| 【発明の名称】 |
プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 哲司 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内
【氏名】田口 典幸 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内
【氏名】澤田 康志 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】被処理物に静電気が帯電するのを低減することができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】大気圧近傍の圧力下でプラズマ生成用ガスGを放電により活性化させてプラズマPを生成する。このプラズマPを被処理物Sに吹き付けるプラズマ処理装置に関する。複数の貫通孔2を設けた絶縁基材1と、貫通孔2内に放電を発生させる放電電極3、4とを備える。貫通孔2の一端側開口をプラズマ生成用ガスGが流入する流入口2aとして形成すると共に貫通孔2の他端側開口をプラズマPが流出する流出口2bとして形成する。誘電体で被覆された帯電防止電極5を流出口2bの周辺に設けると共に帯電防止電極5を接地する。流出口2bから吹出されるプラズマP中の荷電粒子が、両極性拡散の原理で、帯電防止電極5を被覆している誘電体表面に移動し、誘電体表面で再結合することによって、吹き出されたプラズマP中の荷電粒子密度が大幅に減少する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大気圧近傍の圧力下でプラズマ生成用ガスを放電により活性化させてプラズマを生成し、このプラズマを被処理物に吹き付けるプラズマ処理装置において、複数の貫通孔を設けた絶縁基材と、貫通孔内に放電を発生させる放電電極とを備え、貫通孔の一端側開口をプラズマ生成用ガスが流入する流入口として形成すると共に貫通孔の他端側開口をプラズマが流出する流出口として形成し、誘電体で被覆された帯電防止電極を流出口の周辺に設けると共に帯電防止電極を接地して成ることを特徴とするプラズマ処理装置。 【請求項2】 一対の放電電極を備え、両方の放電電極を中点接地して成ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。 【請求項3】 帯電防止電極を絶縁基材に埋設して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いてプラズマを被処理物に吹き付けてプラズマ処理を行なうことを特徴とするプラズマ処理方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離やエッチング、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、成膜、めっき前処理、コーティング前処理、各種材料・部品の表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、大気圧近傍の圧力下で被処理物をプラズマ処理することが行われている(例えば、特許文献1参照)。このようなプラズマ処理装置は、対向配置される一対の電極の間を放電空間として形成し、大気圧近傍の圧力下で放電空間にプラズマ生成用ガスを導入すると共に電極間に電圧を印加することによって、放電空間で放電を発生させてプラズマを生成し、このプラズマを放電空間から吹き出して被処理物に吹き付けることによって、プラズマ処理を行うものである。 【0003】 しかし、上記のプラズマ処理方法では、被処理物に吹き付けるプラズマ中には、放電空間で生成された荷電粒子(イオンや電子など)も含まれている。プラズマが放電空間から被処理物に到達するまでの間に、荷電粒子は再結合などによって、荷電粒子密度は減少するが、荷電粒子の種類によって、密度の減少度合いが違ってくる。そのため、放電空間ではほぼ電気的に中性であったものが、被処理物近傍では、電荷を帯びたプラズマとなってしまう。電荷を帯びたプラズマが被処理物に照射されるため、被処理物表面に電荷が帯電し、その結果として被処理物に静電気が帯電し、この静電気により被処理物が破損するという問題があった。特に、LCDやPDPパネルの電極を上記プラズマ放電処理方法でクリーニングすると、LCDやPDPパネルの回路が静電気により破損することがあった。 【特許文献1】特開平4−358076号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、被処理物に静電気が帯電するのを低減することができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明に係るプラズマ処理装置Aは、大気圧近傍の圧力下でプラズマ生成用ガスGを放電により活性化させてプラズマPを生成し、このプラズマPを被処理物Sに吹き付けるプラズマ処理装置において、複数の貫通孔2を設けた絶縁基材1と、貫通孔2内に放電を発生させる放電電極3、4とを備え、貫通孔2の一端側開口をプラズマ生成用ガスGが流入する流入口2aとして形成すると共に貫通孔2の他端側開口をプラズマPが流出する流出口2bとして形成し、誘電体で被覆された帯電防止電極5を流出口2bの周辺に設けると共に帯電防止電極5を接地して成ることを特徴とするものである。 