| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】宇山 昌樹
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| 【要約】 |
【課題】整地ロータを標準よりも高い位置に調整しても、田面に浮遊するゴミや藁屑を良好にすき込むことができるようにする。
【解決手段】走行機体1の後部に昇降自在に連結される植付作業機7と、該植付作業機7の前側で整地を行う整地ロータ14とを備えると共に、該整地ロータ14を、植付作業機7に対して高さ調整自在に設けた乗用田植機であって、整地ロータ14の回転速度を変速する整地ロータ変速機構31を備えると共に、整地ロータ14の調整高さが標準高さよりも高いとき、整地ロータ変速機構31を自動的に高速側に変速させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部に昇降自在に連結される植付作業機と、該植付作業機の前側で整地を行う整地ロータとを備えると共に、該整地ロータを、前記植付作業機に対して高さ調整自在に設けた移植機であって、前記整地ロータの回転速度を変速する整地ロータ変速機構と、前記整地ロータの調整高さが標準高さよりも高いとき、前記整地ロータ変速機構を自動的に高速側に変速する整地ロータ自動変速手段とを備えることを特徴とする移植機。 【請求項2】 前記整地ロータ自動変速手段は、前記整地ロータの調整高さが標準高さよりも低いとき、前記整地ロータ変速機構を自動的に低速側に変速することを特徴とする請求項1記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用田植機などの移植機に関し、特に、植付作業機の前側で整地を行う整地ロータが設けられた移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、植付作業機の前部に整地ロータを備える移植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような移植機では、植付けと同時に整地ができるので、植付精度や作業効率の向上を図ることができ、特に、機体旋回によって田面が荒れやすい枕地では、整地ロータによる整地効果が顕著であり、植付精度を大幅に改善することができる。 【0003】 また、特許文献1に示される整地ロータは、ロータ外周に所定間隔を存して複数の整地板を有するロータであるため、田面に浮遊するゴミや藁屑を土中にすき込むことができる。すなわち、ロータの整地板は、機体の走行及び整地ロータの回転に伴い、図8に示すような軌跡を描くので、田面に浮遊するゴミや藁屑が順次土中にすき込まれることになる。 【特許文献1】特開2004−65111号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、特許文献1に記載される整地ロータは、植付作業機の前部に対して高さ調整自在に設けられており、この高さ調整により整地ロータの対地作業深さを変更できるようにしてある。しかしながら、整地ロータの調整高さを標準高さよりも高くした場合には、田面と整地板軌跡との間に空間ができ、特に、低速走行時には、整地ロータの回転速度も遅くなるので、田面に浮遊するゴミや藁屑を土中にすき込めなくなる可能性がある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行機体の後部に昇降自在に連結される植付作業機と、該植付作業機の前側で整地を行う整地ロータとを備えると共に、該整地ロータを、前記植付作業機に対して高さ調整自在に設けた移植機であって、前記整地ロータの回転速度を変速する整地ロータ変速機構と、前記整地ロータの調整高さが標準高さよりも高いとき、前記整地ロータ変速機構を自動的に高速側に変速する整地ロータ自動変速手段とを備えることを特徴とする。このようにすると、整地ロータを標準よりも高い位置に調整しても、整地ロータの回転速度が自動的に高速側に変速されるので、田面に浮遊するゴミや藁屑を良好にすき込むことができる。 また、前記整地ロータ自動変速手段は、前記整地ロータの調整高さが標準高さよりも低いとき、前記整地ロータ変速機構を自動的に低速側に変速することを特徴とする。このようにすると、整地ロータを標準よりも低い位置に調整しても、整地ロータの回転速度が低速側に変速されるので、整地ロータの整地板軌跡を補正し、良好な均平性能を維持することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は乗用田植機の走行機体であって、該走行機体1は、機体前部に搭載されるエンジン(図示せず)、エンジン動力を変速するトランスミッション(図示せず)、トランスミッションから出力される走行動力を左右の前輪2に伝動するフロントアクスルケース(図示せず)、トランスミッションから出力される走行動力を左右の後輪3に伝動するリヤアクスルケース4、機体上に設けられる運転席5などを備えて構成されている。 【0007】 走行機体1の後部には、作業機連結機構6を介して植付作業機7が昇降自在に連結されている。植付作業機7は、作業機連結機構6にローリング自在に連結される作業機フレーム8、その上方に傾斜姿勢で設けられる苗載台9、作業機フレーム8から後方に延出する複数の植付伝動ケース10、各植付伝動ケース10の後端部に設けられる植付機構11、植付伝動ケース10の下方に上下揺動自在に設けられるフロート12などを備えて構成されている。 