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【発明の名称】 電子機器の筐体構造
【発明者】 【氏名】安濃 守人
【住所又は居所】福島県郡山市字船場向94番地 株式会社日立コミュニケーションテクノロジー内

【氏名】西槇 隆徳
【住所又は居所】福島県郡山市字船場向94番地 株式会社日立コミュニケーションテクノロジー内

【氏名】松本 匡生
【住所又は居所】福島県郡山市字船場向94番地 株式会社日立コミュニケーションテクノロジー内

【要約】 【課題】少ない組み立て工数と少ない部品点数で剛性の高い筐体本体が得られる電子機器の筐体構造を提供する。

【解決手段】本体ケース2を、左右側面カバー2aと後面カバー2bとにより平面がほぼコ字形となるように形成すると共に、左右側面カバー2aの内面間に、上面板3aと下面板3b及び後面板3cとにより断面がほぼコ字形に形成され、かつ内部に複数のプリント基板13が実装可能なサブフレーム3の両端部を固着したもので、本体ケース1が1枚の金属板により形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上、少ない部品点数で剛性の高い筐体本体1が得られるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、前記本体ケース内に設けられたサブフレームと、前記本体ケースの上面を覆う上面カバーと、前記本体ケースの底部に設けられた底板と、前記本体ケースの前面開口に着脱自在に取り付けられた前面カバーとから構成された電子機器の筐体構造であって、前記本体ケースを、左右側面カバーと後面カバーとにより平面がほぼコ字形となるように形成すると共に、前記左右側面カバーの内面間に、上面板と下面板及び後面板とにより断面がほぼコ字形に形成され、かつ内部に複数のプリント基板が実装可能なサブフレームの両端部を固着したことを特徴とする電子機器の筐体構造。
【請求項2】
前記上面板の前後方向の幅を、前記下面板の前後方向の幅より狭くしてなる請求項1に記載の電子機器の筐体構造。
【請求項3】
前記左右側面カバーの前縁部に、チャンネル状の補強部を縦方向に形成すると共に、前記補強部の上端間に補強ビームを横架してなる請求項1または2に記載の電子機器の筐体構造。
【請求項4】
前記補強部に、ケーブルを固定する結束バンドの取り付け孔を複数形成してなる請求項3に記載の電子機器の筐体構造。
【請求項5】
前記下面板の前部に、長孔と前記長孔より分岐された複数の鍵穴状係止孔とからなるケーブル固定孔が左右方向に間隔を存して複数個所形成されたケーブル固定部を延設してなる請求項1ないし4の何れかに記載の電子機器の筐体構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信を行う電話交換装置のような電子機器の筐体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の電子機器は、金属板を箱型に成形することにより構成された筐体を有しており、電子機器の筐体構造としては、例えば特許文献1に記載されたものが公知である。
【0003】
前記従来の筐体構造は、左右両側フレームと、これら左右両側フレームの後縁に連設された背面フレームとを有していて、左右両側フレームの上部に、上側フレームが、そして下部に下側板状枠体が設けられた箱型構造となっている。
【0004】
また上側フレームの下面と、下側板状枠体上に設けられた下側フレームの上面には、筐体本体内へ実装するプリント基板をガイドする基板ガイドが突設されていると共に、左右両側フレームの前側開口部は、前面化粧板により閉鎖され、左右両側フレームの外側面には左右両側化粧板が、そして上側フレームの上面には、天井化粧板が取り付けられた構造となっている。
【特許文献1】特開2001−339185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし前記従来の筐体構造では、左右両側フレームと上側フレーム及び下側板状枠体が別部品より形成されていて、これら部品を組み立てる際、ねじや溶接等の固着手段で、各部品間を固着しているため、組み立てに多くの時間を必要とする上、作業者の熟練度により組み立てられた製品の品質にバラツキが生じる問題があると共に、組み立てられた筐体本体の強度や剛性を高くするためには、ねじ止め個所や、溶接個所を多くする必要があるため、さらに組み立てに手間がかかる等の問題もある。
【0006】
