| 【発明の名称】 |
水田作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】中川 善清
【氏名】藤本 周作
【氏名】土岡 秀史
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| 【要約】 |
【課題】構成の簡素化やコストの削減を図りながら、マーカー引き上げ操作時の泥はねを回避できるようにする。
【解決手段】左右一対のマーカー95を、それらの先端部95Aが車体から離れて圃場泥面に突入するように車体の横外方に向けて倒伏させた作業姿勢と、それらの先端部95Aが圃場泥面から離れて車体に近接するように車体に向けて起立させた格納姿勢とに、起伏揺動による姿勢切り換え操作が可能となるように、かつ、作業姿勢及び格納姿勢での姿勢保持が可能となるように、搭乗ステップ11に装備してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対のマーカーを、それらの先端部が車体から離れて圃場泥面に突入するように車体の横外方に向けて倒伏させた作業姿勢と、それらの先端部が圃場泥面から離れて車体に近接するように車体に向けて起立させた格納姿勢とに、起伏揺動による姿勢切り換え操作が可能となるように、かつ、前記作業姿勢及び前記格納姿勢での姿勢保持が可能となるように、搭乗ステップに装備してある水田作業車。 【請求項2】 前記マーカーを、前記搭乗ステップに対する車体前後方向での位置変更が可能となるように構成してある請求項2に記載の水田作業車。 【請求項3】 前記マーカーを、前記作業姿勢に切り換えた場合に、その車体側部分が上方に向けて突出するように形成してある請求項1又は2に記載の水田作業車。 【請求項4】 前記マーカーを、前記作業姿勢と前記格納姿勢との間に設定した退避姿勢への姿勢切り換え保持が可能となるように構成してある請求項1〜3のいずれか一つに記載の水田作業車。 【請求項5】 前記マーカーを、その先端部が前記作業姿勢への姿勢切り換え操作に伴って圃場泥面に突入するように前記先端部の向きを車体の前後方向と直交又は略直交する方向に設定した作業待機姿勢と、その先端部の前記格納姿勢での車体横外方への突出が抑制されるように前記先端部の向きを車体の前後方向に沿う方向又は略沿う方向に設定した非作業姿勢とに、姿勢切り換え可能に構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載の水田作業車。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、作業時の走行に伴って走行用の指標を圃場泥面に形成する左右一対のマーカーを、作業姿勢と格納姿勢とに姿勢切り換え可能かつ姿勢保持可能に装備した水田作業車に関する。 【背景技術】 【0002】 上記のような水田作業車としては、例えば、左右一対のマーカーを、走行車体の後部に駆動昇降可能に連結した作業装置に、その作業装置の作業高さ位置から非作業高さ位置への上昇駆動に連動して、作業姿勢のマーカーが格納姿勢に姿勢切り換え保持されるように装備したものがある(例えば特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2004−173594号公報(段落番号0032〜0038、図1〜3,図7,図12〜14) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記の構成によると、作業装置の作業高さ位置から非作業高さ位置への上昇駆動に連動して、左右のマーカーが作業姿勢から格納姿勢に切り換わるように、作業装置と左右のマーカーとを連係する連係ワイヤなどからなる連係機構や、そのときの格納姿勢への切り換えに伴って左右のマーカーを格納姿勢で保持する保持機構、及び、その保持機構によるマーカーの格納保持を遠隔解除するための操作機構、などを装備する必要があり、その分、部品点数が大幅に増加することになって、構造が複雑になる、コストが嵩む、車重が重くなる、などの不都合を招くことになる。 【0004】 又、マーカーを作業姿勢から引き上げる際の操作速度の調節が難しく、マーカーの引き上げに伴って、車体内方の運転者などに向けて泥が跳ね上がる不都合を回避し難くなっていた。 【0005】 本発明の目的は、構成の簡素化やコストの削減を図りながら、マーカー引き上げ操作時の泥はねを回避できるようにすることにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明のうちの請求項1に記載の発明では、左右一対のマーカーを、それらの先端部が車体から離れて圃場泥面に突入するように車体の横外方に向けて倒伏させた作業姿勢と、それらの先端部が圃場泥面から離れて車体に近接するように車体に向けて起立させた格納姿勢とに、起伏揺動による姿勢切り換え操作が可能となるように、かつ、前記作業姿勢及び前記格納姿勢での姿勢保持が可能となるように、搭乗ステップに装備してある。 【0007】 この構成によると、搭乗ステップ上の運転者の手が届く位置に左右のマーカーが配備されることになり、これによって、運転者は、搭乗ステップ上に居ながら、左右のマーカーを直接操作することができ、それらの姿勢を作業姿勢と格納姿勢とに切り換え保持することができる。 【0008】 その結果、左右のマーカーを運転者の手が届かない位置、例えば作業装置など、に配備した場合に必要となる、左右のマーカーの遠隔操作を可能にするための構成、例えば、作業装置の作業高さ位置から非作業高さ位置への上昇駆動に連動して、左右のマーカーが作業姿勢から格納姿勢に切り換わるように、作業装置と左右のマーカーとを連係する連係ワイヤなどからなる連係機構や、そのときの格納姿勢への切り換えに伴って左右のマーカーを格納姿勢で保持する保持機構、及び、その保持機構によるマーカーの格納保持を遠隔解除するための操作機構、などを不要にすることができる。 【0009】 又、運転者が左右のマーカーを直接操作することで、マーカーを作業姿勢から引き上げる際の操作速度を任意に調節できるようになり、もって、作業装置の上昇駆動との連動でマーカーを作業姿勢から引き上げる場合に比較して、マーカーの引き上げる際に発生する運転者側への泥はねを回避し易くなる。 【0010】 更に、左右のマーカーを、搭乗ステップにおける運転者の視界に入り易い位置に配備すれば、マーカーの姿勢確認を容易に行えるようになり、マーカーの操作忘れなどを回避し易くなる。 【0011】 従って、構成の簡素化、コストの削減、及び、車体の軽量化、などを図りながら、マーカー引き上げ操作時の泥はねをより確実に回避でき、又、マーカーの作業姿勢への姿勢切り換え操作を忘れて圃場泥面に走行用の指標が形成されないことに起因した作業効率の低下や、マーカーの格納姿勢への姿勢切り換え操作を忘れることに起因したマーカーの破損などを回避し易くなる。 