トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 育苗用播種機
【発明者】 【氏名】白木 孝

【氏名】前田 茂義

【要約】 【課題】従来の育苗用播種機では、位置センサで播種位置を検知して自動的に播種するためには特殊な苗箱が必要とされ、平皿状や発泡スチロール製等の一般の苗箱を使用することができない、という問題があった。

【解決手段】苗箱12には、位置センサ15が検知可能な被検知体11を着脱自在に設け、該被検知体11による検出信号に基づいて前記播種位置に播種可能な構成とし、更に、該被検知体11は、遮蔽部26cと空間部26dとを備え、該遮蔽部26cと空間部26dとの間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗箱内での播種位置を位置センサによって検知して播種する育苗用播種機において、前記苗箱には、前記位置センサが検知可能な被検知体を着脱自在に設け、該被検知体による検出信号に基づいて前記播種位置に播種可能な構成としたことを特徴とする育苗用播種機。
【請求項2】
前記被検知体は、遮蔽部と空間部とを備え、該遮蔽部と空間部との間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種することを特徴とする請求項1記載の育苗用播種機。
【請求項3】
前記遮蔽部、空間部の少なくとも一方の位置を変更可能な構成とすることを特徴とする請求項2記載の育苗用播種機。
【請求項4】
前記被検知体は、反射率の異なる複数の部位から構成され、該部位の間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種することを特徴とする請求項1記載の育苗用播種機。
【請求項5】
前記被検知体は、前記検出信号を播種位置で変化させるマーカ部材を有し、該マーカ部材の取付位置を変更可能な構成とすることを特徴とする請求項4記載の育苗用播種機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、苗箱内の所定の播種位置に種子を播種するために位置センサを備えた育苗用播種機に関し、特に、隙間や凹凸がなく前記位置センサでは播種位置を検知できないような苗箱であっても、前記育苗用播種機に適用可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、育苗用播種機には、種子を育苗するための育苗ポットを碁盤目状に形成した、いわゆる育苗ポットトレイが使用されており、該育苗ポットトレイは、コンベアによって一枚ずつ搬送されて填土や灌水が施された後、アームセンサや光センサ等の位置センサで位置決めされ、各育苗ポット毎に播種する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3410794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記位置センサで位置決めするには、複数の育苗ポットが下方に突設された前記育苗ポットトレイのように、播種位置を検知するための隙間や凹凸を備えた専用の苗箱が必須とされた。例えば、アームセンサの場合には、育苗ポットの側面に検知部を付勢して当接させておき、該検知部の位置が育苗ポットの部分と育苗ポット同士の隙間とで変化することに基づいて育苗ポットを検出し、また、光センサの場合も、育苗ポットの側面に光を照射しておき、光が育苗ポットの部分では反射し育苗ポット同士の隙間では通過することに基づいて育苗ポットを検出するようにしている。
【0004】
そのため、作付けが少ない種子を手作業で播種して育苗するための平皿状の苗箱や、取り扱いや加工が容易な発泡スチロール製の苗箱のように、隙間や凹凸のない、一般によく使用される苗箱は、前記育苗用播種機には使用できずに、別途専用の苗箱が必要となり、処理コストが増加すると共に、一般の苗箱以外に専用苗箱分の収納スペースも別途必要となる、という問題があった。
【0005】
また、種子が、作付けが少ない上に径も小さくて手作業では非常に播種しにくい場合に、前記育苗用播種機を使用して播種位置精度の向上や作業負荷の軽減を図りたい、との要望も強くなってきている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、苗箱内での播種位置を位置センサによって検知して播種する育苗用播種機において、前記苗箱には、前記位置センサが検知可能な被検知体を着脱自在に設け、該被検知体による検出信号に基づいて前記播種位置に播種可能な構成としたものである。
請求項2においては、前記被検知体は、遮蔽部と空間部とを備え、該遮蔽部と空間部との間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種するものである。
