| 【発明の名称】 |
バリカン型刈取り装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河瀬 宗之
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| 【要約】 |
【課題】無注油でも駆動音や摩滅が発生しにくいバリカン型刈取り装置を提供する。
【解決手段】可動刃20の複数の可動ピース22,22aのうちの一部の可動刃ピース22aを多孔性炭素材によって構成してある。ナイフクリップ体30の押圧作用部32は、多孔性炭素材製の可動刃ピース22aに接触作用して可動刃20を固定刃10に押圧する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定刃、及び、前記固定刃に対して摺動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取り装置であって、 前記可動刃における複数の可動刃ピースの一部が多孔性炭素材を備えて構成され、 前記可動刃を前記固定刃に押圧する押圧部材が、前記多孔性炭素材製の可動刃ピースに接触作用するように支持されているバリカン型刈取り装置。 【請求項2】 前記多孔性炭素材製の可動刃ピースが、前記可動刃の端部に配置されている請求項1記載のバリカン型刈取り装置。 【請求項3】 前記押圧部材の押圧作用部を、多孔性炭素材を備えさせて構成してある請求項1又は2記載のバリカン型刈取り装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、固定刃、及び、前記固定刃に対して摺動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取り装置に関する。 【背景技術】 【0002】 上記のバリカン型刈取り装置として、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。 特許文献1に示されるものは、固定刃1の上面側に可動刃3を左右往復摺動自在に設けて刃部X,Yを構成する。刃部X,Yの横外側に注油ノズル7に設け、この注油ノズル7にポンプPによって潤滑油を加圧供給して刃部X,Yに注油するように給油装置9を構成したものである。 【0003】 【特許文献1】特開平8−154462号公報(段落〔0010〕−〔0012〕、図1,2) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 バリカン型刈取り装置にあっては、可動刃を固定刃に押圧する押圧部材を設け、可動刃が固定刃から浮き上がることを抑制しながら可動刃を摺動操作するように構成される。このため、可動刃と押圧部材の間に発生する摩擦の抑制を図ると、駆動音や摩滅の発生を抑制できるなど有利に駆動することができるが、上記した如き従来の技術事項を採用した場合、特別な注油装置が必要になっていた。また、潤滑油の劣化や不足が発生しそうになっているか否かを判断し、適切なタイミングで注油を行うという煩わしいメンテナンスが必要になっていた。 【0005】 本発明の目的は、特別かつ煩わしい装置やメンテナンスの不要化や簡素化を図りながら、かつ経済面での有利化を図りながら、耐久性向上や騒音低減などを達成することができるバリカン型刈取り装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本第1発明にあっては、固定刃、及び、前記固定刃に対して摺動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取り装置において、 前記可動刃における複数の可動刃ピースの一部が多孔性炭素材を備えて構成され、 前記可動刃を前記固定刃に押圧する押圧部材が、前記多孔性炭素材製の可動刃ピースに接触作用するように支持されている。 【0007】 脱脂米ぬかと樹脂を混合、成形、焼成することによって得られるなどの多孔性炭素材は、無潤滑の状態で低摩擦を発揮するものである。この多孔性炭素材を備えて構成された可動刃ピースが押圧部材による押圧作用を受け、可動刃が固定刃に押圧されるものである。これにより、可動刃と押圧部材が無潤滑状態での低摩擦を発揮しながら接触し合い、注油の装置や作業を不要にしても、たとえ注油装置を備えるとしても極簡素な装置を備えるだけで、かつ、可動刃と押圧部材の接触による騒音や摩滅を極めて発生しにくくしながら、可動刃を固定刃から浮き上がりにくいように押圧させることができる。 