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【発明の名称】 収穫機
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男

【氏名】小田切 元

【氏名】高木 真吾

【氏名】岩部 孝章

【要約】 【課題】積載部の荷重が増加しても機体の直進走行性能を損なうことが少ないものとして操作性を向上させると共に、機体の全幅をコンパクトに構成して作業能率の向上及び労働負荷の軽減を図る。

【解決手段】引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置する。そして、引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設ける。更に、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置し、前記引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設けると共に、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設けたことを特徴とする収穫機。
【請求項2】
圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置し、前記引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設け、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設けると共に、該茎葉部切断装置(40)よりも前側に前記引継搬送装置(28)によって挟持搬送される作物の根部を切断する根部切断装置(59)を設けたことを特徴とする収穫機。
【請求項3】
圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置し、前記引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設け、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設け、該茎葉部切断装置(40)よりも前側に前記引継搬送装置(28)によって挟持搬送される作物の根部を切断する根部切断装置(59)を設け、前記引継搬送装置(28)の後部下方に該引継搬送装置(28)の後端部から落下する作物を受けて後方へ搬送する搬送装置(61)を設けると共に、該搬送装置(61)によって搬送される作物の根部側を切断する根部再切断装置(67)を設けたことを特徴とする収穫機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、玉葱などを収穫する収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、玉葱などの作物を収穫する歩行型の収穫機として、圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置を左右の走行装置の間に配置し、該引抜搬送装置の後部下側に、該引抜搬送装置から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置を設けると共に、該引継搬送装置の後部下側に該引継搬送装置によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置を設けた構成の収穫機がある。(特許文献1参照)
また、乗用型の収穫機として、圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置を左右の走行装置の一側外方に配置する一方、該引抜搬送装置によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部を前記左右の走行装置の他側外方に配置し、前記引抜搬送装置の後部下側に、該引抜搬送装置から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置を設け、該引継搬送装置の後部下側に該引継搬送装置によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置を設け、該茎葉部切断装置よりも前側に前記引継搬送装置によって挟持搬送される作物の根部を切断する根部切断装置を設け、前記引継搬送装置の後部下方に該引継搬送装置の後端部から落下する作物を受けて側方へ搬送する搬送装置を設けた収穫機がある。(特許文献2参照)
【特許文献1】特開平11−266642号公報
