| 【発明の名称】 |
農用作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲鉄▼見 幸一
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| 【要約】 |
【課題】植付装置の昇降操作と、整地装置の昇降操作と、整地装置に対する動力伝達の入切操作とを連動させて、動力伝達の入切を同じタイミングで繰り返して確実に実行可能とすることにより、整地装置の操作に伴う作業者の負担を軽減する。
【解決手段】1個の操作レバー85を操作して整地装置51の昇降と整地装置51に対する動力伝達の入/切とが同時に制御される。操作レバー85によって動力伝達が入に設定されていても、植付装置31が上昇されると、連動機構120が整地装置51に対する動力伝達を強制的に切に設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンを搭載し、該エンジンの動力により走行する走行機体と、 該走行機体に昇降自在に支持された植付装置と、 前記走行機体と前記植付装置との間に配置されかつ前記植付装置に連動して昇降支持された整地装置と、を備えてなる農用作業機において、 前記走行機体のエンジンから前記整地装置に動力を伝達する動力伝達装置に介在して、動力伝達を入切するクラッチと、 前記整地装置を、前記植付装置に連動した下降位置において、作業位置と非作業位置とに上下動する上下動手段と、 前記クラッチを入切操作すると共に、前記上下動手段を上下操作する、1個の操作手段と、 前記植付装置の昇降に連動して前記クラッチを入切操作する連動手段と、を備え、 前記操作手段は、前記クラッチの入位置にて前記上下動手段が作業位置となるように連動すると共に、 前記連動手段は、前記植付装置の上昇時に前記クラッチが切位置、前記植付装置の下降時に前記クラッチが入位置となるように連動してなる、 ことを特徴とする農用作業機。 【請求項2】 前記操作手段は、前記クラッチの入位置にて、前記上下動手段を、作業位置において高さ調整可能とした、 請求項1記載の農用作業機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、昇降可能な植付装置の前方に整地装置を備えた農用作業機、詳しくは植付装置の昇降に伴う整地装置の駆動制御に関する。 【背景技術】 【0002】 複数条の苗を並行的に植え付ける植付装置を走行機体の後部に、昇降リンク機構を介して昇降自在に支持させた農用作業機が実用化されており、枕地で方向転換する際等には、植付装置を上昇させた状態で走行機体のステアリング操作を行うことができる。 【0003】 また、植付装置の前方に昇降自在な整地装置を設けて、植え付け面の凹凸を平坦に均すようにした農用作業機が実用化されており、走行機体の方向転換によって荒れた枕地で植え付けを行う際等には、整地装置を下降して植え付け面を平坦化して、苗の植え付け深さのばらつきを減らすことができる。 【0004】 特許文献1には、植付装置の底部に圃場面に接触して案内されるフロートを設け、フロートの上昇/下降に応じて植付装置を昇降させることにより、苗の植え付け深さを一定に維持する農用作業機が示される。ここでは、フロートが後端側で軸支され、その先端側をワイヤで強制的に昇降させることにより、圃場面に対するフロートの傾き角度を調整可能である。そして、走行機体の前後傾斜角、圃場面の硬い軟かい、植え付け速度等に応じてフロートの傾き角度を調整することにより、苗を一定の植え付け深さで安定して植え付け可能としている。 【0005】 特許文献2には、植付装置の前方にロータリ式の整地装置を配置して、植付装置と一体に昇降させる農用作業機が示され、枕地で方向転換する際等には、植付装置と一体に整地装置を上昇させることができる。ここでは、植付装置が下降してフロートが接地した状態で、整地装置の昇降制御用レバーを操作することにより、整地装置を独自に昇降させて、その作業位置と非作業位置とを選択設定できる。また、ロータリ式の整地装置に対する動力伝達を接続/切断可能なクラッチを備えており、昇降制御用レバーとは独立したクラッチレバーを操作することにより、ロータリ式の整地装置の回転/停止を制御している。 