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【発明の名称】 茶葉摘採機
【発明者】 【氏名】松元 芳見

【要約】 【課題】茶葉の傷みを防止でき、また、茶葉の収集効率の低下を防止できる茶葉摘採機を提供すること。

【解決手段】フレーム1の前後方向の略中央に、フレーム1の下方に突出して幅方向に延在する摘採装置4を備える。摘採装置4のケーシング4aの開口に近づいた茶葉を回転刃4bで取り込んで、回転刃4bと固定刃4cとで挟んで刈り取る。ケーシング4aに連通する輸送フード5の後側面に開口した貫通穴13から、ファン10から送風ダクト9及び送風フード8を経由した空気流が、輸送フード5内に供給される。輸送フード5内よりも低圧になったケーシング4aから、茶葉が輸送フード5に吸引され、輸送ダクト6を経て圧送されてコンテナ27に収集される。貫通穴13からの空気流のみにより、茶葉の吸引及び圧送を行うので、空気の乱流による茶葉の傷みや、空気の噴流による茶葉の損傷や、輸送路内に突出したノズルへの衝突による茶葉の損傷を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶畝を跨いで走行可能な本体と、
上記本体の下側に設けられていると共に、開口が設けられた密閉室と、上記開口から密閉室内に茶葉を取り込む取り込み部と、この取り込み部によって上記密閉室内に取り込まれた茶葉を刈る刈刃部とを有する摘採装置と、
上記摘採装置の密閉室の下流側に設けられ、この密閉室よりも下流側に向かって空気を吹き出して、上記刈刃部で刈られた茶葉を上記密閉室から吸引する空気吹出部と、
上記摘採装置の密閉室に連なり、上記空気吹出部から吹き出された空気を導いて、上記密閉室から吸引された茶葉を輸送する輸送路と
を備えることを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項2】
請求項1に記載の茶葉摘採機において、
上記空気吹出部は、上記輸送路の内側面よりも外側に設けられていると共に、上記輸送路の内側面に開口する貫通穴を介して、上記輸送路と連通していることを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項3】
請求項2に記載の茶葉摘採機において、
上記輸送路の上記貫通穴の近傍に、ディフューザが形成されていることを特徴とする茶葉摘採機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、茶畝を跨いで走行する自走式の茶葉摘採機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の茶葉摘採機は、茶畝を跨いで走行可能な車体の下側に摘採装置を設け、跨いだ茶畝の茶葉を上記摘採装置で摘採し、この摘採した茶葉を搬送ダクトでコンテナに搬送している。
【0003】
従来、上記茶葉摘採機の摘採装置としては、図9に示すようなものがある(特開2003−284418号公報:特許文献1参照)。図9は、摘採装置を茶葉摘採機の進行方向と平行な鉛直面で切断して示した断面図であり、この摘採装置は、進行方向の前側に開口を有すると共に後側が搬送ダクト101の一端に連結された枠102と、この枠102内に収容された回転刃104と、上記枠102の開口の下端縁に設けられた受け刃105とを備える。上記枠102内であって上記受け刃105の後方に、この枠102の幅方向に延びる送風通路107と、この送風通路107に連なる第1ノズル108が設けられている。また、上記枠102の上方に、この枠102の幅方向に延びる送風ダクト110が設けられ、この送風ダクト110から櫛状に分岐した第2ノズル111が、上記枠102の天板を貫通して搬送ダクト101内に突出している。
【0004】
上記摘採装置は、上記枠102の開口に近づいた茶葉を回転刃104と受け刃105とで刈り、この刈られた茶葉を、上記回転刃104で枠102の後方に押し出して、上記第1ノズル108が噴出する空気の流れによって搬送ダクト101内に圧送する。この搬送ダクト101内に送られた茶葉を、第2ノズル111が噴出する空気の流れによって搬送ダクト101の図示しない他端に向かって圧送して、この搬送ダクト101の他端に臨むコンテナに茶葉を集めるようにしている。
【0005】
