トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 巻付け式配線を備えた高密度パッケージ
【発明者】 【氏名】ウィリアム・エドワード・バーディック・ジュニア

【氏名】ジェイムズ・ウィルソン・ローズ

【氏名】マイケル・アンソニー・ラムジイ

【要約】 【課題】基材に貫入せずに配線を互いに密に近接して設けた(約50ミクロン以下)高密度配線システムを提供する革新的パッケージ手法を提供する。

【解決手段】高密度電気配線システム(10)が、少なくとも1個の基材片(12)と、基材片の第一の表面(16)から基材片の第二の表面(18)まで延在する可撓性巻付け式配線アセンブリ(14)とを有し、可撓性巻付け式配線は基材片の外面の周囲に配設される。本発明の第二の実施形態は、複数の基材と、これら複数の基材のそれぞれの第一の表面からこれら複数の基材のそれぞれの第二の表面まで延在する可撓性巻付け式配線と、を備えた高密度電気配線システムを有するアレイを提供するものであり、可撓性巻付け式配線は、上述の複数の基材の外面の周囲に配設される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1個の基材片(12)と、
(b)該基材片(12)の第一の表面(16)から該基材片(12)の第二の表面(18)まで延在する可撓性巻付け式配線アセンブリ(14)と、
を備えた高密度電気配線システム(10)であって、
前記可撓性巻付け式配線(14)は前記基材片の外面の周囲に配設されている、
高密度電気配線システム(10)。
【請求項2】
前記可撓性巻付け式配線(14)は、前記基材片(12)への物理的貫入なしに前記基材片の第一の表面(16)から前記基材片の第二の表面(18)まで延在する、請求項1に記載の高密度電気配線システム(10)。
【請求項3】
前記基材片(12)は選択された物理的特性を有し、また少なくとも1個の付加的な基材片に結合されるように構成されている、請求項1に記載の高密度電気配線システム(10)。
【請求項4】
結合されるように構成されている前記基材片(12)は、さねはぎ(22)、あり継ぎ、重ね継ぎ、玉継手、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される結合機構を含んでいる、請求項3に記載の高密度電気配線システム(10)。
【請求項5】
前記巻付け式配線(14)は、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、Ultem(登録商標)ポリエーテルイミド、可撓性プリント回路、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるアセンブリ基層材料をさらに含んでいる、請求項1に記載の高密度電気配線システム(10)。
【請求項6】
前記巻付け式配線アセンブリ(14)は、前記配線アセンブリ基層材料(15)に配設された複数の導電性要素(13)を含んでいる、請求項1に記載の高密度電気配線システム(10)。
【請求項7】
前記導電性要素(13)は、金属はんだトレース、ナノワイヤ、導電性ポリマーのリボン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでいる、請求項6に記載の高密度電気配線システム(10)。
【請求項8】
(a)複数の基材片(12)と、
(b)該複数の基材片のそれぞれの第一の表面(19)から該複数の基材片のそれぞれ第二の表面(21)まで延在する可撓性巻付け式配線アセンブリ(14)と、
を備えた高密度電気配線システム(10)を有するアレイ(40)であって、
前記可撓性巻付け式配線は、前記複数の基材片の外面の周囲に配設されている、
アレイ(40)。
【請求項9】
前記巻付け式配線アセンブリ(14)は、前記複数の基材の前記それぞれへの物理的貫入なしに前記複数の基材片のそれぞれの第一の表面(19)から前記複数の基材片のそれぞれの第二の表面(21)まで延在する、請求項8に記載のアレイ(40)。
【請求項10】
前記高密度電気配線システム(14)は、キャパシタンス、インピーダンス、抵抗、半導電性、誘電率、及びこれらの組み合わせの少なくとも一つのを含む電気的特性を有する、請求項8に記載のアレイ(40)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度電子配線(interconnect)システムについて設計された予め決定された電気的特性に従って支持基材の物理的特性を選択した高密度電子配線システムに関する。さらに具体的には、本発明は、選択された物理的特性を有する基材を基盤とする可撓性電気配線に関する。