【0006】 特許文献3には、植付装置の前方にロータリ式の整地装置を設けた農用作業機が示され、枕地での方向転換の際に植付装置を上昇させると、整地装置に対する動力伝達のクラッチが切断されて整地装置の回転が自動停止するようになっている。 【0007】 【特許文献1】特開2004−229565号公報 【特許文献2】特開2004−65111号公報 【特許文献3】特許第3088629号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 特許文献2に示される農用作業機では、平坦化された圃場面では、整地装置を上昇させて非作業位置に設定して植え付けを行える。しかし、作業者が圃場面が荒れていると判断した場合や、方向転換の繰り返しで荒れている可能性の高い枕地等で植え付け開始する際には、作業者が、昇降制御用レバーを操作して整地装置を下降させて作業位置へ設定するとともに、クラッチレバーを操作して整地装置を作動状態(回転状態)に制御しなくてはならない。 【0009】 つまり、植付装置に対する整地装置の昇降操作と、整地装置に対する動力の入切操作とを、別々の操作レバーで操作するため、2つの操作レバーの操作タイミングがずれたり、片方の操作レバーの操作を忘れたりする可能性がある。具体的に言えば、整地装置を停止状態のまま引き摺って圃場面を荒らしたり、整地装置を上昇状態で回転させ続けて泥を撒き散らしたり、2つの操作レバーの操作に気をとられて肝心のステアリング操作や速度制御を誤ったりする可能性がある。 【0010】 特許文献3に示される農用作業機では、植付装置を上昇させると整地装置が自動停止するが、植付装置の下降状態では、手動操作によって整地装置の回転/停止を設定しなくてはならないので、整地装置の昇降機構を組み込むと、停止操作を忘れて、整地装置を上昇させたまま回転させ続ける可能性がある。 【0011】 本発明は、植付装置の昇降操作と、整地装置の昇降操作と、整地装置に対する動力伝達の入切操作とを連動させて、動力伝達の入切を同じタイミングで繰り返して確実に実行可能とすることにより、整地装置の操作に伴う作業者の負担を軽減することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0012】 請求項1に係る本発明は、エンジン(17)を搭載し、該エンジン(17)の動力により走行する走行機体(11)と、該走行機体(11)に昇降自在に支持された植付装置(31)と、前記走行機体(11)と前記植付装置(31)との間に配置されかつ前記植付装置(31)に連動して昇降支持された整地装置(51)と、を備えてなる農用作業機(10)において、前記走行機体(11)のエンジン(17)から前記整地装置(51)に動力を伝達する動力伝達装置(71)に介在して、動力伝達を入切するクラッチ(73)と、前記整地装置(51)を、前記植付装置(31)に連動した下降位置において、作業位置と非作業位置とに上下動する上下動手段(61)と、前記クラッチ(73)を入切操作すると共に、前記上下動手段(61)を上下操作する、1個の操作手段(85)と、前記植付装置(31)の昇降に連動して前記クラッチ(73)を入切操作する連動手段(120)と、を備え、前記操作手段(85)は、前記クラッチ(73)の入位置にて前記上下動手段(61)が作業位置となるように連動すると共に、前記連動手段(120)は、前記植付装置(31)の上昇時に前記クラッチ(73)が切位置、前記植付装置(31)の下降時に前記クラッチ(73)が入位置となるように連動してなるものである。 【0013】 請求項2に係る本発明は、請求項1記載の農用作業機において、前記操作手段(85)は、前記クラッチ(73)の入位置にて、前記上下動手段(61)を、作業位置において高さ調整可能としたものである。 【0014】 なお、前記した括弧内の符号等は、図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。 