| 【発明の名称】 |
農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】池内 善活
【氏名】上杉 洋一
【氏名】小出 盛人
|
| 【要約】 |
【課題】アクチュエータの可動速度を可変制御することで作業体の微妙な動きを実現できる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機1は、中央の作業機本体2と、この作業機本体2に位置変更可能に設けた左右の折畳作業体3とを備える。農作業機1は、折畳作業体3を位置変更させるアクチュエータ11と、このアクチュエータ11の可動速度を可変制御する制御手段12とを備える。制御手段12は、折畳作業体3が展開作業位置に位置する直前からその展開作業位置に位置するまでの間、アクチュエータ11の可動速度を通常速度より遅くする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機本体と、 この作業機本体に位置変更可能に設けられた作業体と、 この作業体を位置変更させるアクチュエータと、 このアクチュエータの可動速度を可変制御する制御手段と を備えることを特徴とする農作業機。 【請求項2】 制御手段は、作業体が所定位置に位置する直前からその所定位置に位置するまでの間、アクチュエータの可動速度を通常速度より遅くする ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。 【請求項3】 アクチュエータは、シリンダ部とこのシリンダ部に対して往復直線運動をするロッド部とを有し、 制御手段は、前記ロッド部の可動速度を制御する ことを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、アクチュエータの可動速度を可変制御することによって、作業体の微妙な動きを実現できる農作業機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、例えば走行車であるトラクタの後部に連結される中央の作業機本体と、作業機本体に位置変更可能に設けられ折畳方向への回動により折畳非作業位置に位置し展開方向への回動により展開作業位置に位置する左右の作業体と、各作業体を位置変更つまり回動させる電動油圧シリンダからなるアクチュエータとを備える折畳式の農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2005−137353号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、上記従来の農作業機では、アクチュエータの可動速度が常に一定であるため、作業体の動きも一定となり、微妙な動きを必要とする場合に対応できなかった。 【0004】 本発明は、このような点に鑑みなされたもので、アクチュエータの可動速度を可変制御することによって、作業体の微妙な動きを実現できる農作業機を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 請求項1記載の農作業機は、作業機本体と、この作業機本体に位置変更可能に設けられた作業体と、この作業体を位置変更させるアクチュエータと、このアクチュエータの可動速度を可変制御する制御手段とを備えるものである。 【0006】 請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、制御手段は、作業体が所定位置に位置する直前からその所定位置に位置するまでの間、アクチュエータの可動速度を通常速度より遅くするものである。 【0007】 請求項3記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、アクチュエータは、シリンダ部とこのシリンダ部に対して往復直線運動をするロッド部とを有し、制御手段は、前記ロッド部の可動速度を制御するものである。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、作業体を位置変更させるアクチュエータと、このアクチュエータの可動速度を可変制御する制御手段とを備えるため、アクチュエータの可動速度を可変制御することによって、作業体の微妙な動きを実現できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。 【0010】 図1において、1は3分割構造の折畳式の農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)に連結される牽引式の代掻き機である。そして、農作業機1は、トラクタに連結された状態で、トラクタの走行により圃場を移動しながら、代掻作業および土引作業を選択的に行うものである。 