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【発明の名称】 走行機に連結される畦形成機
【発明者】 【氏名】松橋 憲夫

【氏名】樋口 健夫

【要約】 【課題】容易な操作により制御部を切り換え走行機の異なる姿勢に対し常に一定の方向の直線状畦を形成する畦形成機を目標とする。

【解決手段】連結部は、装着フレームに設ける回動支点を中心に水平方向に回動可能であるとともに装着フレームと畦形成部間の距離を伸縮可能に設けており、制御部は、走行機が略直線状に前進して走行機と平行な直線状に畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら直線状に畦形成作業する場合とに対応して切換え可能であり、走行機が旋回しながら作業する場合の制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させ、走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は連続して直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせる走行機に連結される畦形成機による。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着フレームと、畦形成部と、装着フレームと畦形成部とを連結する連結部と、制御部と、操作部とを有する走行機に連結される畦形成機であり、
連結部は、装着フレームに設ける回動支点を中心に水平方向に回動可能であるとともに装着フレームと畦形成部間の距離を伸縮可能にするアクチュエーターを設けており、
制御部は、走行機が略直線状に前進して走行機と平行な直線状の畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら直線状に畦形成作業する場合とに、それぞれ対応して切換え可能であり、
走行機が旋回しながら作業する場合に対応して切換えられた制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応してアクチュエータの長さを連続的に制御して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させ、走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は連続して直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせることを特徴とする走行機に連結される畦形成機。
【請求項2】
装着フレームと、畦形成部と、装着フレームと畦形成部とを連結する連結部と、制御部と、操作部とを有する走行機に連結される畦形成機であり、
連結部は、装着フレームに設ける回動支点を中心に水平方向に回動可能であるとともに装着フレームと畦形成部間の距離を伸縮可能にするアクチュエーターを設けており、
制御部は、走行機が略直線状に前進して走行機と平行な直線状の畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら直線状に畦形成作業する場合と、走行機を停止させて走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合とに、それぞれ対応して切換え可能であり、
走行機が旋回しながら作業する場合に対応して切換えられた制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応してアクチュエータの長さを連続的に制御して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させ、走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は連続して直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせ、
走行機を停止させて走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合に対応して切換えられた制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応してアクチュエータの長さを連続的に制御して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させるとともに、連結部に設けた畦形成部の回動支点の回動変位量を制御して連結部に対して畦形成部を回動させ、停止している走行機進行方向と直行する直線状方向に畦形成部を移動させつつ畦形成作業を行わせることを特徴とする走行機に連結される畦形成機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタ等の走行機に連結されて水田等の畦形成作業を行う畦形成機に関する。