【0008】 さらに、可動刃の複数の可動刃ピースの一部が多孔性炭素材製であるものだから、その他の可動刃ピースとして鋼製などの可動刃ピースを採用し、その分、可動刃を安価に得ながら、可動刃と押圧部材間の無潤滑状態での低摩擦を得ることができる。 【0009】 従って、本第1発明によると、可動刃と押圧部材の接触による騒音や摩滅が発生しにくく、静かにかつ軽く駆動することができ、かつ、耐久性に富んだ刈取り装置を得ることができる。しかも、注油のための装置や手間を不要や簡素なものにして、さらには、可動刃ピースの一部だけを多孔性炭素材製に済ませて可動刃を安価に得て、刈取り装置を構造面や経済面で有利に得ることができる。 【0010】 本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記多孔性炭素材製の可動刃ピースが、前記可動刃の端部に配置されている。 【0011】 たとえばコンバインの場合、一般に自走機体の横方向での一端側が既刈り地側に、他端側が未刈り地側にそれぞれ位置する状態にして収穫作業を行われる。このため、未刈り地側では、土埃が植立穀稈によるカバー作用で刈取り装置に進入しにくくなるが、既刈り地側では、植立穀稈が存在せず、刈取り装置に土埃が進入しやすくなる。本第2発明の構成によると、多孔性炭素材製の可動刃ピースが可動刃の端部に配置されていて優れた硬度を発揮するものだから、刈取り装置に土埃が入っても、摩滅が発生しにくい状態で刈取り処理を行わせることができる。 【0012】 従って、本第2発明によると、コンバインに装着された場合など、可動刃と押圧部材の接触による摩滅のみならず、土埃による摩滅も発生しにくく、極めて優れた耐久性を発揮する刈取り装置を得ることができる。 【0013】 本第3発明にあっては、本第1又は第2発明の構成において、前記押圧部材の押圧作用部を、多孔性炭素材を備えさせて構成してある。 【0014】 すなわち、可動刃ピースが多孔性炭素材製であるのみならず、押圧部材の押圧作用部が多孔性炭素材製であることによっても、可動刃と押圧部材が無潤滑状態での低摩擦を発揮しながら接触し合う。これにより、可動刃と押圧部材の接触による摩滅をより発生しにくくしながら、可動刃を固定刃から浮き上がりにくいように押圧させることができる。 【0015】 従って、本第3発明によると、可動刃と押圧部材の接触による摩滅がより発生しにくくて一層耐久性に富んだ刈取り装置を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図1に示すように、機体横方向(刈り幅方向)に適宜間隔を隔てて並ぶ複数本の分草杆1の基端側に支持された固定刃10、この固定刃10の上面側に設けた可動刃20を備えるとともに、この可動刃20の刈り幅方向での複数箇所に、ナイフクリップ体30を作用させてコンバイン用のバリカン型刈取り装置を構成してある。 【0017】 すなわち、可動刃20の一端側に位置する操作ヘッド21に係合した駆動回転体2を備えた刈り刃駆動機構が駆動されると、可動刃20が固定刃10に対して往復摺動するように駆動回転体2によって摺動操作される。このとき、可動刃20は、固定刃10に沿って往復摺動するように各ナイフクリップ体30によって摺動案内される。また、可動刃20は、固定刃10から浮き上がらないように各ナイフクリップ体30によって押圧される。これにより、各分草杆1の先端部に設けてある分草具3によって分草杆1どうしの間に導入された稲、麦などの植立穀稈の株元を固定刃10の固定刃ピース11と、可動刃20の可動刃ピース22,22aとによって挟んで切断する。 【0018】 このバリカン型刈取り装置についてさらに詳述すると、次の如く構成してある。 図1,3などに示すように、固定刃10は、前記分草杆1に支持された固定刃台12、この固定刃台12の前端部の上面側に固定刃台12の長手方向(刈取り装置刈り刃幅方向)に並べて載置された複数枚の前記固定刃ピース11を備えている。各固定刃ピース11は、リベット13によって固定刃台12に固定されている。 【0019】 図1,3などに示すように、可動刃20は、固定刃10の固定刃ピース11の上面側に固定刃10の長手方向に並んで位置する複数枚の前記可動刃ピース22,22a、前記複数枚の可動刃ピース22,22aの基部の上面側に設けたナイフバー24を備えている。