【特許文献2】特開2001−112319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかして、上述の特許文献1及び2記載の技術を組み合わせて構成した場合、圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置と、該引抜搬送装置によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部とを左右の走行装置の両側外方に配置し、前記引抜搬送装置の後部下側に、該引抜搬送装置から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置を設け、該引継搬送装置の後部下側に該引継搬送装置によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置を設け、該茎葉部切断装置よりも前側に前記引継搬送装置によって挟持搬送される作物の根部を切断する根部切断装置を設け、前記引継搬送装置の後部下方に該引継搬送装置の後端部から落下する作物を受けて側方へ搬送する搬送装置を設けた収穫機が得られる。
【0004】
しかしながら、このような収穫機は、引抜搬送装置と積載部とが、左右の走行装置の両側外方に配置されるために、この収穫機の全幅が大きくなり、この収穫機を圃場端で旋回させる際に周囲の障害物に干渉しやすくなり、圃場隅部での作業範囲が狭くなり、この収穫機で引き抜くことのできない作物を手作業によって収穫せねばならず、作業能率の低下および労働負荷の増加につながる欠点がある。また、収穫した作物によって積載部にかかる荷重が増加すると、収穫機全体の重心位置が外側方向へ移動し、この積載部側の走行装置に大きな荷重がかかる一方、引抜搬送装置側の走行装置にかかる荷重は比較的小さくなる。このために、左右の走行装置を同速度で駆動していても、機体が積載部側に旋回してしまい、直進走行性能が低下して、操向操作具を頻繁に操作せねばならなくなる欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置し、前記引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設けると共に、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設けたことを特徴とする収穫機としたものである。
【0006】
しかして、左右の走行装置1,1を駆動して前進走行させながら、圃場に植生する作物の茎葉部を引抜搬送装置2によって挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する。そして、該引抜搬送装置2によって挟持搬送されてきた作物を、該引抜搬送装置2から引継搬送装置28に引き継いで更に後方へ搬送し、この作物の茎葉部を茎葉部切断装置40によって切断する。そして、このようにして茎葉部を切断された作物は、積載部4へ積載されるが、このような収穫作業において、積載部4は、引抜搬送装置2と共に、左右の走行装置1,1の間に配置されるために、作物が多量に積載されても、機体全体の重心位置が左右の走行装置1,1の外側に移動しにくく、機体の直進走行性能が維持される。また、引抜搬送装置2と積載部4とが左右の走行装置1,1の間に配置されるために、該左右の走行装置1,1から各外側への突出物が少なくなり、機体の全幅がコンパクトに構成される。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置し、前記引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設け、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設けると共に、該茎葉部切断装置(40)よりも前側に前記引継搬送装置(28)によって挟持搬送される作物の根部を切断する根部切断装置(59)を設けたことを特徴とする収穫機としたものである。
【0008】
しかして、左右の走行装置1,1を駆動して前進走行させながら、圃場に植生する作物の茎葉部を引抜搬送装置2によって挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する。そして、該引抜搬送装置2によって挟持搬送されてきた作物を、該引抜搬送装置2から引継搬送装置28に引き継いで更に後方へ搬送する際に、この作物の根部を根部切断装置59によって切断し、更にこの根部を切断された作物の茎葉部を茎葉部切断装置40によって切断する。そして、このようにして茎葉部を切断された作物は、積載部4へ積載されるが、このような収穫作業において、積載部4は、引抜搬送装置2と共に、左右の走行装置1,1の間に配置されるために、作物が多量に積載されても、機体全体の重心位置が左右の走行装置1,1の外側に移動しにくく、機体の直進走行性能が維持される。また、引抜搬送装置2と積載部4とが左右の走行装置1,1の間に配置されるために、該左右の走行装置1,1から各外側への突出物が少なくなり、機体の全幅がコンパクトに構成される。