請求項3においては、前記遮蔽部、空間部の少なくとも一方の位置を変更可能な構成とするものである。
請求項4においては、前記被検知体は、反射率の異なる複数の部位から構成され、該部位の間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種するものである。
請求項5においては、前記被検知体は、前記検出信号を播種位置で変化させるマーカ部材を有し、該マーカ部材の取付位置を変更可能な構成とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、苗箱内での播種位置を位置センサによって検知して播種する育苗用播種機において、前記苗箱には、前記位置センサが検知可能な被検知体を着脱自在に設け、該被検知体による検出信号に基づいて前記播種位置に播種可能な構成としたので、作付けが少ない種子を手作業で播種して育苗するための平皿状の苗箱や、取り扱いや加工が容易な発泡スチロール製の苗箱のように、播種位置を検知するための隙間や凹凸のない一般の苗箱も、前記育苗用播種機に使用することができ、専用の苗箱が不要となり、処理コストを低減でき、苗箱のための収納スペースも小さくて済む。また、作付けが少ない上に大きさが小さくて手作業では播種が難しい種子の場合にも、前記育苗用播種機を使用することができ、播種位置精度の向上や作業負荷の軽減を図ることができる。
請求項2においては、前記被検知体は、遮蔽部と空間部とを備え、該遮蔽部と空間部との間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種するので、被検知体を板材に切り欠き部や開口部を設けたような簡単な構造で製造することができる。
請求項3においては、前記遮蔽部、空間部の少なくとも一方の位置を変更可能な構成とするので、播種位置を自在に変更することができ、異なる播種位置毎に新たな被検知体を準備する必要がなく、被検知体にかかるコストを低減することができる。
請求項4においては、前記被検知体は、反射率の異なる複数の部位から構成され、該部位の間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種するので、被検知体を切り欠き部や開口部のない構造にして被検知体自体の剛性を高めることができ、苗箱に取り付ける際や、播種位置まで搬送する際等における被検知体の変形を十分に防止することができる。
請求項5においては、前記被検知体は、前記検出信号を播種位置で変化させるマーカ部材を有し、該マーカ部材の取付位置を変更可能な構成とするので、播種位置を自在に変更することができ、異なる播種位置毎に新たに被検知体を準備する必要がなく、被検知体にかかるコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に関わる育苗用播種機の全体構成を示す側面図、図2は同じく斜視図、図3は位置センサの平面図、図4は被検知体を設けた苗箱の斜視図、図5は第二実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図、図6は遮蔽部や空間部の各種形態を示す被検知体の部分側面図であって、図6(a)は矩形の空間部、図6(b)は切り欠き状の空間部、図6(c)は凸状の遮蔽部を示す部分側面図、図7は第三実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図、図8は第四実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図、図9は第五実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図である。
【0009】
まず、本発明に係わる育苗用播種機1の全体構成について、図1、図2により説明する。
該育苗用播種機1においては、搬送架台2の上に搬送コンベア3が配設され、該搬送コンベア3は、前記搬送架台2に取り付けた搬送モータ10によって、図中矢印13の方向が搬送コンベア3による搬送移動方向(以下、「搬送方向」とする)となるように駆動されると共に、搬送コンベア3には播種部4が跨設され、該播種部4の搬送方向下手側で搬送コンベア3の一側には、上手から順にエアボックス5、制御ボックス6が配設されている。本発明に係わる被検知体11を装着した苗箱12は、前記搬送コンベア3上の最上手側に載置された後、搬送コンベア3の搬送駆動とともに図中矢印13の搬送方向に送られる。
【0010】
