| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】野上 久男
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| 【要約】 |
【課題】整地ロータの回転数を走行速度に応じて増減させるものでありながら、走行開始初期の低速走行状態でも、整地ロータの必要回転数を確保し、十分な整地性能が得られるようにする。
【解決手段】走行変速を行うHST12が設けられた走行機体1と、該走行機体1の後部に昇降自在に連結される植付作業機3と、該植付作業機3の前側で整地を行う整地装置21とを備える乗用田植機であって、HST12の下流伝動経路から取り出した動力で回転し、回転数が走行速度の増減に伴って比例的に増減する第一PTO36と、HST12の上流伝動経路から取り出した動力で回転する第二PTO37と、両PTO36、37のうち回転が速い方を選択し、選択PTOの回転で整地装置21を駆動させるPTO選択機構38とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行変速機構が設けられた走行機体と、 該走行機体の後部に昇降自在に連結される植付作業機と、 該植付作業機の前側で整地を行う整地ロータと を備える移植機であって、 前記走行変速機構の下流伝動経路から取り出した動力で回転し、回転数が走行速度の増減に伴って比例的に増減する第一PTOと、 前記走行変速機構の上流伝動経路から取り出した動力で回転する第二PTOと、 前記両PTOのうち回転が速い方を選択し、選択PTOの回転で前記整地ロータを駆動させるPTO選択手段と を備えることを特徴とする移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用田植機などの移植機に関し、特に、植付作業機の前側で整地を行う整地ロータが設けられた移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、植付作業機の前部に整地ロータを備える移植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような移植機では、植付けと同時に整地ができるので、植付精度や作業効率の向上を図ることができ、特に、機体旋回によって田面が荒れやすい枕地では、整地ロータによる整地効果が顕著であり、植付精度を大幅に改善することができる。 【特許文献1】特開2005−124442号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、整地ロータを備える移植機は、通常、走行変速機構の下流伝動経路から取り出した動力で整地ロータを駆動させているので、整地ロータの回転数は、走行速度の増減に伴って比例的に増減する。これにより、走行速度に適合した整地ロータの回転が得られるのであるが、低速走行状態では、整地ロータの回転が遅くなりすぎ、必要な整地性能が得られない可能性がある。特に、機体停止状態から所定の走行速度に達するまでの間は、整地ロータの回転数が不足し、整地性能に影響がでる場合があった。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行変速機構が設けられた走行機体と、該走行機体の後部に昇降自在に連結される植付作業機と、該植付作業機の前側で整地を行う整地ロータとを備える移植機であって、前記走行変速機構の下流伝動経路から取り出した動力で回転し、回転数が走行速度の増減に伴って比例的に増減する第一PTOと、前記走行変速機構の上流伝動経路から取り出した動力で回転する第二PTOと、前記両PTOのうち回転が速い方を選択し、選択PTOの回転で前記整地ロータを駆動させるPTO選択手段とを備えることを特徴とする。このようにすると、整地ロータの回転数を走行速度に応じて増減させるものでありながら、低速走行時には、第二PTOの回転で整地ロータを駆動するので、走行開始初期の低速走行状態でも、整地ロータの必要回転数を確保し、十分な整地性能が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0005】 次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、 1は乗用田植機の走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して植付作業機3が連結されている。走行機体1と昇降リンク機構2との間には、リフトシリンダ(図示せず)が介設されており、その伸縮に基づいて植付作業機3の昇降動作が行われる。 【0006】 図2に示しように、走行機体1には、リフトシリンダ用油圧バルブ5及び植付けクラッチ機構(図示せず)に連繋される油圧カム6が設けられている。油圧カム6は、「上げ」、「固定」、「下げ」、「植付」の4つのポジションを有し、油圧カムモータ7によってポジションが切換えられる。そして、「上げ」ポジションでは、リフトシリンダ用油圧バルブ5が上げ状態、植付けクラッチ機構が切り状態となり、「固定」ポジションでは、リフトシリンダ用油圧バルブ5が停止状態、植付けクラッチ機構が切り状態となり、「下げ(自動)」ポジションでは、リフトシリンダ用油圧バルブ5が下げ状態(感知フロートによる自動昇降制御状態)、植付けクラッチ機構が切り状態となり、「植付」ポジションでは、リフトシリンダ用油圧バルブ5が下げ状態(感知フロートによる自動昇降制御状態)、植付けクラッチ機構が入り状態となる。 【0007】 図1及び図3に示すように、走行機体1の上部には、運転席前方に設けられるステアリングホイール8、該ステアリングホイール8のコラム部から一側方へ突出する植付作業機操作レバー9などが設けられている。