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【発明の名称】 籾殻散布装置
【発明者】 【氏名】五 十 嵐 徹

【要約】 【課題】コンテナ内の収容空間を最大限に活用可能とすると共に、コンテナ内の散布口付近に籾殻の器形状や芒、あるいは混入した稲藁の小枝等が、噛合状となってブリッジ状の排出空洞部が形成されるのを防止して、円滑且つ均質な籾殻散布を可能とする新たな籾殻散布技術を提供する。

【解決手段】走行車両Tにダンプ機構Dを介して搭載され、籾殻Mを収容可能なコンテナ部2を有し、その後壁22下端に開閉機構6を有する散布口8を設け、コンテナ部2左右内壁面23間に、前内壁面21寄りであって散布口8より上側配置となる所定高さ位置Kから、後内壁面22の散布口8上下寸法の1/2以下の高さ位置Hに至る側面傾斜直線状に設定され、コンテナ部2籾殻収容空間3を優先排出空間域31と二次排出空間域32とに区分けし、且つ散布口8を優先散布口81と二次散布口82とに区画する整流壁9が一体化されてなる籾殻散布装置1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けし、且つ散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成されてなるものとしたことを特徴とする籾殻散布装置。
【請求項2】
トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けし、且つ散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成され、散布作業の初期に整流壁上側の優先排出空間域に収容された籾殻を優先的に放出可能とし、後にダンプ機構によってコンテナ部を後傾姿勢にして整流壁下側の二次排出空間域に残された籾殻を散布可能なものとしたことを特徴とする籾殻散布装置。
【請求項3】
トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けすると共に、これら優先排出空間域と二次排出空間域とをコンテナ部前内壁面近傍にて連通状とした上、散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成されてなるものとしたことを特徴とする籾殻散布装置。
【請求項4】
トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けすると共に、これら優先排出空間域と二次排出空間域とをコンテナ部前内壁面近傍にて連通状とした上、散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成され、該整流壁の左右縁と当該コンテナ部左右内壁面との間か、または、同整流壁の下側適所と当該コンテナ部の底部適所との間かの何れか一方もしくは双方に、当該整流壁の前端を、コンテナ部前壁面寄りであって散布口上端よりも上側となる任意高さ位置に調節支持および仮固定可能とする傾斜角度調節機構を設けてなるものとしたことを特徴とする籾殻散布装置。
【請求項5】
整流壁は、そのコンテナ部散布口に臨む後端とコンテナ部前内壁面に対峙する前端とを結ぶ傾斜平面が、実質的なコンテナ部籾殻収容空間、二次排出空間域の底面相当壁面に対して40°ないし50°、望ましくは45°の角度姿勢に設定可能なもの、または固定的に設定されたものとした、前記請求項1ないし4何れか一項記載の籾殻散布装置。
【請求項6】
開閉機構が、散布口を閉鎖可能な矩形状の軟質シート製の弁幕部を有し、該弁幕部の左右端縁とそれに対応する散布口、開口縁との間にあって、それら上下端に亘って開閉可能としたファスナー、および該弁幕部下端縁に沿って全幅に亘って添設された固定棒、ならびにコンテナ部の底部後端左右角付近に設けられた固定棒両端用の仮留め用鉤部を設けてなるものとした、前記請求項1ないし5何れか一項記載の籾殻散布装置。
【請求項7】
開閉機構が、散布口を開閉可能な矩形状の硬質板状物製のゲート部を有し、該ゲート部の上端側を対応する散布口の上端側適所に下端開放可能に軸着し、且つ同ゲート部左右双方または左右何れか一方の下端側に対応する散布口の下端側適所に仮留め可能とする閉鎖用ロック金具を設けてなるものとした、前記請求項1ないし5何れか一項記載の籾殻散布装置。
【請求項8】
開閉機構が、散布口を開閉可能な矩形状の硬質板状物製のゲート部を有し、該ゲート部の上端側を対応する散布口の上端側適所に下端開放可能に軸着且つ同ゲート部左右双方または左右何れか一方の下端側に対応する散布口の下端側適所に仮留め可能とする閉鎖用ロック金具を設けると共に、当該ゲート部を開放可能とするレバー金具、および該レバー金具に連結されたワイヤーまたは油圧回路を介して遠隔操作可能とする開閉入力部をコンテナ部自体またはその近傍適所、あるいは接続もしくは搭載の対象となるトラクターその他の走行車両の運転席近傍適所に対して仮付け可能に設けた上、当該開閉入力部自体または同開閉入力部近接箇所に、閉鎖用ロック金具を遠隔的にロック・アンロック操作可能とするワイヤーまたは油圧回路を接続したロック解除入力部が添設されたものとした、前記請求項1ないし5何れか一項記載の籾殻散布装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、粒状物や粉状物等を輸送し必要範囲に散布可能とする散布技術に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、トラクターやその他の農業用機械等の走行車両に連結あるいは搭載可能な散布装置を製造する分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑などを効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定できない新たな分野までと、殆ど関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
稲作の収穫後に発生する籾殻は、適正な処理を行わずに放置すると風に飛ばされたり、雨水に流されてしまう等して周辺環境に悪影響を及ぼしてしまうことから、潰したり砕いたりするか、そのまま焼却あるいは蒸し焼きにして燻炭にする等の前処理を施した後、圃場に漉き込んで堆肥として利用するといった処理を行うのが一般的であったが、潰したり砕いたりする作業は、機械の導入や作業者の割り当て等の労力と経費が嵩むという問題があり、また、焼却や蒸し焼きの際に発生する煙や埃等は、田園地帯に近接する住宅や工場、道路を利用する歩行者や車両等に多大な迷惑をかけてしまう等といった問題があり、最近ではそれらの処理を避ける傾向にある。
【0003】
こうした状況の中、近年、脱穀後の籾殻をそのまま圃場に散布し、土壌内に漉き込んで地中に還元してしまい、籾殻の性状とその特異な殻構造とによって土壌の改良と共に、堆肥その他の有機肥料による施肥効果を高めることができる等の事実が次第に明らかになってきたことから、籾摺機から排出された籾殻を、如何にして均質且つ効率的に圃場に散布するかという技術に関心が寄せられるようになってきている。
【0004】
(従来の技術)
そこで、本願出願人は、既に特開平11−243719号公報に開示された、「籾殻散布システムとその籾殻コンテナ」発明や、特開2005−312408号公報の「籾殻散布装置」等を既に実用化することに成功している。
