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【発明の名称】 乗用芝刈機
【発明者】 【氏名】辻 英和

【氏名】榎本 和加雄

【要約】 【課題】芝草エアー搬送用のブロアと変速装置の設置スペースをできるだけ小さくした乗用芝刈機を提供すること。

【解決手段】車輪3,4にエンジン12の動力を伝達する走行駆動系Bと、芝草を刈り取るためのモーア6とモーア6で刈り取った後の芝草を送風搬送するためのブロア23にエンジン動力を伝達するブロア駆動系Aとを備え、エンジン12の出力軸12aに設けた一対の動力分配プーリ31a,31bの上方に設けたブロア駆動系Aの入力軸33に一方の動力分配プーリ31aから動力をブロア駆動プーリ36を介して伝達し、他方の動力分配プーリ31bの下方に設けた走行駆動系Bの入力軸28に動力分配プーリ31bからの動力を伝達する乗用芝刈機である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪(3,4)を駆動するために、エンジン(12)からの動力を伝達する走行駆動系(B)と、芝草を刈り取るためのモーア(6)と、該モーア(6)で刈り取った後の芝草を送風搬送するためのブロア(23)にエンジン(12)からの動力を伝達するブロア駆動系(A)とを備えた乗用芝刈機において、
エンジン(12)の出力軸(12a)に一対の動力分配手段(31a,31b)を設け、該動力分配手段(31a,31b)の上方に設けたブロア駆動系(A)の入力軸(33)に一方の動力分配手段(31a)からの動力を伝達するブロア駆動手段(36)を設け、他方の動力分配手段(31b)の下方に設けた走行駆動系(B)の入力軸(28a)に該動力分配手段(31b)からの動力を伝達する走行駆動手段(29)を設けたことを特徴とする乗用芝刈機。
【請求項2】
走行駆動系(B)はHSTポンプ(28)とHSTモータ(35)の一対からなるHST(19)を備え、これらHSTポンプ(28)とHSTモータ(35)とを左右に併設して該HSTモータ(35)からの動力により作動する車輪(3,3)差動用ギア装置を内装したデフケース(15)の後面に支持させ、これらHST(19)とデフケース(15)との上面にブロア(23)を配置したことを特徴とする請求項1記載の乗用芝刈機。
【請求項3】
ブロア駆動系(A)に設けられる動力伝動ギア機構を内装した動力伝動ケース(25)にブロア(23)の回転軸(20)と、該ブロア回転軸駆動手段(36)の入力軸(33)とを支架させたことを特徴とする請求項1又は2記載の乗用芝刈機。
【請求項4】
モーア(6)で刈り取った後の芝草をブロア(23)により送風搬送する搬送路となるシュータ(27)を設け、
さらに走行駆動系(B)に設けられる動力伝動ギア機構を内装した動力伝動ケース(15)のケース上方部を前下がり形状にし、
前記動力伝動ケース(15)のケース上方部の前下がり形状をシュータ(27)の底面に沿った形状とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の乗用芝刈機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、芝刈りなどの対地作業を行うモーアを車体の下方に搭載した乗用芝刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
対地作業機としての典型例である芝刈機(モーア)を車体前部に装着した、いわゆるフロントモーア型乗用芝刈機が特開昭63−98313号公報などに開示されている。この乗用芝刈機は、モーアで刈り取った芝草をシュータ及びダクトを介して車体後部のコレクタバックに集草する構成としている。また、コレクタバックへ刈り取った芝草をエアー搬送するために設けたブロアと車体を走行させるためにエンジンからの動力を変速する変速装置が用いられる。
【特許文献1】特開昭63−98313号公報
【特許文献2】EP0840998(B1)公開公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1、2記載の発明の乗用芝刈機では、芝草エアー搬送用のブロアと変速装置が平面視で別々の配置箇所に置かれている。
