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【発明の名称】 耕耘整地作業機
【発明者】 【氏名】岡本 孝志

【要約】 【課題】整地体等に接触することなく、整地体から大きく突出しないで延長整地体を格納する。

【解決手段】耕耘整地作業機1は耕耘ロータ9を覆う上部カバー11の後部に備えた第1の整地体12に上下動可能な第2の整地体20を設け、この左右端部に延長整地体30を折畳み自在に設ける。延長整地体30は、第2の整地体20に設けられた回転中心軸23に回動自在に取り付けた均平板33を有し、第2の整地体20から左右方向外側に延びる整地姿勢Psと第2の整地体20上に折畳まれる格納姿勢Pkとの間を移動可能である。延長整地体30の折畳み線Lは整地体進行方向に対して前側が後側より内側に位置して斜めに延びる。延長整地体30が整地姿勢になると、延長整地体30の接地線Lsは左右方向に対して外側が内側より前方に突出して傾斜し、延長整地体30が格納姿勢になると、延長整地体30は第2の整地体20に沿って重ね合わされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体からの動力を受けて回転動可能に支持された耕耘ロータと、該耕耘ロータの上部を覆う上部カバーと、該上部カバーの後部に上下方向に回動自在に設けられた整地体と、該整地体の幅方向端部に折畳み自在に設けられた延長整地体とを備えた耕耘整地作業機において、
前記延長整地体の折畳み線は、前記整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることを特徴とする耕耘整地作業機。
【請求項2】
走行機体からの動力を受けて回転動可能に支持された耕耘ロータと、該耕耘ロータの上部を覆う上部カバーと、該上部カバーの後部に上下方向に回動自在に設けられた第1の整地体と、該第1の整地体の後部に上下方向に回動自在に設けられた第2の整地体と、該第2の整地体の幅方向端部に折畳み自在に設けられた延長整地体とを備えた耕耘整地作業機において、
前記延長整地体の折畳み線は、前記整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることを特徴とする耕耘整地作業機。
【請求項3】
前記延長整地体は、展開されて整地姿勢になると、圃場の表面に接する前記延長整地体の接地線が前記整地体の幅方向に対して外側が内側より前方に突出して傾斜することを特徴とする請求項1又は2に記載の耕耘整地作業機。
【請求項4】
前記延長整地体は、折畳まれて格納姿勢になると、前記整地体に沿って該整地体上に重ね合わされることを特徴とする請求項2又は3に記載の耕耘整地作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘ロータの後方に圃場を整地する整地体を備えた耕耘整地作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘ロータを備えた耕耘整地作業機には、代かき用の作業機と耕耘・砕土用の作業機があり、耕耘ロータの上部を覆う上部カバーの後方側に整地体を上下方向に回動自在に設けたものが知られている。このような耕耘整地作業機は、耕耘ロータを支持して動力を伝達する伝動ケースを耕耘ロータの幅方向の一方側端部に設けたものがある。この耕耘整地作業機は、進行すると、伝動ケースの下部が圃場表面を削り取って圃場表面に溝を形成するため、圃場の表面全体を均平にすることができないという欠点がある。このため、圃場表面に形成された溝を埋めて均平にする手段が必要である。
【0003】
そこで、整地体の幅方向端部に延長整地体を設けた特許文献1に記載の代かき用の耕耘整地作業機や特許文献2に記載の耕耘・砕土用の耕耘整地作業機が提案されている。特許文献1に記載の代かき用の耕耘整地作業機は、図2(a)(平面図)に示すように、上部カバー51の後部に第1の整地体52を介して第2の整地体(文献では主均平板)53を上下方向に回動自在に取り付け、この第2の整地体53の幅方向端部に延長整地体(文献では補助均平板)54を取り付けて構成されている。この延長整地体54は、第2の整地体53の端部に設けられた回動中心軸(文献では蝶番軸)55を回動支点として上下方向に回動自在であり、第2の整地体53の延長上に展開する整地姿勢Psと第2の整地体53上に重ね合わせるように折畳まれる格納姿勢Pkとの間を移動可能である。
【0004】
