| 【発明の名称】 |
芝刈り機 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥村 道男
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| 【要約】 |
【課題】芝刈り機の刃物の駆動モードを両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間で合理的に切り替えられる技術を提供する。
【解決手段】芝刈り機は、上刃152と下刃153を駆動する両刃駆動モードと、上刃を駆動し、下刃の駆動を禁止する片刃駆動モードとの間で切替る駆動モード切替部材157を有する。駆動モード切替部材がベース板154の下面のときには、刃物アッセンブリーの刃物装着部に対する装着高さ位置が上方位置へと切り替えられて上刃駆動部材133と上刃との係合状態と下刃駆動部材135と下刃との係合状態がそれぞれ維持され、上刃と下刃が駆動可能とされ、駆動モード切替部材がベース板の上面のときには、刃物アッセンブリーの刃物装着部に対する上下方向の装着高さ位置が下方位置へと切替られて上刃駆動部材と上刃との係合状態が維持されて、下刃駆動部材と下刃との係合が解除され、上刃のみが駆動可能とされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体部と、 前記本体部の下部領域に形成された概ね水平な刃物装着面を有する刃物装着部と、 ベース板と、前記ベース板の上面において、互いに重なり合うように上下に配置された上刃および下刃と、前記上刃および下刃を水平揺動可能に前記ベース板に連結する連結軸とを有するとともに、前記刃物装着部に着脱自在とされた刃物アッセンブリーと、 前記上刃と係合した状態で回転運動することによって前記上刃を駆動する上刃駆動部材と、 前記下刃と係合した状態で回転運動することによって前記下刃を前記上刃と対向状に駆動する下刃駆動部材と、を有し、 前記上刃駆動部材および下刃駆動部材による前記上刃および下刃の駆動モードにつき、前記上刃駆動部材と前記上刃との係合を維持することによって前記上刃駆動部材による前記上刃の駆動を可能とするとともに、前記下刃駆動部材と前記下刃との係合を維持することによって前記下刃駆動部材による前記下刃の駆動を可能とする両刃駆動モードと、前記上刃駆動部材と前記上刃との係合を維持することによって前記上刃駆動部材による前記上刃の駆動を可能とし、かつ前記下刃駆動部材と前記下刃との係合を解除することによって前記下刃駆動部材による前記下刃の駆動を禁止する片刃駆動モードとの間で切り替え可能とされた芝刈り機であって、 前記駆動モードを、前記両刃駆動モードと前記片刃駆動モードとの間で切り替える駆動モード切替部材を更に有し、 前記駆動モード切替部材は、前記ベース板の下面に置かれることで前記駆動モードを前記両刃駆動モードに切り替える第1の位置と、前記ベース板の上面に置かれることで前記駆動モードを前記片刃駆動モードに切り替える第2の位置との間で位置替え可能とされ、 前記駆動モード切替部材が前記第1の位置に置かれたときには、前記刃物アッセンブリーの前記刃物装着部に対する上下方向の装着高さ位置が上方位置とされ、これによって前記上刃駆動部材と前記上刃との係合状態および前記下刃駆動部材と前記下刃との係合状態がそれぞれ維持されて前記上刃駆動部材および下刃駆動部材による前記上刃および下刃の駆動が可能とされ、更に前記駆動モード切替部材が前記上刃および前記下刃のいずれとも干渉しないことで前記上刃および前記下刃の水平揺動動作が許容される構成とされ、 前記駆動モード切替部材が前記第2の位置に置かれたときには、前記駆動モード切替部材が前記刃物装着面と前記ベース板上面との間に介在されて前記刃物アッセンブリーの前記刃物装着部に対する上下方向の装着高さ位置が下方位置へと切り替えられ、これによって前記上刃駆動部材と前記上刃との係合状態が維持されて前記上刃駆動部材による前記上刃の駆動が可能とされるとともに、前記下刃駆動部材と前記下刃との係合が解除されて前記下刃駆動部材による前記下刃の駆動が禁止され、更に前記駆動モード切替部材が前記上刃と干渉しないことで前記上刃の水平揺動動作が許容されるとともに、前記駆動モード切替部材が前記下刃と干渉することで前記下刃の水平揺動動作が規制される構成としたことを特徴とする芝刈り機。 【請求項2】 請求項1に記載の芝刈り機であって、 前記駆動モード切替部材は、前記上刃および下刃の動作方向に延在する基部と、前記基部の延在方向各端部から前記上刃および下刃の動作方向と交差する方向へと互いに対向して延在する2つの延長部を有し、 前記各延長部は、前記駆動モード切替部材が第2の位置に置かれたときには、前記刃物装着面と前記ベース板の上面に対してそれぞれ平面接触状態で介在されるとともに、前記下刃の一部と干渉することで当該下刃の水平揺動動作を規制する動作規制部を有することを特徴とする芝刈り機。 【請求項3】 請求項1または2に記載の芝刈り機であって、 前記駆動モード切替部材は、前記ベース板に支軸を介して回動自在に装着され、これによって前記刃物アッセンブリーと一体化され、前記支軸周りに回動することで前記第1の位置と前記第2の位置との間で位置替えされることを特徴とする芝刈り機。 【請求項4】 請求項3に記載の芝刈り機であって、 前記支軸は、前記ベース板に上下方向に移動可能とされ、前記駆動モード切替部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間で位置替えされる際、前記支軸が上下方向に移動することにより前記ベース板の上面あるいは下面に対する駆動モード切替部材の平面接触が許容される構成としたことを特徴とする芝刈り機。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の芝刈り機であって、 前記上刃駆動部材は、所定のストローク量で前記上刃を駆動する第1のカムと、前記第1のカムのストローク量よりも大きいストローク量で前記上刃を駆動する第2のカムとを有し、前記駆動モード切替部材が第1の位置に置かれたときには、前記第1のカムが前記上刃に係合して当該上刃の駆動を可能とし、前記駆動モード切替部材が第2の位置に置かれたときには、前記第2のカムが前記上刃に係合して当該上刃の駆動を可能とする構成としたことを特徴とする芝刈り機。