| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】布野 隆
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| 【要約】 |
【課題】整地ロータを油圧モータの駆動力で回転させる移植機において、油圧ポンプの兼用化によりコストダウンを図る。また、同一の油圧ポンプが用いられる複数の油圧回路を効率良く作動させることにより、油圧回路の複雑化や油圧ポンプの容量アップを回避する。
【解決手段】油圧モータ22の駆動力で回転する整地ロータ14を備える乗用型田植機において、整地ロータ用油圧回路26を、整地ロータ14と同時作動しないパワーステアリング用油圧回路25と同一の油圧回路に組み込み、パワーステアリング用油圧ポンプ31を整地ロータ用油圧ポンプに兼用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧モータの駆動力で回転する整地ロータを備える移植機において、前記整地ロータ用の油圧回路を、パワーステアリング用の油圧回路と同一の油圧回路に組み込み、油圧ポンプを兼用したことを特徴とする移植機。 【請求項2】 機体に対して昇降自在な植付作業機を備えると共に、該植付作業機の昇降操作又は昇降動作に連動して、整地ロータの回転を自動的に切り/入りさせることを特徴とする請求項1記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、油圧モータの駆動力で回転する整地ロータを備える乗用型田植機などの移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、植付作業を行う圃場は、移植機による苗の植付けに先立ち、代掻き作業などを行って平坦化されるが、植付作業に際して車輪跡などによる圃場面の荒れが発生すると、植付精度が低下する可能性がある。特に、機体旋回が行われる枕地は、車輪跡による圃場面の荒れが顕著であり、植付精度が低下しやすい箇所である。 そこで、植付作業機の前側に整地ロータを備える移植機が提案されている。この種の移植機によれば、車輪跡によって荒れた圃場面を整地(鎮圧)しながら植付作業を行うことができるので、植付精度の向上が図れ、特に、枕地において改善効果が顕著である。 整地ロータを備える移植機では、通常、走行動力伝動系又は植付動力伝動系から分岐した動力で整地ロータを回転駆動させるが、油圧モータの駆動力で整地ロータを回転させる移植機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような移植機によれば、走行動力伝動系や植付動力伝動系から動力を取り出す必要がないので、動力伝動系の複雑化を回避できるという利点がある。 【特許文献1】特開平10−248318号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、油圧モータの駆動力で整地ロータを回転させるには、整地ロータ用の油圧回路を追加する必要があるため、大幅なコストアップを招来する可能性がある。特に、油圧ポンプは、それ自体が高価なだけでなく、動力伝動系から取り出した動力で駆動させる必要があるので、動力伝動系を複雑化する可能性がある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、油圧モータの駆動力で回転する整地ロータを備える移植機において、前記整地ロータ用の油圧回路を、パワーステアリング用の油圧回路と同一の油圧回路に組み込み、油圧ポンプを兼用したことを特徴とする。このようにすると、整地ロータを油圧モータの駆動力で回転させるものでありながら、油圧ポンプの兼用化によりコストダウンを図ることができる。しかも、パワーステアリングと整地ロータは、通常、同時に作動しないため、両者を同一の油圧ポンプで効率良く作動させることができるだけでなく、油圧回路の複雑化や油圧ポンプの容量アップを回避できる。 また、機体に対して昇降自在な植付作業機を備えると共に、該植付作業機の昇降操作又は昇降動作に連動して、整地ロータの回転を自動的に切り/入りさせることを特徴とする。