| 【発明の名称】 |
作業車両のフロントモーア |
| 【発明者】 |
【氏名】岡元 傑
【氏名】辻 英和
【氏名】榎本 和加雄
【氏名】松木 悟志
【氏名】加藤 武史
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| 【要約】 |
【課題】従来モーアデッキの大部分が車体の前端より前方側に突出し作業車両の全長が長く、小回りが効かず、更に、モーアデッキの後部を、前方に移動するスクリューに吊下ロッドの取付メタルを螺合するため、複雑で、嵩張り、昇降移動時に障害となる。
【解決手段】作業車両(4)は、前輪(1)(1)より前方に、前部機枠(3)をオーバーハング状態に突出させて構成し、モーアデッキ(5)は、昇降リンク(6)に支持して、前部機枠(3)の下方空間部(7)に配置して構成した。前記モーアデッキ(5)は、昇降リンク(6)の前部に設けた延長アーム(8)に付け替えて、前部機枠(3)より前方側に移動させて前側で昇降する構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対の前輪(1)(1)より前方に、車体(2)の前部機枠(3)をオーバーハング状態に突出させて構成した作業車両(4)において、モーアデッキ(5)は、後方から延長した昇降リンク(6)(6)に取り付けて、前記前部機枠(3)の下方空間部(7)に配置して設け、前記モーアデッキ(5)は、前記昇降リンク(6)(6)の前部に設けた延長アーム(8)(8)に付け替えて、前記前部機枠(3)より前方側に移動させて昇降可能に構成したフロントモーア。 【請求項2】 前記延長アーム(8)(8)は、不使用時には、前記昇降リンク(6)(6)側に収納し、使用時には前記昇降リンク(6)(6)の前端部より前方に延長して固定する構成とし、前記モーアデッキ(5)は、昇降移動に移るとき、前記昇降リンク(6)(6)から延長した前記延長アーム(8)に付け替えて昇降する構成とした請求項1記載のフロントモーア。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、作業車両の前部機枠の下方空間部に、昇降リンクに装着して支持したモーアデッキを配置し、該モーアデッキを、前記昇降リンクの前部に設ける延長アームに付け替えて、前部機枠の前方側で昇降する構成とした作業車両のフロントモーアに関する。 【背景技術】 【0002】 従来からトラクタ等の作業車両には、フロントモーアやミッドモーアと称して、車体の前部か、又は前部車体の下側、或いは車体中間部の下側(腹の部分)にモーアデッキを装着して、刈取作業を行う構成の作業車両が実用化され、広く普及している。そして、農家等の需要家は、作業車両にフロントモーアを装着する場合、モーアデッキをできるだけ車体の下側空間部内に収納状態に配置し、モーアを含めて車体の全長を短くすることにより、走行作業中に小回りが効き、旋回などの操舵が楽にできる車両が強く要望されている。 【0003】 例えば、本件出願前に公開されている特開平10−117547号公開特許公報には、モーアデッキを、前輪の前側にリフトアームと吊下ロッドとによって支持して設け、車体の前方側で昇降する構成の作業車両が示されている。そして、この場合、モーアデッキは、前記吊下ロッドの基部をスクリューに螺合させて前後に移動調節する構成となっており、刈取姿勢と起立姿勢とに切替できる技術が開示されている。 【特許文献1】特開平10−117547号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上述した従来のフロントモーアは、刈取姿勢にあるモーアデッキの大部分が車体の前端部より前方側に突出した状態に構成されており、モーアと車体とを合わせた前後長さが長くなり、走行作業中に小回りが効く構成にはなっていない課題があった。更に、従来装置は、モーアデッキの後部を前方に押し出して起立姿勢に移動する機構として、スクリューに吊下ロッドの取付メタルを螺合した機構を採用しているが、これらの構成は、複雑で、嵩張り、昇降移動中に障害となる課題があった。 