ナイフバー24は、各可動刃ピース22,22aにリベット23によって連結され、複数枚の可動刃ピース22,22aを連結している。 【0020】 図2,3などに示すように、前記各ナイフクリップ体30の後端部は、このナイフクリップ体端部、固定刃ピース11の端部、固定刃台12の端部を挿通した連結ボルト14によって固定刃台12に締め付け固定されている。各ナイフクリップ体30の内面側にガイド溝31を設けるとともに、各ナイフクリップ体30の前記ガイド溝31に前記ナイフバー24が摺動自在に入り込むように構成してある。 【0021】 すなわち、各ナイフクリップ体30は、連結ボルト14を介して固定刃10に支持されている。各ナイフクリップ体30は、ガイド溝31の前後の溝内壁面31aによってナイフバー24の側面に接触して案内作用し、可動刃20を固定刃10に往復摺動するように移動案内する。 【0022】 図2,3に示すように、各ナイフクリップ体30の前端部30aに、ナイクリップ体30とは別部材に作製したブロック体を付設して、平坦面形の押圧面32aを有した押圧作用部32を設けてある。この押圧作用部32は、前記連結ボルト14の締め付け力により、前記押圧面32aを可動刃ピース22,22aの上面側に摺接自在に接触作用させている。 【0023】 図2に示すように、各ナイフクリップ体30の前記押圧作用部32の押圧面32aには、可動刃20が往復駆動されて各可動刃ピース22,22aが移動する移動ストロークL1よりも長く設定した可動刃移動方向長さL2を備えてある。これにより、各ナイフクリップ体30の押圧作用部32は、可動刃20が駆動されて各可動刃ピース22,22aが往復移動しても、複数枚の可動刃ピース22,22aのうちのナイフクリップ体30の付近に位置する特定の一枚の可動ピース22aが押圧面32aから外れず、この特定の可動刃ピース22aに常に押圧作用する。 【0024】 すなわち、各ナイフクリップ体30は、可動刃20に対する押圧部材となり、押圧作用部32によって可動刃ピース22aに接触作用して可動刃20を固定刃10に押圧し、可動刃ピース22,22aの固定刃ピース11からの浮き上がりを防止する。 【0025】 各ナイフクリップ体30の前記押圧作用部32、及び、各ナイフクリップ体30が前記押圧作用部32によって主として押圧作用する前記一部の可動刃ピース22aは、焼き入れ鋼なみの硬さを備えるように、かつ無注油状態(注油しない状態)で低摩擦を発揮するように多孔性炭素材によって構成してある。 【0026】 すなわち、米糠(ぬか)や麩(ふすま)などの麩糠類、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂などを混練、加温して造粒処理する。これによって得た粒状物を、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂と混ぜ合わせて成形し、不活性ガス雰囲気中または真空中で焼成、炭化処理することにより、多孔性炭素材によって構成された押圧作用部32や可動刃ピース22aを製作する。 【0027】 麩糠類としては、米糠油を搾油した後の脱脂糠、小麦粉をひいたときに出る皮屑(麩)、コーンスターチを製造した残滓などを採用するのが好ましい。殊に、脱脂糠を採用し、適切な温度や時間で焼成するなど適切に処理することにより、硬質の多孔性炭素材を製造し、硬質の押圧作用部32や可動刃ピース22aを得ることができる。 【0028】 図4に示すように、押圧作用部32は、可動刃ピース22aに接触作用する押圧面32aとは反対側の背面側に可動刃移動方向に沿った方向の突条33、可動刃移動方向に交差した方向の突条34を備えている。各突条33,34がナイフクリップ体30の凹部30b,30cに入り込み、押圧作用部32とナイフクリップ体30が係合し合っている。これにより、押圧作用部32と可動刃ピース22aの接触にかかわらず、押圧作用部32がナイフクリップ体30から外れにくくなっている。 【0029】 図5は、別の実施構造を備えたバリカン型刈取り装置を示す。このバリカン型刈取り装置の可動刃20は、可動刃摺動方向に分散配置した複数枚の多孔性炭素材製の可動刃ピース22a、及び、隣り合う一対の多孔性炭素材製可動刃ピース22aどうしの間に複数枚ずつ位置する配置で可動刃摺動方向に並ぶ複数枚の鉄製の可動刃ピース22を備えている。固定刃10の可動刃摺動方向での複数箇所にナイフクリップ体30を設けてある。 