植付作業機操作レバー9は、後述する制御部10に電気的に接続されており、制御部10の制御動作に基づいて、以下の機能を具備する。つまり、植付作業機操作レバー9の操作パターンは、前述した油圧カム6のポジション「上げ」、「下げ(自動)」、「植付」に対応しており、植付作業機操作レバー9を上方へ操作する毎に上り方向(「植付」→「下げ(自動)」→「上げ」)に順次移行し、逆に植付作業機操作レバー9を下方へ操作する毎に下り方向(「上げ」→「下げ(自動)」→「植付」)に順次移行する。また、植付作業機3の昇降動作中に、植付作業機操作レバー9を逆方向に操作すると、「固定」状態となる。これにより、植付作業機操作レバー9による植付作業機3の昇降操作及び植付クラッチ機構の入り/切り操作が可能になる。 【0008】 図1、図4及び図5に示すように、走行機体1は、機体前部に搭載されるエンジン11、エンジン11の動力を無段変速するHST(走行変速機構)12、HST12から出力される動力を入力するトランスミッション13、トランスミッション13から出力される走行動力を左右の前輪14に伝動するフロントアクスルケース(図示せず)、トランスミッション13から出力される走行動力を左右の後輪15に伝動するリヤアクスルケース16などを備えており、機体後部に連結される植付作業機3には、トランスミッション13から出力される植付動力が伝動される。尚、HST12は、閉回路を介して可変容量油圧ポンプと固定容量油圧モータを接続した静油圧無段変速装置であり、本実施形態では、走行主変速機構として使用される。 【0009】 植付作業機3は、昇降リンク機構2にローリング自在に連結される作業機フレーム17、その上方に傾斜姿勢で設けられる苗載台18、作業機フレーム17から後方に延出する複数の植付伝動ケース17a、各植付伝動ケース17aの後端部に設けられる植付機構19、植付伝動ケース17aの下方に上下揺動自在に設けられるフロート20などを備えて構成され、トランスミッション13から伝動される植付動力によって、苗載台18の横送り動作や植付機構19の苗植付動作を行う。 【0010】 植付作業を行う圃場は、予め代掻き作業によって平坦化されており、ここをフロート20が滑走しつつ、植付機構19による苗の植付けが行われるが、植付作業機3は、走行機体1の後方で植付作業を行う関係上、車輪跡などによる田面の荒れによって植付精度が低下する可能性がある。特に、機体旋回が行われる枕地は、車輪跡による田面の荒れが顕著であり、植付精度が低下しやすい箇所である。このような問題に対処するために、植付作業機3の前側には、整地装置(整地ロータ)21が設けられている。この整地装置21は、側面視で後輪15とフロート20との間に配置され、フロート20の前側で整地作業を行う。これにより、車輪跡による田面の荒れなどを改善し、植付精度を高めることができ、特に、枕地において改善効果が顕著である。 【0011】 図4に示すように、整地装置21は、リヤアクスルケース16側から伝動軸22を介して動力を入力する入力ケース23、該入力ケース23から左右に延出するロータ軸24、該ロータ軸24に一体的に設けられる整地ロータ25、該整地ロータ25の上方を覆うロータカバー26、ロータ軸24を回転自在に軸支する左右一対の軸支部(図示せず)から上方に延出する左右一対の支持ロッド27などを備えて構成され、リヤアクスルケース16側から入力した動力で整地ロータ25を所定方向に回転させることにより、植付作業機3の前方で整地を行う。 【0012】 植付作業機3の前面部には、作業機フレーム17から上方に延出する左右一対の苗載台ステー28と、作業機フレーム17から前方に延出する左右一対のガイド部材29とが一体的に設けられており、ガイド部材29は、整地装置21の支持ロッド27を上下摺動自在にガイドしている。また、苗載台ステー28は、苗載台18の上部を支持するためのものであるが、本実施形態では、苗載台ステー28を整地装置21の支持部材に兼用している。つまり、本実施形態の苗載台ステー28は、左右の苗載台ステー28間に支架される回動軸30と、該回動軸30の左右両端部から前方に延出する左右一対のアーム31と、該アーム31を支持ロッド27の上端部に連結する左右一対のリンク32とを介して整地装置21を吊持している。 【0013】 回動軸30には、上下方向の回動操作及び左右方向の傾動操作が許容される整地装置操作レバー33が設けられている。この整地装置操作レバー33を上下方向に回動操作すると、回動軸30及びアーム31の一体的な回動に応じてリンク32が上下動し、整地装置21の高さが変化する。また、苗載台ステー28の上端部には、整地装置操作レバー33の位置を保持するレバーガイド34が設けられている。つまり、レバーガイド34には、上下方向に所定間隔を存して複数の係止凹部(図示せず)が形成されており、整地装置操作レバー33側に形成される係止凸部(図示せず)を、整地装置操作レバー33の傾動操作に応じて任意の係止凹部に係止させることにより、整地装置21の高さを段階的に調整できるようにしている。 【0014】 リヤアクスルケース16の前部には、整地装置21の動力を分岐させる動力分岐ケース35が設けられている。図5に示すように、動力分岐ケース35は、第一PTO36及び第二PTO37から動力を入力し、入力した動力をPTO選択機構(PTO選択手段)38及びロータクラッチ機構39を介して整地装置21に伝動する。第一PTO36は、HST12の下流伝動経路から取り出した動力で回転し、回転数が走行速度の増減に伴って比例的に増減する伝動軸であり、具体的には、トランスミッション13から出力される後輪動力をリヤアクスルケース16に伝動する伝動軸で構成することができる。