| 【発明の名称】 |
自動旋回制御式苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】草本 英之
【氏名】和泉 満孝
【氏名】阪田 賢一郎
|
| 【要約】 |
【課題】圃場の往復植付け走行時は自動旋回制御によりオペレータの手を煩わすことなく植付装置が稼動制御されるとともに、周回植付け走行時は植付装置により植付け動作を確実に継続することが可能となる自動旋回制御式苗移植機を提供する。
【解決手段】自動旋回制御式苗移植機は、操舵操作により圃場の旋回走行が可能な機体と、稼動指令により苗移植動作する植付装置(7)と、稼動指令により圃場面を整地動作するな整地装置(16)と、機体の旋回操作と連動して植付装置(7)を稼動制御する自動旋回制御部(21)とを備えて構成され、上記自動旋回制御部(21)による植付装置(7)の稼動制御の適用は、上記整地装置(16)の稼動停止を条件として制御構成したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操舵操作により圃場の旋回走行が可能な機体と、稼動指令により苗移植動作する植付装置(7)と、稼動指令により圃場面を整地動作するな整地装置(16)と、機体の旋回操作と連動して植付装置(7)を稼動制御する自動旋回制御部(21)とを備えた自動旋回制御式苗移植機において、 上記自動旋回制御部(21)による植付装置(7)の稼動制御の適用は、上記整地装置(16)の稼動停止を条件とすることを特徴とする自動旋回制御式苗移植機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、操舵操作によって圃場の旋回走行が可能な機体に苗植付用の植付装置を備え、機体の旋回操作と連動して植付装置を稼動制御する自動旋回制御式苗移植機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 特許文献1に示すように、操舵操作によって旋回走行可能な機体に田植え等の水田植付け作業を行う植付装置を昇降動作可能に備え、機体走行とともに田植作業等の圃場走行作業を行い、また、機体の旋回走行動作と連動して植付装置の動作を制御するようにした自動旋回制御式苗移植機が知られている。 【0003】 田植え等の圃場の往復作業走行においては、往行から復行への折り返し地点でUターン旋回する機体旋回行程において、植付装置の植付動作を停止するとともに上昇動作により植付装置を圃場面の上方の非作業高さ位置に保持して旋回走行に入り、機体が復行方向まで旋回すると植付装置を下降するとともに同植付装置を稼動することにより植付けを再開する。この一連の旋回付帯操作を制御装置により機体の旋回動作と連動して植付装置の取扱いを自動処理する旋回連動制御である「自動旋回制御」を行うように構成することにより、機体旋回操作に伴うオペレータの操作負担を軽減することができる。 【0004】 しかし、往復植付け走行を終了して枕地の周回植付け走行する際においては、圃場のコーナー部で機体を旋回操作すると、ハンドル操作次第で場合により上記自動旋回制御が作動して植付装置による植付け動作が中断されるという事態を招くこととなる。 したがって、そのような事態を回避するためには、往復植付け走行の終了時にオペレータが自動旋回制御を確実に解除する必要があり、その一方で、往復植付け走行時の機体旋回動作で荒れた枕地の圃場面を整地するために整地装置を稼動する必要があることから、自動旋回制御の導入によってもこれらの煩雑な操作が要求されるので、オペレータの負担軽減の限界となっていた。 【特許文献1】特開2004−344020号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 解決しようとする問題点は、圃場の往復植付け走行時は自動旋回制御によりオペレータの手を煩わすことなく植付装置が稼動制御されるとともに、周回植付け走行時は植付装置により植付け動作を確実に継続することが可能となる自動旋回制御式苗移植機を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 請求項1に係る発明は、操舵操作により圃場の旋回走行が可能な機体と、稼動指令により苗移植動作する植付装置(7)と、稼動指令により圃場面を整地動作するな整地装置(16)と、機体の旋回操作と連動して植付装置(7)を稼動制御する自動旋回制御部(21)とを備えた自動旋回制御式苗移植機において、上記自動旋回制御部(21)による植付装置(7)の稼動制御の適用は、上記整地装置(16)の稼動停止を条件とすることを特徴とする。 上記構成により、植付け走行の際に整地装置がオフの時は機体の旋回操作と対応して植付装置の稼動が連動制御され、その一方で、整地装置がオンの時は旋回操作をしても植付装置による植付け動作が継続される。 【発明の効果】 【0007】 本発明の自動旋回制御式苗移植機は以下の効果を奏する。 請求項1の発明により、整地装置がオフの時は機体の旋回操作と対応して植付装置の稼動が自動旋回制御により連動制御され、その一方で、整地装置がオンの時は機体の旋回操作をしても植付装置による植付け動作が継続される。 