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の芝刈り機であって、 前記本体部の下方領域に着脱自在に装着され、前記刃物アッセンブリーの下面側を覆うカバー部材と、 前記上刃上面と前記本体部との間の隙間を塞ぐシール部材、および前記ベース板下面と前記カバー部材との間の隙間を塞ぐシール部材と、を有し、 前記シール部材は、前記刃物アッセンブリーの上下方向の位置の切り替えに伴い前記隙間の上下方向間隔が変化したとき、上下方向へと弾性変形することで前記隙間の変化を吸収する構成としたことを特徴とする芝刈り機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、芝刈り作業に用いられる芝刈り機に関する。 【背景技術】 【0002】 特開2003−117267号公報(特許文献1)には、生垣の刈り込み作業と芝生の刈り込み作業に適用することが可能な刈込機に関する技術が開示されている。上記公報記載の刈込機は、上下に重ね合わせて配置される上刃と下刃の両方をそれぞれ駆動する両刃駆動式であって、生垣の刈り込み作業に用いられる生垣用のブレードユニットと、芝生の刈り込み作業に用いられる芝生用のブレードユニットとを備えている。すなわち、生垣用のブレードユニットと芝生用のブレードユニットを交換することによって生垣と芝生の刈り込み作業に適用できる構成としている。 【0003】 上記の刈込機において、芝生用のブレードユニットを用いて芝生の刈り込み作業を行う場合、すなわち芝刈り機として使用する場合においては、上刃と下刃の両方を駆動する両刃駆動式であるがゆえに、固定物周辺の芝生を刈り込む際、上刃あるいは下刃が固定物に干渉することとなって固定物周辺の刈り込み作業がやり難い。一方、上刃と下刃のうちの下刃を固定し、上刃のみを駆動する片刃駆動式の場合であれば、固定された下刃をガイド部材として固定物に沿わせて移動しつつ刈り込み作業を行うことができるため、刈り込み作業を容易に行うことが可能になる。 【特許文献1】特開2003−117267号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、芝刈り機において、刃物の駆動モードにつき、両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間で合理的に切り替えることが可能な技術を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。 請求項1に記載の発明に係る芝刈り機は、本体部と、刃物装着部と、刃物アッセンブリーと、上刃駆動部材と、下刃駆動部材とを有する。刃物装着部は、本体部の下部領域に概ね水平に形成された刃物装着面を有する。刃物アッセンブリーは、ベース板と、ベース板の上面において、互いに重なり合うように上下に配置された上刃および下刃と、上刃および下刃を水平揺動可能にベース板に連結する連結軸とを有するとともに、刃物装着部に着脱自在に構成される。上刃駆動部材は、上刃と係合した状態で回転動作することによって上刃を駆動する。下刃駆動部材は、下刃と係合した状態で回転動作することによって下刃を上刃と対向状に駆動する。そして本発明の芝刈り機は、上刃駆動部材および下刃駆動部材による上刃および下刃の駆動モードにつき、上刃駆動部材と上刃との係合を維持することによって上刃駆動部材による上刃の駆動を可能とするとともに、下刃駆動部材と下刃との係合を維持することによって下刃駆動部材による下刃の駆動を可能とする両刃駆動モードと、上刃駆動部材と上刃との係合を維持することによって上刃駆動部材による上刃の駆動を可能とし、かつ下刃駆動部材と下刃との係合を解除することによって下刃駆動部材による下刃の駆動を禁止する片刃駆動モードとの間で切り替え可能とされる。なお本発明における「上刃駆動部材」および「下刃駆動部材」としては、典型的には偏心カム(円盤カム)を用いるが、当該偏心カムに限らず、ハートカム、接線カム、ヨークカム等の従動側の上刃あるいは下刃と係合する部分が平面内で動作する平面カムを好適に用いることが可能である。また本発明における「対向状に駆動する」とは、上刃の動作方向に対して下刃を逆位相で駆動する態様をいう。 【0006】 本発明によれば、上刃駆動部材および下刃駆動部材による上刃および下刃の駆動モードを、両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間で切り替える駆動モード切替部材を更に有する。駆動モード切替部材は、ベース板の下面に置かれることで駆動モードを両刃駆動モードに切り替える第1の位置と、ベース板の上面に置かれることで駆動モードを片刃駆動モードに切り替える第2の位置との間で位置替え可能とされている。なお本発明における「位置替え」は、駆動モード切替部材がベース板に連接された状態で位置を替えることができる態様、ベース板から切り離された状態で位置を替えることができる態様のいずれも好適に包含する。また駆動モード切替部材の位置替えは、刃物アッセンブリーが刃物装着部から外された状態で行われるが、この場合の刃物アッセンブリーの取り外しは、刃物装着部から完全に切り離された状態での取り外し、あるいは一部が刃物装着部に連接した状態のままでの取り外しのいずれも好適に包含する。 そして駆動モード切替部材が第1の位置に置かれたときには、刃物アッセンブリーの刃物装着部に対する上下方向の装着高さ位置が上方位置とされる。この上方位置については、典型的には、刃物装着面にベース板の上面が直接に当接することで実現される。これによって上刃駆動部材と上刃との係合状態および下刃駆動部材と下刃との係合状態がそれぞれ維持されて、上刃駆動部材および下刃駆動部材による上刃および下刃の駆動が可能とされ、更に駆動モード切替部材が上刃および下刃のいずれとも干渉しないことで上刃および下刃の水平揺動動作が許容される構成とされる。 一方、駆動モード切替部材が第2の位置に置かれたときには、駆動モード切替部材が刃物装着面とベース板上面との間に介在されて刃物アッセンブリーの刃物装着部に対する上下方向の装着高さ位置が下方位置へと切り替えられる。これによって上刃駆動部材と上刃との係合状態が維持されて上刃駆動部材による上刃の駆動が可能とされるとともに、下刃駆動部材と下刃との係合が解除されて下刃駆動部材による下刃の駆動が禁止され、更に駆動モード切替部材が上刃と干渉しないことで上刃の水平揺動動作が許容されるとともに、駆動モード切替部材が下刃と干渉することで下刃の水平揺動動作が規制される構成とした。なお本発明における「干渉する」とは、典型的には、駆動モード切替部材が下刃に接触(当接)する状態をいう。 【0007】 上記のように、本発明によれば、駆動モード切替部材を第1の位置と第2の位置との間で位置替えすることによって、駆動モードを両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間で切り替えることができる。