| 【発明の名称】 |
里芋の分離運搬方法及び分離運搬車 |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 伊佐男
【氏名】小田切 元
【氏名】高木 真吾
【氏名】岩部 孝章
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地上に掘り起こした芋を走行装置(B)に設ける芋分離装置(A)によって親芋と子芋とに分離し、この分離された子芋を該走行装置(B)上に積載すると共に親芋を切断して圃場面上に排出してから、該走行装置(B)を次の分離作業場所へ移動させることを特徴とする芋類の分離運搬方法。 【請求項2】 走行装置(B)上に、親芋の根底部を押圧して子芋を分離させる押圧部材(21)と親芋を戴置する環状受座(19)と該環状受座(19)の下方において前記押圧部材(21)によって押圧されて該環状受座(19)に嵌入する親芋を切断する切断刃(24)とを備える芋分離装置(A)と、該切断刃(24)によって切断された親芋を圃場面上に排出することの出来る排出部(40)と、該芋分離装置(A)によって分離された子芋を積載する積載部(D)とを設けたことを特徴とする芋類の分離運搬車。 【請求項3】 前記走行装置(B)を走行操作する操作部(C)と前記芋分離装置(A)の押圧部材(21)を上下動させる操作部材(29)を接近して配置したことを特徴とする請求項2記載の芋類の分離運搬車。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、里芋など里芋の分離運搬方法及び分離運搬車に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来の里芋の分離運搬方法としては、特許文献1に示されるようにトラクターの動力軸によって駆動される芋分離装置で親芋から子芋を分離させ、親芋と子芋とを別々の容器に収容し、容器を圃場に置いて次の分離作業場所へと移動するものや、特許文献2に示されるように走行装置を備えた芋分離装置で親芋から子芋を分離させ、親芋と子芋とを別々の容器に回収し、容器を圃場に置いて次の分離作業場所へと移動するものが試みられている。 【0003】 また、従来の里芋の分離運搬車としては、特許文献1に示されるようにトラクターの動力軸によって駆動される芋分離装置を取り付けたものや、特許文献2に示されるように走行装置を備える芋分離装置が試みられている。 【特許文献1】特開2001−46041 【特許文献2】特開平11−168933 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、上記の里芋の分離運搬方法および分離運搬装置では親芋と子芋とを両方収容するため、一度に積載出来る子芋の量は限られる。したがって、子芋を収容した容器を圃場に置いていかねばならず、作業後にこれらの容器を圃場から作業者が手作業で回収する必要があり、大きな労力を必要としていた。 【0005】 また、子芋を分離した後の親芋を、米やその他の作物を輪作する際に邪魔にならないよう圃場にすき込んだり、あるいは圃場から回収するなど別途処理を行う必要がある。しかしながら、この切断されていない親芋を破砕しながらすき込むことは容易ではなく、そのまますき込むと米や他の作物を輪作する際に、植付け前の代掻き作業において浮き上がり、作業の障害となっていた。また、回収する場合でも大きな労力が必要であった。 【0006】 本発明の目的は、里芋の分離作業を行いながら、親芋を圃場にすき込み易いように処理すると共に、分離した子芋を積載して移動することの出来る里芋の分離運搬車を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、上記の課題を解決するために次の技術的手段を講じる。 請求項1記載の発明は、地上に掘り起こした芋を走行装置(B)に設ける芋分離装置(A)によって親芋と子芋とに分離し、この分離された子芋を該走行装置(B)上に積載すると共に親芋を切断して圃場面上に排出してから、該走行装置(B)を次の分離作業場所へ移動させることを特徴とする芋類の分離運搬方法である。 【0008】 請求項2記載の発明は、走行装置(B)上に親芋の根底部を押圧して子芋を分離させる押圧部材(21)と親芋を戴置する環状受座(19)と該環状受座(19)の下方において前記押圧部材(21)によって押圧されて該環状受座(19)に嵌入する親芋を切断する切断刃(24)とを備える芋分離装置(A)と、該切断刃(24)によって切断された親芋を圃場面上に排出することの出来る排出部(40)と、該芋分離装置(A)によって分離された子芋を積載する積載部(D)とを設けたことを特徴とする芋類の分離運搬車である。 