【背景技術】
【0002】
超小型化技術及び超小型電子技術における発展の結果、電子部品は微視的な電気的領域に跨がって互いに対して高速に相互作用し、連絡し合い、応答し合わなければならなくなった。ボール格子端子型アレイ(BGA)技術は単位面積当たり高密度の配線を提供するが、セラミック、シリコン又はポリマーのBGA基材とプリント回路基板とを接合するときに熱膨脹率(CTE)の不一致が生じ、特に基材の大きさが大きくなり、また温度範囲が上昇すると、しばしば接合部に亀裂が生ずる。加えて、配線は約50ミクロン未満のピッチ(すなわち隣接する2本の配線の間の最短距離)には設計することができない。極く微細なピッチでは、実際的な考慮点から、配線は基材芯を通ることができない。
【特許文献1】米国特許第6671948号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、基材に貫入せずに配線を基材の表面の上に又は表面を横断して配置した高密度配線システムを提供することのできる革新的パッケージ手法が必要とされる。また、配線を互いに極く近接して設けて約50ミクロン以下のピッチを提供することが望ましい。また、基材の物理的特性を、他の規準の中でもキャパシタンス、誘電率及びインピーダンスの予め決定された電気的要件に従って選択することが望ましい。また、隣り合う基材の間の隙間を最小にするか又はなくした状態で基材を互いに結合するように構成し、これにより可撓性配線の高密度パッケージ・システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、少なくとも1個の基材と、基材の第一の表面から基材の第二の表面まで延在する可撓性巻付け式(wrap-around)配線と、を備えた高密度電気配線システムを提供し、可撓性巻付け式配線は基材の外面の周囲に配設される。
【0005】
本発明の第二の実施形態は、複数の基材と、これら複数の基材のそれぞれの第一の表面からこれら複数の基材のそれぞれの第二の表面まで延在する可撓性巻付け式配線と、を備えた高密度電気配線システムを有するアレイを提供するものであり、可撓性巻付け式配線は、上述の複数の基材の外面の周囲に配設される。
【0006】
本発明のこれらの及び他の実施形態、観点、利点及び顕著な特徴は、以下の詳細な説明、添付図面及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0007】
以下で図面を参照するが、図面では類似の構成要素は類似の参照番号で示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の説明では、各図面全体を通じて類似の参照符号は類似の部材又は対応する部材を表わす。また、「上部」、「下部」、「前部」、「後部」等の用語は本発明を図面に関して説明するために便宜的に用いられる語であり、限定のための用語であるとか、本発明に従って行なわれる装置の特定の配向を指定するものであると解釈すべきでないことを理解されたい。
【0009】
全体的に図面を参照し、特に図1を参照して述べるが、図面は本発明の好適実施形態を説明する目的のものであって本発明を限定するものではないことが理解されよう。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、高密度電気配線システム10が、少なくとも1個の基材片12と、基材12の第一の表面16から基材の第二の表面18まで延在する可撓性巻付け式配線アセンブリ14とを含んでおり、可撓性巻付け式配線アセンブリ14は基材12の外面の周囲に配設されるようになっている。本書で用いる「外面」との用語は、基材12の外側の面を指し、すなわち基材の上面、下面又は側面を指す。限定としてではなく例として述べると、図1では第一の表面16を基材の下部外面、第二の表面18を上部外面と識別することができる。同様に、側面17も基材12の外面である。本書で用いる「可撓性」との用語は、配線アセンブリ14が配設される基材外面の輪郭に馴染むように配線アセンブリ14を基材12の1又は複数の外面の周囲に配設し得る能力を指す。このようなものとして、配線アセンブリ14は、該アセンブリ14が配設される基材表面の周囲に巻き付けられるように配設される。可撓性巻付け式配線14は、複数の導電体要素13と、該要素13を埋め込む基礎構造材料15とを含んでおり(後に詳述する)、配線アセンブリ14は、基材12の外面を横断して延在することにより、基材12の第一の表面16の少なくとも1個の第一の接点(図1には示されていない)から基材12の第二の表面18の少なくとも1個の第二の接点26まで延在する。