一方、前記播種部4には、搬送方向と直交方向に、横一列に複数の播種パイプ14が配設されており、前記エアボックス5で設定された空気圧によって吸着・放出された種子9が、この播種パイプ14・14・・・を通って、前記苗箱12内に落下するようにしている。更に、該播種パイプ14下端の略側方近傍には、苗箱12内での播種位置を検出するための位置センサ15が配置されている。
【0011】
このような構成において、前記苗箱12が、搬送コンベア3の両側に設けた位置決め用のトレイガイド7・7に沿って搬送されてくると、前記位置センサ15が、苗箱12に取り付けた被検知体11からの受信信号をもとに、種子9を播種する横一列16の位置(以下、「播種位置」とする)を検出し、その検出信号に従って前記エアボックス5と制御ボックス6とが作動し、前記播種パイプ14・14・・・の下端から、各播種位置の土8の上に種子9が播種されるのである。
【0012】
ここで、前記位置センサ15について、図3により説明する。
該位置センサ15は、前記搬送架台2上に固定された基板17と、該基板17に平行リンク18を介して連結された略へ字状の可動板19と、該可動板19に軸支された検出アーム20と、該検出アーム20に当接された近接センサ部21とから構成される。
【0013】
前記平行リンク18はリンクアーム18aとリンクアーム18bから成り、このうちのリンクアーム18aを前記基板17に連結する支軸24と、前記リンクアーム18bを前記可動板19に連結する支軸25との間には、付勢バネ22が介設され、該付勢バネ22の弾性力により、被検知体11に向かって前記可動板19が垂直に移動接近させるよう付勢されている。
【0014】
前記可動板19には支軸23が設けられ、該支軸23には、前記検出アーム20が被検知体11側に付勢されるよう図示せぬ付勢バネによって回動可能に支持されている。そして、該検出アーム20の前記被検知体11側には、凸状の検出部20aが形成され、該検出部20aは、前記可動板19の側端面から前記被検知体11側に僅かに突出するように構成されている。同時に、前記可動板19には円形の取付孔19aが開口され、該取付孔19aには下から上方に向かって前記近接センサ部21が取付固定されると共に、該近接センサ部21の上部21aには、前記検出アーム20で被検知体11と反対側の外端20bが位置している。
【0015】
このような構成において、被検知体11を備えた苗箱12が位置センサ15まで搬送されてくると、該位置センサ15における可動板19の側端19bが、被検知体11側に付勢して当接され、該当接状態において、前記可動板19上の検出アーム20の検出部20aが、前記被検知体11によって押動される。つまり、検出部20aが後述する被検知体11の遮蔽部26cに接すると、検出アーム20が支軸23を中心に回動され、該検出アーム20の外端20bが前記近接センサ部21の上部21aまで移動し、該近接センサ部21のスイッチが「入」となり、その検出信号が前記制御ボックス6に送信される。これにより、該制御ボックス6がエアボックス5を作動させ、圧縮空気によって前記播種パイプ14・14・・・に種子9が供給され、各播種位置に種子9が播種されるのである。
【0016】
次に、本発明に係わる前記被検知体11について、図3、図4により説明する。
被検知体11は、断面視L字状の長尺な被検知部26と、該被検知部26の搬送方向前後両下面に固定された断面視略逆U字状の前後の取付部27・27とから構成され、該取付部27・27は、前記苗箱12の枠体29のうち搬送方向に平行で前記位置センサ15側にあたる枠部29aに、上方から嵌装されており、これにより、被検知体11が苗箱12に着脱自在に設けられている。なお、前記取付部27・27の搬送方向前端は、前記枠部29aの隣接辺である枠部29bの内壁部分に略当接されると共に、前記取付部28の搬送方向後端は、前記枠部29aの隣接辺である枠部29cの内壁部分に略当接されており、苗箱12の搬送中の振動等によって、被検知体11が搬送方向前後にずれないようにして、播種位置精度の向上を図っている。
【0017】
更に、前記被検知部26は、前記枠部29a上に配置されると共に前記取付部27・27が下面に固定された基板26aと、該基板26aの外辺から立設された被検知板26bとから成り、該検知板26bには、搬送方向に一定間隔で矩形の空間部26dが開口され、隣接する空間部26dの間には、遮蔽部26cが同じく一定間隔で形成されている。そして、該遮蔽部26cの位置を前記播種位置に対応させている。
【0018】
このような構成において、前記苗箱12が位置センサ15まで搬送されてくると、前記遮蔽部26cが位置センサ15における検出アーム20の検出部20aを外側に押動し、これにより、検出アーム20が外側に回動されて前記近接センサ部21の上部21aがこれを感知し、該近接センサ部21のスイッチが「切」から「入」となり、この「入」信号が播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信される。そして、この検出信号に基づいて、前記播種位置に播種することができるのである。
