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【発明の名称】 ロータリ作業機
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】様々な耕耘条件や圃場条件に応じた耕耘作業を高精度で行うことができるロータリ作業機を提供することを課題としている。

【解決手段】ロータリ耕耘装置19を覆うロータリカバー21を、作業機フレーム側に固定され、ロータリ耕耘装置19の上方を覆うメインカバー22と、メインカバー22とリヤカバー24との間に介設され、メインカバー22に回動自在に支持される中間カバー23と、中間カバー23に回動自在に支持され、ロータリ耕耘装置19の後方を覆うリヤカバー24とから構成し、メインカバー22と中間カバー23との間に、中間カバー23のメインカバー22に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換える中間カバー切換手段と、中間カバー23とリヤカバー24との間に、リヤカバー24の中間カバー23に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換えるリヤカバー切換手段を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ耕耘装置(19)を覆うロータリカバー(21)を、ロータリ耕耘装置(19)の上方を覆うメインカバー(22)と、ロータリ耕耘装置(19)の後方を覆うリヤカバー(24)と、メインカバー(22)とリヤカバー(24)との間に介設される中間カバー(23)とから構成し、メインカバー(22)が作業機フレーム側に固定され、中間カバー(23)がメインカバー(22)に回動自在に支持され、リヤカバー(24)が中間カバー(23)に回動自在に支持されたロータリ作業機において、メインカバー(22)と中間カバー(23)との間に、中間カバー(23)のメインカバー(22)に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換える中間カバー切換手段を設け、中間カバー(23)とリヤカバー(24)との間に、リヤカバー(24)の中間カバー(23)に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換えるリヤカバー切換手段を設けたロータリ作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ耕耘装置を備えた耕耘用のロータリ作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘用のロータリを覆うロータリカバーを、ロータリの上方を覆うメインカバーと、ロータリの後方を覆うリヤカバーと、メインカバーとリヤカバーとの間に介設される中間カバーとから構成し、メインカバーが作業機フレーム側に固定され、中間カバーがメインカバーに回動自在に支持され、リヤカバーが中間カバーに回動自在に支持されたロータリ作業機が公知となっている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−4801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記ロータリカバーは中間カバーが常にメインカバーに対して自由回動するように構成されているため、対応可能な耕耘作業が限られたものとなり、条件によっては耕耘作業の精度が低下する場合があるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明のロータリ作業機は、ロータリ耕耘装置19を覆うロータリカバー21を、ロータリ耕耘装置19の上方を覆うメインカバー22と、ロータリ耕耘装置19の後方を覆うリヤカバー24と、メインカバー22とリヤカバー24との間に介設される中間カバー23とから構成し、メインカバー22が作業機フレーム側に固定され、中間カバー23がメインカバー22に回動自在に支持され、リヤカバー24が中間カバー23に回動自在に支持されたロータリ作業機において、メインカバー22と中間カバー23との間に、中間カバー23のメインカバー22に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換える中間カバー切換手段を設け、中間カバー23とリヤカバー24との間に、リヤカバー24の中間カバー23に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換えるリヤカバー切換手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
以上のように構成される本発明の構造によると、例えば中間カバーをメインカバーに対して所定の回動角度に固定(自由回動を規制)し、リヤカバーを中間カバーに対して所定範囲で自由回動自在とすると、中間カバーはメインカバーの一部として機能し、中間カバーの固定回動角度を設定調節することによって、ロータリの後方上部のスペースを調節することができる。
