| 【発明の名称】 |
移動局装置および上り回線伝送レート制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鹿山 英則 【住所又は居所】宮城県仙台市泉区明通二丁目5番地 株式会社パナソニックモバイル仙台研究所内
【氏名】段 勁松 【住所又は居所】神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1号 パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させること。
【解決手段】復調部210は、基地局装置ごとの受信信号を誤り訂正復号部220へ出力する。誤り訂正復号部220は、基地局装置ごとのACK/NACKおよび指示コマンドを伝送レート制御部240へ出力する。伝送レート制御部240は、複数の基地局装置から送信される指示コマンドのうち、実際の伝送レート制御を行う際に優先して採用すべき、優先度が最大の基地局装置から送信された指示コマンドをACK/NACKの情報に基づいて選択する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の基地局装置から送信された、上り回線の信号に対する受信確認応答または上り回線の伝送レートを指示する指示コマンドを受信する受信手段と、 受信された受信確認応答または指示コマンドの少なくともいずれか一方に基づいて実際の送信に用いる送信レートを決定する制御手段と、 を有することを特徴とする移動局装置。 【請求項2】 前記制御手段は、 伝送レートの減少を指示する指示コマンドが少なくとも1つ受信された場合は、伝送レート減少の指示コマンドに従った伝送レートを送信レートとして決定し、 伝送レートの減少を指示する指示コマンドが受信されずに伝送レートの維持を指示する指示コマンドが少なくとも1つ受信された場合は、伝送レート維持の指示コマンドに従った伝送レートを送信レートとして決定することを特徴とする請求項1記載の移動局装置。 【請求項3】 前記制御手段は、 前記受信確認応答を用いて、前記複数の基地局装置のうち優先度が最大の基地局装置を選択する選択手段と、 選択された基地局装置の指示コマンドに従った伝送レートから送信レートを決定する決定手段と、 を含むことを特徴とする請求項1記載の移動局装置。 【請求項4】 前記選択手段は、 最も新しく受信された基地局装置ごとの受信確認応答が受信成功を示すACKであるか受信失敗を示すNACKであるかを判定するACK/NACK判定部と、 判定の結果、受信確認応答がACKである基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する指示コマンド抽出部と、 を有することを特徴とする請求項3記載の移動局装置。 【請求項5】 前記選択手段は、 過去に受信された受信確認応答を用いて、優先度が最大である指示コマンドを選択することを特徴とする請求項3記載の移動局装置。 【請求項6】 前記選択手段は、 最大ドップラー周波数に応じて過去の受信確認応答を指示コマンドの選択に反映することを特徴とする請求項5記載の移動局装置。 【請求項7】 前記選択手段は、 受信された基地局装置ごとの受信確認応答の履歴を記憶するバッファ手段と、 受信された受信確認応答を数値化して基地局装置ごとの得点とする数値化手段と、 得点が最も高い基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する抽出手段と、 を含むことを特徴とする請求項5記載の移動局装置。 【請求項8】 前記数値化手段は、 所定の区間内の受信確認応答におけるACKの数を計数して基地局装置ごとの得点とするACK計数部、 を有することを特徴とする請求項7記載の移動局装置。 【請求項9】 前記数値化手段は、 所定の区間内の受信確認応答に対して点数を付与する点数化部と、 所定の区間内における基地局装置ごとの点数の加算平均を算出して基地局装置ごとの得点とする加算平均算出部と、 を有することを特徴とする請求項7記載の移動局装置。 【請求項10】 前記数値化手段は、 前回の基地局装置ごとの得点に重み付けをした上で新たに受信された受信確認応答に付与される点数を加算して今回の基地局装置ごとの得点を算出する重み付け点数化部、 を有することを特徴とする請求項7記載の移動局装置。 【請求項11】 前記重み付け点数化部は、 最大ドップラー周波数に応じて前回の基地局装置ごとの得点に重み付けすることを特徴とする請求項10記載の移動局装置。 【請求項12】 前記数値化手段は、 初めて送信された信号に対するACKと再送された信号に対するACKとを異なる値に数値化することを特徴とする請求項7記載の移動局装置。 【請求項13】 前記決定手段は、 複数の指示コマンドが選択された場合に、伝送レートを減少させる旨の指示コマンドが少なくとも1つ選択されている場合に伝送レートを減少させ、伝送レートを減少させる旨の指示コマンドが選択されずに伝送レートを維持させる旨の指示コマンドが少なくとも1つ選択されている場合に伝送レートを維持し、伝送レートを増加させる旨の指示コマンドのみが選択されている場合に伝送レートを増加させることを特徴とする請求項3記載の移動局装置。 【請求項14】 前記決定手段は、 選択された指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が自装置から送信可能な最大送信電力以下である場合は前記伝送レートを送信レートに決定し、前記伝送レートに対応する送信電力が前記最大送信電力以上である場合は前記最大送信電力に対応する伝送レートを送信レートに決定することを特徴とする請求項3記載の移動局装置。 【請求項15】 前記決定手段は、 各基地局装置において受信する余裕がある受信電力を示す受信電力情報に基づいて自装置からの送信が許容される許容送信電力を取得する取得部、を含み、 選択された指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が前記許容送信電力以下である場合は前記伝送レートを送信レートに決定し、前記伝送レートに対応する送信電力が前記許容送信電力以上である場合は前記許容送信電力に対応する伝送レートを送信レートに決定することを特徴とする請求項3記載の移動局装置。 【請求項16】 前記取得部は、 各基地局装置において受信する余裕がある受信電力のうち最小の受信電力に対応する送信電力を許容送信電力とすることを特徴とする請求項15記載の移動局装置。 