| 【発明の名称】 |
作業車の作業機姿勢制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】太田 真史
【氏名】小松 今朝平
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| 【要約】 |
【課題】従来に比べて応答性の早い傾斜センサを用いても安定した対地角度の検出を可能にすることにより、精度の高い農用作業車の作業機姿勢制御装置であるローリング制御装置を提供する。
【解決手段】農用作業車の左右の傾斜を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段の検出値に基づいて、前記農用作業車と対地作業機との相対角度を制御する制御手段と、を具備する農用作業車において、前記傾斜検出手段を、農用作業車の機体上に緩衝支持手段を介して配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農用作業車の左右の傾斜を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段の検出値に基づいて、前記農用作業車と対地作業機との相対角度を制御する制御手段と、を具備する農用作業車において、 前記傾斜検出手段を、農用作業車の機体上に緩衝支持手段を介して配置したことを特徴とする農用作業車の作業機姿勢制御装置。 【請求項2】 前記農用作業車が、左右の角速度を検出する角速度検出手段を具備し、 該角速度検出手段及び前記傾斜検出手段に、前記緩衝支持手段を共用して配置したことを特徴とする請求項1に記載の農用作業車の作業機姿勢制御装置。 【請求項3】 前記緩衝支持手段を、前記農用作業車本体の左右中央部を中心にして対称な2本の柱状に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の農用作業車の作業機姿勢制御装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば、ロータリ耕耘装置等の対地作業装置を装着したトラクタ等の農用作業車のローリング制御に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、農用作業車の一例として、その後部に圃場を耕耘するためのロータリ耕耘装置等の対地作業装置が連結可能なトラクタは広く周知となっている。このようなトラクタにおいては、その本体のローリング方向(本体の進行方向に向かって左右方向の回転)の対地角度(すなわち左右傾斜角度)を検出すると共に、トラクタとロータリ耕耘装置との相対角度を検出することによって、トラクタ(本体)が傾いた時に、連結されるロータリ耕耘装置の傾きが設定された対地角度と比較して、油圧シリンダ等のアクチュエータを作動させて、ロータリ耕耘装置の傾きが設定角度に維持されるようにして、圃場を均一に耕耘するものであった。 このようなトラクタの一例として、ローリング方向の角速度を検出し、上記のアクチュエータの作動速度を変化させる技術は特許文献1及び特許文献2に記載の如く公知となっている。 【特許文献1】特許第3189164号公報 【特許文献2】特許第3189165号公報 【特許文献3】特開平9−196669号公報 【特許文献4】実用新案登録第2550538号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、トラクタの傾き具合等の状態を検出するための主な手段としては、傾斜センサ等が用いられる場合が多い。 しかしながら、比較的安価な傾斜センサを用いた場合は、そのセンサの特性のために制御にかかる応答遅れが発生し、制御精度が向上しないなどの問題がある。 これは重力加速度の方向を検知する傾斜センサの特性上、応答の早いものを作ろうとすれば重力以外の加速度に過敏に反応し、特に作業車両に搭載した場合にはエンジン回転や走行時の振動などによって検出信号が安定しないものになる。また、加速度の検出体がある周波数振動で共振するような場合は、出力が安定しないのみならず発振してしまう場合もありえる。よって、一般には特許文献4などのように、車体振動の少ないと想定される場所を選び、車体振動が増幅しない剛体部にセンサ本体を固定する。 このような事情から、傾斜角の検出すなわち重力加速度の検出を行う検出体には、その検知が緩やかに行われるべく特許文献3の如く機械的な緩衝材料が置かれるか(例えば検出体の周囲にダンパオイルを充填するなど)、電気的なローパスフィルタを強くする(帯域を狭くする)などの措置が講じられる。