| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】都田 洋三
【氏名】宗安 規
【氏名】松原 正彦
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| 【要約】 |
【課題】対地作業機の高速駆動が規制された移植機を提供することを課題としている。
【解決手段】走行機体1と植付作業機7とを備えた移植機のトランスミッション28を、圃場に対する作業を行う対地作業機17への駆動力を出力する対地作業機駆動軸56への駆動力を、走行駆動力を複数段に変速するギヤ式の走行変速部における植付作業時の走行用の低速駆動力を伝動する低速駆動伝動ギヤ43,61側に連係して取り出すように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体(1)と、該走行機体(1)に連結される植付作業機(7)と、圃場に対する作業を行う対地作業機(17)とを備え、走行機体(1)側のトランスミッション(28)が、対地作業機(17)への駆動力を出力する対地作業機駆動軸(56)と、走行駆動力を複数段に変速するギヤ式の走行変速部とを備え、該走行変速部が、植付作業時の走行用の低速駆動力を伝動するための低速駆動伝動ギヤ(43),(61)と、植付作業時の走行より高速な高速走行用の高速駆動力を伝動するための高速駆動伝動ギヤ(44),(62)とを備えた移植機において、上記トランスミッション(28)が、対地作業機駆動軸(56)への駆動力を、走行変速部における低速駆動伝動ギヤ(43),(61)側に連係して取り出すように構成された移植機。 【請求項2】 低速駆動伝動ギヤ(43)と高速駆動伝動ギヤ(44)とが一体的に、低速用の駆動力を出力する低速ギヤ(38)又は高速用の駆動力を出力する高速ギヤ(39)に択一的に噛み合うシフタギヤ(42)を構成し、シフタギヤ(42)における低速駆動伝動ギヤ(43)と低速ギヤ(38)との噛み合い状態においてのみ低速駆動伝動ギヤ(43)と噛み合う対地作業機出力ギヤ(53)をトランスミッション(28)に設け、トランスミッション(28)が、対地作業機駆動軸(56)に対地作業機出力(53)ギヤを介して駆動力を伝動する構成である請求項1の移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、圃場に対する作業を行う対地作業機を備えた移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 従来走行機体と、該走行機体に連結される植付作業機と、圃場に対する作業を行う対地作業機とを備え、走行機体側のトランスミッションが、対地作業機への駆動力を出力する対地作業機駆動軸と、走行駆動力を複数段に変速するギヤ式の走行変速部とを備え、該走行変速部が、 植付作業時の走行用の低速駆動力を伝動するための低速駆動伝動ギヤと、植付作業時の走行より高速な高速走行用の高速駆動力を伝動するための高速駆動伝動ギヤとを備えた移植機が公知となっている(例えば特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2005−124442号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記移植機において、対地作業機に伝動される駆動力は、走行変速部による変速後の駆動力であるため、対地作業機は、圃場での作業走行時に、走行速度に伴って駆動速度が変更され、走行機体の走行速度が変化しても略同条件で圃場に対する作業を行うことができる。 【0004】 ただし走行機体の走行速度が、圃場内での作業走行速度に比較して高速となる状態、例えば路上での走行時には、圃場内での作業に必要な速度以上の高速駆動力が対地作業機に伝動される。 【0005】 通常路上での走行時等においては対地作業機は駆動されないが、誤って対地作業機に駆動力を伝動すると、対地作業機が高速駆動され、対地作業機の破損等が発生する場合があるという欠点があった。