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【発明の名称】 畦塗り方法およびその装置
【発明者】 【氏名】金子 常雄

【氏名】三ツ木 宏之

【要約】 【課題】畦の整形と同時に、種子又は植物のランナーを畦に供給して、供給した種子又は植物のランナー以外の雑草の発生を防止すると共に、供給した種子又は植物のランナーが成長するに伴って土中深くまで高密度で根群が発達させて法面保護と今後の畦の管理作業を省力化する方法と装置を提供する。

【解決手段】耕耘爪を有する前処理体の回転によって元畦とその付近の土壌を元畦の頂部方向に盛り上げ、前処理体の後方に位置して耕耘され盛り上げられた土壌を畦として形成する整畦体との間に、種子又は植物のランナーを供給して、盛り上げられた土壌と共に整畦体によって整形される畦の頂部若しくは側部の表面に種子又は植物のランナーを塗りこめる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
元畦の一部または圃場を、複数の耕耘爪によって、元畦の頂部及び側部を耕耘して畦際の土壌を元畦側に盛り上げる前処理体と、前処理体の後方に位置して前処理体によって耕耘された土壌を、畦の頂部または側部及びその両面に塗り付ける整畦体を設けた畦塗り装置において、
前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に種子または植物のランナーを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面又はその両面の表面に種子または植物のランナーを塗りこめることを特徴とする、畦塗り方法。
【請求項2】
前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤、または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面及びその両面の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを塗りこめることを特徴とする請求項1記載の、畦塗り方法。
【請求項3】
前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に供給し、畦上面または畦法面及びその両面に塗りこまれる種子はハーブ類、芝類(センチピードグラス、ティフ・ブレア)、ダイカンドラ、セダム、植物のランナーはヒメイワダレソウ、セダムであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の、畦塗り方法。
【請求項4】
元畦の一部または圃場を、複数の耕耘爪によって、元畦の頂部及び側部を耕耘して畦際の土壌を元畦側に盛り上げる前処理体と、前処理体の後方に位置して前処理体によって耕耘された土壌を、畦の頂部または側部及びその両面に塗り付ける整畦体を設けた畦塗り装置において、
前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に種子または植物のランナーを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面又はその両面の表面に種子または植物のランナーを塗りこめることを特徴とする、畦塗り装置。
【請求項5】
前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤、または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面及びその両面の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを塗りこめることを特徴とする請求項4記載の、畦塗り装置。
【請求項6】
前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に供給し、畦上面または畦法面及びその両面に塗りこまれる種子はハーブ類、芝類(センチピードグラス、ティフ・ブレア)、ダイカンドラ、セダム、植物のランナーはヒメイワダレソウ、セダムであることを特徴とする請求項4または請求項5記載の、畦塗り装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の畦面の表面に畦管理を容易にするローメンテナンス草類及び、防虫効果を有する種子及びランナーを塗り付ける畦塗り方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータリによって畦側に跳ね上げる泥土をカバーの案内を利用して畦の上面に落下させ、その後畦整形機により畦塗りが出来る畦塗り機は例えば、特開平5−15203号公報のように公知である。
【0003】
また、ロータリによって跳ね上げた泥土を案内するカバーの内面に噴水口を設け、跳ね上げた泥土に散水しながら高水分にすることによって、仕上がりのよい畦塗りが出来るように畦塗り機に散水装置を設けたもの(実開平5−021604号公報)や、特開平8−056403号公報のように、畦塗り体に散水装置の散水ノズルを臨ませて散水ノズルから畦塗り体に散水することによって、少ない水量で泥土を十分に締め固めて表面を平滑状態に仕上げる畦塗り装置などのように、散水によって畦を固く形成する発明も開示されている。
