| 【発明の名称】 |
植え付け作業機の昇降制御構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤井 健次
【氏名】越智 竜児
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| 【要約】 |
【課題】部品レイアウトに苦慮することなく、又、コストの高騰並びに組み付け性やメンテナンス性の低下を招くことなく、植え付け深さ調節にかかわらず、自動昇降制御において、苗植付装置を予め設定した接地高さ位置に精度良く維持できるようにする。
【解決手段】操作手段51により、植付機構16に対する接地体17の高さ位置を変更することで植え付け深さが調節され、制御手段40が、揺動角度検出手段54で検出される接地体17の検出角度θbが予め設定した制御目標角度θoと一致するように、苗植付装置昇降用のアクチュエータ2の作動を制御することで、苗植付装置4が予め設定した接地高さ位置に維持されるように構成した植え付け作業機の昇降制御構造おいて、植え付け深さ調節に連動して、揺動角度検出手段54の検出角度θbを補正する補正手段64を備えてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接地体を植付機構に対して高さ変更可能に装備し、前記接地体の高さ位置を変更する操作手段を設けて、前記植付機構に対する前記接地体の高さ位置を変更することによる植え付け深さ調節が可能に構成され、 前記接地体及び前記植付機構を備える苗植付装置を走行車体に昇降可能に連結し、前記接地体を上下揺動可能に装備し、前記苗植付装置を昇降駆動するアクチュエータと、前記接地体の上下揺動角度を検出する揺動角度検出手段と、前記揺動角度検出手段の検出角度が予め設定した制御目標角度と一致するように前記アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備えて、前記苗植付装置を予め設定した接地高さ位置に維持する自動昇降制御の実行が可能に構成された植え付け作業機の昇降制御構造であって、 前記植え付け深さ調節に連動して、前記揺動角度検出手段の検出角度又は前記制御目標角度を補正する補正手段を備えてある植え付け作業機の昇降制御構造。 【請求項2】 植え付け深さを検出する植付深さ検出手段を備え、 前記補正手段が、前記植付深さ検出手段の検出に基づいて、前記植え付け深さ調節に連動した前記揺動角度検出手段の検出角度又は前記制御目標角度の補正を行うように構成してある請求項1に記載の植え付け作業機の昇降制御構造。 【請求項3】 車速検出手段を備え、 前記補正手段が、前記車速検出手段の検出速度に基づいて、前記揺動角度検出手段の検出角度又は前記制御目標角度を補正するように構成してある請求項1又は2に記載の植え付け作業機の昇降制御構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、接地体を植付機構に対して高さ変更可能に装備し、前記接地体の高さ位置を変更する操作手段を設けて、前記植付機構に対する前記接地体の高さ位置を変更することによる植え付け深さ調節が可能に構成され、前記接地体及び前記植付機構を備える苗植付装置を走行車体に昇降可能に連結し、前記接地体を上下揺動可能に装備し、前記苗植付装置を昇降駆動するアクチュエータと、前記接地体の上下揺動角度を検出する揺動角度検出手段と、前記揺動角度検出手段の検出角度が予め設定した制御目標角度と一致するように前記アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備えて、前記苗植付装置を予め設定した接地高さ位置に維持する自動昇降制御の実行が可能に構成された植え付け作業機の昇降制御構造に関する。 【背景技術】 【0002】 上記のような植え付け作業機の昇降制御構造においては、接地体(整地フロート)の上下揺動角度の検出を可能にするために、接地体に連係リンク機構を介して連係された揺動角度検出手段(フロートセンサ)を、平行四連リンク機構を構成する上下一対の揺動リンクを介して苗植付装置の前下部に連結装備し、かつ、植付機構に対する接地体の高さ変更操作を可能にする植付深さ調節レバーを、その操作に連動して、揺動角度検出手段の高さ位置が接地体の高さ位置に応じた高さ位置に変更されるように、連係ロッドを介して上側の揺動リンクに連動連係することで、植え付け深さ調節にかかわらず、揺動角度検出手段の接地体に対する高さ位置及び検出姿勢を一定又は略一定に維持できるようにして、接地体の上下揺動角度と揺動角度検出手段の検出角度との相関関係を一定又は略一定に保持するように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】特開2000−333517号公報(段落番号0035,0039、図3〜7) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 つまり、上記の構成では、接地体の高さ変更操作に連動して、揺動角度検出手段の高さ位置が接地体の高さ位置に応じた高さ位置に変更され、かつ、その高さ変更操作にかかわらず、揺動角度検出手段の検出姿勢が一定に維持されるように、揺動角度検出手段の支持構造に創意工夫を凝らすことで、植え付け深さ調節にかかわらず、接地体の上下揺動角度と揺動角度検出手段の検出角度との相関関係を一定又は略一定に保持することができ、これによって、植え付け深さ調節によって接地体の上下揺動角度と揺動角度検出手段の検出角度との相関関係が崩れることに起因して、自動昇降制御において、苗植付装置が予め設定した接地高さ位置に維持されなくなる不都合が発生することを未然に回避している。 【0005】 そのため、上記の構成では、揺動角度検出手段の支持構造が複雑化するとともに大型化し、又、その支持構造を装備するための大きい空間を確保する必要が生じることから、部品レイアウトに苦慮するとともに、コストの高騰並びに組み付け性やメンテナンス性の低下を招くことになる。 【0006】 本発明の目的は、部品レイアウトに苦慮することなく、又、コストの高騰並びに組み付け性やメンテナンス性の低下を招くことなく、植え付け深さ調節にかかわらず、自動昇降制御において、苗植付装置を予め設定した接地高さ位置に精度良く維持できるようにすることにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明のうちの請求項1に記載の発明では、接地体を植付機構に対して高さ変更可能に装備し、前記接地体の高さ位置を変更する操作手段を設けて、前記植付機構に対する前記接地体の高さ位置を変更することによる植え付け深さ調節が可能に構成され、前記接地体及び前記植付機構を備える苗植付装置を走行車体に昇降可能に連結し、前記接地体を上下揺動可能に装備し、前記苗植付装置を昇降駆動するアクチュエータと、前記接地体の上下揺動角度を検出する揺動角度検出手段と、前記揺動角度検出手段の検出角度が予め設定した制御目標角度と一致するように前記アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備えて、前記苗植付装置を予め設定した接地高さ位置に維持する自動昇降制御の実行が可能に構成された植え付け作業機の昇降制御構造において、前記植え付け深さ調節に連動して、前記揺動角度検出手段の検出角度又は前記制御目標角度を補正する補正手段を備えてある。 