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【発明の名称】 乗用型田植機
【発明者】 【氏名】藤本 義知

【要約】 【課題】走行機体に苗植付け装置を連結するとともに、苗植付け装置に備えられた検出手段からの情報に基づいて作動する報知手段を走行機体に設けた乗用型田植機において、あって、付設した作業装置で検知された状況を走行機体の搭乗運転者が容易に認識して、直ちに作業装置に必要な措置をとることができるようにする。

【解決手段】苗植付け装置に脱着可能に取付けられる作業装置、あるいは、苗植付け装置と取替えられて走行機体に連結される作業装置に、該作業装置における特定作動状況を検出する検出手段を設け、作業装置における特定作動状況の検出情報に基づいて走行機体の報知手段を作動可能に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に苗植付け装置を連結するとともに、苗植付け装置に備えられた検出手段からの情報に基づいて作動する報知手段を走行機体に設けた乗用型田植機において、
前記苗植付け装置に脱着可能に取付けられる作業装置、あるいは、苗植付け装置と取替えられて走行機体に連結される作業装置に、該作業装置における特定作動状況を検出する検出手段を設け、作業装置における特定作動状況の検出情報に基づいて走行機体の報知手段を作動可能に構成してあることを特徴とする乗用型田植機。
【請求項2】
前記作業装置における特定作動状況を検出する前記検出手段からの情報に基づいて作動する報知手段を作業装置に備えてある請求項1記載の乗用型田植機。
【請求項3】
前記作業装置の検出手段からの情報に基づいて走行機体の報知手段あるいは作業装置の報知手段を選択して報知作動させる報知作動切換え手段を備えてある請求項2記載の乗用型田植機。
【請求項4】
前記作業装置の検出手段で複数の特定作動状況を検知するよう構成するとともに、その特定作動状況ごとに異なった報知作動がなされるように作業装置の報知手段を構成し、特定作動状況ごとに走行機体の報知手段あるいは作業装置の報知手段を選択して報知作動させるように前記報知作動切換え手段を構成してある請求項3記載の乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に苗植付け装置を連結し、苗植付け装置に備えられた検出手段からの情報に基づいて作動する報知手段を走行機体に設けた乗用型田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用型田植機においては、例えば、特許文献1に開示されているように、苗植付け装置の苗のせ台に載置収容した苗の残量が設定以下になることが検知されると、走行機体の運転部に設けられた警報ランプが点灯あるいは点滅されるとともに、警報ブザーが鳴動されて、運転作業者に苗補給が必要なことが報知されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−275422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような乗用型田植機では、苗植付け装置に除草剤などの薬剤散布装置等の作業装置が補助的に取付けられることがあり、従来では薬剤の残量が少なくなったことが検知されると作業装置に備えた専用の警報ブザーを鳴動させて走行機体の運転作業者に知らせるようにしていた。
【0005】
しかし、走行機体に搭乗している運転作業者はエンジン音などの騒音に邪魔されて機体後方から発せられる警報音が聞き取りにくく、薬剤が無くなったことに気づかずに植付け作業を行ってしまうことがあった。特に、苗植付け装置の後部に除草剤などの薬剤散布装置が装着されると、この薬剤散布装置に備えられた警報ブザーからの警報音が苗のせ台で遮られて運転部に届きにくくなるものであった。
【0006】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、付設した作業装置で検知された状況を走行機体の搭乗運転者が容易に認識して、直ちに作業装置に必要な措置をとることができるようにすることを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、走行機体に苗植付け装置を連結するとともに、苗植付け装置に備えられた検出手段からの情報に基づいて作動する報知手段を走行機体に設けた乗用型田植機において、
前記苗植付け装置に脱着可能に取付けられる作業装置、あるいは、苗植付け装置と取替えられて走行機体に連結される作業装置に、該作業装置における特定作動状況を検出する検出手段を設け、作業装置における特定作動状況の検出情報に基づいて走行機体の報知手段を作動可能に構成してあることを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、作業装置における特定作動状況が検出されると、運転作業者が認識しやすいように、走行機体に備えられている警報ブザーや警報ランプなどの報知手段を作動させることができ、運転作業者はこれらの報知作動を的確に認識することができる。
【0009】
