく、ハンドルを手で握ったままの姿勢でスロットルレバーの引寄せ量の調整を行なえる。
【0008】
特に、機体の旋回時においては、いずれの手によってもスロットルレバーの引寄せが可能であるため、ハンドルを握っている一方の手でスロットルレバーを必要量だけ引き寄せることにより、最適な速度で、しかも左右いずれの方向の旋回時にも、左右の違いを除いて同一の運転操作姿勢で旋回可能となる。よって、機体の旋回時における運転操作が容易となる。なお、「ループ型のハンドル」とは、ループ状に完全閉塞されている形状のハンドルに限られず、完全ループ形状の一部が欠落されているものも含まれ、ハンドルアームに対して起立した部分を高頻度で握って運転を行なうハンドルのことをいう。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記スロットルレバーは、前記ハンドルの斜前下方に設けられ、前記ハンドルの斜後上方には、当該ハンドルを握る左右のいずれの手によってもハンドルと一緒に握り込むことが可能なクラッチレバーが回動可能に設けられて、前記ハンドル、クラッチレバー、及びスロットルレバーの三者を一緒に握って操作することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、ハンドル、クラッチレバー、及びスロットルレバーの三者を一緒に握って運転操作を行なえるので、エンジン回転数の調整、即ち機体の走行速度の調整のみならず、クラッチのON・OFFもハンドルを握っている手で行なえる。よって、機体の走行開始及び停止の各操作も、ハンドルを握っている手でクラッチレバーを握り込んだり、或いはハンドルと一緒に手で握っているクラッチレバーを単に開放させるのみでよいため、スロットルレバーによる機体の走行速度の調整操作のみならず、機体の走行開始及び停止の各操作も容易となる。また、スロットルレバーは、ハンドルの斜前下方に設けられているため、ハンドルを握っている手の指先でハンドルに対して軽く引き寄せたり、或いは離したりすることにより、機体の走行速度の調整を行なえる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ハンドルは、ハンドルアームに固定される水平固定部の両端部が90度を超えて内方にわん曲されることにより、対向配置された左右一対の握り部が起立して形成された形状であって、前記スロットルレバーは、ハンドルアームに対して起立状態で回動可能に支持された回動支持棹部の上端部に水平棹部が機体の幅方向に沿って設けられて、略T字状となっていて、前記スロットルレバーの水平棹部の両端部は、ハンドルの前記握り部を握った手で握り込み易いように、当該握り部と機体の幅方向に沿って重複配置された状態で略平行となるように斜下方に向けて屈曲されて、引寄せ部となっていることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明によれば、ループ型のハンドルの握り部とスロットルレバーの引寄せ部とは、機体の幅方向に沿って重複した状態で互いに略平行となって配置されているため、ハンドルの握り部を握った手の指先でスロットルレバーの引寄せ部を軽く引き寄せることができる。このため、特に機体の旋回時において、ハンドルの握り部を握っている一方の手の指先でスロットルレバーを最適量だけ引き寄せた状態を維持することができて、機体の旋回時における運転操作が容易となる。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記スロットルレバーは、ハンドルから離間する方向に回動付勢されていて、スロットルレバーをハンドル側に引き寄せて近接させることによりエンジン回転数が高くなると共に、スロットルレバーの開放によりエンジン回転数は最低となるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明によれば、ハンドルを握った手によりハンドルに対して引き寄せているスロットルレバーを開放すると、スロットルレバーは、回動付勢力によりハンドルに対して最大に離間されてエンジン回転数が最低となり、クラッチを同時にOFFにすることにより、機体は停止する。よって、従来機のように、ハンドルから離した手によりスロットルレバーをいちいち回動させなくても、機体を瞬時に停止させたり、或いは走行開始させることができて、機体停止、及び走行開始に係る運転操作が容易となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ループ型のハンドルを握っているいずれの手によってもスロットルレバーを引寄せ可能になっているため、運転者は、ハンドルを握っている一方又は双方の手によってスロットルレバーを引き寄せると共に、その引寄せ量の調整によってエンジン回転数を調整できる。