【0004】
さらに、特開2005−296020公報では、繰出し装置から石灰を繰出し、耕耘爪の回転によって土内に攪拌させると共に、石灰を混入した土を畦塗り体によって畦法面に塗り付ける構成とし、形成する畦の硬化を速やかにそして畦の崩れを少なく、長期間維持しようとする発明が紹介されている。
【0005】
畦きり装置、畦塗り装置そして播種装置を備えて、畦塗り作業と同時に大豆種の播種を畦に行なう畦作業機が特開平7−274608号公報で紹介されている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−015203号公報
【特許文献2】実開平5−021604号公報
【特許文献3】特開平8−056403号公報
【特許文献4】特開2005−296020号公報
【特許文献5】特開平7−274608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の前掲の特許文献1〜4に記載されている畦塗り機であっては畦を作りやすく、そして散水や石灰を泥土に混合することによって固くしまった畦を形成して、長期間の崩れを防止させようとするものであるが、時間の経過と共に畦の形状保持は難しく、特に梅雨以降の雑草の発生を抑制する効果は期待できないものである。
【0008】
また、特許文献5では前処理装置、整形装置、播種装置を順次装備し、畦の整形後に播種を行っているので、整形後の畦の一部を崩すこととなるため、長期間にわたる畦形状の保持が困難となるばかりか、畦に播種する種子が大豆であって、稲作と同時の大豆の栽培を目的とするものであるので、大豆が生長している付近の除草機による除草は不可能であり畦の除草管理を困難にしているものである。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するものであって、耕耘爪を有する前処理体の回転によって元畦とその付近の土壌を元畦の頂部方向に盛り上げ、前処理体の後方に位置して耕耘され盛り上げられた土壌を畦として形成する整畦体との間に、種子又は植物のランナーを供給して、盛り上げられた土壌と共に整畦体によって整形される畦上面若しくは畦法面の表面に種子又は植物のランナーを塗りこめて、風や鳥類によって種子類が除去されることなく、時間の経過と共に種子又はランナーから植物が生長して、畦に供給した植物以外の生育が行われないようにすることを目的とするものである。
【0010】
さらに、畦に供給する種子又は植物のランナーは、ローメンテナンス草類と呼ばれる種類と、カメムシ等の防虫効果のあるハーブ類のもので、畦の景観に優れ、雑草の侵入を防ぎ、土中深くまで高密度で根群が発達するために法面保護硬化に優れるので、次年度以降の畦塗り作業を省略し、畦の管理作業を省力化することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すために本発明は請求項1ないし請求項6に係わる畦塗り方法とその装置を提案する。即ち、請求項1に係わる畦塗り方法は、元畦の一部または圃場を、複数の耕耘爪によって、元畦の頂部及び側部を耕耘して畦際の土壌を元畦側に盛り上げる前処理体と、前処理体の後方に位置して前処理体によって耕耘された土壌を、畦の頂部または側部及びその両面に塗り付ける整畦体を設けた畦塗り装置において、前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に種子または植物のランナーを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面及びその両面の表面に種子または植物のランナーを塗りこめることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に係わる畦塗り方法は、請求項1記載の畦塗り方法において、前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤、または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面及びその両面の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを塗りこめることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に係わる畦塗り方法は、請求項1または請求項2記載の畦塗り方法において、前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に供給し、畦上面または畦法面及びその両面に塗りこまれる種子はハーブ類、芝類(センチピードグラス、ティフ・ブレア)、ダイカンドラ、セダム、植物のランナーはヒメイワダレソウ、セダムであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