| 【発明の名称】 |
歩行型水田作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】中尾 康也
【氏名】小林 鑑明
【氏名】大利 公彦
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| 【要約】 |
【課題】歩行型水田作業機において、右又は左の車輪から右又は左の連係機構やアクチュエータに大きな負荷が掛かるような状態を適切に避けることができるようにする。
【解決手段】前部の横軸芯周りに上下揺動自在に支持されて後方に延出された右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の車輪1を備える。アクチュエータ54と右及び左の伝動ケースとを右及び左の連係機構56,57により機械的に連動連結して、アクチュエータ54により右及び左の連係機構56,57を介して右及び左の伝動ケースが上下に揺動駆動されるように構成する。右及び左の連係機構56,57に右及び左の弾性部材58を介在させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前部の横軸芯周りに上下揺動自在に支持されて後方に延出された右及び左の伝動ケースを備えて、前記右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の車輪を備え、 アクチュエータと前記右及び左の伝動ケースとを右及び左の連係機構により機械的に連動連結して、前記アクチュエータにより右及び左の連係機構を介して右及び左の伝動ケースが上下に揺動駆動されるように構成すると共に、 前記右及び左の連係機構に右及び左の弾性部材を介在させてある歩行型水田作業機。 【請求項2】 前記右及び左の伝動ケースに高さの差を与えるローリング機構と、前記ローリング機構による右及び左の伝動ケースの高さの差を設定範囲に規制する規制機構とを備えてある請求項1に記載の歩行型水田作業機。 【請求項3】 断面が異径状の右及び左の車軸を前記右及び左の伝動ケースの後部に回転自在に備え、前記右及び左の車軸に右及び左の車輪を取り付けると共に、 エンジンの動力を伝動ベルトによりギヤ変速装置に伝達し、前記ギヤ変速装置の動力を伝動軸及びベベルギヤ機構により、前記右及び左の車軸に伝達するように構成してある請求項1又は2に記載の歩行型水田作業機。 【請求項4】 前記ギヤ変速装置の動力を右及び左の車軸に分岐させて伝達する分岐点において、前記分岐点と右の車軸との間に右のサイドクラッチを備え、前記分岐点と左の車軸との間に左のサイドクラッチを備えてある請求項3に記載の歩行型水田作業機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、歩行型田植機や歩行型直播機等の歩行型水田作業機において、走行系の構造に関する。 【背景技術】 【0002】 歩行型水田作業機の一例である歩行型田植機では、例えば特許文献1に開示されているような構造を備えたものがある。 特許文献1では、前部の横軸芯(特許文献1の図1及び図7の15R,15L)周りに上下揺動自在に支持されて後方に延出された右及び左の伝動ケース(特許文献1の図1及び図7の16R,16L)を備えて、右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の車輪(特許文献1の図1及び図7の3R,3L)を備えており、アクチュエータ(特許文献1の図1の18)と右及び左の伝動ケースとを、右及び左の連係機構(特許文献1の図1及び図7の23R,23L)により機械的に連動連結して、アクチュエータにより右及び左の連係機構を介して右及び左の伝動ケースが上下に揺動駆動されるように構成している。 【0003】 水田において歩行型田植機は、機体(苗植付装置)が田面に位置し、田面の下方に位置する耕盤を右及び左の車輪が走行するので、田面から耕盤までの深さが変化しても、前述のように右及び左の伝動ケース(右及び左の車輪)を上下に揺動駆動することにより、機体(苗植付装置)を田面に位置させることができる(苗植付装置の苗の植付深さを設定深さに維持することができる)。 