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、圃場に植生する作物の茎葉部を挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)によって後側上方へ搬送された作物を積載する積載部(4)とを、左右の走行装置(1,1)の間に配置し、前記引抜搬送装置(2)の後部下側に、該引抜搬送装置(2)から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置(28)を設け、該引継搬送装置(28)の後部下側に該引継搬送装置(28)によって挟持搬送されてきた作物の茎葉部を該引継搬送装置(28)による挟持位置よりも下側の位置において切断する茎葉部切断装置(40)を設け、該茎葉部切断装置(40)よりも前側に前記引継搬送装置(28)によって挟持搬送される作物の根部を切断する根部切断装置(59)を設け、前記引継搬送装置(28)の後部下方に該引継搬送装置(28)の後端部から落下する作物を受けて後方へ搬送する搬送装置(61)を設けると共に、該搬送装置(61)によって搬送される作物の根部側を切断する根部再切断装置(67)を設けたことを特徴とする収穫機としたものである。
【0010】
しかして、左右の走行装置1,1を駆動して前進走行させながら、圃場に植生する作物の茎葉部を引抜搬送装置2によって挟持しながら後側上方へ引き抜き搬送する。そして、該引抜搬送装置2によって挟持搬送されてきた作物を、該引抜搬送装置2から引継搬送装置28に引き継いで更に後方へ搬送する際に、この作物の根部を根部切断装置59によって切断し、更にこの根部を切断された作物の茎葉部を茎葉部切断装置40によって切断する。そして、このようにして茎葉部を切断された作物は、引継搬送装置28の後端部から搬送装置61上へ落下し、該搬送装置61によって後方へ搬送され、この搬送課程において根部再切断装置67によって根部を再切断されてから、積載部4へ積載される。このような収穫作業において、積載部4は、引抜搬送装置2と共に、左右の走行装1,1の間に配置されるために、作物が多量に積載されても、機体全体の重心位置が左右の走行装置1,1の外側に移動しにくく、機体の直進走行性能が維持される。また、引抜搬送装置2と積載部4とが左右の走行装置1,1の間に配置されるために、左右の走行装置1,1から各外側への突出物が少なくなり、機体の全幅がコンパクトに構成される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、収穫作業によって積載部4の荷重が増加しても、機体の直進走行性能を損なうことが少なく、操向操作具を頻繁に操作する必要が少なくなり、操作性を向上させることができると共に、機体の全幅をコンパクトに構成できることによって圃場隅部での作業可能範囲を広げ、手作業による収穫作業を少なくして、作業能率の向上及び労働負荷の軽減を図ることができる。
【0012】
また、請求項2記載の発明によると、収穫作業によって積載部4の荷重が増加しても、機体の直進走行性能を損なうことが少なく、操向操作具を頻繁に操作する必要が少なくなり、操作性を向上させることができると共に、機体の全幅をコンパクトに構成できることによって圃場隅部での作業可能範囲を広げ、手作業による収穫作業を少なくして、作業能率の向上及び労働負荷の軽減を図ることができる。また、圃場から引き抜いた作物の茎葉部を切断する前に、この作物の泥土が多く付着した根部を切断することにより、この作物を積載部へ積載する際にこの泥土の持ち込みが少なくなり、作物の汚損を少なくすることができる。
【0013】
また、請求項3記載の発明によると、収穫作業によって積載部4の荷重が増加しても、機体の直進走行性能を損なうことが少なく、操向操作具を頻繁に操作する必要が少なくなり、操作性を向上させることができると共に、機体の全幅をコンパクトに構成できることによって圃場隅部での作業可能範囲を広げ、手作業による収穫作業を少なくして、作業能率の向上及び労働負荷の軽減を図ることができる。また、圃場から引き抜いた作物の茎葉部を切断する前に、この作物の泥土が多く付着した根部を切断することにより、この作物を積載部へ積載する際にこの泥土の持ち込みが少なくなり、作物の汚損を少なくすることができる。更に、搬送装置61によって搬送する際に、作物の根部を再切断することにより、この作物の根部の切断面を綺麗にして、収穫作物の品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明における無限軌道帯式走行装置の実施の形態を、玉葱収穫機を例示して説明する。
図1及び図2に示すように、この玉葱収穫機は、左右のクローラ式の走行装置1,1の間に、圃場に植生する玉葱の茎葉部を挟持して後側上方へ引き抜き搬送する引抜搬送装置2と、収穫された玉葱をコンテナ3に貯留した状態でこのコンテナ3を積載する積載部4とを左右に並べて設ける。
【0015】
前記左右のクローラ1,1は、左右に分割形成する機台フレーム5,5の下面側から下方へ延出して設けた前後のフレームフット6,6の下端部に左右の転輪フレーム7,7を連結し、該転輪フレーム7,7に軸支する左右各4個の転輪8,8および最後部の緊張輪9,9と、走行ミッションケース10から駆動される左右の駆動輪11,11とにわたって、無限軌道帯式のクローラ12,12を巻き掛けて構成する。
【0016】
また、前記左右の機台フレーム5,5間を門型フレーム13によって連結し、該門型フレーム13の内側に、前記引抜搬送装置2と積載部4とを配置した構成とする。