係わる畦塗り装置は、元畦の一部または圃場を、複数の耕耘爪によって、元畦の頂部及び側部を耕耘して畦際の土壌を元畦側に盛り上げる前処理体と、前処理体の後方に位置して前処理体によって耕耘された土壌を、畦の頂部または側部及びその両面に塗り付ける整畦体を設けた畦塗り装置において、前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に種子または植物のランナーを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面又はその両面の表面に種子または植物のランナーを塗りこめることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係わる畦塗り装置は、請求項4記載の畦塗り装置において、前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤、または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを供給し、整畦体によって整形された畦上面または畦法面及びその両面の表面に、種子と肥料、種子と薬剤、種子と肥料と薬剤または植物のランナーと肥料、植物のランナーと薬剤、植物のランナーと肥料と薬剤、のいずれかを塗りこめることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6に係わる畦塗り装置は、請求項4または請求項5記載の畦塗り装置において、前処理体と整畦体との間の盛り上げた土壌の表面に供給し、畦上面または畦法面及びその両面に塗りこまれる種子はハーブ類、芝類(センチピードグラス、ティフ・ブレア)、ダイカンドラ、セダム、植物のランナーはヒメイワダレソウ、セダムであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係わる畦塗り方法およびその装置によれば、耕耘爪を有する前処理体の回転によって元畦とその付近の土壌を元畦の頂部方向に盛り上げ、前処理体の後方に位置して耕耘され盛り上げられた土壌を畦として形成する整畦体との間に、種子又は植物のランナーを供給して、盛り上げられた土壌と共に整畦体によって整形される畦上面若しくは畦法面の表面に種子又は植物のランナーを塗りこめるので、供給した種子や植物のランナーが風や鳥類によって除去されることなく、時間の経過と共に種子又はランナーから植物が生長して、畦に供給した種子や植物のランナー以外の植物の生育を抑えるので雑草の侵入を防ぐことが可能となる。
【0018】
さらに、畦に供給する種子又は植物のランナーは、ローメンテナンス草類と呼ばれる種類で例えば、センチピードグラス、ティフ・ブレア、ダイカンドラ、セダム、ヒメイワダレソウであるので、土中深くまで高密度で根群が発達するために法面保護硬化に優れると共に、畦の景観を良好にし、次年度以降の畦塗り作業を省略し、畦の管理作業を省力化することが可能となる。
【0019】
また、畦に供給する種子又は植物のランナーをハーブ類にした場合、ハーブ類の成長に伴って防虫効果を有するようになり、稲の害虫となる虫の発生又は飛来を防ぐことが可能である。特にカメムシ類はイネ科の雑草に卵を産みつけ越冬するため、畦にローメンテナンス草類やハーブ類の植物を繁殖させてイネ科雑草を除去することによって、稲をカメムシの被害から免れる効果を有するものである。
【0020】
請求項2および請求項5に記載の、種子又は植物のランナーと肥料、薬剤を同時に整形する畦に供給することが出来るので、供給した種子又は植物のランナーをより早くそして強く畦に生育させることが可能となって、さらに畦の法面保護硬化と雑草の予防を行う効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は畦塗り装置の第一の実施を示す背面図である。図2は図1の畦塗り機の第一の実施を示す平面図である。図3は畦塗り装置の第二の実施の形態を示す平面図である。図4は図3の実施の形態の側面略図。図5は畦塗り装置の第三の実施の形態を示す背面図。図6は図5の実施の形態の平面図である。
【0022】
それぞれの図に示す畦塗り装置1は、畦際や元畦23の側面を耕耘して元畦23の頂部と側面に土壌を供給する前処理体2、6と、耕耘した土壌の表面に種子、肥料、薬剤を供給する供給部3と、耕耘した土壌を整形しながら畦表面に種子、肥料、薬剤を塗りこめる整畦体4と、それぞれの各部を結合し、トラクタ8からの動力をそれぞれの回転体に伝達するフレーム部5からなる。
【0023】
図1、図2、図5および図6における前処理体2は進行方向に対して略直角に耕耘爪7が、そして図3および図4に示す前処理体6は進行方向に対して平行に耕耘爪7が回転する構成となっているが、どちらの前処理体であっても畦を形成する部位に土壌を寄せ集める効果が同一であるためどちらの方式であってもよい。但し図3、図4に示す前処理体6には元畦23の頂部を耕耘する補助ロータリ9を備えて、より元畦23の頂部を崩して再整形できる効果がある。
【0024】