図示の便宜上、図1では導電性要素13及び基礎構造材料15を、配線アセンブリ14の基材側面17に沿って配設されている部分でのみ示しているが、かかる構造は、第一の表面16及び第二の表面18を横断してさらに延在しており、基材12の第一及び第二の表面に配設された接点26のそれぞれに導電性要素のそれぞれが電気的に結合されるようにしていることを理解されたい。フォトダイオード又はセンサ等のような能動素子(図示されていない)が典型的には、基材12の表面18に配設されている配線14表面に配設される。当業者には、かかる能動素子が、可撓性配線14の接点26に電気的に結合されるように配設された複数の電気的接点24(図1では破線で示す)を有することが理解されよう。このように、可撓性配線14は、能動素子接点24との間の電気的経路を、導電性要素13を介して基材の第一の表面16に配設されている配線14の部分まで提供し、次いで、配線14のこの部分からの電気的接続を基材構造を超えて他の素子又はコンジットまで設けることができる。
【0011】
本発明の一実施形態では、可撓性巻付け式配線アセンブリ14は、基材12への物理的貫入なしに基材12の第一の表面16から基材12の第二の表面18まで延在する。本書で用いる「基材12への物理的貫入なしに」との表現は、可撓性巻付け式配線アセンブリ14が、基材12の本体を通ったり、又は第一の表面16と第二の表面18との間を直接繋ぐ基材を貫通したチャネルのような基材12の本体内部の通路を通ったりせずに、基材の外面に沿って実質的に配置されていることを指す。このように、基材12の外面の周囲での配線アセンブリ14の配置によって、基材12の構造的保全性が損なわれたり減じたりすることがなくなり、また製造し易さが高まる。典型的には、可撓性巻付け式配線14は、1又は複数の基材表面に塗布される接着剤によって基材12に機械的に定着されて、これにより配線アセンブリの滑り又はずれを防ぐ。
【0012】
基材12は望ましくは、所期の目的及び組立て後の装置の動作条件に適した選択された物理的特性を有し、さらに、少なくとも1個の付加的な基材に結合されるように構成される。加えて、配線システムの電気的特性は一般的には、電気回路を支持する基材の機械的特性に密接に関係する。例えば、基材材料の選択によって電気的キャパシタンス、インピーダンス、抵抗、半導電性、誘電率のような特性が決まり、これらの特性を単独で又は組み合わせて組立て後の装置の電気的性能を実現することができる。本発明の結果として、基材12を形成する材料は、所望の機械的特性及び電気的特性の両方を与えるように選択することができ、基材12の本体を通る配線通路を穿孔する従来技術のアプローチによって求められる機械的強度の問題で制約されることがない。典型的に考えられる所望の機械的特性には、大きさ、形状、重量、寸法許容差、強度、厚み、熱伝導率、熱膨脹率、及びこれらの組み合わせがある。基材12は典型的には、立方体、台形断面又は矩形断面のような規則的な幾何学的輪郭を有する。幾つかの実施形態では、基材12は複雑な形状すなわち従来公知の幾何学では記述することのできない不規則な基材形状を有する。基材12は典型的には、機械加工、圧延、成形又は押出しされて機械的な枠組を形成し、この上に可撓性巻付け式配線アセンブリ14が配設される。基材材料は必要に応じて、パッケージ化後の装置の機械的、熱的及び電気的要件を支持するように選択される。可撓性巻付け式配線アセンブリ14は、基材の一面に配設された電気的接点26と基材の第二の表面との間、典型的には基材の両対向面の間に所望の電気的配線を設けるように作製される。
【0013】
基材片12のそれぞれは、隣接する基材片に結合されるように構成されていると望ましい。本書で用いる「〜に結合されるように構成される」との表現は、基材のそれぞれの基材片に設けられた構造要素が、隣り合った又は並設された基材同士をさねはぎ22(溝側部分は図2には示されていない)のように多様な機械的接合部を用いて構造的に互いに係合し又は連結し得ることを指す。あり継ぎ、重ね継ぎ、玉継手、及びこれらの組み合わせのような他の連結形式(図示されていない)も一般的に用いることができる。それぞれの基材片12は、共に結合されると所望の機械的強度及び寸法を与える基材アセンブリ20(図2)を形成するように組み合わされる。巻付け式配線アセンブリ14は典型的には、基材片が互いに対して緊密に嵌合して可撓性巻付け式配線14の如何なる部分も基材の結合面の間には配設されないようにして基材の非結合面に配設され、基材上に配設される電子部品の高密度パッケージを可能にするように基材片を緊密に組み立てることを可能にする。加えて、配線アセンブリ14は、組立て後の基材アセンブリ20(図2)の寸法に対応するような大きさに容易にすることができる。このように、配線アセンブリ14を基材アセンブリ20の第一の表面19に取り付けて、基材アセンブリの周囲に沿って基材アセンブリ20の第二の表面21まで配設する(図2の矢印23の方向)ことができる。