しかして、前記引抜搬送装置2は、その後上部を、前記左右一側の機台フレーム5上に立設した懸架台14の上部に対して上下回動自在に支持する構成とする。即ち、前記左右他側の機台フレーム5上に搭載するエンジン15の動力を、前記門型フレーム13に設ける伝動機構を介して後方伝動軸16へ伝動し、該後方伝動軸16の後端部から、ユニバーサルジョイント17を介して基部伝動ケース18へ入力する。ここで、該基部伝動ケース18を前記懸架台14の上部に回動自在に保持することにより、引抜搬送装置2を油圧シリンダの伸縮作動によって上下回動調節できる構成である。
【0017】
更に、前記基部伝動ケース18の前側上部から左右の軸筒19,19を前上り傾斜姿勢に固設し、該左右の軸筒19,19の上端部にチェン伝動ケース20,20の後部下面側を固定し、該チェン伝動ケース20,20の前部上面側に左右の挟持搬送フレーム21,21の後上端部を連結支持する。そして、前記基部伝動ケース18に内装した基部横伝動軸22から該基部伝動ケース18内のベベルギヤ伝動機構を介して、左右の軸筒19,19に内装した斜設伝動軸23,23を駆動し、該斜設伝動軸23,23の上端部から前記チェン伝動ケース20,20内のチェン伝動機構を介して左右の駆動プーリ24,24を駆動する構成とする。
【0018】
前記左右の挟持搬送フレーム21,21は、前記チェン伝動ケース20,20の前部上面側から前下方へ延出して設け、前端部に大径従動プーリ25,25を軸支すると共に、中間部に多数の小径従動プーリ26,26を軸支する。そして、前記駆動プーリ24,24と大径従動プーリ25,25と小径従動プーリ26,26とにわたって引抜搬送ベルト27,27を巻き掛け、これによって左右の引抜搬送ベルト27,27の対向部を圧接して、作物の茎葉部を挟持して搬送する所定の挟持搬送経路を形成する。
【0019】
また、前記引抜搬送装置2の後部下側に、該引抜搬送装置2から作物の茎葉部を引き継いで後方へ挟持搬送する引継搬送装置28を設ける。該引継搬送装置28は、上部側の挟持力の比較的弱い上部引継搬送装置29と、該上部引継搬送装置29よりも更に挟持力の弱い下部引継搬送装置30とから形成する。即ち、前記上部引継搬送装置29は、前端部の従動プーリ31,31と後端部の駆動プーリ32,32と中間部の従動プーリ33,33とにわたって左右の挟持搬送ベルト34,34を巻き掛け、これによって該左右の挟持搬送ベルト34,34の対向部を略圧接して、作物の茎葉部を挟持して搬送する所定の挟持搬送経路を形成する。これに対して、前記下部引継搬送装置30は、前記上部引継搬送装置29の前部下側のみに設けられるもので、前部の従動プーリ35,35と後部の駆動プーリ36,36とにわたって首揃え搬送ベルト37,37を巻き掛けて構成する。前記後部の駆動プーリ36,36には、前記基部横伝動軸22から、チェン伝動機構38,38を介して駆動力を伝動する構成とする。
【0020】
更に、前記引抜搬送装置2の挟持搬送フレーム21,21の中間部下面から後上方へ延出した首揃えガイド杆39,39の後端部上側に、前記下部引継搬送装置30の前端部を臨ませ、該下部引継搬送装置30の後端部の後側に、ディスクカッタから成る茎葉部切断装置40を配置する。該茎葉部切断装置40は、電動モータ41によって回転駆動する構成とする。
【0021】
また、前記上部引継搬送装置29の上側には、作物の茎葉部を挟持して後方へ搬送して排出する排葉搬送装置42を設ける。該排葉搬送装置42の駆動プーリ43,43は、前記上部引継搬送装置29の駆動プーリ32,32と共に、前記基部伝動ケース18内の基部横伝動軸22からギヤ伝動機構を介して同軸で駆動される構成とする。
【0022】
尚、前記引抜搬送装置2における左右の引抜搬送ベルト27,27の各前側には、ラグ式の縦引起装置44,44を設けると共に、該引抜搬送装置2の挟持搬送フレーム21,21に支持させて、強制振動式のソイラ45,45と接地輪46とを設ける。
【0023】
そして、前記引抜搬送装置2の横側に積載部4を設ける。該積載部4は、前側横軸47の左右両端に取り付けたプーリ48,48と、後側横軸49の左右両端に取り付けたプーリ50,50とにわたって多数の係止突起50を有する搬送ベルト51,51を巻き掛け、該左右の搬送ベルト51,51の係止突起50のみを床52面から上方へ突出させるように設けて構成する。また、前記床52の後端部には、空のコンテナ3を載置する支持フレーム53を上下回動自在に取り付ける。
【0024】
また、前記左右一側の機台フレーム5および左右他側の機台フレーム5の後側には、ロッド54とガスシリンダ55とから平行リンク機構を形成して、該平行リンク機構によって座席56を昇降調節可能に取り付ける。尚、該座席56は、前記積載部4上に仮設置できるように構成してもよい。
【0025】
また、前記左右他側の機台フレーム5上における座席56の前側には、機体の前後進変速操作を行う変速レバーと、機体の左右操向操作を行う操向操作具と、引抜搬送装置2等の駆動の入り切り操作を行う作業クラッチレバーとを備えた操縦部57を設ける。このように構成すれば、座席56に着座した作業者が、操縦部57の操作と積載部4上のコンテナ3の取り扱いとを容易に行うことができ、作業能率を向上させることができる。
【0026】