【0012】 本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記マーカーを、前記搭乗ステップに対する車体前後方向での位置変更が可能となるように構成してある。 【0013】 この構成によると、運転者の体格や搭乗位置などに応じて、左右のマーカーの取り付け位置を、車体の前後方向に変更することができる。 【0014】 従って、運転者の体格差や搭乗位置などによってマーカーの操作性が低下する虞を未然に回避できる。 【0015】 本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の発明において、前記マーカーを、前記作業姿勢に切り換えた場合に、その車体側部分が上方に向けて突出するように形成してある。 【0016】 この構成によると、マーカーを、搭乗ステップ上の運転者から最も離れる作業姿勢に切り換えた場合には、その車体側部分が上方に向けて突出して、運転者の手が届き易い位置に位置するようになることから、搭乗ステップ上の運転者に無理な姿勢を強いることなく、マーカーを作業姿勢から格納姿勢に向けて引き上げることができる。 【0017】 従って、マーカーの姿勢切り換え操作における操作性の向上を図ることができる。 【0018】 本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記マーカーを、前記作業姿勢と前記格納姿勢との間に設定した退避姿勢への姿勢切り換え保持が可能となるように構成してある。 【0019】 この構成によると、作業走行時に頻繁に行う必要のある枕地旋回前後などにおけるマーカーの姿勢切り換え操作を、作業姿勢と退避姿勢との間で行うことができ、これによって、作業姿勢と格納姿勢との間で行う場合よりもマーカーの操作量が少なくなるから、作業姿勢と格納姿勢との間でマーカーの姿勢切り換え操作を行う場合に比較して、マーカーの姿勢切り換え操作に要する労力を軽減できる。 【0020】 又、マーカーを作業姿勢から格納姿勢に切り換える場合に比較して、マーカーを引き上げる際に発生する運転者側への泥はねを抑制できる。 【0021】 従って、枕地旋回前後などにおけるマーカーの操作性を向上させることができるとともに、枕地旋回前などにおけるマーカー引き上げ操作時の泥はねをより確実に回避できる。 【0022】 本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記マーカーを、その先端部が前記作業姿勢への姿勢切り換え操作に伴って圃場泥面に突入するように前記先端部の向きを車体の前後方向と直交又は略直交する方向に設定した作業待機姿勢と、その先端部の前記格納姿勢での車体横外方への突出が抑制されるように前記先端部の向きを車体の前後方向に沿う方向又は略沿う方向に設定した非作業姿勢とに、姿勢切り換え可能に構成してある。 【0023】 この構成によると、移動走行時などにおいては、格納姿勢に切り換えた左右のマーカーを、作業待機姿勢から非作業姿勢に切り換えることで、車体全体としての左右幅を小さくすることができ、これによって、移動走行時における左右のマーカーの他物との接触を回避し易くなり、又、左右幅の狭いトラックの荷台などへの載置や納屋などへの収納も行い易くなる。 【0024】 従って、移動走行あるいは輸送や収納などの面で有利なものにできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 図1には水田作業車の一例である乗用田植機の全体側面が、図2にはその全体平面が、図3にはその正面がそれぞれ示されており、この乗用田植機は、走行車体1の後部に、油圧式の昇降シリンダ2の作動で昇降揺動するリンク機構3を介して、苗植付装置(作業装置の一例)4を駆動昇降可能に連結して構成されている。 【0026】 図1〜5に示すように、走行車体1は、その後部に配備されるミッションケース5に、丸パイプ材などからなる前後向きの伝動ケース6を介して前車軸ケース7を連結し、かつ、この前車軸ケース7の前部左右中央に、バランスウェイトとしての機能を有する鋳鉄製の支持台8を連結して車体フレーム9が構成され、この車体フレーム9に、リコイルスタータ(図示せず)による始動方式を採用した空冷式のガソリンエンジン10を搭載し、伝動ケース6や前車軸ケース7などを上方から覆うように形成された板金製の搭乗ステップ11を着脱可能に敷設し、ステアリングポスト(図示せず)を内装した操縦塔12を立設し、ステアリングホイール13や運転座席14などを装備し、前車軸ケース7の左右両側方に前輪15を配備し、ミッションケース5の左右両側方に後輪16を配備して構成されている。 【0027】 エンジン10は、ミッションケース5に備えた支持部材17と、伝動ケース6に溶接した支持部材18とにわたって、そのクランクケース側が前下方に位置し、かつ、シリンダヘッド側が後上方に位置する後傾の嵩低姿勢で防振搭載されており、そのエンジン10からの動力が、ミッションケース5に備えた入力軸19に、ベルトテンション式の主クラッチ20を介して断続切り換え可能に伝達されている。 【0028】 図4〜6に示すように、入力軸19に伝達された動力は、ミッションケース5の内部において走行用と作業用とに分岐され、走行用の動力は、前進3段、後進1段に変速可能に構成されたギヤ式変速装置21に伝達され、そのギヤ式変速装置21による変速後の動力が減速ギヤ22を介して中継伝動軸23に伝達され、この中継伝動軸23において前輪駆動用と後輪駆動用とに分岐され、その前輪駆動用の動力が、ミッションケース5に内装した一対のベベルギヤ24、伝動ケース6に挿通した前後向きの第1伝動軸25、前車軸ケース7に内装した一対のベベルギヤ26や左右向きの第2伝動軸27、及び、前車軸ケース7から左右に向けて延出された左右の前車軸28、などを介して左右の前輪15に等速伝達されている。 【0029】 後輪駆動用の動力は、ミッションケース5に内装した左右のサイドクラッチ29やギヤ式減速装置30、及び、ミッションケース5から左右に向けて延出された左右の後車軸31、などを介して左右の各後輪16に断続切り換え可能に伝達されている。 【0030】 作業用の動力は、ミッションケース5に内装したトルクリミッタ32、ミッションケース5の内部とミッションケース5の外側部に形成したギヤ室33とにわたる第1伝動軸34や第2伝動軸35、それらの伝動軸34,35に対する組み替えが可能な状態でギヤ室33に内装された一対の変速ギヤ36,37、及び、ミッションケース5に内装した一対のベベルギヤ38や作業クラッチ(図示せず)、などを介してPTO軸(図示せず)に断続切り換え可能に伝達されている。 【0031】 ミッションケース5の外側部には、ギヤ室33を閉塞する状態と開放する状態とに簡易着脱可能に構成されたカバー39が装備されている。 