| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】大角 彰保
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| 【要約】 |
【課題】植付作業機の前方に圃場を整地する整地ロータ等の整地手段を備えた移植機において、この整地手段の前側に溜まった泥水が左右に押し流されて隣接する既植苗の倒れや損傷が発生するといった不具合を解消する。
【解決手段】植付作業機15の前方の機体幅方向に複数の整地ロータ36a〜36fを連設し、この整地ロータ36a〜36fによって植付作業機15前方の圃場面を整地する移植機において、前記整地ロータ36a〜36fの上部及び後部を覆うカバー体57の左右両端に、機体前方に向く泥水流出防止板58L,58Rを延設し、該泥水流出防止板58L,58Rとカバー体57により整地ロータ36a〜36f後方への泥水流路Aを形成すると共に、植付作業機15に支持されて圃場面を滑走する複数のフロート34,35,35の間に泥水を排出すべく、当該カバー体57に泥水流路Aの排水口57a,57aを設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付作業機(15)を機体の後部に昇降自在に連結すると共に、該植付作業機(15)前方の機体幅方向に複数の整地ロータ(36a〜36f)を連設し、該整地ロータ(36a〜36f)によって植付作業機(15)前方の圃場面を整地する移植機において、前記整地ロータ(36a〜36f)の上部及び後部を覆うカバー体(57)の左右両端に、機体前方に向く泥水流出防止板(58L,58R)を延設すると共に、該泥水流出防止板(58L,58R)とカバー体(57)により整地ロータ(36a〜36f)後方への泥水流路(A)を形成したことを特徴とする移植機。 【請求項2】 植付作業機(15)に支持されて圃場面を滑走する複数のフロート(34,35,35)の間に泥水を排出すべく、カバー体(57)に泥水流路(A)の排水口(57a,57a)を設けた請求項1に記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、植付作業機の前方に設けられ、回転駆動することによって圃場を整地する整地ロータ等の整地手段を備える移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、機体の後部に設けた昇降リンク機構を介して植付作業機を昇降可能に連結すると共に、この植付作業機の前方に整地ロータからなる整地手段を設け、当該整地ロータを圃場面に接地する作用位置で機体の進行方向に回転駆動させることによって、苗植え付け位置前方の荒れた圃場面を整地する整地作業と植付作業とを同時に行うことができるように構成した乗用型田植機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。 【特許文献1】特開2001−299019号公報(第2−3頁、図3−図4) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 そして、上述した乗用型田植機では、整地ロータと該整地ロータを覆うロータカバーの側面視における隙間を整地ロータの回転方向に対して拡開状に構成することによって、回転する整地ロータで持ち上げられた泥水を、整地ロータの回転方向に拡開する当該整地ロータとロータカバーとの隙間からスムーズに排出し、更に、整地ロータと該整地ロータを覆うロータカバーの平面視における隙間を走行機体の車輪跡に向けて拡開状に形成することによって、回転する整地ロータで持ち上げられた泥水を車輪跡に向けて積極的に排出して、隣接する既植付苗への泥水の流入量を軽減させることを図っている。 【0004】 ところが、整地作業と植付作業を同時に行う場合は、回転駆動する整地ロータの前側に泥水が溜まり易く、この整地ロータの前側に溜まった泥水が左右に押し流されると共に、当該整地ロータによって前方に撥ね上げられた泥水が整地ロータに沿って左右に流れ、更に隣接する既植苗側にこれらの泥水が流入すると既植苗が流されたり、既植苗の倒れや損傷が発生するといった不具合を有していた。特に高速で整地作業と植付作業を同時に行う場合は、上述した不具合が顕在化する虞があった。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記課題を解決することを目的とした請求項1の発明は、植付作業機を機体の後部に昇降自在に連結すると共に、該植付作業機前方の機体幅方向に複数の整地ロータを連設し、該整地ロータによって植付作業機前方の圃場面を整地する移植機において、前記整地ロータの上部及び後部を覆うカバー体の左右両端に、機体前方に向く泥水流出防止板を延設すると共に、該泥水流出防止板とカバー体により整地ロータ後方への泥水流路を形成したことを第1の特徴としている。 