【背景技術】
【0002】
水田の畦形成や水田の周囲の溝の形成等の主に水田周囲の場所において行う畦形成作業において、トラクタ等の走行機に連結されて、走行機の進行方向に沿って進行し畦形成作業を行う畦形成機は、様々な形態が知られている。従来技術としては、走行機の進行方向に対して水平方向に180°回転する畦形成機や、畦形成機が走行機の進行方向に対して側方にオフセットした位置で作業する畦形成機などが公知である。
【0003】
水田等の畦形成においてトラクタに連結して側方に位置させた作業部の畦形成作業では、作業部はトラクタの側方後部にあるためトラクタが行き止まりになると作業部はその位置から前方の隅部は畦形成作業ができない。そのため残隅部の処理作業は、作業部をトラクタ進行方向に対して180°角水平方向に回動させ、更にトラクタも前後180°回転させて方向転換した後、トラクタを後進させて残隅部の作業処理を行っていた(従来技術1)。
【0004】
また、作業機が走行機の進行方向に対して側方にオフセットした位置で作業する作業機としては、以下のような公知例がある。特開2004−254522号公報(従来技術2)には、「オフセット作業方法」として、「走行機体にオフセット作業が行えるように装着された作業機による作業方法であって、作業機は、水平面内での回動及び移動の自由度を有し、作業機自体の直進性を維持しながら、走行機体が圃場を走行しつつ作業を行う作業部分から走行機体が旋回する圃場隅部分までの仕上げ作業を行う。作業機は、走行機体から見て少なくとも2以上の水平回動、あるいは水平移動と水平回動の自由度を有し、直進性を制御し、前作業跡を基準に作業を行う作業装置、作業機自身の回動変位量度を基準に行う作業装置などを備えている。」が開示されている。
【0005】
更に、特開2004−267012号公報(従来技術3)には、「オフセット作業機」として「作業部のオフセット位置を調整自在にしたオフセット位置調整機構と、作業部の作業方向を回動調整自在にした作業方向調整機構と、作業部と作業部によって作業がなされる基準作業線との位置関係を検出する検出部と、検出部からの検出信号に基づいて、オフセット位置調整機構を動作させて作業部のオフセット位置を調整すると共に作業方向調整機構を動作させて作業部の作業方向を調整する制御手段とを備え、作業部の作業位置と作業方向を基準作業線に沿うように制御する」作業機が開示されている。
【0006】
更にまた、特開2004−275188号公報(従来技術4)には、「オフセット作業機」として、「オフセット作業機の一例である畦塗り機は、トラクタの後部に装着され、トラクタの走行に伴って進行してトラクタの走行位置に対して側方にオフセットした位置を作業する作業部を備え、少なくとも2以上の水平回動、又は、水平移動及び水平回動の自由度を有し、該自由度を制御するコントローラ(制御装置)を備える。作業部の自由度は作業者による手動操作によっても制御可能である。」との記載がある。
【0007】
また、特開2005−46040号公報(従来技術5)には、「圃場の隅まで連続的に畦塗り作業を行う畦塗り機及びその作業部位置調整方法」の開示がある。従来技術5の畦塗り機は、「作業部を旧畦の一辺に沿うように設置可能な作業部位置調整装置を有し、作業部位置調整装置は、オフセットフレームの後端部に回動自在に設けられた作業部が旧畦の設置位置に設置されたか否かを走行機体から目視確認可能な第1マーカと、作業部の向きが一辺と略平行にあるか否かを走行機体から目視確認可能な第2マーカと、オフセットフレームを旋回動させる旋回シリンダ及び作業部を回動させる回動シリンダの動作を操作可能なアクチュエータ操作装置を有している。そして走行機体に搭乗した作業者は、第1マーカ及び第2マーカを目視して作業部が設置位置に設置され且つ作業部の向きが一辺と略平行になるようにアクチュエータ操作手段を操作する。」との記載がある。
【特許文献1】特開2004−254522号公報(従来技術2)
【特許文献2】特開2004−267012号公報(従来技術3)
【特許文献3】特開2004−275188号公報(従来技術4)
【特許文献4】特開2005−46040号公報(従来技術5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来技術1のように水田等の圃場の作業残隅部の作業処理を行うために、トラクタ進行方向に対して作業部を180°角水平方向に回動させ、更にトラクタも前後180°回転させて方向転換した後、トラクタを後進させるという複数の面倒な作業を行なわなければならないという問題点があった。特に、トラクタを後進させて残隅部の作業処理を行う場合は、作業者は後方を見ながらトラクタの後進操作を行うため運転技術や作業などに熟練を要するという課題があり、誰でもが容易に作業を行い難いという課題があった。
【0009】