【0011】 農作業機1は、トラクタの後部の3点リンク部(作業機昇降装置)に連結される左右方向長手状の作業機本体(中央作業体)2と、作業機本体2の左右方向両端部に展開作業位置および折畳非作業位置に位置変更可能、すなわち例えば回動中心軸(支点)4を中心として上下方向に回動可能に設けられ折畳方向への回動により折畳非作業位置に位置し展開方向への展開作業位置に位置する左右方向長手状の左右1対の作業体である折畳作業体(延長作業体)3とを備えている。 【0012】 作業機本体2は、トラクタの後部の3点リンク部に連結される機体6を有している。機体6には、トラクタのPTO軸に接続される入力軸から伝動手段を介して動力を受けて回転しながら耕耘作業をする耕耘体が回転可能に設けられている。機体6の耕耘カバー部の後端部には、耕耘体の後方位置で圃場面に追従するように上下方向に回動しながら整地作業をする整地体7が上下方向に回動可能に設けられている。整地体7は、左右方向両端部に嵌合受け部7aを有している。なお、作業機本体2は、機体6、耕耘体および整地体7等にて構成されている。 【0013】 折畳作業体3は、作業機本体2の機体6に回動中心軸4を中心として上下方向に回動可能に設けられた延長機体8を有している。延長機体8には、中央の作業機本体2の耕耘体から動力を受けて回転しながら耕耘作業をする延長耕耘体が回転可能に設けられている。延長機体8の耕耘カバー部の後端部には、延長耕耘体の後方位置で圃場面に追従するように上下方向に回動しながら整地作業をする延長整地体9が上下方向に回動可能に設けられている。延長整地体9は、折畳作業体3が展開作業位置に位置した状態時に作業機本体2の整地体7の嵌合受け部7aと嵌合する嵌合部9aを有している。なお、折畳作業体3は、延長機体8、延長耕耘体および延長整地体9等にて構成されている。 【0014】 また、農作業機1は、操作部の操作に基いて駆動力を出力して折畳作業体3を位置変更、すなわち例えば回動中心軸4を中心として回動させるアクチュエータ11と、このアクチュエータ11の可動速度を可変制御する制御手段12と、この制御手段12に電気的に接続されたバッテリ等の電源手段13とを備えている。 【0015】 アクチュエータ11は、例えば電動油圧シリンダ(電動油圧式リニアアクチュエータ)で、図2にも示すように、電動モータ15と油圧タンク16と油圧シリンダ17とにて一体に構成され、この伸縮可能な油圧シリンダ17は、シリンダ部18とこのシリンダ部18に出入り可能に設けられこのシリンダ部18に対して往復直線運動をする可動部であるロッド部19とを有している。 【0016】 アクチュエータ11の電動モータ15に、油圧シリンダ17のロッド部19の可動速度を制御する制御手段12、例えば電動モータ速度可変装置が電気的に接続されている。 【0017】 そして、制御手段12は、電動モータ15への駆動電源パルス幅の変更等により、折畳作業体3の展開方向への回動時において折畳作業体3が少なくとも1つの作業位置である展開作業位置に位置する直前からその展開作業位置に位置するまでの間、すなわち例えば作業機本体2の整地体7の嵌合受け部7aと折畳作業体3の延長整地体9の嵌合部9aとが嵌合を開始してからそれら嵌合受け部7aと嵌合部9aとが完全に嵌合するまでの間だけ、アクチュエータ11のロッド部19の可動速度を通常速度より遅くする。つまり、制御手段12の制御に基づき、アクチュエータ11の油圧シリンダ17のロッド部19は、油圧シリンダ17が最長状態になる直前から油圧シリンダ17が最長状態になるまでの間だけ、それ以外の場合における通常速度より遅い速度で、シリンダ部18に対して直線運動をする。 【0018】 なお、図示しないが、農作業機1は、折畳作業体3が展開作業位置に位置した状態時にこの折畳作業体3を作業機本体2に対してロックする展開ロック手段、折畳作業体3が作業機本体2の上方の折畳非作業位置に位置した状態時にこの折畳作業体3を作業機本体2に対してロックする折畳ロック手段等を備えている。 【0019】 次に、上記農作業機1の動作等を説明する。 【0020】 農作業機1を用いて最大の作業幅で代掻作業をする場合、アクチュエータ11を作動させることにより、左右の折畳作業体3を回動中心軸4を中心として展開方向に向けて展開作業位置まで所定角度回動させる。 【0021】 すると、折畳作業体3が展開作業位置に位置決めされて展開ロック手段にて折畳作業体3が作業機本体2に対して自動的にロックされ、また同時に、作業機本体2の整地体7の嵌合受け部7aと折畳作業体3の延長整地体9の嵌合部9aとが互いに嵌合し、この嵌合によって整地体7と延長整地体9とが一体となって上下回動する状態となる。 【0022】 この際、制御手段12の制御に基づき、アクチュエータ11の油圧シリンダ17のロッド部19が、油圧シリンダ17が最長状態になる直前から油圧シリンダ17が最長状態になるまでの間だけ、それ以外の場合における通常速度より遅い速度でシリンダ部18に対して直線運動をするため、整地体7の嵌合受け部7aと延長整地体9の嵌合部9aとの嵌合がゆっくりと確実に安定して行われ、その際の騒音や衝撃等も緩和される。また同時に、展開ロック手段によるロックがゆっくりと確実に安定して行われ、その際の騒音や衝撃等も緩和される。 