【0006】 本発明にあっては、一対の放電電極3、4を備え、両方の放電電極3、4を中点接地することができる。 【0007】 また、本発明にあっては、帯電防止電極5を絶縁基材1に埋設することができる。 【0008】 本発明に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置Aを用いてプラズマPを被処理物Sに吹き付けてプラズマ処理を行なうことを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0009】 本発明にあっては、流出口2bの周辺に誘電体で被覆された帯電防止電極5を設けると共に帯電防止電極5を接地するので、流出口2bから吹出されるプラズマP中の荷電粒子が、両極性拡散の原理で、帯電防止電極5を被覆している誘電体表面に移動し、誘電体表面で再結合することによって、吹き出されたプラズマP中の荷電粒子密度が大幅に減少する。そのため、被処理物Sに到達する荷電粒子を減少させることができて、被処理物Sに静電気が帯電するのを低減することができるものであり、この結果、静電気に起因する被処理物Sの破損を少なくすることができるものである。 【0010】 また、両方の放電電極3、4を中点接地することにより、放電電極3、4と帯電防止電極5との間で放電が発生しにくくすることができ、放電電極3、4に帯電防止電極5を近づけて配置することが可能となるものであり、この結果、被処理物Sに静電気が帯電するのをさらに低減することができるものである。 【0011】 また、帯電防止電極5を絶縁基材1に埋設することにより、帯電防止電極5を被覆する誘電体として絶縁基材1を利用することができ、帯電防止電極5を被覆する誘電体を絶縁基材1と別の部品で形成する必要が無くなって、製造工程の簡素化を図ることができるものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。 【0013】 図1に本発明のプラズマ処理装置Aの一例を示す。このプラズマ処理装置Aは、反応器R、電源6、搬送装置50などを備えて形成されている。 【0014】 反応器Rは絶縁基材1と放電電極3、4及び帯電防止電極5とを備えて形成されている。 【0015】 絶縁基材1は高融点の誘電体材料(絶縁材料)で形成されており、例えば、石英ガラス、アルミナ、ジルコニア、ムライト、窒化アルミニウムなどのような、高耐熱性、高強度のガラス質材料やセラミックスなどで形成することができるが、これらの材料に限定されるものではない。特に、高強度で安価なアルミナ等で形成することが好ましい。また、チタニア、チタン酸バリウムなどの高誘電材料を用いることもできる。絶縁基材1の形状は適宜設計されるが、平板状に形成することが好ましく、図示の絶縁基材1は平面視矩形状に形成されている。 【0016】 絶縁基材1には厚み方向(上下方向)に貫通する複数の貫通孔(スルーホール)2が形成されている。貫通孔2の上端は絶縁基材1の上面に流入口2aとして開口されており、貫通孔2の下端は絶縁基材1の下面に流出口2bとして開口されている。流入口2aと流出口2bの形状は任意であって、例えば、平面視で円形状に形成することができる。また、貫通孔2の寸法や隣り合う貫通孔2、2の間隔などは、貫通孔2内でプラズマ生成用ガスGが放電により高効率で活性化され、また、貫通孔2から吹き出されるプラズマP(活性化されたプラズマ生成用ガスG)が均一に噴射されるように、適宜設定すれば良いが、特に、その直径(内径)を0.01〜15mmの範囲に形成することが好ましく、また、隣り合う貫通孔2、2の間隔は0.03〜60mmの範囲に形成することが好ましい。例えば、小面積の被処理物Sに対するプラズマ処理を行う場合には、貫通孔2の径が小さくなるように形成することが好ましい。また、流入口2a及び流出口2bは絶縁基材1の表面において、二次元状に分散させて形成されており、これにより、プラズマ生成用ガスGの流量を抑制しつつ、広い面積にわたりプラズマPを均一に噴射させることができる。流入口2a及び流出口2bの配列は任意であって、例えば、平面視において平面正方格子状に配列し、且つ隣り合う貫通孔2、2の間隔を略等間隔となるように形成することができる。また、流入口2a及び流出口2bを平面視において平面最密六方格子状(千鳥状)に配列するように設けると、貫通孔2をより密に且つ均一に配置することができ、被処理物Sに対する表面処理を更に均一に行うことが可能となる。 【0017】 複数(一対)の放電電極3、4と帯電防止電極5は、銅、タングステン、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼などの導電性の金属材料を用いて形成することができるが、特に銅、タングステン等で形成することが好ましい。 【0018】 放電電極3,4及び帯電防止電極5は層状あるいは平板状に形成されるものであって、絶縁基材1の内部に埋設されている。また、放電電極3,4及び帯電防止電極5は互いに対向するようにして絶縁基材1の厚み方向(上下方向)に並んで配置されている。最も上側(流入口2a側)には一方の放電電極4が配設されており、その下側には他方の放電電極3が配設されており、さらに最も下側(流出口2b側)には帯電防止電極5が配設されている。