更に、従来技術2乃至5に係る作業機は、畦等の被作業面に対して作業部のオフセット位置を調整したり、作業部の作業方向を調整したりする制御手段を有する技術であるが、走行機、あるいは機枠(装着フレーム)と作業部との間の距離は一定しており、作業部を機枠に対して水平方向に回動させることにより、被作業面と作業部の間隔を調整する装置又は方法である。しかしながら従来技術2乃至5には走行機に対して畦形成機との異なる3つの作業姿勢に迅速かつ容易に対応できる制御方法や制御装置部の開示がなく、作業操作が複雑になる課題があった。
【0010】
また、従来技術5の「圃場の隅まで連続的に畦塗り作業を行う畦塗り機及びその作業部位置調整方法」は、マーカを目視しながら畦等の被作業面に対して作業部の設置位置を操作するものであり、畦等の被作業面が直線でない場合や、草や樹木などの異物がある場合には、正確に作業が行えない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記課題を解決するために、装着フレームと、畦形成部と、装着フレームと畦形成部とを連結する連結部と、制御部と、操作部とを有する走行機に連結される畦形成機であり、
連結部は、装着フレームに設ける回動支点を中心に水平方向に回動可能であるとともに装着フレームと畦形成部間の距離を伸縮可能にするアクチュエーターを設けており、
制御部は、走行機が略直線状に前進して走行機と平行な直線状の畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら直線状に畦形成作業する場合とに、それぞれ対応して切換え可能であり、
走行機が旋回しながら作業する場合に対応して切換えられた制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応してアクチュエータの長さを連続的に制御して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させ、走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は連続して直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせることを特徴とする走行機に連結される畦形成機を提案する。
【0012】
又、装着フレームと、畦形成部と、装着フレームと畦形成部とを連結する連結部と、制御部と、操作部とを有する走行機に連結される畦形成機であり、
連結部は、装着フレームに設ける回動支点を中心に水平方向に回動可能であるとともに装着フレームと畦形成部間の距離を伸縮可能にするアクチュエーターを設けており、
制御部は、走行機が略直線状に前進して走行機と平行な直線状の畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら直線状に畦形成作業する場合と、走行機を停止させて走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合とに、それぞれ対応して切換え可能であり、
走行機が旋回しながら作業する場合に対応して切換えられた制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応してアクチュエータの長さを連続的に制御して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させ、走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は連続して直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせ、
走行機を停止させて走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合に対応して切換えられた制御部は、装着フレームに設けた連結部の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部の回動支点の回動変位量に対応してアクチュエータの長さを連続的に制御して装着フレームと畦形成部間の距離を変更させるとともに、連結部に設けた畦形成部の回動支点の回動変位量を制御して連結部に対して畦形成部を回動させ、停止している走行機進行方向と直行する直線状方向に畦形成部を移動させつつ畦形成作業を行わせることを特徴とする走行機に連結される畦形成機を提案する。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、畦形成機の制御部が、走行機が略直線状に前進して畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら直線状に畦形成作業する場合とに、それぞれ対応して切換え可能であることにより、通常の走行機が略直線状に前進して畦形成作業する場合の他に、圃場隅部で走行機が旋回しながら作業する場合は、それに対応して切換えられた制御部により走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせることが可能になった。したがって制御部の切り換え操作のみで予め入力されているプログラムにしたがって直線状畦の形成が圃場隅部の角隅まで未作業の畦部分がなく容易に形成することができる。