また筐体内に配線されたケーブルを、タイラップ(商品名)等の結束バンドにより例えばサブフレーム等に固定する場合、従来ではサブフレームに貫通孔を穿設して、この貫通孔に挿通した結束バンドによりケーブルを固定しているため、貫通孔を隠すための側面カバーを必要とする上、全体的に部品点数が多くなるため、部品を成形したり、組み立てが完了するまで部品を保管、管理するのにも多くの工数を必要として、筐体本体のコストが高くなる等の問題もある。
【0007】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、少ない組み立て工数と少ない部品点数で剛性の高い筐体本体が得られる電子機器の筐体構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器の筐体構造は、本体ケースと、本体ケース内に設けられたサブフレームと、本体ケースの上面を覆う上面カバーと、本体ケースの底部に設けられた底板と、本体ケースの前面開口に着脱自在に取り付けられた前面カバーとから構成された電子機器の筐体構造であって、本体ケースを、左右側面カバーと後面カバーとにより平面がほぼコ字形となるように形成すると共に、左右側面カバーの内面間に、上面板と下面板及び後面板とにより断面がほぼコ字形に形成され、かつ内部に複数のプリント基板が実装可能なサブフレームの両端部を固着したものである。
【0009】
前記構成により、本体ケースが1枚の金属板により形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上、作業者の熟練度により組み立てられた製品の品質にバラツキが生じることが少なくなるため、品質の安定した電子機器の筐体が安価に得られるようになると共に、部品点数の削減により、部品を成形したり、組み立てが完了するまで部品を保管、管理するのに必要な工数も大幅に削減することができる。
【0010】
またサブフレームも1枚の金属板により断面コ字状に形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上に,サブフレームが本体ケースの左右側面カバーの間に両端部に固着されるころにより本体ケースの強度や剛性が向上するため、ねじ止め個所や、溶接個所を多くして本体ケースの強度や剛性を上げる必要がなくなり、これによって組み立てに手間がかかる等の問題も解消することができると共に、本体ケースとサブフレームの相乗効果によりサブフレーム自体の剛性や寸法精度が上がるため、プリント基板の実装作業がスムーズに行えるようになる。
【0011】
本発明の電子機器の筐体構造は、上面板の前後方向の幅を、下面板の前後方向の幅より狭くしたものである。
【0012】
前記構成により、1枚の金属板からサブフレームを折り曲げ加工する際、上面板の縁部が金型と干渉することがないため、サブフレームを所定の角度に精度よく折り曲げ加工できる上、折り曲げ加工に既存の金型が使用できるため、経済的である。
【0013】
本発明の電子機器の筐体構造は、左右側面カバーの前縁部に、チャンネル状の補強部を縦方向に形成すると共に、補強部の上端間に補強ビームを横架したものである。
【0014】
前記構成により、本体ケースの強度や剛性がさらに増す上、サブフレームの上面板の前後方向の幅を狭くしたため、上面板の前縁が左右側面カバーの前縁より後退しても、本体ケースの前部側の剛性が損なわれることがない。
【0015】
本発明の電子機器の筐体構造は、補強部に、ケーブルを固定する結束バンドの取り付け孔を複数形成したものである。
【0016】
前記構成により、補強部を利用してケーブルを本体ケース内に固定することができるため、ケーブル固定手段を別に設ける必要がない上、補強部を前面カバーで覆うことにより取り付け孔が外部へ露出することがないため、取り付け孔を隠すための側面カバーを別に設ける必要がない。
【0017】
本発明の電子機器の筐体構造は、下面板の前部に、長孔と前記長孔より分岐された複数の鍵穴状係止孔とからなるケーブル固定孔が左右方向に間隔を存して複数個所形成されたケーブル固定部を延設したものである。
【0018】
前記構成により、固定するケーブルの径や本数に応じて結束バンドを挿通する係止孔を選択することにより、径の異なるケーブルや複数のケーブルが容易かつ整然と固定できるため、筐体内に配線されたケーブルや、筐体内に引き込んだケーブルが多数あっても手際よく整理整頓することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電子機器の筐体構造によれば、本体ケースが1枚の金属板により形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上、作業者の熟練度により組み立てられた製品の品質にバラツキが生じることが少なくなるため、品質の安定した電子機器の筐体が安価に得られるようになると共に、部品点数の削減により、部品を成形したり、組み立てが完了するまで部品を保管、管理するのに必要な工数も大幅に削減することができ、しかも、サブフレームも1枚の金属板により断面コ字状に形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上に、サブフレームが本体ケースの左右側面カバーの間に両端部に固着されるころにより本体ケースの強度や剛性が向上するため、ねじ止め個所や、溶接個所を多くして本体ケースの強度や剛性を上げる必要がなくなり、これによって組み立てに手間がかかる等の問題も解消することができると共に、本体ケースとサブフレームの相乗効果によりサブフレーム自体の剛性や寸法精度が上がるため、プリント基板の実装作業がスムーズに行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を電話交換装置の筐体構造に実施した実施の形態を、図面を参照して詳述する。
【0021】
図1は筐体本体の斜視図、図2は一部切欠斜視図、図3は筐体の分解斜視図、図4は本体ケース及びサブフレームの分解斜視図、図5はケーブル固定部の斜視図、図6はケーブル固定部にケーブルを固定した状態の斜視図、図7はサブフレームの下面板の平面図、図8及び図9はプリント基板を外す際の作用説明図、図10はケーブル固定部の平面図、図11はケーブルを固定する際の作用説明図、図12及び図13はサブフレームを折り曲げ加工する際の作用説明図である。
【0022】
図1に示す電子機器の筐体本体1は、平面がほぼコ字形の本体ケース2と、本体ケース2内に設けたられた側面ほぼコ字形のサブフレーム3と、本体ケース2の上面を覆う上面カバー4と、本体ケース2の底部に設けられた底板5と、筐体本体1の前面開口を覆う前面カバー6とから構成されている。
【0023】
本体ケース2は図1ないし図4に示すように、1枚の金属板を折り曲げることにより、左右側面カバー2aと、左右側面カバー2aの後端縁間に連設された後面カバー2bとが一体に形成されていて、左右側面カバー2aの上縁部に、上面カバー4を取り付けるための複数の取り付け片2cが折り曲げ形成されており、各取り付け片2cに、上面カバー5を固定するビス等の固着具9を螺挿するためのねじ孔2dが穿設されている。
【0024】
左右側面カバー2aの下縁部には複数の取り付け片2eが折り曲げ形成されていて、各取り付け片2eに筐体本体1を床面等に固定する際アンカボルト等の固着具(図示せず)を挿通するためのほぼダルマ状の取り付け孔2fが穿設されており、左右側面カバー2a及び後面カバー2bの上部と中間部よりやや下側部分には、多数の透孔よりなる通気孔2pが形成されていて、これら通気孔2pにより筐体本体1内へ換気が行えるようになっている。
【0025】
左右側面カバー2aの前縁には、断面がほぼコ字形をなすチャンネル状の補強部2gが縦方向に折り曲げ形成されていて、各補強部2gの前面を除く2面には、図5に示すように複数のケーブル固定孔2hが縦方向に等間隔に穿設されており、これらケーブル固定孔2hにケーブル8を固定する結束バンド7が挿通できるようになっていると共に、補強部2gの上端部には、前面カバー6の上部を固着具9により固定するためのねじ孔2jが穿設され、補強部2gの下部には、前面カバー6の下部を係止するフック状の係止爪2kが突設されている。
【0026】
前面カバー6は、本体ケース2の後面カバー2bとほぼ同じ大きさに形成されていて、周縁部を直角に折り曲げることによりフランジ部6aが形成されており、このフランジ部6aは、前面カバー6を図1に示すように筐体本体1の前面開口に取り付けた際補強部2gを外側から覆えることができる幅となっていて、補強部2gが外部に露出しないようになっている。
【0027】
前面カバー6の下部には、電源ユニット10の前面パネル10aに設けられた電源スイッチ10cを操作するための操作窓6bが形成されている。
【0028】
電源ユニット10は図3に示すように、上面と後面が開口したケース10bを有していて、筐体本体1の前面開口より底板5上へ挿脱できるようになっており、底板5の上面には、電源ユニット10を所定の位置へガイドする一対の電源ガイド5aが切り越し形成されていて、各電源ガイド5aの後端部には、ケース10bの後端部を係止する係止爪5bが突設されていると共に、前面パネル10aの下部に突設された舌片部10dには取り付け孔10eが穿設されていて、取り付け孔10eに挿入した固着具9を底板5の前縁に形成されたねじ孔5cに螺挿することにより、固着具9と係止爪5bにより底板5に電源ユニット10が固定できるようになっている。
【0029】