すなわち、放電電極3,4及び帯電防止電極5は貫通孔2内を流通するプラズマ生成用ガスGの流通方向と平行な方向に並んで配置されており、上流側から放電電極4、放電電極3、帯電防止電極5の順で並んでいる。放電電極3,4は間隔をあけて配置されており、この放電電極3,4間には絶縁基材1を構成する誘電体材料が介在するようになっている。放電電極3,4の間隔は気体放電を安定に発生するために0.01〜5mmに設定するのが好ましい。 【0019】 図2に示すように、放電電極3,4には各貫通孔2と合致する位置に開口部8が形成されており、上下に対向する放電電極3の開口部8と放電電極4の開口部8とを貫通するように貫通孔2が形成されている。従って、各放電電極3,4の開口部8の周面(内面)を形成する面が放電面9として貫通孔2を取り囲むように形成されている。すなわち、各放電電極3,4は各貫通孔2ごとに独立して形成されているものではなく、連続した層状の放電電極3,4に形成された複数の開口部8の周面が各貫通孔2内において放電を発生させる放電面9として形成されている。また、各放電電極3,4の開口部8の直径は貫通孔2の直径よりも大きく形成されており、各放電電極3,4の開口部8の周面である放電面9はすべて絶縁基材1の内部に埋設されるようになっている。従って、各放電電極3,4の放電面9は貫通孔2内には露出しないように形成されており、放電電極3,4間に電圧が印加された際には、貫通孔2内では誘電体バリア放電が発生する。この場合、各放電電極3,4の放電面9が絶縁基材1を構成する誘電体材料によって保護されることとなり、特に、プラズマ生成用ガスG中に反応性ガスが含有されている場合でも放電電極3,4の損耗を防止することができる。また、放電電極3,4を露出させる場合では高電圧下においてアークが発生して放電が不安定になることがあるが、放電電極3,4を誘電体材料によって被覆することで、高電圧下におけるアーク放電の発生が抑制されて、安定した放電の維持が可能となる。絶縁基材1を構成する誘電体材料による各放電電極3,4の放電面9の被覆の厚みは適宜設定されるが、放電面9の表面を十分に保護すると共に良好な放電性を維持するためには、その厚みが0.01〜3mmの範囲であることが好ましい。 【0020】 また、図2に示すように、帯電防止電極5には各貫通孔2と合致する位置に開口部10が形成されている。従って、上下に対向する放電電極3の開口部8と放電電極4の開口部8と帯電防止電極5の開口部10を貫通するように貫通孔2が形成されている。ここで、帯電防止電極5の上面とその直上の放電電極3の下面との距離(間隔)xは0.5〜5mmにするのが好ましい。距離xが0.5mmよりも短くなると、放電電極3、4と帯電防止電極5との間で放電が生じてしまい、本発明の効果が得られなくなる恐れがある。また、距離xが5mmよりも長くなると、プラズマ発生部分(後述の放電空間)と被処理物Sとの距離が遠くなるため、プラズマ処理性能が低下してしまう恐れがある。また、貫通孔2の周面と帯電防止電極5の先端との距離yは0.1〜10mmにするのが好ましい。距離yが0.1mmよりも短くなると、距離xの場合と同様に、放電電極3、4と帯電防止電極5との間で放電が生じてしまい、本発明の効果が得られなくなる恐れがある。また、距離yが10mmよりも長くなると、帯電防止電極5による帯電量抑制効果が小さくなり、本発明の効果が得られなくなる恐れがある。尚、距離x、yは放電電極3、4間に印加する電圧や帯電防止電極5を被覆する誘電体の種類などによって、適宜調整可能であり、上記の範囲に限定されるものではない。 【0021】 上記の絶縁基材1と放電電極3,4及び帯電防止電極5の材質は、反応器Rの作製時やプラズマ処理時にかかる熱負荷による変形量の相違による破損を防止するために、線熱膨張率の差が小さいもの同士を適宜選択して用いることが好ましい。 【0022】 そして、図1に示すプラズマ処理装置Aは反応器Rを搬送装置50の上側に配置すると共に上側の放電電極4に電源6を電気的に接続し、さらに下側の放電電極3と帯電防止電極5とを接地(アース)することによって形成することができる。 【0023】 電源6は、放電電極3,4間に電圧を印加することにより貫通孔2内の放電電極3,4の間に形成される放電空間11で放電を発生させるためのものであり、例えば、放電電極3,4間に休止区間を持つパルス状の電圧が印加可能な電源6を用いることができる。搬送装置50としては複数本の回転駆動可能なローラ51を略水平に並べて形成することができるが、その他にXYテーブルやベルトコンベア等を採用することができる。 【0024】 図1に示すプラズマ処理装置Aを用いて被処理物Sにプラズマ処理を行なうにあたっては、次のようにして行なう。まず、電源6により放電電極3、4間に電圧を印加すると共に流入口2aから貫通孔2内にプラズマ生成用ガスGを供給する。これにより放電空間11に大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))で誘電体バリア放電を生じさせる。尚、誘電体バリア放電とは、対をなす(一対の)放電電極3、4の少なくとも一方の放電空間11側の表面を誘電体(絶縁基材1)で覆うことによって、放電電極3、4間で直接放電が起こらないようにした状態にし、この状態で放電電極3、4間に交番電圧などの電圧を印加することによって放電空間11で生じる放電現象である。 