また、図3に示すように、前記上部引継搬送装置29の前部下側(好ましくは下部引継搬送装置30の下側)に、左右の根部切断ガイド杆58,58を設け、該左右の根部切断ガイド杆58,58の下側に前後方向軸芯回りに回転する根部切断装置59を配置する。該根部切断装置59は、前後方向の軸芯に対して、小幅のカッターを円周方向に間隔をおいて多数配置した構成とし、前記上部引継搬送装置29によって搬送され左右の根部切断ガイド杆58,58間を通過する玉葱の毛根部60を切断するものである。尚、前記根部切断ガイド杆58,58を、根部切断装置59に対して遠近調節できるように構成するとよい。
【0027】
また、前記引継搬送装置28の後部下方にベルトコンベヤ式の搬送装置61を設け、引継搬送装置28の後端部から該搬送装置61上へ落下する玉葱を更に後方へ搬送してコンテナ3に投入するように構成する。該搬送装置61は、図4、図5に示すように、前後の軸62,62の中間部に取り付けた内側の左右の小径プーリ62,62と、同軸62の左右両外側部に取り付けた外側の左右の大径プーリ64,64とに、夫々、載置搬送ベルト65,65及び支持搬送ベルト66,66を巻き掛けた構成である。該搬送装置61上に落下した玉葱は、左右の載置搬送ベルト65,65上に載置されると共に左右の支持搬送ベルト66,66によって左右両外側部を支持された状態で後方へ搬送される。そして、前記左右の載置搬送ベルト65,65の間の間隙部の下側に臨ませて、根部再切断装置67を配置する。該根部再切断装置67も、前述の根部切断装置59と同様の構成であり、搬送装置61によって搬送中の玉葱の根部側を再び切断し、切断跡を綺麗にするためのものである。また、前記根部再切断装置67の上側に対向して、弾性を有する円盤から成る左右二連の押し付けローラ68,68を横軸駆動回転するように配置し、該押し付けローラ68,68によって、搬送中の玉葱の根部側を前記根部再切断装置67側へ押し付けるように構成する。尚、前記左右の押し付けローラ68,68の間を、玉葱の茎葉部切断跡部分が通過するように構成する。また、該左右の押し付けローラ68,68は、下側に設ける搬送装置61の搬送方向と同じ方向に回転駆動するように構成する。これにより、玉葱の根部側をより的確に切断することができる。尚、該根部再切断装置67を、前記根部切断装置59とは逆方向に回転するように構成すれば、玉葱の根部を綺麗に仕上げることができる。
【0028】
また、図7、図8に示すように、前記搬送装置61の後部に設ける根部再切断装置67を、左右方向の軸芯を中心として駆動回転する回転体69の周面に、切断刃70を放射方向に多数取り付けて構成し、搬送装置61の搬送方向とは逆の方向に回転させてもよい。このように構成すれば、切断刃70の先端を玉葱の本体により接近させて切断することができる。また、図7に示すように、左右の押し付けローラ68,68を左右の載置搬送ベルト65,65の直上方に対向するように配置すれば、玉葱を四点支持して姿勢を安定させた状態で、根部の再切断を施すことができる。
【0029】
また、図9、図10に示すように、前記押し付けローラ68,68に替えて、左右一対の押し付けベルト71,71を設け、該左の押し付けベルト71の駆動速度と右の押し付けベルト71の駆動速度とを異ならせて設定してもよい。このように構成すれば、該左右の押し付けベルト71,71の駆動速度差によって玉葱を自転させることができ、この自転する玉葱の根部側を根部再切断装置67によって確実に切断することができる。
【0030】
また、図11に示すように、前述の搬送装置61および押し付けローラ68,68を、二セット併設してもよい。この場合、搬送装置61,61上への玉葱の載置は手作業によって行う。これにより、玉葱収穫機の作業能力が向上する。
【0031】
また、上述の引抜搬送装置2の搬送速度(引抜搬送ベルト27の駆動速度)を、機体の前進走行速度(走行装置1,1の前進駆動速度)のに比例して増速するように構成すると共に、機体の前進走行速度が変化しても、引抜搬送装置2の搬送速度が機体の前進走行速度の2倍以上になるように設定するとよい。これにより、畝面上に千鳥状に植付けた2条の玉葱を引抜搬送装置2によって引き抜く際に、引抜搬送装置2によって引き抜かれて断続的に搬送される玉葱どうしの間隔を、畝面上での植付ピッチ(株間距離)よりも大きくすることができ、この引抜搬送装置2による搬送中に複数の玉葱どうしが重なり合わず、茎葉部の切断を良好に行うことができる。
【0032】
また、図12、図13に示すように、上述の構成とは逆に、引抜搬送装置2を左右他側の機台フレーム5寄りに配置すると共に、積載部4を左右一側の機台フレーム5寄りに配置してもよい。このように構成すれば、操縦部57の座席56に着座した作業者が、引抜搬送装置2や引継搬送装置28などに詰まりが発生した場合でも、これを容易に除去することができる。また、この場合には、収穫後の玉葱は、搬送装置61を左右方向に向け、茎葉部切断と根部切断とを施した後に積載部4へ投入するように構成する。
【0033】