このようにすると、パワーステアリングが使用される枕地旋回時に、整地ロータの回転が自動停止されるので、パワーステアリングと整地ロータの同時作動を確実に回避できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0005】 次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1は乗用型田植機の走行機体であって、該走行機体1は、機体前部に搭載されるエンジンE(図8参照)、エンジン動力を変速するトランスミッションTM(図8参照)、トランスミッションTMから出力される走行動力を左右の前輪2に伝動するフロントアクスルケース(図示せず)、トランスミッションTMから出力される走行動力を左右の後輪3に伝動するリヤアクスルケース4、機体上に設けられる運転席5などを備えて構成されている。 【0006】 走行機体1の後部には、作業機連結機構6を介して植付作業機7が昇降自在に連結されている。図3〜図5に示すように、植付作業機7は、作業機連結機構6にローリング自在に連結される作業機フレーム8、その上方に傾斜姿勢で設けられる苗載台9、作業機フレーム8から後方に延出する複数の植付伝動ケース10、各植付伝動ケース10の後端部に設けられる植付機構11、植付伝動ケース10の下方に上下揺動自在に設けられるフロート12などを備えて構成されている。 【0007】 植付作業機7は、伝動軸13を介してトランスミッションTMから植付動力を入力し、この動力によって、苗載台9の横送り動作、植付機構11の苗植付動作などを行う。植付作業を行う圃場は、予め代掻き作業によって平坦化されており、ここをフロート12が滑走しつつ、植付機構11による苗の植付けが行われるが、植付作業機7は、走行機体1の後方で植付作業を行う関係上、車輪跡などによる田面の荒れによって植付精度が低下する可能性がある。特に、機体旋回が行われる枕地は、車輪跡による田面の荒れが顕著であり、植付精度が低下しやすい箇所である。 【0008】 上記のような問題に対処するために、植付作業機7の前側には、整地ロータ14が設けられている。この整地ロータ14は、側面視で後輪3とフロート12との間に配置され、フロート12の前側で整地作業を行う。これにより、車輪跡による田面の荒れなどを改善し、植付精度を高めることができ、特に、枕地において改善効果が顕著である。 【0009】 図3〜図7に示すように、整地ロータ14は、左右方向に延出するロータ軸16、該ロータ軸16にフランジ部材17を介して一体的に設けられる複数の整地板18、ロータ軸16を回転自在に軸支する左右一対の軸支部19、該軸支部19を支持する支持リンク20、該支持リンク20から一側方に突設されるモータブラケット21、該モータブラケット21に取り付けられる油圧モータ22などを備えて構成されている。油圧モータ22のモータ軸22aは、ロータ軸16の一端部に一体的に連結されており、油圧モータ22の回転駆動に応じてロータ軸16及び整地板18が所定方向に回転することにより、植付作業機7の前側で整地作業を行う。その際、整地板18は、田面を整地するだけでなく、田面に浮遊するゴミや藁屑を順次土中にすき込むように作用する。 【0010】 次に、走行機体1に構成される油圧回路について、図8〜図11を参照して説明する。これらの図に示されるように、走行機体1に構成される油圧回路としては、植付作業機7の油圧昇降動作を行うための作業機昇降用油圧回路23と、ステアリングホイール24の操作に応じて前輪2を操舵させるためのパワーステアリング用油圧回路25と、整地ロータ14を回転動作させるための整地ロータ用油圧回路26とが含まれる。 【0011】 作業機昇降用油圧回路23は、図8に示すように、エンジン動力でポンプ駆動される作業機昇降用油圧ポンプ27と、該作業機昇降用油圧ポンプ27から圧送される作動油で伸縮動作する作業機昇降用油圧シリンダ28と、作業機昇降用油圧ポンプ27と作業機昇降用油圧シリンダ28との間に油路に介在する作業機昇降用油圧切換バルブ29とを備えて構成され、該作業機昇降用油圧切換バルブ29の操作に応じて作業機昇降用油圧シリンダ28の動作状態が切換えられる。 【0012】 具体的に説明すると、作業機昇降用油圧切換バルブ29は、リフト操作レバー30及びフロート12に連繋されており、リフト操作レバー30の操作ポジションやフロート12の浮沈に応じて切換えられる。