【0032】 そして、上記のようにギヤ室33に一対の変速ギヤ36,37を内装したことで、ミッションケース5の外側部からカバー39を取り外して、一対の変速ギヤ36,37の入れ替えや交換を行うことで、ミッションケース5を分割する手間を要することなく、走行速度に対して作業速度を変更することができ、苗植付装置4による走行方向での植付けピッチ(株間)を調節することができる。 【0033】 図1〜3及び図6に示すように、ギヤ式変速装置21は、その変速軸40に内嵌された操作軸41が、操縦塔12の左上端部に前後揺動可能に装備した変速レバー42に操作連係されており、変速レバー42の揺動操作に連動して、操作軸41が変速軸40に対して軸心方向に摺動変位し、その摺動変位で、変速軸40と一体回転する変速キー43が、変速軸40に外嵌された後進ギヤ44、植え付け用の低速前進ギヤ45、畦越え用の微速前進ギヤ46、及び、移動用の高速前進ギヤ47のうちのいずれかに選択係合することで、前進3段、後進1段の変速操作を行えるように構成されている。 【0034】 図6に示すように、トルクリミッタ32は、PTO軸の負荷トルクが設定値を超えた場合に、入力軸19と一体回転する駆動側回転爪48が、PTO軸と連動する従動側回転爪49との間に有するカム作用で、押しバネ50の付勢に抗して従動側回転爪49との噛合を解除する方向に摺動変位し、PTO軸への伝動を遮断することで、過負荷に起因した作業伝動系などの破損を回避するように構成されている。 【0035】 入力軸19と駆動側回転爪48との間には、それらと一体回転し、入力軸19に対する摺動が阻止され、駆動側回転爪48の相対摺動を許容するように、入力軸19と駆動側回転爪48とにスプライン嵌合されるスプラインボス51が介装されており、これによって、入力軸19の軸径を小さくしながらも、駆動側回転爪48に対するスプライン径を大きくして、駆動側回転爪48の摺動抵抗を小さくすることや、トルクリミッタ32に調心作用が働くようにすることができ、結果、駆動側回転爪48に対するスプライン径が小さく、駆動側回転爪48の摺動抵抗が増大することなどに起因して、トルクリミッタ32の作動トルクが不安定になることを防止してある。 【0036】 図2〜4に示すように、前車軸ケース7には、左右向きの第2伝動軸27に作用する多板式のブレーキ52が内装され、このブレーキ52は、主クラッチ20とともに走行車体1の右前部に配備した操作ペダル53に機械連係されており、この操作ペダル53の踏み込み操作で、主クラッチ20の切り状態とブレーキ52の制動状態とが現出され、操作ペダル53の踏み込み解除で、主クラッチ20の入り状態とブレーキ52の非制動状態とが現出されるように構成されている。 【0037】 操作ペダル53には、走行車体1の前方に向けて延出する操作レバー54が一体装備されており、走行車体1の前方から、その操作レバー54を押し下げることで、主クラッチ20の切り状態とブレーキ52の制動状態とを現出することができ、その操作レバー54の押し下げを解除することで、主クラッチ20の入り状態とブレーキ52の非制動状態とを現出することができる。 【0038】 つまり、操作レバー54を利用することで、地上側からでも、主クラッチ20やブレーキ52の作用による車体の発進・停止操作や変速操作を行えるようになっている。 【0039】 図1〜3に示すように、支持台8には、走行車体1の地上側からの誘導操作を可能にする操作アーム55が固定装備され、この操作アーム55は、正面視が先窄まり状の略逆U字状で側面視が略L字状になるように屈曲形成されたパイプ材からなり、その左右方向の長さ(左右幅)が操縦塔12の左右方向の長さ(左右幅)よりも長くなるように設定され、又、その前部側が支持台8よりも車体前方に位置し、かつ、その上端が操縦塔12の上下中間位置よりも低い位置に位置するように、その両端が支持台8の対応する横側面にボルト連結されている。 【0040】 そして、運転者が地上に降りて車体を走行させる畦越え走行などを行う場合には、走行車体1の前端部に固定装備した操作アーム55を利用すれば、畦越え走行時に発生し易い車体前部側の浮き上がりを抑える押さえ込み操作や、車体を左右に誘導する誘導操作などを地上側から良好に行える。 【0041】 しかも、操作アーム55の上端位置を低くしたことで、操作アーム55を利用した車体前部側の引き上げ操作が行い易くなり、車体の前部側を持ち上げ気味にした誘導操作が行い易くなる。 【0042】 操縦塔12には、エンジン10に備えた点火装置(図示せず)への通電停止を可能にする停止スイッチ56が配備されており、これによって、運転者が地上に降りて車体を走行させる畦越え走行などにおいて、車体を緊急停止させる必要が生じた場合には、その走行時には走行車体1の前方に位置する運転者が、その位置からの操作が可能となるように配置された停止スイッチ56を押圧操作することで、エンジン10の停止とともに車体を簡単に走行停止させることができる。 【0043】 図1、図4及び図6に示すように、ステアリングホイール13は、支持台8及び操縦塔12に相対回転可能に支持されたステアリング軸57の上端部に装備され、ステアリング軸57は、その下端部に一体形成したピニオンギヤ57Aが、支持台8に相対揺動可能に軸支されたセクターギヤ58に噛合し、セクターギヤ58は、その左右両端部に連係アーム58Aが一体形成され、それらの連係アーム58Aは、左右の前輪15を操舵する左右の対応するナックルアーム59にタイロッド60を介して連動連結されている。 【0044】 セクターギヤ58には、その支点を中心とする左右一対の長孔58aが形成され、それらの長孔58aに一端部が係合された左右の連係ロッド61の他端部が、対応するサイドクラッチ29の操作アーム62に連結されている。 【0045】 つまり、ステアリングホイール13の回動操作に連動して左右の前輪15が操舵され、又、その操作で、前輪15が直進位置から設定角度以上に操舵されると、旋回内側の後輪16に対するサイドクラッチ29が切り状態に切り換えられて、左右の前輪15と旋回外側の後輪16とを駆動した3輪駆動状態で旋回する小旋回状態が現出される。 【0046】 図1〜3、図5及び図7に示すように、ミッションケース5後端上部と伝動ケース6の支持部材18とにわたって、無底の台形状に曲げ形成された左右一対のパイプ材などによって、エンジン10などを上方から覆うように枠組みされた座席フレーム63が架設され、エンジン10の上方となる座席フレーム63の上部前側に、運転座席14が、その前部の連結支点周りに前後揺動可能に、かつ、前後方向に位置調節可能にピン連結され、又、座席フレーム63の上部後側に燃料タンク64が連結配備されている。 