また、第二PTO37は、HST12の上流伝動経路から取り出した動力で回転する伝動軸であり、具体的は、第一PTO36と平行に配置され、HST12の入力軸からベベルギヤ40を介して動力の取り出しを行う。 【0015】 PTO選択機構38は、両PTO36、37のうち回転が速い方を選択し、選択PTOの回転で整地装置21を駆動させる。例えば、本実施形態では、第一PTO36の動力で回転される第一入力ギヤ41と、第二PTO37の動力で回転される第二入力ギヤ42と、両ギヤ41、42を回転自在に支持する出力軸43と、該出力軸43と第一入力ギヤ41の間に介設される第一ワンウエイクラッチ44と、出力軸43と第二入力ギヤ42の間に介設される第二ワンウエイクラッチ45とを用いてPTO選択機構38が構成される。そして、両ワンウエイクラッチ44、45は、いずれも入力ギヤ41、42の回転を出力軸43に伝動し、かつ、逆方向の伝動を断つようにクラッチ作動方向が設定されているので、回転が速い方の入力ギヤ41、42が出力軸43を一体的に回転させ、遅い方の入力ギヤ41、42は、出力軸43と相対的に逆回転となり伝動が断たれる。このようにすると、図6に示すように、整地装置21の回転数を走行速度に応じて増減させるものでありながら、低速走行時には、第二PTO37の回転で整地装置21を駆動するので、走行開始初期の低速走行状態でも、整地装置21の必要回転数を確保し、十分な整地性能が得られる。 【0016】 図7に示すように、走行機体1には、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM、I/Oなどを含む)を用いて構成される前述の制御部10が設けられている。制御部10の入力側には、前述した植付作業機操作レバー9(レバー操作検出スイッチ)と、油圧カム6のポジションを検出する油圧カムポテンショ46と、整地装置操作レバー33の位置を検出する整地装置操作レバーポテンショ47とが接続され、制御部10の出力側には、前述した油圧カムモータ7と、ロータクラッチ機構39を入切動作させるロータクラッチシリンダ(電動シリンダ)48とが接続されている。そして、制御部10は、ROMに書き込まれたプログラムに従い、後述する整地装置駆動制御を実行する。 【0017】 図8に示すように、整地装置駆動制御では、まず、整地装置操作レバー33の操作位置を判断する(S1)。ここで、整地装置操作レバー33の操作位置が非作業高さである場合は、ロータクラッチ機構39を切りとする(S2)。また、整地装置操作レバー33の操作位置が作業高さである場合は、油圧カム6のポジションを判断する(S3)。ここで、油圧カム6のポジションが「上昇」又は「固定」である場合は、ロータクラッチ機構39を切りとし(S2)、「下降(自動)」又は「植付」である場合は、ロータクラッチ機構39を入りとする(S4)。このようにすると、植付作業機3が下降し、かつ、整地装置21の高さが整地可能な作業高さに調整されている場合にのみ整地装置21が駆動されるので、植付作業機3の上昇時や非整地作業時における整地装置21の駆動を規制することができる。 【0018】 叙述の如く構成された本実施形態によれば、走行変速を行うHST12が設けられた走行機体1と、該走行機体1の後部に昇降自在に連結される植付作業機3と、該植付作業機3の前側で整地を行う整地装置21とを備える乗用田植機であって、HST12の下流伝動経路から取り出した動力で回転し、回転数が走行速度の増減に伴って比例的に増減する第一PTO36と、HST12の上流伝動経路から取り出した動力で回転する第二PTO37と、両PTO36、37のうち回転が速い方を選択し、選択PTOの回転で整地装置21を駆動させるPTO選択機構38とを備えるので、整地装置21の回転数を走行速度に応じて増減させるものでありながら、低速走行時には、第二PTO37の回転で整地装置21を駆動させることができ、その結果、走行開始初期の低速走行状態でも、整地装置21の必要回転数を確保し、十分な整地性能が得られる。 【図面の簡単な説明】 【0019】 【図1】乗用田植機の全体側面図である。 【図2】油圧カムを示す正面図である。 【図3】植付作業機操作レバーを示す斜視図である。 【図4】植付作業機及び整地装置を示す側面図である。 【図5】乗用田植機の動力伝動回路図である。 【図6】PTO選択機構の作用説明図である。 【図7】制御部の入出力を示すブロック図である。 【図8】整地装置駆動制御を示すフローチャートである。 【符号の説明】 【0020】 1 走行機体 3 植付作業機 11 エンジン 12 HST 13 トランスミッション 21 整地装置 35 動力分岐ケース 36 第一PTO 37 第二PTO 38 PTO選択機構 41 第一入力ギヤ 42 第二入力ギヤ 43 出力軸 44 第一ワンウエイクラッチ 45 第二ワンウエイクラッチ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年12月22日(2005.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085394 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−166980(P2007−166980A) |
| 【公開日】 |
平成19年7月5日(2007.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2005−369439(P2005−369439) |
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