【0030】 各ナイフクリップ体30は、ナイフクリップ体30の前端側に設けた多孔性炭素材で成る押圧作用部32を備えている。各ナイフクリップ体30は、押圧作用部32をナイフクリップ体30の付近に位置する複数枚の前記多孔性炭素材製の可動刃ピース22aの上面側に摺接作用させて可動刃20を固定刃10に押圧する。 【0031】 各ナイフクリップ体30の前記押圧作用部32は、各ナイフクリップ体30の押圧作用部32を連結した一連の杆状押圧部材に成型した多孔性炭素材製の一つ押圧部材によって構成してある。すなわち、各ナイフクリップ体30の押圧作用部32は連結した状態になっている。 【0032】 図6は、さらに別の実施構造を備えたバリカン型刈取り装置を示す。このバリカン型刈取り装置の可動刃20は、可動刃20の両端部に可動刃摺動方向に連続させて配置した複数枚の多孔性炭素材製の可動刃ピース22a、可動刃一端側の多孔性炭素材製の可動刃ピース22aと可動刃他端側の多孔性炭素材製の可動刃ピース22aのと間に配置した複数枚の鉄製の可動刃ピース22を備えている。固定刃10の両端部にナイフクリップ体30を設けてある。 【0033】 各ナイフクリップ体30は、多孔性炭素材製の一つ押圧作用部32を備えている。各ナイフクリップ体30は、押圧作用部32を複数枚の多孔性炭素材可動刃ピース22aの上面側に摺接作用させて可動刃20を固定刃10に押圧する。 【0034】 刈取り装置両端側のうち、コンバインの運転部が存在する側(作業時に既刈り地側に位置される側)に位置する側の端部に存在する前記多孔性炭素材製の可動刃ピース22aの数量を、運転部存在側とは反対側(作業機の未刈り地側に位置される側)に位置する側の端部に存在する前記多孔性炭素材製の可動刃ピース22aの数量よりも多くしてある。 未刈り地側では、植立穀稈が存在して刈取り装置に入り込もうとする土埃に対する遮蔽部材になる。既刈り地側では、植立穀稈が存在しないことから、未刈り地側よりも刈取り装置に土埃が入り込みやすくなる。このため、刈取り装置の両端部に、土埃が入り込んでも摩滅が発生しにくいように多孔性炭素材製可動刃ピース22aを配置してある。刈取り装置の既刈り地側端部には、土埃による摩滅が未刈り地側よりも発生しにくいように、未刈り地側端部よりも数多くの多孔性炭素材製可動刃ピース22aを配置してある。 【0035】 〔別実施例〕 上記実施例の如く、ナイフクリップ体30の押圧作用部32の全体、ナイフクリップ体30の押圧作用部32が摺接作用する可動刃ピース22aの全体を多孔性炭素材によって構成するに替え、押圧作用部32の端部に多孔性炭素材製の板体を付設して多孔性炭素材製の押圧面を備えさせ、可動刃ピース22aの側面に多孔性炭素材製の板体を付設して多孔性炭素材製の上面を備えさせ、ナイフクリップ体30の押圧作用部32と、可動刃ピース22aとが無注油状態で低摩擦を発揮しながら摺接し合うように構成してもよい。これによっても、本発明の目的を達成することができる。 つまり、押圧部材としてのナイフクリップ体30の押圧作用部32、ナイフクリップ体30が押圧作用する一部の可動刃ピース22aを、多孔性炭素材を備えて構成することにより、本発明の目的を達成することができる。 【図面の簡単な説明】 【0036】 【図1】コンバイン用のバリカン型刈取り装置の平面図 【図2】ナイフクリップ体配設部の平面図 【図3】ナイフクリップ体配設部の横断面図 【図4】押圧作用部ブロックの斜視図 【図5】別の実施構造を備えたバリカン型刈取り装置の平面図 【図6】さらに別の実施構造を備えたバリカン型刈取り装置の平面図 【符号の説明】 【0037】 10 固定刃 20 可動刃 22 可動刃ピース 22a 多孔性炭素材製の可動刃ピース 30 押圧部材 32 押圧作用部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成18年2月21日(2006.2.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−222025(P2007−222025A) |
| 【公開日】 |
平成19年9月6日(2007.9.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−43922(P2006−43922) |
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