また、同様の籾殻散布技術として、他にも、例えば図20の従来型の籾殻散布用コンテナを連結、搭載したトラクターによる籾殻散布作業の側面図中に示すように、籾殻用のコンテナCの後側面壁の下縁に沿って散布用のゲートGを形成すると共に、該コンテナC内底面BをトラクターT進行方向の前方に一致する端縁が高く、後端側のゲートG付近の端縁が最も低く設定され、ゲートGに向けて所定の下り勾配をもって傾斜させたものとなし、コンテナC内に充填した籾殻Mの全てを効率的に排出、散布できるようにしたものも提案されているが、傾斜された底面Bの下側には、籾殻Mが収容されない無駄な空間Eが形成されてしまい、籾殻Mの充填状態にあっては重心が上方に有って軟弱な圃場を走行するトラクターTを不安定なものとしてしまう上、同等寸法に設定された他のコンテナに比較して籾殻Mの収容量が少ないという欠点を有するものとなっていた。
【0005】
このような容積の減少を解消するものとして、図21の従来型のトラクターのダンプ機構を利用して籾殻散布する籾殻散布用コンテナの側面図に示すように、後側面壁の下縁に沿って形成されたゲートGを有するコンテナCを、トラクターTの後部に対してダンプ機構Dを介して連結、搭載してなるものがあり、ダンプ機構DによってコンテナC自体を後方に向けて傾斜させることによって籾殻散布の際の排出効率を高めようとしているものの、この籾殻散布装置は、実際に実用に供してみると、大量の籾殻Mを収容したときなどには、同図21中に示すように、ゲートG内側付近に空洞部Sが発生し、次第に成長して籾殻Mの放出量を減少させ、最終的には完全に散布を停止してしまうという現象が起こり、籾殻Mを残していながら圃場面に対して均質な散布をできなくしてしまうという事態に立ち至ることがあり、常に作業の継続性を保証する点に問題を残すものとなっていることが判明した。
【0006】
そこで、このような放出停止の原因を追求してみると、堆積状に収容された籾殻M同士の器形状や芒、あるいは混入した稲藁の小枝等が、噛合状となってゲートGの開口縁部を支えとするブリッジ状の排出空洞部Sを形成して排出不能とする事態を惹起してしまうという事実が明らかになり、ダンプ機構Dを複数回に亘って往復動させて排出空洞部Sを崩すよう操作したり、あるいはトラクターTを一旦停止させてコンテナCのゲートGから内部に棒やスコップ等を突き入れて排出空洞部Sを崩してしまわなければならないという余計な作業を必要とするだけではなく、トラクターTを停止させてゲートGの閉鎖操作をせずに不用意に排出空洞部Sを崩すと、停止位置に大量の籾殻Mを落下させてしまってその後処理をしなければならなかったり、そうした事態もなく散布を再開させたとしても、暫く走行している中に、再度同じように排出空洞部Sを発生、成長させてしまい兼ねず、効率的な散布作業に支障を来す虞れがあった。
【0007】
(問題意識)
上述したとおり、図20に示した、コンテナCの底面Bを走行方向の前方で高く、同後方のゲートG付近で低くなるよう傾斜、設定されたものの場合には、底面B下に籾殻Mが収容されない比較的大きな無駄な空間Eが形成されてしまい、籾殻Mの収容量を減少させる上、コンテナCの重心を上昇させてしまって搭載車両の走行を不安定化させてしまうという欠点があり、また、図21のように、後側下縁に沿ってゲートを形成したコンテナCを、ダンプ機構Dを介して走行車両Tの後部に連結、搭載したものは、籾殻散布の作業途中に、コンテナC内に堆積状に収容されている籾殻M同士が噛合状となってゲートGの内側にブリッジ状の排出空洞部Sを形成してしまって排出不能となる事態に陥ってしまい、ダンプ機構Dを本来の目的ではないコンテナCの揺り動かしに利用し、排出空洞部Sを崩壊させて籾殻の排出を促したり、あるいはトラクターTを一旦停止させてゲートGから内部に棒やスコップ等を突き入れて排出空洞部Sを崩すという作業を行わなければならず、円滑な籾殻散布作業を実現できるものとはなっていなかった。
【特許文献1】(1)特開平11−243719号公報 (2)特開2005−312408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(発明の目的)
そこで、この発明は、コンテナ内の収容空間を最大限に活用可能とすると共に、コンテナ内の散布口付近に籾殻の器形状や芒、あるいは混入した稲藁の小枝等が噛合状となってブリッジ状の排出空洞部を形成してしまう弊害をなくし、円滑且つ均質な籾殻散布を実現可能とする新たな籾殻散布技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の籾殻散布装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の籾殻散布装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けし、且つ散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成されてなるものとした構成を要旨とする籾殻散布装置である。
【0010】
この基本的な構成のものを換言すると、トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けし、且つ散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成され、散布作業の初期に整流壁上側の優先排出空間域に収容された籾殻を優先的に放出可能とし、後にダンプ機構によってコンテナ部を後傾姿勢にして整流壁下側の二次排出空間域に残された籾殻を散布可能なものとした構成からなる籾殻散布装置となる。
【0011】
そして、これらをより具体的に示すと、トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けすると共に、これら優先排出空間域と二次排出空間域とをコンテナ部前内壁面近傍にて連通状とした上、散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成されてなるものとした籾殻散布装置となる。
【0012】
更に具体的には、トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻を収容可能な概略筐体状のコンテナ部を有し、該コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り、開閉機構を有する適宜上下寸法で矩形状の散布口を設け、当該コンテナ部左右内壁面間には、同コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けすると共に、これら優先排出空間域と二次排出空間域とをコンテナ部前内壁面近傍にて連通状とした上、散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする整流壁が一体形成され、該整流壁の左右縁と当該コンテナ部左右内壁面との間か、または、同整流壁の下側適所と当該コンテナ部の底部適所との間かの何れか一方もしくは双方に、当該整流壁の前端を、コンテナ部前壁面寄りであって散布口上端よりも上側となる任意高さ位置に調節支持および仮固定可能とする傾斜角度調節機構を設けてなるものとした籾殻散布装置といえる。
【発明の効果】
【0013】
以上のとおり、この発明の籾殻散布装置によれば、コンテナ部左右内壁面間に、該コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となり、該コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けし、且つ散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とする軟質または硬質資材製の整流壁が一体形成されたものとし、散布口を開放した時に該整流壁によって後上方に仕切られた優先排出空間域に充填されている籾殻から先に、優先散布口を通じて次第に散布されて行き、その過程において整流壁が、収容されている籾殻同士間にブリッジ状の排出空洞部が形成されるのを阻止し、滞ることなく円滑に排出、散布できるようになるという大きな特徴を発揮する。