【発明の効果】 【0015】 請求項1に係る本発明によると、整地装置(51)を、作業位置と非作業位置に上下動する操作と、整地装置(51)への動力伝達を入切する操作とを、1個の操作手段(85)にて行うので、整地装置(51)を作業位置に移動するとクラッチ(73)が入となり、整地装置(51)は駆動状態となるので、整地装置(51)を作業位置に下降した状態でクラッチ(73)の入操作を忘れて、整地装置(51)を引き摺ることによる田面の荒れを防止することができると共に、操作手段(85)を整地装置の作業位置かつクラッチ(73)の入位置に保持した状態で、植付装置(31)を上昇すると、それに連動してクラッチ(73)が自動的に切位置となり、整地装置(51)による泥の飛散を防止でき、かつ植付装置(31)を下降すると、それに連動してクラッチ(73)が入位置となって、植付作業時には自動的に整地作業が行われる。 【0016】 請求項2に係る本発明によると、整地装置(51)は、作業位置において操作手段(85)により高さ調節を行えるので、1個の操作手段(85)による簡単な操作で、整地装置(51)の高さ調節を容易に行うことができる。 【0017】 なお、前記した括弧内の符号等は、図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態である農用作業機の側面図、図2は本実施形態の農用作業機の平面図、図3は整地装置を非作業位置に設定した状態での整地装置付近の拡大側面図、図4は整地装置を作業位置に設定した状態での整地装置付近の拡大側面図、図5は整地装置の操作レバーの配置を示す正面図、図6は操作レバーにおけるクラッチの操作状態の説明図、図7はレバーガイドの説明図、図8は整地部へ動力伝達するクラッチの接続ポイントの説明図、図9は整地装置の高さ調整機構の平面図、図10は上下動機構の説明図、図11は植付装置を下降させた状態での連動機構の動作の説明図、図12は植付装置を上昇させた状態での連動機構の動作の説明図である。 【0019】 なお、図1〜図10では、植付装置31の昇降と整地装置51の動力伝達とを連動させる連動機構120は、他の構成の理解を容易にするために図示略してある。また、図11、図12では、連動機構120の理解を容易にするために周囲の他の機構を図示略してある。 【0020】 <農用作業機> 図1に示すように、農用作業機10は、走行機体11の後部に連結した昇降リンク機構21によって、植付装置31および整地装置51を昇降可能に支持している。走行機体11は、前輪12と後輪13とにより支持された機体15を有し、機体15の前方に、ボンネット16に覆われたエンジン17を搭載している。 【0021】 エンジン17の後方には、作業者が着席する座席シート20が配設され、座席シート20の周囲に、ステアリングハンドル18、農用作業機10の運転操作に必要な各種のレバー、各種のペダル類、各種スイッチ、計器類等が配設されている。 【0022】 昇降リンク機構21は、機体15の後部に軸支されて揺動自在なアッパリンク22及びロアリンク23と、アッパリンク22及びロアリンク23の後端に接続されたリンクホルダ25と、機体15とロアリンク23との間に配置された油圧シリンダ26とを備えている。油圧シリンダ26が短縮方向に作動するとロアリンク23を機体15側に引き寄せてリンクホルダ25が上昇する。 【0023】 植付装置31の下部に配置された植付部33は、複数条の苗を並列的に田面に植え付ける。植付装置31の底部に配置された植え付け深さ調整部41は、例えば、特許文献1に示されるように制御され、フロート45で田面を倣って、苗の植え付け深さを調節する。植付装置31全体を支持するフレーム32は、昇降リンク機構21のリンクホルダ25に対してローリング自在に支持され、フレーム32に固定されたステー34の上には、苗のせ台35が傾斜配置されている。 【0024】 図2に示すように、植付装置31の苗のせ台35は、田面に植え付けられる苗を整列状態で密集保持させたマット苗を載置する。苗のせ台35の下端側に配置された植付部33は、図9に示すように、複数の伝動ケース36の後端部の側面にそれぞれ回転自在に支持された複数の植付ケース37を備えており、マット苗から1株分の苗を掻き取って田面に植え付ける複数の植付杆38がそれぞれの植付ケース37に配設されている。