例えば、図9に示すように、リフト操作レバー30をポジションL1に操作すると、作業機昇降用油圧切換バルブ29がポジションV2となり、植付作業機7を任意の高さで固定させることができる。また、リフト操作レバー30をポジションL2又はL3に操作すると、作業機昇降用油圧切換バルブ29がポジションV3となり、植付作業機7を下降させることができる。そして、フロート12が接地すると、フロート12の浮沈に応じて作業機昇降用油圧切換バルブ29のポジションがV3〜V5の間で自動的に切り換えられることにより、植付作業機7が自動的に昇降制御される。また、リフト操作レバー30をポジションL4に操作すると、作業機昇降用油圧切換バルブ29がポジションV1となり、植付作業機7を上昇させることができる。 尚、本実施形態のリフト操作レバー30は、植付クラッチ操作具にも兼用されており、図9に示すレバー操作範囲L7では、植付クラッチが入りとなり、レバー操作範囲L8では、植付クラッチが切りとなる。 【0013】 パワーステアリング用油圧回路25は、図10に示すように、エンジン動力でポンプ駆動されるパワーステアリング用油圧ポンプ31と、該パワーステアリング用油圧ポンプ31から圧送される作動油でトルク増幅動作を行うトルクジェネレータ32とを備えて構成されている。つまり、トルクジェネレータ32は、入力軸33から入力されるステアリングホイール24の操作トルクを油圧で増幅し、これを出力軸34から出力する油圧ユニットであり、出力軸34を図示しないギヤ変速機構を介してピットマンアームに連動連結することにより、少ない操作トルクで前輪2を操舵することが可能になる。 【0014】 整地ロータ用油圧回路26は、パワーステアリング用油圧回路25と同一の油圧回路に組み込まれており、油圧ポンプ31の兼用化が図られている。具体的には、トルクジェネレータ32から作動油タンク(本実施形態では、トランスミッションTMを兼用)に至る油路に、整地ロータ用油圧切換バルブ35を介設し、整地ロータ14の油圧モータ22を駆動させる。このようにすると、整地ロータ14を油圧モータ22の駆動力で回転させるものでありながら、油圧ポンプ31の兼用化によりコストダウンを図ることができる。しかも、パワーステアリングと整地ロータ14は、通常、同時に作動しないため、両者を同一の油圧ポンプ31で効率良く作動させることができるだけでなく、油圧回路の複雑化や油圧ポンプ31の容量アップを回避できる。 【0015】 本実施形態の整地ロータ用油圧切換バルブ35は、油圧モータ22の回転を停止させる中立ポジションV11と、油圧モータ22を正転させる正転ポジションV12と、油圧モータ22を逆転させる逆転ポジションV13との3ポジションに切換可能な電磁切換バルブを用いて構成されている。整地ロータ用油圧切換バルブ35の中立型式は、タンデムセンターやオープンセンターが好ましい。このようにすると、中立ポジションV11において、外力によるロータ軸16の自由回転を許容することができる。ちなみに、本実施形態の整地ロータ用油圧切換バルブ35では、油圧ポンプPに接続されるポートをP、作動油タンクに接続されるポートをT、油圧モータ22に接続されるポートをA、Bとした場合、中立ポジションV11において、ポートPとポートTを連通させると共に、ポートAとポートBを連通させている。 【0016】 尚、整地ロータ用油圧回路26を、パワーステアリング用油圧回路25と同一の油圧回路に組み込む場合、図11に示すように、トルクジェネレータ32の上流油路に整地ロータ用油圧回路26を組み込んでもよい。このようにしても、図10に示すものと同様の効果が得られる。 【0017】 また、本実施形態では、整地ロータ用油圧回路26を、パワーステアリング用油圧回路25と同一の油圧回路に組み込むにあたり、植付作業機7の昇降操作又は昇降動作に連動して、整地ロータ14の回転を自動的に切り/入りさせる。このようにすると、パワーステアリングが使用される枕地旋回時に、整地ロータ14の回転が自動停止されるので、パワーステアリングと整地ロータ14の同時作動を確実に回避できる。以下、このような整地ロータ自動停止機能を実現するための構成について、図12及び図13を参照して説明する。 【0018】 図12に示すように、走行機体1には、マイコン(CPU、ROM、RAM、I/O等を含む)を用いて構成される制御部36が設けられている。