【0004】 【特許文献1】特開平6−153634号公報(図1及び図7) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1の歩行型田植機において、例えば耕盤の凸部に右又は左の車輪が乗り上げると、機体に対して右又は左の車輪が急激に持ち上げられる状態となるので、右又は左の車輪から右又は左の連係機構やアクチュエータに大きな負荷が掛かることになる。 本発明は歩行型水田作業機において、右又は左の車輪から右又は左の連係機構やアクチュエータに大きな負荷が掛かるような状態を、適切に避けることができるように構成することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0006】 [I] (構成) 本発明の第1特徴は、歩行型水田作業機において次のように構成することにある。 前部の横軸芯周りに上下揺動自在に支持されて後方に延出された右及び左の伝動ケースを備えて、右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の車輪を備える。アクチュエータと右及び左の伝動ケースとを右及び左の連係機構により機械的に連動連結して、アクチュエータにより右及び左の連係機構を介して右及び左の伝動ケースが上下に揺動駆動されるように構成する。右及び左の連係機構に右及び左の弾性部材を介在させる。 【0007】 (作用) 本発明の第1特徴によると、例えば耕盤の凸部に右(左)の車輪が乗り上げて、機体に対して右(左)の車輪が急激に持ち上げられる状態となっても、右(左)の車輪からの衝撃が右(左)の弾性部材によって吸収(軽減)されるので、右(左)の車輪から右(左)の連係機構やアクチュエータに大きな負荷が掛かる状態が避けられる。 【0008】 この場合、本発明の第1特徴によると、右の車輪からの衝撃及び左の車輪からの衝撃が別々に発生しても、右の車輪からの衝撃が右の弾性部材によって吸収(軽減)され、左の車輪からの衝撃が左の弾性部材によって吸収(軽減)されるので、右の車輪からの衝撃が左の連係機構に及んだり、左の車輪からの衝撃が右の連係機構に及んだりするような状態が少なくなる。 【0009】 (発明の効果) 本発明の第1特徴によると、歩行型水田作業機において、右の車輪からの衝撃が左の連係機構に及んだり、左の車輪からの衝撃が右の連係機構に及んだりするような状態を少なくしながら、右(左)の車輪からの衝撃が右(左)の弾性部材によって適切に吸収(軽減)されるようになって、歩行型水田作業機の走行性能を向上させることができた。 【0010】 [II] (構成) 本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の歩行型水田作業機において次のように構成することにある。 右及び左の伝動ケースに高さの差を与えるローリング機構と、ローリング機構による右及び左の伝動ケースの高さの差を設定範囲に規制する規制機構とを備える。 【0011】 (作用) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 水田では一般に田面が略水平であるのに対して、耕盤は凹凸が比較的存在するので、例えば耕盤の凸部に右の車輪が乗り上げると、機体の右側が持ち上がって機体が田面に対して左に傾斜しようとする。 【0012】 本発明の第2特徴によると、右及び左の伝動ケースに高さの差を与えるローリング機構を備えているので、例えば耕盤の凸部に右の車輪が乗り上げた場合、右及び左の伝動ケースに高さの差を与え、左の伝動ケースに対して右の伝動ケースが高くなるようにして、機体の右側が持ち上がって機体が田面に対して左に傾斜しようとする状態を抑えることができる。 この場合、本発明の第2特徴によると、ローリング機構による右及び左の伝動ケースの高さの差を設定範囲に規制する規制機構を備えているので、右及び左の伝動ケースに必要以上に高さの差が発生する状態が防止される。 【0013】 (発明の効果) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第2特徴によると、機体が田面に対して右又は左に傾斜しようとする状態を抑えることができて、歩行型水田作業機の走行性能を向上させることができた。