【0008】 この構成によると、操作手段を用いて植え付け深さ調節を行うと、その植え付け深さ調節によって植付機構に対する接地体の高さ位置が変更されるのに伴って、揺動角度検出手段に対する接地体の高さ位置や、揺動角度検出手段の検出姿勢が変化することになって、接地体の上下揺動角度と揺動角度検出手段の検出角度との相関関係、並びに、揺動角度検出手段の検出角度と制御目標角度との相関関係に崩れが生じるが、このときの植え付け深さ調節に連動して、補正手段が、揺動角度検出手段の検出角度又は制御目標角度を適切に補正して相関関係を整合させることから、植え付け深さ調節による相関関係の崩れに起因して、自動昇降制御において、苗植付装置が予め設定した接地高さ位置に維持されなくなる不都合の発生を防止できる。 【0009】 又、その不都合の発生を防止する上において、揺動角度検出手段の支持構造に創意工夫を凝らす必要がないことから、揺動角度検出手段に対する支持構造の複雑化や大型化を回避できるとともに、その支持構造を装備するための大きい空間を確保する必要もない。 【0010】 従って、部品レイアウトに苦慮することなく、又、コストの高騰並びに組み付け性やメンテナンス性の低下を招くことなく、自動昇降制御においては、植え付け深さ調節にかかわらず、苗植付装置を予め設定した接地高さ位置に精度良く維持できるようになり、結果、苗植付装置による植え付けを、植え付け深さ調節による調節後の植え付け深さで精度良く行える。 【0011】 本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、植え付け深さを検出する植付深さ検出手段を備え、前記補正手段が、前記植付深さ検出手段の検出に基づいて、前記植え付け深さ調節に連動した前記揺動角度検出手段の検出角度又は前記制御目標角度の補正を行うように構成してある。 【0012】 この構成によると、操作手段を用いた植え付け深さ調節を行うと、その植え付け深さ調節で得られた植え付け深さを植付深さ検出手段が検出し、その検出に基づいて、補正手段が、揺動角度検出手段の検出角度又は制御目標角度を適切に補正して、植え付け深さ調節によって崩れた相関関係を整合させることから、植え付け深さ調節による相関関係の崩れに起因して、自動昇降制御において、苗植付装置が予め設定した接地高さ位置に維持されなくなる不都合が発生することを防止する。 【0013】 従って、部品レイアウトに苦慮することなく、又、コストの高騰並びに組み付け性やメンテナンス性の低下を招くことなく、自動昇降制御においては、植え付け深さ調節にかかわらず、苗植付装置を、より高い精度で予め設定した接地高さ位置に維持できるようになり、結果、苗植付装置による植え付けを、植え付け深さ調節による調節後の植え付け深さでより精度良く行える。 【0014】 本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の発明において、車速検出手段を備え、前記補正手段が、前記車速検出手段の検出速度に基づいて、前記揺動角度検出手段の検出角度又は前記制御目標角度を補正するように構成してある。 【0015】 植え付け作業機においては、作業時の車速が速くなるほど接地体が浮き易くなることから、車速にかかわらず揺動角度検出手段の検出角度と制御目標角度との相関関係を一定に保持すると、作業時の車速が速くなるほど、圃場での柔らかい泥土の僅かな隆起などに対しても接地体が敏感に上昇揺動する傾向になり、よって、接地体の揺動に基づく自動昇降制御において、苗植付装置が不必要に昇降するハンチングや、苗植付装置が浮き気味になることに起因した浅植えが生じ易くなる。 【0016】 そこで、請求項3に記載の発明では、補正手段が、車速検出手段の検出速度に基づいて、揺動角度検出手段の検出角度又は制御目標角度を補正する、具体的には、車速検出手段で検出される車速が速くなるほど、それに伴って接地体が浮き易くなることを考慮して、揺動角度検出手段の検出角度を前下がり方向に補正する、又は、制御目標角度を前上がり方向に補正するように構成するのであり、これによって、車速の上昇に伴って圃場での柔らかい泥土の僅かな隆起などに対しても接地体が敏感に上昇揺動する虞がなくなり、結果、接地体の揺動に基づく自動昇降制御において、苗植付装置が不必要に昇降するハンチングや、苗植付装置が浮き気味になることに起因した浅植えの発生を回避できる。 【0017】 従って、自動昇降制御における車速の上昇に起因したハンチングや浅植えの発生が回避された良好な植え付けを安定して行える。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 図1には植え付け作業機の一例である乗用田植機の全体側面が示されており、この田植機は、乗用型に形成した走行車体1の後部に、油圧式のリフトシリンダ(アクチュエータの一例)2の作動で昇降揺動するリンク機構3を介して苗植付装置4を駆動昇降可能に連結し、かつ、施肥装置5を搭載装備して構成されている。 【0019】 走行車体1は、その前部に搭載したエンジン6からの動力を、静油圧式無段変速装置7やギヤ式変速装置8などを介して、左右の前輪9及び後輪10に走行用として伝達する四輪駆動型に構成され、その中央部には、左右の前輪9を操舵するステアリングホイール11や運転座席12などを備える搭乗運転部13が形成されている。 【0020】 図1〜5に示すように、苗植付装置4は、動力分配機構14に伝達されたギヤ式変速装置8からの作業用動力で、複数のマット状苗を載置する苗載台15が左右方向に一定ストロークで往復駆動されるとともに、左右方向に並設された複数のロータリ式の植付機構16が、苗載台15の下端から苗を所定量ずつ切り出して、複数の整地フロート(接地体の一例)17で整地した泥土部に植え付けるように回転駆動され、かつ、苗載台15が左右のストローク端に到達するごとに各マット状苗が苗載台15の下端に向けて所定ピッチで縦送りされることで、複数条の苗の植え付けを行うように構成されている。 【0021】 図1に示すように、施肥装置5は、ギヤ式変速装置8から出力された後輪駆動用の動力で、左右方向に並設された複数の繰出機構18が、施肥タンク19に貯留された粒状肥料を所定量ずつ繰り出すように駆動され、電動式のブロワ20で生起された搬送風で、各繰出機構18から繰り出された粒状肥料を、それぞれ案内ホース21を介して対応する作溝器22に向けて搬送し、それらの各作溝器22から圃場泥土内に供給することで、植え付け条数に応じた施肥を行うように構成されている。 【0022】 図1、図6及び図7に示すように、静油圧式無段変速装置7は、ステアリングホイール11の左側方に配備した主変速レバー23に主変速用の連係機構24を介して操作連係され、主変速レバー23は、ガイド板25のガイド溝26によって操作案内されるとともに、デテント機構27の作用で、静油圧式無段変速装置7を中立状態に復帰付勢する中立復帰機構28の作用に抗して、中立位置を挟んだ前進5段と後進3段の各変速操作位置に操作保持できる。 【0023】 つまり、主変速レバー23の操作で、静油圧式無段変速装置7の中立状態や前進5段及び後進3段の各変速状態を現出保持できる。 