【0014】
さらに、優先排出空間域の籾殻が殆ど排出された後に、ダンプ機構を作動させてコンテナ部を後傾させ、整流壁によって下前方に仕切られた二次排出空間域中の籾殻を、二次散布口を通じて散布するようにし、最後の籾殻まで円滑に散布することが可能となり、散布作業の途中に、詰まってしまった籾殻を棒やスコップ等を挿し込み、崩さなければならないという従来型の欠点を確実に解消できるものとなり、しかも、優先排出空間域の前方部位とその直下に位置する二次排出空間域の前方部位とが整流壁の前端縁とコンテナ部前内壁面との間を通じて連通状としており、該整流壁下側にも籾殻を充填することが可能となり、コンテナ部内の収容空間を無駄なく利用することができ、収容能力を高めると共に、重心を高所化させずに安定な輸送および散布を実現可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0015】
そして、整流壁に傾斜角度調節機構を設けたものでは、散布される籾殻の排出速度および単位面積当たりの散布量等を加減することが可能となり、圃場毎の散布条件に応じた散布量の調節や作業時間の短縮などを実現可能でき、作業者の好みや車両走行速度などの各種作業条件に応じて自由に調節することができる上、整流壁を、コンテナ部内二次排出空間域の底面相当壁面に対して40°ないし50°、望ましくは45°の角度姿勢に設定可能なもの、または固定的に設定されたものとしたものでは、優先排出空間域から優先散布口を通じた籾殻の送出をより円滑なものとなし、散布の開始から終わりまで略均質な散布量および散布速度を保ってムラのない散布作業を実現でき、しかも角度姿勢を適宜変更設定可能となし、籾殻の放出速度を調整できるものになるという効果が得られる。
【0016】
開閉機構が、散布口を閉鎖可能な矩形状軟質シート製の弁幕部を有し、該弁幕部の左右端縁とそれに対応する散布口、開口縁との間にあってそれら上下端に亘り開閉可能としたファスナー、および該弁幕部下端縁に沿って全幅に亘り添設された固定棒、ならびにコンテナ部の底部後端左右角付近に設けられた固定棒両端用の仮留め用鉤部を設けてなるようにしたものでは、比較的簡素な構造でありながら、弁幕部の周縁全体をファスナーによって開閉可能とした場合に比較し、高い閉鎖強度と簡便な開閉作業性とを実現化することができ、開閉機構自体の耐久強度を高められるという利点が得られる。
【0017】
また、開閉機構が、散布口を開閉可能な矩形、硬質板状物製のゲート部を有し、該ゲート部の上端側を対応する散布口の上端側適所に下端開放可能に軸着し、且つ同ゲート部左右双方または左右何れか一方の下端側に対応する散布口の下端側適所に、仮留め可能とする閉鎖用ロック金具を設けてなるようにしたものでは、軟質シート製の弁幕部を設けた場合に比較して格段に高い耐久強度を確保することができ、しかも開閉操作もより確実なものとすることができ、閉鎖用ロック金具によって不用意な開放を確実に阻止できるという効果を発揮できる。
【0018】
さらに、ゲート部を開放可能とするレバー金具、および該レバー金具に連結されたワイヤーまたは油圧回路等を介して遠隔操作可能とする開閉入力部をコンテナ部自体またはその近傍適所、あるいは接続もしくは搭載の対象となるトラクターその他の走行車両の運転席近傍適所に対し仮付け可能に設けた上、該開閉入力部自体または同開閉入力部近接箇所に、閉鎖用ロック金具を遠隔的にロック・アンロック操作可能とするワイヤーまたは油圧回路等を接続したロック解除入力部が添設されたものでは、作業者がゲート部まで回り込まなくとも、コンテナ部自体またはその近傍適所、あるいは接続もしくは搭載の対象となるトラクターその他の走行車両の運転席近傍適所に設けられた開閉入力部、ならびに該開閉入力部自体または同開閉入力部近接箇所に添設されたロック解除入力部により、安全且つ効率的な作業性を確保可能な場所からゲート部を遠隔操作することが可能となり、作業者がゲート部の開放と同時に放出される大量の籾殻を浴びてしまうような不都合を解消し、特に運転席付近の適所に設けた場合には、車両を停止させることなく、走行中のままゲート部を開閉操作することができるようになり、散布作業の効率化を一段と推進できるという効果を奏するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
コンテナ部は、所定量の籾殻を外部に漏出させないよう充填することが可能であり、トラクターその他の走行車両にダンプ機構を介して連結または搭載可能とする機能を果たすものであり、籾殻が漏出しない金属板、金属網板、合成樹脂板または繊維強化樹脂板等の比較的硬質な板状資材製の概略筐体状に形成されたものか、あるいは、ダンプ機構に連結可能な骨格体に対し、網、布、樹脂シート等の各種軟質シート状資材製の筒状体または袋状体を概略筐体状を維持可能に収容し、括り付けられたものとすることが可能であり、後述する実施例にも示すように、金属製ベース部分や金属パイプ製フレーム等からなる骨格体に対し、目の細かな網素材製の筒状体または袋状体を吊り下げ状に装着したものとして可能な限り軽量化させたものとし、天面適所かまたは上側周壁面の適所等に籾殻供給用の供給口を鳩目ボタン、ファスナー、または面ファスナーなどによって開閉可能に設けたものとするのが望ましい。
【0020】
散布口は、コンテナ部内に充填された籾殻を、同コンテナ部の車両走行方向とは反対側となる後方に向けて均質に散布可能とする機能を果たすものであり、コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘り開口されたものとすべきであり、必要に応じて自在に開閉操作可能な開閉機構を設けたものとしなければならず、その開口上下寸法はコンテナ部の容量および単位時間毎または単位面積毎の散布量に応じて適宜設定したものとすることができ、また、開閉機構の開度および閉度によって自在に調節できるものとすることが可能であり、後述する実施例に示すように、整流壁後端縁によって左右全幅に亘って上下に分割され、上部開口を整流壁によって区分けされた優先排出空間域に繋がる優先散布口とし、下部開口を整流壁によって区分けされた二次排出空間域に繋がる二次散布口としたものとすることができる。
【0021】
開閉機構は、コンテナ部の後壁下端の略全幅に亘って設けられた適宜上下寸法矩形状の散布口を、閉鎖状体に保持可能とすると共に、同散布口を必要に応じて開放可能とする機能を果たすものであり、閉鎖状態にあってはコンテナ部内に収容された籾殻が散布口から漏出しないよう確実に閉鎖可能であり、しかも開放された状態では、散布口の全幅に亘って均等に開放できるものとしなければならず、開放の度合いを適宜調節できるものとすることが可能であり、より具体的には、散布口を閉鎖可能な矩形状の軟質シート製の弁幕部を有し、該弁幕部の左右端縁とそれに対応する散布口、開口縁との間にあってそれら上下端に亘り開閉可能としたファスナー、および該弁幕部下端縁に沿って全幅に亘り添設された固定棒、ならびにコンテナ部の底部後端左右角付近に設けられた固定棒両端用の仮留め用鉤部を設けてなるよう設定されたものとすることが可能である外、散布口を開閉可能な矩形状の硬質板状物製のゲート部を有し、該ゲート部の上端側を対応する散布口の上端側適所に下端開放可能に軸着し、且つ同ゲート部左右双方または左右何れか一方の下端側に、対応する散布口の下端側適所に仮留め可能とする閉鎖用ロック金具を設けてなるよう設定したり、または、散布口外側に対して硬質板状物製のゲート部を、上下スライド移動自在に装着し、該ゲート部用の昇降機構およびその駆動原を直接操作または遠隔操作可能とする操作入力部を設けたものとすることができる。