【0019】
次に、被検知体の第二実施例について、図5、図6により説明する。
前記被検知体11は、平皿状の苗箱12の枠体29の一辺に取り付けて使用するのに対し、図5に示すような被検知体31は苗箱30の下部全体を覆う支持部材として構成されるものであり、発泡スチロール製の苗箱のように、苗箱自体の構造強度が低かったり、軽くて搬送中にスリップしたり、あるいは苗箱への前記被検知体11のような部材の取り付けが困難な場合等に適用される。
【0020】
この被検知体31は、前記苗箱30を載置する底板32と、該底板32の端部から立設する前板33・33、後板34・34、側板35、被検知板36とから構成されており、該底板32、前板33・33、後板34・34、側板35は、苗箱30に下方から嵌装されて、被検知体31は苗箱30に着脱自在に設けられている。
【0021】
更に、前記被検知板36には、搬送方向に一定間隔で円形の空間部36bが開口され、隣接する空間部36bの間には、遮蔽部36aが同じく一定間隔で形成されている。そして、前記被検知部26と同様に、遮蔽部36aの位置を播種位置に対応させている。なお、被検知板36は前記苗箱30の右側面30aからは離間して設けており、該右側面30aと被検知板36との間に隙間を確保し、前記検出部20aが空間部36bに到達すると該空間部36b内に落ち込み、検出アーム20が苗箱30側に確実に回動されるようにしている。
【0022】
このような構成において、下部全体を被検知体31で覆った苗箱30が位置センサ15まで搬送されてくると、前記遮蔽部36aが位置センサ15における検出アーム20の検出部20aを外側に押動し、これにより、検出アーム20が外側に回動されて前記近接センサ部21のスイッチが「切」から「入」となり、この「入」信号が播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信される。そして、この検出信号に基づいて、前記播種位置に播種することができる。
【0023】
すなわち、以上の如く、苗箱12・30内での播種位置を位置センサ15によって検知して播種する育苗用播種機1において、前記苗箱12・30には、前記位置センサ15が検知可能な被検知体11・31を着脱自在に設け、該被検知体11・31による検出信号に基づいて前記播種位置に播種可能な構成としたので、作付けが少ない種子9を手作業で播種して育苗するための平皿状の苗箱12や、取り扱いや加工が容易な発泡スチロール製の苗箱30のように、播種位置を検知するための隙間や凹凸のない一般の苗箱も、前記育苗用播種機1に使用することができ、専用の苗箱が不要となり、処理コストを低減でき、苗箱のための収納スペースも小さくて済む。また、作付けが少ない上に大きさが小さくて手作業では播種が難しい種子9の場合にも、前記育苗用播種機1を使用することができ、播種位置精度の向上や作業負荷の軽減を図ることができるのである。
【0024】
ここで、図6に示すように、空間部については、被検知板37の空間部37aのように矩形にしたり、被検知板38の空間部38aのように切り欠き状にしてもよく、また、遮蔽部についても、被検知体39の遮蔽部39aのように凸状にしてもよく、空間部、遮蔽部とも、両者間で検出信号に変化が生じるものであれば、その形態は特に限定されるものではない。更に、本実施例では、いずれも遮蔽部の位置を播種位置に対応させているが、逆に、空間部を播種位置に対応するように設定してもよい。
【0025】
以上のように、前記被検知体11・31は、遮蔽部26c・36aと空間部26d・36bとを備え、該遮蔽部26c・36aと空間部26d・36bとの間で変化する検出信号に基づいて前記播種位置に播種するので、被検知体11・31を板材に切り欠き部や開口部を設けたような簡単な構造で製造することができ、被検知体11・31の製造コストを低減することができる。
【0026】
また、前記位置センサ15は、前述のような機械的なアームタイプのセンサだけでなく、検出手段に光を用いる後述するような光センサでもよく、遮蔽部や空間部を検知可能なものであれば特には限定されない。なお、この光センサの場合、前記遮蔽部では、光センサからの照射光が反射し、空間部では、照射光がそのまま通過するか、あるいは発泡スチロール等で一部反射するため、光センサが受ける反射光の有無や強弱が、播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信される。
【0027】
次に、被検知体の第三実施例について、図7により説明する。