これらの措置によって傾斜センサは振動などに過敏に反応しないようになるが、その反面、応答性が遅くなるという問題があった。 そのため、上記事情を改善するためには高価な高性能の傾斜センサを用いる必要があり、トラクタの製造コストが上昇する等の問題が発生する。また、このような問題を解決する手法としては前記特許文献1及び特許文献2に開示されているように、アクチュエータの動作速度を角速度センサの検出値によって補正し、システムの応答を改善するものがある。 しかしながら、角速度センサによる補正はシステムの応答遅れを補うことに効果があるものの、正確な対地角度の検知を行うものではなく、最終的には傾斜センサによる対地角度の正確な検出が必要となる。 そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来に比べて応答性の早い傾斜センサを用いても安定した対地角度の検出を可能にすることにより、精度の高い農用作業車の作業機姿勢制御装置であるローリング制御装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0005】 即ち、請求項1においては、農用作業車の左右の傾斜を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段の検出値に基づいて、前記農用作業車と対地作業機との相対角度を制御する制御手段と、を具備する農用作業車において、前記傾斜検出手段を、農用作業車の機体上に緩衝支持手段を介して配置したものである。 【0006】 請求項2においては、前記農用作業車が、左右の角速度を検出する角速度検出手段を具備し、該角速度検出手段及び前記傾斜検出手段に、前記緩衝支持手段を共用して配置したものである。 【0007】 請求項3においては、前記緩衝支持手段を、前記農用作業車本体の左右中央部を中心にして対称な2本の柱状に配置したものである。 【発明の効果】 【0008】 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。 【0009】 請求項1に示す構成により、従来ではエンジン回転や走行時等の振動の影響で信号波形が乱れるような応答性の高い傾斜センサを用いてもローリング制御を行うことが可能となり、ローリング制御の応答性が向上する。また、各種センサ検出に対する振動による影響を排除することができるため、検出精度が向上することとなり、結果的にローリング制御の安定性が向上する。 【0010】 請求項2に示す構成により、傾斜検出手段である傾斜センサの信号波形に対する振動の影響排除と同時に、角速度検出手段である角速度センサの衝撃保護も可能となる。また同一の構造を用いることによって配置空間を小型化できる。また、集中配置によってセンサに接続される電線の経路が統一され、組付け性が向上する。更に部品の共用化によって結果的に経済的である。 【0011】 請求項3に示す構成により、農業作業車本体の中央に緩衝支持手段である防振マウントを左右対称に配置することによって、左右で発生する振動が偏って傾斜センサや角速度センサ等に伝わることが無く、ローリング制御における傾斜角の検出精度が向上し、制御精度が向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。 図1は本発明の実施の形態に係るトラクタ1の側面図、図2はトラクタ1の制御系に関するブロック図、図3はトラクタ1における油圧回路図、図4はトラクタ1のミッションケースまたはシリンダケース上に配置された傾斜センサ16及び角速度センサ19の取付け部の平面図、図5は従来取付け構造の傾斜センサの一部断面正面図、図6は防振マウントを介して取り付けた構造の傾斜センサ正面図、図7は従来取付け構造で傾斜センサに振動の影響が出た場合の信号波形図、図8は傾斜センサに防振マウントを用いた場合の信号波形図、図9は角速度センサに防振マウントを用いた場合の正面図、図10は角速度センサと傾斜センサに同一の防振マウントを用いた場合の一例である一部断面正面図、図11は角速度センサと傾斜センサに同一の防振マウントを用いた場合の平面図である。 【0013】 先ず、図1(外観図)、図2(ブロック図)、及び図3(油圧回路図)を用いて本発明の農用作業車の一例であるトラクタの概略構成について説明する。 1はトラクタで、機体の前後部に夫々前輪2・2と後輪3・3とを備え、ミッションケース4の後上部には油圧シリンダケース5を固着して設けている。 該油圧シリンダケース5内には、単動式油圧シリンダ6が設けられており、油圧シリンダケース5の左右両側には該油圧シリンダ6の伸縮により回動するリフトアーム7・7を配置している。 