【0022】
さらに、開閉機構は、散布口を開閉可能な矩形状の硬質板状物製のゲート部を有し、該ゲート部の上端側を対応する散布口の上端側適所に下端開放可能に軸着且つ同ゲート部左右双方または左右何れか一方の下端側に、対応する散布口の下端側適所に仮留め可能とする閉鎖用ロック金具を設けると共に、当該ゲート部を開放可能とするレバー金具、および該レバー金具に連結されたワイヤーまたは油圧回路を介して遠隔操作可能とする開閉入力部をコンテナ部自体またはその近傍適所、あるいは接続もしくは搭載の対象となるトラクターその他の走行車両の運転席近傍適所に対し仮付け可能に設けた上、該開閉入力部自体または同開閉入力部近接箇所に、閉鎖用ロック金具を遠隔的にロック・アンロック操作可能とするワイヤーまたは油圧回路を接続したロック解除入力部が添設されたものとすることが可能であり、また、ゲート部を開閉駆動可能な歯車機構、ベルト機構あるいはリンク機構等の駆動機構およびそれを駆動するモーターや走行車両の原動機出力等による駆動源からなり、駆動機構または駆動源を制御してゲート部の開閉を行う操作入力部を適所に設けたものとすることができる。
【0023】
整流壁は、コンテナ部内全幅に亘る籾殻収容空間を後上方の優先排出空間域と前下方の二次排出空間域とに区分けし、且つ散布口を上部の優先散布口と下部の二次散布口とに区画可能とするという機能を果たし、実質的にコンテナ部左右内壁面間に、該コンテナ部前内壁面寄りであって散布口上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部後内壁面の散布口上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至る下り勾配に設定され、側面傾斜直線状または側面傾斜下向き彎曲線状となるよう架け渡された網製、布製または樹脂シート製等の軟質または金属板製、比較的硬質な合成樹脂板製等の硬質資材製の壁であるということができ、優先排出空間域と二次排出空間域とをコンテナ部前内壁面近傍にて連通状としたものとしなければならず、コンテナ部左右内壁面に対して軟質資材製の場合には縫着や熔着、接着、鳩目ボタン留めまたは各種ファスナーなどによって固定し、また硬質資材製の場合には熔接やボルト結合または接着等によって固着したものとすることが可能であり、コンテナ部散布口に臨む後端とコンテナ部前内壁面に対峙する前端とを結ぶ傾斜平面が、実質的なコンテナ部籾殻収容空間、二次排出空間域の底面相当壁面に対して40°ないし50°、望ましくは45°の角度姿勢に設定可能なもの、または固定的に設定されたものとするのが望ましく、後述する実施例にも示すように、前端をコンテナ部前壁面寄りであって散布口上端よりも上側となる任意高さ位置に調節支持および仮固定可能とする傾斜角度調節機構を設けてなるものとすることが可能である。
【0024】
傾斜角度調節機構は、コンテナ部内における整流壁の設置傾斜角度を適宜変更、調節可能とする機能を果たすものであり、網製や布製または樹脂シート製等の比較的軟質な整流壁の場合には、コンテナ左右内壁面の夫々に、複数の角度姿勢毎の鳩目金具、ファスナーまたは面ファスナーなどの取り付け部を設けて置き、これら何れかから適宜選択した角度姿勢の取り付け部間に整流壁を架け渡し状に連結したものとし、必要に応じて別の角度姿勢となる取り付け部間に連結して傾斜角度を変更できるようにしたものとすることが可能であり、また、金属板や金網板または比較的硬質な合成樹脂板などからなる比較的硬質な整流壁の場合には、整流壁の左右縁と当該コンテナ部左右内壁面との間か、または、該整流壁の下側適所と当該コンテナ部の底部適所との間かの何れか一方もしくは双方に、当該整流壁の前端を、コンテナ部前壁面寄りであって散布口上端よりも上側となる任意高さ位置に調節支持および仮固定可能としたものとすることが可能であり、より具体的には後述する実施例にも示すように、整流壁の散布口に臨む後端縁をコンテナ部左右巾方向の水平軸心周りに回動自在に軸着すると共に、支持棒の上端を整流壁の下面に枢着し、下端雄ネジ部をコンテナ部底面に設けられたナット部に螺合し、該ナット部を回動操作することによって支持棒下端の雄ネジ部を昇降、操作可能として当該整流壁の傾斜姿勢を適宜、調節可能としたもの等とすることができる。
【0025】
ダンプ機構は、トラクターその他の走行車両の連結または搭載箇所に対し、コンテナ部を垂直姿勢(換言すれば底面水平姿勢)に支持可能とし、さらにコンテナ部の姿勢を所定の後傾姿勢に変更、支持可能とするという機能を果たし、籾殻を満載したコンテナ部を確実に垂直姿勢と後傾姿勢とに駆動可能とする強度および出力を有するものとしなければならず、車両原動機出力またはバッテリーからの電力あるいは油圧ポンプからの油圧、もしくはコンプレッサーによる空気圧等様々な駆動力の何れかを利用したものとすることが可能であり、ギアボックスを介した動力、モーター軸出力、またはシリンダーの伸縮出力等によって作動するものとすることが可能であり、コンテナ部またはコンテナ部を支持する骨格体等に直接連結されるもの、または走行車両の後部に対し、整地キャリアを介してコンテナ部またはコンテナ部を支持する骨格体等を搭載するものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0026】
図1の概念的な籾殻散布装置の斜視図、図2の断面化したコンテナ部の側面図、図3のより具体的な籾殻散布装置の斜視図、図4の閉鎖された開閉機構の側面図、図5の開放された開閉機構の側面図に図示される事例は、トラクターその他の走行車両Tにダンプ機構Dを介して連結または搭載可能であって所定量の籾殻Mを収容可能な概略筐体状のコンテナ部2を有し、該コンテナ部2の後壁22下端の略全幅に亘り、開閉機構6を有する適宜上下寸法(H+J)矩形状の散布口8を設け、当該コンテナ部2左右内壁面23間には、該コンテナ部2前内壁面21寄りであって散布口8上端より上側配置となる所定高さ位置Kから、同コンテナ部2後内壁面22の散布口8上下寸法(H+J)の1/2以下に相当する高さ位置Hに至る下り勾配θに設定された側面傾斜直線状となり、該コンテナ部2内全幅に亘る籾殻収容空間3を後上方の優先排出空間域31と前下方の二次排出空間域32とに区分けし、且つ散布口8を上部の優先散布口81と下部の二次散布口82とに区画可能とする軟質資材製の整流壁9が一体化形成されてなる、この発明の籾殻散布装置における代表的な一実施例を示すものである。
【0027】
当該籾殻散布装置1は、基本的に図1および図3中に示すように、概略筐体状の軟質樹脂シート製コンテナ部2の前部適所にダンプ機構Dが連結可能とんされたものからなり、該コンテナ部2の後壁22下端の略全幅に亘り、適宜上下寸法矩形状の散布口8を開口し、該散布口8の全域に亘って軟質樹脂シート製の弁幕部61を設け、その左右端縁とそれに対応する散布口8、開口縁との間にあってそれら上下端に亘って開閉可能としたファスナー62,62、および該弁幕部61下端縁に沿って全幅に亘って添設された固定棒63、ならびにコンテナ部2の底壁26後端左右角付近に設けられた固定棒63両端用の仮留め用鉤部64,64を設けてなるよう設定された開閉機構6を有するものとなっている。
【0028】
当該コンテナ部2は、前壁21、後壁22、左右壁23、天壁24および底壁26によって概略筐体状に形成され、その内部が概略直方体型の籾殻収容空間3となっており、該籾殻収容空間3の下側範囲の該コンテナ部2左右壁23,23内側面間には、該コンテナ部2前壁21内側面寄りであって散布口8上端より上側配置となる所定高さ位置から、同コンテナ部2後壁22内側面の散布口8上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置に至るよう設定され、後方に向けた下り勾配θが約45°に設定された側面傾斜直線状となり、該コンテナ部2内全幅に亘る籾殻収容空間3を後上方の優先排出空間域31と前下方の二次排出空間域32とに区分けし、且つ散布口8を上部の優先散布口81と下部の二次散布口82とに区画する軟質合成樹脂シート製の整流壁9が、その左右端縁夫々を縫着、一体化されてなるものとなっている。
