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【発明の名称】 シーダーテープ繰出し検知装置
【発明者】 【氏名】百合 章二郎

【要約】 【課題】シーダーテープ繰出し検知装置の側板の回転を検出し、側板の回転が停止したと判定した時に警報等を発生することができるシーダーテープ繰出し検知装置を提供する。

【解決手段】少なくとも1個の回転検出用の検出板21がシーダーテープリール10の側板11に配置されている。近接センサ22は、シーダーテープリール10を回転可能に支持する播種機側で検出板21の回転経路を望む位置に設けられている。判定回路25は近接センサ22の出力が予め定めた一定期間以上変化しないときにシーダーテープの繰り出しの不具合を示す信号を発生する。警報発生器28は前記不具合を示す信号に基づいて警報を発生する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
播種機に搭載され播種中のシーダーテープリールの回転を検出することによりシーダーテープの繰り出しを検出するシーダーテープ繰出し検知装置であって、
シーダーテープリールの側板に配置された少なくとも1個の回転検出用の検出板と、
前記シーダーテープリールを回転可能に支持する播種機側で前記検出板の回転経路を望む位置に設けられた近接センサと、
前記近接センサの出力が予め定めた一定期間以上変化しないときにシーダーテープの繰り出しの不具合を示す信号を発生する判定回路と、
前記不具合を示す信号に基づいて警報を発生する警報発生器と、
から構成したシーダーテープ繰出し検知装置。
【請求項2】
前記近接センサは誘導形,静電容量形,または磁気形のセンサの何れかであり、対応する検出板はそれぞれ、金属片,金属または高誘電率片,または磁性片である請求項1記載のシーダーテープ繰出し検知装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シーダーテープ繰出し検知装置、さらに詳しく言えばシーダーテープの繰り出しに何らかの不都合が発生したときにいち早く作業者に知らせて、播種もれなどの発生を防止するのに適したシーダーテープ繰出し検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シーダーマルチャーは、播種作業の合理化兼その後の作物の成長を大幅に改善できる。以下の特許文献1,2に係る発明はシーダーマルチャーの播種装置に関連するものである。
【特許文献1】実開昭54−70842号公報
【特許文献2】特開2005−65522号公報
【0003】
図4A〜図4Cを参照して従来のシーダーテープを用いて播種する播種機やリールの基本的な構成を説明する。本発明による後述するシーダーテープ繰出し検知装置は、同様な機種に用いられるものであるから、共通する要素には、同一の符号を付して説明する。
シーダーテープ播種機13は、図4A〜4Cに示すように、フレーム1,前車輪軸2,前車輪3,後車輪軸4,後車輪5,リールスタンド6,リールホルダ7(図4C参照)および播種パイプ8を備えている。前車輪3は前車輪軸2に対して回転可能であり、後車輪5は後車輪軸4に対して回転可能である。
シーダーテープ12は両端に側板11を備えたリール10に巻きつけられており、リール10は、リールホルダ7に回転可能となるように挿入固定されている。側板11はリール10と一体に設けることもできる。
【0004】
次に図5を参照して従来のシーダーテープ播種機の作用を説明する。シーダーテープ播種機13の取付金具9をトラクタ14の後部にある取付金具16に連結する。
次に、シーダーテープ12を巻き付けたリール10をリールホルダ7(図4C参照)に固定し、シーダーテープ12の端部を播種パイプ8に通して、後車輪5後方まで引出す。この状態において、トラクタ14を運転前進させると、前車輪3が回転して圃場表面を平面に整地する。その後を、予め設定した深さで播種パイプ8が土中を進行し、リール10から繰出されたシーダーテープ12が播種パイプ8開口部より土中に埋設される。その後を、後車輪5が回転して、播種パイプ8通過後の圃場表面の溝を踏み潰し、シーダーテープ12が所定の深さで埋設される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したシーダーテープ播種機において、シーダーテープ12が繰出されていることを確認するには、シーダーテープ12を巻き付けたリール10及び側板11が回転していることを目視する必要がある。
特にシーダーテープ播種機13をトラクタ14等の後部に連結してシーダーテープ播種作業を行う場合(通常複数のリールを並列に配置して多条の播種を行う)、作業者が時々後方を振り返りながら、リール10および側板11が回転していることを確認する必要があり、作業負担が大きかった。
