| 【発明の名称】 |
有機電界発光素子及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】李 濬九 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
【氏名】金 潤昶 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
【氏名】宋 英宇 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
【氏名】チョ サンファン 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
【氏名】安 智薫 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
【氏名】呉 宗錫 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
【氏名】李 昭玲 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市霊通区シン洞575番地 三星エスディアイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】回折格子層の屈折率差を最大にすることで,光取り出し効率を最大にすることができ,容易に製造することが可能な有機電界発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明により,背面基板35と,背面基板35の一面に形成され,第1電極32,有機層31及び第2電極30が順次に積層されて形成された有機電界発光部とを含む有機電界発光素子において,背面基板35と第1電極32との間にナノ多孔質層34及び高屈折率層33を含むことを特徴とする有機電界発光素子及びその製造方法が提供される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 背面基板と,前記背面基板の一面に形成され,第1電極,有機層及び第2電極が順次積層されて形成された有機電界発光部と,を含む有機電界発光素子において, 前記背面基板と前記第1電極との間にナノ多孔質層及び高屈折率層を含むことを特徴とする有機電界発光素子。 【請求項2】 前記ナノ多孔質層の厚みは,1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 【請求項3】 前記高屈折率層の厚みは,2000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 【請求項4】 前記高屈折率層の屈折率は,1.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 【請求項5】 前記ナノ多孔質層は,200nm〜1000nmの周期で規則的に繰り返されるナノ多孔質格子を有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 【請求項6】 前記ナノ多孔質格子の幅は,20nm〜900nmであることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。 【請求項7】 前記高屈折率層は,SOG(Spin−On−Glass),TiO2,及びTa2O5からなる群から選択された物質で形成される層であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 【請求項8】 前記第1電極は,ITO(Indium Tin Oxide)電極であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 【請求項9】 背面基板上にフォトレジスト組成物をコーティングする段階と; 前記背面基板上にナノ格子層を形成する段階と; 前記ナノ格子層上に高屈折率層をコーティングする段階と; 前記ナノ格子層にナノ多孔質層を形成する段階と; 前記ナノ多孔質層上に,第1電極,有機層及び第2電極を順次積層させる段階と; を含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。 【請求項10】 前記フォトレジスト組成物は,感光性ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子の製造方法。 【請求項11】 前記焼成工程は,200℃〜600℃の温度で行われることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は,有機電界発光素子及びその製造方法に係り,更に詳細には,有機層によって発生した光の取り出し率が画期的に改善された有機電界発光素子及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 有機電界発光素子は,蛍光性有機化合物を電気的に励起させて発光させる自発光型ディスプレイであって,低電圧で駆動が可能であり,薄型化が容易であり,広視野角,速い応答速度などといった特性を持ち,液晶表示装置において問題点として指摘されてきた短所を解決できる次世代ディスプレイとして注目されている。 