【0014】
更に請求項2に係る発明によれば、制御部が、走行機が略直線状に前進して畦形成作業する場合と、走行機が旋回しながら圃場隅部分を直線状に畦形成作業する場合と、走行機を停止させて走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合とに、それぞれ対応して切換え可能であることにより、通常の走行機が略直線状に前進して畦形成作業する場合の他に、圃場隅部で走行機が旋回しながら作業する場合は、それに対応して切換えられた制御部により走行機が旋回移動するのに対し畦形成部は直線状に移動しつつ畦形成作業を行わせること及び走行機を停止させて走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合は、停止している走行機進行方向と直行する直線状方向に畦形成部は移動しつつ畦形成作業を行わせることが可能になった。走行機を停止させて作業を行うため圃場隅部の未作業部分を確実になくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施形態を示す図1乃至図6に基づいて説明する。図1は畦形成機の平面説明図、図2は畦形成機の側面説明図、図3は走行機を直線状に走行させつつこの発明の実施形態である畦形成機によって圃場の被作業面を直線状畦として形成する過程を示す平面説明図、図4及び図5は図3の状態から圃場の隅部において走行機を旋回走行させつつ連結部を水平方向へ回動して隅部の被作業面を角部の直線状畦として形成する過程を示す平面説明図、図6は圃場の隅部において走行機を停止させた状態で連結部を水平方向に回動させるとともに畦形成部を連結部に対して回動させ圃場の隅部を直線状畦として形成する平面説明図に基づいて説明する。
【0016】
この発明の実施形態である畦形成機Aは、走行機Bに機枠である装着フレーム1によって連結される。畦形成機Aは、装着フレーム1、連結部2、畦形成部3、制御部4,操作部5、動力源部6を備えている。走行機Bは、この実施例ではトラクタである。
【0017】
装着フレーム1は、その前部で走行機Bにトップブラケット10、左右のロアピン11、11によって連結されており、走行機Bの駆動軸(図示せず)と連結する入力軸12を介してユニバーサルジョイント13が連結される。この実施形態ではユニバーサルジョイント13は、ダブル広角ジョイントである。装着フレーム1の後部にアーム回動支点である連結部回動軸14を垂直方向に設けており、連結部回動軸14には、連結部2の基部20を装着フレーム1に対して水平方向に左右側方との間で後方を経由して180度角前後、回動変位可能に設けている。
【0018】
連結部2は、この実施例では水平方向に回動可能かつ伸縮可能なアームからなるが、回動可能かつ伸縮可能なリンクでもよい。連結部2は、基部側に位置し角筒状の内摺動アーム21と先部側に位置し内摺動アーム21より大きな角筒状の外摺動アーム22を摺動可能に接続しており、内摺動アーム21と外摺動アーム22の摺動により連結部2の長さは伸縮する。
【0019】
連結部2は、基部20の中心で連結部回動軸14に固定され水平方向に回動可能であり基部外周に主動ギア23を設ける。主動ギア23は、内摺動アーム21方向以外の外周にギアを形成しており、装着フレーム1に設けられ水平方向に回動可能な従動ギア24と噛合している。連結部回動軸14は、連結部回動シリンダ27のシリンダロッド270先端に回動可能に設けられる第1シリンダーアーム271に固定されている。連結部回動シリンダ27は、シリンダ本体272の基部で第2シリンダーアーム273の一端と回動可能に連結しており、第2シリンダーアーム273は他端で装着フレーム1に回動可能に取り付けられている。連結部回動シリンダ27は、この実施形態では油圧シリンダであるが、電動シリンダ等のシリンダでもよい。
【0020】
従動ギア24は、主動ギア23より大きい円の円弧部分に設けられたギアからなり装着フレーム1に垂直方向に設けられた従動ギア回動軸25を中心に回動可能であり、従動ギア回動軸25には、ポテンショメータ(連結部回動変位量検知センサー)28が設けられており、主動ギア23の回動に噛合する従動ギア24の回動により回動する従動ギア回動軸25の回動変位量、すなわち連結部2の走行機Bの前後方向に対する回動変位量は連結部回動変位量検知センサーであるポテンショメータ28により検知され制御部4に送信される。
【0021】
連結部2は、内摺動アーム21に沿った内摺動アームの上方にアクチュエーター26を設けている。この実施例ではアクチュエータ−26は連結部伸縮シリンダ26からなる。連結部伸縮シリンダ26は、シリンダ本体260の基部を連結部回動軸14に回動自在に設けており、シリンダロッド261の先端を外摺動アーム22の基部側に固定して設ける。連結部伸縮シリンダ26には、連結部伸縮量検知センサー29を設けており、シリンダロッド261の伸縮量を検知することにより連結部2の伸縮量を検知し制御部4に送信する。