【0008】 すなわち、整地装置の稼動を要しない往復植付け走行時はその行程端における機体の反転旋回操作と連動してオペレータの手を煩わすことなく植付装置が稼動制御され、この往復植付け走行の終了後の枕地の周回植付け走行の際は、オペレータが整地装置の稼動操作をすることにより、往復植付け走行時の機体旋回動作で荒れた枕地を整地するとともに、機体旋回操作しても連動制御なしに植付装置により植付け動作を確実に継続することができる。 【0009】 したがって、圃場の往復植付け走行時は自動旋回制御によりオペレータの手を煩わすことなく植付装置が稼動制御されるとともに、周回植付け走行時は植付装置により植付け動作を確実に継続することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。 本発明の自動旋回制御式苗移植機の一例を図1の側面図に示す田植機について説明する。 田植機1は、操向車輪2、2と後輪3、3とによって4輪駆動可能に機体を支持し、操舵ハンドル4、オペレータシート5、エンジン6、作業部(植付装置)7のほか、各種機器を制御する後述の制御装置21を備える。 【0011】 作業部7は、機体後部に昇降部11を介して昇降可能に取付けた植付装置としての植付装置であり、図示せぬ植付クラッチを介して機体の走行に合わせて多条植え動作するほか、植付け走行と連動して苗を順次送り出す苗移送装置13、その苗を圃場に植込みする植込装置14、圃場面均平用のフロート装置15…、ローター式の整地装置16等を備えるとともに、薬肥を吐出する施肥装置17からフロート装置15…まで延びる施肥ホース17h…が配置される。 【0012】 上記フロート装置15は、圃場面の前後方向の傾斜を検出可能に取付けられた平板状浮体であり、圃場面を均平整地するとともに植込み深さ調節のために圃場面の高さ位置を検出する。上記整地装置16は、圃場面を掻き込むためのロータ機構により構成され、往復植付け走行時の機体旋回動作で荒れた枕地の整地等の際にレバー16sの操作により作動位置まで下降動作して稼動する。 【0013】 制御装置21は自動旋回制御部を構成し、その入出力構成は、図2の系統図に示すように、機体旋回時の植付装置7の連動制御を行う自動旋回制御モードを選択するための自動旋回スイッチ22a、整地装置16を稼動するレバー操作のロータースイッチ16sの操作信号のほか、各種のスイッチ、センサの信号を受け、また、機体走行と作業部作動用の各種機器のアクチュエータ類を制御する。 【0014】 その他に、入力側には、植付け手動指令用のフィンガーレバースイッチ23a、機体の後退動作と対応して作業部7を上昇する作業部上昇モードスイッチ24、変速操作検知用のHSTレバー位置センサ25、操舵操作検知用のハンドル切れ角センサ26、植付装置の下降タイミングを決めるN1設定ダイヤル29a、植付装置7稼動のクラッチタイミングを決めるN2設定ダイヤル29b等を接続してそれぞれの信号を入力する。 【0015】 出力側には、昇降部11の油圧シリンダ11aを介して作業部7を昇降する電磁油圧バルブ11b、作業部7の植付け稼動用の植付クラッチ作動ソレノイド31、施肥機動作用の施肥クラッチ作動ソレノイド32、HSTレバー傾動用のHST用モータ33、各種機器状況を表示するモニター34等を接続して各機器を制御する。 【0016】 上記制御装置21による制御処理は、各機器の稼動制御のほか、機体の旋回操作と連動して植付装置7を稼動制御する「自動旋回制御」を行うとともに、整地装置16の稼動停止を条件として上記自動旋回制御を解除するように自動旋回制御を限定適用制御する。 【0017】 詳細には、図3のフローチャートに示すように、植付け走行中にハンドル操作がおこなわれると、機体旋回操作の判定処理(S21)による「左旋回」または「右旋回」に応じてドライブシャフト回転のカウントを開始処理(S22)し、旋回の進行過程と対応して左ターン制御処理(S23a)または右ターン制御処理(S23b)を行う。 【0018】 これらのターン制御(S23a、S23b)は、具体的には、電磁油圧バルブ11b、植付クラッチ作動ソレノイド31、施肥クラッチ作動ソレノイド32の制御によって施肥装置17、苗移送装置13、及び植込装置14の稼動停止、作業部7の上昇に続き、復行位置における作業部7の下げ、施肥装置17、苗移送装置13、及び植込装置14の稼動開始の処理をドライブシャフト回転のカウントと対応して行う。また、整地装置16がレバー操作により稼働中の時は、旋回操作をしても植付装置7の停止上昇制御することなく施肥装置17、苗移送装置13、及び植込装置14の稼動を維持して植付け動作を継続動作させる。 【0019】 上記手順の制御処理により、整地装置16がオフの時は機体の旋回操作と対応して植付装置7の稼動が連動制御され、その一方で、整地装置16がオンの時は自動旋回制御を解除して限定適用とすることにより、旋回操作をしても植付装置による植付け動作が継続される。 【0020】 すなわち、整地装置16の稼動を要しない往復植付け走行時は往復行程端における機体の反転旋回操作と連動してオペレータの手を煩わすことなく植付装置7が稼動制御され、この往復植付け走行の終了後の枕地の周回植付け走行の際は、オペレータが整地装置16を稼動操作をすることにより、往復植付け走行時の機体旋回動作で荒れた枕地を整地するとともに、機体旋回操作しても連動制御なしに植付装置7により植付け動作を確実に継続することができる。 