図1および図2に示す畦塗り装置1は、トラクタ8のPTO(動力取り出し部分)付近のロワリンク10によってフレーム部5がトラクタ8に固定されると共に、トラクタのPTOから動力を得ている。
【0025】
フレーム部5は、機枠13とヒッチアーム12がロアピン11によってトラクタ8に連結され、入力軸15とケース14によって、機枠13内の主回転軸16にトラクタ8の動力を伝達するものである。
【0026】
図1、2、5、6において、入力軸15の途中から伝動ケースA17によって動力が前処理体2に供給されている。7の耕耘爪は複数耕耘軸A19に設けられ、元畦23の側面とその付近の圃場の一部を耕耘しながら整形する畦の付近に掻き揚げるようになっている。
【0027】
主回転軸16の動力を伝動ケースB20に伝達し、畦塗り軸21と共に複数のディスク板22と円錐ドラム32からなる整畦体4を回転させ、前処理体2で掻き揚げた土壌を固く塗着させ畦上面24と畦法面25を形成する。
【0028】
図3、4に示す畦塗り装置1は、進行方向に対して耕耘爪7を平行に回転させるため、主回転軸16からの動力を伝動ケースC26によって耕耘軸C27を回転させ、耕耘軸Cに複数備えられた耕耘爪7の回転によって、土壌を整形する畦の方向に集めるものである。さらに、耕耘軸C27から伝動ケースD28に動力を伝達して、耕耘軸D29を回転させ、補助ロータリ9の耕耘爪7によって元畦23の頂部の土を攪拌し、雑草の除去や高すぎる畦を壊し、整畦体4によって新たなしかも高さの整った畦を整形できるものである。
【0029】
それぞれの図の30は上下調節装置であって、機枠13の一部に取り付けられて、畦塗り装置1全体が左右に蛇行して進行して進まないように、圃場の一部にくい込みながら進行方向に回転するホイールゲージ31を下端に備えている。このホイールゲージ31を上下方向に調節することで、整畦体4の高さ及び前処理体2、6の高さを調節し、整形する畦の高さを決定するものである。
【実施例1】
【0030】
図1、2に示す畦塗り装置1は前処理体2と整畦体4の中間部に定量の種子や植物のランナー36を、前処理体2で耕耘した土壌表面に供給する供給部3を備えている。供給部3は、畦塗り装置1の一部から支持部材44によって固定され、種子又は植物のランナー36を蓄えるホッパー33と、それを定量的に供給する繰出し部34と、繰出されたものを整畦体4のディスク板22と円錐ドラム32の直前に導くためのホース35が備えられている。ホッパー33の底部には、繰出し部34の繰出しバルブとそれを回転させるモータ37が備えられ、その繰出しバルブから繰出された種子、植物のランナー36をホース35によって整畦体4のディスク板22と円錐ドラム32の進行方向の直前に落下するように導かれていている。このホース35は円錐ドラム32で整形される畦上面24の方向のみ、又はディスク板22で整形される畦法面25方向のみ、または畦上面24と畦法面25となる両方向の何れかに導かれている。図では繰出し部34の動力源としてモータ37を記載しているが、畦塗り装置1のいずれかの回転部から動力を抽出し、伝達したものであってもよい。
【0031】
ホッパー33からディスク板22又は円錐ドラム32の直前に供給された種子又は植物のランナー36は、前処理体2のそれぞれの耕耘爪7の回転によって掻き揚げられた土壌と共に、整畦体4のディスク板22または円錐ドラム32の回転によって、固く整形される畦の表面に塗りこまれる。
【0032】
表層の種子又は植物のランナー36は、畦上面24、畦法面25の表層に固く塗りこまれているので、強風による飛散、鳥類による掘り出しの心配も無くまた、表層であるため種子が発芽しやすく、土が固く締められているので、土の水分の蒸発が少なく保水性に優れるため、種子又は植物のランナーの定着の可能性が高く、植物が生長しやすい環境となっている。
【0033】
さらに、元畦23表面に発生していた雑草や雑草の種子は、前処理体2によって攪拌させるので土中深く練りこまれる可能性が高いため、発芽率が低下し必要としない植物の繁殖を抑えることが可能となる。
【実施例2】
【0034】
図3、4に示す畦塗り装置1は、実施例1の供給部3の構成に複数の供給装置を設置して、一つを種子又は植物のランナー36として、一つを植物の育成を促進させるための粉粒状肥料、さらに一つを目的以外の植物の成長を抑制させるための粉粒状薬剤(選択性除草剤)や、目的とする植物の成長を阻害する病虫害を抑制するための粉粒状薬剤(殺虫、殺菌剤)を供給できるように構成したものである。図3、4では供給装置3を二つとして前方のホッパー33に種子又は植物のランナー36を、後方のホッパー33に粉粒状肥料38を設けて、整畦体4のディスク板22又は円錐ドラム32の直前に供給する状態を示したものであるが、粉粒状肥料38に変えて粉粒状薬剤39であってもよい。
【0035】
種子又は植物のランナー36と同時に粉粒状肥料38を整畦体4によって畦の表面に塗りこむことによって、種子又は植物のランナー36の成長を促すので、目的としない植物(雑草)との成長差をつけることで、雑草の繁殖力を低下を促すものである。また、粉粒状の選択性の除草剤を散布することで、さらに不必要な雑草の初期繁殖を抑制することが可能となる。
【実施例3】
【0036】