【0025】 上記のようにして放電空間11で誘電体バリア放電を発生させることによりプラズマ生成用ガスGがプラズマ化(活性化)されて放電空間11に活性種を含むプラズマPが生成される。また、放電空間11で生成されたプラズマPは貫通孔2内の導入口2aから連続して供給されるプラズマ生成用ガスGの圧力により下方に流されると共に貫通孔2の流出口2bから連続的に吹き出されるものである。そして、搬送装置50により被処理物Sを流出口2bからのプラズマPの吹き出し方向と直交する方向(水平方向)に略一定速度で搬送しながら流出口2bの下側を通過させ、流出口2bから吹き出されるプラズマPに被処理物Sを供給して暴露させることによって、被処理物Sにプラズマ処理を施すことができるものである。流出口2bと被処理物Sの表面との間の距離は、プラズマ生成用ガスGのガス流の流速、プラズマ生成用ガスGの種類、被処理物Sや表面処理の内容等によって適宜設定可能であるが、例えば、1〜30mmに設定することができる。また、被処理物Sの搬送速度は、例えば、10〜200mm/秒とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。 【0026】 上記のようにして貫通孔2におけるプラズマ生成用ガスGの流通方向と平行な方向に放電電極3,4を並べて設けると、図2に示すように、放電電極3,4間の電位差によって貫通孔2内に発生する電気力線(図中の矢印)は、プラズマ生成用ガスGの流通方向と略平行な方向となる。このとき、貫通孔2内の放電空間では、高密度のストリーマ放電を生成することができるため、この放電によって生成される活性種の密度を高めることができ、これによりプラズマ処理の効率を向上することが可能となる。特に図示の例では、放電電極3,4はその放電面9が共に貫通孔2を全周に亘り取り囲むように形成されているため、電気力線は貫通孔2内の全周に亘って発生し、これに応じて放電が貫通孔2内の内周全体に沿って発生し、このため、より高効率にプラズマを発生させることが可能となる。また、絶縁基材1の流出口2b側に配置される放電電極3を接地電極として形成すると、被処理物Sの表面処理の際に対となる放電電極3,4のうち被処理物S側に配置されるものが接地電極となることから、この放電電極3と被処理物Sとの間の電位差が大きくなることを抑制して放電電極3と被処理物Sとの間のアークの発生を防止することができ、被処理物Sに放電による損傷が発生しないようにすることができるものである。 【0027】 上記のプラズマ生成用ガスGとしては、希ガス、窒素、酸素、空気をそれぞれ単独で用いたりあるいは複数種を混合したりして用いることができる。空気としては、好ましくは水分を殆ど含まない乾燥空気を用いることができる。希ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮するとアルゴンを用いることが好ましい。また、希ガスや窒素に酸素、空気等の反応ガスを混合して使用することもできる。反応ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物Sの表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを行う場合には、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また、反応ガスとしてCF4、SF6、NF3などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンやレジストなどのエッチング、アッシングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また、金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。 【0028】 また、流入口2aから貫通孔2内に導入されたプラズマ生成用ガスGを活性化させるために電源6から放電電極3,4間に印加される電圧は、交番波形(交流波形)、パルス波形、或いはこれらの波形を重畳させた波形など、適宜の波形のものとすることができるが、特に、休止区間を持つパルス状の波形の電圧を印加することが好ましい。この場合、貫通孔2内における安定した高効率な放電発生を可能とすることができ、このとき、複数の各貫通孔2内において放電が発生されていないものが発生することを防止して、各貫通孔2での均一な放電を維持することを可能とすることができる。放電の均一化が維持されるのは、一部の貫通孔2内で偶発的に放電が発生しなくなっても、休止区間において各貫通孔2内における放電状態が一旦キャンセルされ、休止区間の終了により再び電圧が印加された際に均一な放電状態に復帰するためであると考えられる。図3,4,5は、休止区間を持つパルス状の電圧を印加する場合の電圧の波形の例を示すものであり、図3に示す例は休止区間を介して交番する矩形波、図4に示す例は一定の周期で、立ち上がり、減衰、休止を繰り返す振動波パルス、図5は矩形波と同様に一波長内に正のパルス電圧出力、休止、負のパルス電圧出力、休止を1サイクルとして繰り返す対称パルスである。図5の対称パルス波形では、放電形態は矩形波に近い状態を得ることができ、また低い電圧でスイッチングを行い、昇圧にはトランスを用いることができるため、電源6の構成は矩形波用のものに比べて簡略化することが可能である。