【0003】 そのような有機電界発光素子は,イーストマン・コダック(Eastman Kodak)社により積層型として開発され,パイオニア(Pioneer)社により寿命が改善された緑色のディスプレイとして商品化され,分子構造の多様な新規有機材料が開発され,直流低電圧駆動,薄型,自発光性などの優れた特性を有するカラーディスプレイへの研究が活発に進められている。 【0004】 一般的に,有機電界発光素子は,ガラスやその他の透明な絶縁基板に所定パターンの有機層を形成し,有機層の上下に電極層を形成することで製造され,有機層を形成する材料としては,銅フタロシアニン(CuPc),N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB),トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウムなどが利用される。 【0005】 有機電界発光素子の画像形成原理は,次の通りである。すなわち,正極及び負極間に電圧が印加されることによって,正極から注入された正孔が正孔輸送層を経て発光層に移動し,電子は,陰極から電子輸送層を経て発光層に注入される。発光層中では,電子と正孔とが再結合して励起子を生成し,そのような励起子が励起状態から基底状態に戻る際に発光層の蛍光性分子が発光することで,画像が形成される。 【0006】 上記のように,駆動される有機電界発光素子の発光効率は,内部効率と外部効率とに分類されるが,内部効率は,有機発光物質の光電変換効率に依存し,外部効率は,素子を構成する各層の屈折率に依存する。そのような外部効率は,光取り出し効率とも呼ばれ,有機電界発光素子の光取り出し効率は,CRT(Cathode−Ray Tube),PDP(Plasma Display Panel),FED(Field Emission Display)などの他のディスプレイ素子に比べて低い。そのために,有機電界発光素子は,輝度,寿命などのディスプレイの特性面で改善される余地が多い。 【0007】 図1(Lu等,Applied Physics Letters, 78(13),p.1927,2001)を参照すれば,有機電界発光素子において,有機層で発生した光は,ITO/ガラス界面とガラス/空気界面とにおいて,角度によっては全反射が発生し,通常の有機電界発光素子の場合では,光取り出し効率は約23%にしかならず,残りの発光は素子の外部へ出ずに消滅する。 【0008】 有機電界発光素子の光取り出し効率を増加させるための多様な方法が提案されており,近年では,回折格子の導入に関連した複数の方法が,研究及び報告されている。 【0009】 上記の報告例の一つとして,特許文献1には,正極と負極との間に一層または複数の層からなる有機層を有する有機電界発光素子において,構成要素として回折格子またはゾーンプレートを含む発明が開示されている。 【0010】 また,特許文献2には,第1電極層61,有機層70,及び第2電極層62のうち,屈折率の大きい層の間に屈折率の異なる領域(図2中の符号81および符号82)を有する光損失防止層80を備える有機電界発光素子を開示しており,図2を参照すれば,それは,基板50上に回折格子を形成してガイドされた発光を回折させることにより,角度を全反射臨界角より小さくし,発光を外部へ取り出すという原理を利用している。 【0011】 【特許文献1】特開平11−283751号公報 【特許文献2】大韓民国特許第2003−0070985号明細書 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 しかしながら,特許文献1に開示された有機電界発光表示装置は,基板や微細な電極パターン層の表面に凹凸を形成するか,または別途の回折格子を設置しなくてはならないため,素子の製造が難しく,したがって,生産性の向上を図ることができないという問題点があった。加えて,凹凸の上部に有機層を成膜する場合には,有機層の表面粗度が凹凸によって大きくなるために,有機電界発光素子の耐久性及び信頼性が減少するという問題点があった。 【0013】 また,特許文献2に開示された有機電界発光素子において,外部光取り出し効率は回折格子層の屈折率差に大きく依存し,屈折率差が大きければ大きいほど,光取り出し効率は増加するが,屈折率が1に近い低屈折材料は,その吸湿特性などの点で,素子に適用するのが難しいという問題点があった。 【0014】 本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,回折格子層の屈折率差を最大にすることによって光取り出し効率を増加させることができ,かつ容易に製造することのできる有機電界発光素子及びその製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0015】 上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,背面基板と,背面基板の一面に形成され第1電極,有機層及び第2電極が順次積層されて形成された有機電界発光部とを含む有機電界発光素子において,上記の背面基板と第1電極との間にナノ多孔質層及び高屈折率層を含むことを特徴とする有機電界発光素子が提供される。 