底板5の両側縁と後縁には溶接代5dが折り曲げ形成されていて、これら溶接代5dに本体ケース2の左右側面カバー2aと後面カバー2bの下部内面が当接された状態で両者の間がスポット溶接されており、底板5の一部には、外部よりケーブル8を引き込んだり、筐体本体1内よりケーブル8を引き出す際に開口するケーブル引き込み口5eが格子状のスリットにより形成されている。
【0030】
一方本体ケース2の前側上部間には、左右側面カバー2aの口開きを防止すると同時に、本体ケース2の横剛性を向上させる補強ビーム12が横架されている。
【0031】
補強ビーム12は、例えばアングル材により全体が形成されていて、両端部に溶接代12bが下方に向けて突設されており、各溶接代12bは補強部2gの後側で左右側面カバー2aの上部内面にスポット溶接されていると共に、補強ビーム12の前面には、サブフレーム3内に実装されたプリント基板13を固定するための固着具(図示せず)挿入する複数の取り付け孔12cがプリント基板13と同じ間隔で穿設されている。
【0032】
サブフレーム3は、本体ケース2の剛性を高める機能と、内部にプリント基板13を実装する機能を有していて、図4に示すように1枚の金属板を折り曲げ成形することにより上面板3aと下面板3b及び上下面板3a,3bの後端縁に連設された後面板3cが一体に形成された断面がほぼコ字形となっている。
【0033】
またサブフレーム3は図12に示すように、プレスブレーキ(折り曲げ機)を使用して複数工程で折り曲げ成形するが、プレスブレーキに取り付けられた上型15と下型16の間でまず上面板3aと後面板3cの間を直角に折り曲げた後、後面板3cと下面板3bの間を折り曲げる場合、上面板3aと下面板3bの前後方向の幅が同一だと、図12の仮想線で示すように先に折り曲げた上面板3aの前端縁が上型15と干渉して、後面板3bと下面板3bとの間を直角に折り曲げることができなくなる。
【0034】
これを防止するため実施の形態では、予め上面板3aの前後方向の幅を下面板3bの前後方向の幅より狭くしている。
【0035】
これによって後面板3cと下面板3bの間を直角に折り曲げても、図13の実線で示すように先に折り曲げた上面板3aの前端縁が上型15と干渉することがなくなると共に、後面板3cと下面板3bの間を直角に折り曲げることによって上下面板3a,3b間の間隔精度が向上するため、プリント基板13の実装作業がスムーズに行えるようになる。
【0036】
サブフレーム3の上下面板3a,3bの両端部には溶接代3dが折り曲げ形成されていて、これら溶接代3dを本体ケース2の左右側面カバー2aの内面スポット溶接することにより、本体ケース2内にサブフレーム3が固着されていると共に、サブフレーム3の上面板3aと下面板3bの対向面には、プリント基板13の上下縁をガイドするガイドレール3eが切り起こし形成されている。
【0037】
これらガイドレール3eは、図7に示すようにプリント基板13の挿入方向に沿い、かつ左右方向に間隔を存して複数列突設されており、各ガイドレール3eをさらに前後方向に複数段に分断することにより、前後方向の幅が異なるプリント基板13にも対応できるようになっている。
【0038】
前後方向に分断されたガイドレール3eのうち、前段と中段に位置するガイドレール13eの前端部近傍には、プリント基板13を脱着する際にプリント基板脱着治具17の支点となる支点受け部3f,3gが形成されている。
【0039】
プリント基板脱着治具17は、先端側の角部に突起17aが突設され、かつ反対側の角部が支点部17bとなっており、基端側には把握部17cが形成されていて、電源ユニット10の前面パネル10a近傍に図2に示すように着脱自在に取り付けられており、プリント基板13を脱着する際に取り外して使用できるようになっている。
【0040】
前段のガイドレール3eの近傍に設けられた支点受け部3fは、図8に示すように角孔より形成されていて、プリント基板脱着治具17の先端に突設された突起17aをプリント基板13の下側角部に形成された係止孔13aに挿入した状態で、支点部17bをこの支点受け部3fに図8に示すように係合し、基端部側の把持部17cを矢印方向へこじることにより、幅の広いプリント基板13が簡単に外せるようになっている。
【0041】
中段のガイドレール3eの近傍に設けられた支点受け部3gは、図9に示すように下面板3bの上面に突設された突出部より形成されていて、プリント基板脱着治具17の先端に突設された突起17aをプリント基板13の下側角部に形成された係止孔13aに挿入した状態で、支点部17bをこの支点受け部3gに図9に示すように係合し、基端部側の把持部17cを矢印方向へこじることにより、幅の広いプリント基板13の間に幅の狭いプリント基板13が実装されていて、プリント基板13まで手が入らない場合でも、幅の狭いプリント基板13が簡単に外せるようになっている。