【0008】 植付作業機7は、伝動軸13を介してトランスミッションから植付動力を入力し、この動力によって、苗載台9の横送り動作、植付機構11の苗植付動作などを行う。植付作業を行う圃場は、予め代掻き作業によって平坦化されており、ここをフロート12が滑走しつつ、植付機構11による苗の植付けが行われるが、植付作業機7は、走行機体1の後方で植付作業を行う関係上、車輪跡などによる田面の荒れによって植付精度が低下する可能性がある。特に、機体旋回が行われる枕地は、車輪跡による田面の荒れが顕著であり、植付精度が低下しやすい箇所である。 【0009】 上記のような問題に対処するために、植付作業機7の前側には、整地ロータ14が設けられている。この整地ロータ14は、側面視で後輪3とフロート12との間に配置され、フロート12の前側で整地作業を行う。これにより、車輪跡による田面の荒れなどを改善し、植付精度を高めることができ、特に、枕地において改善効果が顕著である。 【0010】 図2〜図4に示すように、整地ロータ14は、リヤアクスルケース4側から伝動軸15を介して動力を入力する入力ケース16、該入力ケース16から左右に延出するロータ軸17、該ロータ軸17に一体的に設けられる複数の整地板18、該整地板18の上方を覆うカバー19、ロータ軸17を回転自在に軸支する左右一対の軸支部20、該軸支部20から上方に延出する左右一対の支持ロッド21などを備えて構成され、リヤアクスルケース4側から入力した動力で整地板18を所定方向に回転させることにより、植付作業機7の前方で整地作業を行う。また、整地板18は、整地ロータ14の回転に伴い、図8に示すような軌跡を描くことにより、田面に浮遊するゴミや藁屑を順次土中にすき込むことができる。 【0011】 植付作業機7の前面部には、作業機フレーム8から上方に延出する左右一対の苗載台ステー22と、作業機フレーム8から前方に延出する左右一対のガイド部材23とが一体的に設けられており、ガイド部材23は、整地ロータ14の支持ロッド21を上下摺動自在にガイドしている。また、苗載台ステー22は、苗載台9の上部を支持するためのものであるが、本実施形態では、苗載台ステー22を整地ロータ14の支持部材に兼用している。つまり、本実施形態の苗載台ステー22は、左右の苗載台ステー22間に支架される回動軸24と、該回動軸24の左右両端部から前方に延出する左右一対のアーム25と、該アーム25を支持ロッド21の上端部に連結する左右一対のリンク26とを介して整地ロータ14を吊持している。 【0012】 回動軸24には、上下方向の回動操作及び左右方向の傾動操作が許容される高さ調整レバー27が設けられている。この高さ調整レバー27を上下方向に回動操作すると、回動軸24及びアーム25の一体的な回動に応じてリンク26が上下動し、整地ロータ14の高さが調整される。また、苗載台ステー22の上端部には、高さ調整レバー27の位置を保持するレバーガイド28が設けられている。つまり、レバーガイド28には、上下方向に所定間隔を存して複数の係止凹部28aが形成されており、高さ調整レバー27側に形成される係止凸部(図示せず)を、高さ調整レバー27の傾動操作に応じて任意の係止凹部28aに係止させることにより、整地ロータ14の高さを段階的に調整できるようにしている。 【0013】 リヤアクスルケース4の前部には、後輪動力伝動経路から整地ロータ14の動力を取り出す動力取出ケース29が設けられている。図5に示すように、動力取出ケース29には、トランスミッションからリヤアクスルケース4に至る後輪動力伝動経路に介在する動力分岐軸30と、該動力分岐軸30で分岐される動力を整地ロータ変速機構31を介して入力する動力取出軸32とが回転自在に軸支されており、動力取出軸32から出力される動力が伝動軸15を介して整地ロータ14に伝動される。 【0014】 本実施形態の整地ロータ変速機構31は、動力分岐軸30と動力取出軸32との間に、高速伝動経路、標準伝動経路及び低速伝動経路を構成し、これら伝動経路の選択的な切換えにより、整地ロータ14の回転速度を三段階(高速、標準、低速)に変速する。具体的に説明すると、高速伝動経路は、動力分岐軸30に回転自在に設けられる高速用上流ギヤ34と、動力取出軸32に一体的に設けられ、高速用上流ギヤ34に常時噛合する高速用下流ギヤ35とで構成され、標準伝動経路は、動力分岐軸30に回転自在に設けられる標準用上流ギヤ36と、動力取出軸32に一体的に設けられ、標準用上流ギヤ36に常時噛合する標準用下流ギヤ37とで構成され、低速伝動経路は、動力分岐軸30に回転自在に設けられる低速用上流ギヤ38と、動力取出軸32に一体的に設けられ、低速用上流ギヤ38に常時噛合する低速用下流ギヤ39とで構成される。 【0015】 動力分岐軸30には、軸方向を向くスリット状の溝30aが形成されており、ここには変速作動部材40が摺動自在に嵌合されている。変速作動部材40の一端部には、上流ギヤ34、36、38の内周部に形成される係合溝34a、36a、38aと係合可能な係合爪40aが形成されており、変速作動部材40の摺動操作に応じた係合爪40aの係合溝34a、36a、38aに対する選択的に係合により、いずれかの上流ギヤ34、36、38を動力分岐軸30と一体的に回転させる。これにより、高速伝動経路、標準伝動経路、低速伝動経路のいずれかが選択され、整地ロータ14の回転速度が三段階に変速される。 【0016】 また、動力取出ケース29には、シフタフォーク41を備えるシフタ軸42が前後摺動自在に支持されている。シフタフォーク41は、変速作動部材40の他端部に設けられる係合リング40bに係合しており、シフタ軸42の前後摺動操作に応じて変速作動部材40を変速作動させる。本実施形態では、シフタ軸42に電動シリンダ43を連結し、該電動シリンダ43の駆動力でシフタ軸42の変速操作を行う。尚、本実施形態では、整地ロータ14の回転速度を段階的に変速させるが、油圧式無段変速機構やベルト式無段変速機構を用いて、整地ロータ14の回転速度を無段階状に変速してもよい。 【0017】 図6に示すように、走行機体1には、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM、I/Oなどを含む)を用いて構成される制御部44が設けられている。制御部44の入力側には、回動軸24の回動位置に基づいて整地ロータ14の調整高さを検出する整地ロータ高さポテンショ45と、電動シリンダ43のロッド位置に基づいて整地ロータ14の変速状態を検出する整地ロータ変速ポテンショ46とが接続され、出力側には、前述した電動シリンダ43が接続されている。そして、制御部44は、ROMに書き込まれたプログラムに従い、整地ロータ自動変速制御(整地ロータ自動変速手段)を実行する。 【0018】 図7に示すように、整地ロータ自動変速制御では、まず、整地ロータ高さポテンショ45の検出値に基づいて、整地ロータ14の調整高さを判断する(S1)。ここで、整地ロータ14の調整高さが標準高さであると判断した場合は、整地ロータ変速ポテンショ46の検出値に基づいて、整地ロータ14の回転速度が標準であるか否かを判断し(S2)、該判断がNOである場合は、電動シリンダ43を駆動し、整地ロータ変速機構31を自動的に標準位置に変速させる(S3)。また、整地ロータ14の調整高さが標準高さよりも高いと判断した場合は、整地ロータ変速ポテンショ46の検出値に基づいて、整地ロータ14の回転速度が高速であるか否かを判断し(S4)、該判断がNOである場合は、電動シリンダ43を駆動し、整地ロータ変速機構31を自動的に高速側に変速させる(S5)。また、整地ロータ14の調整高さが標準高さよりも低いと判断した場合は、整地ロータ変速ポテンショ46の検出値に基づいて、整地ロータ14の回転速度が低速であるか否かを判断し(S6)、該判断がNOである場合は、電動シリンダ43を駆動し、整地ロータ変速機構31を自動的に低速側に変速させる(S7)。 【0019】 叙述の如く構成された本実施形態によれば、走行機体1の後部に昇降自在に連結される植付作業機7と、該植付作業機7の前側で整地を行う整地ロータ14とを備えると共に、該整地ロータ14を、植付作業機7に対して高さ調整自在に設けた乗用田植機であって、整地ロータ14の回転速度を変速する整地ロータ変速機構31を備えると共に、整地ロータ14の調整高さが標準高さよりも高いとき、整地ロータ変速機構31を自動的に高速側に変速させるので、整地ロータ14を標準よりも高い位置に調整した状態でも、田面に浮遊するゴミや藁屑を良好にすき込むことができる。 【0020】 また、本実施形態では、整地ロータ14の調整高さが標準高さよりも低いとき、整地ロータ変速機構31を自動的に低速側に変速させるので、整地ロータ14を標準よりも低い位置に調整しても、整地ロータ14の整地板軌跡を適正化し、良好な均平性能を維持することができる。 【0021】 尚、本発明は、前記実施形態に限定されないことは勿論であって、例えば、前記実施形態では、整地ロータ変速機構を電動シリンダで変速させるが、整地ロータ高さ調整機構と整地ロータ変速機構を機械的に連繋し、整地ロータ高さ調整機構の操作力で整地ロータ変速機構を自動的に変速するように構成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】乗用田植機の全体側面図である。 【図2】乗用田植機の後部側面図である。 【図3】植付作業機及び整地ロータの伝動構造を示す平面図である。 【図4】整地ロータの支持構造を示す背面図である。 【図5】動力取出ケースの断面図である。 【図6】制御部の入出力を示すブロック図である。 【図7】整地ロータ自動変速制御を示すフローチャートである。 【図8】整地ロータの整地板軌跡を示す説明図である。 【符号の説明】 【0023】 1 走行機体 7 植付作業機 14 整地ロータ 18 整地板 22 苗載台ステー 24 回動軸 27 高さ調整レバー 29 動力取出ケース 31 整地ロータ変速機構 43 電動シリンダ 44 制御部 45 整地ロータ高さポテンショ 46 整地ロータ変速ポテンショ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年12月9日(2005.12.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085394 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−159418(P2007−159418A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月28日(2007.6.28) |
| 【出願番号】 |
特願2005−356225(P2005−356225) |
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