植付杆38は、走行機体11に搭載されたエンジン17(図1参照)によって駆動されるPTO軸(図示せず)からフレーム32及び伝動ケース36の内部を通して動力を伝達される。 【0025】 図3に示すように、植え付け深さ調整部41は、伝動ケース36の下面に回動自在に支持された軸42と、軸42に一端を固定されて斜め下後方に向けて突出させたアーム43と、アーム43の他端に回動自在に支持されて下面が田面に接触滑走するフロート45と、軸42に一端を固定されて上方に向けて突出させたアーム46と、アーム46の他端に連結された調節レバー47とを有している。 【0026】 図10に示すように、調節レバー47は、レバーガイド48に沿って移動して設定操作が可能であって、レバーガイド48に形成された標準位置、浅植え位置、深植え位置の何れかの溝に保持される。ここで、調節レバー47を走行機体11側に操作すると、アーム46とアーム43とが反時計方向に回動して、伝動ケース36に対してフロート45を上昇させるので、フロート45が田面と接触した状態であれば、田面に対して植付装置31全体が下降することになり、植付杆38が田面に近付いて苗の深植えを行うことになる。しかし、調節レバー47を苗のせ台35側に操作すると、アーム46とアーム43とが時計方向に回動して、伝動ケース36に対してフロート45を下降させるので、フロート45が田面と接触した状態であれば、田面に対して植え付け装置31全体が上昇することになり、植え付け杆38が田面から離間して苗の浅植えを行うことになる。 【0027】 <整地装置> 図3に示すように、走行機体11の後輪13と植付装置31のフロート45との間には、植付装置31側に支持させて整地装置51が配置される。整地装置51を下降して作業位置に設定すると、整地装置51が回転状態で接地して田面を平滑に掻き均す。整地装置51は、田面を平滑に均す整地部52と、植付装置31を下降させた状態で、整地部52を上下方向に移動させてその作業位置と非作業位置とを設定する上下動機構61と、整地部52に動力を伝達する動力伝達機構71と、上下動機構61における整地部52の上下動と動力伝達機構71の動力の入切を同時に行う操作機構81とを備えている。 【0028】 整地部52は、支持ロッド53と、支持ロッド53に支持されたローラ55と、ローラ55に回転可能に支持されたロータリ軸56と、ロータリ軸56に支持された複数のかご型ロータ57(図9参照)と、かご型ロータ57の上部を覆うロータカバー58とを備えている。支持ロッド53は、略三角形に形成された連係アーム66とリンク68とによって昇降可能に支持され、苗のせ台35の前面(走行機体11側の面)と支持ロッド53との間に張設された不図示のスプリングによって上方(非作業位置)に向けて付勢されている。 【0029】 上下動機構61は、図3に示すように操作レバー85が後方へ回動操作されると、連係アーム66を反時計回りに回転させて支持ロッド53を上昇させるが、図4に示すように操作レバー85が前方へ回動操作されると、連係アーム66を時計回りに回転させて支持ロッド53を下降させる。 【0030】 図10に示すように、上下動機構61は、連係アーム66と、ステー34に対して回動自在に支持された支持軸62(支点軸)と、一端が支持軸62に支持されたアーム63と、アーム63の他端に支持されたピン65(第1のピン)と、一端が支持軸62に回動自在に支持されたリンク67と、一端がリンク67の他端に回動自在に支持されたリンク68とを備えている。 【0031】 図3に示すように、動力伝達機構71は、走行機体11の機体15の後部に配置された動力伝達部72と、動力伝達部72の出力側に配置されたクラッチ73と、クラッチ73を介して動力の伝達を受ける伸縮自在な伝動軸75とを備えている。クラッチ73には、クラッチ73を入切するためのクラッチアーム126(図11参照)が設けられている。 【0032】 そして、クラッチ73の入操作により、動力伝達部72の出力は、動力伝達機構71を経て整地部52のロータリ軸56に伝達されて、かご型ロータ57を回転させる。しかし、クラッチ73が切操作されると、動力伝達部72の動力が遮断されて、かご型ロータ57の回転は停止する。 