【0024】 図示は省略するが、主変速用の連係機構24は、搭乗運転部13に配備したブレーキペダルに、そのブレーキペダルの踏み込み操作に連動して、そのときの踏み込み操作量に基づいて、主変速レバー23を現在の変速位置から中立位置に向けて強制的に戻し操作するように、図外の自動減速用の連係機構を介して操作連係されている。 【0025】 この構成から、前進走行時や後進走行時にブレーキペダルを予め設定した踏み込み限界領域まで大きく踏み込み操作すると、その操作に連動して、主変速レバー23を中立位置まで戻すことができて、静油圧式無段変速装置7の中立状態を現出することができる。 【0026】 又、ブレーキペダルを踏み込み限界領域に至らない程度に踏み込み操作すると、そのときの踏み込み操作量に応じた変速操作位置まで主変速レバー23を戻すことができて、静油圧式無段変速装置7を減速作動させることができる。 【0027】 図6〜9に示すように、主変速レバー23は、左右向きの操作領域を有するように形成した中立位置に位置させた状態では、捩りバネ30の作用によって、後進用変速領域に連通する左右一端側の後進側端部から、前進用変速領域に連通する左右他端側の前進側端部に向けて揺動付勢されている。 【0028】 又、そのガイド溝26に沿った揺動操作による静油圧式無段変速装置7の変速操作に連動してエンジン回転数が変更されるように、エンジン6に備えた調速機構31の調速レバー32に、連動調速用の連係機構33を介して操作連係されている。 【0029】 調速レバー32は、引っ張りバネ34の作用で低速側に揺動付勢されており、主変速レバー23を中立位置の前進側端部に位置させた状態ではアイドリング位置まで揺動復帰する。 【0030】 連動調速用の連係機構33は、主変速レバー23の前進用変速領域での変速操作に連動して揺動変位するようにガイド板25に装備された前進用連動部材35、主変速レバー23の中立位置での揺動操作と後進用変速領域での変速操作とに連動して揺動変位するようにガイド板25に装備された後進用連動部材36、前進用連動部材35を調速レバー32に操作連係するレリーズワイヤ37、及び、前進用連動部材35を減速方向に揺動付勢する引っ張りバネ38、などを備えて、主変速レバー23の変速操作位置とエンジン回転数との間において、予め設定した相関関係(図8参照)が得られるように構成されている。 【0031】 後進用連動部材36は、その増速方向への揺動変位に伴って前進用連動部材35を増速方向に揺動変位させるように、その一端部が前進用連動部材35の一端部に片当たり接当し、又、主変速レバー23を前進側中立位置に位置させた状態では、その他端部がバックアップスイッチ39を押圧操作し、主変速レバー23を後進側中立位置に位置させた状態では、その他端部によるバックアップスイッチ39の押圧操作を解除する。 【0032】 バックアップスイッチ39は、そのオン・オフ信号を走行車体1に搭載したマイクロコンピュータからなる制御装置(制御手段の一例)40に出力し、制御装置40は、バックアップスイッチ39からのオフ信号に基づいて、苗植付装置4が作動停止するように、植付クラッチ41を入り切り操作する電動式のクラッチモータ42の作動を制御し、かつ、走行車体1の後部に備えた上限スイッチ43がリンク機構3によってオン操作される上限位置まで苗植付装置4が上昇するように、リフトシリンダ2に対する作動油の流動を制御する電磁式の昇降弁44の作動を制御するバックアップ制御を実行する。 【0033】 上記の構成から、主変速レバー23を、中立位置の前進側端部から前進用変速領域に、あるいは、前進用変速領域において増速方向に揺動操作すると、その変速操作位置に応じた変速状態が現出されるように静油圧式無段変速装置7が前進増速作動し、かつ、調速レバー32が、引っ張りバネ34の付勢に抗して増速方向に揺動操作されて、主変速レバー23の変速操作位置に応じた回転数までエンジン回転数が上昇する。 【0034】 主変速レバー23を、前進用変速領域から中立位置の前進側端部に、あるいは、前進用変速領域において減速方向に揺動操作すると、その変速操作位置に応じた変速状態が現出されるように静油圧式無段変速装置7が前進減速作動し、かつ、調速レバー32が、引っ張りバネ34の付勢で減速方向に揺動操作されて、主変速レバー23の変速操作位置に応じた回転数までエンジン回転数が低下する。 【0035】 主変速レバー23を、中立位置の前進側端部から後進側端部に向けて揺動操作すると、調速レバー32が、引っ張りバネ34の付勢に抗して増速方向に揺動操作されて、主変速レバー23の変速操作位置に応じた回転数までエンジン回転数が上昇し、その操作で主変速レバー23が中立位置の後進側端部に到達すると、バックアップスイッチ39からのオフ信号に基づいて、制御装置40がバックアップ制御を実行することで、苗植付装置4が作動を停止するとともに上限位置まで上昇する。 【0036】 主変速レバー23を、中立位置の後進側端部から後進用変速領域に、あるいは、後進用変速領域において増速方向に揺動操作すると、その変速操作位置に応じた変速状態が現出されるように静油圧式無段変速装置7が後進増速作動し、かつ、調速レバー32が、引っ張りバネ34の付勢に抗して増速方向に揺動操作されて、主変速レバー23の変速操作位置に応じた回転数までエンジン回転数が上昇する。 【0037】 主変速レバー23を、後進用変速領域から中立位置の後進側端部に、あるいは、後進用変速領域において減速方向に揺動操作すると、その変速操作位置に応じた変速状態が現出されるように静油圧式無段変速装置7が後進減速作動し、かつ、調速レバー32が、引っ張りバネ34の付勢で減速方向に揺動操作されて、主変速レバー23の変速操作位置に応じた回転数までエンジン回転数が低下する。 【0038】 ところで、前述したバックアップ制御は、整地フロート17を接地させた状態において、不用意に後進状態を現出することに起因して、整地フロート17が泥土に引っ掛かる、あるいは、畦などに衝突するなどの不都合が発生する虞を未然に回避するために備えたものであることから、後進検知に基づいて苗植付装置4を速やかに上昇させる必要がある。 【0039】 そこで、本実施形態で例示した田植機では、後進状態が現出される前の段階から、エンジン動力で駆動される油圧ポンプ45から昇降弁44に向けて圧送される油量が多くなって、リフトシリンダ2の作動による苗植付装置4の速やかな上昇操作が可能となるように、主変速レバー23が中立位置の前進側端部から後進側端部に向けて揺動操作される段階から、主変速レバー23の揺動操作に連動してエンジン回転数が上昇するように構成してある。 【0040】 図7に示すように、調速機構31は、その独立操作が可能となるように、その調速レバー32が、搭乗運転部13に配備したアクセルペダル46に、独立調速用の連係機構47を介して操作連係されている。 【0041】 図2〜5に示すように、苗植付装置4において、その前下部には、角パイプ状に形成された主フレーム48が左右向きに装備され、その主フレーム48から後方に向けて、動力分配機構14からの動力を対応する植付機構16に伝達するチェーン伝動式又は軸伝動式などの伝動機構(図示せず)を内装したフレーム兼用の複数の植付伝動ケース49が、左右方向に所定間隔を隔てた状態で延設され、各植付伝動ケース49は、その前下部に、丸パイプからなる単一のフロート支点軸50を左右向きの姿勢で相対回動可能に支持装備し、かつ、その後端部に、対応する左右一対の植付機構16を植え付け作動可能に装備し、フロート支点軸50から前方に向けて単一の操作レバー(操作手段の一例)51が延設され、フロート支点軸50から後方に向けて複数の支持アーム52が延設され、各支持アーム52の延出端に、対応する整地フロート17が左右向きの支軸29を介して上下揺動可能に連結装備され、主フレーム48には、フロート支点軸50を支点にして上下方向に揺動操作される操作レバー51の任意の操作位置での係合保持を可能にする保持ブラケット53が立設されている。 