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題を解決するための本発明の移植機は、走行機体1と、該走行機体1に連結される植付作業機7と、圃場に対する作業を行う対地作業機17とを備え、走行機体1側のトランスミッション28が、対地作業機17への駆動力を出力する対地作業機駆動軸56と、走行駆動力を複数段に変速するギヤ式の走行変速部とを備え、該走行変速部が、植付作業時の走行用の低速駆動力を伝動するための低速駆動伝動ギヤ43,61と、植付作業時の走行より高速な高速走行用の高速駆動力を伝動するための高速駆動伝動ギヤ44,62とを備えた移植機において、上記トランスミッション28が、対地作業機駆動軸56への駆動力を、走行変速部における低速駆動伝動ギヤ43,61側に連係して取り出すように構成されたことを第1の特徴としている。 【0007】 第2に、低速駆動伝動ギヤ43と高速駆動伝動ギヤ44とが一体的に、低速用の駆動力を出力する低速ギヤ38又は高速用の駆動力を出力する高速ギヤ39に択一的に噛み合うシフタギヤ42を構成し、シフタギヤ42における低速駆動伝動ギヤ43と低速ギヤ38との噛み合い状態においてのみ低速駆動伝動ギヤ43と噛み合う対地作業機出力ギヤ53をトランスミッション28に設け、トランスミッション28が、対地作業機駆動軸56に対地作業機出力53ギヤを介して駆動力を伝動する構成であることを特徴としている。 【発明の効果】 【0008】 以上のように構成される本発明の構造によると、対地作業機は、駆動時には、必ず低速で駆動されるため、対地作業機が誤って高速駆動されることによる対地作業機の破損や泥土の跳ね飛ばし等の不都合が防止されるという効果がある。 【0009】 特に低速駆動伝動ギヤと高速駆動伝動ギヤとを一体的に、低速用の駆動力を出力する低速ギヤ又は高速用の駆動力を出力する高速ギヤに択一的に噛み合うシフタギヤとし、シフタギヤにおける低速駆動伝動ギヤと低速ギヤとの噛み合い状態においてのみ低速駆動伝動ギヤと噛み合う対地作業機出力ギヤをトランスミッションに設け、トランスミッションを対地作業機駆動軸に対地作業機出力ギヤを介して駆動力を伝動する構成とすることによって、移植機が高速駆動伝動ギヤを介して高速走行している状態では対地作業機が駆動されない。これにより移植機の路上走行時等の高速走行時において対地作業機の誤った不要な駆動が規制される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 図1は本発明を適用した移植機である乗用田植機の側面図である。該乗用田植機の走行機体1は、前後輪2,3を備えている。前輪2及び後輪3の間の位置には、運転用のシート4が設けられている。走行機体1の後方には、昇降リンク6を介して植付作業機7が昇降自在、且つローリング可能に連結されている。 【0011】 植付作業機7のフレーム(作業機フレーム)8は、縦方向の縦フレーム9と、該縦フレーム9の下方に左右方向に横設されている横フレーム11とを備えている。縦フレーム9と横フレーム11とは一体的に固定されている。 【0012】 作業機フレーム8側に苗載せ台12が取り付けられている。横フレーム11側に、複数のプランタケース13が取り付けられている。プランタケース13に苗の植付け用のビーク14が植付部として設けられている。プランタケース13の下方には、左右方向に複数のフロート16が設けられている。 【0013】 本乗用田植機は、フロート16が圃場面に接地するように植付作業機7を下降させ、走行機体1を走行させながらビーク14を回転駆動することによって、ビーク14が苗載せ台7上の苗を掻きとって圃場に植え付ける。本乗用田植機は代掻同時移植機ではないため、代掻き後の圃場への苗の植付作業を行う。 【0014】 植付作業機7側には、ビーク14の前方且つ後輪3の後方に、ビーク14と後輪3との間に位置するように、植付作業機7の略全幅にわたって整地ロータ17が設けられている。整地ロータ17は、支点軸(ロータ軸)18に回転駆動自在に軸支されている。 【0015】 ロータ軸18は、支持ロッド19によって作業機フレーム8側に支持されている。支持ロッド19は、横フレーム11側に取り付けられたパイプ21に上下スライド自在に挿入されている。これにより整地ロータ17は上下スライドが可能であり、高さ調節可能に取り付けられている。 【0016】 整地ロータ17は圃場内への挿入状態で回転駆動されることによって、圃場の表面から植付け深さまでの圃場表層の整地作業を行う対地作業機である。整地ロータ17により、上記植付け作業時に走行機体1の旋回等により荒れた代掻き後の圃場の枕地等の整地を行い、整地後の圃場に苗を植え付けることが可能である。 