このため、固定物(障害物)のない場所の芝生を刈り込むような場合には、上刃および下刃を両刃駆動モードで駆動することにより、効率的に芝刈り作業を行うことができる。一方、石垣や庭石等の固定物周辺部の芝生を刈り込むような場合にあっては、下刃の駆動を禁止する片刃駆動モードに切り替え、上刃のみを駆動することにより、下刃を固定物に当てて滑らせながら芝生の刈り込みを行うといった態様での刈り込み作業が可能になる。これにより、固定物周辺部の芝刈り作業を容易に行うことができる。このように、本発明によれば、作業状況に応じた駆動モードの切り替えが可能なため、芝刈り作業の効率化に有効な芝刈り機が提供されることとなった。 【0008】 (請求項2に記載の発明) 請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の芝刈り機における駆動モード切替部材は、上刃および下刃の動作方向に延在する基部と、基部の延在方向各端部から上刃および下刃の動作方向と交差する方向へと互いに対向して延在する2つの延長部を有する。そして各延長部は、駆動モード切替部材が第2の位置に置かれた状態では、刃物装着面とベース板の上面に対してそれぞれ平面接触状態で介在されるとともに、下刃の一部と干渉することで当該下刃の水平揺動動作を規制する動作規制部を有する。本発明の「駆動モード切替部材」は、典型的には、U字形の枠状に形成される。本発明においては、駆動モード切替部材が第2の位置に置かれたときの、各延長部が刃物装着面とベース部材上面とのそれぞれに平面接触状態で介在される構成としたことで、刃物アッセンブリーの刃物装着部に対する装着状態の安定性を得ることができる。また延長部の動作規制部が下刃と干渉することによって当該下刃の水平揺動動作を規制し、これにより下刃を所定の固定位置に確実に固定して上刃との相対移動による芝生の刈り込み作業を円滑に行うことができる。 【0009】 (請求項3に記載の発明) 請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の芝刈り機における駆動モード切替部材は、ベース板に支軸を介して回動自在に装着され、これによって刃物アッセンブリーと一体化され、支軸周りに回動することで第1の位置と第2の位置との間で位置替えされる構成とした。本発明によれば、駆動モード切替部材を刃物アッセンブリーと一体化したことによって取り扱う際の利便性を向上でき、また駆動モード切替部材を支軸周りに回動操作して反転する(ひっくり返す)ことだけで簡単に位置替えできるため、駆動モード切替作業の作業性を向上できる。 【0010】 (請求項4に記載の発明) 請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の芝刈り機における支軸は、ベース板に上下方向に移動可能とされ、駆動モード切替部材が第1の位置と第2の位置との間で位置替えされる際、支軸が上下方向に移動することによりベース板の上面あるいは下面に対する駆動モード切替部材の平面接触が許容される構成とした。本発明によれば、支軸を回動支点にして駆動モード切替部材を回動することで位置替えする際、回動支点の位置が上下方向に移動動作するため、駆動モード切替部材をベース板の上面および下面のいずれに対しても平面当たりの状態とすることができる。これにより、第1の位置に置かれた状態では、配置スペースを少なくでき、第2の位置に置かれた状態では、本体部の刃物装着面とベース板間での介在状態を適正化できる。 【0011】 (請求項5に記載の発明) 請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載の芝刈り機における上刃駆動部材は、所定のストローク量で上刃を駆動する第1のカムと、第1のカムのストローク量よりも大きいストローク量で上刃を駆動する第2のカムとを有する。そして駆動モード切替部材が第1の位置に置かれたときには、第1のカムが上刃に係合して当該上刃を駆動し、駆動モード切替部材が第2の位置に置かれたときには、第2のカムが上刃に係合して当該上刃を駆動する構成とした。上刃および下刃の両方を駆動する両刃駆動方式の芝刈り機において、下刃の駆動を禁止することで片刃駆動モードに切り替える構成としたときは、両刃駆動モードでの駆動時に比べて上刃と下刃の相対的なストローク量が減少する。しかるに、本発明によれば、駆動モード切替部材を第1の位置から第2の位置へと位置替えることによって両刃駆動モードから片刃駆動モードに切り替えたとき、上刃を第1のカムよりも大きいストローク量で駆動することが可能な第2のカムによって駆動する構成としている。このため、片刃駆動モード時における上刃と下刃との相対的なストローク量を増加し、好ましくは両刃駆動モード時と同等の相対的ストローク量で駆動することが可能となる。すなわち、本発明によれば、両刃駆動モードから片刃駆動モードに切り替えた場合においても両刃駆動モード時と同様の刈り込み性能を維持できる。 【0012】 (請求項6に記載の発明) 請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1つに記載の芝刈り機において、本体部の下方領域に着脱自在に装着され、刃物アッセンブリーの下面側を覆うカバー部材と、上刃上面と本体部との間の隙間を塞ぐシール部材、およびベース板下面とカバー部材との間の隙間を塞ぐシール部材と、を有する。そしてシール部材は、刃物アッセンブリーの上下方向の位置変更に伴い、隙間の上下方向間隔が変化したとき、上下方向へと弾性変形することで隙間の変化を吸収する構成とした。なお本発明における「弾性変形」とは、シール部材が弾性を有する態様、シール部材を弾発状に付勢する弾性部材が別部材として設けられる態様等を広く包含する。また「シール部材」としては、典型的には、スポンジ、弾性ゴム等が好適に採用される。本発明によれば、駆動モードの切り替えによって刃物アッセンブリーの上下方向の位置が変化したとき、それに伴って生ずる隙間の変化をシール部材の弾性変形によって吸収し、シール性を維持できる。これにより、切断された芝生の本体部内への侵入を防止できる。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、芝刈り機において、刃物の駆動モードにつき、両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間で合理的に切り替えることが可能な技術が提供されることとなった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 (本発明の第1の実施の形態) 以下、本発明の第1の実施形態につき、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1には刃物装置が外された状態の芝刈り機の全体構成が側断面図として示され、図2には図1の芝刈り機を底面(下面)側から見た構成が示され、図3〜図5には刃物装置の全体構成が示される。