【課題を解決するための手段】 【0005】 この出願は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、左右一対の前輪(1)(1)より前方に、車体(2)の前部機枠(3)をオーバーハング状態に突出させて構成した作業車両(4)において、モーアデッキ(5)は、後方から延長した昇降リンク(6)(6)に支持して、前記前部機枠(3)の下方空間部(7)に配置して設け、前記モーアデッキ(5)は、前記昇降リンク(6)(6)の前部に設けた延長アーム(8)(8)に付け替えて、前記前部機枠(3)より前方側に移動させて昇降可能に構成したフロントモーアであって、モーアデッキ(5)が作業姿勢にあるときには、作業車両(4)とモーアデッキ(5)とを合わせた全体の前後長さを短くすることができるもので、走行作業中には、狭い圃場でも小回りが効いて、旋回等が楽にできて刈取作業を能率よく行うことができる。そして、昇降時に、モーアデッキ(5)を前側に寄せる機構は、延長アーム(8)を使用するもので構成が簡単で、嵩張ることはなく昇降移動には、何らの支障にもならない利点がある。 【0006】 つぎに、請求項2に記載した発明は、前記延長アーム(8)(8)は、不使用時には、前記昇降リンク(6)(6)側に収納し、使用時には前記昇降リンク(6)(6)の前端部より前方に延長して固定する構成とし、前記モーアデッキ(5)は、昇降に移るとき、前記昇降リンク(6)(6)から延長した前記延長アーム(8)(8)に付け替えて昇降する構成とした請求項1記載のフロントモーアであって、昇降前にモーアデッキ(5)を前方側に寄せる機構が簡単な延長アーム(8)からなり、不使用時(芝刈取作業中など)には昇降リンク(6)側に収納してほとんど邪魔にならず、昇降時には前方側に延長して固定し、モーアデッキ(5)を付け替えるだけの簡単な操作で、確実に前側に寄せて前部機枠(3)の前方を昇降移動することができる。 【発明の効果】 【0007】 まず、請求項1に記載した発明は、モーアデッキ(5)が作業姿勢にあるときには、モーアデッキ(5)のほとんどの部分が、前部機枠(3)の下方空間部(7)内に位置しているから、モーアデッキ(5)と車体(2)とを合わせた前後の長さを短くすることができて、走行作業中に、狭い圃場でも小回りが効いて、旋回等が楽にでき、作業を効率的に行うことができる優れた特徴がある。そして、この発明は、モーアデッキ(5)を昇降時に前側に寄せる機構が、きわめて簡単な収納・延長式に設けた延長アーム(8)で構成するから、収納位置と使用位置との切替が簡単にできる利点があると共に、使用時に嵩張ることがなく、昇降移動に何らの支障にもならない特徴がある。 【0008】 そして、請求項2に記載した発明は、モーアデッキ(5)を前方側に寄せる機構を、簡単な延長アーム(8)から構成し、不使用時(刈取作業中など)には昇降リンク(6)側に収納してほとんど邪魔にならず、昇降時には昇降リンク(6)から前方に延長して固定し、モーアデッキ(5)を付け替えるだけの簡単な操作で、確実に前側に寄せることができて昇降が可能な特徴がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 まず、請求項1の発明は、モーアデッキ5を、刈取姿勢ではオーバーハング状態に前方へ突出している前部機枠3の下方空間部7内に配置して、昇降リンク6,6に取り付け、昇降移動時には、昇降リンク6,6の前部に設けた延長アーム8,8に付け替えて、前記前部機枠3より前方側に移動させて昇降可能に構成したフロントモーアであるから、刈取作業中には、全長が短くて小回りの効く刈取作業車両とし、清掃やメンテナンス等を行うときには、昇降リンク6,6の先端に設けた延長アーム8,8を伸ばして付け替えるだけの簡単な操作で、前部機枠3の前方側に上昇させることができる。 【0010】 そして、請求項2の発明は、延長アーム8,8を、不使用時には昇降リンク6,6側に収納し、昇降時には前側に延長して固定して使用するもので、構成が簡単で、使用時と不使用時共に何らの邪魔や周囲に対して障害とならない利点がある。 【0011】 以下、この出願に係る発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。 まず、作業車両4は、図1、乃至図4に示すように、左右一対の前輪1,1及び後輪9,9を備えた車体2の前部において該前輪1,1の上方に操縦席10を設け、その前方側に前部機枠3を、前輪1,1に対して側面視オーバーハング状態にして前側に延長し、その上面にフロア11を形成している。