本発明の目的は、前述の従来例の問題点に着目してなされたもので、側板の回転を検出し、側板の回転が停止したと判定した時に、警報等を発生することができるシーダーテープ繰出し検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置は、
播種機に搭載され播種中のシーダーテープリールの回転を検出することによりシーダーテープの繰り出しを検出するシーダーテープ繰出し検知装置であって、
シーダーテープリールの側板に配置された少なくとも1個の回転検出用の検出板と、
前記シーダーテープリールを回転可能に支持する播種機側で前記検出板の回転経路を望む位置に設けられた近接センサと、
前記近接センサの出力が予め定めた一定期間以上変化しないときにシーダーテープの繰り出しの不具合を示す信号を発生する判定回路と、
前記不具合を示す信号に基づいて警報を発生する警報発生器とから構成されている。
前記近接センサは誘導形,静電容量形,または磁気形のセンサの何れかであり、対応する検出板はそれぞれ、金属片,金属または高誘電率片,または磁性片とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明により、シーダーテープを使い切った場合や、シーダーテープが途中で切れた場合において、警報機器が作動して、作業者に対して異常を警報するため、作業負担を軽減することができる。また既存の播種機やシーダーテープリールを利用してこれに改良を施すことにより容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面等を参照して本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置の形態を説明する。本発明に係るシーダーテープ繰出し検知装置は前述したような播種機に関連して用いられる。シーダーテープリール側に回転検出用の検出板を配置し、播種機側に近接センサその他の回路を配置するものである。以下検出出力の処理の態様に2方式あるので、各別に説明する。いずれの方式においても機械的な配列は異ならない。
【0009】
〔検出領域内に検出板がある時に近接センサがON信号を出力〕
図1A〜図1C,図2,図3Aを参照して、検出領域内に検出板がある時に近接センサがON信号を出力する方式の実施例を説明する。なお図1A〜図1Cは、各方式に共通に用いられる。また、いずれの方式でも近接センサ22として誘導形,静電容量形,磁気式のいずれを用いることも可能である。
この方式において、近接センサ22の出力形態は検出領域内に検出板21があるときにON信号を出力する。検出板21の材質は、誘導形近接センサを使用する場合は金属,鉄,アルミ,真鍮,銅などの板を使用し、静電容量形近接センサを使用する場合は金属,樹脂などの板を使用し、磁気式近接センサを使用する場合は磁石の板を使用する。
【0010】
図1A〜図1Cに示されているように、側板11には検出板21が1枚貼付けてある。2以上の検出板21を等角度で配置することにより検出の精度を向上できる。検出板21を検知する近接センサ22は金具23に固定されている。
金具23は、図1Bにあるようにボルト24の締結によりリールスタンド6の図示部位に固定する位置を調整することができる。
リール10をリールホルダ7に装着し、播種機をトラクタで牽引することにより、リール10が回転させられると側板11に貼り付けた検出板21は近接センサ22により検出される。
【0011】
図2に、前記方式を実現するための回路図を示す。
近接センサ22の信号線は判定回路25に接続され、判定回路25の出力線はリレー26の励磁コイルに接続され、リレー26の出力線は警報機器28(ブザー,警告灯等)に接続されている。警報機器28である警告灯(例えばLED)はトラクタの運転席の前に配置すれば、監視が容易になる。
判定回路25は、予め設定した時間内に近接センサ22からのON信号入力が断続した場合はリレー26の励磁コイルに通電しないように回路構成され、且つ、予め設定した時間内に近接センサ22からのON信号入力がない場合や、ON信号入力が連続した場合はリレー26の励磁コイルに通電するように回路構成されている。
【0012】
前記回路構成のシーダーテープ繰出し検知装置の構成と動作をさらに図3Aを参照して説明する。図3Aは、前述の検出領域内に検出板がある時に近接センサがON信号を出力する方式を実現するための回路の動作を説明するための波形図を含む動作説明図である。なお以下検出板21が磁性片で、近接センサが磁束の変化に応答するセンサであるとして説明する。他の検出方式でも、基本的な動作は異ならない。