しかしながら、上記従来の茶葉摘採機の摘採装置は、搬送ダクト101内に第2ノズル111が突出しているので、第1ノズル108からの空気流に乱れが生じて茶葉が傷むという問題がある。また、上記搬送ダクト101内に突出した第2ノズル111に、茶葉が衝突して損傷するという問題がある。また、櫛状の第2ノズル111の下流で局所的に空気の流速が大きくなるので、この局所的に流速の大きい空気によって茶葉が損傷するという問題がある。また、固定刃105で刈られた茶葉は、第1ノズル108の位置まで、回転刃104の回転によって、この回転刃104の先端が描く円の接線方向に送られる必要があるのにかかわらず、刈られた茶葉が回転刃104と共に周方向に送られて、枠102の開口から摘採装置の外に吐き出される場合があるという問題がある。この問題は、刈られた茶葉が多くて枠102内が茶葉で混み合う場合に顕著になる。さらに、上記搬送ダクト101内に櫛状に突出した第1ノズル108に茶葉が付着し、搬送ダクト101の茶葉の搬送能力が低下して、茶葉の収集効率が低下する虞がある。この茶葉の収集効率の低下の虞は、雨や霧等で茶葉が湿っている場合に顕著になる。
【特許文献1】特開2003−284418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、茶葉の傷みを防止でき、また、茶葉の収集効率の低下を防止できる茶葉摘採機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の茶葉摘採機は、茶畝を跨いで走行可能な本体と、
上記本体の下側に設けられていると共に、開口が設けられた密閉室と、上記開口から密閉室内に茶葉を取り込む取り込み部と、この取り込み部によって上記密閉室内に取り込まれた茶葉を刈る刈刃部とを有する摘採装置と、
上記摘採装置の密閉室の下流側に設けられ、この密閉室よりも下流側に向かって空気を吹き出して、上記刈刃部で刈られた茶葉を上記密閉室から吸引する空気吹出部と、
上記摘採装置の密閉室に連なり、上記空気吹出部から吹き出された空気を導いて、上記密閉室から吸引された茶葉を輸送する輸送路と
を備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、上記本体が茶畝を跨いで走行し、この本体の下側に設けられた摘採装置によって、上記茶畝に植わった茶木の茶葉が摘採される。上記摘採装置では、上記密閉室の開口に近づいた茶葉が、上記取り込み部によって密閉室内に取り込まれて上記刈刃部で刈られる。この摘採装置の密閉室の下流側に設けられた空気吹出部から下流側に向かって空気が吹き出されることにより、上記摘採装置の密閉室は下流側よりも低圧になる。これにより、上記刈られた茶葉が、上記密閉室から輸送路に向かって吸引される。この吸引された茶葉は、上記空気吹出部から吹き出された空気の流れによって、上記輸送路内を輸送される。このように、上記空気吹出部から吹き出された空気により、上記摘採装置の密閉室から輸送路への茶葉の吸引と、上記輸送路内の茶葉の輸送とを行う。したがって、従来のように第1ノズル108からの空気流により摘採装置から搬送ダクト101へ茶葉を圧送し、さらに、第2ノズル111からの空気流により搬送ダクト101内で茶葉を圧送するよりも、摘採装置及び輸送路における空気流の乱れや局所的な流速の増大を低減できる。その結果、空気流の乱れによる茶葉の傷みや、噴流を直接受けることによる茶葉の損傷を防止できる。また、刈刃部で刈られた茶葉は、吸引力によって密閉室から輸送路に吸引されるので、従来のように回転刃104の回転によって茶葉が周方向に送られて枠102の開口から吐き出される不都合を防止できる。
【0009】
一実施形態の茶葉摘採機は、上記空気吹出部は、上記輸送路の内側面よりも外側に設けられていると共に、上記輸送路の内側面に開口する貫通穴を介して、上記輸送路と連通している。
【0010】
上記実施形態によれば、上記空気吹出部は、上記輸送路の内側面よりも外側に設けられて、上記貫通穴から輸送路内に空気を吹き出すので、上記輸送路には従来のような輸送ダクト101内に突出する第2ノズル111が無いから、刈られた茶葉が第2ノズル111に衝突して損傷する不都合を防止できる。また、従来のような第2ノズル111に茶葉が付着する問題を防止できる。したがって、吸引された茶葉の輸送能力の低下を防止できて、茶葉の収集効率を向上できる。
【0011】
一実施形態の茶葉摘採機は、上記輸送路の上記貫通穴の近傍に、ディフューザが形成されている。
【0012】
