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【発明の名称】 作業車両の作業機連結装置
【発明者】 【氏名】飯田 雅也

【氏名】加藤 慎士

【要約】 【課題】トップリンクとロワリンク及びチェックチェンを備えた作業車両の作業機連結装置において、ロワリンクとチェックチェンの基部を軸支する支持軸を簡潔に構成すると共に、当該ロワリンクとチェックチェンの着脱を容易にする。

【解決手段】機体後部のリヤアクスルケース15L,15Rに固設した支持軸17の基部にロワリンク12L,12Rの基部を外嵌し、該ロワリンク12L,12Rの外側で支持軸17の略中間部に外嵌するパイプ体19aを備えたブラケット19を設け、該ブラケット19の基部をリヤアクスルケース15L,15Rに固設すると共に、前記パイプ体19aの外側に突出する支持軸17の先端部にチェックチェン16L,16Rの基部を外嵌した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップリンク(11)とロワリンク(12L,12R)及びチェックチェン(16L,16R)を備えた作業車両の作業機連結装置において、機体後部のリヤアクスルケース(15L,15R)に固設した支持軸(17)の基部にロワリンク(12L,12R)の基部を外嵌し、該ロワリンク(12L,12R)の外側で支持軸(17)の略中間部に外嵌するパイプ体(19a)を備えたブラケット(19)を設け、該ブラケット(19)の基部をリヤアクスルケース(15L,15R)に固設すると共に、前記パイプ体(19a)の外側に突出する支持軸(17)の先端部にチェックチェン(16L,16R)の基部を外嵌したことを特徴とする作業車両における作業機連結装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用トラクタ等の作業車両の後部に設けられる作業機連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両としての農業用トラクタの後部には、作業機連結装置としてトップリンクと左右のロアリンクとからなる三点リンク装置が設けられており、これらトップリンクと左右のロアリンクの先端にロータリ耕耘装置やプラウ等の作業機を連結すると共に、左右のリフトアームをリフトロッドを介して左右のロアリンクに連結して作業機を昇降可能に構成している。
【0003】
更に、農業用トラクタの機体と左右のロアリンクの中途部とを連結するチェックチェンを設け、作業機の種類や型式による取付け形態の変化に応じて左右のロアリンクの拡開量をチェックチェンによって調節可能にすると共に、当該チェックチェンによって左右のロアリンクの振れ止め、即ち作業機の左右揺動を制限できるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭55−180310号公報(第2−5頁、第1図)
【0004】
そして、特許文献1の左右のロアリンク及びチェックチェンの基部は、リヤアクスルケースの先端側小径部に螺設したプレート状の固定部材と、この固定部材とリヤアクスルケースの基部側大径部との間に設けた支持軸に軸支されている。この支持軸は、固定部材に設けた通孔に挿通して、その先端はリヤアクスルケースの支持孔に嵌入すると共に、支持軸と該支持軸に外嵌する筒体とをピンで連結することにより当該支持軸の抜け止めがなされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した支持軸により左右のロアリンク及びチェックチェンの基部を軸支するには、当該支持軸を抜き差しすることができる十分な背後スペースが必要であって、リヤアクスルケースの先端側小径部と後輪との隙間が狭い場合、即ちターフタイヤ等の広幅タイヤを後輪に装着した場合は採用することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として創案したもので、トップリンクとロワリンク及びチェックチェンを備えた作業車両の作業機連結装置において、機体後部のリヤアクスルケースに固設した支持軸の基部にロワリンクの基部を外嵌し、該ロワリンクの外側で支持軸の略中間部に外嵌するパイプ体を備えたブラケットを設け、該ブラケットの基部をリヤアクスルケースに固設すると共に、前記パイプ体の外側に突出する支持軸の先端部にチェックチェンの基部を外嵌したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機体後部のリヤアクスルケースに固設した支持軸の基部にロワリンクの基部を外嵌し、該ロワリンクの外側で支持軸の略中間部に外嵌するパイプ体を備えたブラケットを設け、該ブラケットの基部をリヤアクスルケースに固設すると共に、前記パイプ体の外側に突出する支持軸の先端部にチェックチェンの基部を外嵌したことによって、従来のようにロワリンクとチェックチェンの基部を軸支する支持軸を抜き差しせずに、当該支持軸にロワリンクとチェックチェンを容易に着脱できるようになり、特にリヤアクスルケースと後輪との隙間が狭くなるターフタイヤ等の広幅タイヤを装着したトラクタに対して有効である。また、前記支持軸の略中間部をブラケットにより支持するので、この支持軸に作用する曲げモーメントも軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される農業用トラクタ1の側面図であって、農業用トラクタ1は、左右の前輪2,2及び後輪3,3を有する機体4に図示しないエンジンをボンネット5で覆った状態で搭載すると共に、その後方にステアリングホイール6及び座席7等からなる操縦部8を設け、更に座席7の後方位置にROPSとして、機体4から上方に突出する正面視で門型状の安全フレーム9を備えている。
【0009】
また、図2は、この農業用トラクタ1に備える三点リンク式作業機連結装置10の底面図であって、この三点リンク式作業機連結装置10は、トップリンク11と左右のロワリンク12L,12R、及びリフトロッド13,13等により構成されている。