シーダーテープ12が正常に繰出し、または引き出されているときは側板11が回転運動を続ける。側板11に検出板21が一枚貼り付けてある本実施例においては、側板1回転につき1回のON信号が近接センサ22から判定回路25に入力される。
判定回路25で予め設定した時間内にこのON信号入力が断続する間は判定回路25から信号を発生しない構成になっている。そのため正常に動作していれば、リレー26の励磁コイルに通電されない。警報機器28はリレー26を介して電源に接続されているから、正常に繰り出されているかぎりリレー26はOFFを維持し、警報機器28は作動しない。
【0013】
シーダーテープ12を使い切った場合や、シーダーテープ12が途中で切れたようなときは、側板11の回転が停止する。
検出板21が近接センサ22検出範囲の内または外で停止したときのいずれの場合も以後検出板21と近接スイッチ22の相対位置に変化がないからセンサ出力は発生しない。
その結果、判定回路25で予め設定した時間後に、判定回路25からリレー26の励磁コイルに通電され、リレー26が動作し警報機器28が作動する。
【0014】
〔検出領域内に検出板がない時に近接センサがON信号を出力〕
図2,図3Bを参照して検出領域内に検出板がない時に近接センサがON信号を出力する方式の実施例を説明する。図2は、前述の方式と同様、本方式を実現するための回路図である。図3Bは、本方式を実現するための回路の動作を説明するための波形図を含む動作説明図である。
前述の方式(図3A参照)と近接センサ22の出力が逆転している。
シーダーテープ12を使い切ったときや、シーダーテープ12が途中で切れたときはいずれも側板11の回転が停止する。側板11の回転が停止により、検出板21が近接センサ22検出範囲内で停止するか、または検出板21が近接センサ22検出範囲外で停止することにより、近接センサ22の出力がなく、判定回路25に入力レベルの変化がなくなって、予め定めた一定時間後に判定回路25からリレー26の励磁コイルに通電され、リレー26の出力がONとなり警報機器28が作動する。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置は、播種作業における作業者の監視作業の負担を大幅に軽減することができるので、本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置を使用する農業の分野に広く利用できる。また現存する播種機やシーダーテープリールの製造の分野で利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置を実装した播種機の側面図である。
【図1B】本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置におけるセンサと検出板との位置関係を説明するための平面図である。
【図1C】本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置におけるセンサと検出板との位置関係を説明するための背面図である。
【図2】本発明によるシーダーテープ繰出し検知装置の実施例を示す回路図である。
【図3A】前記回路の検出領域内に検出板がある時に近接センサがON信号を出力する方式の動作を説明するための波形図である。
【図3B】前記回路の検出領域内に検出板がない時に近接センサがON信号を出力する方式の動作を説明するための波形図である。
【図4A】従来の播種機の側面図である。
【図4B】前記従来の播種機のリールとリールスタンドの結合状態を示す背面図である。
【図4C】前記従来の播種機のリール,リールスタンドおよびリールホルダの関係を示す背面図である。
【図5】従来の播種機の使用状態を説明するための側面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 フレーム
2 前車輪軸
3 前車輪
4 後車輪軸
5 後車輪
6 リールスタンド
7 リールホルダ
8 播種パイプ
9 取付金具
10 リール
11 側板
12 シーダーテープ
13 従来のシーダーテープ播種機
14 トラクタ
16 取付金具
21 検出板
22 近接センサ
23 金具
24 ボルト
25 判定回路
26 リレー
28 警報機器
【出願人】 【識別番号】000229977
【氏名又は名称】日本プラントシーダー株式会社
【出願日】 平成18年1月30日(2006.1.30)
【代理人】 【識別番号】100075144
【弁理士】
【氏名又は名称】井ノ口 壽


【公開番号】 特開2007−195512(P2007−195512A)
【公開日】 平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願番号】 特願2006−20560(P2006−20560)