上記実施形態によれば、上記ディフューザによって、上記摘採装置の密閉室内の気圧が輸送路に対して効果的に低下する。したがって、上記密閉室から茶葉を効果的に吸引することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の茶葉摘採機は、摘採装置の密閉室の下流側に設けられた空気吹出部から下流側に向かって空気を吹き出すことにより、上記摘採装置で刈られた茶葉を密閉室から吸引して、この吸引した茶葉を上記空気吹出部からの空気が流れる輸送路によって輸送するので、空気流の乱れによる茶葉の傷みや、噴流を直接受けることによる茶葉の損傷や、輸送路に突出したノズルに茶葉が衝突することによる茶葉の損傷を効果的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の茶葉摘採機を示す側面図であり、図2は、上記茶葉摘採機の正面図である。図1では、フレームの一部を切断して示している。
【0016】
この茶葉摘採機は、正面から見て門型のフレーム1を備え、このフレームの脚部1aの下端に、油圧モータで駆動されるクローラ装置2を取り付けている。上記門型のフレーム1で茶畝を跨いだ状態で、この茶畝の両側の畝間を上記クローラ装置2で走行するようになっている。
【0017】
上記フレームの床部1b上には、操作者が着座する運転席21と、上記操作者によって茶葉摘採機の進行方向が操作される操作ハンドル22と、操作者による操作ハンドル22の操作や他の指令に応じて茶葉摘採機の動作を制御する制御装置23と、油圧ポンプや発電機を駆動するエンジン24とを搭載している。上記運転席21、制御装置23及びエンジン24等の上方には、天蓋25が設けられている。この天蓋25は、上記フレームの床部1b上に立設された柱の上端に架けられている。
【0018】
上記フレーム1の床部1bから下方に向けて、茶葉を刈り取る摘採装置4が突出して設けられている。この摘採装置4は、フレーム1の前後の脚部10aの間の略中央に位置すると共に、フレーム1の幅方向に延在している。詳しくは、上記摘採装置4は、正面から見て中央から左右両側に向かうにつれて下方に傾斜した形状を有する。この摘採装置4の幅方向の両端に、一端がフレーム1に固定された図示しない油圧シリンダの他端が接続されており、この油圧シリンダによって摘採装置4の地面に対する高さが調整可能になっている。なお、この油圧シリンダは、地面からの高さを検知するセンサからの信号に基づいて、摘採装置4の地面に対する高さが予め設定された値になるように駆動するのが好ましい。
【0019】
上記摘採装置4の上端面の後側には、この摘採装置4が摘採した茶葉を排出する輸送フード5が一体に形成されており、この輸送フード5の上端に、茶葉を輸送する輸送ダクト6が連結されている。上記輸送フード5と輸送ダクト6で、本発明の輸送路を形成している。一方、上記輸送フード5の後側に、この輸送フード5内に風を送る空気吹出部としての送風フード8が一体に形成されている。この送風フード8の上端に、送風ダクト9の一端が連結され、この送風ダクト9の他端に送風ファン10が連結されている。一体に形成された上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8は、上記輸送ダクト6及び送風ダクト9に対して、留め具11によって着脱可能になっている。この着脱可能な摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8は、パイプ材で形成された支持枠12に支持されるようになっている。この支持枠に、上記油圧シリンダの他端が連結されており、この油圧シリンダの伸張に伴って上記支持枠がガイドに沿って上下方向に移動するようになっている。上記摘採装置4、輸送フード5、輸送ダクト6、送風フード8、送風ダクト9及び送風ファン10で、摘採収集ユニットを構成している。この摘採収集ユニットのうち、輸送フード5、輸送ダクト6、送風フード8、送風ダクト9及び送風ファン10が、茶葉摘採機の幅方向の左側と右側とで合計2つ設けられている。上記輸送ダクト6及び送風ダクト9は、高さ方向の略中央で2つに分離しており、下側部分が上側部分に対してテレスコピック状に摺動可能になっている。上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8を支持する支持枠に接続された油圧シリンダによって、上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8と、上記輸送ダクト6及び送風ダクト9の下側部分とが、上下方向に移動可能になっている。上記摘採装置4は、茶畝の茶葉の高さに応じて、地面から例えば450mm〜1000mm程度の間の高さに調節可能にするのが好ましい。