また特許文献2に記載の耕耘・砕土用の耕耘整地作業機60は、図2(b)(平面図)に示すように、上部カバー61の後部に整地体62を上下方向に回動自在に取り付け、この整地体62の幅方向端部に延長整地体63を取り付けて構成されている。延長整地体63の取り付け構造は前述した特許文献1に記載のものと同様であり、延長整地体63は回動中心軸64を回動支点として上下方向に回動して、整地姿勢Psと格納姿勢Pkとの間を移動可能である。
【0005】
【特許文献1】実開昭62−91909号公報
【特許文献2】特開平5−207801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の延長整地体54の前側には誘導片(文献では前部立上り面)54aが起立状態に形成され、この誘導片54aは第2の整地体53の幅方向に対して外側が前方に突出するとともに、内側に至るにつれて次第に後方に傾斜するように形成されている。これによって、耕耘ロータの一端側端部を支持して動力を伝達する伝動ケース(文献では伝動機構室)56により削られた土塊や泥土を整地体幅方向内側に寄せながら溝を埋めて、削られた耕土表面を均平にすることができる。しかしながら、回動中心軸55は進行方向に対して略平行に配置されているため、延長整地体54を格納姿勢Pkにしようとすると、延長整地体54の誘導片54aが第1の整地体52等に接触する虞がある。そこで、延長整地体54が第1の整地体52等に接触しないように第1の整地体52の形状を変えると、所望の整地性能を発揮できないという問題が生じる。また、第1の整地体52の形状を変えずに、延長整地体54が第1の整地体52に接触しないように延長整地体54を第2の整地体53に回動自在に取り付けると、延長整地体54が第2の整地体53から外側に大きく突出して移動時に延長整地体54が障害物等に当接する虞が生じるという問題が発生する。
【0007】
一方、特許文献2に記載の延長整地体63の前側部分は進行方向に対して略直交する方向に延びている。このため、伝動ケース65により削られた土塊や泥土のうち整地体幅方向外側にはみ出るものの量が多くなり、伝動ケース65により削られて形成された溝を十分に埋めることができなくなる。そこで、特許文献1に記載の図2(a)に示す延長整地体54のように、延長整地体54の前側が内側方向に傾斜するように延長整地体63を形成すると、伝動ケース65により削られた溝を埋めて圃場表面を均平にすることができるが、回動中心軸64は進行方向に対して略平行に配置されているため、延長整地体63を格納姿勢Pkにしようとすると、延長整地体63の前側が整地体62等に接触する虞が生じる。
【0008】
本発明は、作業時の側方への泥土のはみ出しを少なくできると共に、延長整地体を格納するときには、延長整地体が整地体等に接触することがなく、且つ延長整地体が整地体より外側に大きく突出せずに格納できることが要望されており、このような要望に応える耕耘整地作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の耕耘整地作業機は、走行機体からの動力を受けて回転動可能に支持された耕耘ロータと、該耕耘ロータの上部を覆う上部カバーと、該上部カバーの後部に上下方向に回動自在に設けられた整地体と、該整地体の幅方向端部に折畳み自在に設けられた延長整地体とを備えた耕耘整地作業機において、延長整地体の折畳み線は、整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、延長整地体の折畳み線は整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることにより、作業時にはコンパクトな延長整地体形状でありながら土塊や側方へ逃げようとする泥土を整地体幅方向内側に寄せることができ、整地姿勢にある延長整地体を格納姿勢側に回動すると、延長整地体は折畳み線を回動中心軸として回動して延長整地体の延びる方向を後方側に変えることができる。このため、整地姿勢において外側斜め前方に向いた延長整地体を、後方側へ向きを変えて格納姿勢において整地体に接触しない姿勢にして格納することができる。
【0011】