【0029】
整流壁9は、図2中に示すように、その後端縁の高さ位置Hが、散布口8の開口高さ(J+H)の1/2以下に設定されており、また、前端縁の高さKが、散布口8の開口高さ(J+H)よりも高く、しかも籾殻収容空間3の全高(L+K)の1/2以下に設定され、且つコンテナ部2前壁21内側面からの距離Wが、籾殻収容空間3の前後長(W+N)の1/2以下に設定されている。
【0030】
当該籾殻散布装置1を、より具体的なものとして示すと、図3ないし図5中に示すように、金属製矩形平板状に設定され、下面左右縁に沿って断面コ字型または断面C字型の接地用脚部42,42を一体化し、ダンプ機構Dを設けた整地キャリアPの積載板部分を下側に挿し込み、固定ボルト45,45,……によって仮固定可能としたパレット状の金属製ベース部41を有し、該ベース部41の上面四隅に、概略上下反転U字型に折曲した左右一対の金属製パイプフレーム43,43を直立状に植設すると共に、これら反転U字型のパイプフレーム43,43に対して緯線状に交叉するよう複数本の補強パイプ44,44,……が架け渡し連結され、概略直方体型としてなる骨格体4を形成し、該骨格体4内側には塩化ビニール、ポリウレタン、ポリエチレン、オレフィン系等の比較的軟質な合成樹脂シート製または合成繊維製、合成ゴムシート製あるいは天然ゴムシート製もしくはそれらの複合材シート製等の何れかからなる略直方体の袋状に形成されたコンテナ部2が装着され、該コンテナ部2の複数箇所が、外壁の各所にもうけられた結び紐27,27,……によってパイプフレーム43,43および補強パイプ44,44,……の適所に結着されたものとなっている。
【0031】
コンテナ部2は、その天面24の略全面に籾殻M用の供給口25がファスナーによって開閉可能とするよう形成され、同後壁22の下端には開閉機構6が形成されており、該開閉機構6は、後壁22の下端縁略全幅とそれに連続する左右端縁の適宜上下寸法範囲とが開放され、後壁22下端の左右端間に亘って概略矩形状の散布口8を開口可能とし、該後壁22の下端縁に相当する箇所が弁幕部61を形成するものとなり、該弁幕部61の左右端縁上下端間と、これに対応する散布口8の左右端縁上下端間とには、夫々下端から上端に向けて開放、上端から下端に向けて閉鎖可能とするファスナー62,62が設けられ、同弁幕部61の下端縁に左右端に開口する筒状部を形成し、該筒状部に骨格体4左右端に略一致する長さの固定棒63を挿し通したものとし、該弁幕部61の閉鎖状態において固定棒63両端が配置されるベース部41後端左右角付近に、L字型の断面形状とするよう上向きに折曲された左右一対の仮留め用鉤部64,64が設けられ、固定棒63の両端を夫々係止する構造となっている。
【0032】
コンテナ部2内の籾殻収容空間3における下側範囲には、図2中に示すように、該コンテナ部2前内壁面21寄りであって散布口8上端より上側配置となる所定高さ位置Kから、同コンテナ部2後内壁面22の散布口8上下寸法の1/2以下に相当する高さ位置Hに至る下り勾配θに設定され、側面傾斜直線状(籾殻Mの荷重や自重によって側面傾斜下向き彎曲線状にも変形する)となるコンテナ部2外壁面と同一素材製の比較的軟質な整流壁9がその左右端縁を、対応するコンテナ部2左右内壁面23,23に縫着一体化され、該コンテナ部2内全幅に亘る籾殻収容空間3を後上方の(同図2中に斜線で示される範囲)優先排出空間域31と前下方の(同図2中に白抜き表示された範囲)二次排出空間域32とに区分けし、且つ散布口8を上部の優先散布口81と下部の二次散布口82とに区画するものとしている。
【実施例2】
【0033】
図6の開閉機構に変更を加えた籾殻散布装置の斜視図、および図7の開閉機構の側面図に示す事例は、開閉機構6が、散布口8を開閉可能な矩形状の硬質板状物製のゲート部65を有し、該ゲート部65の上端側を対応する散布口8の上端側適所に下端開放可能に軸着し、且つ同ゲート部65左右双方の下端側に対応する散布口8の下端側適所に仮留め可能とする閉鎖用ロック金具68を設けてなるよう設定された籾殻散布装置1である。
【0034】
当該開閉機構6は、左右金属パイプ製フレーム43,43の後側下端に、コンテナ部2後壁22の略全巾に亘って適宜上下寸法矩形状の散布口8を開口する開口枠83を架け渡し状に一体化し、該開口枠83のコンテナ部2内側に面する枠状縁部が、軟質シート製のコンテナ部2後壁22下端の散布口8相当箇所に結合され、コンテナ部2内籾殻収容空間3が開口枠83によって形成された散布口8に通じるよう連結されており、該開口枠83の後側には略同用の矩形外郭形状をなし、裏面に補強枠を設けた平板状のゲート部65が、左右縁上端部分の夫々をヒンジ金具66,66介して開閉自在とするよう連結され、さらに該ゲート部65の左右縁下端夫々に水平状の係合ピンが立設され、各係合ピンに対応する開口枠83の左右縁下端夫々には、水平軸芯周りに回動自在に軸着され、後端下縁が夫々対応する係合ピンを係止可能とするようにした係止片68,68が、その前方端に同開口枠83適所に一端を連結した閉止用のコイルバネ69,69の他端が連結され、係合方向に弾性的に付勢されたものとしてある。
【実施例3】
【0035】
図8の傾斜角度調節機構を設けた整流壁の側面図に示される事例は、整流壁9の下側適所とコンテナ部2の底壁26適所との間に、整流壁9の前端を、コンテナ部2前壁面21寄りであって散布口8上端よりも上側となる任意高さ位置に調節支持および仮固定可能とする傾斜角度調節機構91を設けてなるものとした籾殻散布装置1であって、当該籾殻散布装置1は、鋼板やステンレス板、アルミニウム板等の比較的硬質な金属板素材製とした整流壁9の後端縁左右を開口枠83の散布口8左右端縁間に対し、水平軸心周りに回動自在に枢着し、同整流壁9の下面中央に所定長さに設定された支持棒92の上端を、水平軸心周りに揺動自在に軸着すると共に、該支持棒92の下端所定範囲に亘り刻設された雄ネジ部93が、骨格体4のベース部41に穿孔された支持孔に挿着され、該支持孔の上下側となる雄ネジ部93夫々に螺着されたナット94,94により、支持棒92上端を所望の任意高さに調節可能とし、整流壁9の支持角度を調節および仮固定可能とするよう連結、支持されたものとなっている。
【実施例4】
【0036】
図9の開閉機構を遠隔操作可能とした籾殻散布装置の側面図に示される事例は、その開閉機構6が、散布口8を開閉可能な矩形状の硬質板状物製のゲート部65を有し、該ゲート部65の上端側を、対応する散布口8の上端側適所に下端開放可能に軸着し、同ゲート部65右側の下端側に対応する散布口8の下端側適所に仮留め可能とする閉鎖用ロック金具67を設けると共に、当該ゲート部65を開放可能とするレバー金具71、および該レバー金具71に連結されたワイヤー72を介して遠隔操作可能とする開閉レバー(開閉入力部)7を、コンテナ部2右側の金属パイプ製フレーム43前部適所に対して設けた上、該開閉レバー7自体に、閉鎖用ロック金具67を遠隔的にロック・アンロック操作可能とするワイヤーの接続された解除レバー(ロック解除入力部)73が添設されたものとしてある。
【0037】
当該開閉機構6は、ゲート部65より上側となる開口枠83上部右端適所に軸支された関節を有するレバー金具71の下端がゲート部65右側下端付近に軸着され、同レバー金具71の上端に一端が繋着されたワイヤー72の他端が骨格体4右側前方に軸支された開閉レバー(開閉入力部)7の中途箇所に連結されている。