【0020】
図3は、茶葉摘採機の正面図に、上記摘採収集ユニットを重ねて示した図である。図3では、分かり易さのため、右側の摘採収集ユニットは輸送フード5及び輸送ダクト6を省略して示している。
【0021】
図4は、上記摘採装置4、輸送フード5及び送風フード8を、茶葉摘採機の進行方向に平行な鉛直面で切断した様子を示す断面図である。図3に示すように、上記摘採装置4は、前側に開口を有し、この開口以外の部分が気密に形成された密閉室としてのケーシング4aと、このケーシング4a内に収容された回転刃4bと、上記ケーシング4aの開口の下端縁に設けられた固定刃4cとを有する。上記ケーシング4aは、角が丸みを帯びた矩形の断面形状を有すると共に、正面から見て中央から左右両側に向かうにつれて下方に傾斜した形状を有し、この左右両側の部分は一体に形成されている。上記回転刃4bは、上記ケーシング4aの軸と略平行に配置された回転軸と、この回転軸に固定された螺旋状の刃とを含んでいる。この回転刃4bは、上記ケーシング4aの左右両側部分に2組ずつ設けられ、この2組の回転刃4bの軸はユニバーサルジョイントによって互いに連結されている。上記ケーシング4aの左側部分の2組の回転刃4bは、このケーシング4aの左側部分の左側端部に設けられた図示しない油圧モータによって駆動されるようになっている。また、上記ケーシング4aの右側部分の2組の回転刃4bは、このケーシング4aの右側部分の右側端部に設けられた図示しない油圧モータによって駆動されるようになっている。上記回転刃4bは、摘採装置4による茶葉の摘採動作時に、上記回転刃4bの刃が上記開口の上端縁から下端縁に向かうように、図4において矢印Rで示すように右回りに回転する。上記固定刃4cは、正面において、半径約3mの曲率を有して下方が凹の円弧状に形成されている。上記回転刃4bが取り込み部に相当し、上記回転刃4bの刃と固定刃4cが刈刃部に相当する。
【0022】
上記摘採装置4と一体に形成された輸送フード5は、下端から上端に向かうにつれて進行方向前側に傾斜した前側面と、上記摘採装置のケーシング4aの後側面と略一直線上に形成されて略鉛直方向に延びる後側面とを有する。また、上記輸送フード5は、下端から上端に向かうにつれて幅方向の内側に傾斜した左側面と右側面とを有する。このような側面の形態により、上記輸送フード5は、下端から上端に向かうにつれて断面積が増大するディフューザを構成している。
【0023】
上記輸送フード5の前側面と、上記摘採装置のケーシング4aの天板との接続部分には、先端がケーシング4a内の前方かつ下方に向かって傾斜する傾斜板4dが突出して設けられている。
【0024】
上記輸送フード5の後側に一体に形成された送風フード8は、上記送風ダクト9の下端に連結される上側部分と、上記輸送フード5に接続される下側部分とを有する。上記送風フード8の上側部分は、略鉛直方向に延びる前側面及び後側面と、下端から上端に向かうにつれて幅方向の内側に傾斜した左側面と右側面とを有する。一方、上記送風フード8の下側部分は、上記輸送フード5の後側面と略平行に延びる後側面と、この後側面の幅方向の両端縁から前方に向かって連なると共に、上記輸送フード5の後側面に接続された左側面及び右側面とを有する。上記送風フード8の下側部分の底は、前後方向断面において湾曲した曲面になっている。上記輸送フード5の後側面であって、上記送風フード8の下側部分で覆われた部分の下端近傍に、貫通穴13が設けられており、この貫通穴13を介して、上記送風フード8と輸送フード5とが連通している。上記貫通穴13の送風フード8側の開口の上端縁には、先端が送風フード8内の後方かつ下方に向かって傾斜する送風フード側傾斜板14が設けられている。また、上記貫通穴13の輸送フード5側の開口の下端縁には、先端が輸送フード5内の前方かつ上方に向かって傾斜する輸送フード側傾斜板15が設けられている。上記貫通穴13は、正面から見て、上記輸送フード5の幅方向に延在する細長の矩形状を有している。
【0025】