【0017】 図2の駆動力の伝動線図に示されるように、走行機体1に搭載されたエンジン22の駆動力は、ベルト23を介して走行機体1側に設けられた油圧無段変速装置(HST)24に入力されている。 【0018】 走行機体1側のトランスミッション28の分岐伝動軸29には、HST24の出力軸26からメインクラッチ27を介して駆動力が伝動されている。分岐伝動軸29には、植付作業機7用の駆動力を出力する植付出力ギヤ31と、走行用の駆動力を出力する走行出力ギヤ32が一体的に取り付けられている。 【0019】 植付出力ギヤ31は株間変速機構33のギヤに噛み合い、株間変速機構に駆動力を伝動している。株間変速機構は伝動された駆動力を変速して作業機駆動軸34に伝動する。作業機駆動軸34から植付作業機7への駆動力が出力される。 【0020】 走行出力ギヤ32は、トランスミッション28の副変速入力軸36に軸支された副変速入力ギヤ37と噛合している。副変速入力軸36には、走行出力ギヤ32から副変速入力ギヤ37を介して駆動力が伝動されている。 【0021】 副変速入力軸36には、圃場での植付作業時の作業走行用に低速駆動力を出力するための低速ギヤ38と、作業走行より高速な高速走行、例えば路上走行等において使用する高速駆動力を出力するための高速ギヤ39とが一体回転するように取り付けられている。 【0022】 トランスミッション28には、副変速入力軸36の下流側に、副変速出力軸41が設けられている。副変速出力軸41には、低速ギヤ38又は高速ギヤ39に択一的に噛み合い駆動力を取り出すシフタギヤ42がスライド自在に軸支されている。 【0023】 シフタギヤ42は、上記低速ギヤ38と噛み合う低速駆動伝動ギヤ43と、上記高速ギヤ39と噛み合う高速駆動伝動ギヤ44とからなる。低速ギヤ38と低速駆動伝動ギヤ43とを噛合させることによって副変速出力軸41には低速駆動力が伝動される。高速ギヤ39と高速駆動伝動ギヤ44とを噛合させることによって副変速出力軸41には高速駆動力が伝動される。 【0024】 副変速入力軸36,低速ギヤ38,高速ギヤ39,シフタギヤ42(低速駆動伝動ギヤ43高速駆動伝動ギヤ44),副変速出力軸41によって、HST24により主変速された駆動力を高速と低速の2段に変速する副変速部がギヤ式の走行変速部として構成されている。 【0025】 副変速出力軸41には、前輪駆動用の前輪駆動出力ギヤ46と後輪駆動用の後輪駆動出力ギヤ47とが一体的に取り付けられている。前輪駆動出力ギヤ46は前輪用のディファレンシャルギヤ48に噛合している。これにより前輪駆動出力ギヤ46から前輪用のディファレンシャルギヤ48に、HST24による主変速及び副変速部による副変速後の走行駆動力が伝動され、前輪2が駆動される。 【0026】 一方後輪駆動出力ギヤ47は走行PTO軸49に取り付けられたギヤ51に噛合している。これにより後輪駆動出力ギヤ47から走行PTO軸49に、HST24による主変速及び副変速部による副変速後の走行駆動力が伝動され、後輪3が駆動され、前輪2及び後輪3によって走行機体1の走行が行われる。なお植付作業機7は副変速に関係なく、HST24による主変速後の駆動力によって駆動される。 【0027】 トランスミッション28には、整地ロータ17への駆動力を取り出す駆動力取出軸52が設けられている。駆動力取出軸52には駆動力取出ギヤ53が一体的に取り付けられている。駆動力取出ギヤ53は、シフタギヤ42の低速駆動伝動ギヤ43を低速ギヤ38に噛み合わせると、低速駆動伝動ギヤ43が低速ギヤ38とともに駆動力取出ギヤ53に噛合するように配置されている。 【0028】 シフタギヤ42の低速駆動伝動ギヤ43を低速ギヤ38に噛み合わせることによって、副変速出力軸42と駆動力取出軸52とに低速駆動力が伝動される。駆動力取出軸52に伝動された駆動力は、ベベルギヤ54を介して整地ロータ17への駆動力を出力するロータ駆動軸56に伝動される。 【0029】 HST24による主変速及び副変速部による副変速後の駆動力がロータ駆動軸56に伝動され、ロータ駆動軸56から伝動軸55を介して整地ロータ17のギヤボックスに伝動され、整地ロータ17が回転駆動される。 【0030】 整地ロータ17は圃場内での作業走行時にのみ走行機体1の走行速度に応じた速度で回転駆動され、走行速度に応じて整地ロータ17の回転速度が変更される。