【0042】 この構成から、操作レバー51を上下方向に揺動操作すると、各整地フロート17が一斉にフロート支点軸50を支点にして上下方向に揺動変位して、各植付機構16に対する高さ位置を変更するようになっており、これによって、各植付機構16による苗の植え付け深さを調節することができる。そして、所望の植え付け深さが得られる操作位置で操作レバー51を係合保持させることで、所望の植え付け深さでの植え付けを行える。 【0043】 図1、図4、図5及び図9に示すように、苗植付装置4の左右中央に配置された整地フロート17は、その前端部が、主フレーム48に固定装備した回転式のポテンショメータからなるフロートセンサ(揺動角度検出手段の一例)54の検出アーム55に、その左右向きの支軸29を支点にした上下揺動角度θaがフロートセンサ54によって検出されるように、連係ロッド56などを介して連係され、又、フロートセンサ54に備えた捩りバネ57によって、連係ロッド56などを介して接地付勢されている。フロートセンサ54は、その検出角度θbを制御装置40に出力する。 【0044】 制御装置40は、運転座席12の右側方に配備した第1作業レバー58の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる第1レバーセンサ59の検出に基づいて、第1作業レバー58の操作位置に応じた制御作動を実行する。 【0045】 以下、第1レバーセンサ59の検出に基づく制御装置40の制御作動について説明する。 【0046】 制御装置40は、第1レバーセンサ59の検出に基づいて、第1作業レバー58の「下降」位置への操作を検知した場合には、リフトシリンダ2が伸長作動するように、昇降弁44を、リフトシリンダ2から作動油を排出させる排出状態に切り換えて、苗植付装置4を下限位置に向けて下降させる下降制御を行う。 【0047】 第1作業レバー58の「上昇」位置への操作を検知した場合には、リフトシリンダ2が収縮作動するように、昇降弁44を、リフトシリンダ2に作動油を供給する供給状態に切り換えて、苗植付装置4を上限位置に向けて上昇させる上昇制御を行う。 【0048】 第1作業レバー58の「中立」位置への操作を検知した場合には、リフトシリンダ2が作動停止するように、昇降弁44を、リフトシリンダ2に対する作動油の給排を停止する給排停止状態に切り換えて、苗植付装置4を昇降停止させる昇降停止制御を行う。 【0049】 上記の下降制御において、フロートセンサ54の検出角度θbが、搭乗運転部13に備えた回転式のポテンショメータからなる設定ダイヤル62で予め設定した制御目標角度θoと一致したことを検知した場合(フロートセンサ54の検出角度θbが制御目標角度θoの不感帯幅内に入った場合)、及び、上記の上昇制御において、リンク機構3による上限スイッチ43のオン操作で苗植付装置4の上限位置への到達を検知した場合にも、昇降停止制御を行う。 【0050】 第1作業レバー58の「植付」位置への操作を検知した場合には、植付クラッチ41が入り操作されるようにクラッチモータ42を作動させて、苗植付装置4の植え付け作動を開始させる植え付け開始制御を行い、第1作業レバー58の「植付」位置への操作を検知しなくなった場合には、植付クラッチ41が切り操作されるようにクラッチモータ42を作動させて、苗植付装置4の植え付け作動を停止させる植え付け停止制御を行う。 【0051】 第1作業レバー58の「自動」位置への操作を検知した場合には、ステアリングホイール11の右下方に配備した中立復帰型の第2作業レバー60の操作情報を出力する複数のリミットスイッチからなる第2レバーセンサ61の出力に基づいて、第2作業レバー60の操作に応じた制御作動を実行する。 【0052】 つまり、第1作業レバー58の操作で、苗植付装置4を、その昇降可能範囲内での任意の高さ位置に位置させることができ、又、その任意の高さ位置において、苗植付装置4の作動状態と作動停止状態とを切り換え現出することができ、更に、制御装置40の制御モードを、第1レバーセンサ59の検出に基づいて制御作動する制御モードと、第2レバーセンサ61の出力に基づいて制御作動する制御モードとに切り換えることができる。 【0053】 次に、第2レバーセンサ61の出力に基づく制御装置40の制御作動について説明する。 【0054】 制御装置40は、第2レバーセンサ61の出力に基づいて、第2作業レバー60の下方への操作を検知した場合には、後述する自動昇降制御を実行しているか否かを判別する。 【0055】 自動昇降制御を実行していない場合には、設定ダイヤル62で予め設定した制御目標角度θoとフロートセンサ54の検出角度θbとに基づいて、その検出角度θbが制御目標角度θoと一致するように、昇降弁44の作動を制御し、リフトシリンダ2を伸縮作動させて、苗植付装置4の対地高さが、整地フロート17が制御目標角度θoで接地する所定の接地高さ位置に維持されるように、苗植付装置4を昇降させる自動昇降制御を行う。 【0056】 自動昇降制御を実行している場合には、植付クラッチ41が入り操作されるようにクラッチモータ42を作動させて、苗植付装置4の植え付け作動を開始させる植え付け開始制御を行う。 【0057】 第2作業レバー60の上方への操作を検知した場合には、植え付け開始制御を行った後の植え付け作動中か否かを判別する。 【0058】 植え付け開始制御を行った後の植え付け作動中である場合には、植付クラッチ41が切り操作されるようにクラッチモータ42を作動させて、苗植付装置4の植え付け作動を停止させる植え付け停止制御を行うとともに、リンク機構3による上限スイッチ43のオン操作を検知するまで、リフトシリンダ2が収縮作動するように昇降弁44を供給状態に切り換えて、苗植付装置4を上限位置まで自動上昇させ、オン操作の検知に伴って、リフトシリンダ2が作動停止するように昇降弁44を給排停止状態に切り換えて、苗植付装置4を上限位置にて自動停止させる自動上昇制御を行う。 【0059】 植え付け開始制御を行っていない植え付け停止中である場合には、上記の自動上昇制御のみを行う。 【0060】 つまり、第2作業レバー60の操作で、苗植付装置4を所定の接地高さ位置に維持する整地状態と、苗植付装置4を所定の接地高さ位置に維持しながら植え付け作動させる植え付け状態と、苗植付装置4を上限位置に退避させる非作業状態とを、簡単に切り換え現出することができ、又、植え付け状態では、走行に伴って変化する圃場耕盤や圃場泥面の起伏などにかかわらず、苗の植え付けを予め設定した植え付け深さで安定して行える。 【0061】 制御目標角度θoは、設定ダイヤル62の操作で設定変更できるようになっており、その角度θoを設定ダイヤル62の操作で前上がり方向に大きくするほど、その角度θoにフロートセンサ54の検出角度θbが一致した状態での苗植付装置4の接地高さ位置が低くなって、各整地フロート17の接地圧が高くなることから、走行に伴って変化する圃場泥面の起伏などに対する各整地フロート17の追従性が低下する。 