【0014】
本発明の一観点では、配線アセンブリ14を基材12の隣り合った各表面に配設する(図示されていない)。もう一つのさらに一般的な実施形態では、配線アセンブリ14を基材12の隣り合っていない各表面に跨がって配設する。基材12は典型的には、ガラス、セラミック、プラスチック、金属、紙、ポリマー、複合材、又はこれらの組み合わせのような材料を含んでいる。金属基材材料は一般的には、銅、アルミニウム、ニッケル、白金、金、銀、パラジウムの少なくとも一つ、及びこれらの組み合わせを含んでいる。
【0015】
可撓性巻付け式配線14は、基材12の外面の周囲に延在することにより、能動素子(図示されていない)の接点24に結合された基材12の第一の表面16の第一の接点端子26から基材12の第二の表面18の接点26まで延在する複数の導電体要素13を提供する。可撓性配線アセンブリ基層材料15は典型的には、Kapton(商標)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、Ultem(商標)ポリエーテルイミド、可撓性プリント回路、及びこれらの組み合わせの少なくとも一つを含んでいる。導電性要素13は典型的には、金属はんだトレース、ナノワイヤ、導電性ポリマーのリボン、及びこれらの組み合わせを含んでいる。導電性要素13のピッチ28(図1)は、一つの導電性要素と隣接する導電性要素との間の並進距離(例えば1本のナノワイヤと次のナノワイヤとの間の距離)を意味するものと理解される。従って、ピッチが小さいということは、配線が密に配置されていることを意味する。配線アセンブリ14は典型的には、約5ミクロン〜約50ミクロンのピッチを有する。
【0016】
本発明のもう一つの実施形態では、複数の基材12と、これら複数の基材12のそれぞれの第一の表面16からこれら複数の基材12のそれぞれの第二の表面18まで延在する可撓性巻付け式配線14とを備えた高密度電気配線システム10を有するアレイ40が提供され、可撓性巻付け式配線14は、これら複数の基材12の外面の周囲に配設される。例示的な図を図2に示す。
【0017】
本発明の一観点では、可撓性巻付け式配線14は、複数の基材12のそれぞれへの物理的貫入なしに、複数の基材12のそれぞれの第一の表面16から複数の基材12のそれぞれの第二の表面18まで延在する。本発明の第二の観点では、アレイ40は、医用撮像又は産業用撮像用のX線システム又は超音波システムに用いられ得るもののような放射線検出装置又はトランスデューサ等を含む。
【0018】
本発明に開示した可撓性巻付け式配線システムは、高密度タイル型センサ・アレイの製造を可能にする。
【0019】
説明の目的で典型的な実施形態について述べたが、以上の記載は本発明の範囲の制限と看做されるべきではない。従って、本発明の要旨及び範囲から逸脱しない様々な改変、適応構成及び代替構成が当業者には想到されよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の高密度電気配線システムの実施形態を示す模式図である。
【図2】高密度電気配線システムを有するアレイの実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0021】
10 高密度電気配線システム
12 基材片
13 導電体要素
14 巻付け式配線アセンブリ
15 基礎構造材料
16 第一の表面
17 側面
18 第二の表面
20 基材アセンブリ
21 第二の表面
22 さねはぎ
23 配線アセンブリの取付け方向
24 能動素子側接点
26 接点
28 導電性要素のピッチ
40 アレイ
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【公開番号】 特開2006−13509(P2006−13509A)
【公開日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願番号】 特願2005−182998(P2005−182998)