このため整地ロータ17は、圃場内での作業走行時には、全ての走行速度において略同条件で圃場の整地を行うことができる。 【0031】 上記伝動系により、整地ロータ17は副変速が低速側(作業走行側)に変速されると整地作業を行うことができる低速で回転駆動され、路上走行等で副変速が高速側に変速されると、駆動力が断たれ回転が停止する。 【0032】 これにより路上走行時等において不要な整地ロータ17の駆動が規制される。また整地ロータ17は、駆動時には常に低速で回転駆動され、整地ロータ17が誤って高速駆動されることによる整地ロータ17の破損や泥土の跳ね飛ばし等の不都合が防止される。 【0033】 この場合整地ロータ17への駆動力は、低速ギヤ38によって低速で回転駆動される低速駆動伝動ギヤ43から取り出されるため、取り出された時点で低速回転の駆動力であり、整地ロータ17の駆動用に出力された駆動力を大きく減速する必要がない。 【0034】 図3の伝動線図に示されるように、爪61aを備えた低速駆動伝動ギヤ61と爪62aを備えた高速駆動伝動ギヤ62を副変速出力軸41に自由回転自在に軸支し、低速駆動伝動ギヤ61と高速駆動伝動ギヤ62との間に、いずれか一方のギヤ61又は62の爪61a又は62aに噛み合う爪クラッチ63を設けて副変速部を構成することもできる。 【0035】 この場合は低速ギヤ38と低速駆動伝動ギヤ61、高速ギヤ39と高速駆動伝動ギヤ62、駆動力取出ギヤ53と低速駆動伝動ギヤ61は、各々予め噛合している。爪クラッチ63を低速駆動伝動ギヤ61の爪61aに噛み合わせることによって副変速出力軸41に低速駆動力が伝動され、爪クラッチ63を高速駆動伝動ギヤ62の爪62aに噛み合わせることによって副変速出力軸41に高速駆動力が伝動される。 【0036】 一方ロータ駆動軸56には常時低速駆動伝動ギヤ61を介して低速駆動力が入力されている。このため整地ロータ17は、常に副変速が低速側に切り換えられた状態と同じ、副変速が低速状態でHST24による主変速に追従しながら低速回転駆動される。 【0037】 この場合整地ロータ17は、回転駆動される場合は、常に低速で回転駆動され、整地ロータ17が誤って高速駆動されることによる整地ロータ17の破損や泥土の跳ね飛ばし等の不都合が防止される。 【0038】 整地ロータ17への駆動力は、低速ギヤ38によって低速で回転駆動される低速駆動伝動ギヤ61から取り出されるため、取り出された時点で低速回転の駆動力であり、整地ロータ17の駆動用に出力された駆動力を大きく減速する必要がない。なお図3において図2と同一符号は同一部品を示し、同一機能については説明を割愛する。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】乗用田植機の側面図である。 【図2】本乗用田植機の駆動力の伝動状態を示す伝動線図である。 【図3】本乗用田植機の駆動力の他の伝動状態を示す伝動線図である。 【符号の説明】 【0040】 1 走行機体 7 植付作業機 17 整地ロータ(対地作業機) 28 トランスミッション 38 低速ギヤ 39 高速ギヤ 42 シフタギヤ 43 低速駆動伝動ギヤ 44 高速駆動伝動ギヤ 53 駆動力取出ギヤ(対地作業機出力ギヤ) 56 ロータ駆動軸(対地作業機駆動軸) 61 低速駆動伝動ギヤ 62 高速駆動伝動ギヤ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年2月24日(2006.2.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081673 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 誠
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| 【公開番号】 |
特開2007−222087(P2007−222087A) |
| 【公開日】 |
平成19年9月6日(2007.9.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−47836(P2006−47836) |
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