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【発明の名称】 里芋収穫用作業機
【発明者】 【氏名】森 洋三

【要約】 【課題】トラクタの里芋収穫作業機の畝に対する高い自己追従性を有し、アタッチメント自体の重量を可及的に低減しローラによる所要押圧力を確保できるアタッチメントの提供。

【解決手段】アタッチメントフレームの前部左右に一対のガイドローラ30を上下動自在に設け、ガイドローラ30の後方に鎮圧ローラ1を設け、ガイドローラ30を畝の頂部斜面に当接させ畝の頂部を挟み、アタッチメントがトラクタに対して左右に移動できるようにし、円筒状中空ドラムの中央外周に、ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて鎮圧ローラ1を構成し、鎮圧ローラ1をアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させ、上記円筒状中空ドラムに注水口を設け注水して閉蓋し、円筒状中空ドラムに水が満たされるようにし、アタッチメントフレームにウエイト棚40を設け、ウエイト棚40にウエイトを載せてリング状ローラにかかる重量を加減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農耕用トラクタの3点ヒッチにアタッチメントを連結した里芋収穫用作業機であって、
上記アタッチメントのフレームの前部左右に一対のガイドローラを設け、当該ガイドローラの後方に鎮圧ローラを設けてあり、
上記一対のガイドローラを畝の頂部斜面に当接させて畝の頂部を挟み、
農耕用トラクタに対して若干左右に移動できるように横方向自在性をもって3点ヒッチに連結されるものであり、
リング状ローラを備えた鎮圧ローラをアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させており、
上記鎮圧ローラのリング状ローラに所定重量をかけて畝頂上の里芋の茎の根元部を押さえて前方に押し倒し、これにより親芋から子芋を分離させるようにした里芋収穫用作業機。
【請求項2】
農耕用トラクタの3点ヒッチにアタッチメントを連結した里芋収穫用作業機であって、
円筒状中空ドラムの中央外周に、当該ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて上記鎮圧ローラを構成し、当該鎮圧ローラをアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させており、
上記円筒状中空ドラムに注水口が設けられており、当該注水口から注水して閉蓋することによって円筒状中空ドラムに水が満たされるようになっており、
アタッチメントフレームにウエイト棚を設け、当該ウエイト棚にウエイトを載せてリング状ローラにかかる重量を加減するようにしている里芋収穫用作業機。
【請求項3】
農耕用トラクタの3点ヒッチにアタッチメントを連結した里芋収穫用作業機であって、
アタッチメントフレームの前部左右に一対のガイドローラを上下動自在に設け、当該ガイドローラの後方に鎮圧ローラを設け、
上記一対のガイドローラを畝の頂部斜面に当接させて畝の頂部を挟み、
農耕用トラクタに対して若干左右に移動できるように横方向自在性をもって3点ヒッチに連結されるものであり、
円筒状中空ドラムの中央外周に、当該ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて上記鎮圧ローラを構成し、当該鎮圧ローラをアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させており、
上記円筒状中空ドラムに注水口が設けられており、当該注水口から注水して閉蓋することによって円筒状ドラムに水が満たされるようになっており、
アタッチメントフレームにウエイト棚を設け、当該ウエイト棚にウエイトを載せて鎮圧ローラのリング状ローラにかかる重量を加減するようにしている里芋収穫用作業機。
【請求項4】
上記リング状ローラの外径が500mm乃至700mm、幅が150mm乃至250mmであり、当該リング状ローラに400乃至500kgの重量をかける請求項1乃至請求項3の里芋収穫用作業機。
【請求項5】
円筒状中空ドラムの中央外周に、当該ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて上記鎮圧ローラを構成し、当該鎮圧ローラをアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させており、