【0062】 逆に、設定ダイヤル62の操作で前下がり方向に大きくするほど、その角度θoにフロートセンサ54の検出角度θbが一致した状態での苗植付装置4の接地高さ位置が高くなって、各整地フロート17の接地圧が低くなることから、走行に伴って変化する圃場泥面の起伏などに対する各整地フロート17の追従性が向上する。 【0063】 そのため、苗植付装置4を所定の接地高さ位置で維持する自動昇降制御においては、設定ダイヤル62の操作で制御目標角度θoを前上がり方向に大きくするほど、走行に伴って変化する圃場泥面の起伏などに対する各整地フロート17の追従性が低下することで、フロートセンサ54で検出される整地フロート17の上下揺動角度θaが、制御目標角度θoに対して変化し難くなることから、苗植付装置4の昇降操作が行われ難くなる。 【0064】 逆に、設定ダイヤル62の操作で制御目標角度θoを前下がり方向に大きくするほど、走行に伴って変化する圃場泥面の起伏などに対する各整地フロート17の追従性が向上することで、フロートセンサ54で検出される整地フロート17の上下揺動角度θaが、制御目標角度θoに対して変化し易くなることから、苗植付装置4の昇降操作が行われ易くなる。 【0065】 つまり、設定ダイヤル62の操作で制御目標角度θoを前上がり方向に大きくするほど、自動昇降制御での制御感度を鈍感にすることができ、逆に、前下がり方向に大きくするほど、自動昇降制御での制御感度を敏感にすることができる。 【0066】 その結果、圃場の泥土が硬い場合には、その硬さに応じて制御目標角度θoを前上がり方向に変更すれば、自動昇降制御において、圃場泥面の僅かな起伏に対しても整地フロート17が敏感に追従揺動して苗植付装置4が頻繁に昇降することに起因したハンチングの発生などを防止できる。 【0067】 又、圃場の泥土が柔らかい場合には、その柔らかさに応じて制御目標角度θoを前下がり方向に変更すれば、自動昇降制御において、圃場泥面の大きな起伏に対しても整地フロート17が追従揺動しなくなって泥押しが発生し易くなることに起因した苗倒れなどを防止できることから、圃場泥土の硬さを考慮した良好な植え付けを行える。 【0068】 前述したように、この田植機では、整地フロート17の上下揺動角度θaを検出するために、検出アーム55が連係ロッド56などを介して整地フロート17の前端部に連係されたフロートセンサ54を、苗植付装置4の主フレーム48に固定装備してある。 【0069】 又、植え付け深さ調節は、操作レバー51の操作で、フロート支点軸50を支点にして整地フロート17を上下方向に揺動変位させて、植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置を変更することで行える。 【0070】 そのため、苗の植え付け深さを調節するために、植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置を変更すると、その変更に伴って、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置も変更されることになり、その変更量に応じて、整地フロート17の前端部に連係ロッド56などを介して連係したフロートセンサ54の検出アーム55が揺動変位する。 【0071】 つまり、植え付け深さ調節によって、整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係に変化が生じることになり、この変化を考慮せずに自動昇降制御を行った場合には、整地フロート17の上下揺動角度θaとの相関関係に変化が生じたフロートセンサ54の検出角度θbを、設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoに一致させることから、整地フロート17の上下揺動角度θaを制御目標角度θoに一致させることで得られる所定の接地高さ位置に苗植付装置4を維持することができなくなり、植え付け深さ調節で設定した植え付け深さでの苗の植え付けを良好に行うことができなくなる。 【0072】 そこで、この田植機では、植え付け深さ調節の際に回動するフロート支点軸50の基準位置からの回動量を植え付け深さとして検出する回転式のポテンショメータからなる植付深さ検出手段63と、この植付深さ検出手段63の検出に基づいて、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正して、整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係を整合させるように構成された制御プログラムなどからなる補正手段64とを装備して、植え付け深さ調節によって変化する整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係を考慮した自動昇降制御を行えるように構成してある。 【0073】 詳述すると、補正手段64には、植付深さ検出手段63によって検出される各植え付け深さに対応して、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正するための複数の補正係数が前もって記憶されており、補正手段64は、植付深さ検出手段63の検出に基づいて採用する補正係数を選択し、その選択した補正係数をフロートセンサ54の検出角度θbに乗じることで、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正する。 【0074】 例えば、植え付け深さ調節用の操作レバー51を、植え付け深さが一般的な深さとなる標準位置に設定した際に得られる整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係を基準とする場合には、植え付け深さ調節用の操作レバー51を標準位置よりも深植え側の操作位置に設定するほど、植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置が高い側に変更されるとともに、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置も高い側に変更されて、フロートセンサ54の検出角度θbが実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに比較して相対的に大きくなることから、補正手段64は、そのときの植付深さ検出手段63で検出される植え付け深さに応じて、そのときのフロートセンサ54の検出角度θbを適正に小さくできる補正係数を選択し、その選択した補正係数をフロートセンサ54の検出角度θbに乗じることで、フロートセンサ54の検出角度θbを、実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに対応する適切な角度に低下補正する。 