【0038】
閉鎖用ロック金具67は、ゲート部65の右側面下端付近に下向き出没自在に支持されたロックピン68をコイルバネ69によって下向きに付勢されたものとなり、閉鎖状態にあるゲート部65下側に対応する金属製ベース部41に穿孔された係止孔に対してロックピン68下端が嵌着しロックされるものとしており、該ロックピン68の上端には、骨格体4右側前方の開閉レバー7に中途適所が添設状に軸着された解除レバー73の下端からゲート部65右側上端のガイド孔を経由して延伸されたワイヤーが牽引操作可能に連結されている。
【実施例5】
【0039】
図10の閉鎖用ロック金具を変更した籾殻散布装置要部の斜視図は、開口枠83の左右両側壁夫々に配された係止片68,68を、コンテナ部2左右巾に亘り貫通状に軸支された操作軸74によって回動自在に軸支した上、該操作軸74の中途適所に立設されたレバー片部の先端にワイヤーの一端を連結し、該ワイヤーの他端をコンテナ部2前方に延伸させ、図示しない整地キャリアやダンプ機構等を経由してトラクター(走行車両)の運転席適所に着脱可能に装着された解除レバー(ロック解除入力部)の適所に連結させたものであり、左右の係止片68,68適所には夫々、開口枠83左右側壁に設けられたコイルバネ69,69が連結され、係止片68,68先端側がゲート部65の左右両側面に突設された係止ピンに係合する方向に常時弾性的に付勢されるようになっている。
【0040】
また、図11の整地キャリアとの連結構造に改良を加えた籾殻散布装置の要部斜視図に示す事例は、コンテナ部2金属製ベース部41の前端縁に左右全巾に亘って前方に開放するよう形成された凹欠部46の、同凹欠部46内左右端間に水平状の案内棒47を架け渡し結合すると共に、該案内棒47の左右端寄りとなる中途適所夫々に互いに対峙、突出する鉤爪を有する一対の係合駒48,48を、同案内棒47の軸心方向に摺動自在に装着し、各係合駒48,48に穿設されたネジ孔に螺着させた固定ボルト45,45によって案内棒47の左右方向任意の適所に仮固定可能としたものであり、該コンテナ部2ベース部41下に整地キャリアPの積載板部分を挿し込み、同整地キャリアP鳥居背板部の左右端縁の夫々に対応する係合駒48,48の各鉤爪を係合させ、各固定ボルト45,45によって仮留め、固定可能としたものとなっている。
【0041】
さらにまた、図12の整地キャリアに別の連結構造を介して搭載された籾殻散布装置要部の側面図、および図13の整地キャリアに別の連結構造を設けて搭載した籾殻散布装置要部の背面図に示される事例は、整地キャリアPの積載板部分上面にコンテナ部2を、その金属製ベース部41の接地用脚部42,42が接地するよう搭載するものであり、該積載板部分上面には、金属製ベース部41接地用脚部42,42の夫々に隣接する垂直板状のブラケットQ,Qを立設し、それら接地用客部42,42と、これ夫々に隣接されたブラケットQ,Qとの前後には、夫々互いの軸心が一致する水平孔が穿孔され、それら水平孔の夫々に固定ボルト45,45,……を装着し、ナットを螺着して一体状に連結すると共に、該整地キャリアPの鳥居背板部上端中央に前後方向に肉厚方向を一致させた姿勢に立設され、中央に前後方向に貫通する貫通孔を穿孔した矩形板小片状のブラケットに対し、雄ネジ部が形成された連結フックUの前端側を後方から前方に向けて挿し通し、同連結フックUの後端側に形成されたフックRを、対応するコンテナ部2金属パイプ製フレーム43の中途適所に係合させた上、当該ブラケットから前方に露出した雄ネジ部に締め付け調節用および連結固定用となるダブルナットを螺着したものとしてある。
【0042】
(実施例1の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の籾殻散布装置1は、基本的に図1および図2中に示した構成を有し、より具体的には、図3ないし図5中に示す構造としてなるものであり、骨格体4内に収容されたコンテナ部2の天面24に形成された供給口25を通じて籾殻Mを籾殻収容空間3内に充填すると、整流壁9の前端縁、およびこれに対峙するコンテナ部2前壁21との間に、該籾殻収容空間3の上後方に形成された優先排出空間域31と、同籾殻収容空間3の下前方に形成された二次排出空間域32とを繋ぐ連通空間が形成され、従来型の構造にあっては空洞となっていた整流壁9の下側にも籾殻Mを密に充填することが可能となり、収納効率を高めることが可能である。
【0043】
籾殻散布作業の際には、図3中の白抜き矢印に示すように、トラクター(走行車両)Tの後部に取り付けた整地キャリアPの搭載板部分をコンテナ部2金属製ベース部41下に挿し込み、各固定ボルト45,45,……によって両者を一体化して搭載し、該整地キャリアPを所定の高さに上昇させて散布対象の圃場、散布開始位置まで移動させ、トラクターTの走行を一旦停止し、降車した作業者がコンテナ部2の後方に周り込み、図3および図4中に示したように、閉鎖状態にある開閉機構6弁幕部61の左右ファスナー62,62の夫々を開放すると共に、固定棒6を持ち上げるようにしてその左右端を左右各仮留め用鉤部64,64から外して散布口8を開放してから運転席に戻り、散布走行を開始する。
【0044】
散布開始直後の籾殻散布装置1は垂直状の搭載姿勢に保たれ、籾殻収容空間3内の整流壁9によって後上方に区分けされた、図2中に斜線で示される範囲の優先排出空間域31に収容された籾殻Mが、同整流壁9の傾斜上面に沿って流れ下り、散布口8の上側範囲に相当する優先散布口81から、図5中の実線矢印、および図14の籾殻散布の初期段階におけるコンテナ部の断面図中の白抜き矢印に示すように優先的に放出、散布される。
このようにして走行するトラクターTの後部に搭載されている籾殻散布装置1の優先散布口81全幅から籾殻Mが均等に散布されることとなり、しかも整流壁9の存在によって散布口8付近に籾殻Mの器形状や芒、あるいは混入した稲藁の小枝等が、互いに噛合状となってブリッジ状の排出空洞部Sが形成されるのを確実に阻止し、円滑な籾殻散布を可能とする。
【0045】
そのまま散布を続けると、次第に優先排出空間域31中に収容されていた籾殻Mがなくなり、図15の優先排出空間域に収容された籾殻の散布を終えたコンテナ部の断面図に示すように、優先散布口81からの散布が停止するので、散布が停止するタイミングを見計らって整地キャリアPのダンプ機構Dを作動させ、図16のダンプ機構によって後傾姿勢としたコンテナ部の断面図中にθで示すように、コンテナ部2自体をその底面26と整流壁9とがなす角度θと同等の角度か、または任意の所定角度かの何れかに後傾させならが、トラクターTの走行を継続させ、同図16中に実線矢印で示すように、整流壁9の前下方となる二次排出空間域32に収容されていた籾殻Mを、散布口8の下側範囲に相当する二次散布口82を通じて均等、散布することとなり、これによって籾殻収容空間3に収容された籾殻Mの全量を残さず散布することになる。
【0046】
(実施例2の作用)
図6および図7に示した籾殻散布装置1は、係止片66をゲート部65の係止ピンに係合させることによってゲート部65を閉鎖状態に固定し、コイルバネ69の付勢により、係止片66が係止ピンから不用意に離脱されないよう確りと仮固定されることとなる。開閉機構6を開放するときには、係止片66をコイルバネ69の付勢力に抗して直接操作することにより、ゲート部65の係止ピンとの係合を解除し、コンテナ部2内に収容された籾殻Mの流出圧力を受けて自動的にゲート部65が開放されるものとなる。
【0047】
(実施例3の作用)
図8のように、整流壁9の下面に傾斜角度調節機構91を設けた籾殻散布装置1は、籾殻Mを充填する前段階においてナット94,94を適宜螺解、締め付け操作し、同図8中に実線矢印で示すように、支持棒92を所望の支持高さに調節、仮固定して整流壁9の前端縁を、同図8中の白抜き矢印に示すように、上下動調節して任意の角度姿勢に調節することができ、この操作によって優先排出空間域31内の籾殻Mの散布速度および時間当たりの散布量を変更、調節することが可能となる。