また図6および図7には刃物装置を両刃駆動モードで駆動する場合が示され、図8および図9には刃物装置を片刃駆動モードで駆動する場合が示されている。図10〜図12には上刃および下刃が外された状態の刃物装置の構成が示され、図13には刃物装置における駆動モード切替プレートの位置替え動作態様が示される。 【0015】 本実施の形態に係る芝刈り機100の全体構成につき図1および図2を参照して説明する。芝刈り機100の本体部101は、ハウジング103と、当該ハウジング103の一方(図1および図2の左側)に延在状に配置されるハンドル(ハンドグリップ)105を主体に構成される。本体部101は、本発明における「本体部」に対応する。ハウジング103内には、電動モータ111および当該電動モータ111の回転出力を適宜減速してカム装置131に伝達する回転駆動装置121が収容配置されている。回転駆動装置121の下方には、カム装置131が配置され、このカム装置131に対して、刃物装置151(図3〜5参照)が着脱可能に係合される構成とされる。刃物装置151は、カム装置131に係合された状態(図6〜9参照)では、当該カム装置131の回転駆動に基づき刃物が駆動されて芝生の刈り込み作業を遂行する構成とされる。このことについては、後述する。刃物装置151の刃物、すなわち上刃152と下刃153の刃部は、ハウジング103の下部領域からハンドル105の延在方向と反対方向(図1および図2の右側)へと延在されている。なお説明の便宜上、ハンドル105側を後、上刃152および下刃153の延在側を前という。 【0016】 次に各機構部の詳細につき説明する。電動モータ111は、出力軸113を下側にして回転軸線が上下方向(縦向き)となるように配置され、出力軸113の先端部(下端部)にはピニオン115が形成されている。ハンドル105には、電動モータ111の通電駆動用の電源スイッチ107を操作するトリガ109が備えられている。 【0017】 回転駆動装置121は、出力軸113のピニオン115に噛み合い係合するとともに、第1支軸122を回転中心として水平面内にて回転する中間大ギア123、当該中間大ギア123に一体に形成された中間小ギア124、中間小ギア124に噛み合い係合するとともに、第2支軸125を回転中心として水平面内にて回転される従動ギア126を主体に構成される。なお第1支軸122および第2支軸125は、出力軸113と平行(軸線が鉛直方向)に配置される。また第2支軸125は、その軸方向上端部がハウジング101に抜け止めされるとともに、軸方向下部側が、従動ギア126の下面から所定長さで突出されており、この突出部分がカム装置131の取付軸部127とされている。すなわち、従動ギア126の下面にカム装置131が配置される構成とされる。 【0018】 カム装置131は、図1および図2に示すように、厚さ方向(上下方向)に互いに重なり合うように配置された上下2つの偏心カム(円盤カム)133,135によって構成されている。上側の偏心カム133は、上刃駆動用であり、本発明における「上刃駆動部材」に対応する。下側の偏心カム135は、下刃駆動用であり、本発明における「下刃駆動部材」に対応する。上側の偏心カム133の中心と、下側の偏心カム135の中心とは、取付軸部127の回転中心から互いに対向する側に所定量偏心(シフト)されている。なお2つの偏心カム133,135は、単一の素材を加工することで形成してもよいし、別々に形成した後で互いに溶接あるいはピン等によって接合して一体化してもよい。 【0019】 ハウジング103の下部には、刃物装置151が装着される刃物装着部141が形成されている。刃物装着部141は、図2の底面図に示すように、前方(図示右側)が開放された略コ字形の枠状に形成され、その下面が概ね水平に形成された刃物取付面141aとされる。刃物装着部141の両側面部の外側には、当該刃物装着部141の刃物取付面141aよりも更に下方側へと突出するカバー装着部143が形成されている。カバー装着部143には刃物装置151の基部側を下方から覆うアンダーカバー145が着脱自在に装着され、このアンダーカバー145によって刃物装置151がハウジング103の刃物装着部141に装着される構成とされる。このことについては、後述する。 【0020】 次に芝生の刈り込み作業に用いられる刃物装置151の構成につき図3〜図5を参照して説明する。刃物装置151は、上下方向において互いに重なり合うように配置される上刃152および下刃153と、それら上刃152および下刃153が載置される略四角形の平板からなるベースプレート154と、上刃152および下刃153をベースプレート154に連結する連結ピン155と、上刃152および下刃153の駆動モードを両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間で切り替える駆動モード切替プレート157とを主体にして構成される。ベースプレート154は、本発明における「ベース板」に対応する。また駆動モード切替プレート157は、上側および下側の偏心カム133,135によって駆動される上刃152および下刃153の駆動モードにつき、上刃152と下刃153の両方が駆動される両刃駆動モードと、上刃152のみが駆動され、下刃153の駆動が禁止される片刃駆動モードとの間で切り替えるべく設けられており、本発明における「駆動モード切替部材」に対応する。上刃152および下刃153は、平面視で略T字形に形成されるとともに、T字脚部に相当する基部側において、T字頭部に相当する刃部側との境界部近くでベースプレート154と一本の連結ピン155を介して連結されるとともに、当該連結ピン155を回動中心として水平面内にて相対的に回動自在とされている。すなわち、上刃152および下刃153と、上刃152および下刃153が載置されたベースプレート154とは連結ピン155を介して接合(一体化)されおり、この接合物を刃物アッセンブリーという。刃物アッセンブリーは、本発明における「刃物アッセンブリー」に対応する。連結ピン155は、本発明における「連結軸」に対応する。 【0021】 上刃152および下刃153の基部には、それぞれ前後方向に長い長円孔152b,153bが形成され(図3および図4参照)、上刃152の長円孔152bがカム装置131における上側の偏心カム133に係合(嵌合)可能とされ、下刃153の長円孔153bが下側の偏心カム135に係合可能とされる。