【0006】
またリヤカバーを中間カバーに対して所定の回動角度に固定(自由回動を規制)し、中間カバーをメインカバーに対して所定範囲で自由回動自在とすることによって、中間カバーはリヤカバーの一部として機能し、実質的にリヤカバーの重量を増加させ、回動支点を前方に移動させることができる。以上により様々な耕耘条件や圃場条件に応じた耕耘作業を高精度で行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は本発明のロータリカバーを備えたロータリ作業機1と、該ロータリ作業機1を連結する作業車両であるトラクタ2の後方部分の側面図である。図2は上記ロータリ作業機1の要部平面図である。本ロータリ作業機1は、トラクタ2側よりPTO動力が入力されるギヤケース3を備えている。
【0008】
ギヤケース3には、左右一対のプレートからなるトップマスト4が取り付けられている。トップマスト4の前方上部には、トラクタ2の3点リンクヒッチ6に装着されたオートヒッチ7に連結する連結部8が設けられている。本ロータリ作業機1は、トラクタ1の後方に、3点リンクヒッチ6を介して連結される。
【0009】
上記3点リンクヒッチ6はトップリンク9と左右のロアリンク11とによって構成されている。ロアリンク11はトラクタ1の後部に設けられたリフトアーム12とリフトロッド13を介して連結されている。リフトアーム12は油圧等によって上下揺動駆動される。
【0010】
3点リンクヒッチ6は、リフトアーム12の揺動によりロアリンク11の上下揺動によって上下揺動する。3点リンクヒッチ6の上下揺動によってロータリ作業機1は昇降する。リフトアーム12の揺動はトラクタ1側に設けられる図示しないマイコンユニットによってコントロールされる。本ロータリ作業機1はマイコンユニットによって3点リンクヒッチ6を介して昇降制御される。
【0011】
上記ギヤケース3から左右にパイプフレーム14が突出している。図2において、右側のパイプフレーム14の先端側は省略してある。左側のパイプフレーム14の外端部にはチェーンケース16が一体的に設けられている。右側のパイプフレーム14の外端部には、図示しないサイドフレームが一体的に設けられている。
【0012】
ギヤケース3,パイプフレーム14,チェンケース16,サイドフレーム等によって作業機フレームが構成され、チェンケース16の下端側とサイドフレームの下端側との間に爪軸17が回転駆動自在に支持されている。
【0013】
爪軸17への回転駆動力はチェンケース16から爪軸17側に伝動される。爪軸17に、従来同様回転により圃場の耕耘作業を行う耕耘爪18が複数取り付けられ、耕耘作業部となるロータリ耕耘装置19を構成している。本ロータリ作業機1は、爪軸17の回転によりロータリ耕耘装置19(耕耘爪18)が圃場の耕耘作業を行う。
【0014】
ロータリ耕耘装置19は、上方及び後方側がロータリカバー21によって覆われている。ロータリカバー21は、ロータリ耕耘装置19の上方前方側を覆うメインカバー22と、ロータリ耕耘装置19の上方後方側を覆う中間カバー23と、ロータリ耕耘装置19の後方側を覆うリヤカバー24とから構成されている。
【0015】
メインカバー22はチェーンケース16及びサイドフレーム側に固定的に取り付けられ、耕耘爪18の回転軌跡に沿った円弧状をなしている。中間カバー23は、前端がメインカバー22側に回動可能に軸支されて取り付けられている。リヤカバー24は、前端が中間カバー23側に回動可能に軸支されて取り付けられている。
【0016】
メインカバー22の後部の左右両側には、それぞれ平面視で略逆コ字状をなすメインカバーブラケット26が固定して取り付けられている。中間カバー23の後部の左右両側には、平面視で略逆コ字状をなす中間カバーブラケット27が固定して取り付けられている。リヤカバー24の後部の左右両側には、それぞれ左右一対のプレートからなるリヤカバーブラケット28が固定して取り付けられている。
【0017】
メインカバーブラケット26には、回転自在に支軸29が取り付けられている。該支軸29には、第1吊りロッド31が前後スライド可能に挿入されている。これにより第1吊りロッド31は、上下揺動自在且つ前後スライド可能にメインカバーブラケット26に取り付けられる。
【0018】
第1吊りロッド31の先端にはフランジ32が設けられている。フランジ32によって第1吊りロッド31のメインカバーブラケット26からの抜けが防止されている。第1吊りロッド31の後端は、中間カバーブラケット27に回動自在に軸支連結されている。中間カバー23は、第1吊りロッド31によってメインカバー22に吊支されている。
【0019】
中間カバーブラケット27には、第1吊りロッド31との連結点の上方位置に、回転自在に支軸33が取り付けられている。該支軸33には、第2吊りロッド34が前後スライド可能に挿入されている。これにより第2吊りロッド34は、上下揺動自在且つ前後スライド可能に中間カバーブラケット27に取り付けられる。