【0016】 上記のナノ多孔質層の厚みは,例えば,1000nm以下となるように形成されることができる。また,上記の高屈折率層の厚みは,例えば,2000nm以下となるように形成されることができる。 【0017】 上記の高屈折率層の屈折率は,例えば,1.6以上となるようにすることも可能である。 【0018】 また,上記のナノ多孔質層は,例えば,200nm〜1000nmの周期ごとに規則的に繰り返される多孔質格子を有することもできる。また,このナノ多孔質格子の幅は,例えば,20nm〜900nmに形成することも可能である。 【0019】 上記の高屈折率層は,例えば,SOG(Spin−On−Glass),TiO2,及びTa2O5からなる群より選択された物質を用いて形成することが可能である。 【0020】 また,上記の第1電極は,例えば,ITO(Indium−Tin−Oxide)電極を用いて形成することも可能である。 【0021】 上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,背面基板上にフォトレジスト組成物をコーティングする段階と,フォトレジスト組成物を露光及び現像させることで背面基板上にナノ格子層を形成する段階と,ナノ格子層上に高屈折率層をコーティングする段階と,ナノ格子層にナノ多孔質層を形成する段階と,ナノ多孔質層上に第1電極,有機層及び第2電極を順次積層させる段階とを含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法が提供される。 【0022】 上記のナノ格子層の形成は,コーティングされたフォトレジスト組成物を露光及び現像させることで行われる。また,ナノ格子層にナノ多孔質層を形成する方法は,例えば焼成工程や湿式エッチング工程を用いることが可能であり,この焼成もしくは湿式エッチング工程により,ナノ多孔質格子が形成されることとなる。 【0023】 上記のフォトレジスト組成物は,例えば感光性ポリカーボネート樹脂を用いることが可能である。 【0024】 また,上記の焼成工程は,例えば400℃〜600℃の温度で行うことも可能である。 【発明の効果】 【0025】 本発明によれば,回折格子層の屈折率差を最大にすることで,光取り出し効率を最大にすることができ,容易に製造することができる有機電界発光素子及びその製造方法を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0026】 以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。 【0027】 本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子を図3に示した。 【0028】 図3によれば,本実施形態に係る有機電界発光素子は,ガラスなどの背面基板35上に第1電極32,有機層31及び第2電極30が順次積層され,背面基板と第1電極との間には,回折格子層としてナノ多孔質層34及び高屈折率層33を含む構造を有する。本実施形態に係る有機電界発光素子は,回折格子層の屈折率差が大きくなるほど界面での反射が抑制され光取り出し効率が増加するという事実に鑑みて,回折格子層として高屈折率層33,及び屈折率が1.0のナノ多孔質層34を適用することで光取り出し効率を画期的に増加させることができ,従来の低屈折率材料による吸湿特性などの問題点を解決できるという長所がある。 【0029】 本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子の光取り出し効率増加の原理を簡略に説明すれば,下記の通りである。 【0030】 図3に示された有機電界発光素子は,第1電極32及び第2電極30に所定の電圧を印加することで,第1電極32から注入された正孔が有機層31内の正孔輸送層(図示せず)を経て発光層(図示せず)に移動し,電子は,第2電極30から有機層31内の電子輸送層(図示せず)を経て発光層(図示せず)に注入される。次いで,発光層中で電子と正孔とが再結合して励起子を生成し,生成された励起子が励起状態から基底状態に戻ることによって,発光層の蛍光性分子が発光する。その際に発生した光は,透明な第1電極32と基板35とを通じて外部へ取り出されるが,基板35と第1電極32との間にはナノ多孔質層34及び高屈折率層33が形成されているため,界面で光が反射されて損失されることを防止できる。 【0031】 すなわち,発光層を含む有機層31または第1電極32の屈折率が背面基板35をなすガラスより大きいため,背面基板35の界面で反射される。しかし,第1電極32と背面基板35との間に,屈折率が相異なるナノ多孔質層34と高屈折率層33が形成されているため,ナノ多孔質層34と高屈折率層33との屈折率差によって光が散乱され,界面での反射を防止できる。特に,ナノ多孔質層34及び高屈折率層33は,発光層から全反射の臨界角よりも大きな角度で入射してきた光を散乱させ,臨界角よりも小さな角度へ変化させることで,界面での反射率を大幅に減らすことができる。 