なお上刃152および下刃153は、その刃部にそれぞれ櫛刃状の切刃152a、153aを有する。またベースプレート154には、刃物装置151が刃物装着部141に装着される際、第2支軸125の取付軸部127が貫通する貫通孔154aが形成されている。 【0022】 駆動モード切替プレート157は、図10〜図12に示すように、前方が開放された平面視で略コ字形の枠状に形成されている。駆動モード切替プレート157は、後端側(基部側)において、支軸158を介してベースプレート154に回動自在に取り付けられ、図13に示すように、支軸158周りに回動することでベースプレート154の下面に重なる位置と、上面に重なる位置との間で位置替え可能とされている。下面に重なる位置は、本発明における「第1の位置」に対応し、上面に重なる位置は、本発明における「第2の位置」に対応する。そして支軸158は、ベースプレート154の後端両側面部に形成された耳状の突起154bの長孔154cに上下方向に移動可能に取付けられている。支軸158の上下方向移動量は、少なくともベースプレート154の厚さ(上下方向寸法)に当該支軸158の直径を加えた数値以上となるように設定される。このため、駆動モード切替プレート157は、図13において、実線矢印あるいは破線矢印で示すように、支軸158周りに回動動作しつつ支軸158とともに上下方向へと移動されて下面側位置と上面側位置との間で位置替えされたとき、ベースプレート154の下面あるいは上面に水平状態での面接触が可能とされ、ひいては刃物装着用部141の刃物取付面141a、更にはアンダーカバー145の上面に水平状態での面接触が可能とされる。 【0023】 駆動モード切替プレート157は、ベースプレート154に対する配置位置が切り替えられることで、ハウジング103の刃物装着部141に対する刃物アッセンブリーの上下方向の装着高さ位置を変更することが可能とされる。すなわち、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の下面側に置かれたときには、図6に示すように、ベースプレート154上面が刃物装着部141の刃物取付面141aに対して直接に面当たり状態で当接するが、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の上面側に置かれたときには、図8に示すように、ベースプレート154上面が刃物装着部141の刃物取付面141aに対して駆動モード切替プレート157を介して面当たり状態で当接する構成とされる。これにより、刃物アッセンブリーは、刃物装着部141に対し、駆動モード切替プレート157の厚さ分だけ上下方向の装着高さ位置が上方あるいは下方へと変更される。 【0024】 すなわち、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の下面側に位置替えされたときには、刃物装着部141に対する刃物アッセンブリーの装着高さ位置が上方に変更される。このときは、上刃152および下刃153が上方位置となり、上刃152の長円孔152bに上側の偏心カム133が係合され、下刃153の長円孔153bに下側の偏心カム135が係合される構成とされる(図6参照)。この状態が、上刃152と下刃153の両方が駆動される両刃駆動モードであり、本発明における「両刃駆動モード」に対応する。駆動モード切替プレート157がベースプレート154の上面側に位置替えされたときには、刃物装着部141に対する刃物アッセンブリーの装着高さ位置が下方に変更される。このときは、上刃152および下刃153が下方位置となり、上刃152の長円孔152bに上側の偏心カム133が係合されるが、下刃153の長円孔153bには下側の偏心カム135が係合されない(係合が解除される)構成とされる(図8参照)。この状態が、上刃152のみが駆動され、下刃153の駆動が禁止(停止)される片刃駆動モードであり、本発明における「片刃駆動モード」に対応する。 【0025】 上側の偏心カム133の厚み(上下方向寸法)が下側の偏心カム135よりも厚く設定されるとともに、上刃152の基部と下刃153の基部間には、上下方向に所定の隙間が形成されている。このように構成することで、上刃152については、刃物装置151の装着高さ位置が上方あるいは下方のいずれに変更されても上側の偏心カム133に係合することが可能とされるが、下刃153については、刃物装置151の装着高さ位置が上方に変更されたときには、下側の偏心カム135に係合され、刃物装置151の装着高さ位置が下方に変更されたときには、下側の偏心カム135に対する係合を解除することが可能とされる。なお下刃153は、その基部側端部に上刃152側に向って突出するガイドピン159を有する。このガイドピン159の上端が上刃152の基部側端部下面に相対摺動が許容された状態で当接されている。これにより上刃152と下刃153の切刃152a,153a相互の接触状態が適正に維持される構成とされる。 【0026】 駆動モード切替プレート157は、前述したように、前方が開放された平面視で略コ字形の枠状に形成されている。すなわち、上刃152および下刃153の水平揺動動作方向に延在する基部157aと、当該基部157aの延在方向各端部から上刃152および下刃153の水平揺動動作方向と交差する方向へと互いに対向して延在する2つの延長部157bとを有する構成とされる。そして延長部157bは、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の下面側位置と上面側位置との間で位置替え(反転動作)されるとき、およびベースプレート154の下面側位置に置かれる両刃駆動動モードでは、上刃152および下刃153のいずれとも干渉しない構成される。一方、延長部157bは、ベースプレート154の上面側位置に置かれた片刃駆動モードでは、当該延長部157bの基部157a近くに形成された挟幅部157cが下刃153の基部と係合し、これにより当該下刃153の水平揺動動作を規制する構成とされる。挟幅部157cは、本発明における「動作規制部」に対応する。 【0027】 刃物装置151は、ベースプレート154が刃物装着部141の刃物取付面141aに対し直接にあるいは駆動モード切替プレート157を介して当接した状態でアンダーカバー145を介してハウジング103に着脱自在に装着される。アンダーカバー145は、ハウジング103のカバー装着部143に装着された状態では、その周縁部が駆動モード切替プレート157の下面あるいはベースプレート154の下面に下方から面接触状態で当接し、これによりベースプレート154の上面あるいは駆動モード切替プレート157の上面を刃物装着部141の刃物取付面141aに押圧状に固定する。