この場合、右及び左の伝動ケースに必要以上に高さの差が発生する状態が防止され、右及び左の伝動ケースに大きな負荷が掛かる状態を避けることができるようになって、歩行型水田作業機の耐久性の向上と言う面で有利なものとなった。 【0014】 [III] (構成) 本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の歩行型水田作業機において次のように構成することにある。 断面が異径状の右及び左の車軸を右及び左の伝動ケースの後部に回転自在に備え、右及び左の車軸に右及び左の車輪を取り付ける。エンジンの動力を伝動ベルトによりギヤ変速装置に伝達し、ギヤ変速装置の動力を伝動軸及びベベルギヤ機構により、右及び左の車軸に伝達するように構成する。 【0015】 (作用) 本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 例えば水田での走行中に泥が特に硬い部分に達すると、右及び左の車輪からエンジンに大きな負荷が掛かる。 この場合、例えば右及び左の車軸を断面円形に構成し、右及び左の車輪を右及び左の車軸にピンにより連結するように構成したものがある。これにより、前述のような水田において右及び左の車輪からエンジンに大きな負荷が掛かると、ピンが破断して右及び左の車輪が右及び左の車軸に対して空転する状態となり、エンジンの停止を回避することができる。 この構成では、右及び左の車輪からエンジンに大きな負荷が掛かった際にエンジンの停止を回避できると言う良い点があるのに対して、水田での破断したピンの交換作業が行い難いと言う声や、ピンを多数用意しておくことが困難であると言う声がある。 【0016】 本発明の第3特徴によると、断面が異径状の右及び左の車軸に右及び左の車輪を取り付けるように構成しており、右及び左の車輪が右及び左の車軸に対して空転する状態とはならない。これにより、例えば水田での走行中に泥が特に硬い部分に達した場合、大きな負荷が右及び左の車輪から、右及び左の車軸、伝動軸及びベベルギヤ機構、ギヤ変速装置を介して伝動ベルトに達するのであり、伝動ベルトとプーリーとの間で滑りが発生して、大きな負荷が吸収される。大きな負荷を伝動ベルトで吸収することが困難な場合には、エンジンが停止する。 このように本発明の第3特徴によると、右及び左の車輪からエンジンに大きな負荷が掛かった際にエンジンが停止する可能性はあるが、前述のような水田での破断したピンの交換作業を行う必要がなく、ピンを多数用意しておく必要もない。 【0017】 (発明の効果) 本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第3特徴によると、右及び左の車輪からエンジンに大きな負荷が掛かった際にエンジンが停止する可能性はあるが、前述のような水田での破断したピンの交換作業を行う必要がなく、ピンを多数用意しておく必要がないので、歩行型水田作業機の作業性の向上と言う面で有利なものとなった。 【0018】 [IV] (構成) 本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の歩行型水田作業機において次のように構成することにある。 ギヤ変速装置の動力を右及び左の車軸に分岐させて伝達する分岐点において、分岐点と右の車軸との間に右のサイドクラッチを備え、分岐点と左の車軸との間に左のサイドクラッチを備える。 【0019】 (作用) 本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 前項[III]に記載のように、エンジンの動力を伝動ベルトによりギヤ変速装置に伝達し、ギヤ変速装置の動力を伝動軸及びベベルギヤ機構により、右及び左の車軸に伝達するように構成すると、伝動チェーンに比べてベベルギヤ機構において大きな減速比を設定することができる。言い換えると、ギヤ変速装置において高回転低トルクの動力を設定しても、ベベルギヤ機構の大きな減速比により、右及び左の車軸において所定の回転数を得ることができる。 