【0047】 座席フレーム63の後上部には、搭乗ステップ11の左右の後端部を受け止め支持する支持フレーム65が溶接装備されている。 【0048】 運転座席14の右側方には、昇降シリンダ2の作動状態を切り換える制御弁(図示せず)と、苗植付装置4に対する伝動状態を切り換える作業クラッチ(図示せず)とに、それぞれ操作連係された作業用レバー66が配備されており、この作業用レバー66を操作することで、苗植付装置4の昇降操作や作動切り換え操作を行える。 【0049】 運転座席14の右下方には、エンジン10の調速装置(図示せず)に操作連係されたアクセルレバー67が配備されている。 【0050】 搭乗ステップ11は、その中央部に形成した開口から露出するエンジン10の前上部を覆い隠す樹脂製のボンネット68が着脱可能に係止連結されている。 【0051】 図1及び図2に示すように、苗植付装置4は、ミッションケース5のPTO軸から取り出される作業用の動力が、伸縮自在に構成された作業用の伝動軸69などを介して動力分配部70に伝達され、この動力分配部70から分配供給される動力で、3条分のマット状苗を載置する苗載台71が所定ストロークで左右方向に往復移動し、左右方向に一定間隔を隔てる状態に並設したクランク式の3つの植付機構72が、対応するマット状苗から所定量の苗を切り出して圃場泥土部に植え付け、左右方向に一定間隔を隔てる状態に並設した3つの縦送りベルト73が、苗載台71が左右のストローク端に到達するごとに、対応するマット状苗を所定量だけ下方に向けて縦送りすることで、最大3条の苗の植え付けを行えるように構成されている。 【0052】 苗植付装置4の下部には、植え付け前の圃場泥面を車体の走行に伴って整地する整地フロート74が、その後部支点周りでのピッチングが許容された状態で配備されている。 【0053】 そして、図示は省略するが、この田植機には、整地フロート74を接地させた走行時に、その走行に伴う整地フロート74のピッチングに基づいて昇降シリンダ2の作動を制御することで、走行車体1の上下動にかかわらず、苗植付装置4を予め設定した接地高さ(植え付け高さ)に維持する高さ維持装置が装備されており、これによって、苗植付装置4による苗の植え付けを予め設定した植え付け深さで安定して行える。 【0054】 作業用レバー66の後方には、高さ維持装置に操作連係された感度調節レバー75が配備されており、この感度調節レバー75を操作することで、高さ維持装置の制御感度を圃場泥土の硬さなどに応じて調節することができる。 【0055】 図1〜3、図5及び図7〜10に示すように、走行車体1には、最大3枚の予備苗の載置が可能となるように構成された予備苗載台76がボルト連結されており、この予備苗載台76は、予備苗が載置される3つの苗台77を、その1つが、側面視で運転座席14と重合する運転座席14の右側方の位置に、正面視で搭乗ステップ11の右側端と苗植付装置4の右側端との間に位置するように、又、その2つが、上下方向に所定間隔を隔てて並ぶ状態で、側面視で運転座席14と重合する運転座席14の左側方の位置に、正面視で搭乗ステップ11の左側端と苗植付装置4の左側端との間に位置するように、予備苗フレーム78に備えて構成されている。 【0056】 つまり、3つの苗台77を上記のように配置したことで、小型に形成される3条植え用の乗用田植機でありながら、車体の全長や左右幅が大きくなる、あるいは、車体の前後バランスが変化するなどの不都合を招くことなく、3枚の予備苗を、苗載台71に対する苗補給の行い易い位置に備えることができ、これによって、苗補給のための畦への立ち寄り回数を少なくすることができるとともに、苗載台71への苗補給に要する労力を軽減でき、結果、小型の乗用田植機として、作業走行時の枕地旋回による隣接条合わせなどを容易に行える高い旋回性を確保しながら、作業効率の向上や作業労力の軽減化を図れるようになる。 【0057】 又、ステアリングホイール13と左右の苗台77との間に乗降空間Sを確保することができ、これによって、運転座席14よりも前方でステアリングホイール13の左右に位置する搭乗ステップ11の乗降ステップ部11Aを利用した走行車体1の横側方や前方からの乗降が行い易くなる。 【0058】 尚、苗植付装置4には、苗載台71を左右方向に摺動案内する摺動レール79や苗載台71などの他物との接触を防止するために、苗植付装置4の左右外側方に向けて延出する左右一対のガード杆80が装備されており、これらのガード杆80における摺動レール79の横外方に位置する前後向きの外端部80Aによって、苗植付装置4の左右両側端が形成されている。 【0059】 予備苗フレーム78は、座席フレーム63にボルト連結される左右向きフレーム部78Aと、搭乗ステップ11にボルト連結される左右の前後向きフレーム部78Bと、苗台77が装備される左右の上下向きフレーム部78Cとを有するように屈曲形成された丸パイプ材などによって構成されている。 【0060】 3つの苗台77のうち、右側の苗台77と左下側の苗台77は、それらの高さ位置が運転座席14の座面高さ位置と略同じ高さ位置になるように配置設定され、又、予備苗フレーム78において、右側の苗台77を支持する右側の上下向きフレーム部78Cは、右側の苗台77の高さ位置に応じた短い長さに形成されている。 【0061】 つまり、作業用レバー66、アクセルレバー67、及び感度調節レバー75などが配備される車体右側に、単一の苗台77を、運転座席14の座面高さ位置と略同じ高さの低い位置に配置し、かつ、その苗台77を支持する右側の上下向きフレーム部78Cの上方への延出長さを短くしたことで、例えば、車体右側に単一の苗台77を運転座席14の座面高さ位置よりも高い位置に配置する場合や、車体右側に2つの苗台77を上下に並べて配置する場合などに比較して、作業用レバー66、アクセルレバー67、あるいは、感度調節レバー75などを操作する際に、予備苗載台76が邪魔になる不都合や、予備苗載台76によって窮屈感を覚える不都合を招き難くすることができる。 【0062】 又、走行車体1の右側においては、予備苗載台76の苗台77がステアリングホイール13よりも低く配備されることで、ステアリングホイール13と右側の苗台77との間の乗降空間Sを、ステアリングホイール13と左側の苗台77との間の乗降空間Sよりも広く確保することができ、その分、右側の乗降空間Sを利用した車体右側からの乗降が更に行い易くなる。 【0063】 尚、図2における符号81は、エンジン10の始動操作性を考慮して搭乗ステップ11における運転座席14の右前方箇所に配置したエンジン始動用のリコイルノブである。 【0064】 3つの苗台77は、同一形状のものが採用され、予備苗フレーム78から横外方に向けて延出する載置姿勢と、予備苗フレーム78に沿って起立する格納姿勢とに、前後向きの軸心周りでの揺動による姿勢切り換え操作が可能となるように、予備苗フレーム78の対応する上下向きフレーム部78Cに装備されている。 