なおアンダーカバー145は、前述したカバー装着部143に対して水平方向にスライド操作することでフック状の複数の爪を介して装着あるいは離脱されるように構成されるが、このことについては、公知の技術ゆえ詳細な説明については省略する。 【0028】 刃物アッセンブリーは、図6あるいは図8に示すように、刃物装着部141に装着された状態では、ハウジング103の下面とアンダーカバー145上面との間に形成される開口部を通ってハウジング103の前方に延出されている。本実施の形態においては、上刃152上面とハウジング103下面との隙間C、および下刃153下面とアンダーカバー145上面間の隙間Cが、両刃駆動モードと片刃駆動モードとの間での切り替えによる刃物アッセンブリーの高さ位置の変化に伴い変化する。そこで、本実施の形態では、上記の隙間Cをシール(封止)するべくハウジング103とアンダーカバー145にそれぞれダストシール161,163を設けるとともに、当該ダストシール161,166を上下方向に弾性変形することで隙間Cの変形を吸収できる構成としている。なおダストシール161,163を弾性変形させる手段としては、ダストシール161,163を、例えばスポンジのような弾性を有する素材によって形成する構成、あるいはダストシール161,163をバネのような弾性部材を介して弾発状に付勢する構成等を適宜採用できる。 【0029】 本実施の形態に係る芝刈り機100は、上記のように構成されている。以下のその作用および使用方法につき説明する。 芝刈り機100を両刃駆動モードで使用するときは、刃物装置151の駆動モード切替プレート157がベースプレート154の下面位置に切り替えられる。そしてその状態で刃物装置151がハウジング103の刃物装着部141に装着されると、ベースプレート154の上面が刃物装着部141の刃物取付面141aに直接に当接される。この状態が図6および図7に示される。上記のように装着されることでハウジング103の刃物装着部141に対する刃物アッセンブリーの装着高さ位置が上方位置となる。このように装着されたとき、上刃152の長円孔152bに上側の偏心カム133が係合され、下刃153の長円孔153bに下側の偏心カム135が係合する。このとき、ベースプレート154の下面側に置かれた駆動モード切替プレート157は、上刃152および下刃153のいずれとも干渉しない。 【0030】 この状態でトリガ109の引き操作によって電源スイッチ107が投入(オン)され、これにより電動モータ111が通電駆動されると、ピニオン115から中間大ギア123および中間小ギア124を介して従動ギア126が水平面内にて回転され、これに伴いカム装置131の上下の偏心カム133,135が水平面内を回転運動される。従って、上側および下側の偏心カム133,135に係合する上刃152および下刃153は、それぞれ連結ピン155を回動中心として互いに逆方向(逆位相で)に円弧状に水平揺動往復運動を行い、上刃152と下刃153の切刃152a,153a間に被切断物としての芝生を挟んで切断する。すなわち、上刃152および下刃153を駆動した両刃駆動モードでの芝刈り作業が遂行される。このとき、上刃152および下刃153の基部側は、上側および下側の偏心カム133,135の各偏心量の2倍の移動量で揺動され、切刃152a,153a側は、連結ピン155と取付軸部127の中心までの距離と、連結ピン155から切刃152a,153aまでの距離との比率で決まる移動量で移動することとなる。 【0031】 一方、芝刈り機100を片刃駆動モードで使用したいときは、刃物装置151は、ハウジング103の刃物装着部141から一旦外される。そして駆動モード切替プレート157をベースプレート154の上面側へと位置替えし、その状態で再び刃物装着部141に装着する。このとき、駆動モード切替プレート157が刃物装着部141の刃物取付面141aに当接される。この状態が図8および図9に示される。すなわち、ベースプレート154と刃物装着部141の刃物取付面141a間に駆動モード切替プレート157が介在される。これにより、ハウジング103の刃物装着部141に対する刃物アッセンブリーの装着高さ位置が下方位置となる。このように装着されたとき、上刃152の長円孔152bには上側の偏心カム133が係合されるが、下刃153の長円孔153bには下側の偏心カム135が係合されない。このとき、駆動モード切替プレート157は、上刃152には干渉しないが、下刃152と干渉する。すなわち、ベースプレート154の上面側に置かれた駆動モード切替プレート157の枠部の内側面に対して下刃153の基部外面が係合し、これにより下刃153の連結ピン155周りの移動、すなわち揺動動作が規制される。 【0032】 この状態でトリガ109が引き操作され、電源スイッチ107の投入(オン)動作に伴い電動モータ111が通電駆動されると、ピニオン115から中間大ギア123および中間小ギア124を介して従動ギア126が水平面内にて回転され、これに伴いカム装置131の上下の偏心カム133,135が水平面内を回転運動される。上側の偏心カム133に係合する上刃152は駆動されるが、下側の偏心カム135に対する係合が解除状態にある下刃は停止状態に保持される。すなわち、上刃152のみが連結ピン155周りに水平揺動往復運動を行う片刃駆動モードで駆動される。 【0033】 以上のように、本実施の形態に係る芝刈り機100は、カム装置131による刃物装置151の駆動モードにつき、上刃152および下刃153を駆動する両刃駆動モードと、上刃152を駆動し、下刃の駆動を禁止する片刃駆動モードとの間で切り替えることができる。両刃駆動モードでは、上刃152および下刃153が共に逆位相で相対移動することから、その移動ストローク量を大きくとることができる。このため、固定物(障害物)のない広い場所の芝生を刈り込むような場合には、上刃152および下刃153を両刃駆動モードで駆動することにより、大きいストローク量で効率的に芝刈り作業を行うことができる。一方、例えば石垣あるいは庭石等の固定物の周辺部の芝生を刈り込むような場合にあっては、下刃153の駆動を禁止する片刃駆動モードに切り替え、上刃152のみを駆動することにより、下刃153を固定部に当てて滑らせながら芝生の刈り込みを行うといった態様での刈り込み作業が可能になる。これにより、固定物周辺部の芝刈り作業を容易に行うことができる。すなわち、本実施の形態に係る芝刈り機100は、作業状況に応じて両刃駆動式芝刈り機として、あるいは片刃駆動式芝刈り機として使い分けることができ、芝刈り作業を効率よく遂行できる。 