上記円筒状中空ドラムに注水口が設けられており、当該注水口から注水して閉蓋することによって円筒状中空ドラムに水が満たされるようになっており、
アタッチメントフレームにウエイト棚を設け、当該ウエイト棚にウエイトを載せてリング状ローラにかかる重量を加減するようになっている、里芋収穫作業のための農耕トラクタ用アタッチメント。
【請求項6】
上記アタッチメントのフレームの前部左右に一対のガイドローラを上下動自在に設け、当該ガイドローラの後方に鎮圧ローラを設け、
上記一対のガイドローラを畝の頂部斜面に当接させて畝の頂部を挟み、
農耕用トラクタに対して若干左右に移動できるように横方向自在性をもって3点ヒッチに連結されるものであり、
円筒状中空ドラムの中央外周に、当該ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて上記鎮圧ローラを構成し、当該鎮圧ローラをアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させており、
上記円筒状中空ドラムに注水口が設けられており、当該注水口から注水して閉蓋することによって円筒状ドラムに水が満たされるようになっており、
アタッチメントフレームにウエイト棚を設け、当該ウエイト棚にウエイトを載せて鎮圧ローラのリング状ローラにかかる重量を加減するようになっている、里芋収穫用作業のための農耕トラクタ用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、里芋収穫用作業機、詳細には、里芋の子芋を土中において親芋から分離させる作業機に関するものであり、親芋から分離された状態で子芋を掘り出せるようにし、これにより、掘り出した後に子芋を親芋から分離する手作業を軽減して、里芋収穫作業を簡略し、当該作業能率を向上させることができるものである。
【背景技術】
【0002】
里芋の収穫は、まず茎を切除し、茎の根元の親芋に子芋がついた状態で掘り出し、その後、手作業で子芋を親芋から一つ一つ分離するという手順でなされる。そして、この子芋分離作業が面倒で、手間を要する。
他方、里芋収穫用作業機も公知である。このものは、親芋に多数の子芋が付いたままでブレードで掘り出し、これをベルトコンベアで引き揚げ、里芋分離装置に投入して、子芋を分離させるものであり、上記里芋分離装置が里芋に振動を与える方式のものが特開2001−46041号公報に記載されており、上記ベルトコンベアと補助コンベアとで里芋分離装置を構成し、ベルトコンベアで斜め上方に搬送される芋の塊が補助コンベアで逆方向に押されてもまれ、これによって子芋が親芋から分離されるようにしたものが特開平9−691734号公報に記載されている。
【0003】
しかし、上記従来技術は、いずれも掘り出された里芋に衝撃力、摩擦力などの外力を加えて子芋を分離させるものであるため、芋を傷つけてしまう可能性がある。
【0004】
他方、土中において子芋を分離させ、子芋が分離された状態で掘り出せれば、収穫作業が極めて簡単になり、しかも芋を傷つける恐れがない。このような基本認識に基づいて、子芋を土中において親芋から分離させる方法、及びそのための作業機の研究を行い、その結果、茎を切除し、茎の根元を残した状態でローラで畝を押し潰し、茎の根元を前方に押し倒しながら沈下させることによって、土中で子芋を親芋から分離させる方法が開発された。その原理は次の様である。
【0005】
すなわち、幅狭のローラRに400乃至800kgの重量をかけつつ畝Lの頂上を転動させると、畝Lの頂部が押し潰され、頂部に立っている里芋の茎の根元kが押し倒され、押し下げられる。このとき、根元kの親芋aについている子芋bは土中で土にしっかり保持されているので、根元kが前方に倒されながら若干押し下げられることで、子芋bと親芋との間に捻り力と剪断力がかかり、これによって、子芋bが親芋aから分離される(図1参照)。
【0006】
以上の原理による子芋分離を実現する実証機(試験機)として自走式の専用作業機を試作し、その作業性能のテストを繰り返し、改良を重ねてきた。この実証機はその最前方に幅が狭い鎮圧ローラ(リング状ローラ)を設け、その後方に掘り起こしブレードを設け、さらにその後方にベルトコンベアを設けたハーベスタ方式のものであり、作業機の車体重量の一部を鎮圧ローラにかけるようにしてあり、外径680mm、幅210mmの鎮圧ローラを約400乃至600kgの力で押さえた状態で畝の頂上を転動させるものである。
なお、鎮圧ローラ(リング状ローラ)が小幅であるのは、できるだけ小重量の荷重でリング状ローラの単位面積当たりの接地圧をできるだけ高くするためである。