【0006】 そして、請求項2の発明は、植付作業機に支持されて圃場面を滑走する複数のフロートの間に泥水を排出すべく、カバー体に泥水流路の排水口を設けたことを第2の特徴としている。 【発明の効果】 【0007】 請求項1の発明によれば、整地ロータの上部及び後部を覆うカバー体の左右両端に、機体前方に向く泥水流出防止板を延設すると共に、該泥水流出防止とカバー体により整地ロータ後方への泥水流路を形成したことによって、整地作業と植付作業を同時に行う場合に、前記整地ロータの前側に溜まった泥水が左右に押し流されるのを泥水流出防止板で堰き止めながら、この堰き止められた泥水を泥水流路に沿わせて整地ロータ後方へスムーズに押し流すことが可能になり、従来の整地手段のような左右に押しやられた泥水が既植苗側に流入して、既植苗が流されたり、既植苗の倒れや損傷が発生するといった不具合を解消することができる。 【0008】 また、請求項2の発明によれば、植付作業機に支持されて圃場面を滑走する複数のフロート間に泥水を排出すべく、カバー体に泥水流路の排水口を設けたことによって、前記フロートの間からスムーズ且つ効率的に泥水を排出させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、移植機の一例である6条植え乗用型田植機11の側面図であって、この乗用型田植機11の機体フレーム12の後端部には、油圧シリンダ13を備える昇降リンク機構14が設けてあり、この昇降リンク機構14を介して植付作業機15を昇降可能に連結すると共に、機体フレーム12の下部には、左右一対の前輪16と後輪17とを備えている。 【0010】 そして、機体フレーム12の前部には、エンジン18を被包するボンネット19を備えており、このエンジン18から出力される動力を、油圧式無段変速装置(HST)とトランスミッションケース内の動力伝達装置を介して走行動力と植付動力とに分配し、上述した左右一対の前輪16と後輪17、及び植付作業機15に伝達できるように構成している。 【0011】 また、機体フレーム12の後部上方には、運転席21を備え、この運転席21の前方に各種モニタを表示する操作パネル22を装備すると共に、該操作パネル22の上部に運転ハンドル23、該運転ハンドル23の下方には操縦部24の床面を形成するステップ25を設けている。 【0012】 更に詳しくは、昇降リンク機構14の後端には、リンクホルダ26が取付けてあり、このリンクホルダ26の図示しないローリング軸を介して、植付作業機15をローリング可能に支持する角パイプ状の植付フレーム27を横設している。そして、この植付フレーム27に立設した左右一対の苗載台支持ステー28によって、前高後低状の傾斜姿勢で左右往復動可能に苗載台29を支持している。 【0013】 また、植付フレーム27の後側下部には、複数の植付伝動ケース31が取り付けてあり、この植付伝動ケース31に内装した図示しないチェン伝動機構及び植付駆動軸等を介して回転駆動する、当該植付伝動ケース31の後端部に組付けた植付装置(ロータリケース)である植付ケース32の両端部に備える左右一対の移植杆33によって、苗載台29上に並置されているマット苗から一株分の苗を掻取って連続的に圃場に移植することができるようになっている。即ち、植付ケース32には、自らの回転に伴って移植杆33を所定の軌跡に沿って回転運動させることができる図示しない遊星歯車機構を内装している。 【0014】 そして、植付伝動ケース31の下方に、植付作業機15を所望の高さに制御する油圧感知フロートとして作用すると共に、圃場面を整地する整地フロートを兼ねるセンターフロート34と、左右の前輪16と後輪17の車輪跡を消して圃場面を整地する整地フロートであるサイドフロート35,35を支持している。これら複数のセンターフロート34及びサイドフロート35,35(図3参照)は、機体の左右方向に所定の間隔を存して配設してあり、乗用型田植機11は、これらフロート34,35,35の下面が圃場面に接地して滑走する状態まで植付作業機15を下降させた後、機体を走行させながらの移植作業が行なえるようになっている。 【0015】 また、上述した後輪17とセンターフロート34及びサイドフロート35、35との前後空間Sには、図2及び図3に示すように、複数の整地ロータ36a〜36fを植付作業機15の略全幅に亘りロータ軸37に軸支して連設した整地手段38を配設している。