【0033】 操作部81は、軸82によって回動自在に支持された操作レバー85と、操作レバー85に一体に固定されたカム板90と、座席シート20の側面下方に配置されたレバーガイド83とを有している。図5に示すように、操作レバー85は、座席シート20の進行方向左側に配置され、座席シート20の側面下方に配置されたレバーガイド83に沿って前後方向に操作可能であるとともに、左右方向に操作することにより、図7の(a)に示す格納ポジション(P4)と、図7の(b)に示す作業ポジション(P1、P2、P3)とを選択設定可能である。 【0034】 図6の(a)に示すように、カム板90は、ピン82に軸支されて回動自在で、押接面86と許容部87とを含むカム溝88が形成されている。操作レバー85の操作は、カム板90によって整地部52の昇降操作系と、整地部52のかご型ロータ57の回転操作系とに分配される。 【0035】 図3に示すように、昇降操作系は、カム板90に固定されたピン91に一端が回動自在に接続されたリンク92と、機体15の後端に軸93を介して一端が回動自在に支持され、他端がピン96を介してリンク92の他端と回動自在に連結されたアーム95と、ピン96に一端が回動自在に連結されたリンク97と、ピン98によりL字状の屈曲部がリンクホルダ25にロアリンク23と共に回動自在に支持され、一端がリンク97の他端に回動自在に連結されたアーム100と、一端にアーム100の他端に形成された長孔101を摺動自在に貫通するピン102を設け、他端が支持軸62に固定されたアーム103を有している。 【0036】 図6の(a)に示すように、回転操作系は、上端に軸82が摺動自在に貫通する長孔105が形成され、中央部にカム溝88と摺動可能に係合するピン106とを備えたブラケット107と、ブラケット107に連結されたリンク108とを有している。操作レバー85を回動操作すると、カム溝88にピン106が案内されてブラケット107が軸方向に移動し、ブラケット107の移動がリンク108を経てクラッチアーム126(図11参照)を回動させてクラッチ73の入切が行われる。 【0037】 図10に示すように、高さ調節部111は、軸42に固定されたアーム112と、アーム112に回動自在に連結されたリンク113と、リンク113に固定されたブラケット115と、苗の深植え時に軸心が支持軸62に軸心と略一致するようにブラケット115に支持されると共に、連係アーム66に回動自在に連結するピン116(第2のピン)とを有している。そして、高さ調節部111は、植え付け深さ調整部41の調節レバー47の操作により操作される。 【0038】 連係アーム66は、操作部81の操作レバー85の操作によって支持軸62が回動したときには、その操作力がアーム63及びピン65(第1のピン)を介して伝達され、ピン116(第2のピン)を中心として揺動する。また、植え付け深さ調節部41の調節レバー47の操作によって高さ調節部111が作動したときには、図9に示すように、その操作力がリンク113、ブラケット115及びピン116を介して伝達され、ピン65を中心として連係アーム66が回動する。 【0039】 <操作レバーの操作に伴うクラッチ動作> 図7の(a)に示すように、レバーガイド83に沿ってレバーポジションP1、P2、P3、P4が設定されている。図8に示すように、操作レバー85は、回動してそれぞれのレバーポジションP1、P2、P3、P4を設定可能である。そして、リンク108の長さを調整することにより、中間のレバーポジションP5近辺でクラッチの接続と切断が切り替わるように設定してある。すなわち、レバーポジションP5〜P4間がクラッチ切断領域、レバーポジションP1〜P5がクラッチ接続領域である。 【0040】 そして、レバーポジションP1〜P5のクラッチ接続領域には、作業位置に下降させた整地部52の高さを3段階に切り替えるレバーポジションP1(深め)、P2(標準)、P3(浅め)が設定可能にしてある。 【0041】 図3に示すように、操作レバー85の操作により、カム板90、ピン91、リンク92及びリンク97を介してアーム100を、ピン98を支点として回動させると、アーム103を介して支持軸62(図9参照)が回転する。