被検知体40は、長尺な被検知部41と、該被検知部41の搬送方向前後両下面に固定された断面視略逆U字状の前後の取付部42・42とから構成され、該取付部42・42は前記枠部29aに上方から嵌装されており、被検知体40が苗箱12に着脱自在に設けられている。更に、該被検知体40の側方には、照射部と受光部とを具備した光センサから成る位置センサ54が配置されている。
【0028】
そして、前記被検知部41は、スリット44aが搬送方向に開口された長尺の本体44と、前記スリット44aに位置変更可能に取り付けられた遮蔽部45とから構成され、該遮蔽部45は、前記スリット44aの幅よりも大きな外板46と内板47とが、スリット44aに挿通される連結具48によって、本体44の上下のフレーム44b・44cを挟んで着脱自在に締結されることにより構成される。そして、この遮蔽部45の位置を前記播種位置に対応させている。
【0029】
これにより、遮蔽部45の位置は、前記連結具48を外して外板46と内板47を前記スリット44aから取り外した後に、所定の播種位置にて外板46と内板47を連結具48で再び前記スリット44aに取り付けることで、容易に変更することが可能となっている。また逆に、隣接する遮蔽部45の間の空間部49の位置を前記播種位置に対応させてもよく、この際の該空間部49の間隔は、遮蔽部45の外板46と内板47の長さ、及び遮蔽部45の取り付け位置を調整するだけで、容易に変更することができるのである。
【0030】
すなわち、前記遮蔽部45、空間部49の少なくとも一方の位置を変更可能な構成とするので、播種位置を自在に変更することができ、異なる播種位置毎に新たな被検知体を準備する必要がなく、被検知体にかかるコストを低減することができるのである。
【0031】
このような構成において、苗箱12が位置センサ54まで搬送されてくると、空間部49では、位置センサ54の照射部からの照射光55はそのまま通過するため、位置センサ54の受光部が前記反射光のエネルギー、すなわち前記受信信号を受けることはないが、照射位置が空間部49の隣の遮蔽部45に移動すると、照射光55が外板46の外側面46aによって反射され、その反射光56を位置センサ54の受光部が受けて受信信号を検知する。この受信信号が播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信され、そして、この検出信号に基づいて播種位置に播種することができる。
【0032】
次に、被検知体の第四実施例について、図8により説明する。
被検知体50は、長尺な被検知部53と、該被検知部53の搬送方向前後両下面に固定された断面視略逆U字状の取付部52・52とから構成され、該取付部52・52は苗箱12の前記枠部29aに上方から嵌装されており、被検知体50が苗箱12に着脱自在に設けられている。更に、該被検知体50の側方には前記位置センサ54が配置されている。
【0033】
そして、前記被検知部53で位置センサ54側に面した外側面53cには、反射率の高い高反射部53aと、該高反射部53aよりも反射率の低い低反射部53bとが搬送方向に交互に形成されている。
【0034】
このような構成において、前記苗箱12が位置センサ54まで搬送されてくると、該位置センサ54の照射部から照射光55が照射されて前記外側面53cによって反射されるが、前記高反射部53aと低反射部53bとでは反射光56のエネルギー、すなわち位置センサ54が受ける受信信号が変化する。例えば、前記高反射部53aの位置を播種位置に対応させた場合において、位置センサ54からの照射光55の照射位置が低反射部53bから高反射部53aに移動すると、反射光56のエネルギーが増大し受信信号の信号強度も増加し、この「増加」信号が播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信される。そして、この検出信号に基づいて播種位置に播種することができるのである。
【0035】
逆に、前記低反射部53bの位置を播種位置に対応させた場合には、位置センサ54からの照射光55の照射位置が高反射部53aから低反射部53bに移動すると、受信信号の信号強度も急激に減少し、この「減少」信号が播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信されるのである
【0036】
すなわち、前記被検知体50は、反射率の異なる複数の部位である高反射部53aと低反射部53bから構成され、該高反射部53aと低反射部53bとの間で変化する検出信号としての受信信号に基づいて前記播種位置に播種するので、被検知体50を切り欠き部や開口部のない構造にして被検知体50自体の剛性を高めることができ、苗箱12に取り付ける際や、播種位置まで搬送する際等における被検知体50の変形を十分に防止することができる。