【0020】 これにより、本発明の第4特徴によると、ギヤ変速装置から右及び左のサイドクラッチに高回転低トルクの動力が伝達されるようにすることができるのであり、特に低トルクの動力により発生する面圧が小さい点により、右及び左のサイドクラッチの伝動又は遮断操作が軽く行えるようになる。歩行型水田作業機では、右及び左のサイドクラッチを手動で伝動及び遮断操作するように構成することが多いので、作業者にとって右及び左のサイドクラッチの伝動又は遮断操作が楽に行えるようになる。 【0021】 (発明の効果) 本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に、前項[I]〜[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第4特徴によると、操向及び旋回用の右及び左のサイドクラッチを備えた場合に、右及び左のサイドクラッチの伝動又は遮断操作が軽く行えるようになって、歩行型水田作業機の操作性を向上させることができた。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 [1] 図1及び図2に示すように、右及び左の車輪1がミッションケース2に支持されて、ミッションケース2の前部に連結された支持フレーム3にエンジン4が支持され、センターフロート5及びサイドフロート6が備えられており、角パイプ状の支持フレーム7がミッションケース2の後部に連結されて後方に延出され、支持フレーム7に苗植付装置8及び操縦ハンドル9が支持されて、歩行型水田作業機の一例である歩行型田植機が構成されている。 【0023】 図1及び図2に示すように、苗植付装置8は、支持フレーム7に連結されたフィードケース10、右及び左のサイドケース11、フィードケース10及びサイドケース11に回転駆動自在に支持された植付アーム12、苗のせ台13等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台13が往復横送り駆動されるのに伴って、植付アーム12が回転駆動されて、植付アーム12が苗のせ台13の下部から苗を取り出して田面に植え付ける。 【0024】 [2] 次に、ミッションケース2における苗植付装置8への伝動系について説明する。 図3に示すように、ミッションケース2に入力軸14が支持されて、入力軸14に入力プーリー14aが固定されており、エンジン4の出力軸(図示せず)に固定された出力プーリー(図示せず)と、ミッションケース2の入力プーリー14aとに亘って伝動ベルト15が巻回されて、エンジン4の動力が伝動ベルト15によりミッションケース2の入力軸14に伝達されている。ミッションケース2の上部にポンプ16が連結されて、ポンプ16の入力ギヤ16aがミッションケース2の内部に入り込んでおり、ミッションケース2の入力軸14に固定された伝動ギヤ14bとポンプ16の入力ギヤ16aとが咬合している。これにより、エンジン4の動力がミッションケース2の入力軸14に伝達される状態では、ポンプ16が常に駆動されている。 【0025】 図3及び図4に示すように、ミッションケース2に伝動軸17が支持されて、伝動軸17に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ18が、入力軸14の伝動ギヤ14bに咬合している。シフトギヤ19がスプライン構造にて伝動軸17に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、シフトギヤ19を伝動ギヤ18に付勢するバネ20が備えられており、伝動ギヤ18とシフトギヤ19との間で主クラッチ21が構成されている。バネ20の付勢力によりシフトギヤ19の側面の凸部19aを、伝動ギヤ18の側面に咬合させると、エンジン4の動力がミッションケース2の入力軸14から伝動ギヤ18及びシフトギヤ19を介して伝動軸17に伝達されるのであり(主クラッチ21の伝動状態)、バネ20の付勢力に抗してシフトギヤ19の凸部19aを伝動ギヤ18から離間させると、エンジン4の動力が主クラッチ21で遮断される(主クラッチ21の遮断状態)。 