制御部36の入力側には、整地ロータ14の回転を切り/入り操作する整地ロータスイッチ37と、リフト操作レバー30の操作ポジション等に基づいて植付作業機7の昇降操作又は昇降動作を検出する作業機昇降検出センサ38とが接続される一方、出力側には、整地ロータ用油圧切換バルブ35の正転用ソレノイド35a及び逆転用ソレノイド35bが接続されている。 【0019】 図13に示すように、制御部36は、整地ロータスイッチ37の操作位置を判断する(S1)。ここで、整地ロータスイッチ37の操作位置が切り位置である場合は、整地ロータ用油圧切換バルブ35の正転用ソレノイド35a及び逆転用ソレノイド35bをOFFにし、整地ロータ14の回転を停止させる(S2)。一方、整地ロータスイッチ37の操作位置が入り位置(正転位置又は逆転位置)である場合は、整地ロータ用油圧切換バルブ35の正転用ソレノイド35a又は逆転用ソレノイド35bをONにし、整地ロータ14を正転方向又は逆転方向に回転させるが(S3、S4)、作業機昇降検出センサ38が植付作業機7の上昇を検出した場合は(S5、S6)、整地ロータスイッチ37の操作位置に拘わらず、整地ロータ14の回転を停止させる(S2)。 【0020】 叙述の如く構成された本実施形態によれば、油圧モータ22の駆動力で回転する整地ロータ14を備える乗用型田植機において、整地ロータ用油圧回路26を、パワーステアリング用油圧回路25と同一の油圧回路に組み込み、油圧ポンプ31を兼用したので、整地ロータ14を油圧モータ22の駆動力で回転させるものでありながら、油圧ポンプ31の兼用化によりコストダウンを図ることができる。しかも、パワーステアリングと整地ロータ14は、通常、同時に作動しないため、両者を同一の油圧ポンプ31で効率良く作動させることができるだけでなく、油圧回路の複雑化や油圧ポンプ31の容量アップを回避できる。 【0021】 また、植付作業機7の昇降操作又は昇降動作に連動して、整地ロータ14の回転を自動的に切り/入りさせるので、パワーステアリングが使用される枕地旋回時に、整地ロータ14の回転が自動停止されることになり、その結果、パワーステアリングと整地ロータ14の同時作動を確実に回避できる。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】乗用型田植機の側面図である。 【図2】乗用型田植機の平面図である。 【図3】植付作業機及び整地ロータの斜視図である。 【図4】植付作業機及び整地ロータのの側面図である。 【図5】植付作業機及び整地ロータの平面図である。 【図6】(A)は整地ロータの部分正面図、(B)は部分側面図である。 【図7】(A)は整地ロータの油圧モータ部分を示す正面図、(B)は側面図である。 【図8】作業機昇降用油圧回路を示す回路図である。 【図9】リフト操作レバーの操作ポジションを示す説明図である。 【図10】パワーステアリング用油圧回路(整地ロータ用油圧回路)の第一実施形態を示す回路図である。 【図11】パワーステアリング用油圧回路(整地ロータ用油圧回路)の第二実施形態を示す回路図である。 【図12】制御部の入出力を示すブロック図である。 【図13】整地ロータ制御の処理手順を示すフローチャートである。 【符号の説明】 【0023】 1 走行機体 7 植付作業機 14 整地ロータ 22 油圧モータ 24 ステアリングホイール 25 パワーステアリング用油圧回路 26 整地ロータ用油圧回路 30 リフト操作レバー 31 パワーステアリング用油圧ポンプ 32 トルクジェネレータ 35 整地ロータ用油圧切換バルブ 36 制御部 37 整地ロータスイッチ 38 作業機昇降検出センサ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年5月22日(2006.5.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085394 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−306878(P2007−306878A) |
| 【公開日】 |
平成19年11月29日(2007.11.29) |
| 【出願番号】 |
特願2006−141144(P2006−141144) |
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