【0007】
このものは、鎮圧ローラが前方にあるので、畝の頂上中心に対する当該鎮圧ローラの位置を確認しながら作業機を操縦することができ、そのような操縦によって、鎮圧ローラで畝の頂上中心をほぼ正確に追跡させることができる。他方、実際には里芋の茎はその全てが畝の中心に位置している訳ではなく、頂上中心から多少左右にずれているものも少なくない。しかし、そうであっても、鎮圧ローラの幅が210mm程度あれば、茎を鎮圧ローラで確実に踏んで押し下げることができる。
なお、鎮圧ローラにかける押さえ力の最適値は、圃場の土質、畝の高さ、幅などにより若干異なるが、鎮圧ローラの外径が630mm、幅が210mm程度であれば、火山灰土壌の場合、400kg程度が適当である。
【0008】
そして、上記実証機の試験結果によれば、子芋の分離率は、ほぼ70%であり、実用上の効果は高い。したがって、土中で親芋から子芋を一斉に分離させる方法及び作業機の基本機構は一応完成したといえる。
他方、農家に普及させるための実用作業機は、実証機のように自走式の専用作業機では高価なものであるので、実用化と普及を図るためには、簡便なものを廉価に提供することが是非とも必要である。
このようなことから、里芋収穫作業機開発の第2弾として、同じ原理による作業機を農耕用トラクタのアタッチメントとして構成することを研究してきた。
以上が本発明についての技術的背景である。
【特許文献1】特開2001−46041号公報
【特許文献2】特開平9−191734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記原理による作業機を農耕用トラクタのアタッチメントとして構成するには、次の(1)(2)問題がある。
(1)農耕用トラクタのアタッチメントは、3点ヒッチによって同トラクタに連結されるので、鎮圧ローラは農耕用トラクタの後方に位置する。したがって、鎮圧ローラの位置が畝の頂上中心から外れないで、ほぼ正確に畝の頂上中心に沿って転動させるには、アタッチメント自体が畝に対する高い自己追従性を有する必要がある。
【0010】
なぜなら、農耕用トラクタの操縦によって後方の鎮圧ローラの位置を確認しながら正確に畝の頂上中心を転動させることは実際上困難であり(後方の鎮圧ローラの位置を常に確認しながら操縦することは困難であり、また、軌道修正のために農耕用トラクタを少し転向させるだけで、3点ヒッチに連結されたアタッチメントは大きく左右に振られるので、そのアタッチメントの鎮圧ローラを畝の頂上中央を正確に追跡させるのは困難)、また、追従性が正確でなければリング状ローラ(鎮圧ローラ)Rの幅を広くしなければならず、その幅が広いと当該ローラにかける荷重を大きくしなければならないという重大な問題が生じるからである。
【0011】
(2)アタッチメントは3点ヒッチで連結されていて、農耕用トラクタに牽引されるだけであるので、農耕用トラクタの重量の一部をローラにかけることはできないから、アタッチメント自体の重さで400〜600kgの荷重を鎮圧ローラにかけられるものでなければならず、他方、アタッチメントの搬送、農耕用トラクタへの着脱を容易にするには可及的に軽量でなければならず、また、コスト低減のためにもアタッチメントを可及的に軽量にしなければならない。
【0012】
そこで、この発明は、農耕用トラクタのアタッチメントとしての里芋収穫作業機を構成するについて、次のことを課題とするものである。
(a)里芋収穫作業用アタッチメントの畝に対する高い自己追従性を有し、
(b)同アタッチメント自体の重量を可及的に低減しつつローラによる所要押圧力を確保できるように,アタッチメントの基本構造を工夫すること。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するためのこの発明の手段は次のとおりである。
(イ)アタッチメントフレームの前部左右に一対のガイドローラを上下動自在に設け、当該ガイドローラの後方に鎮圧ローラを設け、
(ロ)上記一対のガイドローラを畝の頂部斜面に当接させて畝の頂部を挟み、
(ハ)アタッチメントが、農耕用トラクタに対して若干の左右に移動できるように横方向自在性をもって3点ヒッチに連結されるものであり、
(ニ)円筒状中空ドラムの中央外周に、当該ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて上記鎮圧ローラを構成し、当該鎮圧ローラをアタッチメントフレームの後部に回転自在に支承させており、
(ホ)上記円筒状中空ドラムに注水口が設けられており、当該注水口から注水して閉蓋することによって円筒状中空ドラムに水が満たされるようになっており、