そのためこれらの装置の配置スペースが平面視で大きな比重を占める。
本発明の課題は、芝草エアー搬送用のブロアと変速装置の設置スペースをできるだけ小さくした乗用芝刈機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、車輪(3,4)を駆動するために、エンジン(12)からの動力を伝達する走行駆動系(B)と、芝草を刈り取るためのモーア(6)と、該モーア(6)で刈り取った後の芝草を送風搬送するためのブロア(23)にエンジン(12)からの動力を伝達するブロア駆動系(A)とを備えた乗用芝刈機において、エンジン(12)の出力軸(12a)に一対の動力分配手段(31a,31b)を設け、該動力分配手段(31a,31b)の上方に設けたブロア駆動系(A)の入力軸(33)に一方の動力分配手段(31a)からの動力を伝達するブロア駆動手段(36)を設け、他方の動力分配手段(31b)の下方に設けた走行駆動系(B)の入力軸(28a)に該動力分配手段(31b)からの動力を伝達する走行駆動手段(29)を設けた乗用芝刈機である。
【0005】
請求項2記載の発明は、走行駆動系(B)はHSTポンプ(28)とHSTモータ(35)の一対からなるHST(19)を備え、これらHSTポンプ(28)とHSTモータ(35)とを左右に併設して該HSTモータ(35)からの動力により作動する車輪(3,3)差動用ギア装置を内装したデフケース(15)の後面に支持させ、これらHST(19)とデフケース(15)との上面にブロア(23)を配置した請求項1記載の乗用芝刈機である。
【0006】
請求項3記載の発明は、ブロア駆動系(A)に設けられる動力伝動ギア機構を内装した動力伝動ケース(25)にブロア(23)の回転軸(20)と、該ブロア回転軸駆動手段(36)の入力軸(33)とを支架させた請求項1又は2記載の乗用芝刈機である。
【0007】
請求項4記載の発明は、モーア(6)で刈り取った後の芝草をブロア(23)により送風搬送する搬送路となるシュータ(27)を設け、さらに走行駆動系(B)に設けられる動力伝動ギア機構を内装した動力伝動ケース(15)のケース上方部を前下がり形状にし、前記動力伝動ケース(15)のケース上方部の前下がり形状をシュータ(27)の底面に沿った形状とする請求項1ないし3のいずれか記載の乗用芝刈機である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ブロア駆動系(A)と走行駆動系(B)とを上下に配置したので乗用芝刈機の前後方向の長さを従来の芝刈機より短くできる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、HSTポンプ(28)とHSTモータ(35)とが左右に配設されるものであるから、上下方向に嵩張らず、またデフケース(15)の後面に直接指示されるものであるから、これらの上面に空間が形成され、この空間にブロア(23)を配置できるため、機体前後の長さを短縮できる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、ブロア駆動系(A)の動力伝動ギア機構を内装した動力伝動ケース(25)にブロア回転軸(20)と、該ブロア回転軸駆動手段(36)の入力軸(33)を支持させたので安定したブロア(23)の回転が得られる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか記載の発明の効果に加えて、走行駆動系(B)に設けられる動力伝動ギア機構を内装した動力伝動ケース(15)のケース上方部をシュータ(27)の底面に沿った前下がり形状としたので全体にかさばらない構成の乗用芝刈機の芝草刈取、搬送機構が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
本実施例の乗用芝刈機の側面図を図1に示す。なお本発明では芝刈機の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左側、右側といい、前進方向を前側、後進方向を後側ということにする。
