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【発明の名称】 草刈機
【発明者】 【氏名】古久保 孝美

【要約】 【課題】低コストかつ簡素な機構で、回転体に巻き付こうとするつる草などの紐状体を切断でき、これにより紐状体の巻き付きを防止できる草刈機を提供する。

【解決手段】回転体支持部16に回転可能に支持された回転体14と、回転体14の回転に従動して回転する刈り刃20と、少なくとも回転体14の回転時に動かないように回転体支持部16に固定され、回転体14の回転時に回転体14に巻き付く紐状体を切断する巻き付き防止刃20と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に回転可能に支持された回転体と、
前記回転体の回転に従動して回転する切断手段と、
少なくとも前記回転体の回転時に動かないように前記支持体に固定され、前記回転体の回転時に前記回転体に巻き付く紐状体を切断する巻き付き防止刃と、
を備えた草刈機。
【請求項2】
前記巻き付き防止刃の刃線が前記切断手段が回転したときの回転面に対して斜めになるように前記巻き付き防止刃を前記支持体に固定した請求項1記載の草刈機。
【請求項3】
前記巻き付き防止刃の前記支持体に対する固定位置を調整可能に構成した請求項1または請求項2記載の草刈機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体の回転に従動して回転する刈り刃や樹脂製紐等の切断手段を備えた草刈機であって、回転体へのつる草等の紐状体の巻き付きを防止することができる草刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
刈り刃等を回転させて草を刈る草刈機を用いて山間部の開拓や清掃および農業で行われる草刈作業を行う際、草刈機、特に草刈機の刈り刃等を回転させる回転体(回転軸)につる草等の紐状体が巻き付いてしまうことがある。つる草等が巻き付くと、草刈機が機能不全を起こして草刈作業を行うことできなくなるため、従来はこれを除去するために作業を一時中断しなくてはならならず、作業能率が著しく低下していた。
【0003】
そこで、回転軸に対して内側及び外側軌道輪を設け、紐状体が草刈刃の回転方向に引っ張られる力を利用して外側軌道輪を回転させて巻き付きを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、刃が付いた小型の回転ドラムを備え、巻き付きの力に沿って回転ドラムが回転することによって巻き付いたつる草を刃で切断し巻き付きを防止する技術も知られている(例えば、特許文献2、3参照。)。また、ナイロンカッターに同期して回転するホルダに切断刃を設け、刈り取った草の絡みつきを防止する技術も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【特許文献1】特開2002−233222号公報
【特許文献2】特開2002−209418号公報
【特許文献3】特開平11−18543号公報
【特許文献4】実開平5−29331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、構造が複雑になってしまうため、高コストとなってしまう上、草刈機自体の重量が重くなってしまい、作業者の使い勝手が著しく低下する。また、軌道輪あるいは回転ドラムを用いた複雑な構造は故障しやすく、メンテナンスが面倒になる。さらにまた、上記刃が付いた回転ドラムによる技術では、回転ドラムが紐状体と一緒に回転するため回転ドラムに備えられた刃では紐状体が切断されにくい、という問題もある。
【0005】
また、ナイロンカッターに同期して回転するホルダに切断刃を設けた技術も、上記と同様の問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、低コストかつ簡素な機構で、回転体に巻き付こうとするつる草などの紐状体を切断でき、これにより紐状体の巻き付きを防止できる草刈機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の草刈機は、支持体に回転可能に支持された回転体と、前記回転体の回転に従動して回転する切断手段と、少なくとも前記回転体の回転時に動かないように前記支持体に固定され、前記回転体の回転時に前記回転体に巻き付く紐状体を切断する巻き付き防止刃と、を備えている。
【0008】
このように、草刈機に回転体の回転時に回転体に巻き付く紐状体を切断する巻き付き防止刃を設けたため、紐状体の巻き付きを防止できる。また、巻き付き防止刃を、少なくとも回転体の回転時には動かないように支持体に固定するようにしたため、回転体の回転に伴って回転するように設けられた刃に比べて、紐状体を切断しやすい。
【0009】