そして、操向ハンドル12aを備えたハンドルポスト12は、前部機枠3の前部に配置して固着した構成としている。 【0012】 そして、モーアデッキ5は、図3、及び図4に示すように、通常の刈取作業状態では、昇降リンク6,6の前部に取り付けて前記前部機枠3の下方空間部7に配置し、伝動可能な状態に支持して設け、清掃やメンテナンス時には、図2に示すように、昇降リンク6,6から延長アーム8に付け替えて、前記前部機枠3より前方側に移動させて前側で昇降可能に構成しているが、その具体的な構成について説明する。 【0013】 まず、モーアデッキ5には、図2、図3に示すように、左右一対の回転刈刃13を縦方向に軸架した刈刃伝動軸14の下部に軸着して設ける。刈刃伝動軸14を支持する入力伝動ボックス17a,17bの一方側17aには入力軸18が設けられ、後方の走行系伝動ケース13内の伝動機構部から分岐するPTO動力出力ボックス19にPTO軸20を設け、両軸をユニバーサルジョイント21によって連動連結している。27は他方の入力伝動ボックス17bに動力を伝達する中間伝動軸である。上記各入力伝動ボックス17a,17b内にはベベルギヤを主体とする伝動機構を内蔵し、水平軸心回りの回転を垂直軸心回りの回転に変更して伝動するよう構成している。 【0014】 また、回転刈刃に対する伝動構成は、図6に示すように構成してもよい。即ち、左右一対の回転刈刃13,13を縦方向に軸架した伝動軸14の下部に軸着して設け、該伝動軸14の上部にはそれぞれ伝動プーリ15,15を軸着して伝動可能に構成している。この場合、伝動軸14は、左右のモーアデッキ5の中心部位に固定支持されている軸受部材16,16に軸受され、前部中央の入力軸18aからベルト伝動で各プーリ15,15を夫々伝動する構成としている。 【0015】 なお、35はエンジンで、前記ブロワー24、走行前輪1,1、後輪9,9、及びPTO軸20等を回転連動する。 次いで刈草の搬送処理について、符号23は刈草搬送筒を示し、左右両側の回転刈刃13,13の間に搬送始端部が開口し、後方に延長して車体2のブロワー24(図1参照)に接続した構成としている。なお、刈草搬送筒23は、モーアデッキ5に固着された短筒23aと、ブロワー24のケース24aに固定された傾斜案内筒23bとからなり、一方ブロワー24のケース24aには上方に向けて延長状態に揚上筒24bを設け、該揚上筒24bの排出口をコンテナ26内にのぞませている。 【0016】 前記左右の回転刈刃13,13は、図7に示すように、それぞれ回転羽根25,25を設け、回転に伴って起風しながら刈草を前記刈草搬送筒23aの搬送始端部側に跳ね飛ばし、吸引風(前記ブロワー24の起風による)の働いている圏内に送る構成としている。 【0017】 このようにして、回転刈刃13,13によって刈取られた刈草は、回転羽根25,25によって跳ね出されて刈草搬送筒23の搬送始端部に達し、更に、前記ブロワー24の吸引風力を受けて筒23内を吸引されて車体後部の刈草コレクタ装置26まで搬送されて貯留される構成となっている。 【0018】 つぎに、昇降リンク6,6は、図3、及び図4に示すように、左右一対が前部機枠3の下側に形成された下方空間部7の両側に配置され、基部を、前輪1,1を駆動する伝動ギヤ群を配設した左右のファイナルケース28,28の最中状の合わせ面に共締めして設けた取付プレート29,29に枢着支持して設け、前方側に延長して前端部に左右一体のモーアデッキ5を連結ピン30,30で着脱自由に連結した構成としている。なお、モーアデッキ5は、後端下部が後部リンク31で車体2側に着脱自由に連結され、前後に設けたゲージ輪22と共に、姿勢保持ができる構成としている。 【0019】 そして、昇降リンク6,6は、図3、図5、及び図6に示すように、実施例の場合、平面視で先端部分6a,6aを左右の間隔が広い平行な一定長さに形成し、中間部から左右を内側に傾斜させた中間部分6b,6bを形成し、それに連続させて平行な狭い間隔の基端部分6c,6cを形成した杆から構成している。そして、L型連結杆32,32は、図5に示すように、前記先端部分6a,6aと中間部分6b,6bとが接合する部位に形成されているコーナの内側に両端を溶接で固着して連結した構成としている。 