また本発明の耕耘整地作業機は、走行機体からの動力を受けて回転動可能に支持された耕耘ロータと、該耕耘ロータの上部を覆う上部カバーと、該上部カバーの後部に上下方向に回動自在に設けられた第1の整地体と、該第1の整地体の後部に上下方向に回動自在に設けられた第2の整地体と、該第2の整地体の幅方向端部に折畳み自在に設けられた延長整地体とを備えた耕耘整地作業機において、延長整地体の折畳み線は、整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、延長整地体の折畳み線は整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることにより、作業時にはコンパクトな延長整地体形状でありながら土塊や側方へ逃げようとする泥土を整地体幅方向内側に寄せることができ、整地姿勢にある延長整地体を格納姿勢側に回動すると、延長整地体は折畳み線を回動中心軸として回動して延長整地体の延びる方向を後方側に変えることができる。このため、整地姿勢において外側斜め前方に向いた延長整地体を、後方側へ向きを変えて格納姿勢において第1の整地体に接触しない姿勢にして格納することができる。
【0013】
また本発明の延長整地体は、展開されて整地姿勢になると、圃場の表面に接する延長整地体の接地線が整地体の幅方向に対して外側が内側より前方に突出して傾斜することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、延長整地体は、展開されて整地姿勢になると、延長整地体の接地線が整地体の幅方向に対して外側が内側より前方に突出して傾斜することにより、耕耘ロータに動力を伝達する伝動ケースにより圃場表面を削り取った土塊や側方へ流れる泥土を整地体幅方向内側に寄せることができる。このため、この内側に寄せられた土塊等によって、圃場表面に形成された溝を埋めることができ、また側方への泥土の流出を少なくできるので、耕土表面をより均平にすることができる。
【0015】
また本発明の延長整地体は、折畳まれて格納姿勢になると、整地体に沿って該整地体上に重ね合わされることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、延長整地体が折畳まれて格納姿勢になると、延長整地体は整地体に沿って該整地体上に重ね合わされることにより、延長整地体を整地体上に格納したときに、延長整地体が整地体の端部から大きく突出することがなくなる。このため、格納時はコンパクトにでき、作業機の移動時は延長整地体が障害物等に接触する事態が無くなって移動時の延長整地体の損傷を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係わる耕耘整地作業機によれば、延長整地体の折畳み線が整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びることにより、作業時にはコンパクトな延長整地体形状でありながら土塊や側方へ逃げようとする泥土を整地体幅方向内側に寄せることができ、延長整地体を格納するときに延長整地体が整地体等に接触する事態がなくなり、延長整地体を格納姿勢にすると、延長整地体が整地体に沿って整地体上に重ね合わされることにより、延長整地体を整地体等から大きく突出させずに格納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の耕耘整地作業機の好ましい実施の形態を図1に基づいて説明する。本実施の形態は、耕耘整地作業機のうち代かき用の耕耘整地作業機を例にして以下説明する。なお、説明の都合上、図1(平面図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0019】
耕耘整地作業機1は、図1に示すように、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の走行とともに進行して代かき作業を行うものであり、左右方向に延びる本体フレーム3の両側に配設された伝動ケース5及びサポートフレーム7の下側間に回転動可能に支持された耕耘ロータ9を備える。耕耘ロータ9は、走行機体90のPTO軸(図示せず)に接続された伝達軸を介して動力が伝達されて回転するようになっている。
【0020】
耕耘ロータ9の上部にはこの上部を覆う上部カバー11が設けられている。上部カバー11は前後方向に延び、その左右両端部に前後方向に延びるカバー側板部11aを備えている。上部カバー11の後部には上下方向に回動自在な第1の整地体12を備え、その後端部に第2の整地体20が設けられている。第2の整地体20は板状であり、前端部が第1の整地体12の後端部に軸支されて後側が上下方向に回動自在であり、本体フレーム3と第2の整地体20との間に取り付けられた上下位置調整機構13を介して第2の整地体20の上下位置調整が可能である。第2の整地体20の左右両端部には延長整地体30が折畳み自在に設けられている。
