| 【発明の名称】 |
苗植付け装置の苗案内構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】牧原 邦充
【氏名】宮西 吉秀
【氏名】谷 敬次
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| 【要約】 |
【課題】左右に往復移動する苗のせ台の下端部を案内支持する摺動レールに、苗取出し口から下方に向けて植付け爪の先端移動軌跡に沿う苗ガイドを取付けてなる苗植付け装置の苗案内構造において、苗ガイド内面への泥の付着堆積をなくして良好な案内機能を発揮させながら、苗ガイドからの泥の抜け出しによる悪影響を抑制する。
【解決手段】苗ガイド26を、植付け爪12の先端移動軌跡Sを挟んで左右に対向配備される縦壁状の横ガイド部26aと、左右の横ガイド部26aの間において植付け爪12の先端移動軌跡Sに沿って下向き片持ち状に配備される左右に小幅の中央ガイド部26bと、この中央ガイド部26bの前方において左右の横ガイド部26aの間を塞ぐ上下に長い前方カバー部26cとを備えて構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右に往復移動する苗のせ台の下端部を案内支持する摺動レールに、苗取出し口から下方に向けて植付け爪の先端移動軌跡に沿う苗ガイドを取付けてなる苗植付け装置の苗案内構造において、 前記苗ガイドを、植付け爪の先端移動軌跡を挟んで左右に対向配備される縦壁状の横ガイド部と、左右の前記横ガイド部の間において植付け爪の先端移動軌跡に沿って下向き片持ち状に配備される左右に小幅の中央ガイド部と、この中央ガイド部の前方において左右の前記横ガイド部の間を塞ぐ上下に長い前方カバー部とを備えてあることを特徴とする苗植付け装置の苗案内構造。 【請求項2】 前記前方カバー部で左右の前記横ガイド部を架橋連結してある請求項1記載の苗植付け装置の苗案内構造。 【請求項3】 前記前方カバー部を前記横ガイド部の上半部に対応させて設置してある請求項1または2記載の苗植付け装置の苗案内構造。 【請求項4】 前記前方カバー部の下端に、前記横ガイド部より前方において下方に開放された泥抜き空間を形成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の苗植付け装置の苗案内構造。 【請求項5】 前記横ガイド部、中央ガイド部、および、前方カバー部を一体形成してある請求項1〜4のいずれか1項に記載の苗植付け装置の苗案内構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、左右に往復移動する苗のせ台の下端部を案内支持する摺動レールに、苗取出し口から下方に向けて植付け爪の先端移動軌跡に沿う苗ガイドを取付けてなる苗植付け装置の苗案内構造に関する。 【背景技術】 【0002】 上記苗案内構造に用いられる苗ガイドとしては、例えば、特許文献1に開示されているように、植付け爪の先端移動軌跡を挟んで左右に縦壁状に対向配備される樹脂製の苗ガイド体と、左右の苗ガイド体の奥側(前方)を塞ぐように植付け爪の先端移動軌跡に沿って下向き片持ち状に配備されるステンレス板製の奥側ガイドとで構成されており、苗のせ台の下端から植付け爪で切り出されて下方に搬送される苗を、若干下すぼまり状に対向配備された苗ガイド体で左右から弾性的に挟み込み案内して、取出し苗の床土の崩れや苗葉の拡がり抑止するとともに、奥側ガイドで前方から摺接案内して取出し苗が植付け爪から前方に抜け外れることを防止している。 【特許文献1】特開2000−60246号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記構成の苗ガイドは、植付け爪および取出し苗を通過させる案内空間が、左右の苗ガイド体と奥側ガイドとで囲まれて後向きに開放された長い溝状になるので、取出し苗を左右および前方から面でもって確実に案内することができ、高い案内機能を発揮するものであるが、その反面、案内空間が上下に長い溝状で、左右および前方に大きい案内面を有するものであるために、植付け爪に付着して持ち上げられた圃場の泥や取出し苗の床土の一部が苗ガイドの内面に付着堆積して苗案内機能が損なわれる状態になるおそれがある。 【0004】 このような不具合を解消するために、前記案内空間の内奥に配備される奥側ガイドを棒状にすることで、案内空間の内奥から泥の逃げ出しを可能に構成して、苗ガイド内面への泥の付着堆積をなくす工夫もなされているが、泥の付着堆積を無くすことができる反面、案内空間の内奥から飛び出して整地フロートの上面に付着堆積する泥が多くなる。 