また、放電空間11で気体放電を連続的に生成するのに必要な放電電極3,4間の電圧は貫通孔2の内径や対となる放電電極3,4間隔によって異なるので適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜30kVに設定することができる。また、電源6としてパルス状波形電源を用いた場合などでは、放電電極3,4間に印加される電圧波形の繰り返し周波数は1Hz〜200kHzに設定するのが好ましい。この周波数が1Hz未満であれば、放電空間での放電を安定化させることができなくなり、表面処理を効率よく行うことができなくなる恐れがある。また周波数が200kHzを超えると、放電空間での気体放電(プラズマ)の温度上昇が著しくなり、さらに一部の貫通孔2に放電が集中しやすくなるため、複数の貫通孔2内において均一に放電を発生させることが困難となる。 【0029】 また、電源6としてパルス状波形電源を用いる場合に、特に高効率で安定した放電を発生させるためには、電圧波形のデューティー比が0.01〜80%となるようにすることが好ましい。ここで、図3に示すような矩形状のパルス波におけるデューティー比は、一つのパルスの立ち上がりから立ち下がりまでの幅を一つのパルスの立上がりから休止区間を経て次のパルスの立ち上がりまでの幅で割ったものである。また、図4,5に示すような振動波パルスの場合は、パルスの一回目の立ち上がりと、二回目のパルスの立ち下がり波形の間の幅を、一回目のパルスの立上がりから減衰振動部および休止区間までを含む期間で割ったものである。 【0030】 このようなプラズマ生成用ガスGは、貫通孔2内の放電空間において放電電極3,4間の放電により活性化されるものであるが、このとき電源6により放電電極3,4間に高電圧を印加されることにより、放電空間11には電界が発生し、この電界の発生により大気圧下あるいはその近傍の圧力下で放電空間11に気体放電が発生すると共にこの気体放電によりプラズマ生成用ガスGが活性化(プラズマ化)されて放電空間に活性種(イオンやラジカル等)が生成されるものである。 【0031】 そして、本発明では、誘電体である絶縁基材1に被覆された状態で帯電防止電極5を放電電極3、4の下側において流出口2bの周辺に設け、この帯電防止電極5を接地するので、被処理物Sに静電気が帯電するのを低減することができる。この現象は以下のように説明することができる。すなわち、誘電体に被覆された帯電防止電極5を放電電極3、4の下側において流出口2bの周辺に設けて接地すると、流出口2bから吹出される直前にプラズマP中の荷電粒子が、両極性拡散の原理で帯電防止電極5を被覆している誘電体(絶縁基材1)表面に移動し、その誘電体表面で再結合することによって、流出口2bから吹き出されたプラズマP中の荷電粒子密度が大幅に減少する。そのため、被処理物Sに到達する荷電粒子を減少させることができて、被処理物Sに静電気が帯電するのを低減することができるものであり、この結果、静電気に起因する被処理物Sの破損を少なくすることができるものである。 【0032】 図6に他のプラズマ処理装置Aを示す。このプラズマ処理装置Aでは二つの電源6を用いて中点接地方式により放電電極3、4間に電圧を印加するものである。その他の構成は図1に示すものと同様である。このように放電電極3、4を中点接地することによって、両放電電極3,4とも接地に対して浮いた状態で電圧を印加することができる。従って、被処理物SとプラズマPとの電位差が小さくなってアークの発生を防止することができ、アークによる被処理物5の損傷を防ぐことができるものである。すなわち、上側の放電電極4を電源6に接続して13kVに、下側の放電電極3を接地して0kVとして放電電極3,4間の電位差を13kVにした場合、プラズマPと被処理物Sとの間に少なくとも数kVの電位差が生じ、これによるアークが発生する。一方、中点接地を用いた場合は接地に対して両方の放電電極3、4の電位の絶対値を同等にすることができ、すなわち、上側の放電電極4の電位を+6.5kVに、下側の放電電極3の電位を−6.5kVにして放電電極3,4間の電位差を13kVにすることができ、プラズマPと被処理物Sとの間の電位差がほとんど0Vになるものである。つまり、中点接地を用いない場合に比べて、中点接地を用いた場合は放電電極3,4間に同じ電位差が生じるにもかかわらず、プラズマPと被処理物Sとの間の電位差を小さくすることができ、プラズマPからの被処理物Sに対するアークの発生を防止することができるものである。 【0033】 しかも、放電電極3、4を上記のような中点接地することにより、被処理物Sに静電気が帯電するのをさらに低減することができるものである。この現象は以下のように説明することができる。中点接地を用いた電圧の印加方法では、一方の放電電極4に高電圧を印加すると共に他方の放電電極3を接地して電圧を印加する場合に比べて、放電電極3、4間の電圧が同等であるにもかかわらず、放電電極3、4と帯電防止電極5との電位差が小さくなり、放電電極3、4と帯電防止電極5との間でストリーマの発生や絶縁破壊(絶縁基材1のボイドや表面吸着に起因する絶縁破壊)による異常放電が発生しにくくなる。従って、放電電極3、4と帯電防止電極5との距離xを小さくすることができ、この結果、帯電防止電極5による上記静電気の帯電低減作用をより効果的に発揮させることができ、被処理物Sでの静電気の帯電をさらに低減できるのである。 