【0009】 請求項3記載の発明は、前記走行装置(B)を走行操作する操作部(C)と前記芋分離装置(A)の押圧部材(21)を上下動操作する操作部材(29)とを接近して配置したことを特徴とする請求項2記載の芋類の分離運搬車である。 【発明の効果】 【0010】 請求項1記載の発明によれば、地上に掘り起こした芋を芋分離装置(A)によって親芋と子芋とに分離し、走行装置(B)上に分離された子芋を積載出来るため、子芋を圃場から拾い集める作業が不要となって作業者の労力を軽減出来る。また、子芋を分離した後の親芋を走行装置(B)上に積載せず、切断して圃場に排出することにより、子芋の積載容量を大きくして運搬作業の能率を向上させることが出来る。また、切断された親芋は切断していないものよりも早く分解されるようになるので肥料として有効に利用でき、米や他の作物を輪作する際に、植付け前の代掻き作業において浮き上がり、作業の邪魔をすることが少なくなり、作業能率を向上させることができる。 【0011】 請求項2記載の発明によれば、環状受座(19)に親芋を戴置し、上下動する押圧部材(21)によって親芋を押圧することによって親芋から子芋を分離させることが出来るとともに、該環状受座(19)の下方に設ける親芋の切断刃(24)で子芋を分離した後の親芋を切断して圃場に排出出来る。これによって、切断された親芋は切断していないものよりも早く分解されようになるので、肥料として有効に利用でき、米や他の作物を輪作する際に、植付け前の代掻き作業において浮き上がり作業の邪魔をすることが少なくなり、作業能率を向上させることが出来る。また走行装置(B)上に積載部(D)を設けることにより、親芋から分離させた子芋を該積載部(D)上に積載することができ、作業後に圃場から子芋を拾い集める作業が不要となり、作業者の労力を軽減出来る。 【0012】 請求項3記載の発明によれば、走行装置(B)の移動を操作する操作部(C)と芋分離装置(A)の押圧部材(21)の上下動を切替える操作部材(29)が同じ作業位置から操作出来るので、作業者が一人であっても、分離作業を行いながら移動することが出来、作業能率を向上させることが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の実施の形態について説明する。 図1〜3に示すように、この里芋の分離運搬車は、走行装置B上に、操作部Cと積載部D及び芋分離装置Aを設けて構成される。以下、各部の構成を詳細に説明する。 【0014】 まず、走行装置Bは、切断した親芋を落とすための排出部40aを、後述する芋分離装置Aを構成する親芋を戴置する環状受座19の下方に来るように機枠フレーム3に設け、該機枠フレーム3の後側に左右一側に偏倚してエンジン4と燃料タンク5を備えるとともに、該機枠フレーム3の下方にミッションケース6を取り付ける。そして、該ミッションケース6内の伝動機構を介して駆動される左右のホイルシャフト7,7の各先端にホイルスプロケット8,8を取り付ける。また該機枠フレーム3の左右両側の下面に左右3対の支持脚13L,13Rを設け、該支持脚13L,13Rの下端部に左右の転輪フレーム10L,10Rを取り付け、該転輪フレーム10L,10Rに転輪11群を回転自在に取り付ける。そして、前記ホイルスプロケット8,8と転輪群11とに渡って左右一対の走行クローラ2L,2Rを巻き掛けることによって走行装置Bが構成される。 【0015】 次に、操作部Cについて説明する。前記機枠フレーム3の後部であって、前記エンジン4及び燃料タンク5の後側に操作パネル18を取り付けて、該操作パネル18の上面から突出するように変速レバー14と左右旋回レバー15L,15Rと走行クラッチレバー16を設けることによって操作部Cが構成される。前記変速レバー14は、前記ミッションケース6内の伝動機構における減速比を高速の路上走行位置と、低速の作業位置と、後退位置と、走行を停止させるニュートラル位置とに渡って切り替え操作するものである。前記走行クラッチレバー16は、前記エンジン4の動力を前記ミッションケース6の入力軸へ伝達する状態と伝達しない状態とに切り替え操作するものである。前記左右旋回レバー15L,15Rは操縦者が引き操作することにより、操作された側のホイルシャフト7,7への伝達を遮断するようにミッション内の伝動機構を切り替え操作するものである。 【0016】 次に、親芋から分離された子芋を収容する容器34を積載する積載部Dについて説明する。前記機枠フレーム3上において、前記エンジン4の前側に平板1を取り付けると共に、該平板1の外周縁の三辺に容器34の脱落を防止するガイド37,38,39を設けて積載部Dを構成する。 