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【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】塚本 智貴

【要約】 【課題】搬送始端側領域において土、草等が搬送ローラ体間に貯まる不具合を抑制できる農作業機を提供する。

【解決手段】農作業機11は、自走式の作業機本体13に農作物Wを搬送する傾斜コンベヤ21を設ける。作業機本体13の後端部に傾斜コンベヤ21の搬送終端部から落下する農作物Wを収容するコンテナ31を載置可能なコンテナ載置台32を設ける。傾斜コンベヤ21は、複数のスプロケット22と、左右のチェーン23と、両チェーン23間に位置する複数の搬送ローラ体24と、複数の搬送ローラ体24と接触するローラ接触体26とを有する。傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域では、搬送ローラ体24はフリー回転状態となって農作物Wとの接触により回転し、それ以外の領域では、搬送ローラ体24はローラ接触体26との接触により所定方向に強制回転する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機本体と、
この作業機本体に設けられ、農作物を搬送する搬送手段と、
前記作業機本体に設けられ、前記搬送手段の搬送終端部から落下する農作物を収容する容器が載置される容器載置手段とを備え、
前記搬送手段は、
複数の回転体と、
これら複数の回転体に掛け渡され、所定方向に回行する対をなす無端体と、
これら両無端体間に設けられ、前記両無端体とともに所定方向に回行する複数の搬送ローラ体と、
これら複数の搬送ローラ体と接触するローラ接触体とを有し、
前記搬送手段の搬送始端側領域では、前記搬送ローラ体は、フリー回転状態となって農作物との接触により回転し、
前記搬送手段の前記搬送始端側領域以外の領域では、前記搬送ローラ体は、前記ローラ接触体との接触により所定方向に強制回転する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
ローラ接触体は、搬送手段の搬送始端領域以外の領域に位置する複数の搬送ローラ体の下端部と接触してこれら複数の搬送ローラ体を一斉に所定方向に強制回転させる長手状のローラ押え板部材にて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送手段の搬送始端側領域において土、草、小石等が搬送ローラ体間に貯まる不具合を抑制できる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自走式の作業機本体と、作業機本体に上側後部に設けられ農作物を無端状の搬送ベルトで搬送するベルトコンベヤと、作業機本体の後端部にベルトコンベヤの搬送終端部から落下する農作物を収容する容器が載置される容器載置手段とを備えた農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、農作物を搬送ベルトで搬送するベルトコンベヤを備えた構成では、土、草、小石等が農作物とともに搬送され、容器内に収容されてしまうおそれがある。
【0004】
そこで、ベルトコンベヤに代えて、図5に示す搬送手段1を備えた農作業機が知られている。この図5に示す搬送手段1は、複数の回転体2と、これら複数の回転体2に掛け渡され所定方向に回行する左右一対の無端体3と、これら両無端体3間に設けられ両無端体3とともに所定方向に回行する複数の搬送ローラ体4と、搬送手段1の搬送始端から搬送終端にわたって位置し搬送ローラ体4の下端部との接触により搬送ローラ体4を所定方向に強制回転させる長手状のローラ接触体5とを有している。
【特許文献1】特開平11−299318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図5に示す搬送手段1を備えた農作業機では、搬送手段1の搬送始端側領域において、土、草、小石等が、所定方向に強制回転する搬送ローラ体4にて巻き込まれる形で、搬送ローラ体4間に貯まってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、搬送手段の搬送始端側領域において土、草、小石等が搬送ローラ体間に貯まる不具合を抑制できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、作業機本体と、この作業機本体に設けられ、農作物を搬送する搬送手段と、前記作業機本体に設けられ、前記搬送手段の搬送終端部から落下する農作物を収容する容器が載置される容器載置手段とを備え、前記搬送手段は、複数の回転体と、これら複数の回転体に掛け渡され、所定方向に回行する対をなす無端体と、これら両無端体間に設けられ、前記両無端体とともに所定方向に回行する複数の搬送ローラ体と、これら複数の搬送ローラ体と接触するローラ接触体とを有し、前記搬送手段の搬送始端側領域では、前記搬送ローラ体は、フリー回転状態となって農作物との接触により回転し、前記搬送手段の前記搬送始端側領域以外の領域では、前記搬送ローラ体は、前記ローラ接触体との接触により所定方向に強制回転するものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