【0034】 このプラズマ処理装置Aでは電源6、6により一方の放電電極3と他方の放電電極4のそれぞれに正負が交互に繰り返すパルス波電圧または休止区間のない交番電圧を同時に印加すると共に各放電電極3、4に印加された電圧の極性を互いに正負逆で位相を重複させることができる。ここで「パルス波電圧」とは、電圧のOFF時間が存在する波形の電圧と定義する。従って、電圧のOFF時間さえ存在すれば、電圧がONしている部分の波形はどのようなものでも良い。また、本発明において「休止区間のない交番電圧」とは、正弦波などに代表されるような波形の電圧であり、正弦波や三角波などが含まれる。 【0035】 図7(a)(b)には電源6、6から各放電電極3、4に印加される電圧の一例をタイムチャートで示す。一方の放電電極3に接続されている電源6からは図7(a)に示すような正負が交互に繰り返すパルス波形の電圧(VA+、VA−)が、他方の放電電極4に接続されている電源6からは図7(b)に示すような正負が交互に繰り返すパルス波形の電圧(VB+、VB−)がそれぞれ印加されるものであり、しかも、一方の放電電極3に印加された電圧と他方の放電電極4に印加された電圧とは極性を互いに正負逆で位相を重複させた状態で同時に印加されるものである。 【0036】 上記のような電源6、6を構成する電源装置としては、半導体高圧スイッチング方式のものやパルストランス方式のものなどを例示することができる。半導体高圧スイッチング方式の電源装置としては、正極性の直流高電圧を発生する正極性直流高電圧電源、負極性の直流高電圧を発生する負極性直流高電圧電源、及びトーテムポール形に接続した半導体スイッチング素子のオン・オフにより、正負の直流高電圧を極性が正負逆で位相が重複して正負がそれぞれ交互となる一対の高電圧のパルス電圧として放電電極3、4にそれぞれ同時に印加するためのインバータ回路などを備えて形成されているものを例示することができる。また、パルストランス方式の電源装置としては、直流電圧を発生する直流電源、トーテムポール形に接続した半導体スイッチング素子のオン・オフにより、直流電源からの直流電圧を極性が正負逆で位相が重複して正負がそれぞれ交互となる一対の高電圧のパルス電圧とするインバータ回路と、インバータ回路で発生した一対のパルス電圧を高電圧に昇圧して放電電極3、4にそれぞれ印加する一対のパルストランスなどを備えて形成されているものを例示することができる。 【0037】 尚、本発明において「位相が重複している」とは、図7に示すように、両放電電極3、4に同時に印加される電圧の位相が両放電電極3、4間で完全に一致して、両放電電極3、4間での波形の立ち上がり時点が時間軸上で同期している場合に限らず、図8に示すように、逆極性のパルスの立ち上がり時点は両放電電極3、4間でずれてはいるが、例えば、一方の放電電極3側で正の電圧が印加されているとき、他方の放電電極4側では負の電圧が同時に印加されていて、その電圧持続時間が時間軸上で部分的に重複している場合も含める意味である。 【0038】 また、パルス波形の電圧の代わりに、放電電極3、4に極性が正負逆(正負対称)で位相が重複して正負がそれぞれ交互となる休止区間のない交番電圧(高電圧)を同時に印加するようにしてもよいのは勿論である。このような休止区間のない交番電圧の代表的な波形としては、図9(a)(b)に示すような正弦波状の波形を例示することができる。この電圧波形の場合、一方の放電電極3に印加する電圧と他方の放電電極4に印加する電圧とを両者の位相をずらす(立ち上がり時点をずらす)ことにより、図9(c)に示すように、放電開始に必要な電圧Vpが印加される時間tpが短くなるため、通常の正弦波状の波形においても、幅の狭いパルスを印加した場合と同等の効果が得られるものである。 【0039】 図10、11に他のプラズマ装置を示す。このプラズマ処理装置Aでは貫通孔2を細長いスリットに形成すると共にそれに応じて放電電極3、4の形状や配置及び帯電防止電極5の形状を図1のものと異ならせたものであるが、その他の構成は図1のものと同様である。 【0040】 貫通孔2は平面視で長方形状(スリット)であって、複数の貫通孔2が平行並列に配列されている。貫通孔2の寸法や、各貫通孔2同士の間隔などは、貫通孔2内でプラズマ生成用ガスGが放電により高効率で活性化され、貫通孔2から噴出されるプラズマPが均一に噴射されるように、適宜設定すれば良いが、特に、その幅寸法(短手方向の寸法)を0.01〜15mmの範囲に形成することが好ましく、また、隣り合う貫通孔2、2の間隔は0.01〜30mmの範囲に形成することが好ましい。この場合、貫通孔2の流出口2bからは、貫通孔2の長手方向に沿ってプラズマPが連続的に噴射されることとなり、貫通孔2の短手方向と略平行方向に被処理物Sを搬送しつつプラズマ処理を行うと、プラズマ処理の均一性を更に向上することが可能となる。 【0041】 また、図11(a)に示すように、放電電極3、4は、細長い給電部3a、4aと給電部3a、4bに延設される複数の細長い電極部3b,4bとで形成されており、給電部3a、4aの長手方向に沿って複数本の電極部3b、4bを並設することによって、放電電極3、4は平面視で櫛形状に形成されている。そして、放電電極3、4は絶縁基材1中の同一層(絶縁基材1の厚み方向における同じ高さ位置)に埋設されている。