このため、芝刈作業中において、走行速度の調整をしたい場合には、ハンドルから手を離すことなく、ハンドルを手で握ったままの姿勢でスロットルレバーの引寄せ量の調整を行なえると共に、機体の旋回時においては、いずれの手によってもスロットルレバーの引寄せが可能であるため、ハンドルを握っている一方の手でスロットルレバーを必要量だけ引き寄せることにより、最適な速度で、左右いずれの方向の旋回時においても、左右の違いを除いて同一の運転操作姿勢で旋回可能となって、機体の旋回時における運転操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、最良の実施形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
最初に、図1ないし図3を参照して、歩行型芝刈機の概略について説明し、その後に、本発明に係る運転操作装置について説明する。図1は、本発明に係る歩行型の芝刈機の全体斜視図であり、図2は、集草箱6を取り外した状態の芝刈機の平面図であり、図3は、同じく芝刈作業状態の側面図である。芝刈機は、機体1の前部及び後部に前ローラ2及びドラム3が所定間隔をおいてそれぞれ取付けられ、当該前ローラ2とドラム3との間にリールカッター4がそれぞれ配設され、当該リールカッター4と前ローラ2との間には、刈取前の芝刈内に食い込んでいる枯草類を掻き上げるためのサッチングローラ5が配設されている。機体1に対する前ローラ2の高さの調整により、芝生の刈高が定められる。機体1の前部には、リールカッター4により刈り取られた刈芝を集めて収容する集草箱6が前方に突出した状態で取付けられている。また、機体1の上面には、前記ドラム3及びリールカッター4を駆動させるためのエンジン7が搭載されている。
【0018】
また、機体1の後部には、ハンドルアームAが斜後上方に向けて一体に取付けられている。ハンドルアームAは、2本のロッド8をわん曲させて形成され、各ロッド8の基端側の略半分は、略ハの字形となって機体1に取付けられていると共に、各ロッド8の先端側の略半分は、各ロッド8が一体に結束された状態となっていて、各ロッド8の結束部分はハンドルカバー9で覆われている。ハンドルアームAの斜上端部(機体1を基準にすると、斜後上端部)には、ループ型のハンドルHが僅かに前傾した状態で一体に取付けられている。ハンドルHは、機体1の幅方向に沿って配置された状態で、ハンドルアームAの斜上端部に一体に固定される水平固定部11と、当該水平固定部11の両端部に内方に向けて90度を超えてわん曲されることにより、前記水平固定部11に対して起立した状態で対向配置された左右一対の第1握り部12と、当該各第1握り部12の先端部が更に内方に向けて30度程度だけわん曲されることにより対向配置された左右一対の第2握り部13とから成る。第1及び第2の各握り部12,13は、短直線状をなしている。従って、左右一対の第2握り部13の間には、空間部が形成されている。
【0019】
次に、図4ないし図8を参照して、本発明に係る運転操作装置の部分について説明する。図4は、ハンドルアームAに固定されたハンドルH、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の分解斜視図であり、図5は、ハンドルアームAに取付けられたスロットルレバーL1 の部分のみを下方から見た斜視図であり、図6は、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して最も接近された状態におけるハンドルHの部分の側面図であり、図7は、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して開放された状態におけるハンドルHの部分の側面図であり、図8は、図6のX矢視図であり、図9は、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して開放された状態におけるハンドルHの部分の斜視図である。
【0020】
スロットルレバーL1 は、ハンドルアームAに対して回動可能に支持される回動支持棹部21の上端部に水平棹部22が機体1の幅方向に設けられて略T字状をなしていて、前記回動支持棹部21の基端部に一体に設けられた回動支持筒部23が、ハンドルアームAの斜上端部の側方に水平に突出したスロットルレバー支点軸部24に回動可能に支持されることにより、ハンドルHの斜前下方に当該ハンドルHに近接して配置される。よって、略T字状をしたスロットルレバーL1 は、前記支点軸部24を中心にしてハンドルHに対して接近・離間するように回動する。また、スロットルレバーL1 の水平棹部22の両端部は、スロットルレバーL1 をハンドルHの側に最も引き寄せた状態で、当該ハンドルHの第2握り部13と略平行であって、しかも幅方向に沿って一部が重複配置されるように斜下方に向けて折り曲げられて、引寄せ部22aとなっている。