【0042】
サブフレーム3の後面板3cには、前面に複数のブラケット19が上下方向に間隔を存して固着されている。
【0043】
これらブラケット19はマザーボード20を取り付けもので、下段のブラケット19には、マザーボード20の下縁に突設された突出部20aが嵌合するスリット19aが形成されている。
【0044】
上段のブラケット19には、舌片状の固定爪19bが切り起こし形成されていて、この固定爪19bを下方向へ折り曲げることにより、マザーボード20の上縁部が係止できるようになっている。
【0045】
マザーボード20は、前面側に複数のコネクタ21がガイドレール3eと同じ配列で縦方向に取り付けられていて、ガイドレール3eに沿ってサブフレーム3内に実装されたプリント基板13のコネクタ22が着脱自在に嵌合されることにより、プリント基板13とマザーボード20が電気的に接続されるようになっている。
【0046】
一方サブフレーム3の上面板3aの前縁には、上方向へほぼ直角に折り曲げることにより前縁部13mが形成されており、前縁部13mの両端部はさらに後方へ折り曲げられて溶接代3nが形成されていて、これら溶接代3nは左右側面カバー3aの内面にスポット溶接されている。
【0047】
サブフレーム3の下面板3bの前縁には、段部3pを介して板状のケーブル固定部3qが延設されている。
【0048】
ケーブル固定部3qには図10に示すように、複数のケーブル固定孔3rが左右方向に間隔を存して形成されている。
【0049】
ケーブル固定孔3rは、前後方向に長い長孔3sと、長孔3sより分岐された複数の鍵穴状係止孔3tとから形成されていて、固定するケーブル8の径や、固定するケーブル8の本数に応じて選択的に係止孔3rに結束バンド7を図11に示すように挿入することにより、固定するケーブル8の径や、固定するケーブル8の本数が変わっても、これらケーブル8を容易かつ確実に固定できるようになっている。
【0050】
次に前記構成された筐体本体1を組み立てる際の作用を説明する。
【0051】
本体ケース2とサブフレーム3は、プレスブレーキを使用して別個に折り曲げ成形されており、サブフレーム3は上面板3aと下面板3bの間隔が狭いため、プレスブレーキにより成形する際、一部が上型と干渉して成形が困難となることから、予め上面板3aの前後方向の幅を下面板3bより狭くしているが、本体ケース2は、左右側面カバー2aの間隔が広いことから、このような問題は生じることがない。
【0052】
本体ケース2とサブフレーム3を別個に成形したら、底板5の溶接代5dに本体ケース2の下部を当接して、両者をスポット溶接することにより本体ケース2と底板5を一体化し、その後本体ケース2の左右側面カバー2a間にサブフレーム3を図2に示すように収容して、サブフレーム3両端の溶接代3dを左右側面カバー2aの内面にスポット溶接することにより、本体ケース2とサブフレーム3を一体化するもので、本体ケース2が平面ほぼコ字形に形成されているのに対してサブフレーム3は縦断面がほぼコ字形に形成されていて、左右側面カバー2aの間をサブフレーム3が互いに連結一体化する構造のため、1枚の金属板を平面ほぼコ字形に折り曲げ成形した本体ケース2であっても、本体ケース2の強度や剛性を飛躍的に向上させることができる。
【0053】
その後、左右側面カバー2aの前縁に形成されたチャンネル状補強部2gの後側において、補強ビーム12の両端部に形成された溶接代12bを左右側面カバー2aの内面に当接し、両者をスポット溶接するもので、サブフレーム3の上面板3aの幅を狭くしたため、上面板3aの前縁が左右側面カバー2aの前縁より後退した位置にあっても、補強ビーム12を設けることにより左右側面フレーム2aの剛性が増す上、左右側面フレーム2aの口開きが防止されるため、本体ケース2の前面に前面カバー6を取り付ける際、補強部2gの上部に設けられたねじ孔と前面カバー6の上部に設けられた取り付け孔6aの位置ずれがなくなり、これによって前面カバー6の取り付けが容易に行えるようになる。
【0054】
補強ビーム12を取り付けた後、サブフレーム3の上面を上面カバー6により覆って、上面カバー6の前部と後部を固着具9により本体ケース2に固着することにより、筐体本体1を組み立てたら、筐体本体1の前面開口よりマザーボード20を図2に示すように挿入して、マザーボード20の下縁に突設された突出部20aを下段のブラケット19に形成されたスリット19aに嵌合し、この状態でマザーボード20の上縁側を上段のブラケット19より切り起こし形成された固定爪19bの先端を下方へ折り曲げて、固定爪19bによりマザーボード20の上縁部を係止するもので、これによって上下段のブラケット19の間にマザーボード20を確実に固定することができる。