支持軸62が回転すると、図10に示すように、アーム63及びピン65を介して連係アーム66がピン116を枢支点として回動し、支持ロッド53を昇降させて整地部52が上下方向に移動する。 【0042】 図7の(a)に示すように、操作レバー85をレバーポジションP4(格納)に設定すると、図3に示すように、カム板90、リンク92、リンク97を介してアーム100がピン98を中心として反時計方向に回動し、アーム103が時計方向に回動して支持軸62を時計方向に回動させ、アーム63及びピン65を介して、連係アーム66がピン116を中心として時計方向に回動する。これにより、連係アーム66に連結された支持ロッド53が上方に移動して、整地部52が非作業位置に位置決めされる。と同時に、カム板90、リンク108を介してクラッチアーム126が反時計方向に回転してクラッチ73を切状態とし、整地部52への動力伝達が遮断される。 【0043】 一方、図7の(b)に示すように、操作レバー85をレバーポジションP2に設定すると、図4に示すように、カム板90、リンク92、リンク97を介してアーム100がピン98を中心として時計方向に回動し、アーム103が反時計方向に回動して支持軸62を反時計方向に回動させ、アーム63及びピン65を介して、連係アーム66がピン116を中心として反時計方向に回動する。これにより、連係アーム66に連結された支持ロッド53が下方に移動して、整地部52を接地させる。このとき、操作レバーが図8に示すレバーポジションP5を通過した時点でクラッチ73が入状態になっているので、整地部52は回転状態で接地して作業位置に位置決めされる。 【0044】 <植付装置の昇降に伴うクラッチ動作> 図11に示すように、昇降リンク機構21のロアリンク23の機体15側接続部分には、植付装置31の昇降を機械的に検知してクラッチ73を接続/切断する連動機構120が配置されている。連動機構120は、ロアリンク23に固定されたアーム124と、ピン122を用いて機体15に軸支された中継レバー121と、クラッチ73にピン127を用いて軸支したクラッチアーム126とを有している。 【0045】 図11の右上の詳細図に示すように、アーム124に固定されたピン23aは、中継レバー121に形成された長孔に保持されており、ロアリンク23と一体のアーム124の回動によって、中継レバー121がピン122を中心にして回転する。中継レバー121の時計方向の回転は、リンク123を通じてクラッチアーム126を反時計方向に回転させてクラッチ73の接続を切状態にする。 【0046】 クラッチアーム126の回動側には長孔128が形成されており、植付装置31を下降させた状態では、リンク123が長孔128の中間に位置して、リンク108の軸方向の移動によるクラッチアーム126の回動に影響を及ぼさない。しかし、植付装置31の上昇に伴ってロアリンク23が上方へ回動すると、中継レバー126が時計方向に回転してリンク123を引き上げ、リンク123によって長孔128の上端が引き上げられることにより、クラッチアーム126が反時計方向に回転する。 【0047】 なお、リンク108にはバネ機構108a(図12)が内蔵されており、バネ機構108aによって圧縮方向の移動を吸収可能にしてあるので、ロアリンク23の上方への回動に伴うクラッチアーム126の回転を妨げない。言い換えれば、バネ機構108aによって入状態の回動位置に保持されたクラッチアーム126を、リンク123は、バネ機構108aに逆らって切状態の回動位置へ回動させる。 【0048】 <本実施形態の効果> 本実施形態の農用作業機10では、苗の植付作業を行う際に田面の整地の必要がない場合には、整地装置51を作業位置と非作業位置とに上下動する操作と、整地装置51への動力伝達を入切する操作とを、1個の操作レバー85にて行うので、整地装置51を作業位置に移動するとクラッチ73が入となり、整地装置51は駆動状態となるので、整地装置51を作業位置に下降した状態でクラッチ73の入操作を忘れて、整地装置51を引き摺ることによる田面の荒れを防止することができると共に、操作レバー85を整地装置の作業位置かつクラッチ73の入位置に保持した状態で、植付装置31を上昇すると、それに連動してクラッチ73が自動的に切位置となり、整地装置51による泥の飛散を防止でき、かつ植付装置31を下降すると、それに連動してクラッチ73が入位置となって、植付作業時には自動的に整地作業が行われる。 