【0021】
この延長整地体30は、第2の整地体20の左右両端部の上面に取り付けられた固定部材21に回動自在に挿着された回動中心軸23に取り付けられた支枠31と、支枠31の先端部に固着された均平板33と、均平板33を上方及び下方に付勢するコイルスプリング(図示せず)とを有して構成される。
【0022】
支枠31は、前後方向に所定間隔を有して対向配置された一対の支持板31a,31bを有して構成される。一対の支持部材31a,31bの各基部側の端部には、前述した回動中心軸23が挿通された状態で固定されている。一対の支持部材31a,31bの先端側の端部は、均平板33の内面に溶接等によって固着されている。このため、延長整地体30は回動中心軸23を回動中心として上下方向に回動して、第2の整地体20から左右方向外側へ延びる整地姿勢Psと第2の整地体20上に重ね合わされて略水平方向に延びる格納姿勢Pkとの間を移動可能である。回動中心軸23は、第2の整地体20の進行方向に対して前側が後側より左右方向内側に位置して斜め方向に延びる。つまり、延長整地体30の折畳み線Lは回動中心軸23の中心軸線と同軸上にある。
【0023】
均平板33の前側は上方に曲げ起こされて誘導片33aを形成しており、誘導片33aの基端部に繋がる均平板33の接地線Lsは、第2の整地体20の左右方向に対して外側が内側より前方に突出して傾斜するように構成されている。これにより、矢印A方向に示すように、土塊や泥土を整地体幅方向内側に寄せながら、伝動ケース5の下部によって圃場に形成された溝を埋めたり、側方へ流れ出ようとする泥土をロータリ側へ寄せることができる。なお、延長整地体30の格納姿勢Pkは、略水平方向に延びる場合に限るものではなく、第2の整地体20から上方へ斜め内側方向に延びてもよい。
【0024】
このように、延長整地体30は、整地姿勢Psにおいて誘導片33aの外側が内側より前方に突出して斜め方向に延びるので、伝動ケース5により削られた土塊や泥土を整地体幅方向内側に寄せながら伝動ケース5により削られて形成された溝を埋めて、圃場全体の耕土表面を均平にすることができる。
【0025】
また折畳み線Lの前側が後側より内側に位置するとともに、延長整地体30が第2の整地体20上に第2の整地体20に沿って格納されるように、折畳み線Lが傾斜角度αを有して傾くことにより、作業時の側方への泥土のはみ出しを少なくできると共に、延長整地体30が第1の整地体12やカバー側板部11aに接触することなく延長整地体30を格納することができ、且つ延長整地体30を作業機の内側にコンパクトに納めることができる。このため、延長整地体30が作業機外側に突出する部分が少なくなり、移動時に延長整地体30が障害物等に当接して損傷する事態を未然に防止することができる。
【0026】
なお、前述した実施例では、代かき用の耕耘整地作業機1を例にして説明したが、前述した延長整地体30を耕耘・砕土用の耕耘整地作業機に取り付けてもよい。耕耘・砕土用の耕耘整地作業機(図示せず)は、耕耘ロータの上部を覆う上部カバーの後部に整地体を上下回動自在に設け、この整地体の左右方向端部に前述した延長整地体を取り付けて構成する。このように延長整地体を設けることにより、前述した代かき用の耕耘整地作業機と同様の効果、即ち、作業時の側方への砕土や泥土のはみ出しを少なくでき、延長整地体が整地体等に接触することなく格納でき、延長整地体を作業機内側にコンパクトに納めることができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる耕耘整地作業機の平面図を示す。
【図2】従来の延長整地体を備えた耕耘整地作業機の部分平面図を示す。
【符号の説明】
【0028】
1 耕耘整地作業機
9 耕耘ロータ
11 上部カバー
12 第1の整地体
20 第2の整地体
30 延長整地体
90 走行機体
L 折畳み線
Ls 接地線
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【出願日】 平成17年9月21日(2005.9.21)
【代理人】 【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所


【公開番号】 特開2007−82442(P2007−82442A)
【公開日】 平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願番号】 特願2005−273531(P2005−273531)