【0020】
第2吊りロッド34の先端にはフランジ36が設けられている。フランジ36によって第2吊りロッド34の中間カバーブラケット27からの抜けが防止されている。第2吊りロッド34の後端は、リヤカバーブラケット28に回動自在に軸支連結されている。リヤカバー24は、第2吊りロッド34によって中間カバー23に吊支されている。
【0021】
第1吊りロッド31及び第2吊りロッド34には、複数のピン孔37が軸心に垂直に設けられている。図3に示されるように、メインカバーブラケット26及び中間カバーブラケット27には、ピン孔37に挿脱自在にピン38を挿入することができるピン挿入機構39が設けられている。
【0022】
ピン挿入機構39は、上記メインカバーブラケット26の支軸29と、中間カバーブラケット27の支軸33とに一体的に構成されている。各支軸29,33は、中空となっており、前述のピン38が同軸でスライド自在に挿入されている。ピン38は段付きとなっている。ピン38の段部35と支軸29,33の端面との間には、ピン38に外嵌されて圧縮バネ41が設けられている。
【0023】
圧縮バネ41によってピン38はピン孔37に挿入される方向に付勢される。ただしピン38の支軸29,33からの突出端には、カム面42を備えたハンドル43が回動自在に軸支されている。カム面42はハンドル43の支点軸44からの距離が長短となった挿入規制カム面42aと挿入カム面42bとが連続する構成となっている。
【0024】
挿入規制カム面42aを支軸29,33の端面に当接させることによって、ピン38がピン孔37から離れるようにピン38をスライドされて固定し、ピン38のピン孔37への挿入は行われない。挿入カム面42bを支軸29,33の端面に当接させることによって、ピン38は圧縮バネ41の付勢力によってピン孔37に向かってスライドされ、いずれかのピン孔37に挿入される。
【0025】
ピン挿入機構39は以上のように構成されている。ハンドル43の操作によりいずれかのピン孔37へのピン38の挿入と、ピン孔37へのピン38の挿入の規制を切り換えて行うことができる。
【0026】
ピン孔37へのピン38の挿入を規制することによって、第1吊りロッド31又は第2吊りロッド34を、メインカバーブラケット26又は中間カバーブラケット27に対して、フランジ32,36が支軸29,33に当接する範囲内においてフリーにスライドさせることができる。これによりメインカバー22に対する中間カバー23の回動と、中間カバー23に対するリヤカバー24の回動を所定の範囲でフリー(自由回動)にすることができる。
【0027】
いずれかのピン孔37にピン38を挿入することによって、第1吊りロッド31又は第2吊りロッド34のメインカバーブラケット26又は中間カバーブラケット27に対する上記フリースライドが規制され、メインカバーブラケット26又は中間カバーブラケット27から後方への第1吊りロッド31又は第2吊りロッド34の突出長さを調節して固定することができる。
【0028】
これによりメインカバー22に対する中間カバー23の上記自由回動、又は中間カバー23に対するリヤカバー24の上記自由回動を規制して、メインカバー22に対する中間カバー23の回動角度と中間カバー23に対するリヤカバー24の回動角度を段階的に調節して固定することができる。
【0029】
メインカバーブラケット26の支軸29に構成されたピン挿入機構39が、中間カバー23のメインカバー22に対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換える中間カバー切換手段を構成している。中間カバーブラケット27の支軸33に構成されたピン挿入機構39が、リヤカバーの中間カバーに対する所定範囲の自由回動の許容と規制とを切り換えるリヤカバー切換手段を構成している。
【0030】
一方のメインカバーブラケット26と一方の中間カバーブラケット27の外側面には、それぞれポテンショメータ46,47が取り付けられている。図4に示されるように、ポテンショメータ46,47の操作軸にはそれぞれアーム48が取り付けられている。メインカバーブラケット26のポテンショメータ46のアーム48と中間カバー23とが第1ロッド49によって連結されている。
【0031】
中間カバーブラケット27のポテンショメータ47のアーム48とリヤカバー24とが第2ロッド51によって連結されている。中間カバー23のメインカバー22に対する回動角度をメインカバーブラケット26のポテンショメータ46によって検出することができる。リヤカバー24の中間カバー23に対する回動角度を中間カバーブラケット27のポテンショメータ47によって検出することができる。
【0032】
両ポテンショメータ46,47の出力は前述のマイコンユニットに入力される。マイコンユニットはリフトアーム12の揺動駆動を両ポテンショメータ46,47の出力基づいてコントロールするように構成されている。これにより本ロータリ作業機1は、中間カバー23のメインカバー22に対する回動角度と、リヤカバー24の中間カバー23に対する回動角度に基づいて昇降する。