図5、6に示す畦塗り装置1には、実施例1の供給部3に液体噴射装置40を備えた構成を示したものである。液体噴射装置40には、液剤を貯留するタンク41と噴射口42と液体を加圧する加圧装置43を備え、畦塗り装置1の一部から支持部材44によって固定されたものである。加圧装置43の動力はモータや、畦塗り装置の一部の回転軸から動力を伝達したものであってもよい。
【0037】
図5、6の供給部3には、種子又は植物のランナー36を供えるホッパー33と、液体噴射装置40を隣接して備え、ホッパー33とホース35から整畦体4のディスク板22又は円錐ドラム32の直前に供給された種子又は植物のランナー36を供給すると共に、液体噴射装置40の噴射口42からディスク板22又は円錐ドラム32の直前、若しくは直接ディスク板22と円錐ドラム32に液剤が噴霧するように構成されている。この液剤は肥料を溶かした液肥であったり、殺菌殺虫液剤又は選択性の液体除草剤であって、種子又は植物のランナー36と共に畦上面、畦法面の表面に塗りこまれていくものである。
【0038】
この液体の薬剤の散布も実施例2の粉粒状の肥料及び薬剤を供給するのと同様に、肥料液剤を散布することで、播種した種子又は植物のランナー36の成長を促進して、目的とする植物の繁殖を早く、そして不必要な雑草の成長を抑制するので雑草の繁殖を抑えることが出来る。また、液体の選択性除草剤を噴霧することによって、さらに不必要な雑草の初期繁殖を抑えることを可能とする。
【0039】
供給装置3から整形する畦の表面に塗りこむ植物の種子は、ハーブ類では特に「アップルミント」、「ペパーミント」、「スペアミント」、「ペニロイヤルミント」が良く、これらのミントはカメムシを寄せ付けず、着色米が発生する害を防ぐ効果があり、ローメンテナンス草類のうち芝では「センチピードグラス」の品種名「ティフ・ブレア」が良好で、耐寒性、耐暑性に優れかつ肥料要求量が少なく、草丈も20cmくらいで繁殖性に優れ水中での生育が不可能であるため、水田内に繁殖しない特性がある。またヒルガオ科アオイゴケ属の地被植物で「ダイカンドラ」も低く刈り込むことができ、また耐陰性に強く水田畦畔の緑化植物として有用とされている。
【0040】
さらに、植物のランナーを整形する畦の表面に塗りこむ品種として特に「ヒメイワダレソウ」が良好である。ベンケイソウ科の「セダム」であってもランナーでの繁殖も可能であるが、繁殖力と強い生命力を考慮すると「ヒメイワダレソウ」がもっとも良好である。
【0041】
以上のような植物の種子又はランナーを畦の表面に塗りこむことで、畦に繁殖させたい植物を優先的に成長させ、畦全体に繁殖させて土中深くまで高密度で根群が発達させることで畦の崩壊を防止し、さらに上記の植物の畦への繁殖によって、通常畦に自然に繁殖するイネ科雑草、例えば「イヌビエ」「エノコログサ」「メヒシバ」「アキメヒシバ」「ムラサキエノコロ」「カモガヤ」「スズメノヒエ」等の育成を防止して害虫のイネ科雑草への卵の産み付けを阻害するので、特にカメムシの越冬が出来なくなる効果が期待でき、圃場で生産される米の品質の向上を可能とするとともに、畦畔に目的とする植物で覆うことによって、植物の根の繁殖によって畦畔の形状を保持し、水田の漏水を防止して毎年の畦の整形作業の省力化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】畦塗り装置の第一の実施を示す背面図である。
【図2】図1の畦塗り機の第一の実施を示す平面図である。
【図3】畦塗り装置の第二の実施の形態を示す平面図である。
【図4】図3の実施の形態の側面略図である。
【図5】畦塗り装置の第三の実施の形態を示す背面図である。
【図6】図5の実施の形態の平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 畦塗り装置
2 前処理体
3 供給部
4 整畦体
5 フレーム部
6 前処理体
7 耕耘爪
8 トラクタ
9 補助ロータリ
10 ロワリンク
11 ロアピン
12 ヒッチアーム
13 機枠
14 ケース
15 入力軸
16 主回転軸
17 伝動ケースA
18 ロータリカバー
19 耕耘軸A
20 伝動ケースB
21 畦塗り軸
22 ディスク板
23 元畦
24 畦上面
25 畦法面
26 伝動ケースC
27 耕耘軸C
28 伝動ケースD
29 耕耘軸D
30 上下調節装置
31 ホイールゲージ
32 円錐ドラム
33 ホッパー
34 繰出し部
35 ホース
36 種子又は植物のランナー
37 モータ
38 粉粒状肥料
39 粉粒状薬剤
40 液体噴射装置
41 タンク
42 噴射口
43 加圧装置
44 支持部材

【出願人】 【識別番号】000001465
【氏名又は名称】金子農機株式会社
【出願日】 平成17年12月16日(2005.12.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−159530(P2007−159530A)
【公開日】 平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願番号】 特願2005−363335(P2005−363335)