、ローラ接触体は、搬送手段の搬送始端領域以外の領域に位置する複数の搬送ローラ体の下端部と接触してこれら複数の搬送ローラ体を一斉に所定方向に強制回転させる長手状のローラ押え板部材にて構成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送手段の搬送始端側領域では搬送ローラ体がフリー回転状態となって農作物との接触により回転し、搬送手段の搬送始端側領域以外の領域では搬送ローラ体がローラ接触体との接触により所定方向に強制回転する構成となっているため、搬送手段の搬送始端側領域において土、草、小石等が搬送ローラ体間に貯まる不具合を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、11は農作業機で、この農作業機11は、圃場の農作物W、例えば球根作物、塊茎作物等の収穫作業の際に用いる農作物収穫機である。
【0012】
農作業機11は、図示しないエンジン等の駆動部からの動力で駆動する走行部であるクローラ部12を下部に有する自走式の作業機本体13を備えている。
【0013】
そして、作業機本体13には、ゲージ輪14、掘取刃(先金)15、この掘取刃15にて圃場の土中から掘り取られた農作物Wを搬送する第1持上げコンベヤ16、この第1持上げコンベヤ16から農作物Wを受け取って搬送する第2持上げコンベヤ17、この第2持上げコンベヤ17から農作物Wを受け取って搬送する水平コンベヤ18、および、この水平コンベヤ18から農作物Wを受け取って斜め後上方に向けて搬送する選別コンベヤである傾斜コンベヤ(搬送手段)21が設けられている。なお、傾斜コンベヤ21の側方に作業者が立ち、この作業者は傾斜コンベヤ21にて搬送中の農作物Wの中から規格外のものを選別する。
【0014】
ここで、傾斜コンベヤ21は、図1ないし図4に示すように、例えば作業機本体13のフレーム部13aの上側後部に傾斜状に設けられたローラ式コンベヤである。傾斜コンベヤ21は、この傾斜コンベヤ21の搬送始端部および搬送終端部のそれぞれの左右両側に位置し図示しない駆動部からの動力に基いて回転する複数の回転体であるスプロケット22を有し、これら複数のスプロケット22には所定方向に回行する左右一対の無端体であるチェーン23が掛け渡されている。左右の両チェーン23間には、両チェーン23とともに所定方向に回行する円筒状の複数の搬送ローラ体(選別ローラ)24がチェーン23の全長にわたって互いに等間隔をおいて並んで位置するように水平状のローラ軸25を介して回転自在に設けられている。
【0015】
また、傾斜コンベヤ21は、チェーン23の回行時において傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域以外の領域で複数の搬送ローラ体24の下端部と接触してこれら複数の搬送ローラ体24を所定方向(図示矢印方向)に強制回転させるガイドであるローラ接触体26を有している。
【0016】
このため、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域では、両チェーン23の往路部間に位置する複数の搬送ローラ体24は、フリー回転状態となって農作物Wとの接触によりチェーン23に対してローラ軸25を中心として回転し、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域以外の領域では、両チェーン23の往路部間に位置する複数の搬送ローラ体24は、ローラ接触体26との接触によりチェーン23に対してローラ軸25を中心として所定方向に強制回転する。
【0017】
このローラ接触体26は、例えば傾斜コンベヤ21の搬送始端領域以外の領域に位置する複数の搬送ローラ体24の軸方向両端側下端部と接触してこれら複数の搬送ローラ体24を一斉に所定方向に強制回転させる長手状の左右一対のローラ押え板部材27にて構成されている。
【0018】
なお、例えば傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域は、傾斜コンベヤ21の全体の搬送始端側四分の一に対応する領域で、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域以外の領域は、傾斜コンベヤ21の全体の搬送終端側四分の三に対応する領域である。
【0019】
また、ローラ接触体26を構成するローラ押え板部材27の前端部には、連結部材28を介して長手状のチェーン押え板部材29の後端部が連結されている。傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域において左右のチェーン押え板部材(無端体支持体)29にて左右のチェーン23の往路部が下方から支持されている。
【0020】
また一方、図1に示すように、作業機本体13の後端部には、傾斜コンベヤ21の搬送終端部つまり強制回転する搬送ローラ体24から落下する農作物Wを収容する略直方体状で上面開口状の容器であるコンテナ31が載置される容器載置手段であるコンテナ載置台32が左右水平方向の回動中心軸線を中心として上下方向に回動可能に設けられている。
【0021】