【0065】 左側の2つの苗台77は、それらを載置姿勢に切り換えた際に、それらの揺動支点側に形成した接当凹部77aが、予備苗フレーム78における左側の上下向きフレーム部78Cに接当することで、載置姿勢に保持され、又、それらを格納姿勢に切り換えた際に、上方の苗台77の揺動始端側に一体形成した前後一対の係止片77bと、下方の苗台77の遊端側に形成した前後一対の係止孔77cとが係合することで、格納姿勢に保持できる。 【0066】 右側の単一の苗台77は、載置姿勢に切り換えた際に、その揺動支点側に形成した接当凹部77aが、予備苗フレーム78における右側の上下向きフレーム部78Cに接当することで載置姿勢に保持され、又、格納姿勢に切り換えた際に、その揺動始端側に一体形成した前後一対の係止片77bに、その下方に前後向きの軸心周りに上下揺動可能に配備した支持部材82の遊端を係合させることで格納姿勢に保持できる。 【0067】 支持部材82は、細い丸鋼材を折り曲げて形成されたものであって、その両端部が、予備苗フレーム78における右側の上下向きフレーム部78Cに穿設した取付孔(図示せず)に係入されることで、右側の上下向きフレーム部78Cに前後向きの軸心周りに上下揺動可能に装備され、苗台77の係止片77bとの係合を解除した状態では、その自重で下方に向けて垂下した状態を維持するようになり、その結果、右側の苗台77を載置姿勢に切り換えた状態では、その苗台77の下方に隠れるようになることから、右側の苗台77に載置された予備苗を苗載台71に補給する際に邪魔になる虞が回避されている。 【0068】 予備苗フレーム78の左側の上下向きフレーム部78Cにおける上下の苗台77の間には、予備苗補給後に左下側の苗台77に載置された苗掬い板83を、その苗台上に押さえ付けて載置保持することで、風による苗掬い板83の舞い上がりを阻止する保持具84が配備されている。 【0069】 保持具84は、丸鋼材を折り曲げて形成されたものであって、その一端部が予備苗フレーム78における左側の上下向きフレーム部78Cに穿設した取付孔(図示せず)に係入されることで、左側の上下向きフレーム部78Cに前後向きの軸心周りに上下揺動可能に装備され、又、その一端側に穿設した係止孔(図示せず)と、左側の上下向きフレーム部78Cに溶接した係止ピン85とにわたって架設したトグルバネ86の作用で、苗掬い板83を苗台77に載置保持する保持姿勢と、左側の上下向きフレーム部78Cに沿って起立した格納姿勢とに、その姿勢を切り換え保持できるように構成されている。 【0070】 つまり、左下側の苗台77を、予備苗補給後の苗掬い板83を載置する載置部に設定し、その苗台77に苗掬い板83を載置保持する保持具84を、左側の上下向きフレーム部78Cにおける上下の苗台77の間に配備するようにしたことで、保持具84を格納姿勢に切り換えても、左上側の苗台77を載置部に設定し、その上方に保持具84を配備する場合のように、保持具84が上下向きフレーム部78Cの上端から更に上方に向けて突出するようになることがなく、これによって、左側の苗台77に載置された予備苗を苗載台71に補給する際に、格納姿勢に切り換えた保持具84が邪魔になる虞を回避してある。 【0071】 図2及び図11に示すように、苗載台71の表側には、3条分の載置面71aが区画形成され、苗載台71における各載置面71aの裏側には、苗掬い板83を延長苗載台として使用することを可能にする係止片71bが一体形成されており、苗掬い板83は、その先端側を対応する載置面71aの裏側と係止片71bとの間に係入することで、対応する載置面71aの上端から苗載面71aに沿って上方に向けて延出する状態に係合保持されるようになっている。 【0072】 ところで、図1及び図11に示すように、苗載台71の裏側には、苗植付装置4に立設した支持フレーム87によって、左右方向への相対摺動が許容された状態で支持されるレール状の被支持フレーム88が装備されていることから、例えば、図12に示すように、この被支持フレーム88の形状を、苗載台71に装備した状態において、苗載台71との間に苗掬い板83の格納保持を可能にする隙間が形成されるように設定し、又、苗載台71における各載置面71aの裏側に、苗掬い板83の先端を受け止め支持する係止片71cを一体形成して、風の影響を受け難い苗載台71の裏側に、予備苗補給後の苗掬い板83を格納するように構成してもよい。この構成では、予備苗補給後の苗掬い板83を苗台77に載置する場合に必要となっていた保持具84を不要にすることができ、その分、構成の簡素化を図れるようになる。 【0073】 図1〜3及び図7に示すように、搭乗ステップ11は、その後部における運転座席14と左側の苗台77との間に、苗載台71に対する予備苗供給時に足置き部として使用することが可能となるように平坦に形成された補助ステップ部11Bが備えられている。そして、この補助ステップ部11Bは、運転座席14の後方に配置した燃料タンク64に給油する際には、給油用の補給タンク(図示せず)を仮置きする仮置き台としても利用できるようになっている。 【0074】 図1〜3に示すように、誘導用の操作アーム55には、平面視で、その前面における左右中央側ほど前方に向けて膨出するように前面を緩やかに湾曲させることなどによって、外観の向上などが図られたバランスウェイト89が着脱可能に装備されている。 【0075】 つまり、車体重心から車体前方側の最も離れた位置にバランスウェイト89を装備することから、バランスウェイト89として比較的軽量のものを採用しながらも、そのバランス機能を効果的に発揮させることができて、車体の前後バランスにおける安定性の向上を図れるようになり、又、バランスウェイト89として比較的軽量のものを採用できることで、車体全体としての重量化を抑制でき、操作アーム55を利用した地上側からの車体の操作性を確保できる。 【0076】 しかも、車体フレーム9の底部などにバランスウェイト89を装着する場合に比較して、バランスウェイト89の着脱を容易に行えることから、例えば、苗植付装置4を作業条数の多いものや重量の大きい作業装置に付け替えることなどに起因した後部重量の増加に対する処置を簡単に行える。 【0077】 図13、図14に示すように、バランスウェイト89には、正面視が先窄まり状の略逆U字状に形成された操作アーム55に対するバランスウェイト89の正面側からの外嵌装着を可能にするために背面視でハの字状となるように形成された一対の係合溝89aと、ボルト90の螺合で操作アーム55に対するバランスウェイト89の外嵌装着状態を維持するように形成された抜止孔89bとが備えられており、これによって、操作アーム55にバランスウェイト89を装着した場合には、バランスウェイト89の自重による先窄まり状の操作アーム55とハの字状の一対の係合溝89aとの接合で、操作アーム55に対するバランスウェイト89の上下方向での位置ずれが阻止されるようになり、又、一対の係合溝89aと4本のボルト90による操作アーム55の挟み込みで、操作アーム55に対するバランスウェイト89の前後方向での位置ずれが阻止されるようになり、結果、バランスウェイト装着用の取付具としては4本のボルト90を用意するだけの簡単かつ安価な構成でありながら、バランスウェイト89を適切な位置に安定状態で確実に取り付けることができる。 