上記輸送フード5に連結された輸送ダクト6は、上記輸送フード5に連結された下端から、鉛直上向きに上記天蓋25よりも多少低い高さまで延在する鉛直部6aと、この鉛直部6aに対して略直角に屈曲して後方に延びる水平部6bと、この水平部6bに対して略直角に下向きに屈曲して先端が開口した開口端部6cとを有する。上記輸送ダクトの鉛直部6aが、高さ方向において略中央で2つに分離しており、この鉛直部6aの下側部分の下端部は、上側部分の上端部よりも多少小さい断面寸法を有する。これにより、上記輸送ダクト6がテレスコピック状に駆動されたときに、鉛直部6aの下側部分の下端部が、上側部分の上端部の内側に没入するように形成されている。上記輸送ダクトの開口端部6cの下方に、上記輸送ダクト6で輸送された茶葉を収容するコンテナ27が設けられている。このコンテナは、鉛直方向に延びる軸回りに回動可能な略円筒形状の枠体27aと、この枠体27a内に支持された通風性の袋体27bとを有する。
【0026】
上記輸送ダクトの鉛直部6aは、幅が前後方向の奥行きに対して大きい扁平の矩形断面を有する。上記輸送ダクトの水平部6bは、後方に向かうにつれて断面の幅が徐々に減じる矩形断面になっている。上記開口端部6cは、矩形断面を有する。
【0027】
上記送風フード8に連結された送風ダクト9は、上記送風フード8に連結された下端から、鉛直上向きにコンテナ27の上端近傍の高さまで延在する鉛直部9aと、この鉛直部9aに連なると共に、先端部分が幅方向の左右両側に2股に分かれた分岐部9bと、この分岐部9bの2股に分かれた先端部分に各々連なるホース部9cとを有する。上記送風ダクトの鉛直部9aが、高さ方向において略中央で2つに分離しており、この鉛直部9aの上側部分の上端部は、下側部分の下端部よりも多少小さい断面寸法を有する。これにより、上記送風ダクト9がテレスコピック状に駆動されたときに、鉛直部9aの上側部分の上端部が、下側部分の下端部の内側に没入するように形成されている。上記送風ダクトのホース部9cの先端が、送風ファン10の2つの吹出口10cに各々連結されている。
【0028】
上記送風ダクトの鉛直部9aは、幅が前後方向の奥行きに対して大きい扁平の矩形断面を有する。上記送風ダクトの分岐部9bは、下端が上記鉛直部9aと同じ断面を有する一方、分岐した2つの先端部分が各々円形断面を有する。上記送風ダクトのホース部9cは、円形断面を有する。この2つのホース部9cの間に、上記輸送ダクトの水平部6bが延びている。
【0029】
上記送風ファン10は、正面側から見て2つの渦巻き形状部分を有するケーシング10aと、このケーシング10a内に設けられて前後方向に延びる軸の回りに回転する羽根車とを有する遠心ファンである。この送風ファン10は、上記ケーシング10aの前面の中央部に設けられた円形の吸入口10bから空気を吸入し、上記ケーシング10aの前面に上記吸入口10bの径方向の両側に設けられた2つの吹出口10cから風を吹き出すようになっている。なお、送風ファンの吹出口10cは、1つであってもよい。この場合、送風ダクトの分岐部9bは不用であり、送風ダクトの鉛直部9aに1つのホース部9cを接続し、この1つのホース部9cを上記1つの吹出口10cに接続すればよい。
【0030】
上記構成の茶葉摘採機は、以下のように動作する。
【0031】
茶葉摘採機は、運転席21に着座した操作者によって操作ハンドル22が操作されて、畝間をクローラ装置2が走行するように茶園に進入する。上記フレーム1が茶畝を跨いだ状態で、この茶畝に植わった茶木の茶葉の高さや、茶葉の刈り取り長さに応じて、摘採装置4の上下方向位置が調節されて適切な位置に保持される。そして、上記摘採装置4と送風ファン10の動作を開始すると共に、クローラ装置2による畝間の走行を開始する。
【0032】
上記茶葉摘採機が前進するに伴って摘採装置4の開口に近づいた茶葉が、この開口の上端縁から下端縁に向かって回動する回転刃4bの刃によってケーシング4a内に取り込まれる。このケーシング4aに取り込まれた茶葉は、上記回転刃4bの刃と固定刃4cとの間に挟まれて切断されて刈り取られる。
【0033】
一方、上記送風ファン10の動作により、この送風ファンの吹出口10cから吹き出された風は、送風ダクトのホース部9c、分岐部9b及び鉛直部9aを通って送風フード8に送られる。この送風フード8に送られた風は、湾曲した曲面を有する底部によって流れの向きが上向きになり、かつ、送風フード側傾斜板14と輸送フード側傾斜板15とで整流されて、貫通穴13を介して輸送フード5内に高速で流入する。上記輸送フード5は、ケーシング4aとの接続部から遠ざかるにつれて断面積が増大するディフューザに形成され、かつ、上記ケーシング4aと輸送フード5との接続部に設けられた傾斜板4dでケーシング4aから輸送フード5に向かう空気流が絞られることにより、上記ケーシング4a内の圧力が、上記輸送フード5よりも効果的に低圧になる。これにより、上記ケーシング4a内で刈られた茶葉が輸送フード5に効果的に吸引される。この吸引された茶葉は、上記貫通穴13から吹き出された風によって、輸送フード5から輸送ダクト6に送られて、この輸送ダクト6内を圧送される。