【0055】
マザーボード20の取り付けが完了したら、底板5の上面に切り起し形成された電源ガイド5aにガイドさせて電源ユニット10を底板5上の所定位置に実装し、電源ガイド5aに形成された係止爪5bに電源ユニット10のケース10bを係止すると共に、電源ユニット10の前面パネル10aより突設された舌片部10dの取り付け孔10eより挿入した固着具9底板5前縁のねじ孔5cに螺挿して電源ユニット10を底板5に固定する。
【0056】
次に筐体本体1の前面開口より必要な枚数のプリント基板13を、サブフレーム3の上面板3aと下面板3bの対向面に形成されたガイドレール5eにガイドさせて図2に示すように押し込むと、プリント基板13の先端に設けられたコネクタ22がマザーボード20のコネクタ21に嵌合されて、プリント基板13とマザーボード20に電気的に接続される。
【0057】
以上のようにして電源ユニット10及びプリント基板13の実装が完了したら、筐体本体1の前方より前面カバー6を図1に示すように嵌装して、本体ケース4の補強部2gより突設された係止片2kに前面カバー6の下部を係止した状態で、前面カバー6の上部に形成された取り付け孔6aより挿入した固着具9を補強部2gの上部に形成されたねじ孔2jに螺挿して、筐体本体1の前面開口を前面カバー6で覆うもので、筐体本体1の主要部が本体ケース2とサブフレーム3とから構成され、本体ケース2の底部に底板5が一体化された上、左右側面カバー2aの前縁に形成された補強部2gの上部が補強ビーム12により連結された構造となるため、少ない部品点数で強度及び剛性の高い筐体構造が容易に得られるようになる。
【0058】
また筐体本体1を床面等に設置して使用する場合は、前面カバー6を取り外した状態で底板5をアンカボルト等の固着手段により床面等に固定した後、必要な配線を行う。
【0059】
外部からケーブル8を引き込んだり、筐体本体1内よりケーブル8を引き出す場合は、本体ケース2の左右側面カバー2aに形成されたケーブル引き込み口2iや、底板5のケーブル引き込み口5eを打ち抜いて開口させ、このケーブル引き込み口2i,5eよりケーブル8を筐体本体1内に引き込んだり、筐体内本体1内よりケーブル8を引き出して配線を行うもので、必要な配線が終了したら、筐体本体1内のケーブル8を次のように固定する。
【0060】
筐体本体1内を縦方向に配線されたケーブル8は一纏めにして、補強部2gの取り付け孔2hに挿入した結束バンド7により図6に示すように補強部2gに沿って結束固定し、筐体本体1内を横方向に配線されたケーブル8は、径や本数に応じてケーブル固定部3qの係止孔3tに図11に示すように挿入した結束バンド7により固定するもので、固定するケーブル8の径や本数に応じて結束バンド7を挿通する係止孔3tを、例えば一つ飛びのように選択することにより、径の異なるケーブル8や複数のケーブル8が図10に示すように整然と固定できるため、筐体本体1内に配線されたケーブル8や、筐体本体1内に引き込んだケーブル8が多数あっても、これらケーブル8を手際よく整理整頓することができる。
【0061】
一方サブフレーム3内に実装されたプリント基板13を交換したり、不要となったためにプリント基板13を取り外す場合は、電源ユニット10の前面パネル10a近傍に保管されているプリント基板脱着治具17を取り出して、先端部の突起17aを取り外すべきプリント基板13の係止孔13aに図8に示すように挿入し、支点部17bを支点受け部3fに係止する。そしてこの状態で基端側の把持部17cを矢印方向へこじることにより、プリント基板13側のコネクタ22をマザーボード20側のコネクタ21より抜き出すもので、プリンと基板脱着工具17を使用することにより、プリント基板13を簡単に取り外すことができる。
【0062】
またプリント基板13によっては、電子部品の実装数が少ないためプリント基板13のコストを下げるために、前後方向の幅を狭くしたものがあり、このようなプリント基板13が幅の広いプリント基板13の間に実装されていると、両側の幅の広いプリント基板13により邪魔されて、手が幅の狭いプリント基板13にまで届かないことがある。
【0063】
このような場合は、プリント基板脱着治具17の先端を幅の広いプリント基板13の間に挿入して、図9に示すように先端部の突起17aを幅の狭いプリント基板13の係止孔13aに挿入し、支点部17bを支点受け部3gに係止する。そしてこの状態で基端側の把持部17cを矢印方向へこじることにより、プリント基板13側のコネクタ22をマザーボード20側のコネクタ21より抜き出すもので、手の入らない位置に実装された幅の狭いプリント基板13であっても、簡単に取り外すことができるようになる。