【0037】
なお、前記高反射部53a・低反射部53bの形成にあたっては、前記外側面53cに、光を吸収しやすい塗料を部分的に塗布して、塗布部分と無塗布部分を設けたり、反射率の異なる複数の塗料を塗布して、高反射塗布部と低反射塗布部を設けたり、外側面53c自体の表面性状、例えば表面を研磨して表面粗さを変化させたり、あるいは、反射率の異なる二種類の部材を組み合わせたりしてもよく、高反射部53a・低反射部53bとの間で反射率が確実に変化するものであれば、特に限定されるものではない。また、前記受信信号には、光だけではなく音波等を使用してもよく、播種位置における、被検知体からの信号変化が、明確に検出可能なものであれば特に限定されない。
【0038】
次に、被検知体の第五実施例について、図9により説明する。
被検知体60は、長尺な被検知部61と、該被検知部61の前後両下面に固定された断面視略逆U字状の前後の取付部62・62とから構成され、該取付部62・62は、苗箱12の枠部29aに上方から嵌装されており、被検知体60が苗箱12に着脱自在に設けられている。更に、該被検知体60の側方には前記位置センサ54が配置されている。
【0039】
そして、前記被検知部61の長尺の本体65には、断面視コ字状の複数のマーカ部材63が、締結具64によって着脱自在に、しかも本体65上を搬送方向に摺動可能に外嵌されており、更に、このマーカ部材63の反射面63aは、前記本体65の外側面65aとは異なる反射率を有している。そして、このマーカ部材63の位置は前記播種位置に対応させている。
【0040】
このような構成において、マーカ部材63の位置は、前記締結具64を外した後にマーカ部材63を本体65上で摺動させてから所定の播種位置で再び締結具64によって固定することにより、容易に変更することができる。
【0041】
この実施例は、前記被検知部53と同様に、反射光56のエネルギーが、マーカ部材63の反射面63aと本体65の外側面65aとでは異なることを利用したものであり、照射光55による照射位置が外側面65aから反射面63aに移動すると、反射光56のエネルギーも変化して受信信号の信号強度が変化し、この変化が播種位置の検出信号として前記制御ボックス6に送信されるのである。
【0042】
すなわち、前記被検知体60は、前記検出信号としての受信信号を播種位置で変化させるマーカ部材63を有し、該マーカ部材63の取付位置を変更可能な構成とするので、播種位置を自在に変更することができ、異なる播種位置毎に新たに被検知体を準備する必要がなく、被検知体60にかかるコストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、育苗用播種機だけでなく、対象物を複数配置した運搬箱を搬送しながら該対象物に各種検査・処理を施すような、各種の自動検査選別装置等の装置類にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に関わる育苗用播種機の全体構成を示す側面図である。
【図2】同じく斜視図である。
【図3】位置センサの平面図である。
【図4】被検知体を設けた苗箱の斜視図である。
【図5】第二実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図である。
【図6】遮蔽部や空間部の各種形態を示す被検知体の部分側面図であって、図6(a)は矩形の空間部、図6(b)は切り欠き状の空間部、図6(c)は凸状の遮蔽部を示す部分側面図である。
【図7】第三実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図である。
【図8】第四実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図である。
【図9】第五実施例の被検知体を設けた苗箱の斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 育苗用播種機
11・31・40・50・60 被検知体
12・30 苗箱
15・54 位置センサ
26c・36a・39a・45 遮蔽部
26d・36b・37a・38a・49 空間部
63 マーカ部材
【出願人】 【識別番号】597041747
【氏名又は名称】アグリテクノ矢崎株式会社
【出願日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2007−124962(P2007−124962A)
【公開日】 平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願番号】 特願2005−321330(P2005−321330)