【0048】
(実施例4の作用)
図9に示した籾殻散布装置1は、ゲート部65を開閉操作するときに、作業者はコンテナ部2の後方まで移動する必要がなくなり、停車したトラクターTの運転席から降車し、同車両後部付近であってコンテナ部2の前部付近まで行くだけで、開閉レバー(開閉入力部)7およびそれに添設された解除レバー(ロック解除入力部)73に手が届くので作業者の移動距離を短縮させることが可能となり、しかもゲート部65を開放する際にゲート部65付近から十分に離れており、開放と同時に放出される籾殻Mを作業者が浴びてしまう虞も解消される。
【0049】
解除レバー(ロック解除入力部)73は、開閉レバー(開閉入力部)7諸共把持して、同図9中に白抜き矢印で示すように、中途部を中心に姿勢操作され、その下端に連結されたワイヤーを牽引しロックピン68をコイルバネ69の付勢に抗して引き上げ、ゲート部65のロックを解除することとなり、さらに、開閉レバー(開閉入力部)7を、同図9中の二点鎖線矢印に示すように、前倒操作すると、ワイヤー72に連結されたレバー金具71が二点差線で表示する姿勢に変位され、ゲート部65が開放状態となり、散布作業が可能となる。
ゲート部65を閉鎖するときには、散布作業開始のときとは逆に、解除レバー73諸共把持した開閉レバー7を、同図9中の二点鎖線矢印とは逆向きに操作してレバー金具71およびゲート部65を実線に示すよう閉鎖させた後、解除レバー73および開閉レバー7を手放すと、コイルバネ69が、ロックピン68を下向きに突出させてゲート部65を金属製ベース部41に仮固定することになる。
【0050】
(実施例5の作用)
図9中に示したロックピン68は、図10に示したように、ワイヤーを介して遠隔操作可能とした係止片68に変更して略同等のロック機能を得ることができ、こうした開閉機構6のゲート部65開閉操作用の開閉レバー7および解除レバー73を、例えば図17の散布作業中の籾殻散布装置の側面図中に示すように、ワイヤー72類を介して運転席脇の安全フレーム等適所に取り付けたものとすれば、トラクターTを走行させたまま、ゲート部65のロック解除と開放操作とを行うことが可能となり、籾殻収容空間3優先排出空間域31に収容された籾殻Mの散布をより円滑に開始できるものとなる。
【0051】
暫くこのままの状態で散布を続けていると、図18の優先排出空間域31が空になった籾殻散布装置の側面図中に示すように、優先排出空間域31が空になって散布が停止することとなるが、トラクターTを停止させることなく、図19の二次排出空間域の籾殻を散布する籾殻散布装置に側面図に示すように、ダンプ機構Dを駆動させてコンテナ部2を所望の角度に後傾させ、二次排出空間域32収容されている籾殻Mが二次散布口82を通じて均等、散布されることとなり、整流壁9によって比較的浅く設定された二次排出空間域32は、散布口8付近に籾殻Mの器形状や芒、あるいは混入した稲藁の小枝等が、互いに噛合状となってブリッジ状の排出空洞部Sが形成されるのを確実に阻止し、円滑な籾殻散布を可能とする。
【0052】
図11に示したように、金属製ベース部41前端縁巾方向に架け渡された案内棒47の左右端側、夫々に設けられた係止駒48,48を、整地キャリアP鳥居背板部の左右端縁に係合させるよう摺動移動させてから各固定ボルト45,45を締め付け、固定することにより、当該籾殻散布装置1を比較的簡便に整地キャリアPに対して仮固定でき、各固定ボルト45,45を弛めて左右係止駒48,48を左右外側にスライドさせることによって簡便に整地キャリアPを離脱させることが可能となる。
【0053】
図12および図13に示した籾殻散布装置1は、整地キャリアPの積載板部分上面に立設された垂直板状のブラケットQ,Qに対し、同整地キャリアPの積載板部分上面に搭載されたコンテナ部2金属製ベース部41接地用脚部42,42を固定ボルト45,45,……、およびそれらに螺着されるナットによって固定すると共に、整地キャリアPの鳥居背板部上端中央ブラケットに設けられた連結フックUの後端フックRを、対応する金属パイプ製フレーム43の中途適所に係合させた上、前端雄ネジ部をダブルナットによって前方に牽引するよう締め付け、確実に仮固定することが可能であり、コンテナ部2を整地キャリアPから取り外すときには、各固定ボルト45,45,……および連結フックUを取り外すことによって簡便に離脱させられる。
【0054】
(実施例1の効果)
以上のような構成からなる実施例1の籾殻散布装置1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図3ないし図5中に示したコンテナ部2が、比較的軽量且つ軟質な樹脂シート製の概略筐体状に形成され、金属製ベース部41とそれに組み合わせられた金属パイプ製フレーム43,43とからなる骨格体4の内側に対し、複数各所に設けられた結び紐27,27,……によって張着されたものとし、該コンテナ部2の内側には同様の軟質樹脂シート製の整流壁9が縫着され、しかも散布口8の開閉機構6を弁幕部61およびその左右端縁に設けられたファスナー62,62ならびに下端縁全幅に亘って装着された固定棒63と金属製ベース部41後側左右端に設けた仮留め用鉤部64,64とから形成したことにより、非常に軽量且つ簡素な構造とすることができると共に、組み立て分解作業も容易で分解し、折り畳むことによって大幅な小型化を実現し、生産工場からの出荷や在庫の保管または購入者による輸送や、農作業に使用した後の収納にも有利となる上、各部品の破損や変形の際にも個別の交換や修理によって対応することができ、経済的であるという特徴を有している。
【0055】
当該開閉機構6の固定棒63は、弁幕部61の下端縁を散布口8の左右全巾に亘り、十分に補強し、且つ弁幕部61左右端縁のファスナー62,62に加わる圧力を軽減して充填籾殻Mの荷重による不要な膨出や破裂等の発生を防止するものとなり、コンテナ部2の耐久強度を格段に高めることができる。
【0056】
(実施例2の効果)
図6および図7に示した籾殻散布装置1は、ゲート部65を硬質板状物製のものとし、ヒンジ金具66,66によって開口枠83に対して開閉自在に軸着し、開口枠83に軸着した係止片68をコイルバネ69によってゲート部65の係止ピンに係合するよう付勢してあり、比較的簡素な開閉機構6としながら高い耐久強度を確保し、ファスナーを用いた場合に比較して閉鎖不良や開放不能などといった事態の発生を大幅に減少させ、より信頼性に秀れた散布口8の開閉操作性を確保できるという効果が得られる。
【0057】
(実施例3の効果)
図8中に示した籾殻散布装置1によれば、整流壁9の下面に傾斜角度調節機構91を設けてあり、トラクター(走行車両)Tの走行速度や、散布対象の圃場毎に最適な籾殻散布量となるよう調節することが可能となって籾殻Mの散布作業の効率を大幅に向上させ、しかも傾斜角度調節機構91の設定角度姿勢を記録または表示もしくは固定して置くことにより、翌年以降も同様の条件で籾殻Mを散布できるようになり、散布不足や過剰散布を防止して安定的な土壌管理を実現するという利点がある。
【0058】
(実施例4の効果)
図9中に示した籾殻散布装置1は、開閉機構6の操作を行うときに、コンテナ部2の散布口8とは反対側のダンプ機構D(図示せず)側となる箇所に設けられた開閉レバー7および解除レバー73から、遠隔操作することが可能であり、作業者がゲート部65を開放した瞬間に放出される籾殻Mを浴びることがなく、しかもトラクター(走行車両)Tの運転席により近い位置から操作することができるので、作業者の移動範囲を縮小して作業負担の軽減と作業時間の短縮化とを実現することができ、開閉レバー7および解除レバー73が、骨格体5と一体を保つため、整地キャリアPから離脱させた場合にも各ワイヤー72や各レバー類7,73のトラクターT車体側に対する脱着作業が不要であり、効率的に搭載、離脱作業を行うことができるという秀れた効果を発揮するものとなる。