【0021】
一方、ハンドルアームAにおける前記支点軸部24の僅かに前方には、水平レバー支点軸部30が略垂直となって一体に設けられ、前記水平レバー支点軸部30の下半部の小径部に水平レバー25の支点筒部25aが回動可能に支承されている。水平レバー25の一端部は、スロットルレバーL1 の回動支持棹部21の下端部に回動支持筒部23を介して反対側に延出したレバー部26にリンク33を介して連結されていると共に、水平レバー25の他端部は、スロットルワイヤーW1 の一端に連結されている。ハンドルアームAにおけるスロットルレバー支点軸部24及び水平レバー支点軸部30の反対側には、チューブ用ブラケット27が取付けられ、前記スロットルワイヤーW1 を挿通したワイヤーチューブ28の一端部が前記ブラケット27に固定されている。また、水平レバー25における支点筒部25aとスロットルワイヤーW1 の連結部との間には、一端部がバネブラケット29に連結された引張バネ31が連結されている。よって、スロットルレバーL1 は、スロットルワイヤーW1 の引込み力、及び前記引張バネ31によりハンドルHから離間する方向に付勢された状態で、スロットルレバー支点軸部24を中心にしてハンドルHに対して前後回動するように回動可能に支持されている。ここで、スロットルワイヤーW1 の引込み力のみによりスロットルレバーL1 をハンドルHから離間する方向に付勢するのでは付勢力が不足するため、水平レバー25における支点筒部25aとスロットルワイヤーW1 との連結部との間に引張バネ31の一端部を連結させ、当該引張バネ31の引張力により、前記付勢力を増大させて、スロットルレバーL1 が、ハンドルHからの開放により最大離間位置まで確実に離間するように構成している。また、スロットルレバーL1 の最大離間位置は、当該最大離間位置においても、ハンドルHの第2握り部13を握る手の指先が引寄せ部22aに届くことを基準にして定められる。前記バネブラケット29は、ハンドルアームAの下面(裏面)に固定されている。なお、図4、図5及び図7において、32は、引張バネ31により復帰される水平レバー25の復帰位置を規制するストッパーを示す。
【0022】
よって、スロットルレバーL1 を最もハンドルHの側に引き寄せると、水平レバー25が、スロットルワイヤーW1 の引込み力、及び引張バネ31の引張力に抗して平面視において反時計方向に回動して、スロットルワイヤーW1 をワイヤーチューブ28から最大に引き出し、エンジン7の回転数が最高になると共に、ハンドルHに対してスロットルレバーL1 を開放させると、スロットルワイヤーW1 の引込み力、引張バネ31の引張力により水平レバー25が平面視において時計方向に強制回動されることにより、スロットルレバーL1 は、ハンドルHから最大に離間する位置まで回動されて、エンジン7の回転数は最低となって、多くの場合には、機体1が走行できない回転数である。なお、水平レバー25の回動支点である支点筒部25aは、水平レバー25の長手方向の中心よりもリンク33との連結部の側に大きく偏在させているため、ワイヤーチューブ28からのスロットルワイヤーW1 の最大引出し長は、スロットルレバーL1 の回動支持筒部23よりも下方に延設されたレバー部26とリンク33との連結部の移動長よりも遥かに長くなっている。
【0023】
また、上記実施形態では、スロットルレバーL1 の水平棹部22の両端となる引寄せ部22aは、ハンドルHの第2握り部13の部分まで達しているのみで、第1握り部12の部分までは達していないのは、大部分の運転者は、運転姿勢からして第1握り部12よりも第2握り部13を握って運転することが多い事実に基づくことによる。しかし、スロットルレバーL1 の引寄せ部22aをハンドルHの第1及び第2の双方の握り部12,13の双方に沿わせて、いずれの握り部12,13においても、引寄せ可能にすることもできる。
【0024】
また、クラッチレバーL2 は、剛性を高めるために、ハンドルHを完全ループ状にした形状、即ち、対向配置された左右一対の第2握り部13を直線部で連結した形状であって、ハンドルHの後方に当該ハンドルHに近接して配置される。クラッチレバーL2 は、水平基端部41の両側が90度を超えて内方にわん曲されて一対の第1握り部42が対向配置状態で形成され、各第1握り部42の上端部が更に内方に折り曲げられて一対の第2握り部43が対向配置状態で形成され、対向配置された各第2握り部43が水平連結部44で連結された構成であって、前記水平基端部41に一体固定された一対のレバー体45を介してハンドルアームAに回動可能に支持される。