【0022】
畦形成部3は、畦成形装置3a、畦上面削土装置3b、掘削爪3c、盛土装置3d等からなり、畦形成部3の各装置はユニバーサルジョイント13に連結される伝動軸3eを介して伝達される駆動力によって駆動される。3fは、第1チェーンケースであり、3gは第2チェーンケースである。
【0023】
畦形成部3は、この実施形態では畦形成部回動シリンダ30と、畦形成部回動変位量検知センサー31とを有する。畦形成部3は、連結部2の外摺動アーム22に垂直方向に設けた畦形成部回動支点である畦形成部回動軸32を中心に連結部2の長さ方向に対して水平方向に回動可能に取り付けられており、畦形成部回動シリンダ30のシリンダロッド301の伸縮によって回動する。畦形成部回動シリンダ30は、連結部2の外摺動アーム22に固定されている畦形成部支持フレーム33と外摺動アーム22の先端部との間にそれぞれ回動可能に取り付けられている。この実施形態では畦形成部回動シリンダ30は、そのシリンダ本体300の基部を外摺動アーム22の先端に取り付けており、シリンダロッド301先端を畦形成部支持フレーム33に取り付けている。
【0024】
畦形成部回動変位量検知センサー31は、この実施形態では畦形成部回動シリンダ30に設けているシリンダロッド伸縮量検知センサーである。シリンダロッド伸縮量検知センサー31によってシリンダロッド301の伸縮量を検知して畦形成部3が、連結部2の長さ方向に対してどの程度回動したかという回動変位量を検知する。他の畦形成部回動変位量検知センサー31としては、畦形成部回動軸32にポテンショメータを取り付けて畦形成部回動変位量検知センサーとして、畦形成部回動軸32の回動変位量度、すなわち畦形成部3の連結部2に対する回動変位量を検知することも可能である。
【0025】
制御部4は、畦形成機A又は走行機Bに着脱自在または固定して設けられており、走行機Bが略直線状に前進して畦形成作業する場合と、走行機Aが旋回しながら圃場隅部Cを直線状に畦形成作業する場合と、走行機Aを停止させて走行機Aの後方に畦形成部3を位置させて走行機Aの進行方向と直交する方向へ畦形成作業する場合とに、それぞれ対応したプログラムが予め組み込まれており、操作部5により対応するプログラムに切換えが可能である。
【0026】
制御部4は、操作部5から受ける操作信号、少なくとも上記3つの走行機Bの姿勢の違いによる作業状態に対応した操作信号と、連結部回動変位量検知センサー28、連結部伸縮量検知センサー29及び畦形成部回動変位量検知センサー31とから受ける検知信号を予め組み込まれたプログラムによって計算されて成る指示信号により、連結部回動シリンダ27と、連結部伸縮シリンダ26と、畦形成部回動シリンダー30とのそれぞれの駆動装置に指示信号を送信する。この指示信号により各駆動装置は、走行機Bの姿勢に対応して各々作動し畦形成部3が常に一定の姿勢で直線移動できるように設定されている。この制御により装着フレーム1に対する連結部2の回動及び連結部2の伸縮及び連結部2に対する畦形成部3の回動を適宜行い、走行機Bの姿勢が変更されても畦形成部3を一定の直線移動を行い直線状畦の形成を行うことができる。
【0027】
また制御部4は、連結部回動シリンダ27と、連結部伸縮シリンダ26と、畦形成部回動シリンダー30との作動を組合わせ、伸縮速度を変化させることにより、装着フレーム1と連結部2の回動変位量、回動速度及び連結部2の伸縮速度、連結部2と畦形成部3の回動変位量、回動速度を経時的に変化させることができる。
【0028】
制御部4は、指示信号により油圧バルブ、電気リレー等の装置を介して各駆動装置を制御している。これら各駆動装置の制御は、操作部5の操作信号を通さず制御部4により全て自動制御で行うことも可能であり、また操作者による操作部5の操作で手動制御することも可能である。
【0029】
操作部5は、走行機Bの操作者が保持して手動制御として制御部4のプログラムを切り換えて、それに対応した連結部2の水平方向の回動、伸縮及び畦形成部3の連結部2に対する水平方向の回動を行う。また操作部5は、全自動制御になるように制御部4に操作信号を送信することも可能である。この場合、一定の状態で各駆動装置は制御部4の指示信号に自動的に反応する。
【0030】
動力源部6は、バッテリー等の電源であり、制御部4及び各駆動装置の駆動源である。
【0031】
次に、この発明の実施形態である畦形成機Aの作動について説明する。畦形成機Aは、走行機Bに連結されて作業を行う。Cは圃場隅部であり、Dは畦である。
【0032】
畦形成機Aは、走行機Bが略直線状に前進して直線状畦形成作業する場合には、操作部5により制御部4をそれに対応するプログラムに切り換えて行う。この場合は、図1及び図3に示すように畦成型機Aは姿勢をほぼ固定され走行機Bと平行な位置で走行機Bに従って一定移動を行い直線状畦Dを形成する。
【0033】