【0023】 そして、このように左右の折畳作業体3を展開状態に切り換えた農作業機1をトラクタの走行によって移動させると、作業機本体2の耕耘体と左右の折畳作業体3の延長耕耘体とにて耕耘作業が行なわれ、作業機本体2の整地体7と左右の折畳作業体3の延長整地体9とにて整地作業が行なわれる。 【0024】 なお、左右の折畳作業体3を折畳状態に切り換える場合は、アクチュエータ11によって左右の折畳作業体3を回動中心軸4を中心として展開方向に向けて展開作業位置まで所定角度回動させればよい。 【0025】 そして、農作業機1によれば、折畳作業体3を位置変更させるアクチュエータ11とこのアクチュエータ11の可動速度を可変制御する制御手段12とを備える構成であるから、その制御手段12にてアクチュエータ11の可動速度を可変制御することによって、折畳作業体3の微妙な動きを実現できる。よって、例えば作業機本体2の整地体7の嵌合受け部7aと折畳作業体3の延長整地体9の嵌合部9aとの嵌合を確実に安定して行うことができ、その嵌合の際の騒音や衝撃等を緩和することもでき、また同時に、展開ロック手段によるロックを確実に安定して行うことができ、その際の騒音や衝撃等も緩和できる。 【0026】 なお、制御手段12が、折畳作業体3が展開作業位置に位置する直前からその展開作業位置に位置するまでの間以外に、折畳作業体3の重心が回動中心軸4上を通過するときつまり支点越えのときにも、アクチュエータ11の可動速度を通常速度より遅くするようにしてもよい。 【0027】 次に、本発明の農作業機の他の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0028】 図3において、21は農作業機で、この農作業機21は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)に連結される牽引式の畦塗り機である。そして、農作業機21は、トラクタに連結された状態で、トラクタの前進走行およびバック走行により圃場を移動しながら、畦塗り作業を行うものである。 【0029】 農作業機21は、トラクタの後部の3点リンク部(作業機昇降装置)に連結される作業機本体22と、この作業機本体22に前進作業位置、非作業位置およびバック作業位置に位置変更可能に設けられた作業体23とを備えている。 【0030】 作業体23は、所定方向に回転しながら盛土作業をする盛土部(ロータリ)24と、この盛土部24の進行方向後方で所定方向に回転しながら畦形成作業をする畦形成部(ディスク)25とを有している。 【0031】 そして、作業体23は、前進作業位置に位置した状態時にはトラクタの前進走行に基づいて進行方向に移動しながら畦塗り作業をし(図3参照)、バック作業位置に位置した状態時には圃場の隅でトラクタのバック走行に基づいて進行方向に移動しながら畦塗り作業をし(図5参照)、非作業位置(格納位置)に位置した状態時にはトラクタより側方に突出しないようトラクタの後方に位置する(図4参照)。 【0032】 また、農作業機21は、操作部の操作に基いて駆動力を出力して作業体23を位置変更させる複数のアクチュエータ、すなわち例えば第1アクチュエータ31aおよび第2アクチュエータ31bと、これら第1アクチュエータ31aおよび第2アクチュエータ31bの可動速度を可変制御する制御手段32と、この制御手段32に電気的に接続されたバッテリ等の電源手段33とを備えている。 【0033】 第1アクチュエータ31aおよび第2アクチュエータ31bは、いずれも例えば電動油圧シリンダ(電動油圧式リニアアクチュエータ)で、図2に示すものと同様、電動モータ35と油圧タンク36と油圧シリンダ37とにて一体に構成され、この伸縮可能な油圧シリンダ37は、シリンダ部38とこのシリンダ部38に出入り可能に設けられこのシリンダ部38に対して往復直線運動をする可動部であるロッド部39とを有している。 【0034】 第1アクチュエータ31aの電動モータ35および第2アクチュエータ31bの電動モータ35に、第1アクチュエータ31aの油圧シリンダ37のロッド部39の可動速度および第2アクチュエータ31bの油圧シリンダ37のロッド部39の可動速度を制御する制御手段32、例えば電動モータ速度可変装置が電気的に接続されている。 【0035】 そして、制御手段32は、作業体23が前進作業位置に位置する直前からその前進作業位置に位置するまでの間、第1アクチュエータ31aのロッド部39の可動速度を通常速度より遅くする。また、制御手段32は、作業体23がバック作業位置に位置する直前からそのバック作業位置に位置するまでの間、第1アクチュエータ31aのロッド部39の可動速度の可動速度を通常速度より遅くする。 【0036】 さらに、制御手段32は、作業体23が前進作業位置から非作業位置に位置変更する場合においては、作業体23が非作業位置に位置する直前からその非作業位置に位置するまでの間、第1アクチュエータ31aのロッド部39の可動速度を通常速度より遅くし、作業体23がバック作業位置から非作業位置に位置変更する場合においては、作業体23が非作業位置に位置する直前からその非作業位置に位置するまでの間、第2アクチュエータ31bのロッド部39の可動速度を通常速度より遅くする。 