ここで、放電電極3,4は貫通孔2の並び方向と給電部3a,4aの長手方向とを揃えると共に貫通孔2の長手方向と電極部3b,4bの長手方向とを揃えるようにする。また、電極部3bと電極部4bは貫通孔2の並び方向と平行な方向で交互に配置されるものであり、隣り合う電極部3bと電極部4bの間に一つの貫通孔2が位置することになる。そして、放電電極3,4に形成された電極部3b,4bの長手端面が各貫通孔2内において放電を発生させる放電面9として形成されている。従って、対となる放電電極3,4の電極部3b、4bは貫通孔2内でのプラズマ生成用ガスGの流通方向と交差する方向(直交する方向)に並んで配置されている。また、放電電極3,4間には絶縁基材1を構成する誘電体材料が介在しているが、対向する電極部3b、4bの間隔(放電面9、9の間隔)は気体放電を安定に発生するために0.01〜5mmに設定するのが好ましい。このように放電電極3,4を配設すると、図12に示すように、放電電極3,4間の電位差によって貫通孔2内に発生する電気力線(図中の矢印)は、プラズマ生成用ガスGの流通方向と交差する方向となる。このとき、プラズマ生成用ガスGの流通方向と交差する方向に放電を発生させて、プラズマ生成用ガスGの活性化を行うことができるものである。ここで、放電電極3,4の電極部3b,4bの対向する端面同士の間隔は、貫通孔2の開口の幅寸法よりも大きくなるように形成されており、各放電電極3,4の電極部3b,4bの端面はすべて絶縁基材1の内部に埋設されるようになっている。このとき、各放電電極3,4は貫通孔2内には露出しないように形成されている。 【0042】 また、図11(b)に示すように、帯電防止電極5には各貫通孔2と合致する位置に開口部10が形成されているが、この開口部10はスリット状の貫通孔2と相似形で貫通孔2の開口(流入口2aと流出口2b)よりもやや大きく形成されている。距離x、yは上記と同様である。 【0043】 図10に示すプラズマ処理装置Aにおいても図1のものと同様にしてプラズマ処理を行うことができる。また、図10のプラズマ処理装置Aでは一つの電源6を用いたが、これに限らず、図13に示すように、上記と同様の二つの電源6、6を用いた中点接地方式で放電電極3、4間に電圧を印加するようにしてもよい。 【0044】 本発明のプラズマ処理装置Aは、種々の被処理物Sに対する表面処理に適用することができるが、特に液晶用ガラス材、プラズマディスプレイ用ガラス材、有機エレクトロルミネッセンス表示装置用ガラス材等の、種々のフラットパネルディスプレイ用ガラス材や、プリント配線基板、ポリイミドフィルム等の各種樹脂フィルムなどの表面処理に適用することができる。これらの被処理物S、特に液晶用ガラス材等のフラットパネルディスプレイ用ガラス材は、順次大型化が進展しており、このため大面積の均一な処理が可能であり、且つ処理面積等の設計変更が容易な本発明に係るプラズマ処理装置やプラズマ処理方法を、好適に適用することができる。このようなガラス材に対する表面処理を行う場合には、このガラス材に、ITO(インジウム・チン・オキサイド)からなる透明電極や、TFT(薄膜トランジスタ)液晶を設けたもの、或いはCF(カラーフィルタ)を設けたものなども、表面処理に供することができる。また、樹脂フィルムに対して表面処理を施す場合には、いわゆるロール・トゥ・ロール方式で搬送されている樹脂フィルムに対して、連続的に表面処理を施すことができる。 【実施例】 【0045】 以下本発明を実施例によって具体的に説明する。 【0046】 [実施例1] 図1に示すプラズマ処理装置Aを形成した。絶縁基材1はアルミナ製であって、平板状に形成した。また、絶縁基材1には平面視45×22mmの範囲の領域において、55個の貫通孔2、2…を形成した。隣り合う貫通孔2、2の間隔は4.5mmとなるようにした。また、各貫通孔2の直径(内径)は1mmとした。 【0047】 放電電極3、4及び帯電防止電極5はタングステンにより層状に形成して絶縁基材1に埋設した。放電電極3、4及び帯電防止電極5の厚みは30μmとした。上側の放電電極4の上面と絶縁基材1の上面との距離は1.4mmとした。上側の放電電極4の下面と下側の放電電極3の上面との距離は1.4mmとした。下側の放電電極3と帯電防止電極5の間隔(距離x)は1mmとした。帯電防止電極5の下面と絶縁基材1の下面との距離は0.4mmとした。放電電極3、4には各貫通孔2に合致する位置に直径3mmの開口部8が形成されている。また、帯電防止電極5には貫通孔2に合致する位置に直径3mmの開口部10が形成されており、従って、貫通孔2の周面(内面)と帯電防止電極5の先端面(貫通孔2側の先端面)との距離yは1mmである。帯電防止電極5は接地されている。 【0048】 次に、大気圧下でプラズマ生成用のガスGとして窒素10リットル/分、酸素0.02リットル/分のプラズマ生成用ガスGを貫通孔2に導入し、電源6により放電電極3,4間に図3のような休止区間を有するパルス状波形を有する6kHz、13kV、デューティー比50%の電圧を印加することによって、プラズマPを生成した。このような条件で発生させたプラズマPを搬送装置50により100m/sの搬送速度で搬送される液晶用のガラス基板(被処理物S)に吹きつけることによって、ガラス基板の表面のプラズマ処理を行なった。