【0049】 また、整地装置51は、作業位置において操作レバー85により3段階に高さ調節を行えるので、1個の操作レバー85による簡単な操作で、整地装置51の高さ調節を容易に行うことができる。 【0050】 また、1個の操作レバー85の操作により、整地部52の上下移動と、整地部52に対する動力の断続を同時に操作でき、かご型ロータ57をその上昇位置(非作業位置)で空転させたり、或いは、その下降位置(作業位置)でかご型ロータ57の回転を停止させたまま移動して、田面を荒らしたりなどの操作ミスを防止できる。 【0051】 また、連動機構120によって、植付装置31の昇降操作と整地装置51の昇降操作とに完全に連動して整地装置51に対する動力伝達が制御されるので、作業者は、整地装置51の操作に気を取られることなく、植付装置31の昇降やステアリング操作に集中でき、作業者の負担が減って、経験の浅い作業者でも短期間に操作習熟でき、植付装置31の昇降やステアリング操作のミスも防止できる。 【0052】 また、クラッチアーム126に長孔128を形成して、ロアリンク23が所定高さ以上に回動した段階で、始めてクラッチアーム126が回動してクラッチ73が切状態となるので、田面での通常作業時に意図せざる整地装置51の停止を引き起すことなく、植付装置31の上昇位置でのみ整地装置51を停止できる。 【0053】 また、リンク108にバネ機構108aを内蔵して、操作レバー85を前に倒してクラッチ接続状態としたまま、植付装置31の上昇に伴って連動機構によりクラッチ73を切状態とするため、枕地での方向転換後に植付装置31を下降させると直ちに整地部52が回転再開して整地を伴う植え付け作業が開始されるので、植付装置31の上昇に伴って操作レバー85が自動的にクラッチ切断状態に復帰する場合のように、操作レバー85を操作し忘れて整地を伴わない植え付けを開始する心配が無い。 【0054】 また、植付装置31の高さに連動してクラッチアーム126を回動させるアクチュエータとしてのアーム124をロアリンク23の機体15側に配置したので、他の部材の他の場所にアーム等を取り付ける場合に比較して、連動機構120を小さな部品の少ない部品点数でコンパクトに構成できた。 【0055】 <別の実施形態> 図13は別の実施形態の農用作業機の全体側面図、図14は植付装置とともに整地装置を下降させた状態の拡大側面図、図15は植付装置とともに整地装置を上昇させた状態の拡大側面図である。別の実施形態では、植付装置31の昇降に伴って整地装置51に対する動力伝達を制御する連動機構140が上述の実施形態における連動機構120と異なる。従って、連動機構140を説明するために必要な部分以外は図示略して詳細な説明を省略する。 【0056】 図13に示すように、本発明の別の実施形態の農用作業機10は、油圧シリンダ141を用いた連動機構140を備えており、植付装置31の上昇動作を電気的に検知して油圧シリンダ141を作動させることにより、クラッチ73を切状態にして整地装置51への動力伝達を遮断する。 【0057】 図14に示すように、機体15に取り付けられた油圧シリンダ141の作用端は、リンク108を連結したクラッチアーム146の回動端に連結されており、油圧シリンダ141を短縮方向へ作動させると、クラッチアーム146が反時計方向に回転して、クラッチ73が切状態となる。 【0058】 機体15の後端には、ロアリンク23の上方への回動を検知するための近接スイッチ143が配置される。近接スイッチ143は、ロアリンク23を磁気検出しており、植付装置31が下降状態のときONし、植付装置31が上昇するとOFFする。このOFF位置は、作業位置の整地部52が非作業位置の少し上まで上昇する程度に定めてあるので、田面の通常の起伏のトレースではOFFしないが、植付装置31の上昇は早めに検知する。 