従って、第1の発明によると、付設した作業装置で検知された状況を走行機体の搭乗運転者が容易に認識して、直ちに作業装置に必要な措置をとることができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記作業装置における特定作動状況を検出する前記検出手段からの情報に基づいて作動する報知手段を作業装置に備えてあるものである。
【0011】
上記構成によると、作業装置における特定作動状況が検出されると、走行機体に備えられている報知手段のみならず、作業装置に装備されている報知手段も作動することになり、両報知手段が作動することで運転作業者が一層認識しやすくなる。
【0012】
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記作業装置の検出手段からの情報に基づいて走行機体の報知手段あるいは作業装置の報知手段を選択して報知作動させる報知作動切換え手段を備えてあるものである。
【0013】
上記構成によると、作業装置における特定作動状況が検出された際に、走行機体の報知手段のみ作動させたり、作業装置の報知手段のみを作動させたり、あるいは、両報知手段を作動させることが可能となり、作業装置の種類や作業状況などに応じた報知形態を選択することできる。
【0014】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記作業装置の検出手段で複数の特定作動状況を検知するよう構成するとともに、その特定作動状況ごとに異なった報知作動がなされるように作業装置の報知手段を構成し、特定作動状況ごとに走行機体の報知手段あるいは作業装置の報知手段を選択して報知作動させるように前記報知作動切換え手段を構成してあるものである。
【0015】
上記構成によると、苗植付け装置に作業装置として薬剤散布装置が装着された場合、薬剤散布装置における検知すべき特定作動状況として、薬剤の消費具合と、薬剤供給径路での詰まり発生があり、これらの特定作動状況に対応した報知作動を切換え選択することで、作業装置の作業状況を容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に、6条植え仕様に構成された施肥装置付きの乗用型田植機の全体側面が、また、図2に、その全体平面がそれぞれ示されている。この乗用型田植機は、操向可能な前輪1および操向不能な後輪2を備えて4輪駆動で走行する走行機体3の後部に、油圧シリンダ5によって駆動される平行四連リンク構造の昇降リンク機構6が装備され、この昇降リンク機構6の後端部に6条植え仕様の苗植付け装置4が脱着可能に連結されるとともに、機体後部に施肥装置7が備えられ、機体前部の左右に予備苗を3段づつ載置収容する予備苗のせ台8が立設配備された基本構造を有しており、この例では、苗植付け装置4の後方箇所に、付設型の作業装置として、液状の除草剤を田面に滴下拡散させる薬剤散布装置9が装着されている。
【0017】
前記苗植付け装置4には、横長角筒状の植付けフレーム11、走行機体3から取り出された作業用動力を受けるフィードケ−ス12、6条分のマット状苗を並列載置して一定ストロークで往復横移動される苗のせ台13、苗のせ台13の下端から一株分づつ苗を切り出して植付ける8組の回転式の植付け機構14、田面の植付け予定箇所を均平にするよう左右に並列配備された3個の整地フロート15、等が備えられており、前記植付け機構14は、前記植付けフレーム11に後向き片持ち状に並列連結された3個の植付けケース16の後部左右に2組づつ装着されている。
【0018】
苗のせ台13の下手側箇所には、載置したマット状苗を下端の苗取出し箇所に向けて送る苗送りベルト17が各条ごとに配備されている。この苗縦送りベルト17は、苗のせ台13が横移動のストロークエンドに到達するごとに、所定量だけ下方に向けて回動されて、載置したマット状苗を順送りするよう駆動制御される。
【0019】
苗のせ台13における各条の苗のせ面には、載置されたマット状苗が残り少なくなったことを検出するための苗残量センサ18が装備され、各苗残量センサ18が走行機体3に装備された制御装置20に接続されている。この苗残量センサ18は、苗のせ面に載置されたマット状苗の床土底面に作用する接触式に構成されており、マット状苗が苗残量センサ18の上にあることで苗存在を検知し、マット状苗の後端が苗残量センサ18から外れることで苗非存在を検知するようになっている。
【0020】
図3のブロック図に示すように、前記制御装置20には、機体前端に立設されたセンターマスコット先端に仕込んだ警報ランプ21、運転部の表示パネルPに配備された苗切れ表示ランプ22、および、警報ブザー23、からなる報知手段が接続されており、苗残量センサ18のいずれか一つで苗非存在が検知されると、警報ランプ21が点滅するとともに警報ブザー23が鳴動作動し、かつ、苗切れ表示ランプ22が点滅して、いずれかの条の苗が残り少なくなったことが報知されるようになっている。
【0021】
前記施肥装置7の主部は、運転座席10と苗植付け装置4との間において走行機体3に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパ25、このホッパ内の肥料を定量づつ繰り出す回転ロール式の繰出し機構26、繰り出された肥料を供給ホース27を介して苗植付け装置4の各整地フロート15に備えた作溝器28に風力搬送する電動ブロワ29、等を備えており、植付け苗条の横側近傍に作溝器28で施肥溝を形成して、ここに肥料を埋設してゆくように構成されている。