(へ)アタッチメントフレームにウエイト棚を設け、当該ウエイト棚にウエイトを載せてリング状ローラにかかる重量を加減するようにしていること。
【0014】
なお、上記の「円筒状中空ドラム」は、中空ドラムであることが重要であり、必ずしも文字通り円筒状であることは重要でないから、角筒形状でも問題はない。
また、「ウエイト棚」は、多数のウエイト(ブロック状の重り)を安定的に、かつ取り外し自在に装着するウエイト受けを意味する。したがって、これは、必ずしも文字どおりの棚に限られるものではない。
また、上記「ガイドローラ」は、支持機構の如何に関わらず、畝の頂部斜面に当接して転動し、畝の中央を追跡するようにアタッチメントを案内するものを意味する。
【発明の効果】
【0015】
アタッチメントフレームの前部左右に一対のガイドローラg,g(図1参照)を設け、当該ガイドローラgの後方にリング状ローラRを設け、上記一対のガイドローラg、gを、リング状ローラRで潰される前の畝Lの頂部斜面に当接させて当該畝Lの頂部を挟み、その後方において上記リング状ローラRで畝Lの頂部を押し下げている(押し潰している)ので、ガイドローラg、gが畝Lの頂部に沿って移動してその後方のリング状ローラRをしっかりと案内する。
【0016】
アタッチメントフレームは3点ヒッチで農耕用トラクタに連結されていて、3点ヒッチで昇降され牽引されるが、農耕用トラクタの重量はアタッチメントフレームにはかからない。他方、左右一つのガイドローラg、gはアタッチメントフレームの昇降によって引き上げられ、又は降ろされて接地するが、アタッチメントフレームに対して上下動自在(所定範囲で)に設けられているので、ガイドローラgはアタッチメントの重量を支える機能はなく、したがって、アタッチメントの重量(アタッチメントフレームの重量、鎮圧ローラの重量、上記ウエイトの重量等)はガイドローラに分散支持されることなしに、リング状ローラRに集中してかかる。それゆえ、ガイドローラg,gは畝Lの頂部斜面をスムーズに転動する。
【0017】
また、アタッチメントが、農耕用トラクタに対して若干左右に移動できるように横方向自在性をもって3点ヒッチで連結されるので、アタッチメントは農耕用トラクタに対して所定の範囲で横方向において自由である。したがって、農耕用トラクタが軌道修正などのために小刻みに転向しても、そのためにリング状ローラが横方向に振られて畝の頂上中央から大きく外されることはない。それゆえ、リング状ローラRは畝の頂上中央をほぼ正確に追跡することができる。
【0018】
よって、アタッチメントは農耕用トラクタに牽引され、ガイドローラg,gにより畝Lの頂部で案内され、そのリング状ローラRは、畝Lの頂上中央をほぼ正確に追跡することができる。
【0019】
また、円筒状中空ドラムの中央外周に、当該ドラムよりも大径のリング状ローラを設けて上記鎮圧ローラを構成し、上記円筒状中空ドラムをアタッチメントフレームの後部において側板5の下部に回転自在に支承させており、上記円筒状ドラムに注水口が設けられており、当該注水口から注水し、閉蓋して密封することによって円筒状ドラムに水が満たされるようになっているので、これに水を注入して満杯にするとそれによって例えば100kg増加され、反対に排水すると例えば100kg軽くなる。また、アタッチメントフレームにウエイト棚を設け、当該ウエイト棚に多数のウエイトを載せて鎮圧ローラにかかる重量を増加させるようにしているので、ウエイト分だけ(例えば240kg)アタッチメントの自重が軽減されている。
したがって、アタッチメント自体は軽量化され、その分だけ搬送、取り扱いが容易である。
【0020】
以上のように、アタッチメント自体を軽量にしながら、所要重量に対する不足分は、円筒状中空ドラムに水を充填することで一定重量(例えば100kg)だけ補われ、さらに、上記ウエイトを載せること所要重量(例えば、最大で240kg)だけ補われる。そして、例えば、重さ20kgのウエイトの数を増減することによって鎮圧ローラにかける重量を簡単容易に正確に調整することができる。
【0021】
なお、畝に対する里芋の位置(茎が立っているところ)は必ずしも畝の頂上中央ではなく、幾分左右にずれている場合が少なくないので、リング状ローラ(鎮圧ローラ)の幅が狭いと里芋の茎を踏み外す可能性が大きくなり、反対に幅が広いと里芋の茎を踏み外す可能性は小さいが、ローラの接地面積が大きく、その分だけ接地圧が下がるので、それだけ重量を増大させる必要がある。