【0059】 農用作業機10の各部を制御するマイコン制御装置である制御部200は、近接スイッチ143の出力を検知して、植付装置31の上昇を早めに判別して、油圧シリンダ141に油圧供給する油圧バルブ142を作動させて、クラッチ73を切状態とする。これにより、畦を乗り越える際に植付装置31が激しく上下動しても、誤って近接スイッチ143がロアリンク23を検知することが無く、誤検知によってクラッチ73が突然入って整地部52が回転することが無い。 【0060】 別の実施形態の農用作業機10では、植付装置31の上昇時に限らず、制御部200が判断する任意の時期に、油圧シリンダ141を作動させてクラッチ73を切状態とすることができるので、変速シフトレバーがバックに設定されて農用作業機10が後退する際にも油圧シリンダ141を作動させてクラッチ73を切状態としている。これにより、整地装置51が逆転して田面を荒らすことが無くなる。 【0061】 なお、油圧バルブ142は、その非作動状態では、油圧シリンダ141のオイル吸入/吐出を自由にしており、上述の実施形態のクラッチアーム126における長孔128と同様に、リンク108の軸方向移動に伴うクラッチ73の動作を妨げない。 【0062】 なお、油圧シリンダ141は、植付装置31の上昇を検知して、クラッチ73を切状態とする一作用手段に過ぎないから、モーター、電磁ソレノイド、空気圧シリンダ等で置き換え可能である。また、近接スイッチ143も植付装置31の上昇を検知する一検知手段に過ぎないから、接地場所やセンサ種類(例えばポテンショメータ)を種々選択可能である。 【0063】 なお、制御部200では、植付装置31の上昇も制御するから、外部の検知手段無しで、制御部200が植付装置31の上昇開始後の所定タイミング、例えば最高位置へ上昇完了した状態で油圧シリンダ141を作動させ、その後は下降開始後までクラッチ73を切状態に保持してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0064】 【図1】本発明の一実施形態である農用作業機の側面図である。 【図2】本実施形態の農用作業機の平面図である。 【図3】整地装置を非作業位置に設定した状態での整地装置付近の拡大側面図である。 【図4】整地装置を作業位置に設定した状態での整地装置付近の拡大側面図である。 【図5】整地装置の操作レバーの配置を示す正面図である。 【図6】操作レバーにおけるクラッチの操作状態の説明図である。 【図7】レバーガイドの説明図である。 【図8】整地部へ動力伝達するクラッチの接続ポイントの説明図である。 【図9】整地装置の高さ調整機構の平面図である。 【図10】上下動機構の説明図である。 【図11】植付装置を下降させた状態での連動機構の動作の説明図である。 【図12】植付装置を上昇させた状態での連動機構の動作の説明図である。 【図13】別の実施形態の農用作業機の全体側面図である。 【図14】植付装置とともに整地装置を下降させた状態の拡大側面図である。 【図15】植付装置とともに整地装置を上昇させた状態の拡大側面図である。 【符号の説明】 【0065】 10 農用作業機 11 走行機体 17 エンジン 31 植付装置 51 整地装置 61 上下動手段(上下動機構) 71 動力伝達装置(動力伝達機構) 73 クラッチ 85 1個の操作手段(操作レバー) 120、140 連動手段(連動機構) P1、P2、P3 作業ポジション(レバーポジション) P4 非作業ポジション(レバーポジション)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年7月7日(2005.7.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−14261(P2007−14261A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月25日(2007.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願2005−198700(P2005−198700) |
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