【0032】 また,屈折率が異なる2つの物質,すなわち,ナノ多孔質層34及び高屈折率層33が交互に配設されることによって,平均の屈折率の値を,全反射臨界角を大きくするような屈折率に調節することが可能となる。その結果,対反射効果により,光取り出し効率を大きく増加させうる。したがって,有機層31で発光し基板35を通過した光の比である光取り出し効率を増加させることができる。 【0033】 上記のナノ多孔質層34の厚みは,1000nm以下であることが好ましい。ナノ多孔質層34の厚みが1000nmを超える場合には,光取り出し効率の増加がそれほど大きくないため好ましくない。 【0034】 また,高屈折率層33の厚みも2000nm以下であることが好ましい。高屈折率層33の厚さが2000nmを超える場合には,光取り出し効率及び製造工程の容易さがいずれも改善されないため好ましくない。 【0035】 光取り出し効率を最大にするには,高屈折率層33の屈折率が1.6以上となり,ナノ多孔質層34との屈折率差が0.6以上となることが好ましい。屈折率差が0.6以下である場合には,界面での光分散効果が低下し,有機層から入射してくる光の反射率が高くなり,基板を通過する光の量が減少するという問題点があり,好ましくない。そのような条件を満足させる高屈折率層33としては,SOG(Spin−On−Glass),TiO2,及びTa2O5からなる群から選択された物質層が使用されうる。また,本発明の高屈折率層に用いられる物質は上記のものに限定されず,条件を満たしうる物質であれば,高屈折率層として使用することが可能である。 【0036】 上記のナノ多孔質層34は,200nm〜1000nmの周期で規則的に繰り返されるナノ多孔質格子を含み,そのようなナノ多孔質格子の幅は,周期の10〜90%の範囲,すなわち,20nm〜900nmであることが好ましい。ここで,上記のナノ多孔質格子の周期とは,図3のa部分のことであり,ナノ多孔質格子の幅とは,図3のb部分のことである。ナノ多孔質格子が上記の周期範囲に達さずに繰り返される場合,すなわち,200nm以下の場合や,ナノ多孔質格子が上記の周期範囲を超えて繰り返される場合,すなわち,1000nmを超える場合には,光が回折格子を認識できないため,光取り出し効率の増加を期待できない。また,ナノ多孔質格子の幅が狭すぎる,または広すぎる場合も,光取り出し効率が増加する程度が著しく減少するため,好ましくない。 【0037】 第1電極32,有機層31及び第2電極30を含む有機電界発光部は,当業界で一般的に使用される方法を用いて形成することが可能である。 【0038】 第1電極32は,透明な基板の上面に形成される正極であって,透明な導電性材質であるITO(Indium Tin Oxide)であることが好ましく,その形状は互いに平行に形成されるストライプ状の電極からなってもよい。また,本発明の第1電極に用いられる物質が,上記のものに限定されるわけではなく,透明な導電性材質であれば,第1電極形成のための材質として利用されうる。 【0039】 有機層31は,第1電極32の上面に順次積層される正孔注入層,正孔輸送層,発光層,及び電子注入層等を含む。有機層31は,有機化合物で形成される層であって,8−ヒドロキシキノリノ−アルミニウム(Alq3)などのような低分子化合物,またはポリ(p−フェニレンビニレン),ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)などのような高分子化合物を用いて形成することができる。また,本発明の有機層に用いられる化合物が,上記の物質に限定されるわけではなく,有機電界発光素子に用いられる一般的な化合物を使用することができる。 【0040】 第2電極33は,導電性金属からなるものであって,第1電極32と直交する方向に形成される複数のストライプ状の電極からなってもよい。 【0041】 本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子は,前面発光型,背面発光型,または両面発光型のいずれにも適用でき,その駆動方式が特別なものに制限されないため,パッシブマトリックス(PM)駆動方式及びアクティブマトリックス(AM)駆動方式の両方に適用することができる。 【0042】 本発明は,また,他の実施形態において,背面基板上にフォトレジスト組成物をコーティングする段階と,フォトレジスト組成物を露光及び現像させることで背面基板上にナノ格子層を形成する段階と,ナノ格子層上に高屈折率層をコーティングする段階と,ナノ格子層に焼成工程,または湿式エッチング工程を行うことでナノ多孔質層を形成する段階と,ナノ多孔質層上に第1電極,有機層及び第2電極を順次積層させる段階とを含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法を提供する。 【0043】 図4は,本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子の製造方法についての概略的な工程を示している。図4を参照すれば,まず,基板上にフォトレジスト組成物をスピンコーティングなどの方法によってコーティングし,コーティングされたフォトレジスト組成物を露光及び現像させることで基板上にナノ格子層を形成する段階を行う。 