【0014】 また、トップリンク10、ロワーリンク11・11等からなる3点リンク機構12の後端部には、対地作業機の一例であるロータリ耕耘装置14がリフトアーム7・7にて昇降可能に連結されている。 したがって、上記単動式油圧シリンダ6を伸縮させることによって、リフトアーム7・7に連結されるロータリ耕耘装置14が上昇又は下降制御されることになる。 リフトアーム7・7とロワーリンク11・11との間にはリフトロッド15と傾倒シリンダ18が介装されている。 【0015】 また、傾倒シリンダ18は複動式とし、後述する制御弁の切換で伸縮され、ロータリ耕耘装置14をローリング方向(左右方向)に傾動させることが可能となり、ロータリ耕耘装置14の水平(姿勢)制御を行うことが可能となる。 また、17は本機と作業機の間の左右相対角を検出する手段であり、トラクタ1とロータリ耕耘装置14との間の相対的回動量を検出するストロークセンサで構成して、具体的には直線式のポテンショメータで構成されている。 このストロークセンサ17は、上記傾倒シリンダ18の横側部に配設され、該傾倒シリンダ18の伸縮量を検出することによって、上記相対的回動量を検出するものである。 16は、油圧シリンダケース5の左右中央部に取り付けられた傾斜検出手段となる傾斜センサであって、トラクタ1の左右の傾斜角度(即ち対地角度)を検出する対地角検出手段の一例であり、A/D変換器55を介して、傾斜センサの検出値に基づいて、トラクタ1と対地作業機の一例であるロータリ耕耘装置14との相対角度を制御する制御手段となる制御装置60と接続されている。 19は、ミッションケース4の左右中央部に取り付けられた左右の角速度検出手段となる角速度センサであって、トラクタ1の左右の傾斜角度の変化速度を計測する。 【0016】 <ロータリ耕耘装置14の位置決めに関するもの> 20はポジション制御用の油圧操作レバーであって、この油圧操作レバー20の回動基部には、トラクタ1の後部に連結されているロータリ耕耘装置14の対地高さを設定した角度を検出するためのポテンショメータからなる対地高さ設定器21(図2参照)が取り付けられている。 一方、片側リフトアーム7の回動基部にもポテンショメータからなる対地高さセンサ23(図2参照)が設けられ、油圧操作レバー20にて設定された位置にリフトアーム7・7が回動してその設定位置に停止するように構成している。該対地高さセンサ23は回転型のポテンショメータやロータリエンコーダ等の回転センサにより、リフトアーム7の回動角度を検知することにより、ロータリ耕耘装置(作業機)14の高さを検出するようにしている。但し、ロータリ耕耘装置14に超音波センサ等の高さ検出手段を配置して直接高さを検知する構成とすることも可能である。 【0017】 <ロータリ耕耘装置14に関して> ロータリ耕耘装置14について簡単に説明すると、ロータリ耕耘装置14は、耕耘爪を回動して耕耘する耕耘部34と、耕耘部34の上方を覆う耕耘カバー35と、耕耘カバー35の後部にリヤカバー36を枢支し、該リヤカバー36の回動基部に、リヤカバー36の角度を検出する耕深センサ37が設けられている。該耕深センサ37はリヤカバー36の角度を検出しても、ハンガーロッドの伸縮長さを検知する構成であっても良い。 【0018】 次に油圧回路について図3を用いて説明する。 <ロータリ耕耘装置14の左右の傾動に関する油圧系統> 油圧ポンプ25から送り出された作動圧油は、分流弁26により一部は上述した水平制御用の傾倒シリンダ18側に送られ、他はトラクタ1の後部に連結可能な作業機(例えば、上述したロータリ耕耘装置14)を昇降するためのリフトアーム7・7に連結される単動式油圧シリンダ6側に送られる。 ロータリ耕耘装置14の水平制御用の切換弁27は、3位置4ポート式の弁にて構成され、左側のソレノイド27aが励磁されると傾倒シリンダ18は伸長し、逆に右側のソレノイド27bが励磁されると短縮する。 前記切換弁27は、制御装置60(図2参照)からパルス信号を受信した場合に、ソレノイド27a又はソレノイド27bにパルス信号を流すことによって、制御される比例式電磁弁であって、電流値に比例するものである。 また、上記切換弁27は常態においては中立位置を保っており、傾斜センサ16によってトラクタ1の傾斜が検出された場合に、制御装置60は、ロータリ耕耘装置14を設定角度に維持すべく、上記何れかのソレノイド(27a・27b)を励磁することによって切換弁27を切り替える。 【0019】 <リフトアーム7の上昇、下降に関する油圧系統> 40はメインの油圧昇降回路の一部を構成する油路、42は上昇用比例制御弁、45は下降用比例制御弁である。 