【0021】 したがって、圃場の往復植付け走行時は自動旋回制御によりオペレータの手を煩わすことなく植付装置が稼動制御されるとともに、周回植付け走行時は植付装置により植付け動作を確実に継続することが可能となる。 【0022】 次に、主変速レバー位置と対応して「自動旋回制御」を限定適用する例について説明する。 主変速レバー位置が「植付速」の場合について上記自動旋回制御を行うように制御構成することにより、自動旋回制御を必要な範囲に限定適用することができる。この場合において、主変速レバー位置を表示するポジションランプがセンサ異常等によって消灯している状況にあっても、自動旋回制御の適用を継続するように制御構成する。 【0023】 このように構成することにより、ポジションセンサの異常によっても自動旋回制御が適用されることから、主変速レバーを「植付速」としてもポジションセンサの異常があると自動旋回制御が適用されないという事態を回避して、作業スケジュールを乱すことなく圃場の作業計画に沿って植付け作業を順次進めることができる。 【0024】 また、上記において、ポジションランプが消灯している状況にあっては、自動旋回制御を解除してその適用を規制するように制御構成することにより、植付け走行の安全を確保することができる。 【0025】 さらに、主変速レバー位置によって自動旋回制御の適用が制御されるシステムにおいて、適用の入切についてのモニターランプ34を設け、適用の解除と対応して同モニターランプ34を点滅表示するように制御構成する。このように構成することにより、自動旋回制御の適用の入切状況をオペレータに知らせて安全性の向上を図ることができる。 【0026】 次に、乗用田植機のコントローラによるチェックモードについて説明する。 乗用田植機のコントローラのチェックモード機能により各機器の故障診断を行う場合においては、図4のフローチャートに示すように、チェックモードの際にエンジン6の回転センサによる回転判定処理(S31)を行い、エンジン回転検出の際は警報処理(S32)を行うように制御構成する。上記構成により、チェックモードのままエンジン6を始動すると警報ブザーによって関係者に知らせることができるので、安全性の向上を図ることができる。 【0027】 次に、省エネモードの適用制御について説明する。 HSTの出力制限を伴う省エネモードのまま負荷の大きい圃場で長時間に及ぶ作業を続けると、HST圧力が高いことに伴って油温が上昇し、またHSTに対する負荷も上昇するため、HST寿命の低下を招くといった問題が発生する。 【0028】 これを防止するために、図5のHSTの制御構成図に示すように、HST41の油圧回路に前後進の圧力センサ41f、41rを設け、一定値以上のHST圧力が長時間続く場合は省エネモードを解除するように制御構成する。 【0029】 上記構成のHST制御により、図6のフローチャートに示すように、コントローラ21によってトラニオンモータ33およびHSTモータ切換弁33sを制御し、モードスイッチ41mによって指示した「標準」「省エネ」に応じたHST制御が行われ、「省エネ」運転の際は上記圧力センサ41f、41rによる判定処理(S41,S42)をし、その条件により「省エネ」モードを解除して「標準」の制御処理(S43)に切換えることによってHSTの圧力を低下し、過大な負荷による障害を回避することができる。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】本発明の制御装置を適用した田植機の側面図である。 【図2】制御装置の入出力系統図である。 【図3】機体旋回時の制御処理のフローチャートである。 【図4】チェックモード機能に関するフローチャートである。 【図5】HSTの制御構成図である。 【図6】HST制御のフローチャートである。 【符号の説明】 【0031】 1 田植機(自動旋回制御式苗移植機) 2 操向車輪 3 後輪 4 操舵ハンドル 7 作業部(植付装置) 11 昇降部 11b 電磁油圧バルブ 13 苗移送装置 14 植込装置 15 フロート装置 16 整地装置 17 施肥装置 17h 施肥ホース 21 コントローラ(自動旋回制御部) 22a 自動旋回スイッチ 16s ロータースイッチ 26 ハンドル切れ角センサ 31 植付クラッチ作動ソレノイド 32 施肥クラッチ作動ソレノイド
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年1月27日(2006.1.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077779 【弁理士】 【氏名又は名称】牧 哲郎
【識別番号】100078260 【弁理士】 【氏名又は名称】牧 レイ子
【識別番号】100086450 【弁理士】 【氏名又は名称】菊谷 公男
|
| 【公開番号】 |
特開2007−195492(P2007−195492A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月9日(2007.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2006−19724(P2006−19724) |
|