【0026】 図3及び図4に示すように、ミッションケース2に伝動軸22,23が支持され、ミッションケース2の外部において、伝動軸17,22の端部に取り付けられた伝動ギヤ24,25が咬合している。一対のギヤ部26a,26bを備えたシフトギヤ26がスプライン構造にて伝動軸23に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、伝動軸22に一体的に形成された伝動ギヤ22aに、シフトギヤ26のギヤ部26a,26bの一方を咬合させる。ミッションケース2に出力軸27が支持されて、支持フレーム7の内部に配置された伝動軸(図示せず)により、出力軸27と苗植付装置8の入力軸(図示せず)とが連動連結されている。出力軸27にベベルギヤ27aが一体的に形成されて、伝動軸23に固定されたベベルギヤ28と出力軸27のベベルギヤ27aとが咬合している。 【0027】 以上の構造により、図3及び図4に示すように、伝動軸17の動力が伝動ギヤ24,25、伝動軸22、シフトギヤ26、伝動軸23、ベベルギヤ28、出力軸27のベベルギヤ27a及び出力軸27を介して、苗植付装置8に伝達される。この場合、伝動ギヤ24,25を覆うカバー29を取り外して、異なるギヤ比を備えた伝動ギヤ24,25を伝動軸17,22の端部に取り付けること、並びにシフトギヤ26をスライド操作して、シフトギヤ26のギヤ部26a,26bの一方を伝動軸22の伝動ギヤ22aに咬合させることにより、苗植付装置8に伝達される動力を変速することができる(植付アーム12による苗の植付間隔を変更することができる)。 【0028】 [3] 次に、ミッションケース2における右及び左の車輪1への伝動系について説明する。 図3に示すように、ミッションケース2に伝動軸30が支持されて、シフトギヤ31がスプライン構造にて伝動軸30に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、伝動軸17に伝動ギヤ17aが一体的に形成されている。これにより、シフトギヤ31と伝動軸17,22との間でギヤ変速装置40が構成されており、シフトギヤ31を伝動軸17の伝動ギヤ17aに咬合させることにより前進1速状態で、シフトギヤ31をシフトギヤ19に咬合させることにより前進2速状態で、シフトギヤ31を伝動軸22の伝動ギヤ22aに咬合させることにより後進状態で、伝動軸17の動力が伝動軸30に伝達される。 【0029】 図3,5,6に示すように、ミッションケース2の下部から横外側に円筒状の支持部2aが延出されて、ミッションケース2の支持部2aに右及び左の伝動軸32が同芯状に支持されており、右及び左の伝動軸32の間に伝動ギヤ33(ギヤ変速装置40の動力を右及び左の車軸41に分岐させて伝達する分岐点に相当)が相対回転自在に外嵌されて、伝動軸30に一体的に形成された伝動ギヤ30aと伝動ギヤ33とが咬合している。伝動ギヤ33と右の伝動軸32とに間に右のサイドクラッチ34が構成され、伝動ギヤ33と左の伝動軸32とに間に左のサイドクラッチ34が構成されている。 【0030】 図5及び図6に示すように、右及び左の伝動ケース42がミッションケース2の支持部2aの横軸芯P1周りに上下に揺動自在に外嵌されて、パイプ状の右及び左の伝動ケース43が右及び左の伝動ケース42に連結されて後方に延出されており、右及び左の伝動ケース44が右及び左の伝動ケース43の後部に連結されて、右及び左の伝動ケース42,43,44が横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持されている。右及び左の伝動ケース43に亘って板バネ部材39が連結されており、右及び左の伝動ケース42,43,44に高さの差が発生しても、前述の高さの差が無くなるように右及び左の伝動ケース42,43,44が板バネ部材39によって付勢されている。 【0031】 図5.6.7に示すように、右及び左の伝動ケース42に正面視長方形状のフランジ部42aが一体的に形成され、右及び左の伝動ケース43の前部に正面視長方形状のフランジ部43aが連結されており、右及び左の伝動ケース42,43のフランジ部42a,43aの上部2箇所及び下部2箇所の4箇所がボルト38によって連結されている。