上昇用比例制御弁42は、パイロット圧を制御する第1制御弁47と、流量を制御する第2制御弁48とからなり、第1制御弁47のソレノイドに流す電流値をコントロールすることによって第2制御弁48に掛かるパイロット圧が変わり、上記単動式油圧シリンダ6に至る作動油の量がコントロールされる。 同様に、下降用比例制御弁45も、パイロット圧をコントロールする第1制御弁49と、流量制御する第2制御弁50とからなり、第1制御弁49のソレノイドに通電する電流値を変えることによって、第2制御弁50に掛かるパイロット圧が変わり、単動式油圧シリンダ6から作動油タンクに排出される作動油の量が制御される。 これらの上昇用、下降用の比例制御弁42・45は水平制御用の切換弁27と同様、1パルス当たりのON時間を変えて電流値をコントロールする(デューティ制御)ものである。 また、上記切換弁27、上記上昇用比例制御弁42、及び上記下降用比例制御弁45は、制御装置60より送出されるPWM(Pulse Width Modulation)信号によって、切り替えられる構成であっても良い。 このようにPWM信号によって切り替えられる構成であるので、例えば、対地高さ設定器21による設定値と対地高さセンサ23の検出値との間に偏差が生じた場合に、制御装置60は、該偏差が小さい場合には1パルス当たりのON時間(オンタイム)を短くしてPWM信号を送出し、他方、該偏差が大きい場合には1パルス当たりのON時間を長くしてPWM信号を送出するように構成しても良い。 【0020】 制御系の構成としては、トラクタ1においてロータリ耕耘装置14の相対角度のローリング制御等を行うための制御手段の一例である制御装置60には、図2に示すように、トラクタ1の左右の傾斜角度の変化速度を計測する角速度センサ19を具備している。 その他、制御装置60には、トラクタ1の後部に取り付けられるロータリ耕耘装置14等の対地作業装置の取り付け幅等の連結状態に応じて切り替えを設定するための設定手段の一例である取付切替スイッチ59、シフト位置を検出するシフト位置センサ56、エンジン回転数センサ57、及びトラクタ1の車速を検出するための車速検出手段の一例である車速センサ70等が接続されている。(以下、「スイッチ」を「SW」と表記する) 更に、ロータリ耕耘装置14の耕耘深さを設定するための耕深設定器51、トラクタ1とロータリ耕耘装置14との相対角度やトラクタ1の傾斜角度を予め設定するための傾斜設定器52も接続されている。 また、上記取付切替SW59や傾斜設定器52は、トラクタ1の運転席近傍のダッシュボードやメータパネルに設けられても良い。 【0021】 また、制御装置60の入力側にはA/D変換器55が設けられており、該A/D変換器55を介して、取付切替SW59、シフト位置センサ56、傾斜設定器52、耕深設定器51、対地高さ設定器21、対地高さセンサ23、耕深センサ37、ストロークセンサ17、傾斜センサ16、角速度センサ19等が制御装置60に接続されている。 また、上記A/D変換器55を介さずに該制御装置60に接続されるものとしては、エンジン回転数センサ57、モードSW61、車速センサ70等がある。 また、上記制御装置60は、MPUやCPU等の中央演算装置より成るものであっても良い。 【0022】 また、制御装置60の出力側には、リフトアーム7・7を昇降回動させる上昇用比例制御弁42と下降用比例制御弁45、及び水平制御用の傾倒シリンダ18を伸長させるソレノイド27aと短縮させるソレノイド27bが接続されている。 以上が本発明の農用作業車の一例であるトラクタの概略構成についての説明である。 【0023】 次に、図4、図5及び図6を用いて上述のように構成されたトラクタ1において本発明に係る傾斜検出手段に、緩衝支持手段を介して配置した一例について説明をする。 図4はトラクタ1のミッションケースまたはシリンダケース上に配置された傾斜センサ16及び角速度センサ19の取付け部の平面図、図5は従来取付け構造の傾斜センサの一部断面正面図、図6は防振マウントを介して取り付けた構造の傾斜センサ正面図である。 図4に示す如く、シリンダケース5の左右中央上面部(後部)にトラクタ1の左右の傾斜を検出する傾斜検出手段である傾斜センサ16を配置し、ミッションケース4の左右中央上面部(前部)に左右の角速度を検出する角速度検出手段である角速度センサ19を配置する。傾斜センサ16と角速度センサ19は、A/D変換器55を介して、制御手段となる制御装置60と接続されている。 【0024】 従来、傾斜センサ16は図5に示す如く、シリンダケース5(またはミッションケース4)上面の任意位置にネジ孔を設けて取付ボルト等により直接取り付けられていたが、本発明では図6に示すように緩衝支持手段となる円柱状または板状の防振部材となる防振ゴム91を傾斜センサ16の下部とシリンダケース5の上面部の間に介装して取り付け、検知対象外である高周波の振動がセンサに直接伝わらないように配慮し、応答性の高い(例えばステップ応答特性の短い)センサを搭載している。 