【0075】 逆に、植え付け深さ調節用の操作レバー51を標準位置よりも浅植え側の操作位置に設定するほど、植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置が低い側に変更されるとともに、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置も低い側に変更されて、フロートセンサ54の検出角度θbが実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに比較して相対的に小さくなることから、補正手段64は、そのときの植付深さ検出手段63で検出される植え付け深さに応じて、そのときのフロートセンサ54の検出角度θbを適正に大きくできる補正係数を選択し、その選択した補正係数をフロートセンサ54の検出角度θbに乗じることで、フロートセンサ54の検出角度θbを、実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに対応する適切な角度に上昇補正する。 【0076】 つまり、操作レバー51を用いて植え付け深さ調節を行うと、その植え付け深さ調節によって植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置が変更されるのに伴って、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置が変更されることになって、整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係、並びに、フロートセンサ54の検出角度θbと設定ダイヤル62による制御目標角度θoとの相関関係に変化が生じるが、このときの植え付け深さ調節に連動して、補正手段64が、フロートセンサ54の検出角度θbを、植付深さ検出手段63の検出に応じて適切に補正して、整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係、並びに、フロートセンサ54の検出角度θbと設定ダイヤル62による制御目標角度θoとの相関関係を整合させることから、自動昇降制御においては、植え付け深さ調節にかかわらず、苗植付装置4を、設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoで整地フロート17が接地する接地高さ位置に精度良く維持することができ、植え付け深さ調節で設定した植え付け深さでの良好な苗の植え付けを安定して行える。 【0077】 ちなみに、本実施形態で例示する構成とは異なる構成で、植え付け深さ調節にかかわらず、整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係を一定に維持する方法としては、図示は省略するが、整地フロート17の前端部に連係リンク機構を介して連係されたフロートセンサ54を、平行四連リンク機構を構成する上下一対の揺動リンクを介して苗植付装置4の前下部に位置するように主フレーム48に連結装備し、かつ、植付機構16に対する整地フロート17の高さ変更操作を可能にする操作レバー51を、その操作に連動して、フロートセンサ54の高さ位置が整地フロート17の高さ位置に応じた高さ位置に変更されるように、連係ロッドを介して上側の揺動リンクに連動連係することが考えられる。 【0078】 しかしながら、この構成では、フロートセンサ54の支持構造が複雑化するとともに大型化し、又、その支持構造を装備するための大きい空間を、苗植付装置4の前下部において確保する必要が生じる。 【0079】 その点、本実施形態で例示した構成では、前述したように、フロートセンサ54の検出角度θbを補正手段64で補正することから、フロートセンサ54を相対変位可能に支持する支持構造を装備するための大きい空間を、苗植付装置4の前下部に確保する必要がない。 【0080】 そこで、図1〜4及び図9に示すように、本実施形態で例示する田植機では、苗植付装置4の前下部における空き空間を有効利用して、整地フロート17の前方において植え付け直前の圃場泥面を浅く攪拌して均平化する代掻きロータ65を駆動回転可能に装備してあり、これによって、通常の代掻き作業を不要にできる。 【0081】 代掻きロータ65は、左右向きの角パイプからなる駆動軸66に、樹脂成型品からなる複数の回転体67及びスペーサ68を一体回転可能に外嵌装備して構成され、その駆動軸66に、苗植付装置4の動力分配機構14からの分配動力が、動力分配機構14から各植付伝動ケース49にわたって伝動可能に横架した伝動軸69や、その伝動軸69と駆動軸66とにわたって架設した伝動ケース70に内装したトルクリミッタ、チェーン式の伝動機構(図示せず)、及びワンウェイクラッチ、などを介して伝達されることでダウンカット方向に回転駆動される。 【0082】 そして、この回転駆動時には、トルクリミッタの作用で駆動系に対する過負荷が防止され、苗植付装置4を駆動停止状態で接地させた整地作業時には、ワンウェイクラッチの作用で、複数の回転体67が走行に伴ってダウンカット方向に遊転する。 【0083】 代掻きロータ65は、左右に配備した伝動ケース70と支持部材71とで、伝動軸69を支点にした独立昇降揺動が可能となるように支持され、又、代掻きロータ65の上方に配備した電動式の昇降モータ72に、操作ロッド73及びセクタギヤ74を介して独立昇降駆動可能に操作連係されている。 【0084】 図2〜4及び図9に示すように、昇降モータ72は、搭乗運転部13に装備した回転式のポテンショメータからなるロータ高さ設定用の操作具75と、セクタギヤ74の揺動角度を代掻きロータ65の高さ位置として検出する回転式のポテンショメータからなるロータセンサ76の検出に基づく制御装置40の制御作動で、ロータセンサ76の検出高さが操作具75による設定高さと一致する(設定高さの不感帯幅内に入る)ように作動制御されることで、代掻きロータ65を操作具75で設定した高さ位置に位置させる。 【0085】 つまり、ロータ高さ設定用の操作具75を操作することで、代掻きロータ65を、所望の高さ位置に簡単に位置させることができ、又、不要時には圃場泥面から浮上させた非作用高さ位置に簡単に退避させることができる。 【0086】 図2及び図3に示す符号77は、代掻きロータ65を引き上げ付勢することで、昇降モータ72にかかる代掻きロータ65の引き上げ荷重を軽減する左右一対の引っ張りバネである。 【0087】 図2及び図3に示す符号78は、代掻きロータ65による後方への泥跳ねを防止する泥跳ね防止カバーであり、この泥跳ね防止カバー78は、代掻きロータ65が接地する代掻き作用時においては、泥跳ねを防止するだけでなく、その下端部が圃場泥面に接地して、代掻きロータ65による代掻き跡を適度の押圧力で押え込んでその表面を均平化する。 【0088】 ところで、整地フロート17を接地させた植え付け作業時や整地作業時においては、車速が速くなるほど整地フロート17が浮き易くなることから、車速にかかわらずフロートセンサ54の検出角度θbと設定ダイヤル62による制御目標角度θoとの相関関係を一定に保持すると、作業時の車速が速くなるほど、圃場での柔らかい泥土の僅かな隆起などに対しても整地フロート17が敏感に上昇揺動する傾向になり、よって、整地フロート17の揺動に基づく自動昇降制御において、苗植付装置4が不必要に昇降するハンチングや、苗植付装置4が浮き気味になることに起因した浅植えや整地不良が生じ易くなる。 