【0034】
このように、輸送フード5の内側面よりも外側に設けられた送風フード8から1つの貫通穴13を介して輸送フード5内に供給された空気流のみによって、上記ケーシング4aからの茶葉の吸引と、上記輸送フード5及び輸送ダクト6における上記茶葉の輸送とを行うので、茶葉の損傷を効果的に防止できる。すなわち、図9の従来技術におけるように、第1ノズル108からの空気流に乱流が生じて茶葉が傷んだり、第1ノズル108からの空気の噴流を直接受けて茶葉が損傷する不都合を効果的に防止できる。また、搬送ダクト101内に突出する第2ノズル111に茶葉が衝突して茶葉が損傷する不都合を効果的に防止できる。さらに、従来のように輸送ダクト101内に突出する第2ノズル111に茶葉が付着して、茶葉の輸送能力が低下する不都合を効果的に防止できる。
【0035】
上記輸送ダクト6内を圧送される茶葉は、この輸送ダクト6の垂直部6aと水平部6bを通って開口端部6cから排出されて、コンテナ27内に収容される。
【0036】
上記摘採装置4は、ケーシング4a内に回転刃4bを収容し、上記ケーシング4aの開口の下端縁に固定刃4cを設け、上記回転刃4bの回転によって茶葉をケーシング4a内に取り込んで、この回転刃4bの刃と固定刃4cとで上記茶葉を刈るものであったが、他の摘採装置4を用いることができる。詳しくは、図5Aの摘採収集ユニットの正面図と、図5Bの摘採収集ユニットの側面図に示すように、ケーシング4a内に、幅方向に延在する軸回りに回転駆動されて螺旋状のブラシを有する回転ブラシ4eを設け、上記ケーシング4aの開口の下端縁に、幅方向に延在するバリカン刃4fを設ける。上記回転ブラシ4eの回転によってケーシング4aの開口から茶葉を取り込み、上記バリカン刃4fで茶葉を刈るようにしてもよい。また、上記摘採装置4は、バリカン刃4f以外に例えば浅刈剪枝機を設けてもよく、要は、本実施形態と同様のケーシング4a、輸送フード5及び送風フード8を有して、送風フード8から輸送フード5内に噴き出した空気流により、刈り取った茶葉や茶枝をケーシング4aから輸送フード5に吸引するのであればよい。
【0037】
(第2実施形態)
図6Aは、本発明の第2実施形態の茶葉摘採機が備える摘採収集ユニットを示す正面図であり、図6Bは、上記摘採収集ユニットの側面図である。図6Aでは、分かり易さのため、右側の摘採収集ユニットは輸送フード5及び輸送ダクト6を省略して示している。
【0038】
本実施形態において、第1実施形態の構成部分と同じ構成部分には同じ参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0039】
本実施形態の茶葉摘採機は、摘採収集ユニットの形状が、第1実施形態の茶葉摘採機と異なる。詳しくは、図6A及び6Bに示すように、摘採装置のケーシング4aの上部に連なる輸送フード35が、正面から見て下端から上端に向かうにつれて幅が減少し、かつ、側面から見て下端から上端に向かうにつれて奥行きが増大する形状を有する。この輸送フード35は、上記摘採装置のケーシング4aと一体に形成された下側部分35aと、この下側部分35aの上端に留め具によって着脱可能に連結された上側部分35bとで形成される。この輸送フードの上側部分35bの後側に送風フード38が一体に形成されて、この輸送フードの上側部分35bの後側面に、上記送風フード38から空気が吹き出す貫通穴33が形成されている。
【0040】
上記送風フード38は、略筒状を有し、上記輸送フードの上側部分35bに接続される下端部の底が半球形状を有する。この送風フード38と輸送フードの上側部分35bとの接続部内に形成された貫通穴33は、略円形状を有する。上記送風フード38の上端に、筒状の鉛直部39aとホース部39bとが順次接続されている。上記鉛直部39aとホース部39bで送風ダクト39が形成されている。上記送風ダクトの鉛直部39aが、高さ方向において略中央で2つに分離しており、この鉛直部39aの上側部分の上端部は、下側部分の下端部よりも多少小さい断面寸法を有する。これにより、上記送風ダクト39がテレスコピック状に駆動されたときに、鉛直部39aの上側部分の上端部が、下側部分の下端部の内側に没入するように形成されている。上記送風ダクトのホース部39bの先端が、送風ファン40の吹出口40cに接続されている。この送風ファン40は、正面から見て渦巻き形状を有するケーシング40aと、このケーシング40a内に設けられた羽根車とを有する遠心ファンであり、上記ケーシング40aには1つの吹出口40cが設けられている。