即ち整地ロータ36a〜36fを圃場面に接地させた状態で回転駆動することによって、移植杆33による苗植え付け位置前方の荒れた圃場面を整地できるようになっている。 【0016】 次に、整地手段38を構成する複数の整地ロータ36a〜36fの支持構造について説明する。植付フレーム27から立設させた左右一対の苗載台支持フレーム28の上部に、操作軸39を回動可能に軸支するボス40を固設すると共に、当該操作軸39の一側端部に整地ロータ36a〜36fが圃場面に接地する作用位置と、整地ロータ36a〜36fが圃場面から離間する収納位置とに変更することができる昇降操作レバー41を取り付けている。 【0017】 そして、操作軸39の両端には、回動アーム42が取り付けてあり、この回動アーム42の先端に吊アーム43を垂下させて連結すると共に、吊アーム43の下端部には、植付フレーム27に取り付けたブラケット44に上下に案内されるシャフト45が連結してあって、当該シャフト45の下端に固設したボス部45aに整地ロータ36a〜36fのロータ軸37を軸支している。 【0018】 一方、整地ロータ36a〜36fの昇降操作レバー41が設けられている側の苗載台支持フレーム28には、昇降操作レバー41用のレバーガイド46が設けてあり、このレバーガイド46に備える複数段の係止溝46aのうち、当該昇降操作レバー41を係止溝46aの所望の位置に係止することによって、整地ロータ36a〜36fが圃場面から離間する収納位置と、整地ロータ36a〜36fが圃場面に接地する複数段の作用位置とに多段調節することができるようになっている。 【0019】 更に詳しくは、昇降操作レバー41を上下方向に回動操作することによって操作軸39が回動し、それに連動する吊アーム43に連結すると共にブラケット44に案内されるシャフト45を介して、整地ロータ36a〜36fが昇降操作されるようになっており、次いで昇降操作レバー41を左右方向に操作して上述の係止溝46aに係止させることによって、整地ロータ36a〜36fの位置決めがなされ、例えば整地ロータ36a〜36fの作用位置においては、当該整地ロータ36a〜36fは、フロート34,35,35の 下面からの突出量が10〜40mmの範囲で調節が可能であり、植付作業におけるマット苗の植付深さより浅い表層部分の整地を行うことができるようになっている。 【0020】 尚、整地ロータ36a〜36fは、側面視で略六角形に形成してあって、その周面には、整地ロータ36a〜36fの回転により荒れた圃場面を掻き均して均平にする6枚の板状整地部材47を配置している。即ち、板状整地部材47と、該板状整地部材47を側面視で六角形の稜角に配置せしめる連結部材48とを、ポリアミド(ナイロン)等の熱可塑性樹脂による射出成形により一体的に形成すると共に、当該整地ロータ36a〜36fを全体としては篭型構造に形成している。 【0021】 次に、整地手段38の伝動系について説明する。機体フレーム12の後部下方に配設されているリヤアクスルケース51の前部には、図示しない油圧式無段変速装置とトランスミッションケース内の動力伝達装置を介して伝達されるエンジン18の動力を、後輪17の駆動力と整地ロータ36a〜36fの駆動力に分配する伝動機構と、整地ロータ36a〜36fへの駆動力の伝動を断接するクラッチ機構とを備えた分配ケース52を設けている。そして、この分配ケース52内の伝動機構により分岐された一方の動力を、伝動軸53を介して整地ロータ36a〜36fを回転駆動させる駆動ケース54内の伝動機構に伝達している。 【0022】 また、運転席21の左側後方には、上述した整地ロータ36a〜36f(整地手段38)への駆動力の伝達を断接するクラッチ機構を入/切操作する図示しないクラッチレバーが設けてあり、このクラッチレバーによって前記クラッチ機構を入り操作することにより、整地ロータ36a〜36fを車速に対して1.5〜2.5倍程度の周速で回転させる一方、前記クラッチ機構を切り操作することにより、整地ロータ36a〜36fへの駆動力の伝達を断つことができるようになっている。 【0023】 以上説明した構成の整地手段38を備える乗用型田植機11で植付作業を行うにあたり、整地ロータ36a〜36fを圃場面に接地させて回転駆動することによって、荒れた圃場面の整地を行いながら苗を植え付ける場合は、先ず昇降操作レバー41を回動操作して整地ロータ36a〜36fがフロート34,35,35の下面よりも下方で圃場面に接地する作用位置となるように調節し、次いでクラッチレバーによって整地手段38のクラッチ機構を入り操作することにより、当該整地ロータ36a〜36fへ駆動力が伝達される状態とする。 