【0034】 また本実施の形態における駆動モード切替プレート157は、基部157aと、基部157aから上刃152および下刃153の水平揺動動作方向と交差する方向へと互いに対向して延在する2つの延長部157bとを有する構成とされる。そして各延長部157bは、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の上面に置かれた片刃駆動モードでは、刃物装着面141aおよびベースプレート154の上面に対してそれぞれ面接触状態で介在され、また駆動モード切替プレート157がベースプレート154の下面に置かれた両刃駆動モードでは、ベースプレート154の上面およびアンダーカバー145の上面に対してそれぞれ面接触状態で介在される構成とされている。このため、いずれの駆動モードにおいても刃物装着部141に対し刃物アッセンブリーを安定状態で装着することが可能となる。また片刃駆動モードでは、延長部157bの挟幅部157cが下刃153の基部と干渉することによって当該下刃153の水平揺動動作を規制する。これにより下刃153が所定位置に固定されて上刃152との相対移動動作が維持されるため、片刃駆動による芝生の刈り込み作業を支障なく遂行できる。 【0035】 また本実施の形態によれば、駆動モード切替プレート157は、ベースプレート154に支軸158を介して回動自在に取り付けられ、刃物アッセンブリーと一体化されている。このため、駆動モードの切り替え作業時において、駆動モード切替プレート157が刃物アッセンブリーから切り離されることがなく、取り扱い易い。また駆動モード切替プレート157が支軸158周りに回動することでベースプレート154の下面位置と上面位置との間で位置替えされる構成としたので、駆動モード切替プレート157を支軸158周りに回動させて反転する(ひっくり返す)ことだけで簡単に位置替えできる。更に支軸158は、ベースプレート154の突起154bの長孔154cに沿って上下方向に移動可能とされているため、支軸158を回動支点にして駆動モード切替プレート157を回動させて位置替えする際、回動支点の位置が上下方向に移動動作することで、駆動モード切替プレート157をベースプレート154の上面および下面のいずれに対しても適正な平面当たりの姿勢とすることができる。 【0036】 (本発明の第2の実施形態) 次に本発明の第2の実施形態につき、図14〜図17を参照しつつ説明する。前述した実施の形態では、上刃152の駆動につき、両刃駆動モードおよび片刃駆動モードのいずれの場合もストローク量が一定としている。このため、下刃153の駆動が禁止される片刃駆動モード時には、下刃153も駆動される両刃駆動モード時に比べると、刃物相互間に関するストローク量が不十分となる可能性がある。そこで本実施の形態では、カム装置171の上刃駆動用として設けられる上側の偏心カムにつき、両刃駆動モード時用の第1偏心カム173と、当該第1偏心カム173よりも大きいストローク量で上刃152を駆動する片刃モード駆動時用の第2偏心カム175とを有する構成とし、これにより、片刃モード駆動時における刃物相互間のストローク量の不足を補う構成としたものである。この構成を除いては、前述した第1の実施形態と同様に構成される。したがって、第1の実施形態と同等な構成部材については、同一符号を付してその説明を省略あるいは簡略にする。第1偏心カム173は、本発明における「第1のカム部」に対応し、第2偏心カム175は、本発明における「第2のカム部」に対応する。 【0037】 本実施の形態におけるカム装置171は、上から順に上刃駆動用としての第1偏心カム173および第2偏心カム175と、下刃駆動用としての第3偏心カム177との、合計3つの偏心カムが配置された構成とされる。なお3つの偏心カム173,175,177は、単一の素材を加工することで一体に形成してもよいし、別々に形成した後でそれらを互いに溶接あるいはピン等によって接合して一体化してもよい。片刃駆動モード時に上刃152を駆動する第2偏心カム175は、その偏心量が両刃駆動モード時に上刃152を駆動する第1偏心カム173の偏心量よりも大きく設定されている。すなわち、上刃152は、第2偏心カム175で駆動される片刃駆動モード時には、第1偏心カム173で駆動される両刃駆動モード時よりも大きいストローク量、たとえば2倍のストローク量で駆動されるように構成されている。 【0038】 なお上記のように構成されたカム装置171によって駆動される刃物装置151は、上刃152および下刃153とベースプレート154とを連結ピン155を介して接合することで刃物アッセンブリーが構成されている点、およびベースプレート154に駆動モード切替プレート157が支軸158を介して回動自在に装着されている点等、前述した第1の実施形態と同一構成とされる。 【0039】 図14〜図16には刃物装置151を両刃駆動モードで駆動する場合が示されている。この両刃駆動モードでは、刃物装置151は、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の下面側位置に置かれ、ベースプレート154の上面が刃物装着部141の刃物取付面141aに直接に当接された状態で装着されている。このため、刃物装置151の刃物アッセンブリーの装着高さ位置が上方位置とされる。この状態では、上刃152の長円孔152bに上側の第1偏心カム173が係合され、下刃153の長円孔153bに下側の第3偏心カム177が係合される。したがって、電動モータ111が通電駆動されることに伴い上刃152と下刃153がそれぞれ所定のストローク量で駆動される。これにより、上刃152の切刃152aと下刃153の切刃153aとを、互いに十分な開度で対向する(開く)切断準備位置(図15に示す位置)と、互いに重なり合う(閉じる)切断完了位置(図16に示す位置)との間で適正なストローク量で水平揺動動作させて芝生を効率よく切断することができる。 【0040】 一方、図17〜図19には刃物装置151を片刃駆動モードで駆動する場合が示されている。この片刃駆動モードでは、刃物装置151は、駆動モード切替プレート157がベースプレート154の上面側位置に置かれ、ベースプレート154が駆動モード切替プレート157を介して刃物装着部141の刃物取付面141aに当接された状態で装着される。このため、刃物装置151の刃物アッセンブリーの装着高さ位置が下方位置とされる。この状態では、上刃152の長円孔152bに中間位置の第2偏心カム175が係合され、下刃153は第3偏心カム177に係合されない。