【0020】 そして、上記L型連結杆32,32は、リフトロッド33を連結する取付部材34を枢着状態に連結支持した構成としている。そして、取付部材34は、図2、及び図4に示すように、上側のリフトアーム36(後部が定位置の回動支点)の先端部に接続したリフトロッド33に着脱自在に連結して設け、後方に装備した昇降油圧シリンダ37から連動アーム38を介して左右一対の昇降リンク6,6を上下に昇降する構成としている。 【0021】 このように、昇降リンク6,6は、先端部分6a,6aと中間部分6b,6bとが接続する杆材の中間部位に形成したコーナ部にL型連結杆32,32を溶接で連結して補強し、モーアデッキ5の吊り下げに充分耐える強度に強化すると共に、このL型連結杆32,32を取付け支持部材として利用して取付部材34を連結した特徴がある。そして、昇降リンク6,6は、前述のとおり、基部を前輪1,1のファイナルケース28,28を利用して共締めした取付プレート29,29に支持する構成としたから、充分な強度が確保できると共に取付け支持の構成が簡単になった特徴がある。 【0022】 つぎに、延長アーム8は、図5、及び図6に示すように、横断面を、前記昇降リンク6,6に重ね合わせて嵌合できる程度のコ字型に形成し、前記昇降リンク6,6の先端部分6a,6aに下側から重ね合わせられる程度の長さとして、基部を前記昇降リンク6の先端部分(連結ピン30を挿通する支持部39のすぐ後の位置)に枢着部Pとして昇降リンク6,6に重ね合わせて沿わせた状態と、前方側へ回動して延長する状態とに折り畳み自由に構成している。そして、延長アーム8は、図5に示す延長した状態で、先端側から順番に、連結孔40、姿勢保持孔41、延長位置固定孔42(延長時には昇降リンク6の支持部39と合わせて連結ピン30で固定する)を設けて構成している。 【0023】 以上のように構成した延長アーム8は、図6の仮想線で示すように、モーアによる芝草刈取作業中でモーアデッキ5を昇降動作させるときには、枢着部Pを支点に昇降リンク6に沿わせて基部側に折り畳んで、前記連結孔40を昇降リンク6の止め孔44に重ね合わせて、固定ピン43を挿し込んで固定し、昇降油圧シリンダ37による昇降を行いながら所定に芝草刈取作業を行う。 【0024】 つぎに、モーアデッキ5をメンテナンスを行うなどのために起立するときには、まず、モーアデッキ5は、入力伝動ボックス17のユニバーサルジョイント18(図3参照)を、車体2側から延長した伝動軸21の前端部から取り外して分離し、つぎに、昇降リンク6,6の前端の支持部39から連結ピン30,30を抜き取って切り離す。更に、モーアデッキ5は、刈草搬送筒23を途中で車体2側と分離し、後部リンク31も分離して、車体2との連結部を全て分離する。 【0025】 続いて、昇降リンク6,6は、図5、及び図6に示すように、固定ピン43を抜き取って、延長アーム8を、枢着部Pを支点にして前側に回動して延長状態に位置し、リンク6側の支持部39にアーム8側の延長位置固定孔42を重ね合わせて前記固定ピン43を挿し込んで延長状態に保持して固定する。 【0026】 そして、モーアデッキ5は、作業車両4を若干後退させて、相対的に延長アーム8の長さ程度、前側に移動させ、前側に伸ばしている延長アーム8の先端部の連結孔40に、連結ピン30,30によって連結する。そして、モーアデッキ5を上昇移動させるが、図示を省略している昇降レバーを操作して、まず、昇降油圧シリンダ37に作動油を供給して伸長させる。すると、モーアデッキ5は、昇降油圧シリンダ37に伸長に伴って、連動アーム38、リフトアーム36、リフトロッド33、取付部材34、L型連結杆32を介して昇降リンク6,6が基部を支点にして前部が上昇し、前部機枠3の前側に起立状態に姿勢が変更される。 【0027】 そして、モーアデッキ5が、図2に示すように、後部のゲージ輪22が接地して起立状態に達したとき、オペレータは、上昇操作を停止して、延長アーム8の姿勢保持孔41をモーア側の係止孔46に合わせて係止ピンを挿し通して起立姿勢を保持することができる。 【0028】 このように、モーアデッキ5は、図2に示すように、車体2の前部機枠3の前側で起立状態に位置が固定されると、底面が前側に向いて内部(回転刈刃13など)が露出状態になり、回転刈刃13等の清掃やメンテナンスを容易に行うことができる。 