【0059】
(実施例5の効果)
図10中に示した籾殻散布装置1のように、ゲート部65用係止片68,68の操作軸74にワイヤーを接続したものでは、前記実施例4(図9)に示したロックピン68と略同等の作用を得ることができ、しかも開閉レバー7および解除レバー73を、図17中に示したように、運転席脇の安全フレーム等適所に取り付けたものとすることにより、トラクターTが走行中にあっても開閉機構6を自在に開閉操作することが可能となると共に、図19中に示すように、運転中に適宜作動させることができるダンプ機構Dの併用によって籾殻収容空間3内に収容された籾殻Mが全て無くなるまで、トラクターTを停止させることなく連続的に散布作業を継続させることができる上、開閉機構6の閉鎖やダンプ機構Dの操作などによって籾殻Mの散布の停止および再開等の操作を自由に行うことができるようになり、散布作業性を格段に向上させることができる。
【0060】
図11に示した骨格体4によるものでは、金属製ベース部41の前端縁左右側に設けられた一対の係合駒48,48を、案内棒47に沿って左右進退、調節することによって寸法の異なる別の整地キャリアPであっても、簡便に着脱操作することができるものとなり、利用者が既に購入済みの整地キャリアPにも高い確率で装着することができ、経済的に有利なものとすることが可能である上、位置決めした各係合駒48,48の夫々を固定ボルト45,45の締め付けによって案内棒47に対して固定状とすることにより、確実な仮固定状態を確保することができ、しかも固定ボルト45,45を弛めて各係合駒48,48を左右外側にスライドさせれば、簡便に離脱させることができ、当該籾殻散布装置1の整地キャリアPへの着脱操作を一段と簡便化および迅速化する効果を奏するものとなる。
【0061】
また、図12および図13中に示した籾殻散布装置1のように、コンテナ部2金属製ベース部41接地用脚部42,42を、整地キャリアPの積載板部分上面に立設された垂直板状のブラケットQ,Qに対し、固定ボルト45,45,……およびそれらに螺着されるナットによって固定し、さらに、整地キャリアPの鳥居背板部上端のブラケットに設けた連結フックUの後端フックRを、金属パイプ製フレーム43の対応する中途適所に係合させ、同連結フックUの前端雄ネジ部に螺着したダブルナットによって締め付け、固定したものでは、金属ベース部41だけに留まらず、それよりも上方配置となる整地キャリアPの鳥居背板部上端付近に対応する金属パイプ製フレーム43の適所を仮固定することができ、コンテナ部2を整地キャリアPに対してより高い強度をもって仮固定することが可能となり、コンテナ部2の後傾姿勢もさらに安全に確保することができるという効果を得るものとなる。
【0062】
(結 び)
叙述の如く、この発明の籾殻散布装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの籾殻散布装置に比較して大幅に軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、収容した籾殻を円滑且つ均質に散布することができ、籾摺作業から圃場への運搬、散布までの一連の作業を、従前までの技術では成し得ない程に格段に効率化させることができるものとなり、人手不足や高齢化等の問題を抱える農家にとって農作業の効率を格段に高め、毎年大量に発生してその処理に苦慮してきた籾殻を有効な有機肥料として圃場土壌養分の富化に役立て、しかも化学肥料の使用量を削減するか、極力無くすようにして経費の削減と優良米の生産とを達成可能にするものであり、圃場の籾殻散布に多大の関心を寄せる稲作農家は勿論のこと、農機具業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図面は、この発明の籾殻散布装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】籾殻散布装置の構成概念を示す斜視図である。
【図2】コンテナ部内の構成を断面化して示す側面図である。
【図3】籾殻散布装置をより具体的に示す斜視図である。
【図4】閉鎖状態にある開閉機構を示す側面図である。
【図5】開放された開閉機構を示す側面図である。
【図6】散布口にゲート部を設けた籾殻散布装置を示す斜視図である。
【図7】ゲート部を開放した開閉機構を示す側面図である。
【図8】傾斜角度調節機構を設けた整流壁を示す側面図である。
【図9】遠隔操作可能とした開閉機構を示す側面図である。
【図10】遠隔操作可能とした係止片を示す斜視図である。
【図11】整地キャリアに仮固定される骨格体を示す斜視図である。
【図12】整地キャリアに連結フックを用いて仮固された骨格体を示す側面図である。
【図13】整地キャリアに連結フックを用いて仮固された骨格体を示す背面図である。
【図14】優先排出空間域の籾殻が排出されるコンテナ部を断面化して示す側面図である。
【図15】優先排出空間域の籾殻排出を終えたコンテナ部を断面化して示す側面図である。
【図16】二次排出空間域の籾殻排出を終えたコンテナ部を断面化して示す側面図である。
【図17】籾殻散布作業を行うトラクターを示す側面図である。
【図18】籾殻散布作業の途上にあるトラクターを示す側面図である。
【図19】籾殻散布作業の最終段階にあるトラクターを示す側面図である。
【図20】従来型の籾殻散布装置を示す側面図である。
【図21】従来型の別の籾殻散布装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 籾殻散布装置
2 コンテナ部
21 同 前壁
22 同 後壁
23 同 左右壁
24 同 天壁
25 同 供給口
26 同 底壁
27 同 結び紐
3 籾殻収容空間
31 同 優先排出空間域
32 同 二次排出空間域
4 骨格体
41 同 金属製ベース部
42 同 接地用脚部
43 同 金属パイプ製フレーム
44 同 補強パイプ
45 同 固定ボルト
46 同 凹欠部
47 同 案内棒
48 同 係合駒
5 袋状体(または筒状体)
6 開閉機構
61 同 弁幕部
62 同 ファスナー
63 同 固定棒
64 同 仮留め用鉤部
65 同 ゲート部
66 同 ヒンジ金具
67 同 閉鎖用ロック金具
68 同 係止片(ロックピン)
69 同 コイルバネ
7 開閉レバー(開閉入力部)
71 同 レバー金具
72 同 ワイヤー
73 同 解除レバー(ロック解除入力部)
74 同 操作軸
8 散布口
81 同 優先散布口
82 同 二次散布口
83 同 開口枠
9 整流壁
91 同 傾斜角度調節機構
92 同 支持棒
93 同 雄ネジ部
94 同 ナット
C 従来型コンテナ
G 従来型ゲート
B 底面
E 無駄な空間
S 排出空洞部
T トラクター(走行車両)
D ダンプ機構
P 整地キャリア
Q ブラケットQ
R フック
U 連結フック
M 籾殻
【出願人】 【識別番号】393011474
【氏名又は名称】五十嵐 徹
【出願日】 平成18年4月26日(2006.4.26)
【代理人】 【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實


【公開番号】 特開2007−289084(P2007−289084A)
【公開日】 平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願番号】 特願2006−121545(P2006−121545)