【0037】 なお、図示しないが、農作業機21は、作業体23が前進作業位置に位置した状態時にこの作業体23を作業機本体22に対してロックする第1ロック手段、作業体23が非作業位置に位置した状態時にこの作業体23を作業機本体22に対してロックする第2ロック手段、作業体23がバック作業位置に位置した状態時にこの作業体23を作業機本体22に対してロックする第3ロック手段等を備えている。 【0038】 次に、上記農作業機21の動作等を説明する。 【0039】 トラクタを前進走行させて農作業機21で畦塗り作業をする場合は、作業体23を前進作業位置まで移動させて第1ロック手段にてロックする。この際、制御手段32の制御に基づき、作業体23が前進作業位置に位置する直前からその前進作業位置に位置するまでの間、第1アクチュエータ31aのロッド部39が通常速度より遅い速度でシリンダ部38に対して直線運動をするため、第1ロック手段によるロックがゆっくりと確実に安定して行われ、騒音や衝撃等も緩和される。 【0040】 また、圃場の隅においてトラクタをバック走行させて農作業機21で畦塗り作業をする場合は、作業体23をバック作業位置まで移動させて第3ロック手段にてロックする。この際、制御手段32の制御に基づき、作業体23がバック作業位置に位置する直前からそのバック作業位置に位置するまでの間、第1アクチュエータ31aのロッド部39が通常速度より遅い速度でシリンダ部38に対して直線運動をするため、第3ロック手段によるロックがゆっくりと確実に安定して行われ、その際の騒音や衝撃等も緩和される。 【0041】 なお、農作業機21をトラクタに連結したまま倉庫等まで運搬する場合は、作業体23を非作業位置まで移動させて第2ロック手段にてロックするが、このとき、制御手段32の制御に基づき、作業体23が非作業位置に位置する直前からその非作業位置に位置するまでの間、油圧シリンダ37のロッド部39が通常速度より遅い速度でシリンダ部38に対して直線運動をするため、第2ロック手段によるロックがゆっくりと確実に安定して行われ、その際の騒音や衝撃等も緩和される。 【0042】 そして、農作業機21によれば、作業体23を位置変更させるアクチュエータ31a,31bとこのアクチュエータ31a,31bの可動速度を可変制御する制御手段32とを備える構成であるから、その制御手段32にてアクチュエータ31a,31bの可動速度を可変制御することによって、作業体23の微妙な動きを実現できる。よって、例えば作業体23を前進作業位置、非作業位置およびバック作業位置にロックする第1〜第3ロック手段によるロックを確実に安定して行うことができ、その際の騒音や衝撃等を緩和することもできる。 【0043】 なお、農作業機21は、2つのアクチュエータ31a,31bで作業体23を位置変更させる構成には限定されず、1つのアクチュエータで作業体23を位置変更させる構成でもよい。 【0044】 また、いずれの実施の形態においても、作業体を位置変更させるアクチュエータは、電動油圧シリンダには限定されず、電動シリンダや電動モータ等でもよい。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の背面図である。 【図2】同上農作業機のアクチュエータを示す図である。 【図3】本発明の他の実施の形態に係る農作業機の概略平面図である。 【図4】同上農作業機の作業体が非作業位置に位置した状態での概略平面図である。 【図5】同上農作業機の作業体がバック作業位置に位置した状態での概略平面図である。 【符号の説明】 【0046】 1 農作業機 2 作業機本体 3 作業体である折畳作業体 11 アクチュエータ 12 制御手段 18 シリンダ部 19 ロッド部 21 農作業機 22 作業機本体 23 作業体 31a,31b アクチュエータ 32 制御手段 38 シリンダ部 39 ロッド部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000188009 【氏名又は名称】松山株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年5月25日(2006.5.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062764 【弁理士】 【氏名又は名称】樺澤 襄
【識別番号】100092565 【弁理士】 【氏名又は名称】樺澤 聡
【識別番号】100112449 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 哲也
|
| 【公開番号】 |
特開2007−312666(P2007−312666A) |
| 【公開日】 |
平成19年12月6日(2007.12.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−145104(P2006−145104) |
|