【0089】 そこで、本実施形態で例示した田植機では、補正手段64が、車速検出手段79の検出速度に基づいて、設定ダイヤル62による制御目標角度θoを適切に補正する、具体的には、圃場での水分量や整地フロート17の形状などから、例えば、図10に示すように、車速検出手段79で検出される車速が、1.5m/sを超えて速くなるほど、それに伴って整地フロート17が浮き易くなることを認識している場合には、その点を考慮して、例えば図11に示すような車速と制御目標角度との相関関係に基づいて、車速が1.5m/sを超えて速くなるほど、制御目標角度θoを前上がり方向に大きく補正するように構成してあり、これによって、作業時の車速が所定速度を超えて速くなるほど、設定ダイヤル62の操作で制御目標角度θoを前上がり方向に大きくする場合と同様に、自動昇降制御での制御感度を鈍感にすることができ、その結果、車速の上昇に伴って、整地フロート17が圃場での柔らかい泥土の僅かな隆起などに対しても敏感に上昇揺動する虞を防止でき、整地フロート17の揺動に基づく自動昇降制御において、苗植付装置4が不必要に昇降するハンチングや、苗植付装置4が浮き気味になることに起因した浅植えや整地不良の発生を回避できる。 【0090】 尚、車速検出手段79の検出速度に基づいて制御目標角度θoを補正する場合には、圃場での水分量や整地フロート17の形状などに応じて、整地フロート17の浮き具合が変わることから、補正手段64における補正係数は、圃場での水分量や整地フロート17の形状などに応じて種々の変更が可能である。 【0091】 ところで、この田植機では、前述したように、主変速レバー23の変速操作位置とエンジン回転数との間において、例えば図8に示すような相関関係が得られるように、主変速レバー23を調速機構31の調速レバー32に操作連係していることから、エンジン回転数を検出することで、主変速レバー23の変速操作位置を割り出すことができ、車速を推測することができる。 【0092】 つまり、車速検出手段79として、エンジン回転数を検出する回転センサを装備するだけで良いことから、回転センサと主変速レバー23の変速操作位置を検出するレバーセンサとを装備して車速検出手段79を構成する場合に比較して、構成の簡素化を図ることができる。 【0093】 〔別実施形態〕 【0094】 〔1〕植え付け作業機としては、水稲苗を植え付ける田植機以外の例えば藺草苗を植え付ける藺草移植機などであってもよい。 【0095】 〔2〕接地体17としては、走行に伴って変化する圃場泥面の起伏などに応じて左右向きの支軸周りに上下揺動する整地板などであってもよい。 【0096】 〔3〕植付機構16としては、クランクアーム式のものであってもよい。 【0097】 〔4〕苗植付装置4を昇降駆動するアクチュエータ2としては、油圧式の昇降モータや電動式の昇降モータなどを採用できる。 【0098】 〔5〕植付深さ検出手段63として、苗植付装置4における接地体17の高さ位置を植え付け深さとして検出する超音波センサなどを採用してもよい。 【0099】 〔6〕補正手段64としては、植付深さ検出手段63によって検出される植え付け深さに応じてフロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正するための植え付け深さとフロートセンサ54の検出角度θbに対する補正係数との相関関係を示す相関関係式を前もって記憶し、その相関関係式と植付深さ検出手段63の検出とから得られる補正係数をフロートセンサ54の検出角度θbに乗じることで、フロートセンサ54の検出角度θbを、実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに対応する角度に適切に補正するものであってもよい。 【0100】 〔7〕補正手段64としては、植付深さ検出手段63によって検出される各植え付け深さに対応して、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正するための複数のフロートセンサ54の検出角度θbと補正値との相関関係を示す相関関係式又はマップデータなどを前もって記憶し、植付深さ検出手段63の検出に基づいて採用する相関関係式又はマップデータなどを選択し、その選択した相関関係式又はマップデータなどとフロートセンサ54の検出角度θbとから得られる補正値をフロートセンサ54の検出角度θbに加えることで、フロートセンサ54の検出角度θbを、実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに対応する角度に適切に補正するものであってもよい。 【0101】 〔8〕補正手段64としては、植付深さ検出手段63の検出に基づいて、設定ダイヤル62による制御目標角度θoを適切に補正して、フロートセンサ54の検出角度θbと設定ダイヤル62による制御目標角度θoとの相関関係を整合させることで、植え付け深さ調節に起因した整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係の変化を考慮した自動昇降制御を行えるようにするものであってもよい。 【0102】 詳述すると、補正手段64は、植付深さ検出手段63によって検出される各植え付け深さに対応して、設定ダイヤル62による制御目標角度θoを適切に補正するための複数の補正係数が前もって記憶され、植付深さ検出手段63の検出に基づいて採用する補正係数を選択し、その選択した補正係数を設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoに乗じることで、制御目標角度θoを適切に補正する。 【0103】 例えば、植え付け深さ調節用の操作レバー51を、植え付け深さが一般的な深さとなる標準位置に設定した際に得られる整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係を基準とする場合には、植え付け深さ調節用の操作レバー51を標準の植え付け深さが得られる標準位置よりも深植え側の操作位置に設定するほど、植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置が高い側に変更されるとともに、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置も高い側に変更されて、フロートセンサ54の検出角度θbが実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに比較して相対的に大きくなることから、補正手段64は、そのときの植付深さ検出手段63で検出される植え付け深さに基づいて、そのときのフロートセンサ54の検出角度θbに対応して、設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoを適正に大きくする補正係数を選択し、その選択した補正係数を設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoに乗じることで、制御目標角度θoを、植え付け深さ調節後のフロートセンサ54の検出角度θbに対応する適切な角度に上昇補正する。 