【0044】 フォトレジスト組成物としては,当業界で一般的に使用されるものが使用されうるが,熱分解が可能である感光性ポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。感光性ポリカーボネート樹脂の熱分解は,200℃〜600℃の温度で30分〜3時間行われうる。 【0045】 次いで,形成されたナノ格子層に高屈折率層をコーティングする段階を行う。高屈折率層の材質としては,上記のように,SOG,TiO2,及びTa2O5からなる群から選択された物質が使用されうる。高屈折率層のコーティング以後には,ナノ格子層に焼成工程,または湿式エッチング工程を行って,ナノ多孔質層を形成する段階を行う。そのような焼成工程は,400℃以上の高温で行われ,好ましくは,400℃〜500℃の温度で行われる。 【0046】 最後に,ナノ多孔質層を形成した後には,ナノ多孔質層上に第1電極,有機層及び第2電極を順次積層させ,密封層を形成した後,背面基板を前面基板(図示せず)と接合させることで本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子を製造できる。 【0047】 <回折格子層の屈折率差による光取り出し効率の増加度> 【0048】 (実施例) 本実施例では,FDTD(Finite Difference Time Domain)シミュレーションを通じて回折格子層の屈折率差による光取り出し効率の増加度を計算して比較した。 【0049】 (比較例) 本実施例に係るナノ多孔質層(屈折率:1.0)の代りに,屈折率がそれぞれ1.1,1.2,1.3,1.4である材料を使用した場合の光取り出し効率の増加度を計算し,その結果を図5に図示した。 【0050】 図5を参照すれば,回折格子層のうち,ナノ格子層の屈折率が小さくなるにつれて光取り出し効率が急激に増加することが分かり,既存のいかなる低屈折材料を使用する場合に比べても,本発明の一実施形態に係るナノ多孔質層を使用する場合に,光取り出し効率が最大となることが分かる。例えば,図5で,ナノ格子層として屈折率が1.2である材料を使用した場合と,本発明の一実施形態に係るナノ多孔質層を使用した場合との光取り出し効率を比較すると,本発明の一実施形態に係るナノ多孔質層を使用した場合の光取り出し効率が,ナノ格子層として屈折率が1.2である材料を使用した場合の約2倍に達することが分かる。 【0051】 以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。 【産業上の利用可能性】 【0052】 本発明は,有機電界発光素子に関連した技術分野に適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0053】 【図1】一般的な有機電界発光素子における光取り出し効率の減少に関する問題を概略的に示す図面である。 【図2】従来技術に係る回折格子を含む有機電界発光素子についての概略的な図面である。 【図3】本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子についての概略的な断面図である。 【図4】本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子の製造工程図を概略的に示す図面である。 【図5】回折格子層の屈折率差による光取り出し効率の増加度を示すグラフ図である。 【符号の説明】 【0054】 50 基板 61 第1電極層 62 第2電極層 70 有機層 80 光損失防止層 81 第1領域 82 第2領域 30 第2電極 31 有機層 32 第1電極 33 高屈折率層 34 ナノ多孔質層 35 背面基板
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| 【出願人】 |
【識別番号】590002817 【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社 【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市靈通区▲しん▼洞575番地
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| 【出願日】 |
平成17年6月22日(2005.6.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095957 【弁理士】 【氏名又は名称】亀谷 美明
【識別番号】100096389 【弁理士】 【氏名又は名称】金本 哲男
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| 【公開番号】 |
特開2006−12826(P2006−12826A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月12日(2006.1.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−182358(P2005−182358) |
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