【0013】
走行車体2の前部と後部にそれぞれ前輪3、3と後輪4、4を備え、車体2の前部の下方にはカッター5を有する芝草刈り取り用のモーア6が設けられ、車体2の前部上方のフロア7にはステアリングコラム8を立設し、該コラム8の上部にはハンドル10が設けられている。またハンドル10の後方には操縦席11を設け、該操縦席11の後方にはエンジン12及びラジエータ9を覆うボンネット34が配置されており、該ボンネット34の上方にコレクタ14が設けられている。
【0014】
図1の側面図に示すように本実施例の乗用芝刈機1は後輪操舵のフロントモーア6の前端とフロア7の前端を芝刈機側面視でほぼ同一前後位置に配置し、また前輪3の車軸3aと作業者の操縦席11の着座位置も芝刈機側面視でほぼ同一前後位置に配置している。
【0015】
フロア7の前端がモーア6の前端に比べて前過ぎると芝草の刈り残しができ、またフロア7の前端がモーア6の前端に比べて後ろ過ぎると芝草の刈取り位置合わせが困難となる。さらにフロア7の前端とモーア6の前端が芝刈機側面視でほぼ同一前後位置にあると、壁際等で前進作業した場合に障害物とモーア6の距離が分りやすいので、芝草の刈取作業性が良い。
【0016】
モーア6は車体2(例えば後記側部ケース32の前端部)に端部が回動自在に取り付けられ、前側が上下に昇降自在の構成となっているのでモーア6の昇降を行うことができる。
【0017】
また、ブロア23を内装したブロアケース24が操縦席11の後方下方部に配置されており、エンジン12の出力によりブロア23が作動する。ブロアケース24の上部にはブロアケース24とコレクタ14を繋ぐ芝草搬送用のダクト26が設けられている。さらに、ブロア23とモーア6の間には側面視後上がり形状のシュータ27が配置されていて、モーア6により刈り取られた芝草は、デッキ6a後部中央の排出口から短筒状の案内ガイド部及び端部をこのガイド部に重合させて折曲姿勢可能に設ける前記シュータ27を経由してブロア23に送られ、ダクト26を経由して後方のコレクタ14に空気搬送される。なお、モーア6のカッタ5の回転によって起風され該起風とブロア風とで刈草はシュータ27内を空気搬送され、、該ブロア風によって更に高くダクト26内を搬送されてコレクタ14に至る。
【0018】
上記概略の構成部材を備えた芝刈機の作動機構などを説明する。
エンジン12の出力軸12aをエンジン12の前方に出し、ユニバーサルジョイント13を介して出力軸12aに動力分配プーリ軸30(図1)を連結する。該動力分配プーリ軸30に固着された動力分配プーリ31a,31bはブロア駆動系Aと走行駆動系Bにそれぞれ動力を分配する一対のプーリ31a,31bからなり、ブロア駆動系Aは前記動力分配軸30の上方に設けられたブロア駆動プーリ軸33と一体のプーリ36によりプーリ31aから動力を受けてブロア23を駆動し、走行駆動系Bは前記動力分配軸30の下方に設けられたHST19の油圧ポンプ軸28a(図2)と一体のHST駆動プーリ29を駆動することで、互いに上下にブロア23とHST19とを配置できる構成とする。
【0019】
また、後記のようにHSTレバー19は油圧ポンプ28と油圧モータ35が左右に併設される関係に配置されるからその上方に空間を形成でき、ブロアケース24の配置に都合がよい。このように、ブロアケース24とHST19が互いに上下方向に重なった位置に配置されるので、モーア6からの案内ダクト27を従来の乗用型芝刈機のそれに比べて短縮化できる。
なお、前記プーリ群に代えてチェーン、ギアにより動力伝達を行っても良い。
【0020】
また、ブロア駆動系Aはブロアケース24の後方に隣接したブロア伝動ケース25内に設けられたギア機構25aによりブロア駆動プーリ軸33からブロア回転軸20に動力伝達される。ブロア駆動プーリ軸33とブロア回転軸20はブロア伝動ケース25の両側壁に支持される。また動力分配プーリ31a,31bの回転軸30もブロア伝動ケース25に支架される構成となっているので、動力分配プーリ31a,31bの支持構成が簡素化される。
【0021】