鎮圧ローラにかける全重量を400乃至600kgとするとき、リング状ローラの幅は、本出願人による実験結果からすれば、ほぼ210mmが適当であり、これよりも幅広にする場合は、幅が広い分だけリング状ローラ(鎮圧ローラ)にかける重量を増大させる必要がある。
【0022】
リング状ローラの転動速度(走行速度)については、早すぎると里芋分離効果が低下し、反対に遅すぎると作業能率が低下する。最適速度は、子芋の成長度合い、圃場の土質、畝の高さ、畝の幅などの諸条件の違いによっても若干異なるので、個々に定める必要がある。ちなみに、本出願人の試験圃場(土壌は火山灰土、畝幅600mm、畝高さ250mm)における試験結果によれば、0.2m/秒乃至0.4m/秒が適当であり、0.2m/秒以下では里芋の分離効果に違いはなく(ほぼ70%程度)、0.4m/秒以上では、里芋の分離効果が顕著に低下(50%以下)し、手作業による分離作業の手間が増大する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次いで、図面を参照しながら実施例を説明する。
この実施例は、土質が火山灰土、畝幅600mm、畝高さ250mmの圃場で使用される里芋収穫用作業機であり、作業時の走行速度は0.2〜0.4m/秒である。このアタッチメントは掘り起こしブレードや引き上げコンベアを備えているものではないので、里芋の掘り起こし作業は別の作業機で行うことになる。
【0024】
里芋収穫作業機は、農耕用トラクタTに3点ヒッチHで連結されるアタッチメントAであり、他の作業用アタッチメントと同様に、その前方、中央上方のブラケットb1にトップリンクが連結され、左右下方のブラケットb2にロアーリンクが連結される。そして、3点ヒッチHに連結された状態では、ロアーリンクによって押し上げられ、あるいは地面に降下される。ちなみに、この実施例のアタッチメントフレームFは長さが約850mm、幅が約700mmである。
アタッチメントAが地面に降ろされた状態では、農耕用トラクタT(以下、単に「トラクタ」という)に対する連結は上下方向にフリーであり、トラクタTの重量がアタッチメントAにかかることはない。これも他の作業用アタッチメントの場合と違いはない。
【0025】
この発明の作業機のアタッチメントAは、3点ヒッチHのスタビライザー(チェン又は板)を調整して(緩めて)、トラクタTに対して左右方向に僅かにフリーになるように連結される。
【0026】
アタッチメントAのフレームF(アタッチメントフレーム)の後部下部に鎮圧ローラ(又は鎮圧ローラ)1が取り付けられており、前部下部に左右のガイドローラ30が取り付けられている。
さらに、フレームFの上面は左右のウエイト棚40、40になっており、このウエイト棚40に多数のウエイトwを搭載し、当該ウエイト数を増減することによりアタッチメント全体の重量を加減する。
【0027】
フレームFの前方ほぼ中央と後方左右にスタンドパイプ41が縦に設けられており、このスタンドパイプにスタンド42が挿入されていて、適宜の位置においてロックピン43によって固定されるようになっている。スタンド42を伸ばすことにより、アタッチメントAは、前方の一つ、後方の二つの計三つのスタンドで安定的に支持される。
スタンド42は、トラクタTに装着された状態で縮められる。
【0028】
鎮圧ローラ1は、鋼板製の円筒状中空ドラム2とリング状ローラ3と回転軸4とによるものであり、また、上記リング状ローラ3は左右一つのパイプリング3a,3aをリング状鋼板3bで繋ぎ、カバーした状態で構成されたものであり、多数のブラケット3cを介して円筒状中空ドラム2の中央に固着されている。
回転軸4の両端が軸受けを介してフレームFの左右側板5に回転自在に支承されている。
【0029】
この円筒状中空ドラム2の外径は約406mmであり、全長は680mmである。そして、リング状ローラ3の接地幅は210mmであり、外径は620mmである。円筒状中空ドラム2の長さは、フレームFの幅との関係で選択される構造設計上の値である。
筒状中空ドラム2の中央に2つのプラグ2aが設けられている。このプラグは円筒中空ドラム2に水を注入し排出するためのものである。この円筒状中空ドラム2には7600CCの水が充填される。
【0030】
リング状ローラ3の外径及び接地幅は、アタッチメントの全重量が芋分離に効果的に作用するように経験的に選択された寸法であり、円筒状中空ドラム2の外径は、その外周面が畝の頂上に接地して荷重を受けることのない程度の値であり、リング状ローラ3の外径との差が、リング状ローラ3の畝頂上に対する沈み込み深さにほぼ等しい程度の大きさである。
【0031】