【0033】
ロータリ作業機1の昇降によって耕耘深さが制御される。このため例えば両ポテンショメータ46,47の出力値を加算して耕耘深さの制御(ロータリ作業機1の昇降)を行うようにマイコンユニットを構成することによって、より繊細で正確な耕耘深さの制御(耕深制御)を行うことが可能となる。これにより中間カバー23とリヤカバー24のどちらが固定で、どちらが回動フリーであってもポテンショメータ46,47の出力値の加算によって耕耘深さを維持することができる。
【0034】
畑等において深耕耘作業を行う場合は、図1に示されるように、中間カバー23を上方側に回動させた位置で固定し、リヤカバー24の回動をフリーとすることにより、中間カバー23はメインカバー22の一部として機能し、ロータリ耕耘装置19の後方上部に比較的大きなスペースを設けることができる。これにより後方への耕耘土の流れが円滑となる。
【0035】
そしてリヤカバー24のみで耕耘土を均平するため、均平力(均平を行う重力)が軽く、耕耘面を過剰に押したり、耕耘面の押え過ぎによる引きずり、パワーロス等を軽減することができ、円滑に耕耘作業を行うことができる。
【0036】
代掻きや浅耕耘作業を行う場合は、図5に示されるように、リヤカバー24を下方側に回動させ、耕耘爪18の回動軌跡に沿わせた状態で固定し、中間カバー23の回動をフリーとすることによって、ロータリ耕耘装置19の後方上部のスペースを比較的小さくし、中間カバー23は実質的にリヤカバー24の一部として機能する。
【0037】
これにより後方への耕耘土の土はけが規制され、ロータリ耕耘装置19(耕耘爪18)による耕耘土の持ち回りが増加し、砕土性が向上する。さらに中間カバー23とリヤカバー24とが一体的に耕耘土を均平するため、均平力(均平を行う重力)が大きくなり、均平性能が向上する。
【0038】
なお中間カバー23に対するリヤカバー24の回動を固定すると、リヤカバー24と中間カバー23が中間カバー23の回動支点を中心に一体的に回動するため、実質上リヤカバー24と中間カバー23とによってリヤカバーが構成され、リヤカバーの長さが延長される。
【0039】
このため中間カバーブラケット27のポテンショメータ47によるリヤカバー24の回動量の検出に基づくロータリ作業機1の昇降量を、メインカバーブラケット26のポテンショメータ46による中間カバー23の回動量の検出に基づくロータリ作業機1の昇降量に比較して小さくすることによって、一体となった中間カバー23とリヤカバー24とによって構成されるリヤカバーに比較して短い、リヤカバー24単独の揺動時のロータリ作業機1の昇降量が減少する。これによりリヤカバー24の僅かな揺動にロータリ作業機1が過敏に昇降するようなことが防止され、安定した耕深制御が行われ、耕耘作業も安定して行われる。
【0040】
一般的(標準的)な耕耘作業を行う場合も、圃場状態や作業状態に応じて、中間カバー23やリヤカバー24の回動を任意に固定したりフリーにしたりすることにより、ロータリ耕耘装置19の後方上部のスペースを調節することができ、該スペースを大きくすることにより、耕耘土の反転性能を向上させたり、上記スペースを小さくすることにより、砕土と均平性能を向上させ、仕上げを向上させたりすることができる。
【0041】
またロータリ19の後方に装着する畦立器や成形器等の作業機の様々な高さに合わせて任意に中間カバー23の回動角度をセットすることができ、上記各種作業機に対して容易に対応することができる。
【0042】
中間カバー23を、プレートを湾曲又は屈曲させてボックス状とし、その前後長さがリヤカバー24の前後長さと概ね同じ、又は僅かに短くなるように形成することによって、中間カバー23の強度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】深耕耘作業状態のロータリ作業機と、ロータリ作業機を連結するトラクタの後方部分の側面図である。
【図2】ロータリ作業機の要部平面図である。
【図3】ピン挿入機構を示す支軸周辺の要部断面図である。
【図4】ポテンショメータ周辺の要部平面図である。
【図5】浅耕耘作業状態のロータリ作業機と、ロータリ作業機を連結するトラクタの後方部分の側面図である。
【符号の説明】
【0044】
19 ロータリ耕耘装置
21 ロータリカバー
22 メインカバー
23 中間カバー
24 リヤカバー
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成17年9月16日(2005.9.16)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠


【公開番号】 特開2007−75048(P2007−75048A)
【公開日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願番号】 特願2005−269557(P2005−269557)