【0041】
上記輸送フードの上側部分35bに連なる輸送ダクト36は略円形の断面を有し、鉛直上向きに延びる鉛直部36aと、この鉛直部36aに対して略直角に屈曲して後方に延びる水平部36bと、この水平部36bに対して斜め後方に屈曲して先端が開口した開口端部36cとを有する。上記輸送ダクトの鉛直部36aは、高さ方向において略中央で2つに分離しており、この鉛直部36aの下側部分の下端部は、上側部分の上端部よりも多少小さい断面寸法を有する。これにより、上記輸送ダクト6がテレスコピック状に駆動されたときに、鉛直部36aの下側部分の下端部が、上側部分の上端部の内側に没入するように形成されている。
【0042】
上記輸送ダクト36及び送風ダクト39は、第1実施形態よりも幅が小さく形成されているので、運転席21に着座した操作者からの後方視界を良好にできる。
【0043】
本実施形態において、輸送ダクトの鉛直部39aは筒状に形成したが、輸送フード35に接続される下端近傍の断面を小さく形成し、この小断面の位置から鉛直上側に向かうにつれて断面積が徐々に大きくなるディフューザを設けてもよい。
【0044】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態の茶葉摘採機の側面図であり、図8は、上記茶葉摘採機の背面図である。
【0045】
本実施形態において、第1実施形態の構成部分と同じ構成部分には同じ参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0046】
本実施形態の茶葉摘採機は、第1実施形態の茶葉摘採機からコンテナ27を取り外すと共に、2つの輸送ダクトの開口端部6cの先端に、2つの排出ホース45を夫々取り付けている。この排出ホース45は、上記開口端部6cの先端からフレームの床部1bの後端近傍を経て、クローラ装置2の後方に先端が位置するように延在している。これにより、茶木42の茶葉を摘採装置4で刈り、この刈られた茶葉を、輸送ダクト6及び排出ホース45を介して畝間に排出して、茶木42の刈捨て作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1実施形態の茶葉摘採機の側面図である。
【図2】第1実施形態の茶葉摘採機の正面図である。
【図3】茶葉摘採機の正面図に、摘採収集ユニットを重ねて示した図である。
【図4】摘採装置、輸送フード及び送風フードの断面図である。
【図5A】摘採収集ユニットの正面図である。
【図5B】摘採収集ユニットの側面図である。
【図6A】第2実施形態の茶葉摘採機が備える摘採収集ユニットの正面図である。
【図6B】第2実施形態の茶葉摘採機が備える摘採収集ユニットの側面図である。
【図7】第3実施形態の茶葉摘採機の側面図である。
【図8】第3実施形態の茶葉摘採機の背面図である。
【図9】従来の茶葉摘採機が備える摘採装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 フレーム
1a フレームの脚部
1b フレームの床部
2 クローラ装置
4 摘採装置
4a 摘採装置のケーシング
4b 摘採装置の回転刃
4c 摘採装置の固定刃
4d 摘採装置の傾斜板
5 輸送フード
6 輸送ダクト
6a 輸送ダクトの鉛直部
6b 輸送ダクトの水平部
6c 輸送ダクトの開口端部
8 送風フード
9 送風ダクト
9a 送風ダクトの鉛直部
9b 送風ダクトの分岐部
9c 送風ダクトのホース部
10 送風ファン
13 貫通穴
21 運転席
22 操作ハンドル
23 制御装置
24 エンジン
25 天蓋
【出願人】 【識別番号】592264237
【氏名又は名称】松元機工株式会社
【出願日】 平成17年7月22日(2005.7.22)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司

【識別番号】100138896
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 淳


【公開番号】 特開2007−28925(P2007−28925A)
【公開日】 平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願番号】 特願2005−213131(P2005−213131)