【0005】 近年の田植機においては、苗植付け装置に後部支点周りに上下揺動可能に装備された複数の整地フロートのうちの一部(一般には中央のもの)の整地フロートを、接地圧の変動に基づいて上下揺動変位するセンサフロートとし、このセンサフロートの上下揺動変位を検知して苗植付け装置を昇降する自動昇降制御が行われ、耕盤の凹凸にかかわらず苗植付け装置を田面に対して所定高さに維持して植付け深さを安定させるよう構成されている。このような自動昇降制御が行われる苗植付け装置では、センサフロートに泥が付着堆積することでフロート重量が大きくなり、センサフロートを下方(接地方向)に押圧する基準荷重(センサ荷重)が増大する。このために、センサフロートが上方変位しにくくなって上昇作動に対する制御感度が鈍化し、植付け深さが所期よりも深い目に変化してしまう。 【0006】 本発明は、このような点に着目してなされたものであって、苗ガイド内面への泥の付着堆積をなくして良好な案内機能を発揮させながら、苗ガイドからの泥の抜け出しによる悪影響を抑制することを主たる目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0007】 第1の発明は、左右に往復移動する苗のせ台の下端部を案内支持する摺動レールに、苗取出し口から下方に向けて植付け爪の先端移動軌跡に沿う苗ガイドを取付けてなる苗植付け装置の苗案内構造において、 前記苗ガイドを、植付け爪の先端移動軌跡を挟んで左右に対向配備される縦壁状の横ガイド部と、左右の前記横ガイド部の間において植付け爪の先端移動軌跡に沿って下向き片持ち状に配備される左右に小幅の中央ガイド部と、この中央ガイド部の前方において左右の前記横ガイド部の間を塞ぐ上下に長い前方カバー部とを備えてあることを特徴とする。 【0008】 上記構成によると、苗ガイドの内部に形成された案内空間の内奥には小幅の中央ガイド部が存在しているので、植付け爪に保持された苗の床土部は中央ガイド部によって前方から摺接案内され、植付け爪の先端から苗が抜け外れることが阻止される。 【0009】 中央ガイド部の左右(前方カバー部の部分を除く)は開放されているので、植付け爪に付着した泥や、苗の床土部から分離した土は中央ガイド部の左右から抜け出しやすく、苗ガイドの内部に多量に付着堆積することはない。 【0010】 苗ガイドの内部に形成された案内空間の内奥一部は上下に長い前方カバー部で塞がれているので、この前方カバー部によって泥の前方への飛び出しを阻止して、整地フロートの上面に降りかからないようにすることができる。 【0011】 従って、第1の発明によると、苗ガイド内面への泥の付着堆積をなくして良好な案内機能を発揮させることができるとともに、苗ガイドからの泥の抜け出しによる整地フロートなどへの悪影響を抑制することが可能となる。 【0012】 第2の発明は、上記第1の発明において、 前記前方カバー部で左右の前記横ガイド部を架橋連結してあるものである。 【0013】 上記構成によると、前方カバー部は泥抜け出しを阻止する機能のみならず、左右の前記横ガイド部が左右外方に拡がり変形するのを抑止し、苗ガイドの内部に形成される案内空間の横幅を安定維持して良好な苗案内作用を発揮させることができる。 【0014】 第3の発明は、上記第1または2の発明において、 前記前方カバー部を前記横ガイド部の上半部に対応させて設置してあるものである。 【0015】 上記構成によると、苗ガイドの上半は泥が勢いよく前方に飛散しやすい領域であり、ここに前方カバー部を配備することで、効率よく泥の飛散を抑制することがでいる。前方カバー部より下方領域では苗ガイドの案内空間は前方に向けて開放されることになるが、この領域では泥の飛散方向は下向きになり、泥が整地フロートの上面などに向かうことなく直接に田面に落ちてゆく。 【0016】 第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、 前記前方カバー部の下端に、前記横ガイド部より前方において下方に開放された泥抜き空間を形成してあるものである。 【0017】 上記構成によると、横ガイド部の内面に受止められた泥が泥抜き空間を経て容易に下方に流下排出されることになり、横ガイド部の内部での泥の付着堆積が進行して、苗案内機能が損なわれるようなことはない。 【0018】 第5の発明は、上記第1〜4のいずれか一つの発明において、 前記横ガイド部、中央ガイド部、および、前方カバー部を一体形成してあるものである。 