さらに、図2の要部平面図に示すようにHST19はその油圧ポンプ28と油圧モータ35が並列配置されており、油圧ポンプ軸(HST入力軸)28aでなく、油圧モータ軸35aを走行車体2の左右方向の中心に配置すると共に、後輪4の駆動軸をHST19の油圧モータ軸35aと同軸とする。(図1参照)このため、後輪4の駆動系が簡素となり、後輪駆動軸とHST19の油圧モータ軸35aの連結部に自在継手を用いる必要がなく、簡素な動力伝達機構が得られる。
【0022】
また、図1に示すようにブロアケース24の下方にデフケース15とHST19の接続面を配置し、デフケース15とHST19との境界線の延長線がブロアケース24の前後中間部を通過する構成にしている。このためブロアケース24の下方にHST19を配置でき、動力分配プーリ31bとHST駆動プーリ29の間にベルトを掛けやすい構成となる。
【0023】
また、デフケース15内にはHST19に近い側から油圧モータ軸35aに連動するベベルギヤ機構15a(ギア15a1〜15a4を含む)とデフ機構15b(ギア15b1を含む)を前後に配置し、デフケース15の上方側壁面の上面側が下がり傾斜面となるよう形成するので、この傾斜面をシュータ27の下面に沿わせることができ、シュータ27の配置が容易となる。
【0024】
また、図1に示すように高さ方向でモーア6のデッキ6aとコレクタ14側のダクト26の出口26aの上下方向のほぼ中間部にブロア23を配置する。こうしてブロア23のモーア6で刈り取った芝草の吸引力とコレクタ14への芝草の排出力をほぼ同一とすることができるため、ブロア23の芝草搬送効率が従来より向上し、ブロア回転数を比較的低く抑えることができ、その結果、ブロア23の低騒音化が可能となる。
【0025】
また、モーア6からブロアケース24までの芝草の搬送部の斜視図を図3に示し、デフケース15の近傍の正面図を図4に示す。これらの図に示すように、デフケース15内のギア式走行装置はデフケース15と一体である一対の側部ケース32内の3軸ギア伝動構成(32a〜32c)からなる前輪駆動用ギア伝動機構とPTOケース37内のモーア駆動用PTO軸38へのギア伝動機構を備えている。図3に示すように、中央のデフケース15と左右の側部ケース32とでポータルケースを構成し、シュータ27をデフケース15の下方に配置できる。
【0026】
また、図4のデフケース15部分の正面図に示すようにPTOケース37内にはHST19の油圧ポンプ軸28aを延長して動力を入力できる構成としている。ポンプ軸28aの回転は伝動ギア群の中間伝動軸39を経てPTO軸38に伝動される。このPTO軸38は側部ケース32とシュータ27との間に形成された空間部に配置される。また、PTOケース37はデフケース15との連結を解除することにより軸28aまわりに矢印A方向に回動でき、機体中心に軸心を配置している。このように構成すると少なくともモーア6、シュータ27の取り外しによって別途作業機(除雪機など)を装備して伝動できる。
【0027】
図5にブロアケース24の背面図を示すように、ブロア23の回転軸20と同軸上にあるブロア駆動用プーリ50と動力分配プーリ31aとが各回動軸(ブロア回転軸20と動力分配プーリ軸30)の軸間距離D1が短くてもベルト52を用いて該ベルト52のテンションを内張りテンションプーリ53と巻角確保テンションプーリ55で調整可能な構成としている。
【0028】
内張りテンションプーリ53の揺動アーム56の回動軸56aをベルト52の内側に配置し、巻角確保テンションプーリ55の揺動アーム57の回動軸57aをベルト52の外側に配置する。前記2つの揺動アーム56,57はバックル式アーム59で連結させ、巻角確保テンションプーリ55の揺動アーム57は走行車体2に一端が支持されたスプリング61で常時引張力で引かれており、内張りテンションプーリ53の揺動アーム56を図示しないワイヤなどで牽引することで前記2つのプーリ53,55をベルト52の内側と外側からそれぞれベルト52にテンションを掛けるようにベルト52を押圧することができ、ベルト52でプーリ53,55がそれぞれ押圧されると、動力分配プーリ31aからブロア23の駆動用プーリ50への回転駆動力が伝達される。このように、内張りテンションプーリ53と巻角確保テンションプーリ55により軸間距離が短くても、ベルトテンションクラッチが構成でき、2つのプーリ53,55間のテンションクラッチを確実にON−OFFすることができる。