即ち、傾斜検出手段の一例である傾斜センサ16のケースに設けるボルト孔または取付ボスの下部毎に円筒状に形成した緩衝支持手段の一つである防振ゴム91を配置して取り付けている。また、左右の振動が偏ってセンサに伝わることが無いように、トラクタ1本体左右中央部を中心にして対称に2本の防振マウントとなる柱状の防振ゴム91を配置している。なお、本実施例ではボルトによって固定しているが、接着剤等により直接固定する構成であってもよく、限定するものではない。また、防振マウントの数も限定するものではなく左右対称に配置するものであればよい。 【0025】 図7は図5に示すような防振マウントである防振ゴム91を介さず直接ミッションケース4の上面部に配置された傾斜センサ16の出力信号波形図である。これは実際に農用作業車両に搭載されるものよりもステップ応答特性が高いものを用いたものである。このデータにおいては、車体は走行状態ではなく、車両本体にローリング方向の姿勢変化は無いが、エンジン振動のある条件で計測されている。よって、振動の影響で出力波形が波打ち、正確な姿勢の検知が不可能な状態にある。 図8においては図6に示すように防振マウントである防振ゴム91を介して取り付けられた傾斜センサ16を図7と同様の条件で計測した出力信号波形図である。図7と図8の出力信号波形図を比較して明らかなように、防振ゴム91を使用した方はエンジン振動による出力波形の乱れは最小限であり、ローリング制御に必要な精度を確保することができる。 更に、傾斜センサ16が防振ゴム91を介して、トラクタ1本体の左右中央部に左右対称に配置されることによって、振動の伝播が等しい状態で取付けられる。これによって防振ゴム91が完全に減衰しきれなかった振動の影響が左右偏って傾斜センサ16に伝わることがなく、振動が検出信号に与える影響を最小のものとすることができる。 即ち、以上の構成により、従来ではエンジン回転や走行時等の振動の影響で信号波形が乱れるような応答性の高い傾斜センサを用いてもローリング制御を行うことが可能となり、ローリング制御の応答性が向上する。また、各種センサ検出に対する振動による影響を排除することができるため、検出精度が向上することとなり、結果的にローリング制御の安定性が向上する。また、トラクタ1本体の中央に緩衝支持手段である防振マウントを左右対称に配置することによって、左右で発生する振動が偏って傾斜センサや角速度センサ等に伝わることが無く、ローリング制御における傾斜角の検出精度が向上し、制御精度が向上する。 つまり、従来に比べて応答性の早い傾斜センサ16を用いても安定した対地角度の検出ができるようになったことにより、作業機姿勢制御装置の一例であるローリング制御装置の精度を高めることが可能となったのである。 尚、本実施例では、防振ゴム91の形状を円柱状にしているが、形状はこれに限るものではなくセンサ取付部の形状に応じて適宜変更しても構わない。また、防振ゴムに使用する部材としては本実施例では、天然ゴムを使用しているが、これに限るものではなく使用環境や防振性能の要求に応じて合成ゴム等を使用するなど適宜部材を変更しても構わない。 また、本実施例では、防振マウントにおける緩衝材料として防振ゴムを使用したが、ゴム以外の弾性体で同等の防振性能を有するものを替わりに用いることも可能である。 【0026】 次に、図9、図10及び図11を用いて、トラクタ1の基本構成は第一実施例と同様であるが、緩衝支持手段の配置等が第一実施例とは異なる構成とした本発明の第二実施例について説明をする。 図9、図10に示す如く第一実施例では、傾斜センサ16等の検出手段に防振マウントを介して直接シリンダケース5またはミッションケース4等の設置面に取り付けた構成としたが、第二実施例では、設置面と防振マウントである防振ゴム92との間に取付金具94を介して構成したものであり、図9においては単一の傾斜センサ16又は角速度センサ19で構成したものであり、図10においては傾斜検出手段である傾斜センサ16と角速度検出手段である角速度センサ19に、緩衝支持手段である防振ゴム92を共用して配置したものである。 尚、図9は角速度センサに防振マウントを用いた場合の正面図、図10は角速度センサと傾斜センサに同一の防振マウントを用いた場合の一例である一部断面正面図、図11は角速度センサと傾斜センサに同一の防振マウントを用いた場合の平面図である。 【0027】 図9においては図4における角速度センサ19を車体前方から見た図である。