【0019】 上記構成によると、苗ガイド全体の強度が高いものとなり、樹脂材で成形しても長期間に亘って良好に使用することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 図1に、乗用田植機の後部に連結装備される6条植え仕様の苗植付け装置1の側面が示されている。この苗植付け装置1は、図外左方の走行機体に備えられた昇降リンク機構2の後端下部にローリング自在に連結されており、6条分のマット状苗を載置して一定ストロークで往復横移動される苗のせ台3、この苗のせ台3の下端から1株分づつ苗を切り出して田面に植え付けてゆく6組の回転式の植付け機構4、田面Tの植付け箇所を2条単位で均平整地するよう並列配備された3個の整地フロート5、等が備えられている。 【0021】 各整地フロート5は後支点aを中心に上下揺動可能に支持されており、中央の整地フロート5が、苗植付け装置1の対地高さを検知するためのセンサフロートSFとなっている。このセンサフロートSFの上下揺動変位がポテンショメータPMによって検出され、その検出情報に基づいて昇降リンク機構2が図示されていない油圧シリンダで駆動昇降され、耕盤の凹凸によって機体が上下動および前後傾斜しても、苗植付け装置1が田面Tに対して所定の高さ範囲に維持する自動昇降制御が行われる。 【0022】 苗植付け装置1の下部には左右に長い角筒状の植付けフレーム6が装備されており、この植付けフレーム6の左右中間部に走行機体からの動力を受けるフィードケース7が連結されるとともに、植付けフレーム6の左右3箇所から植付け駆動ケース8が後向き片持ち状に連結されている。各植付け駆動ケース8の後部は一定方向に回転駆動される植付け駆動軸9が貫通横架されており、この植付け駆動軸9に前記植付け機構4が装着されている。 【0023】 植付け機構4には、前記植付け駆動軸9によって回転駆動される回転ケース10と、この回転ケース10における両端部の横外側に横軸心回りに自転可能に軸支された爪ケース11とが備えられ、各爪ケース11には植付け爪12と苗押し出し具13が備えられている。回転ケース10が植付け駆動軸9によって前進回転方向(図1において反時計方向)に定速で1回転されるのに連動して爪ケース11が回転ケース10に内装された図示されない不等速ギヤ伝動機構によって逆方向に不等速で1回転自転され、これによって、植付け爪12が、苗のせ台3の下端と田面Tとに亘る縦長の先端移動軌跡Sを描いて循環移動するようになっている。植付け爪12が苗のせ台下端から切り出し保持した苗fを田面Tに持ち込む時点で苗押し出し具13が爪先側に突出作動して保持した苗を植付け爪12から分離して地中に押込むように構成されている。 【0024】 並列した植付け駆動ケース8の基部上方箇所には、アルミ押し出し成形材からなる摺動レール15が横架支持され、この摺動レール15に苗のせ台3の下端下面に連結したスライド部材16が斜め上方から嵌合されている。植付けフレーム6からは左右一対の支柱17が立設され、この支柱17の上端部に苗のせ台3が背面から左右スライド可能に受止め支持されている。 【0025】 苗のせ台3は、1条単位で樹脂成形された6枚の単位素材を左右に連結して6条分の苗を載置できる横幅に構成されており、各条の苗載置収容部の下部に苗送りベルト18が装備されている。苗送りベルト18は、苗のせ台3が横移動ストロークエンドに到達する毎に所定量づつ下方に回動されて、載置したマット状苗を下方に送るよう駆動される。 【0026】 各条の苗送りベルト18の左右には接触式の苗残量センサ19が配備されている。この苗残量センサ19は走行機体側の検出装置に配線接続されており、載置したマット状苗の終端(上端)が苗残量センサ19から外れたことが検知されると、走行機体における運転部に配備された報知手段(警報ランプ、警報ブザー)が作動して、運転者に苗補給を促すよう構成されている。苗残量センサ19から走行機体に向けて導出されたハーネス20は、図6に示すように、苗のせ台3の背面一体形成されたクランプ爪21によって弾性的に係入係止されて所定の径路に沿って配線される。 【0027】 図6〜8に示すように、苗のせ台3の上端には、各条ごとに延長苗のせ台22がスライド出退自在に差込み装着されており、延長苗のせ台22を伸ばした状態では苗のせ台全体が、2枚のマット状苗を縦列に載置収容できる長さになる。延長苗のせ台22は、左右に幅広に形成された左右一対の本体部22aと、棒状に形成された複数本のリブ部22bとを樹脂材で一体形成して略櫛歯状に構成されている。本体部22aは、苗のせ台背部に横架連結された支持枠14と苗のせ台下面との間に差込み支持され、リブ部22bが苗のせ台3の上面に重ねられるようになっている。