【0029】
次に上記モーア6の伝動構造について説明する。左右一対のカッタ5を備え互いに逆方向に回転させるモーア6の後部中央部に排草口を形成し、機体中心にシュータ27を配置し、ブロア23で後部のコレクタ14に向け排草案内する形態のモーア6への伝動構造をフロントモーア(本明細書中で開示の構成であって、モーア後方からの伝動入力する構成となる)と、ミッドモーア(トラクタ腹部に昇降自在に設け、後部のコレクタ14に向け排草させる形態であって、前部にエンジン12を搭載する関係上、モーア6の前方側から伝動入力する構成となる)とに共用するものである。
【0030】
従来は上記フロントモーア用、及びミッドモーア用として別々に伝動構成としていたが、上記構成はこれを改良した構成である。
【0031】
図6〜図8には、フロントモーア6の伝動形態を示す構成で、PTO軸38からモーア駆動軸40に自在継ぎ手70を介して動力を伝達している。モーア駆動軸40端にはベベルギア71を設け、左右一方の回転カッタ軸72の上端ベベルギア73との間に2つのベベルギア74、75を背中合わせ状に水平軸76Aに支架して設け、これらベベルギア群をベベル伝動ケース77に収容してモーアデッキ78に着脱自在に固定する構成である。
【0032】
上記水平軸76Aは中間伝動軸76C、カップリング76D,76Dを備えて他方のカッタ軸79を支持する伝動ケース80の水平軸76Bに延長され、このケース80内部には1対のベベルギア81、82を備えて回転連動可能に構成されている。なお、伝動ケース80も前記ベベル伝動ケース77同様にモーアデッキ78に着脱自在に固定される。また、左右の回転カッタ軸72、79下端にはカッタ83、84が設けられている。
【0033】
上記のように構成で、モーア駆動軸40に矢印(イ)方向の回転を付与すると、左右一方の回転カッタ軸72及びカッタ83は矢印(ロ)方向の回転が付与され、他方の回転カッタ軸79及びカッタ84は矢印(ハ)方向の回転が付与される。
【0034】
一方、図9は、ミッドモーア70への伝動機構を組み込む構成を示している。図9に示すミッドモーア70への伝動機構は、上記図6のフロントモーア6におけるモーア駆動軸40、ベベル伝動ケース77、水平軸76A,76B、中間伝動軸76C、伝動ケース80、左右のカッタ軸72,79、及び各ケース77,80内部のベベルギア群を、モーアデッキ78から取り外し、即ち、左右の伝動ケース77、80をモーアデッキ78から取り外してミッドモーア機構に用いることによって構成するもので、部品共用を図っている。
【0035】
なお、図6のフロントモーア6と図9のミッドモーア70はモーア駆動軸40の配置が前後逆の関係となっている。これはフロントモーア6では後方のPTO軸38から動力を受けるが、ミッドモーア70では前方のエンジン12から下方にベルト伝動によって下ろした位置に動力取り出し用のPTO軸(モータ軸35a)が備えられていることによるものであり、伝動ケース77,80の左右関係を逆に配置している。
【0036】
図9において、ミッドモーア70のPTO軸90から自在継ぎ手91を介して前方側からモーア駆動軸40に入力し、一方、ベベル伝動ケース77a内に入力され、ベベルギア74aを連動する構成である。なお、該ベベルギア74aは、伝動ケース77a内において、図6のべべル伝動ケース77内のベベルギア74の配置構成とは相違して、ベベルギア75からは離れた配置構成としている他は、前記フロントモーア6における構成と同一である。従って、モータ駆動軸40に矢印(ニ)方向の回転を付与すると、回転カッタ軸72とカッタ83は矢印(ホ)方向に回転し、回転カッタ軸79とカッタ84は矢印(へ)方向に回転する。
【0037】
ベベルギア74aを図9に示すような配置構成とする理由は入力側のモータ駆動軸40の回転方向にある。図9にに示すようにベベルギア74aを配置すると、前記図6に示すフロントモーア6の伝動構成をそのまま利用することができる。
【0038】