図5,6,8に示すように、右及び左の伝動ケース44に正面視三角形状のフランジ部44aが一体的に形成され、右及び左の伝動ケース43の後部に正面視三角形状のフランジ部43bが連結されており、右及び左の伝動ケース43,44のフランジ部43b,44aの外方側2箇所及び内方側1箇所の3箇所がボルト38によって連結されている。 【0032】 図5に示すように、右及び左の伝動軸32が右及び左の伝動ケース42に入り込んで、右及び左の伝動軸32にベベルギヤ45が固定されており、右及び左の伝動ケース43の内部に伝動軸46が支持されて、伝動軸46の前部に固定されたベベルギヤ47がベベルギヤ45に咬合している。右及び左の伝動ケース44に支持された伝動軸48がスプライン構造のスリーブ49により伝動軸46に連結されており、伝動軸48に小径のベベルギヤ48a(ベベルギヤ機構に相当)が一体的に形成されている。 【0033】 図5に示すように、右及び左の伝動ケース44に右及び左の車軸41が回転自在に支持されて、右及び左の車軸41に大径のベベルギヤ51(ベベルギヤ機構に相当)が固定されており、伝動軸48のベベルギヤ48aとベベルギヤ51とが咬合している。この場合に、伝動軸48のベベルギヤ48a(小径)とベベルギヤ51(大径)との間において、大きな減速比が設定されている。 【0034】 図5及び図9に示すように、右及び左の車軸41において右及び左の伝動ケース44の外側の外軸部41aが、断面六角形状(断面が異径状に相当)に構成されており、右及び左の車輪1のボス部1aの内面が、断面六角形状(断面が異径状に相当)に構成されている。これにより、右及び左の車輪1のボス部1aが右及び左の車軸41の外軸部41aに挿入されて、右及び左の車輪1が右及び左の車軸41に連結されており、右及び左の車輪1と右及び左の車軸41とに亘って抜け止め用のピン50が挿入されている。ピン50を取り外すことによって、右及び左の車輪1を右及び左の車軸41から取り外すことができる。この場合、右及び左の車軸41の外軸部41a、右及び左の車輪1のボス部1aの内面を、断面四角状や三角状に構成してもよく、断面円形の片面又は両面をカットした小判形状に構成してもよい。 【0035】 以上の構造により、図3及び図5に示すように、伝動軸17の動力がギヤ変速装置40(シフトギヤ31)、伝動軸30、伝動ギヤ33、右及び左のサイドクラッチ34、右及び左の伝動軸32、ベベルギヤ45,47、伝動軸46,48、伝動軸48のベベルギヤ48a及びベベルギヤ51、右及び左の車軸41を介して、右及び左の車輪1に伝達される。 【0036】 [4] 次に、右及び左のサイドクラッチ34について説明する。 図3に示すように、右及び左のサイドクラッチ34は、伝動ギヤ33のフランジ部33aに形成された複数の開口部、右及び左の伝動軸32の大径部32aの外周部に形成された複数の凹部、伝動ギヤ33のフランジ部33aの開口部と右及び左の伝動軸32の大径部32aの凹部とに亘って入り込み自在な複数のボール35、右及び左の伝動軸32にスライド自在に外嵌された円筒部材36、円筒部材36を伝動ギヤ33から離れる方向(右及び左のサイドクラッチ34の伝動状態)に付勢するバネ37を備えて構成されている。円筒部材36を伝動ギヤ33に接近する方向に押し操作可能な右及び左の操作アーム52が備えられて、操縦ハンドル9に備えられた右及び左の操作レバー53(図1参照)と、右及び左の操作アーム52とがワイヤ(図示せず)により機械的に接続されている。 【0037】 図3に示すように、右及び左の操作レバー53を戻し操作すると、バネ37の付勢力により円筒部材36が伝動ギヤ33から離れる方向に操作されて、円筒部材36の端部の内周部によりボール35が押し込まれ、ボール35が伝動ギヤ33のフランジ部33aの開口部と右及び左の伝動軸32の大径部32aの凹部とに亘って入り込む状態となる(図3の左のサイドクラッチ34参照)。これにより、伝動ギヤ33が右及び左の伝動軸32に連結された状態となり(右及び左のサイドクラッチ34の伝動状態)、伝動ギヤ33の動力が右及び左の伝動軸32から右及び左の車輪1に伝達される。 