【0022】
肥料ホッパ25の内部には、光通過式の肥料残量センサ30が配備されて前記制御装置20に接続されており、ホッパ内の肥料レベルが設定位置より下がって肥料残量センサ30がこれを検知すると、前記警報ランプ21が点滅作動するとともに警報ブザー23が鳴動作動し、かつ、運転部の表示パネルPに配備された肥料切れ表示ランプ31が点滅して肥料が残り少なくなったことが報知されるようになっている。
【0023】
整地フロート15に備えられた作溝器28の内部には詰まり検出センサ32が装備されて前記制御装置20に接続されている。この詰まり検出センサ32は、一対の電極間の通電抵抗から肥料の付着堆積を検知するものであり、両電極に亘って付着する肥料の量が大きくなるにつれて電極間の通電抵抗値が低下し、これが予め設定された基準値を越えると、前記警報ランプ21が点滅作動するとともに警報ブザー23が鳴動作動し、かつ、運転部の表示パネルPに配備された詰まり表示ランプ33が点滅して肥料詰まりが発生したことが運転作業者に知らせるようになっている。
【0024】
前記薬剤散布装置(作業装置)9には、植付けケース16の後部から立設した支持枠35に連結支持された薬液タンク36、その下端部に装備された送出ポンプ37、この送出ポンプ37から導出された複数本の供給管38、が備えられている。
【0025】
前記送出ポンプ37は、植付け機構14に押し引きロッド39を介して連動連結されており、薬液タンク36から導いた薬液を絞り送り式に複数本の供給管38に送出し、各供給管38の先端に備えた滴下ノズル40から適量ずつ滴下するよう構成されている。
【0026】
薬液タンク36には、貯留した薬液のレベルが所定高さより低くなると検知作動する薬液残量センサ42が備えられ、薬剤散布装置9に装備された報知ユニット43に接続されている。この報知ユニット43には薬液残量センサ42の検知作動に基づいて鳴動作動する警報ブザー44が備えられており、薬液残量が所定量以下に少なくなると警報音が発せられるようになっている。
【0027】
報知ユニット43は走行機体側の前記制御装置20にコネクタ45を介して配線接続されており、薬液残量センサ42が検知作動すると、報知ユニット43から制御装置20に警報要求信号が出力され、前記警報ランプ21が点滅作動するとともに警報ブザー23が鳴動作動し、かつ、運転部の表示パネルPに配備された薬液切れ表示ランプ46が点滅して薬液が残り少なくなったことが報知されるようになっている。
【0028】
〔他の実施例〕
【0029】
(1)図4に示すように、前記制御装置20に報知モード選択スイッチ47を備え、薬液残量センサ42が検知作動した際に、上記のように走行機体3の報知手段を作動させるととも薬剤散布装置9の警報ブザー44も鳴動作動させる報知モード、走行機体3の報知手段を作動させるとともに薬剤散布装置9の警報ブザー46を休止させる報知モード、走行機体3の警報ランプ21と薬液切れ表示ランプ46を点滅作動させるとともに薬剤散布装置9の警報ブザー46だけから警報音を発する報知モード、を選択できるように構成して実施することもできる。
【0030】
(2)図5に示すように、薬剤散布装置9における各供給管38に詰まりセンサ50を装備するとともに、詰まりの発生した供給管38を示す複数の表示ランプ51を報知ユニット43に装備しておくと、点灯した表示ランプ51によって詰まり発生箇所を直ちに認識して除去処理を速やかに行うことができる。この場合、薬液残量センサ42の検知作動に対しては走行機体3の報知手段を作動させ、薬液詰まりセンサ50の検知作動に対しては走行機体3の報知手段を作動させることなく、薬剤散布装置9の警報ブザー44と表示ランプ51を作動させる報知モードを得られるように、前記報知モード選択スイッチ47を構成することもできる。
【0031】
(3)苗植付け装置4に付設する除草用の薬剤散布装置9としては、上記のように薬液を滴下散布するものの他に、粉粒状の除草剤を飛散するものの利用も可能である。
【0032】
(4)上記実施例では、苗植付け装置4に薬剤散布装置9が補助的な作業装置として付設された場合を示しているが、昇降リンク機構6の後端に、苗植付け装置4に代えて直播装置を付設型の作業装置として連結する仕様の乗用型田植機に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】報知系を示すブロック図
【図4】報知系の別実施例を示すブロック図
【図5】報知系のさらに別の実施例を示すブロック図
【符号の説明】
【0034】
3 走行機体
4 苗植付け装置
9 作業装置
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成18年6月9日(2006.6.9)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2007−325565(P2007−325565A)
【公開日】 平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願番号】 特願2006−161267(P2006−161267)