また、図13に示すように、前記積載部4の底部の前部と後部とに駆動プーリ72,72と従動プーリ73,73とを配置して、該駆動プーリ72,72と従動プーリ73,73とにわたって無端搬送ベルト74を巻き掛けて、搬送コンベヤ75を設置する。更に、積載部4の前側壁の上部を切り欠き、排出用コンベヤ76を設置する。該排出用コンベヤ76は、前記搬送コンベヤ75の前端部近傍に設置した駆動プーリ77,77と積載部4の前側壁よりも前方に偏倚して上下位置調節自在に構成した従動プーリ78,78とにわたって排出用無端搬送ベルト79を巻き掛けて構成する。また、前記搬送コンベヤ75の駆動と排出用コンベヤ76は、前記操縦部57に設けた操作レバーによって駆動開始操作および駆動停止操作ができるように構成する。これにより、前記排出用コンベヤ76の前端部に運搬用の大袋を準備しておけば、積載部4に積載された玉葱を、搬送コンベヤ75および排出用コンベヤ76を介して、この大袋に円滑に充填することができる。この際、前記排出用コンベヤ76の前部が上下位置調節自在であるために、この排出用コンベヤ76の前端部を大袋の口から容易に出し入れすることができ、作業能率が高まる。また、前記排出用コンベヤ76の前部を、軽四輪運搬車両の荷台よりも高い位置まで位置調節できるように構成するとよい。このように構成すれば、軽四輪運搬車両の荷台上にコンテナを載置して、このコンテナの中に収穫した玉葱を容易に投入することができる。
【0034】
また、図12に示した構成では、積載部4の前側壁から前方へ玉葱を排出する排出口80の左右幅を変更自在に構成する。即ち、該排出口80の左右両側に開閉回動自在の案内板81,81を設け、該案内板81,81を左右共に内側回動調節することによって排出口80の左右幅を縮小することができる構成である。これにより、玉葱を投入する袋の口の大きさに合わせて、排出口80の左右幅を調節することができ、袋詰めの際に玉葱がこぼれ落ちるのを防止することができる。また、上述の積載部4をバケット形状に形成することにより、積載容量を大きくすることができる。
【0035】
また、前記積載部4の後側壁の下部に排出口82と該排出口82に続く後下がり傾斜姿勢のシュータ83とを設け、前記排出口82を開閉するシャッター84を設ける。これにより、シャッター84を開放操作すれば、前記排出口82から玉葱を流出させて、コンテナ等への移し替えや、天日干しのための畝面上への放置を容易に行うことができる。
【0036】
また、前記積載部4の底部に設けた搬送コンベヤ75を、正逆転自在に構成するとよい。このように構成すれば、搬送コンベヤ75を逆転駆動することによって、積載部4の後側壁に形成した排出口82からの玉葱の排出を効率よく行うことができる。
【0037】
尚、前記搬送コンベヤ75及び排出用コンベヤ76の駆動を入り切りするスイッチを、前記操縦部57、積載部4、排出用コンベヤ76の前部などに設ければ、コンテナ交換を一人作業で行うことができる。
【0038】
また、図14、図15に示すように、前記搬送装置61の後部下側に、品質の良くない(B級の)玉葱を投入するコンテナ85を載置できるように構成して、このような玉葱を手作業でコンテナ85に集められるように構成するとよい。また、前記搬送装置61に設ける根部再切断装置67の下側から下方に向けて根部排出用シュータ86を設け、根部再切断装置67によって切除した根部を機外へ落下案内するように構成するとよい。また、前記搬送装置61の後端部の下側に横向き搬送装置87を設置し、該横向き搬送装置87の搬送方向上手側に品質の良くない(B級のA)玉葱を手作業で選別して投入するコンテナ88を設置する。これにより、品質の良い玉葱は、搬送装置61の後端部から横向き搬送装置87へ引き継がれて横方向へ搬送され、該横向き搬送装置87の終端部から積載部4へ投入される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】収穫機の平面図である。
【図2】収穫機の側面図である。
【図3】要部の説明用側面図である。
【図4】要部の説明用側面図である。
【図5】要部の説明用正面図である。
【図6】要部の説明用平面図である。
【図7】要部の説明用側面図である。
【図8】要部の説明用正面図である。
【図9】要部の説明用側面図である。
【図10】要部の説明用正面図である。
【図11】要部の説明用正面図である。
【図12】別実施例における収穫機の平面図である。
【図13】別実施例における収穫機の側面図である。
【図14】収穫機の平面図である。
【図15】収穫機の側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 走行装置
2 引抜搬送装置
4 積載部
28 引継搬送装置
40 茎葉部切断装置
59 根部切断装置
61 搬送装置
67 根部再切断装置
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成17年11月29日(2005.11.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−143511(P2007−143511A)
【公開日】 平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願番号】 特願2005−344731(P2005−344731)