【0017】 次に、芋分離装置Aについて説明する。前記エンジン4及び燃料タンク5の側方であり、前記機枠フレーム3の後側において、後側にスノコ部材20aを備えるテーブル状の選別台20を前記機枠フレーム3の上方に所定距離を隔てて配置して支持フレーム3aの上端部に取り付ける。そして、上端部と下端部に穴部22a,22bを空けたコの字型フレーム22を前記機枠フレーム3の上面に取り付け、該コの字型フレーム22の下端部上に親芋を戴置する環状受座19を設け、該環状受座19の下側の穴部22bの中には親芋を切断する4枚の切断刃24を、各先端部を付き合わせるように平面視十字状に配置し、該切断刃24の下方には親芋の落下を妨げない排出部40を設ける。そして、前記コの字型フレーム22の上側に複動型の油圧シリンダ23を、該シリンダ23のピストン部分が穴部22aを通り下方に突出するように取り付けるとともに、該シリンダ23のピストン部分の下端には押圧部材21を備える。また、前記コの字型フレーム22の上側にバルブ28を取り付け、前記シリンダ23の両油圧室にそれぞれ送油パイプ33a,33bを連通させる。そして、前記エンジン4本体側に取り付けるポンプ26の入力軸25の一端にプーリ31bを設け、前記エンジン4の出力軸30にプーリ31aを設けて前記プーリ31bとの間に伝動ベルト32を掛け回す。さらに、エンジン本体側に設けるオイルタンク41と該ポンプ26と前記バルブ28を送油パイプ27a,27b、27cで連通すると共に、前記バルブ28に操作レバー29を設ける。以上により、芋分離装置Aを構成する。 【0018】 上記の収穫装置による収穫作業方法について説明する。 まず、走行装置Bのエンジン4を始動させ、操作部Cの変速レバー14をニュートラル位置から低速位置へと切り替えてから走行クラッチレバー16を入位置にすることによって、ミッションケース6内の伝動機構を介して左右のホイルシャフト7,7が回転して、機体が前進走行する。 【0019】 分離作業位置に到着すると、前記走行クラッチレバー16を切位置にし、前記変速レバー14を低速位置からニュートラル位置に切り替えて走行装置Bをその場に停止させる。 そして、圃場に掘り出された里芋を拾い上げ、芋分離装置Aの環状受座19上に親芋の根底部を上にして戴置し、操作レバー29を操作することにより、送油パイプ27a,27b,27cで連通され、ポンプ26とオイルタンク41とバルブ28の間を循環するオイルが、該バルブ28から送油パイプ33bを通じて上側の油圧室に送られ、油圧シリンダ23のピストンが下方へ移動させられ、該シリンダ23の下端に設ける押圧部材21が親芋の根底部を押圧する。そして、押圧された親芋は前記環状受座19によって子芋を削ぎ取るように分離させられ、該環状受座19の下方にある切断刃24によって4つに切断され、排出部40を通じて圃場に排出される。また、親芋から分離された子芋は、選別台20及びスノコ部材20a上に戴置される。 【0020】 分離作業後、前記選別台20及びスノコ部材20a上に戴置される子芋を人手により、前記機枠フレーム3上において前記芋分離装置Aの側方のスペースに戴置するコンテナ等の容器34に収容し、該容器34を積載部D上に積載する。そして、前記変速レバー14をニュートラル位置から低速位置に切り替えて、前記走行クラッチレバー16を入位置にして走行装置Bを移動させ、上記の作業を繰り返す。 【0021】 次に、各構成部分の効果について説明する。 まず、走行装置Bのように、畦を跨ぐように所定の間隔でクローラ2L,2Rを設けることにより、圃場の状態が悪くても走行を安定させることが出来る。 【0022】 また、機体前方にエンジン4や燃料タンク5や芋分離装置Aのような重い部品を設けることによって重心が機体後方側となるので、平板1に子芋を収容した容器34を積載しても機体前方に重心が偏りにくいので、圃場の状態が悪くても走行や旋回を安定した姿勢で行うことが出来る。 【0023】 前記積載部Dのように、前記平板1の外周縁の三辺にガイド37,38,39を設けることによって、機体が多少バランスを崩しても該平板1上に積載する前記容器34が該平板1上から落下することを防止出来る。 【0024】 また、芋分離装置Aが前記走行装置Bの機枠フレーム3上に設けられることにより、前記平板1の略全面を容器34等などを積載するために用いることが出来る。 芋分離装置Aのように、エンジン4の出力軸30の一端にプーリ31aを設け、ポンプ26の入力軸25の一端に設けるプーリ31bとの間に伝動ベルト32を無端上に掛け回す構成とすることにより、該ポンプ26の動力を簡単な構成で取ることが出来る。 