即ち、ハンドルアームAの裏面における斜上端に近接した部分には、支点筒部46が機体1の幅方向に沿って固定されていて、クラッチレバーL2 の水平基端部41に取付けられた一対のレバー体45は、支点ピン47を介して前記支点筒部46に回動可能に支持され、一方のレバー体45の下方延設部45aにクラッチワイヤーW2 の一端部が連結されている。ハンドルアームAの裏面に固定されたチューブ用ブラケット49にワイヤーチューブ48の一端部が固定され、当該ワイヤーチューブ48に前記クラッチワイヤーW2 が挿通されている。クラッチワイヤーW2 は、ワイヤーチューブ48に引き込まれる方向(クラッチが遮断される方向)に付勢されて、一方のレバー体45は、ハンドルアームAの裏面に固定されたストッパー(図示)に当接しているため、クラッチを操作しない状態では、クラッチレバーL2 はハンドルHから離間して、クラッチは遮断されている。なお、図4において、51,52は、それぞれ支点ピン47の端部に嵌め込まれるスペーサ、及びEリングを示し、図1、図9及び図10において、61は、ハンドルHの水平固定部11に取付けられたブレーキレバーを示す。
【0025】
次に、図3、図6ないし図10を参照して、上記した芝刈機の運転操作方法について説明する。図10は、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して最も接近された状態におけるハンドルHの部分の斜視図である。図7、図8で2点鎖線、及び図9で示される状態では、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 は、ハンドルHに対して最大に離間されていて、芝刈機が停止している状態である。即ち、スロットルワイヤーW1 の引込み力、及び引張バネ31の引張力により、平面視において水平レバー25が時計方向に付勢されて、ストッパー32に当接することにより、スロットルレバーL1 はハンドルHから最大に離間されて、スロットルワイヤーW1 はワイヤーチューブ28に対して最も引き込まれることにより、エンジン7の回転数は最低となっている。また、クラッチワイヤーW2 は、自身の引込み力によりワイヤーチューブ48に最も引き込まれていて、当該引込み力によりクラッチレバーL2 は、支点ピン47を中心にハンドルHから離間する方向に回動されて、最大離間位置まで離間している。
【0026】
上記した芝刈機の停止状態において、図3及び図10に示されるように、機体1の後方において運転者Mが、ハンドルHの第2握り部13を握る手(多くの場合は両手)により、クラッチレバーL2 をハンドルHの側に握り込むと共に、ハンドルH及びクラッチレバーL2 の双方を握った手の指先により、スロットルレバーL1 の一対の引寄せ部22aの一方又は双方をハンドルHの側に所定量だけ引き寄せる。即ち、ハンドルH、スロットルレバーL1 、及びクラッチレバーL2 の三者を一緒に握って、スロットルレバーL1 、及びクラッチレバーL2 をハンドルHの側に接近又は当接させると、スロットルレバーL1 の引寄せ量に対応した回転数でエンジン7が回転して、機体1が走行して芝刈作業が行なわれる。即ち、エンジン7の動力がドラム3及びリールカッター4の双方に伝達されて、ドラム3の駆動回転により機体1が走行して、リールカッター4の回転により芝刈が設定刈高で刈り取られる。
【0027】
また、芝刈作業中において、機体1の走行速度を変更した場合には、ハンドルH及びクラッチレバーL2 を手で握ったままで、当該手の指先によって、ハンドルH側に引き寄せられているスロットルレバーL1 の引寄せ量を調整すればよい。即ち、スロットルレバーL1 を更にハンドルH側に引き寄せれば、エンジン7の回転数が増して機体1の走行速度が高まると共に、スロットルレバーL1 の引寄せ部22aを引き寄せている指先を僅かに開放加減にすると、スロットルワイヤーW1 の引込み力、及び引張バネ31の引張力によりスロットルレバーL1 のハンドルHに対する離間量が増して、エンジン7の回転数が下がり、その結果、機体1の走行速度は低下する。
【0028】
また、芝刈作業中に急停止したい場合には、ハンドルHを握っている手によるスロットルレバーL1 の引寄せ、及びクラッチレバーL2 の握りの双方を同時に開放すると、スロットルレバーL1 は、スロットルワイヤーW1 の引込み力、及び引張バネ31の引張力によりハンドルHから最も離間可能な位置まで離間させられて、エンジン7の回転数が最小になると共に、クラッチレバーL2 は、クラッチワイヤーW2 の引込み力により、最大離間位置まで離間させられてクラッチ(図示せず)が遮断されて、エンジン7の動力がドラム3及びリールカッター4の双方に伝達されなくなる。その結果、スロットルレバーL1 の引寄せ、及びクラッチレバーL2 の握りの双方を開放すると同時に、機体1は停止する。