【0010】
そして、農業用トラクタ1の機体4後部を構成するミッションケース14の左右両側には、リヤアクスルケース15L,15Rを一体的に固定すると共に、ミッションケース14の上部には、図示しない油圧ハウジングケースを載置している。また、油圧ハウジングケースに軸架したリフト軸の両側にはリフトアームが取り付けてあり、このリフトアームの先端にリフトロッド13,13を連結すると共に、該リフトロッド13,13の下端を左右のロワリンク12L,12Rの中途部に連結している。
【0011】
そして、油圧ハウジングケースの後部には、トップリンク11の基部が揺動自在に取り付けてあり、このトップリンク11と左右のロワリンク12L,12Rの先端に、所望の作業機を装着(連結)できるようになっている。また、油圧ハウジングケースに内装した図示しないリフトシリンダを介してリフトアームを上下回動可能に構成すると共に、リフトアームに連結したリフトロッド13,13を介して左右のロワリンク12L,12Rを上下揺動させ、それによって当該作業機が昇降作動するようになっている。
【0012】
更に、三点リンク式作業機連結装置10には、装着した作業機の左右揺動を制限するために、機体4とロワリンク12L,12Rの中途部とを連結する左右のチェックチェン16L,16Rを備えている。
【0013】
詳述するとリヤアクスルケース15L,15Rの基部側大径部には、図2及び図3に示すように、取付座17aを備える支持軸17を後輪3,3の車軸18と平行に固設(螺設)している。そして、この支持軸17の基部側にロワリンク12L,12Rの基部であるボールジョイントを外嵌し、このロワリンク12L,12Rの外側で支持軸17の略中間部に外嵌するパイプ体19aと、該パイプ体19aと一体に形成したプレート状の固定部材19bとからなるブラケット19を設け、このブラケット19の基部をリヤアクスルケース15L,15Rに固設すると共に、前記パイプ体19aの外側に突出する支持軸17の先端部にチェックチェン16L,16Rの基部を外嵌している。尚、図中の符号20は、支持軸17の先端部に連結したチェックチェン16L,16Rの外れを防止するために設けた支持軸17の径方向に嵌入するリンチピンである。
【0014】
即ち、図4に示すように、上述したパイプ体19aの内側端面Aと支持軸17の基部側に形成した段付き部Bにより、支持軸17に外嵌するロワリンク12L,12Rの基部(ボールジョイント)の横方向位置を規制すると共に、パイプ体19aの外側端面Cとリンチピン20との間にチェックチェン16L,16Rの基部を外嵌することによって、当該チェックチェン16L,16Rの基部の横方向位置を規制することができる。
【0015】
そして、上述した構成によれば、従来のようにロワリンク12L,12Rとチェックチェン16L,16Rの基部を軸支する支持軸を抜き差しせずに、本実施例の支持軸17にロワリンク12L,12Rとチェックチェン16L,16Rを容易に着脱できるようになり、特にリヤアクスルケース15L,15Rの先端側小径部と後輪3,3との隙間が狭くなるターフタイヤ等の広幅タイヤを装着したトラクタに対して有効である。また、前記支持軸17の略中間部をブラケット19により支持するので、この支持軸17に作用する曲げモーメントも軽減することができる。
【0016】
更に、農業用トラクタ1の機体4後部に備える図示しない牽引装置(ドローバ)にバックホーやトレーラ等の作業機を装着する際は、支持軸17に外嵌して邪魔になるロワリンク12L,12Rやチェックチェン16L,16Rを簡単に取り外すことができる。
【0017】
尚、ブラケット19の構成部材であるパイプ体19aとプレート状の固定部材19bを一体に形成することによって、部品点数を少なくすると共に当該ブラケット19を着脱する際の部品の紛失も防げる。
【0018】
ところで、図5は、農業用トラクタ1のエンジンの前方を覆う樹脂製のフロントグリル21の周辺を示す斜視図であって、このフロントグリル21の正面下部には、ネットを張設した幅広の外気取り入れ口21aを備えている。また、フロントグリル21の正面上部には、前照灯ユニット22を装備している。そして、このフロントグリル21とエンジンの側方を覆う左右のサイドカバー23の上方にボンネット5を設けると共に、該ボンネット5の先端部、即ち前照灯ユニット22上部にネットを張設した外気取り入れ口5aを設けている。
【0019】
また、前照灯ユニット22の左右両側には、農業用トラクタ1の前輪2,2の側方を照らす作業灯を装着できるようになっているが、ヒートバランスを優先する場合は作業灯を装着せずに、図示の如くネットを張設して外気取り入れ口21bを構成すれば、よりヒートバランスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】農業用トラクタの側面図。
【図2】農業用トラクタに備える三点リンク式作業機連結装置の底面図。
【図3】ロワリンクとチェックチェンの連結構造を示す斜視図。
【図4】支持軸とブラケットの取付構成を示す一部を省略した斜視図。
【図5】フロントグリルの周辺を示す斜視図。
【符号の説明】
【0021】
11 トップリンク
12L ロワリンク(左)
12R ロワリンク(右)
15L リヤアクスルケース(左)
15R リヤアクスルケース(右)
16L チェックチェン(左)
16R チェックチェン(右)
17 支持軸
19 ブラケット
19a パイプ体
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成18年5月29日(2006.5.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−312728(P2007−312728A)
【公開日】 平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願番号】 特願2006−148022(P2006−148022)