したがって、電動モータ111が通電駆動されることに伴い上刃152のみが駆動され、下刃153は駆動されない。このとき上刃152は、両刃駆動モード時の概ね2倍のストローク量で駆動される。このため、両刃駆動モード時と同様に、上刃152の切刃152aと下刃153の切刃153aとを、互いに十分な開度で対向する切断準備位置(図18に示す位置)と、互いに重なり合う切断完了位置(図19に示す位置)との間で適正なストローク量で水平揺動動作させることができる。すなわち、片刃駆動モード時においても両刃駆動モード時と同様、芝生を効率よく切断することができる。 【0041】 このように、本実施の形態によれば、両刃駆動モードと片刃駆動モードのいずれにおいても過不足のない適正なストローク量で上刃152を駆動し、芝刈り作業を効率よく遂行することができる。また本実施の形態に係る芝刈り機100は、上述した作用効果のみならず、第1の実施形態と同様の作用効果を奏するものであるが、このことについては重複説明を回避する意味においてその説明を省略する。 【0042】 なお上述した実施の形態においては、駆動モード切替プレート157につき、ベースプレート154に支軸158を介して回動自在に装着し、ベースプレート154の上面側位置と下面側位置との間で位置替え可能としてアッセンブリー化しているが、この構成に限定されない。例えば駆動モード切替プレート157を、ベースプレート154の上面および下面に対してそれぞれ着脱自在に装着する構成、あるいは刃物装着部141の刃物取付面141aおよびアンダーカバー145の内面(上面)に着脱自在に装着する構成等に変更し、ベースプレート154の上面側位置と下面側位置との間で置き替えるようにしてもよい。 【0043】 なお本発明の趣旨に鑑み、以下の態様を構成することが可能である。 (態様1) 「請求項4に記載の芝刈り機であって、 前記支軸の上下方向移動量は、少なくとも前記ベース板の厚さに前記支軸の直径を加えた数値以上となるように設定され、これにより前記駆動モード切替部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間で位置替えされたとき、前記ベース板の上面あるいは下面に対して前記駆動モード切替部材が平面接触状態で重なる構成としたことを特徴とする芝刈り機。」 【図面の簡単な説明】 【0044】 【図1】本発明の第1の実施形態に係る刃物装置が外された状態の芝刈り機の全体構成を示す側断面図である。 【図2】図1における芝刈り機の底面図である。 【図3】刃物装置を示す平面図である。 【図4】刃物装置を示す底面図である。 【図5】刃物装置を示す断面図である。 【図6】刃物装置を両刃駆動モードで駆動する場合の芝刈り機の側断面図である。 【図7】図6における芝刈り機の底面図である。ただしアンダーカバーを省略する。 【図8】刃物装置を片刃駆動モードで駆動する場合の芝刈り機の側断面図である。 【図9】図8における芝刈り機の底面図である。ただしアンダーカバーを省略する。 【図10】上刃および下刃が外された状態の刃物装置の平面図である。 【図11】同じく上刃および下刃が外された状態の刃物装置の底面図である。 【図12】上刃および下刃が外された状態の刃物装置の断面図である。 【図13】刃物装置における駆動モード切替プレートの位置替え動作態様を示す図である。 【図14】第2の実施形態に係る芝刈り機の全体構成を示す側断面図であり、両刃駆動モード時を示す。 【図15】同じく両刃駆動モード時の芝刈り機の底面図であり、上刃と下刃が開き位置(切断準備位置)に置かれた状態を示す。ただしアンダーカバーを省略する。 【図16】同じく両刃駆動モード時の芝刈り機の底面図であり、上刃と下刃が閉じ位置(切断完了位置)に置かれた状態を示す。ただしアンダーカバーを省略する。 【図17】第2の実施形態に係る芝刈り機の全体構成を示す側断面図であり、片刃駆動モード時を示す。 【図18】同じく片刃駆動モード時の芝刈り機の底面図であり、上刃と下刃が開き位置(切断準備位置)に置かれた状態を示す。ただしアンダーカバーを省略する。 【図19】同じく片刃駆動モード時の芝刈り機の底面図であり、上刃と下刃が閉じ位置(切断完了位置)に置かれた状態を示す。ただしアンダーカバーを省略する。 【符号の説明】 【0045】 100 芝刈り機 101 本体部 103 ハウジング 105 ハンドル 107 電源スイッチ 109 トリガ 111 電動モータ 113 出力軸 115 ピニオン 121 回転駆動装置 122 第1支軸 123 中間大ギア 124 中間小ギア 125 第2支軸 126 従動ギア 127 取付軸部 131 カム装置 133 上側の偏心カム(上刃駆動部材) 135 下側の偏心カム(下刃駆動部材) 141 刃物装着部 141a 刃物取付面 143 カバー装着部 145 アンダーカバー(カバー部材) 151 刃物装置 152 上刃 152a 切刃 152b 長円孔 153 下刃 153a 切刃 153b 長円孔 154 ベースプレート(ベース板) 154a 貫通孔 154b 突起 154c 長孔 155 連結ピン(連結軸) 157 駆動モード切替プレート(駆動モード切替部材) 157a 基部 157b 延長部 157c 挟幅部(動作規制部) 158 支軸 159 ガイドピン 171 カム装置 173 第1偏心カム(第1のカム) 175 第2偏心カム(第2のカム) 177 第3偏心カム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000137292 【氏名又は名称】株式会社マキタ
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| 【出願日】 |
平成18年2月13日(2006.2.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105120 【弁理士】 【氏名又は名称】岩田 哲幸
【識別番号】100106725 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 敏行
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| 【公開番号】 |
特開2007−209304(P2007−209304A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月23日(2007.8.23) |
| 【出願番号】 |
特願2006−35419(P2006−35419) |
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