畦形成機Aは、図4及び図5に示すように走行機Bが旋回しながら圃場隅部分Cを直線状に畦形成作業する場合は、操作部5により制御部4をそれに対応するプログラムに切り換えて行う。この場合は、制御部4は、装着フレーム1に設けた連結部2の回動支点の回動変位量の情報を検知する連結部回動変位量検知センサー28からの検知信号を基にあらかじめ設定されたプログラムにより連結部伸縮シリンダ26の長さを連続的に制御して、装着フレーム1と畦形成部3間の長さを連続的に変更させる。これにより走行機Bが旋回移動するのに対し畦形成部3は直線状に移動しつつ圃場隅部分Cを隅まで直線で畦形成作業を行わせることができる。
【0034】
畦形成機Aは、図6に示すように走行機Bを停止させて走行機Bの後方に畦形成部3を位置させて走行機Bの進行方向と直交する方向へ畦形成部3を移動させて畦形成作業する場合は、操作部5により制御部4をそれに対応するプログラムに切り換えて行う。切換えられた制御部4は、畦形成部3の作業面Dが一定の直線状畦になるように予め設定されているプログラムにより連結部回動シリンダ27、連結部伸縮シリンダ26、畦形成部回動シリンダー30のそれぞれに指示信号を送信する。そして、装着フレーム1に対する連結部2の回動支点の回動変位量の情報を基に、あらかじめ設定されたプログラムにより連結部2の回動支点の回動変位量に対応して連結部伸縮シリンダ26の長さを連続的に制御して装着フレーム1と畦形成部3間の距離を変更させるとともに、畦形成部回動シリンダー30を作動させ連結部2に設けた畦形成部3の回動支点の回動変位量を制御し、畦形成部3を畦形成部回動軸32を中心に連結部2の回動方向とは逆方向に適宜回動させて行う。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、水田等の矩形の圃場等の場所において、その周囲に設ける畦形成作業を行う場合に利用できる。特に、水田等の矩形の圃場の隅部を角まで直線で未作業部分がないように形成でき、非常に容易かつ短時間に畦形成作業を完了できるため作業効率が高く利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施形態であり、畦形成機の平面説明図
【図2】同じく畦形成部の側面説明図
【図3】走行機を直線状に走行させつつこの発明の実施形態である畦形成機によって圃場の畦作業面を直線状畦として形成する過程を示す平面説明図
【図4】図3の状態から圃場の隅部において走行機を旋回走行させつつ連結部を水平方向へ回動して隅部の畦作業面を角部の直線状畦として形成する過程を示す平面説明図
【図5】図4の状態から圃場の隅部において走行機を旋回走行させつつ連結部を水平方向へ回動して隅部の畦作業面を角部の直線状畦として形成する過程を示す平面説明図
【図6】圃場の隅部において走行機を停止させた状態で走行機の後方に畦形成部を位置させて走行機の進行方向と直交する方向へ畦形成部を移動させて圃場の隅部を直線状の畦作業面として形成する平面説明図
【符号の説明】
【0037】
A 畦形成機
1 装着フレーム(機枠)
10 トップブラケット
11 ロアピン
12 入力軸
13 ユニバーサルジョイント
14 連結部回動軸(連結部回動支点)
2 連結部
20 基部
21 内摺動アーム
22 外摺動アーム
23 主動ギア
24 従動ギア
25 従動ギア回動軸
26 連結部伸縮シリンダ
260 シリンダ本体
261 シリンダロッド
27 連結部回動シリンダ
270 シリンダロッド
271 第1シリンダアーム
272 シリンダ本体
273 第2シリンダアーム
28 ポテンショメータ(連結部回動変位量検知センサー)
29 連結部伸縮量検知センサー
3 畦形成部
3a 畦成形装置
3b 畦上面削土装置
3c 掘削爪
3d 盛土装置
3e 伝動軸
3f 第1チェーンケース
3g 第2チェーンケース
30 畦形成部回動シリンダ
300 シリンダ本体
301 シリンダロッド
31 畦形成部回動変位量検知センサー(シリンダロッド伸縮量検知センサー)
32 畦形成部回動軸(畦形成部回動支点)
33 畦形成部支持フレーム
4 制御部
5 操作部
6 動力源部
B 走行機
C 水田等の隅部
D 水田等の直線状畦
【出願人】 【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
【出願日】 平成18年4月26日(2006.4.26)
【代理人】 【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義

【識別番号】100059591
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正之


【公開番号】 特開2007−289110(P2007−289110A)
【公開日】 平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願番号】 特願2006−122496(P2006−122496)