【0038】 図3に示すように、例えば右の操作レバー53を握り操作すると、右の操作アーム52によりバネ37の付勢力に抗して円筒部材36が伝動ギヤ33に接近する方向に操作されて、円筒部材36の端部の内周部がボール35から離れ、伝動ギヤ33の回転の遠心力によってボール35が右の伝動軸32の大径部32aの凹部から外方に出る状態となる(図3の右のサイドクラッチ34参照)。これにより、伝動ギヤ33と右の伝動軸32との連結が解除された状態となり(右のサイドクラッチ34の遮断状態)、伝動ギヤ33の動力が右の伝動軸32に伝達されない状態となって、右の車輪1が自由回転できる状態となるのであり、機体の向きを右に変更することができる。 以上の状態は左の操作レバー53を握り操作して、左のサイドクラッチ34を遮断状態に操作する場合でも同様である。 【0039】 [5] 次に、右及び左の伝動ケース42,43,44を横軸芯P1周りに上下に揺動駆動する構造について説明する。 図6,10,11,13に示すように、エンジン4の下側で支持フレーム3の内部に、単動型の油圧シリンダ54(アクチュエータに相当)が後向きに支持されて、油圧シリンダ54のピストンロッド54aの端部の縦軸芯P2周りに揺動自在に、上下一対の天秤アーム55(ローリング機構に相当)が支持されており、天秤アーム55が支持フレーム3から右及び左の横外側に出ている。図1に示すように、センターフロート5が後部の横軸芯P4周りに上下に揺動自在に支持されて、ポンプ16(図3参照)の作動油を油圧シリンダ54に給排操作する制御弁66がミッションケース2の上部に備えられており、センターフロート5の前部と制御弁66とが連係ロッド67により接続されている。 【0040】 図10,12,13に示すように、板材を断面コ字状に折り曲げて右及び左の連係部材56(連係機構に相当)が構成されており、右及び左の連係部材56の前部に平板状の受け部56aが固定されている。右及び左の連係部材56の後部に2個の開口部56b,56cが備えられており、右及び左の伝動ケース42に固定されたアーム60と右及び左の連係部材56の前の開口部56bとが、連結ピン61によって接続されている。右及び左の伝動ケース42に固定されたアーム60と右及び左の連係部材56の後の開口部56cとを、連結ピン61によって接続すると、右及び左の伝動ケース42,43,44が少し下降した状態となり、特に深い水田に対応したものとなる。 【0041】 図10,12,13に示すように、側面視コ字状の右及び左の連係部材57(連係機構に相当)が用意されており、右及び左の連係部材57のロッド部57aが右及び左の連係部材56の受け部56aの開口部に挿入され、右及び左の連係部材57と右及び左の連係部材56の受け部56aとの間に、右及び左のゴム部材58(弾性部材に相当)が配置されて、右及び左のゴム部材58に軽い初期圧縮が掛けられるように右及び左の連係部材57のロッド部57aにナット59が取り付けられている。天秤アーム55の右及び左側部の開口部、右及び左の連係部材57の開口部、右及び左の連係部材56の長孔56dに亘って、連結ピン62が挿入されている。 【0042】 図6,10,11,13に示すように、油圧シリンダ54のピストンロッド54aに上下一対の規制部材63(規制機構に相当)が固定され、規制部材63の縦軸芯P3周りに規制部材64(規制機構に相当)が揺動自在に支持されており、天秤アーム55に固定されたピン65が規制部材64の長孔64aに挿入されている。これにより、油圧シリンダ54のピストンロッド54aに対する天秤アーム55の縦軸芯P2周りでの揺動範囲が、規制部材64の長孔64a及びピン65によって設定範囲に維持される。 【0043】 以上の構造により、図1及び図6に示すように、油圧シリンダ54のピストンロッド54aが伸長作動すると、天秤アーム55、右及び左の連係部材56,57が図6の紙面右方に移動して、右及び左の伝動ケース42,43,44が横軸芯P1周りに下方に揺動駆動され、油圧シリンダ54のピストンロッド54aが収縮作動すると、天秤アーム55、右及び左の連係部材56,57が図6の紙面左方に移動して、右及び左の伝動ケース42,43,44が横軸芯P1周りに上方に揺動駆動される。