ガイドローラ30は円錐状ローラであって、揺動アーム50の水平軸30aに回転自在に支承されていて、畝の頂部を左右から挟み付ける状態で、畝の頂部斜面に接地して転動するようにしている(図1のガイドローラgと畝Lの関係参照)。
【0032】
上記揺動アーム50はフレームFの側板5に軸51で枢着されていて、上下方向に揺動できる。また、揺動アーム50の後端に支持ロッド60の下端が軸60aで枢着されており、支持ロッド60の上方部分が案内軸60bの上下方向孔に摺動自在に挿入されている。上記案内軸60bは、横方向(フレームFの前後方向に対する横方向)の支持ソケット60cに回転自在に支持されているものであり、支持ロッド60の前後方向揺動を許容し、他方、左右方向揺動を規制するものである。なお、上記支持ソケット60cはフレームFの側板5に固定されている。
【0033】
ガイドローラ30は、上記のように支持されているので、上下方向にはフリーであり、左右方向には規制されているので、アタッチメントAを畝に沿ってガイドすることができる一方、垂直荷重を分担することはない。したがって、アタッチメントAの自重がガイドローラにかかることはなく、全ての自重が、鎮圧ローラ1のリング状ローラ3にかかる。
【0034】
ガイドローラの形状は円錐ローラであり、支持軸は水平軸であるが、ガイドローラを円筒状ローラとし、支持軸を傾斜軸にしてそのローラ面を畝の頂部斜面に当てるようにすることもできるが、支持軸が水平軸である方が支持構造が単純であり、また、またガイドローラは円錐ローラである方がローラ幅を短くすることができるので好ましい。
【0035】
また、鎮圧ローラの一部を円筒状中空ローラにしてこれに水を充填し、排出するようにしたことの技術的意義は、鎮圧ローラ本体を軽量化してアタッチメントの取り扱い、運搬を容易にしつつ、必要な時にのみ簡単に加重できるようにすることである。そして、充填材料を水にすることの技術的意義は、圃場(農場)での調達が容易で、圃場で排出することに問題がなく、極めて便利であることである。
円筒状中空ローラの注入排出口を大きくして、水を加えて流動化させた砂を充填することもできないではないが、そのようにすることの格別の利点はない。
【0036】
また、ウエイトについては、幅300mm、長さ450mm、厚さ19mmの鋼板(20kg)を用いる。この実施例では、最大で左右それぞれ5枚、合計10枚を搭載する。このようにすることで、ウエイトの加減を簡単、容易、能率的に行うことができる。
【0037】
ウエイト棚に水タンクを搭載し、これに水を注入するという構成を採用することもできるが、必要な重量を確保するには、極めて大きな水タンクが必要になる。
作業条件に応じてウエイトを加減する必要があり、鋼板を用いる場合は、その搭載枚数の増減で正確に重量を加減できるが、ウエイトに水タンクを用いる場合は、その重量の加減作業を正確に行うことが容易でない。
【0038】
ウエイトにコンクリートブロック、石材ブロックなどを用いることも可能であるが、その取り扱いが鋼板のウエイトに劣り、上記実施例に比べて特別なメリットもない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】は、本発明によって子芋が親芋から分離される原理を説明するための概念図である。
【図2】は、実施例のアタッチメントを農耕用トラクタに装着した状態の全体を示す斜視図である。
【図3】は、アタッチメントの背面図である。
【図4】(a)は、実施例のアタッチメントの正面図、(b)は側面図である。
【図5】(a)は、アタッチメントフレームの平面図、(b)は側面図である。
【図6】(a)は、実施例における鎮圧ローラの正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1、R:鎮圧ローラ
2:円筒状中空ドラム
3:リング状ローラ
4:回転軸
5:左右側板
30、g:ガイドローラ
40:ウエイト棚
A:アタッチメント
F:フレーム
H:3点ヒッチ

【出願人】 【識別番号】000239725
【氏名又は名称】文明農機株式会社
【出願日】 平成18年1月20日(2006.1.20)
【代理人】 【識別番号】100110386
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 敏雄

【識別番号】100127557
【弁理士】
【氏名又は名称】犬飼 宏


【公開番号】 特開2007−189989(P2007−189989A)
【公開日】 平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願番号】 特願2006−13163(P2006−13163)