苗のせ台3の上面には、載置したマット状苗の下方への滑動を促す縦リブ23が多数本形成されるとともに、延長苗のせ台22のリブ部22bは下向きに開口された逆U形の断面に形成され、延長苗のせ台22におけるリブ部22bの複数が苗のせ台3の縦リブ23に上方から外嵌されている。これによって、延長苗のせ台22が左右に位置決めされるとともに、コジレなく直線状にスライド出退できるようになっている。 【0028】 前記摺動レール15の長手方向6箇所には各植付け条における植付け爪12が通過する苗取出し口25が切欠き形成されるとともに、この苗取出し口25から下方に向けて、植付け爪12の先端移動軌跡Sに沿った側面視で湾曲形状の苗ガイド26が取付けられている。 【0029】 苗ガイド26は樹脂材で一体成形されたものであり、植付け爪12の先端移動軌跡Sを挟んで左右に対向配備される縦壁状の横ガイド部26aと、左右の横ガイド部26aの間において植付け爪12の先端移動軌跡Sに沿って下向き片持ち状に配備される左右に小幅の中央ガイド部26bと、この中央ガイド部26bの前方において左右の横ガイド部26aの間を塞ぐ上下に長い前方カバー部26cと、摺動レール15に対する左右の取付け片26dとを備えている。 【0030】 左右の横ガイド部26aは、やゝ下狭まりに対向されており、植付け爪12で切り取り保持された苗fを左右から弾性的に挟み込んで、床土部の崩れや苗葉の拡がりを抑制する。左右の横ガイド部26aの上端前部同士は架橋部26eでつながれており、この架橋部26eが摺動レール15の後面に形成された浅溝27に係入されることで、苗ガイド26の上下位置決めがなされている。 【0031】 中央ガイド部26bは、植付け爪12で保持された苗fの床土部を前方から摺接案内して、苗fの前方への抜け出しを阻止する。 【0032】 前方カバー部26cは、苗ガイド26の上半部に対応した高さにおいて、左右の横ガイド部26aを架橋連結しており、この前方カバー部26cの内面から中央ガイド部26bが下方に延出されている。前方カバー部26cは横ガイド部26aより前方に離れて設けられており、前方カバー部26cの下端には、下方に開放された泥抜き空間cが中央ガイド部26bの左右に位置して形成されている。 【0033】 取付け片26dは、横ガイド部26aの上端から横外方に延出されており、苗取り出し口25の左右において摺動レール15の縦壁部15aにネジ連結あるいはカシメつけ連結される。 【0034】 本発明の係る苗案内構造は以上のように構成されており、植付け爪12が苗ガイド26を通過する際、植付け爪12に付着した泥や取り出し苗fの床土部から分離した土が、植付け爪12の移動に伴う慣性によって前方に飛び出ることが前方カバー部26cで受け止め阻止され、前方カバー部26cの下端にある泥抜き空間cを通って落下することで、整地フロート5に降りかかることなく田面Tに落ちる。 【0035】 〔他の実施例〕 【0036】 (1)中央ガイド部26bを金属材などで別途製作して、その上部を前方カバー部26cに連結支持する構造とすることもできる。 【0037】 (2)前方カバー部26cを金属板材で製作して左右の横ガイド部26aに架橋連結することもできる。 【0038】 (3)植付け機構4として、クランク式のものを使用した苗植付け装置1に適用することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】苗植付け装置の側面図 【図2】苗のせ台の正面図 【図3】(イ)苗取り出し箇所の側面図、(ロ)A-A線断面図、B-B線断面図、C-C線断面図 【図4】苗ガイドの背面図 【図5】苗ガイドの正面図 【図6】苗のせ台の縦断側面図 【図7】苗のせ台の上端部と延長苗のせ台の正面図 【図8】苗のせ台と延長苗のせ台の縦断面図 【符号の説明】 【0040】 3 苗のせ台 12 植付け爪 15 摺動レール 25 苗取出し口 26 苗ガイド 26a 横ガイド部 26b 中央ガイド部 26c 前方カバー部 c 泥抜き空間 S 先端移動軌跡
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成18年3月13日(2006.3.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−236357(P2007−236357A) |
| 【公開日】 |
平成19年9月20日(2007.9.20) |
| 【出願番号】 |
特願2006−67458(P2006−67458) |
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