なお、この草刈機の切断手段は、草等を刈ることができれば特に限定されず、例えば、円盤の外周に外周刃が備えられた刈り刃であってもよいし、2本の刃が回転軸に対して相対向して設けられた刈り刃であってもよいし、樹脂製の紐等であってもよい。
【0010】
また、前記巻き付き防止刃の刃線が前記切断手段が回転したときの回転面に対して斜めになるように前記巻き付き防止刃を前記支持体に固定するようにしてもよい。
【0011】
これにより、回転体に紐状体が巻き付こうとしたときに、回転体の回転(切断手段の回転)に伴って紐状体が刃線に沿ってせり上がるような状態となり、容易に紐状体を切断することができる。
【0012】
また、前記巻き付き防止刃の前記支持体に対する固定位置を調整可能に構成することもできる。
【0013】
これにより、紐状体が切断しやすく、かつ巻き付き防止刃が切断手段に接触しないような好適な位置に巻き付き防止刃の位置を調整することができる。なお、ここでいう固定位置には、支持体に対する3次元的な位置だけでなく、巻き付き防止刃の切断手段の回転面に対する傾き(角度)も含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の草刈機によれば、草刈機に、草刈機の回転体に巻き付く紐状体を切断する巻き付き防止刃を設けるようにしたため、低コストかつ簡素な機構で紐状体の巻き付きを防止できる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本実施の形態に係る草刈機10の斜視図、図2は草刈機10の正面図、図3は草刈機10の側面図、図4は草刈機10の上面図である。
【0017】
この草刈機10は、不図示の動力発生部で発生した動力を回転体14に伝達する動力伝達機構18と、動力伝達機構18から伝達された動力によって回転軸O(図2参照)を中心に回転する回転体14と、回転体14を収容すると共に回転体14を回転可能に支持する回転体支持部16と、円盤の外周に複数個の外周刃が設けられた刈り刃12を備えている。なお、外周刃の図示は省略する。刈り刃12は、回転体14及び回転体下部15に挟持され、回転体14の回転に従動して回転する。
【0018】
回転体支持部16には、回転体14の回転時に回転体14に巻き付くつる草やロープ等の紐状体を切断する巻き付き防止刃20が固定されている。図1及び図3に示すように、巻き付き防止刃20には複数個の取付穴22が設けられ、これら複数個の取付穴22のいずれか1つおよび回転体支持部16のネジ穴(不図示)に防止刃取付ネジ24を挿通して巻き付き防止刃20が回転体支持部16に対して動かないように締めることにより、巻き付き防止刃20を刈り刃12に接触しない位置かつ回転体14に巻き付く紐状体を切断するのに好適な位置に固定している。
【0019】
また、回転体支持部16には、巻き付き防止刃20の固定位置(巻き付き防止刃20の刃線の、刈り刃12の回転面に対する傾きを含む)を調整するための位置調整固定支柱30が取り付けられている。この位置調整固定支柱30にも、複数個の取付穴36が設けられ、これら複数個の取付穴36のいずれか1つおよび回転体支持部16の上記巻き付き防止刃20を固定するネジ穴とは別のネジ穴(不図示)に、支柱取付ネジ34を挿通して位置調整固定支柱30が回転体支持部16に対して動かないように締めることにより、位置調整固定支柱30を所望の位置に固定している。
【0020】
位置調整固定支柱30には、上記複数個の取付穴36とは別に、巻き付き防止刃20と連結するための連結穴(不図示)が設けられている。巻き付き防止刃20と位置調整固定支柱30とを所望の角度で重ね合わせた状態で、位置調整固定支柱30の連結穴および巻き付き防止刃20の複数個の取付穴22のうち最も刃元側に設けられた取付穴に、位置調整ネジ32を挿通して締める。これにより、巻き付き防止刃20を回転体14に巻き付く紐状体を切断するに好適な位置に固定している。なお、位置調整固定支柱30の連結穴も複数個設け、巻き付き防止刃20の位置を調整するようにしてもよい。
【0021】
図3に、巻き付き防止刃20の刃線側を斜線で示した。巻き付き防止刃20は、その刃線が刈り刃12の回転面に対して斜めになるように位置調整された状態で、回転体支持部16に固定されている。このように、刃線を刈り刃12の回転面に対して斜めにすることによって、回転体14に紐状体が巻き付こうとしたときに、回転体14の回転(刈り刃12の回転)に伴ってこの紐状体がこの刃線に沿ってせり上がるような状態となり、これにより紐状体の巻き付き防止刃20に対する擦り量が増大し、容易に紐状体を切断することができる。
【0022】
次に、草刈機10の動作について説明する。
【0023】
作業者が、草刈機10を支持した状態で、不図示の動力発生部で動力を発生させる。動力発生部で発生した動力は、動力伝達機構18によって回転体14に伝達される。この動力によって回転体14は回転し、この回転に伴って刈り刃12が図4に示すAの方向に回転する。このように刈り刃12が回転することによって、作業者は草などを刈ることができる。
【0024】