【0029】 なお、延長アーム8は、上記実施例においては、昇降リンク6,6の前部に折り畳み式に連結して構成したが、これを引き出し式に構成することは自由であって、昇降リンク6,6内部に収納する構成にすればよい。 【0030】 以上述べたように、本件発明の実施例は、モーアデッキ5が作業姿勢にあるときには、モーアデッキ5のほとんどの部分が、前部機枠3の下方空間部7内に位置するように、車体2側に装備しているから、モーアデッキ5と車体2とを合わせた前後の長さを短くすることができる。したがって、フロントモーアを装備した構成でありながら、そのモーアの回転刈刃回転の外周が前部機枠3の前端からやや前位となる程度に設定でき、作業車両は全長が短く、走行作業中に小回りが効いて、旋回等が楽にでき、作業を効率的に行うことができるものとなっている。 【0031】 そして、実施例は、モーアデッキ5を、昇降時に前側に寄せる機構がきわめて簡単な収納・折り畳み式に設けた延長アーム8で構成するから、収納位置と使用位置との切り替えが簡単にできる利点があると共に、使用時に嵩張ることがなく、昇降移動に何の支障にもならない優れたものとなった。 【0032】 そして、実施例は、モーアデッキ5を前方側に寄せる機構を、簡単な延長アーム8から構成し、この延長アーム8の不使用時には昇降リンク6側に収納して芝草の刈取作業中といえども、ほとんど邪魔にならない。また延長時には上記延長アーム8を昇降リンク6から前方に延長して固定し、モーアデッキ5を付け替えるだけの簡単な操作で、モーアデッキ5を確実に前側に寄せることができて前部機枠3の前側に起立状態のメンテナンスが容易にできる姿勢にすることができる。 【0033】 つぎに、図7、乃至図10に示す実施例について説明する。 まず、下部に回転刈刃13,13を軸着した左右の伝動軸14,14は、既に説明したように、上部に伝動プーリ15、15が軸着して設けられ、ベルト50による伝動構成になっている。この場合、伝動機構は、入力ボックス51の駆動プーリ52と上記伝動プーリ15,15との間に前記ベルト50が掛け回され、各コーナ部には中間プーリ53を設けて構成している。そして、連結部材54は、図7、及び図8に示す実施例の場合、鉄製の杆材から形成して、両側の軸受部材16,16の上面にそれぞれ固着した左右のプーリベース55,55に、中間位置の刈草搬送筒23を跨いだ逆U字形状にして両端を連結固定した構成としている。 【0034】 又、図9、及び図10に示す実施例の連結部材54,54は、鉄板で形成して、左右の軸受部材16,16に連結板56,56を介して連結した構成としている。 このように、モーアデッキ5は、左右両側に回転刈刃13,13を軸着した縦方向の伝動軸14,14の上部に伝動プーリ15,15を設けてベルト50を巻き掛けて伝動すると、ベルト50の張力が強く、しかも、各中間プーリ53がテンション機能を有しない固定プーリーであるから、左右のモーアデッキ5の中間部位に曲げ応力が働いて左右両側が上方に向けて変形することがあり、破損の原因になっていた。 【0035】 したがって、上記実施例は、左右のモーアデッキ5を鉄製の連結部材54で強固に連結することによって、ベルト50の伝動時に発生する張力に抗してモーアデッキ5の曲がり、変形を未然に防止して、常に円滑なベルト伝動を保ちながら破損を防止できる特徴がある。 【0036】 つぎに、刈草を貯留する刈草コレクタ装置26について実施例を説明する。 まず、コレクタフレーム58は、図11に示すように、車体フレーム59の後部外側において、左右両側の側部フレーム58aと、後側の後部フレーム58bとで囲むように形成して枠組みした構成としている。そして、車体フレーム59は、図面に示すように、側部に取付用アーム60を横外向きに突出させて設け、後部を複数の取付孔61を有する取付フレーム62に形成した構成としている。そして、前記取付用アーム60は、先端側に上側取付面60aと後側取付面60bとを形成して、上側取付面60aにロプス63の下端部を固着し、後側取付面60bには前記側部フレーム58aの前端面を取付けて構成している。