【0078】 図1〜3に示すように、支持台8には左右一対の隣接マーカー91が連結装備され、これらの隣接マーカー91は、支持台8にボルト連結されたブラケット92に、曲げ加工が施された丸棒鋼材などからなるマーカーアーム93を、前後揺動と上下揺動による姿勢切り換え操作、及び、姿勢保持が可能となるように、保持機構94を介して支持装備することで、その先端部91Aとなるマーカーアーム93の先端部93Aが垂下姿勢で車体横外側方に張り出す作用姿勢と、先端部93Aが起立姿勢で操作アーム55の直前に位置する格納姿勢とに、姿勢切り換え保持可能に構成されている。 【0079】 ブラケット92には、マーカーアーム93の基端部93Bとの接当で、マーカーアーム93の作用姿勢から後方への揺動を阻止するストッパ92Aが屈曲形成されている。 【0080】 符号の付設は省略するが、保持機構94は、マーカーアーム93の基端部93Bが挿通される貫通孔が穿設されたボルトを、対応するブラケット92に、上下向きの軸心周りに相対回転可能に、かつ、上下方向に相対変位可能に装備し、そのボルトの上部に螺合したナットとブラケット92との間に、ボルトを上昇付勢する押しバネを介装して、ボルトの貫通孔に挿通されたマーカーアーム93の基端部93Bを、ボルトとブラケット92とで挟持することで、マーカーアーム93のボルトを支点にした前後揺動による姿勢切り換え操作と、その基端部93Bを支点とした上下揺動による姿勢切り換え操作とを許容しながら、マーカーアーム93を任意の姿勢で保持するように構成されている。 【0081】 図1〜3及び図15〜17に示すように、搭乗ステップ11には、滑り止め用の複数のバーリング孔11aが形成されており、搭乗ステップ11における操縦塔12と予備苗載台76との間の位置には、作業時の走行に伴って走行用の指標としての走行基準線を圃場泥面に形成する左右一対のマーカー95が、搭乗ステップ11の左右の対応する左右一対のバーリング孔11aを利用して、搭乗ステップ11に対する車体前後方向での取り付け位置の変更が可能となるように着脱可能に装備されている。 【0082】 左右の各マーカー95は、搭乗ステップ11に着脱可能にボルト連結された固定ブラケット96に、揺動アーム97を、前後向きの支点ピン98を支点にした起伏揺動操作が可能となるように連結することで、その先端部95Aが車体から離れて圃場泥面に突入するように車体の横外方に向けて倒伏させた作業姿勢と、その先端部95Aが圃場泥面から離れて車体に近接するように車体に向けて起立させた格納姿勢とに、起伏揺動による姿勢切り換え操作が可能となるように構成されている。 【0083】 固定ブラケット96は、略コの字状で、揺動アーム97との連結端側に、揺動アーム97との接当で、揺動アーム97の起伏揺動を規制する上向きのストッパ96Aを有するように屈曲形成されている。 【0084】 揺動アーム97は、固定ブラケット96に連結される揺動ブラケット99に、この揺動ブラケット99から延出するマーカーアーム100を、揺動ブラケット99に備えた保持具101で連結して構成されている。 【0085】 揺動ブラケット99は、前後方向への相対変位が阻止された状態で固定ブラケット96に外嵌するコの字状に屈曲形成され、その前側コーナー部に、マーカーアーム100の基端部100Aが挿通される挿通孔99aが形成されている。 【0086】 マーカーアーム100は、略L字状で、その車体側部分となる基端側に、先端部100Bの延出方向に対する反対の方向に向けて突出する突曲部100Cを有するように曲げ形成された丸棒鋼材などによって構成され、その先端部100Bがマーカー95の先端部95Aとして線引き作用する。 【0087】 保持具101は、前後向きの姿勢で揺動ブラケット99に支持されるとともに、マーカーアーム100の基端部100Aが挿通される貫通孔102aが穿設された支持ピン102や、揺動ブラケット99から前方に向けて延出する支持ピン102の雄ネジ部102Aに螺合されるナット103などによって構成されており、マーカーアーム100の基端部100Aを、揺動ブラケット99の挿通孔99aと支持ピン102の貫通孔102aとに挿通した後、その基端部100Aが適切な保持力で揺動ブラケット99と支持ピン102とで挟持されるように、ナット103を支持ピン102の雄ネジ部102Aに螺合させることで、マーカーアーム100を、その基端部100Aを支点にした揺動操作を許容しながら、その揺動方向の任意姿勢で姿勢保持するようになっている。 【0088】 固定ブラケット96には、前後向きの係止ピン104が、支点ピン98に対する遠近方向での変位が可能となるように装備され、その係止ピン104と支持ピン102とにわたってトグルバネ105が架設されており、このトグルバネ105の作用で、揺動アーム97を、その揺動ブラケット99がストッパ96Aに車体内方側から接当する起立姿勢と、その揺動ブラケット99がストッパ96Aに車体外方側から接当する倒伏姿勢とに、姿勢保持できるようになっている。 【0089】 揺動ブラケット99は、その後壁99Aにおける車体内方側の端縁が、揺動アーム97の起伏揺動の際に、トグルバネ105の付勢に抗して係止ピン104を支点ピン98から離れる方向に押圧変位させるカム99bとして機能するように形成され、又、そのカム99bにおける支点ピン98の中心と支持ピン102の中心とを結ぶ線と交わる位置に、トグルバネ105の付勢による係止ピン104の係入を許容する係合凹部99cが形成されており、この係合凹部99cに係止ピン104が係入することで、揺動アーム97を、作業姿勢と格納姿勢との間、つまり、マーカーアーム100の先端部100Bを圃場泥面から退避させた退避姿勢で姿勢保持できるようになっている。 【0090】 要するに、左右のマーカー95は、運転座席14に着座した運転者の手が届く位置に配備されており、これによって、運転者は、運転座席14に着座したまま、左右のマーカー95を直接操作することで、それらの姿勢を、先端部95Aが車体から離れて圃場泥面に突入するように車体の横外方に向けて倒伏させた作業姿勢と、先端部95Aが圃場泥面から離れて車体に近接するように車体に向けて起立させた格納姿勢と、先端部95Aが車体から離れた状態を維持しながら圃場泥面から離れるように作業姿勢と格納姿勢の間に位置させた退避姿勢とに、前後向きの支点ピン98を支点にして切り換え保持することができ、又、格納姿勢においては、それらの姿勢を、作業姿勢への姿勢切り換え操作に伴って先端部95Aが圃場泥面に突入するように先端部95Aの向きを車体の前後方向と直交する車体横外方向きに設定した作業待機姿勢と、先端部95Aの車体横外方への突出が抑制されるように先端部95Aの向きを車体の前後方向に沿う後向きに設定した非作業姿勢とに、マーカーアーム100の基端部100Aを支点にして切り換え保持することができる。 