図5は、草刈作業中に、つる草などの紐状体40が回転体14に巻き付こうとしたときに、この紐状体40が巻き付き防止刃20にて切断される様子を模式的に示した説明図である。
【0025】
図5(A)に示すように、回転軸Oを中心にして刈り刃12(回転体14)が回転しているときに、紐状体40のR部分が刈り刃12の外周に接触する。その後、紐状体40のR部分は、図5(B)に示すように刈り刃12の回転に沿って移動し、回転軸O周りに巻き込まれる。図5(C)の状態になると、回転軸Oを支点にして、紐状体40のP−R部分とQ−R部分とで引っ張り合う力が発生する。特につる草などは地面に根を張った状態で巻き付くため、引っ張り合う力は強くなる。このため回転軸O近く(回転体支持部16)に固定された巻き付き防止刃20の刃線に紐状体40が接触し、強く擦られて、図5(D)に示すように紐状体40が切断される。従って、紐状体40が草刈機10の回転体14に巻き付くことを防止できる。これにより、草刈作業を中断させることなく、作業効率も大幅にアップする。
【0026】
以上説明したように、回転体14に巻き付く紐状体を切断する巻き付き防止刃20を、回転体14の回転時に動かないように回転体支持部16に固定したため、回転体14に絡みつく紐状体を容易に切断することができる。また、巻き付き防止刃20を回転体支持部16に固定した簡易な構成で巻き付きを防止するため、比較的低コストで実現できる。また、構造が簡易なため、故障等は発生しにくく、メンテナンスも容易である。さらにまた、巻き付き防止刃20は、回転体14の回転に伴って動くことがないため、紐状体を切断しやすい。
【0027】
なお、上記実施の形態では、図4に示すように、巻き付き防止刃20を回転軸Oの向かって右側に固定したが、その固定位置は巻き付こうとする紐状体を切断できる位置であれば特に限定されず、例えば、回転軸Oの向かって左側に固定するようにしてもよい。
【0028】
さらにまた、上記実施の形態では、巻き付き防止刃20の固定位置を調整できるように構成したが、これに限定されず、巻き付き防止刃20を回転体支持部16と一体形成して固定位置が調整できないような構成であっても、紐状体を切断するのに好適な位置に巻き付き防止刃20が設けられていればよい。
【0029】
さらにまた、上記実施の形態では、固定位置を調整するために、巻き付き防止刃20や位置調整固定支柱30に複数個の取付穴を設けたが、これに限定されず、複数個の取付穴に代えて細長い形状の取付穴を設けてもよい。この細長い取付穴内で、防止刃取付ネジ24或いは支柱取付ネジ34で締める位置を変えても上記と同様に固定位置を調整することができる。
【0030】
また、上記実施の形態では、巻き付き防止刃20を、その刃線が刈り刃12の回転面に対して斜めになるように位置調整された状態で、回転体支持部16に固定した例について説明したが、これに限定されず、例えば、刃線が回転面に対して垂直になるように固定してもよい。このように固定した場合には、斜めの状態に比べて切断しにくくなる場合があるが、このような構成によっても容易に紐状体を切断できる。
【0031】
また、上記実施の形態では、円盤の外周に外周刃が備えられた刈り刃を切断手段として用いた草刈機を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、2本の刃が回転軸に対して相対向して設けられた刈り刃を用いた草刈機であってもよいし、高速回転することによって切断手段として機能する樹脂製の紐等を用いた草刈機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る草刈機の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る草刈機の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る草刈機の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る草刈機の上面図である。
【図5】紐状体が巻き付き防止刃にて切断される様子を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 草刈機、12 刈り刃、14 回転体、16 回転体支持部、20 巻き付き防止刃、22 取付穴、24 防止刃取付ネジ、30 位置調整固定支柱、32 位置調整ネジ、34 支柱取付ネジ、36 取付穴、40 紐状体。
【出願人】 【識別番号】505327790
【氏名又は名称】古久保 孝美
【出願日】 平成17年8月30日(2005.8.30)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2007−60958(P2007−60958A)
【公開日】 平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願番号】 特願2005−249738(P2005−249738)