コンテナ載置台32は、作業機本体13の被取付部33に上端部が回動可能に取り付けられた第1フレーム部34と、この第1フレーム部34の下端側に回動可能に取り付けられた第2フレーム部35とを有している。第2フレーム部35は、コンテナ31内への農作物Wの収容作業時には第1フレーム部34に対して直交状に位置するが、農作物Wで満杯になったコンテナ31をコンテナ載置台32から降ろす作業時には第1フレーム部34に対して前端側を中心として下方に回動して後端ほど下方に位置する傾斜状になる。なお、コンテナ載置台32の作業機本体13に対する回動および第2フレーム部35の第1フレーム部34に対する回動は、シリンダ等の駆動手段からの動力で行われる。
【0022】
また、作業機本体13の後端部にはシート保持体41が上下方向に回動可能に設けられ、このシート保持体41に農作物Wの飛出しを防止する飛出し防止用シート42が取り付けられている。
【0023】
次に、上記農作業機1の作用等を説明する。
【0024】
クローラ部12の駆動により農作業機1全体が圃場上を前方に移動すると、圃場の農作物Wは、掘取刃15にて掘り取られ、第1持上げコンベヤ16、第2持上げコンベヤ17、水平コンベヤ18および傾斜コンベヤ21にて順次搬送され、傾斜コンベヤ21の搬送終端部領域に位置する搬送ローラ体24上から落下し、コンテナ載置台32上に載置されたコンテナ31内に収容される。
【0025】
この収穫作業の際、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域では、複数の搬送ローラ体24は、チェーン23とともに所定方向に回行しながら、フリー回転状態となって農作物Wとの接触によりローラ軸25を中心として回転する。このため、農作物Wとともに送られてきた土、草、小石等は、搬送ローラ体24にて巻き込まれることがなく、搬送ローラ体24間の隙間から圃場に落下し、上下の搬送ローラ体4間に貯まってしまうようなことがない。
【0026】
また、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域以外の領域では、複数の搬送ローラ体24は、チェーン23とともに所定方向に回行しながら、ローラ接触体26との接触によりローラ軸25を中心として所定方向に強制回転する。このため、農作物Wは、搬送ローラ体24にて斜め後上方に向って確実に搬送され、搬送ローラ体24上に滞留するようなことがない。
【0027】
なお、コンテナ31内が農作物Wで満杯になると、コンテナ載置台32の第2フレーム部35を第1フレーム部34に対して所定量だけ下方へ回動させて傾斜状にするとともに、シート保持体41の回動により飛出し防止用シート42を傾斜コンベヤ21の側方の退避位置に位置させてから、コンテナ31をコンテナ載置台32上から降ろす。
【0028】
このように農作業機1によれば、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域では搬送ローラ体24がフリー回転状態となって農作物Wとの接触により回転し、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域以外の領域では搬送ローラ体24がローラ接触体26との接触により所定方向に強制回転する構成となっているため、傾斜コンベヤ21の搬送始端側領域において、農作物Wとともに送られてきた土、草、小石等が互いに上下に離間対向する搬送ローラ体24間に貯まる不具合を抑制できる。よって例えば搬送ローラ体24間に貯まった土、草、小石等を取り除く作業を減らすことができ、収穫作業の効率化を図ることができる。
【0029】
なお、搬送ローラ体24を回転させるローラ接触体26は、長手状の左右一対のローラ押え板部材27にて構成されたものには限定されず、例えば左右いずれか一方のローラ押え板部材27にて構成されたものや、搬送ローラ体24の軸方向寸法と略同じ幅寸法を略矩形板状のローラ押え部材にて構成されたもの等でもよい。
【0030】
また、搬送ローラ体24とローラ接触体26との間の摩擦を増大させるためにローラ接触体26の上面部に摩擦増大手段であるゴム板等を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【図2】同上農作業機の傾斜コンベヤ(搬送手段)の底面図である。
【図3】同上傾斜コンベヤ(搬送手段)の側面図である。
【図4】同上傾斜コンベヤ(搬送手段)の拡大底面図である。
【図5】従来の農作業機の搬送手段を示す側面図である。
【符号の説明】
【0032】
11 農作業機
13 作業機本体
21 搬送手段である傾斜コンベヤ
22 回転体であるスプロケット
23 無端体であるチェーン
24 搬送ローラ体
26 ローラ接触体
27 ローラ押え板部材
31 容器であるコンテナ
32 容器載置手段であるコンテナ載置台
W 農作物
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【出願日】 平成18年1月6日(2006.1.6)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也


【公開番号】 特開2007−181426(P2007−181426A)
【公開日】 平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願番号】 特願2006−1761(P2006−1761)