【0029】
一方、機体1の旋回時においては、旋回内側の手のみによって、ハンドルH、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 を握り、旋回外側の手はハンドルHから離した状態で、ドラム3を中心にしてハンドルHを下げてリールカッター4側を持ち上げた状態で、しかも必要に応じて、ハンドルHを握っている一方の手によってスロットルレバーL1 の引込み量を適宜調整しながら、即ち、旋回速度の調整をしながら、機体1を旋回させられる。よって、機体1の旋回作業が容易になると共に、旋回中にハンドルHから手を離すことなく、左右いずれの側に旋回する場合も、左右の違いを除いて同一運転姿勢でもって旋回速度の調整を行なえる。なお、図1及び図2において、14は、ドラム軸15に着脱可能に装着される車輪である。
【0030】
また、ループ型のハンドルに関しては、前記実施形態のハンドルHのように不完全ループ型のものに限られず、完全ループ型のハンドルを備えた芝刈機に対しても本発明は実施可能である。完全ループ型のハンドルの場合には、スロットルレバーの引寄せ部をハンドルの握り部の全ての部分に沿う形状にすることにより、ハンドルの握り部のいずれの部分を握った場合にもスロットルレバーの操作が可能となる。
【0031】
また、前記実施形態では、スロットルレバーL1 は、スロットルワイヤーW1 の引込み力、及び引張バネ31の引張力によりハンドルHから離間する方向に付勢されているため、機体1の走行中においては、運転者は常に、ハンドルを握った手でスロットルレバーL1 をハンドルHの側に引き寄せ続けておくことが必要である。しかし、スロットルレバーL1 のレバー部26の先端連結部の近似直線移動を、スロットルワイヤーW1 の引出し及び引込みの各移動に変換する機構内に「抵抗部」を形成しておいて、前記「抵抗部」によりスロットルレバーの引寄せ位置を固定可能な構成にして、運転者は、エンジン回転数を変更する場合にのみスロットルレバーを操作する構成にすることも可能である。
【0032】
また、上記実施形態は、ハンドルを握る手によって、スロットルレバーのみならず、クラッチレバーも操作可能な構成であるが、本発明は、ハンドルから手を離してクラッチレバーを操作する芝刈機に対しても実施可能である。この構成の場合には、ハンドルの前方及び後方のいずれにもスロットルレバーを配設することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る歩行型の芝刈機の全体斜視図である。
【図2】集草箱6を取り外した状態の芝刈機の平面図である。
【図3】同じく芝刈作業状態の側面図である。
【図4】ハンドルアームAに固定されたハンドルH、スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の分解斜視図である。
【図5】ハンドルアームAに取付けられたスロットルレバーL1 の部分のみを下方から見た斜視図である。
【図6】スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して最も接近された状態におけるハンドルHの部分の側面図である。
【図7】スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して開放された状態におけるハンドルHの部分の側面図である。
【図8】図6のX矢視図である。
【図9】スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して開放された状態におけるハンドルHの部分の斜視図である。
【図10】スロットルレバーL1 及びクラッチレバーL2 の双方がハンドルHに対して最も接近された状態におけるハンドルHの部分の斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
A:ハンドルアーム
H:ハンドル
1 :スロットルレバー
2 :クラッチレバー
M:運転者
1 :スロットルワイヤー
2 :クラッチワイヤー
1:機体
12:ハンドルの第1握り部
13:ハンドルの第2握り部
22a:スロットルレバーの引寄せ部
31:引張バネ
【出願人】 【識別番号】591187841
【氏名又は名称】株式会社共栄社
【出願日】 平成18年4月27日(2006.4.27)
【代理人】 【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛


【公開番号】 特開2007−289123(P2007−289123A)
【公開日】 平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願番号】 特願2006−123341(P2006−123341)