以上のように、モーア駆動軸40から左右の回転カッタ軸72、79のほとんどを共用でき、あるいはPTO軸38とPTO軸90の回転が一致すれば、全くの共用化が可能となってコストダウンが図れる。
【0039】
また図6〜図8のように、2つのべべルギア74、75を配設することによって、両ベベルギア74、75に働くスラスト力が互いに逆方向になって相殺され、軸受への無理な負担を軽減しベアリング95の長寿化に寄与する。すなわち、モーア駆動軸40側からの回転に連動するベベルギア74には、紙面右方向のスラスト力を発生させ、一方、モーア6の回転カッタ軸72の駆動に伴ってベベルギア75には紙面左方向にスラスト力が作用するから、これらスラスト力が互いに相殺されて中間に位置するベアリング95への無理な負担を軽減する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、家庭用、産業用の乗用芝刈機として有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例の乗用芝刈機の要部側面図である。
【図2】本発明の実施例の乗用芝刈機の要部平面図である。
【図3】図1の乗用芝刈機のモーアとブロアケースの間の構成を示す斜視図である。
【図4】図1の乗用芝刈機のデフケース部分の概略正面図である。
【図5】本発明の他の実施例の乗用芝刈機のブロアの駆動系を示すブロアケース部分の背面図である。
【図6】本発明の実施例の乗用芝刈機のフロントモーアの伝動構成の一例を示す平面図である。
【図7】図6の伝動構成の一部を拡大した平面図である。
【図8】図6の伝動構成の一部を拡大した背面図である。
【図9】本発明の実施例の乗用芝刈機のミッドモーアの伝動構成の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 乗用芝刈機 2 走行車体
3 前輪 3a 前輪車軸
4 後輪 5 カッター
6 モーア 6a デッキ
7 フロア 8 ステアリングコラム
9 ラジエータ 10 ハンドル
11 操縦席 12 エンジン
12a エンジン出力軸 13 ユニバーサルジョイント
14 コレクタ 15 デフケース
15a ベベルギヤ機構 15a1〜15a4、15b1 ギア
15b デフ機構 19 HST
20 ブロア回転軸 23 ブロア
24 ブロアケース 25 ブロア伝動ケース
25a ギア機構 26 ダクト
26a ダクト出口 27 シュータ
28 油圧ポンプ 28a 油圧ポンプ軸
29 HST駆動プーリ 30 動力分配プーリ軸
31a,31b 動力分配プーリ
32 側部ケース 32a〜32c 3軸ギア伝動構成
33 ブロア駆動プーリ軸 34 ボンネット
35 油圧モータ 35a 油圧モータ軸
36 プーリ 37 PTOケース
38 モーア駆動用PTO軸
39 中間伝動軸 40 モーア駆動軸
50 ブロア駆動用プーリ 52 ベルト
53 内張りテンションプーリ
55 巻角確保テンションプーリ
56、57 揺動アーム 56a、57a 揺動アーム回動軸
59 バックル式アーム 61 スプリング
70 ミッドモーア 71 ベベルギア
72、79 カッタ軸
73、74、74a、75 ベベルギア
76A、76B 水平軸 76C、76D 中間伝動軸
77、77a ベベル伝動ケース
78 モーアデッキ 80 伝動ケース
81、82 ベベルギア 83、84 カッタ
90 PTO軸 91 自在継ぎ手
95 ベアリング
A ブロア駆動系 B 走行駆動系
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成17年11月7日(2005.11.7)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義

【識別番号】100133318
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 向日子


【公開番号】 特開2007−124976(P2007−124976A)
【公開日】 平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願番号】 特願2005−322149(P2005−322149)