【0064】
なお前記実施の形態では、本体ケース2とサブフレーム3や底板5の固着、本体ケース2と補強ビーム12等の固着をスポット溶接により行うようにしたが、ビス等の固着具により固着してもよく、スポット溶接と固着具を併用してもよい。
【0065】
また電話交換装置の筐体に実施した例について説明したが、筐体を使用している電子機器全般に適用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の電子機器の筐体構造は、本体ケースが1枚の金属板により形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上、作業者の熟練度により組み立てられた製品の品質にバラツキが生じることが少なくなるため、品質の安定した電子機器の筐体が安価に得られるようになると共に、部品点数の削減により、部品を成形したり、組み立てが完了するまで部品を保管、管理するのに必要な工数も大幅に削減することができ、しかも、サブフレームも1枚の金属板により断面コ字状に形成できるため、部品点数及び組み立て工数の削減が図れる上に、サブフレームが本体ケースの左右側面カバーの間に両端部に固着されるころにより本体ケースの強度や剛性が向上するため、ねじ止め個所や、溶接個所を多くして本体ケースの強度や剛性を上げる必要がなくなり、これによって組み立てに手間がかかる等の問題も解消することができると共に、本体ケースとサブフレームの相乗効果によりサブフレーム自体の剛性や寸法精度が上がるため、プリント基板の実装作業がスムーズに行えるようになるため、情報通信を行う電話交換装置のような電子機器の筐体構造等に最適である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造を示す一部切欠斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造を示す本体ケースとサブフレームの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のケーブル固定部の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のケーブル固定部の作用説明図である。
【図7】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のサブフレームの下面板の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のサブフレームに実装されたプリント基板を取り外す際の作用説明図である。
【図9】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のサブフレームに実装されたプリント基板を取り外す際の作用説明図である。
【図10】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のケーブル固定部の平面図である。
【図11】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のケーブル固定部の作用説明図である。
【図12】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のサブフレームを成形する際の作用説明図である。
【図13】本発明の実施の形態になる電子機器の筐体構造のサブフレームを成形する際の作用説明図である。
【符号の説明】
【0068】
1 筐体本体
2 本体ケース
2a 左右側面カバー
2b 後面カバー
2g 補強部
2h 取り付け孔
3 サブフレーム
3a 上面板
3b 下面板
3c 後面板
3q ケーブル固定部
3r ケーブル固定孔
3s 長孔
3t 係止孔
4 上面カバー
5 底板
6 前面カバー
7 結束バンド
8 ケーブル
12 補強ビーム
【出願人】 【識別番号】000153465
【氏名又は名称】株式会社日立コミュニケーションテクノロジー
【住所又は居所】東京都品川区南大井六丁目26番3号
【出願日】 平成16年10月15日(2004.10.15)
【代理人】 【識別番号】100083954
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 輝夫

【公開番号】 特開2006−114728(P2006−114728A)
【公開日】 平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願番号】 特願2004−301205(P2004−301205)