そして、コレクタフレーム58は、図面に示すように、後部フレーム58bを前記取付フレーム62の取付孔61にねじで取り付けた構成としている。そして、コレクタフレーム58には、リフトシリンダの取付金具65やリフトリンク取付金具66などが設けられている。 【0037】 このように、コレクタフレーム58は、ロプス63と共に、車体フレーム59に一体として連結した構成としたから、各フレーム58,59、ロプス63が相互に強度メンバーとなって、全体として強度的に強い枠組み構成となった特徴がある。 【0038】 つぎに、刈草を貯留するコンテナ70の後部排草口71に設けたガイド板72と開閉板73について説明する。 まず、ガイド板72は、図12に示すように、コンテナ70の後部排草口71の下側を塞ぐように、下部の支点軸74に取り付けられ、上側には調節板75を高さを調節する調節ねじ76によって調節できる構成としている。そして、前記支点軸74は、図面に示すように、外側に延長した部分に設けた張圧スプリング77によって後部排草口71を閉る方向(上方)に張力が働く構成としている。 【0039】 したがって、ガイド板72は、図13に示すように、コンテナ70を上下シリンダ78を伸張して排出角度までダンプ作用して転倒したとき、刈草の重量で前記張圧スプリング77の張力に抗して開く構成となっている。そして、ガイド板72は、下方に開いたときには排出する刈草が車体2側に振りかからないように遠方に排出することができ、排出が完了すると、張圧スプリング77の復元力によって、支点軸74が逆に回されて閉まる側に復帰することができる。 【0040】 そして、開閉板73は、図13に示すように、コンテナ70の下部機枠79に基部を枢着した下部リンク80の先端部と、一端部を開閉板73に固着した上部固定リンク81の下端部とを枢着・連結して設け、コンテナ70のダンプ作用に関連して開閉できる構成としている。この場合、開閉板73は、図13に示すように、実線で示す作業位置では、下部リンク80と上部固定リンク81とによって閉まり位置にロック状態で固定され、排出時のダンプ作用によって、仮想線の位置に達すると、上記下部リンク80と上部固定リンク81との作用で後部排草口71を開くことができる。 【0041】 このように、開閉板73は、刈取作業時には、閉まり位置でロック状態に保持されて開くことなく刈草を貯留することができ、コンテナ70が上下シリンダ78を伸長してダンプすると、ダンプ作用に関連してリンク機構によって作動して排草口を自動的に開けることができる特徴を有する。 【0042】 つぎに、刈草コレクタ装置26の内部に設けた満杯センサ85の実施例を図14、乃至図16に基づいて説明する。 まず、満杯センサ85は、図面に示すように、刈草コレクタ装置26の側壁86の内側に垂下状態に設けるが、実施例では、外側に設けた支持装置87に回転自由に軸架したセンサ軸88を、前記側壁86に縦方向に設けた調節長孔89を貫通させて室内に延長し、これに検出板85aを吊り下げ状態に設けて構成している。この場合、前記支持装置87は、図14に示すように、側壁86に設けた前記調節長孔89の両側に同方向に設けた調節長孔90,90に取付ねじ91,91を係合して上下調節自在とし、調節した位置で固定できる構成としている。 【0043】 そして、センサ圧調節スプリング92は、図面に示すように、前記センサ軸88の外側の軸受部材93に巻き付けて一端をその軸受部材93に取り付け、他端をセンサ圧調節レバー94に連結して構成している。そして、前記軸受部材93は、センサ軸88とピン95で連結して一体とし、センサ圧調節スプリング92の張圧力が伝達できる構成としている。そして、ストッパー96は、満杯センサ85の検出板85aが後方(前記センサ圧調節スプリング92の解ける側)に回転できないように規制する位置に設け、前記センサ圧調節スプリング92の張圧力が解けないように規制、保持する構成としている。 【0044】 そして、センサ圧調節レバー94は、基部を前記センサ軸88に遊嵌させて、支持装置87に設けた調節位置固定板98上に、回動調節自由に設け、調節位置でスプリングに張圧させたスチールボール99で調節位置の位置決めができる構成としている。 