【0024】 そして、フロート34,35,35の下面が圃場面に接地して滑走可能な状態まで植付作業機15を下降させ、次いで植付クラッチを入り操作して乗用型田植機11の走行を開始することにより、当該乗用型田植機11の走行に伴って整地ロータ36a〜36fが回転し、荒れた圃場面を均平に整地した後に、苗載台29上に並置されているマット苗から一株分の苗を移植杆33により掻取って連続的に圃場に移植する、整地作業と植付作業とを同時に行うことができるようになっている。尚、上述の如く整地ロータ36a〜36fを圃場面に接地する作用位置で回転駆動させると、整地ロータ36a〜36fによって撥ね上げられる泥水(泥土)が後方の苗載台29に付着することから、整地ロータ36a〜36fの上方には、当該整地ロータ36a〜36fの上部及び後部を覆うカバー体としてロータカバー57を設けている。 【0025】 ところが、整地作業と植付作業を同時に行う場合は、回転駆動する整地ロータ36a〜36fの前側に泥水が溜まり易く、この整地ロータ36a〜36fの前側に溜まった泥水が左右に押し流されると共に、整地ロータ36a〜36fによって撥ね上げられた泥水が当該整地ロータ36a〜36fに沿って左右に流れ、更に隣接する既植苗側にこれらの泥水が流入すると既植苗が流されたり、既植苗の倒れや損傷が発生するといった不具合を有していた。特に高速で整地作業と植付作業を同時に行う場合は、上述した不具合が顕在化する虞があった。 【0026】 そこで、上記課題を解決すべく本発明では、図2及び図3に示すように、整地ロータ36a〜36fの上部及び後部を覆うカバー体57の左右両端に、機体前方に向く泥水流出防止板58L,58Rを延設すると共に、この泥水流出防止板58L,58Rとカバー体57により整地ロータ36a〜36f後方への泥水流路Aを形成している。 【0027】 即ち、左右の泥水案内板58L,58Rは、乗用型田植機11の植付走行時の蛇行によって既植苗状列Sと干渉することがないように、左右の整地ロータ36a,36fの端部から所定幅W1ほど離間させた状態でカバー体57の両端に固設してある。尚、前記所定幅W1は、植付条間寸法Wの1/3以上1/2以下に設定することが好ましい。そして、整地作業と植付作業を同時に行う場合には、整地ロータ36a〜36fの前側に溜まった泥水が左右に押し流されるのを泥水流出防止板58L,58Rで堰き止めながら、この堰き止められた泥水を、図中矢印で示す如く左右の整地ロータ36a,36fの端部と左右の泥水案内板58L,58Rの間を経て、更に整地ロータ36a〜36fとその後方のカバー体57との隙間を通過させてカバー体57に形成した排水口57a,57aに排出する泥水流路Aが設けてあり、この泥水流路Aによって、整地ロータ36a〜36fの前側に溜まる泥水を整地ロータ36a〜36fの後方へスムーズに押し流すことが可能になり、従来の整地手段のような左右に押しやられた泥水が既植苗側に流入して、既植苗が流されたり、既植苗の倒れや損傷が発生するといった不具合を解消することができるようになる。 【0028】 更に詳しくは、上述の如く泥水流路Aに沿って押し流される泥水をセンターフロート34とサイドフロート35,35の間に排出すべく、カバー体57の後部を平面視で拡開状に形成すると共に、その終端部に泥水流路Aの排水口57a,57aを設けることによって、両フロート34,35,35の間からスムーズ且つ効率的に泥水を排出できるようになっている。このように排出される泥水の両側には、上述した整地手段38による整地作業と同時に移植杆33によって苗S1,S1が移植されるが、当該苗S1,S1へ泥水が流入するといった不具合も起こり難い。 【図面の簡単な説明】 【0029】 【図1】乗用型田植機の側面図。 【図2】整地ロータの支持構造を示す背面図。 【図3】整地手段における泥水流路を示す平面図。 【符号の説明】 【0030】 15 植付作業機 34 センターフロート 35 サイドフロート 36a 整地ロータ 36b 整地ロータ 36c 整地ロータ 36d 整地ロータ 36e 整地ロータ 36f 整地ロータ 57 カバー体 57a 排水口 58L 泥水流出防止板(左側) 58R 泥水流出防止板(右側) A 泥水流路
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年10月12日(2005.10.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−104935(P2007−104935A) |
| 【公開日】 |
平成19年4月26日(2007.4.26) |
| 【出願番号】 |
特願2005−297661(P2005−297661) |
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