【0104】 逆に、植え付け深さ調節用の操作レバー51を標準位置よりも浅植え側の操作位置に設定するほど、植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置が低い側に変更されるとともに、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置も低い側に変更されて、フロートセンサ54の検出角度θbが実際の整地フロート17の上下揺動角度θaに比較して相対的に小さくなることから、補正手段64は、そのときの植付深さ検出手段63で検出される植え付け深さに基づいて、そのときのフロートセンサ54の検出角度θbに対応して、設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoを適正に小さくする補正係数を選択し、その選択した補正係数を設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoに乗じることで、制御目標角度θoを、植え付け深さ調節後のフロートセンサ54の検出角度θbに対応する適切な角度に下降補正する。 【0105】 つまり、操作レバー51を用いて植え付け深さ調節を行うと、その植え付け深さ調節によって植付機構16に対する整地フロート17の高さ位置が変更されるのに伴って、フロートセンサ54に対する整地フロート17の高さ位置が変更されることになって、整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係、並びに、フロートセンサ54の検出角度θbと設定ダイヤル62による制御目標角度θoとの相関関係に変化が生じるが、このときの植え付け深さ調節に連動して、補正手段64が、設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoを、植付深さ検出手段63の検出に応じて適切に補正して、植え付け深さ調節に伴う整地フロート17の上下揺動角度θaとフロートセンサ54の検出角度θbとの相関関係の変化を許容しながら、フロートセンサ54の検出角度θbと設定ダイヤル62による制御目標角度θoとの相関関係を整合させることから、自動昇降制御においては、植え付け深さ調節にかかわらず、苗植付装置4を、設定ダイヤル62で設定した制御目標角度θoで整地フロート17が接地する接地高さ位置に精度良く維持することができ、植え付け深さ調節で設定した植え付け深さでの良好な苗の植え付けを安定して行える。 【0106】 〔9〕補正手段64が、車速検出手段79の検出速度に基づいて、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正する、具体的には、整地フロート17の形状などから、例えば、図10に示すように、車速検出手段79で検出される車速が、1.5m/sを超えて速くなるほど、それに伴って整地フロート17が浮き易くなることを認識している場合には、その点を考慮して、車速が1.5m/sを超えて速くなるほど、フロートセンサ54の検出角度θbを前下がり方向に大きく補正するように構成することで、作業時の車速が所定速度を超えて速くなるほど、設定ダイヤル62の操作で制御目標角度θoを前上がり方向に大きくする場合と同様に、自動昇降制御での制御感度が鈍感になって、車速の上昇に伴って、整地フロート17が圃場での柔らかい泥土の僅かな隆起などに対しても敏感に上昇揺動する虞を防止できるようにして、整地フロート17の揺動に基づく自動昇降制御において、苗植付装置4が不必要に昇降するハンチングや、苗植付装置4が浮き気味になることに起因した浅植えや整地不良の発生を回避できるようにしてもよい。 【0107】 〔10〕植え付け深さ調節用の操作レバー51を、苗載台15の背面側上部に配備するとともに、その操作レバー51とフロート支点軸50とを、多数の連係部材を備えて構成された連係機構、又は、連係ワイヤなどを介して操作連係するように構成してもよい。 【0108】 〔11〕例えば、支持アーム52を介して接地体17を昇降揺動可能に支持するフロート支点軸50を回転駆動する電動式の昇降モータと、目標植え付け深さ(接地体17の目標高さ位置)を設定変更する回転式のポテンショメータからなる設定ダイヤル(操作手段の一例)と、フロート支点軸50の基準位置からの回動量を植え付け深さ(接地体17の高さ位置)として検出する回転式のポテンショメータからなる植付深さ検出手段63と、設定ダイヤルによる目標植え付け深さに植付深さ検出手段63の検出植え付け深さが一致するように昇降モータの作動を制御する制御手段とを備えて、植え付け深さ調節を電動で行うように構成してもよい。 【0109】 この構成では、設定ダイヤルの操作による植え付け深さ調節に連動して、補正手段64が、設定ダイヤルの出力に基づいて、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正するように構成することが可能になる。 【0110】 〔12〕例えば、支持アーム52を介して接地体17を昇降揺動可能に支持するフロート支点軸50を回転駆動する電動式の昇降モータと、目標植え付け深さ(接地体17の目標高さ位置)を設定変更する回転式のポテンショメータからなる設定ダイヤル(操作手段の一例)と、目標植え付け深さを変更する際の設定ダイヤルの変更操作量に基づいて、その変更操作量に応じた操作量で接地体17が変位するように昇降モータの作動を制御する制御手段とを備えて、植え付け深さ調節を電動で行うように構成してもよい。 【0111】 この構成では、設定ダイヤルの操作による植え付け深さ調節に連動して、補正手段64が、設定ダイヤルの出力に基づいて、フロートセンサ54の検出角度θbを適切に補正するように構成することが可能になり、又、植付深さ検出手段63の装備を不要にできる。 【0112】 〔13〕車速検出手段79を、エンジン回転数を検出する回転センサと、主変速レバー23の変速操作位置を検出するレバーセンサとから構成してもよく、又、走行用の最終伝動軸の回転数を検出する回転センサで構成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0113】 【図1】乗用田植機の全体側面図 【図2】苗植付装置の側面図 【図3】苗植付装置の正面図 【図4】苗植付装置の一部縦断側面図 【図5】植え付け深さ調節構造を示す概略平面図 【図6】変速操作構造を示す要部の縦断側面図 【図7】調速機構の操作構造を示す連係図 【図8】主変速レバーの変速操作位置とエンジン回転数との関係を示す図 【図9】制御構成を示すブロック図 【図10】車速と整地フロートの浮き上がりとの関係を示す図 【図11】車速と制御目標角度との関係を示す図 【符号の説明】 【0114】 1 走行車体 2 アクチュエータ 4 苗植付装置 16 植付機構 17 接地体 40 制御手段 51 操作手段 54 揺動角度検出手段 63 植付深さ検出手段 64 補正手段 79 車速検出手段 θa 接地体の上下揺動角度 θb 検出角度 θo 制御目標角度
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成18年3月29日(2006.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−259782(P2007−259782A) |
| 【公開日】 |
平成19年10月11日(2007.10.11) |
| 【出願番号】 |
特願2006−90283(P2006−90283) |
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