一般に安価な角速度センサでは検出体が振動・衝撃に対して壊れやすいもののため防振構造を介して取り付けられるのが一般的である。ここでは、角速度センサ19の下部に防振ゴム92を介してマウントされており、取付金具94を介して設置面に取り付けている。該取付金具94は正面視略逆Ω状に構成して、左右中央をシリンダケース5またはミッションケース4の上面に溶接またはボルト等により固設し、左右両側に防振ゴム92を介して傾斜センサ16と角速度センサ19を一体的に取り付けている。 【0028】 また、図10に示すように傾斜センサ16の下部にカラー93を介して傾斜センサ16と角速度センサ19を2段に配置し防振ゴム92にてマウントする。これにより傾斜センサ16と角速度センサ19を同一の防振構造で支えるため、角速度センサ19自体の保護と、振動による傾斜センサ信号の乱れを防止する効果を両立する構造にできる。 尚、傾斜センサ16と角速度センサ19を同一の防振構造で支える例としては、上記の形態に限定されるものではなく傾斜センサ16と角速度センサ19を同一の部品内部に収めても良い(例えば角速度センサ19の内部に傾斜検出体も内蔵する複合センサを用いる)。また、傾斜センサ16と角速度センサ19は上下方向に重なるように配置する構成に限定するものではなく、前後に並設する構成であってもよい。これらの例の場合、図11のようにミッションケース4の左右中央上面部の一ヶ所に傾斜センサ16と角速度センサ19を集中配置することができる。 即ち、以上の構成により傾斜検出手段である傾斜センサの信号波形に対する振動の影響排除と同時に、角速度検出手段である角速度センサの衝撃保護も可能となる。また同一の防振マウント構造を用いることによって配置空間を小型化できる。また、集中配置によってセンサに接続される電線の経路が統一され、組付け性が向上する。具体的には、制御装置60と傾斜センサ16及び角速度センサ19の接続に用いるワイヤハーネスも同一の経路を設定できるため組み立てが容易化できる。更に、一つの防振マウント構造を共用できることで部品の共用化が可能となり結果的に経済的である。 【0029】 尚、本実施例では、防振ゴム92の形状を円柱状にしているが、形状はこれに限るものではなくセンサ取付部の形状に応じて適宜変更しても構わない。また、防振ゴムに使用する部材としては本実施例では、天然ゴムを使用しているが、これに限るものではなく使用環境や防振性能の要求に応じて合成ゴム等を使用するなど適宜部材を変更しても構わない。 また本実施例では、防振マウントとして防振ゴムを使用したが、ゴム以外の弾性体で同等の防振性能を有するものを替わりに用いることも可能である。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】本発明の実施の形態に係るトラクタ1の側面図。 【図2】トラクタ1の制御系に関するブロック図。 【図3】トラクタ1における油圧回路図。 【図4】トラクタ1のミッションケースまたはシリンダケース上に配置された傾斜センサ16及び角速度センサ19の取付け部の平面図。 【図5】従来取付け構造の傾斜センサの一部断面正面図。 【図6】防振マウントを介して取り付けた構造の傾斜センサ正面図。 【図7】従来取付け構造で傾斜センサに振動の影響が出た場合の信号波形図。 【図8】傾斜センサに防振マウントを用いた場合の信号波形図。 【図9】角速度センサに防振マウントを用いた場合の正面図。 【図10】角速度センサと傾斜センサに同一の防振マウントを用いた場合の一例である一部断面正面図。 【図11】角速度センサと傾斜センサに同一の防振マウントを用いた場合の平面図。 【符号の説明】 【0031】 1 トラクタ 14 ロータリ耕耘装置 16 傾斜センサ 19 角速度センサ 60 制御装置 91 防振ゴム 92 防振ゴム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000198330 【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年12月9日(2005.12.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−159424(P2007−159424A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月28日(2007.6.28) |
| 【出願番号】 |
特願2005−356396(P2005−356396) |
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