田面に接地追従するセンターフロート5に対して機体が上下動すると、機体に対してセンターフロート5が上下に揺動することになって、この動作により連係ロッド67を介して制御弁66が操作され、機体が田面(センターフロート5)から設定高さに維持されるように(苗植付装置8の植付アーム12による苗の植付深さが設定値に維持されるように)、制御弁66からの作動油により油圧シリンダ54が伸縮作動する。 【0044】 この場合、図10及び図12に示すように、例えば耕盤の凸部に右(左)の車輪1が乗り上げて、機体に対して右(左)の車輪1が急激に持ち上げられる状態となっても、右(左)の車輪1からの衝撃が右(左)のゴム部材58によって吸収(軽減)される。右の車輪1からの衝撃及び左の車輪1からの衝撃が別々に発生しても、右の車輪1からの衝撃が右のゴム部材58によって吸収(軽減)され、左の車輪1からの衝撃が左のゴム部材58によって吸収(軽減)される。 【0045】 図1及び図6に示すように、例えば耕盤の凹凸があっても、天秤アーム55が縦軸芯P2周りに揺動することにより、右及び左の連係部材56,57を介して、右及び左の伝動ケース42,43,44(右及び左の車輪1)に高さの差が与えられて、機体が田面に左右平行に維持される。この場合、油圧シリンダ54のピストンロッド54aに対する天秤アーム55の縦軸芯P2周りでの揺動範囲が、規制部材64の長孔64a及びピン65によって規制されていることにより、右及び左の伝動ケース42,43,44(右及び左の車輪1)の高さの差が設定範囲に維持される。右及び左の伝動ケース42,43,44(右及び左の車輪1)に高さの差が発生しても、前述の高さの差が無くなるように右及び左の伝動ケース42,43,44(右及び左の車輪1)が板バネ部材39によって付勢されている。 【0046】 [発明の実施の第1別形態] 前述の[発明を実施するための最良の形態]の図10及び図12において、右及び左のゴム部材58に代えて、右及び左の連結部材56,57とに亘って、右及び左のコイルスプリング(図示せず)を接続するように構成してもよい。 前述の[発明を実施するための最良の形態]において、右及び左のゴム部材58や右及び左のコイルスプリング(図示せず)を、右及び左の連係部材56とアーム60とに亘って設けるように構成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】歩行型田植機の全体側面図 【図2】歩行型田植機の全体平面図 【図3】ミッションケースの縦断背面図 【図4】ミッションケースの横断平面図 【図5】左の伝動ケースの横断平面図 【図6】油圧シリンダ、天秤アーム、右及び左の連係部材、右及び左の伝動ケースの付近の平面図 【図7】図5におけるA−A方向から見た断面図 【図8】図5におけるB−B方向から見た断面図 【図9】図5におけるC−C方向から見た断面図 【図10】天秤アーム、右及び左の連係部材の付近の横断平面図 【図11】油圧シリンダのピストンロッド、天秤アーム及び規制部材の付近の縦断側面図 【図12】右及び左の連係部材、ゴム部材の付近の縦断側面図 【図13】天秤アーム、規制部材、左の連係部材及びゴム部材の付近の分解斜視図 【符号の説明】 【0048】 1 右及び左の車輪 4 エンジン 15 伝動ベルト 30,32,43,48 伝動軸 33 分岐点 34 右及び左のサイドクラッチ 40 ギヤ変速装置 41 右及び左の車軸 42,43,44 右及び左の伝動ケース 48a,51 ベベルギヤ機構 54 アクチュエータ 55 ローリング機構 56,57 右及び左の連係機構 58 弾性部材 63,64 規制機構 P1 横軸芯
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成17年10月13日(2005.10.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−104968(P2007−104968A) |
| 【公開日】 |
平成19年4月26日(2007.4.26) |
| 【出願番号】 |
特願2005−299164(P2005−299164) |
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