流出口2bと被処理物Sとの距離は5mmとした。 【0049】 [実施例2] 距離xを0.4mmにした以外は実施例1と同様にしてプラズマ処理装置Aを形成し、これを用いて実施例1と同様にしてガラス基板にプラズマ処理を行なった。 【0050】 [実施例3] 距離xを5.5mmにした以外は実施例1と同様にしてプラズマ処理装置Aを形成し、これを用いて実施例1と同様にしてガラス基板にプラズマ処理を行なった。 【0051】 [実施例4] 距離yを0.05mmにした以外は実施例1と同様にしてプラズマ処理装置Aを形成し、これを用いて実施例1と同様にしてガラス基板にプラズマ処理を行なった。 【0052】 [実施例5] 距離yを2mmにした以外は実施例1と同様にしてプラズマ処理装置Aを形成し、これを用いて実施例1と同様にしてガラス基板にプラズマ処理を行なった。 【0053】 [実施例6] 図6に示すプラズマ処理装置Aを形成した。このプラズマ処理装置Aは二つの電源6、6を用いて放電電極3、4を中点接地した以外は実施例1のものと同様である。この場合、放電電極3と放電電極4の接地に対する電圧はその絶対値が同等(6.5kVずつ)である。このプラズマ処理装置を用いて実施例1と同様にして被処理物SにプラズマPを吹き付けてプラズマ処理を行なった。 【0054】 [比較例1] 実施例1において帯電防止電極5を設けないようしてプラズマ処理装置Aを形成し、これを用いて実施例1と同様にして被処理物Sに吹き付けてプラズマ処理を行なった。 【0055】 [比較例2] 実施例6において帯電防止電極5を設けないようしてプラズマ処理装置Aを形成し、これを用いて実施例1と同様にして被処理物Sに吹き付けてプラズマ処理を行なった。 【0056】 上記実施例1〜6及び比較例1、2でプラズマ処理した後のガラス基板の静電気の帯電量を測定した。結果を表1に示す。 【0057】 【表1】
【0058】 実施例1では帯電量が0.3kV以下と低い値であり、実施例6では帯電量が0.1kV以下と非常に低い値となった。一方、比較例1、2ではガラス基板の帯電量は2.0kVもの高い値であった。実施例2、4では放電電極4と帯電防止電極5との間で放電が生じるために実施例1、2よりは帯電量が高くなるものの、比較例1、2よりは帯電量は低くなった。実施例3は実施例1と同等の帯電量となるものの、プラズマ発生部(放電空間11)とガラス基板との距離が長くなるために、プラズマ処理性能が実施例1よりもやや低下した。実施例5は貫通孔2の周面から帯電防止電極5が遠くなるために実施例1よりは帯電量が高くなるものの、比較例1よりは帯電量は低くなった。 【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 【図2】同上の一部を示す断面図である。 【図3】同上の放電電極間に印加される電圧波形の一例を示すグラフである。 【図4】同上の放電電極間に印加される電圧波形の他例を示すグラフである。 【図5】同上の放電電極間に印加される電圧波形の他例を示すグラフである。 【図6】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 【図7】同上の(a)は一方の放電電極に印加される電圧波形の一例を示す説明図、(b)は他方の放電電極に印加される電圧波形の一例を示す説明図である。 【図8】同上の逆極性のパルスの立ち上がり時点を両放電電極間で少しずらした場合のタイミングチャートである。 【図9】同上の(a)(b)(c)は逆極性の正弦波状の波形の電圧の立ち上がり時点を両放電電極間でずらした場合のタイミングチャートである。 【図10】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。 【図11】同上の反応器を示し、(a)(b)は断面図である。 【図12】同上の一部を示す断面図である。 【図13】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。 【符号の説明】 【0060】 1 絶縁基材 2 貫通孔 2a 流入口 2b 流出口 3 放電電極 4 放電電極 5 帯電防止電極 G プラズマ生成用ガス P プラズマ S 被処理物
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
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| 【出願日】 |
平成17年4月19日(2005.4.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100085604 【弁理士】 【氏名又は名称】森 厚夫
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| 【公開番号】 |
特開2006−302624(P2006−302624A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月2日(2006.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2005−121692(P2005−121692) |
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