【0091】 その結果、左右のマーカー95を運転者の手が届かない位置に配備した場合に必要となる、左右のマーカー95の遠隔操作を可能にするための構成、例えば、左右のマーカー95を揺動駆動するアクチュエータや、そのアクチュエータを遠隔操作するための操作機構、あるいは、苗植付装置4の作業高さ位置から非作業高さ位置への上昇操作に連動して、左右のマーカー95が作業姿勢から格納姿勢に切り換わるように、苗植付装置4と左右のマーカー95とを連係する連係ワイヤなどからなる連係機構や、そのときの格納姿勢への切り換えに伴って左右のマーカー95を格納姿勢で保持する保持機構、及び、その保持機構によるマーカー95の格納保持を遠隔解除するための操作機構、などを不要にすることができ、その分、構成の簡素化、コストの削減、及び、車体の軽量化、などを図ることができる。 【0092】 又、運転者が左右のマーカー95を直接操作することで、マーカー95を作業姿勢から引き上げる際の操作速度を任意に調節できることから、アクチュエータの作動や苗植付装置4の上昇操作との連動で、マーカー95を作業姿勢から引き上げる場合に比較して、マーカー95の引き上げる際に発生する運転者側への泥はねを抑制できる。 【0093】 そして、左右のマーカー95を作業姿勢に切り換えた状態では、マーカーアーム100の突曲部100Cが上方に向けて突出することから、左右のマーカー95を、運転座席14に着座した運転者から最も離れるようになる作業姿勢から引き起こす場合であっても、その突曲部100Cを把持することで、運転座席14に着座した運転者に無理な姿勢を強いることなく、左右のマーカー95を作業姿勢から退避姿勢や格納姿勢に切り換えることができ、結果、マーカー95の姿勢切り換え操作における操作性の向上を図れる。 【0094】 又、マーカー95の配設箇所は、運転座席14に着座した運転者の視界に入り易い位置でもあることから、マーカー95の姿勢確認を容易に行えるようになり、マーカー95の操作忘れなどを回避し易くなる。 【0095】 しかも、左右のマーカー95を退避姿勢に切り換え保持可能に構成したことで、作業走行時に頻繁に行う必要のある枕地旋回前後などでのマーカー95の姿勢切り換え操作を、作業姿勢と、その作業姿勢との間でのマーカー95の操作量が格納姿勢よりも少ない退避姿勢との間で行えることから、作業姿勢と格納姿勢との間でマーカー95の姿勢切り換え操作を行う場合に比較して、マーカー95の姿勢切り換え操作に要する労力を軽減できて、作業性の向上を図れるようになり、又、マーカー95を作業姿勢から格納姿勢に切り換える場合に比較して、マーカー95を引き上げる際に発生する運転者側への泥はねを抑制でき、更に、予備苗載台76から苗載台71への苗補給を行う際には、マーカー95を退避姿勢に切り換え保持することで、マーカー95を格納姿勢に切り換え保持した場合のように、マーカー95が邪魔になる不都合を招くことなく、予備苗載台76から苗載台71への苗補給を速やかに行える。 【0096】 その上、移動走行時などにおいては、格納姿勢に切り換えた左右のマーカー95を、作業待機姿勢から非作業姿勢に切り換えることで、苗植付装置4の左右幅内に納めることができ、これによって、移動走行時における左右のマーカー95の他物との接触を回避し易くなり、又、左右幅の狭い軽トラックの荷台などへの載置や納屋などへの収納を、左右のマーカー95を取り外す手間を要することなく行える。 【0097】 更に、運転者の体格や座席位置などに応じて、左右のマーカー95の取り付け位置を、車体の前後方向に変更できることから、運転者の体格差や座席位置などによってマーカー95の操作性が低下する虞を回避できる。 【0098】 図18に示すように、予備苗載台76を走行車体1の前部に配備して、バランスウェイトとして有効利用することで、操作アーム55に装着するバランスウェイト89を不要にする、又は、バランスウェイト89の重量を小さくして、車重の軽量化を図るようにしてもよい。 【0099】 ところで、上記のように予備苗載台76を走行車体1の前部に配備した場合には、走行車体1に対する乗降が行い難くなるなどの不都合を招く虞があることから、以下に、それらの不都合を回避するための構成を例示する。 【0100】 例えば、図18に示すように、予備苗載台76を、走行車体1の前端から前方への張り出し、及び、苗植付装置4の左右両側端から横外方への張り出しが阻止された格納位置と、走行車体1の前端から前方に向けて張り出す張出位置とに、前後方向へのスライド移動(又は揺動)による位置変更操作が可能となるように構成すれば、予備苗載台76を格納位置に位置させることで、前後長さが短く左右幅の狭い軽トラックの荷台などに載置する場合や、左右幅が狭く奥行きの浅い納屋などに収納する場合などにおいて有利にすることができるとともに、作業走行時の旋回性を確保することができ、又、予備苗載台76を張出位置に位置させることで、走行車体1に対する横側方からの乗降が行い易くなるとともに、予備苗載台76に対する前方の畦からの苗補給が行い易くなる。 【0101】 図示は省略するが、予備苗載台76を、走行車体1の前端から前方への張り出し、及び、苗植付装置4の左右両側端から横外方への張り出しが阻止された格納位置と、苗植付装置4の左右両側端から横外方に向けて張り出す張出位置とに、左右方向へのスライド移動又は揺動による位置変更操作が可能となるように構成すれば、予備苗載台76を格納位置に位置させることで、前後長さが短く左右幅の狭い軽トラックの荷台などに載置する場合や、左右幅が狭く奥行きの浅い納屋などに収納する場合などにおいて有利にすることができるとともに、作業走行時の旋回性を確保することができ、又、予備苗載台76を張出位置に位置させることで、走行車体1に対する前方からの乗降が行い易くなるとともに、予備苗載台76に対する横側方の畦からの苗補給が行い易くなる。 【0102】 図示は省略するが、予備苗載台76を、走行車体1の前端から前方への張り出し、及び、苗植付装置4の左右両側端から横外方への張り出しが阻止された格納姿勢と、各苗台77の後部側が苗植付装置4の左右両側端から横外方に向けて張り出す張出姿勢とに、縦軸心周りの揺動による各苗台77の姿勢変更操作が可能となるように構成すれば、各苗台77を格納姿勢に姿勢変更することで、前後長さが短く左右幅の狭い軽トラックの荷台などに載置する場合や、左右幅が狭く奥行きの浅い納屋などに収納する場合などにおいて有利にすることができるとともに、作業走行時の旋回性を確保することができ、又、各苗台77を張出姿勢に姿勢変更することで、走行車体1に対する横側方からの乗降が行い易くなるとともに、予備苗載台76に対する前方又は横側方の畦からの苗補給が行い易くなる。 