【0025】 そして、操作部Cの操作パネル18から上方に突出する変速レバー14、走行クラッチレバー16、左右旋回レバー15L,15Rと、親芋を押圧する押圧部材21を下方端に備えるシリンダ23の上下動作を切替える操作部材29が近接して配置されることにより、作業者は同じ位置から走行装置Bの前記操作部C及び前記芋分離装置Aを操作することが出来るので、省力化を図ることが出来る。 【0026】 さらに、前記芋分離装置Aの親芋を戴置する環状受座19とその下方に設ける切断刃24の下方には、切断された親芋を排出する排出部40を設けてあるため、該切断刃40で切断された親芋を圃場に排出することが出来る。切断した親芋は分割しないものよりも早く分解されるので、土中にすき込んでも米や他の作物を輪作する際に、植付け前の代掻き作業において浮き上がり、作業の邪魔をすることが少なくなり、作業能率を向上させることができる 以下、本件作業方法及び作業装置の別実施例を記載する。 【0027】 まず、図4で示すように、芋分離装置Aを機枠フレーム3上において、操作部C及びエンジン4の他側に設ける構成とすることにより、作業者が畦溝で作業することが出来ると共に、2畦の親芋を同時に拾いながら作業が出来る。 【0028】 図5で示すように、バルブ28の操作部材29aを平板1側にも設けることにより、該平板1上からでも作業者が芋分離機Aを操作することが出来、多人数での作業でも効率よく行うことが出来る。 【0029】 また、前記操作レバー29aは前記平板1内に入らない長さとすることにより、該平板1上に積載するコンテナ等の容器34の邪魔にならない。 図5、図6及び図7で示すように、機体前端部において、ミッションケース6を設ける側に操作パネル42を設けると共に、変速レバー43と左右旋回レバー35L,35Rと走行クラッチレバー36を該操作パネル42の上面から突出するように設けて副操作部Eを構成し、操作部Cの変速レバー14と前記変速レバー43とを、走行クラッチレバー16と前記走行クラッチレバー36とを、左右旋回レバー15L,15Rと前記旋回レバー35L,35Rとを連動させることにより、機体後方からでも走行装置Bの操作を行うことが出来るので、多人数での作業でも効率よく行うことが出来るとともに、操作部Cから操作し辛い場所でも作業を行うことが出来る。 【0030】 図8で示すように、機枠フレーム3上において、操作部C及びエンジン4の他側に芋分離装置Aを設けるものにおいて、バルブ28にコの字型の操作部材29bを設けることにより、作業者は走行装置Bの後側や平板1の上や前記芋分離装置Aを設ける機体側方から該芋分離装置Aを操作することが出来るので、より効率的に里芋の分離作業を行うことが出来る。 【0031】 図9及び図10で示すように、テーブル状の選別台20の機体前方側に設けるスノコ部材20aを延長することにより、子芋についた泥土をまとめて落とすことが出来るとともに、規格以下の小粒を振るい落としやすくなる。 【0032】 また、前記スノコ部材20aは芋分離装置A側に折り畳めるようにすることによって、機体の全長をコンパクトに抑えることが出来る。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】里芋の分離運搬車の平面図 【図2】里芋の分離運搬車の側面図 【図3】里芋の分離運搬車の背面図 【図4】芋分離装置を操作部の他端側に設ける里芋の分離運搬車の平面図 【図5】平板上から芋分離装置を操作できる里芋の分離運搬車の平面図 【図6】副操作部Dを設ける里芋の分離運搬車の側面図 【図7】副操作部Dを設ける里芋の分離運搬車の背面図 【図8】様々な作業位置から操作可能な芋分離装置を備える里芋の分離運搬車の平面図 【図9】芋選別台のスノコ部材を延長した里芋の分離運搬車の平面図 【図10】芋選別台のスノコ部材を延長した里芋の分離運搬車の側面図 【符号の説明】 【0034】 1 平板 19 環状受座 21 押圧部材 23 シリンダ 24 切断刃 29 操作部材 40 排出部 A 芋分離装置 B 走行装置 C 操作部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年1月30日(2006.1.30) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2007−195520(P2007−195520A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月9日(2007.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2006−20888(P2006−20888) |
|