【0045】 そして、センサスイッチ100は、図14、及び図15に示すように、前記ストッパー96に接続して設けており、前記検出板85aが、貯留されて増えてくる刈草に押圧されて順次草圧が高くなって、前記センサ圧調節スプリング92の張圧力に抗して矢印(イ)の方向に回動してストッパー96から離れると、図外のコントローラに検出信号を入力する構成としている。そして、コントローラは、入力された検出信号に基づいて、満タンに達したことを警報したり、モニタ表示を行う構成としている。 【0046】 以上、説明したように、実施例に係る満杯センサ85は、センサ圧調節スプリング92を設けて、刈草の充填する度合いを牧草の品種や含水率等に応じて調節しながら刈取作業ができる特徴がある。更に、実施例の満杯センサ85は、検出板85aの高さを上下に位置調節ができるから、草の種類やその他の条件に合わせて室内の充填量を変更できる特徴がある。 【0047】 つぎに、刈草コレクタ装置26の内部に設けた刈草拡散装置105について、図16、及び図17に基づき説明する。 まず、刈草案内装置105は、図面に示すように、既に説明した刈草搬送筒23に連通させた刈草排出口106の正面に対応させて、天井107に軸架して垂下状態に設けた縦軸108に2枚の羽根109を取り付けて構成している。 【0048】 そして、縦軸108は、図面から解るように、前記天井107の上面に装備した電動モータ110に伝動可能に接続して回転駆動する構成としている。電動モータは所謂ギヤードモータ形態とされ縦軸108との間には比較的減速率の高い電動ギヤ群を配設してゆっくりと羽根109を回転連動するもので、搬送芝草はこの羽根109によって拡散されるよりもむしろ排出案内方向を順次に変更されながら芝草をコンテナ26内に拡散させるものである。この電動モータ110は例えば、運転席近傍に設けた起動スイッチ(図示せず)による。 【0049】 なお、縦軸108の回転は、実施例の場合、平面視で右回転に構成するが、左回転、又は左右交互の往復回転等、自由に選択することができる。 以上のように、実施例の刈草拡散装置105は、刈草排出口106から刈草コレクタ装置26の室内に排出される刈草に対して、電動モータ110を駆動して縦軸108を介して羽根109を回転しながら、直接左・右方向あるいは後方に排出案内しながら拡散することができる。 【0050】 このように、実施例は、回転する羽根109によって刈草を刈草コレクタ装置の室内に拡散して万遍に充填することが可能であって、充填率を大幅に向上できる特徴がある。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】全体側面図 【図2】モーアデッキをリフトアップして起立姿勢とした側面図 【図3】モーアデッキの平面図 【図4】モーアデッキの作業姿勢を示す側面図 【図5】昇降リンクの平面図 【図6】昇降リンクに設けた延長アームの作用側面図 【図7】一部断面したモーアデッキの背面図 【図8】モーアデッキの平面図 【図9】一部断面したモーアデッキの側面図 【図10】モーアデッキの平面図 【図11】フレーム構成の斜面図 【図12】ガイド板の支持機構の斜面図 【図13】刈草コレクタ装置の作用図 【図14】満杯センサの支持機構の側面図 【図15】満杯センサの支持機構の一部断面した背面図 【図16】満杯センサを設けた刈草コレクタ装置の内部側面図 【図17】刈草拡散装置の作用平面図 【符号の説明】 【0052】 1,1 前輪 2 車体 3 前部機枠 4 作業車両 5 モーアデッキ 6 昇降リンク 6a 先端部分 6b 中間部分 6c 基端部分 7 下方空間部 8 延長アーム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年11月28日(2005.11.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−143481(P2007−143481A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月14日(2007.6.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−342300(P2005−342300) |
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