【0103】 図示は省略するが、予備苗載台76を、左右向きの軸心周りの揺動による各苗台77の水平姿勢と起立姿勢との姿勢変更操作が可能となるように構成すれば、各苗台77の姿勢にかかわらず、前後長さが短く左右幅の狭い軽トラックの荷台などに載置する場合や、左右幅が狭く奥行きの浅い納屋などに収納する場合などにおいて有利にすることができるとともに、作業走行時の旋回性を確保することができ、又、各苗台77を起立姿勢に姿勢変更することで、走行車体1に対する横側方からの乗降を行い易くすることができる。 【0104】 図示は省略するが、予備苗載台76の各苗台77を、それらの後半部を前半部に向けて折り畳み可能、又は、スライド移動可能となるように構成すれば、各苗台77の状態にかかわらず、前後長さが短く左右幅の狭い軽トラックの荷台などに載置する場合や、左右幅が狭く奥行きの浅い納屋などに収納する場合などにおいて有利にすることができるとともに、作業走行時の旋回性を確保することができ、又、各苗台77の後半部を前半部に向けて折り畳む又はスライド移動させることで、走行車体1に対する横側方からの乗降を行い易くすることができる。 【0105】 図示は省略するが、単に、予備苗載台76を、走行車体1の前端から前方に張り出し、かつ、苗植付装置4の左右両側端から横外方への張り出しが阻止された位置に固定装備して、走行車体1に対する横側方からの乗降性を確保するようにしてもよく、又、走行車体1の前端から前方への張り出しが阻止され、かつ、苗植付装置4の左右両側端から横外方に張り出す位置に固定装備して、走行車体1に対する前方からの乗降性を確保するようにしてもよい。 【0106】 ところで、田植機を前進させて、前後長さの短い軽トラックの荷台などに載置する場合や、奥行きの浅い納屋などに収納する場合などには、走行車体1の前端を荷台の前壁や納屋の壁面に近接させる必要があり、又、走行車体1の前方から乗降や予備苗補給を行う場合には、走行車体1の前端を畦に近接させる必要がある。 【0107】 そのため、それらの場合において、車体の停止操作を誤った場合や怠った場合には、走行車体1を荷台の前壁や納屋の壁面あるいは畦に衝突させて破損させる虞がある。 【0108】 そこで、図19に示すように、走行車体1の前端にバンパー106を備えるとともに、そのバンパー106の他物との接触に伴って、エンジン10の点火装置への通電を阻止するスイッチ(図示せず)を装備することが考えられており、このようにすれば、車体の停止操作を誤ることや怠ることで、バンパー106が荷台の前壁や納屋の壁面などの他物に接触すると、そのときのスイッチの作用で、エンジン10の点火装置(図示せず)への通電が阻止されて、エンジン10が停止し、車体が走行停止することから、車体の停止操作を誤ることや怠ることに起因した走行車体1と荷台の前壁や納屋の壁面などの他物との衝突による破損を回避できる。 【0109】 〔別実施例〕 〔1〕水田作業車としては、4条以上の植え付けが可能に構成された乗用田植機や、施肥装置などを追加装備した乗用田植機、あるいは、乗用田植機以外の直播機などであってもよい。 【0110】 〔2〕マーカー95としては、作業時の走行に伴って、その先端部に備えた回転体が、走行用の指標としての盛り土を進行方向に沿って点在させるように構成された回転式のものなどであってもよい。 【0111】 〔3〕マーカー95としては、作業姿勢と格納姿勢とに姿勢切り換え保持が可能となるように構成されたものであってもよい。 【0112】 〔4〕マーカー95としては、その基端部に、車体内方に向けて延出する操作アームを備えたものであってもよい。 【0113】 〔5〕マーカー95としては、運転座席14の左右に位置する搭乗ステップ11の後部に配備されたものであってもよい。 【0114】 〔6〕マーカー95としては、前後方向への位置変更不能に固定装備されるものであってもよく、又、前後方向への多段の位置変更が可能となるように装備されるものであってもよい。 【0115】 〔7〕搭乗ステップ11に備えるマーカー取り付け用の取付孔(バーリング孔11aを含む)を車体の前後方向に沿って延びる長孔に形成して、左右のマーカー95の前後方向での位置変更を無段階で行えるように構成してもよい。 【0116】 〔8〕搭乗ステップ11に、マーカー取り付け専用の取付孔やバックル式の取付具などを備えるようにしてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0117】 【図1】乗用田植機の全体側面図 【図2】乗用田植機の全体平面図 【図3】乗用田植機の正面図 【図4】操向系及び伝動構成を示す平面図 【図5】エンジン周りの構成を示す要部の縦断側面図 【図6】ミッションケース内の伝動構成を示す縦断背面図 【図7】予備苗載台の構成を示す要部の背面図 【図8】予備苗載台の右側の構成を示す要部の縦断正面図 【図9】予備苗載台における苗掬い板保持構造を示す要部の横断平面図 【図10】予備苗載台の左側の構成を示す要部の縦断正面図と側面図 【図11】苗掬い板を延長苗載台に利用した状態を示す要部の背面図と縦断側面図 【図12】苗掬い板を苗載台の裏側に収納した状態を示す要部の背面図と縦断側面図 【図13】バランスウェイトの着脱構造を示す要部の縦断背面図 【図14】バランスウェイトの着脱構造を示す要部の横断平面図 【図15】マーカーの姿勢切り換え状態を示す要部の縦断正面図 【図16】マーカーの取り付け構造を示す要部の縦断正面図 【図17】マーカーの姿勢切り換え構造を示す要部の横断平面図 【図18】車体前部に予備苗載台を配備した状態を示す要部の側面図 【図19】衝突防止用のバンパーを備えた状態を示す要部の側面図 【符号の説明】 【0118】 11 搭乗ステップ 95 マーカー 95A 先端部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成17年11月18日(2005.11.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−135483(P2007−135483A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月7日(2007.6.7) |
| 【出願番号】 |
特願2005−334296(P2005−334296) |
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