【請求項17】 移動局装置から送信される信号を受信する受信手段と、 受信信号に基づいて前記移動局装置に対して伝送レートを指示する指示コマンドを生成する生成手段と、 前記移動局装置に対して指示される伝送レートから自装置が受信する余裕がある受信電力を算出する算出手段と、 生成された指示コマンドおよび算出された受信電力を送信する送信手段と、 を有することを特徴とする基地局装置。 【請求項18】 複数の基地局装置から送信された、上り回線の信号に対する受信確認応答または上り回線の伝送レートを指示する指示コマンドを受信するステップと、 受信された受信確認応答をまたは指示コマンドの少なくともいずれか一方に基づいて実際の送信に用いる送信レートを決定するステップと、 を有することを特徴とする上り回線伝送レート制御方法。 【請求項19】 複数の基地局装置から送信された、上り回線の信号に対する受信確認応答および上り回線の伝送レートを指示する指示コマンドを受信するステップと、 受信された受信確認応答を用いて、前記複数の基地局装置のうち優先度が最大の基地局装置を選択するステップと、 選択された基地局装置の指示コマンドに従った伝送レートから送信レートを決定するステップと、 を有することを特徴とする上り回線伝送レート制御方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、移動局装置および上り回線伝送レート制御方法に関し、特に、セル間を移動する際にソフトハンドオーバを実行する移動局装置および上り回線伝送レート制御方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)における上り回線のパケット通信を高速化する伝送規格として、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)が検討されている。HSUPAにおいては、上り回線パケットを伝送する専用のチャネルとしてE−DCH(Enhanced-Dedicated CHannel)が設けられる。 【0003】 このE−DCHの電力は、基地局装置の受信電力のうち、熱雑音電力、他セル干渉電力、および音声などの通信に用いられる個別チャネルの電力以外の部分を占めている。換言すれば、基地局装置が受信可能な最大の受信電力から熱雑音電力、他セル干渉電力、および個別チャネル電力の3種類の電力を除外した電力に、E−DCHを割り当てることが可能である。 【0004】 具体的に、例えば非特許文献1に記載された基地局装置における受信電力の内訳を図19に示す。同図に示すように、基地局装置における受信可能な最大の受信電力は、RoT閾値(RoT(Rise Over Thermal) threshold)として基地局装置ごとに定められており、基地局装置における受信電力には、RoT閾値を超えない範囲で熱雑音電力10、他セル干渉電力20、および自セル内に属するn個の移動局装置からの個別チャネル受信電力30が含まれている。そして、これらの電力をRoT閾値から除いた残りの受信電力がE−DCHに割り当て可能なE−DCH受信電力40となっている。 【0005】 ここで、基地局装置がカバーするセルには、複数の移動局装置が属しているため、これらの移動局装置に効率良くE−DCH受信電力40を割り当てて上り回線のパケット通信を行う必要がある。すなわち、図19においては、自セル内に属する複数の移動局装置のうち高速パケット伝送を行う移動局装置にE−DCH受信電力40を分配する必要がある。非特許文献1においては、このE−DCH受信電力40を各移動局装置に効率良く分配するために、基地局装置によってスケジューリングが行われることが記載されている。 【0006】 スケジューリングにおいては、基地局装置は、E−DCHに割り当て可能な自装置の受信電力を自セル内の各移動局装置に対して分配する。そして、分配された移動局装置ごとの受信電力が達成されるように、基地局装置は各移動局装置に対して、伝送レートの増減を指示する指示コマンドを送信することがある。すなわち、基地局装置がある移動局装置に対して、現在よりも大きな受信電力を割り当てる場合は、この移動局装置に伝送レートを増加させる旨の指示コマンド「Up」を送信し、現在と同じ受信電力を割り当てる場合は、伝送レートを維持させる旨の指示コマンド「Keep」を送信し、現在よりも小さな受信電力を割り当てる場合は、伝送レートを減少させる旨の指示コマンド「Down」を送信することがある。 【非特許文献1】3GPP TR25.896 V6.0.0(2004-03) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、移動局装置は、基地局装置がカバーするセル間を移動する際に、ソフトハンドオーバを行って複数の基地局装置と通信を行うことがある。すなわち、例えば図20に示すように、移動局装置MがセルC1とセルC2との境界付近に位置する際、移動局装置Mは、セルC1をカバーする基地局装置B1およびセルC2をカバーする基地局装置B2の双方と通信する。このとき、上述したスケジューリングが行われていると、移動局装置Mは、基地局装置B1および基地局装置B2の双方から伝送レートの指示コマンドを受信することになる。このような場合、それぞれのセルにおける伝搬環境の差によっては、基地局装置B1および基地局装置B2からそれぞれ送信される指示コマンドの内容が相反することがある。そして、相反する内容の指示コマンドを受信した移動局装置においては、伝送レートを適切に制御することができず、結果としてセル内の他の移動局装置に対する干渉の増大などを招くという問題がある。 【0008】 本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる移動局装置および上り回線伝送レート制御方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明に係る移動局装置は、上り回線の信号に対する受信確認応答ならびに伝送レートの増加、維持、または減少を指示する指示コマンドを複数の基地局装置から受信する受信手段と、受信された複数の受信確認応答または複数の指示コマンドの少なくともいずれか一方に基づいて伝送レートを制御する制御手段と、を有する構成を採る。 【0010】 この構成によれば、上り回線の信号に対する受信確認応答および伝送レートの指示コマンドを受信し、少なくともいずれか一方に基づいて伝送レートを制御するため、複数の異なる指示コマンドから実際の伝送レートを決定したり、受信確認応答を反映して実際の伝送レートを決定したりして、各基地局装置へ向かう上り回線の伝搬路状態を考慮することができ、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【0011】 本発明に係る移動局装置は、前記制御手段は、前記複数の受信確認応答を用いて、前記複数の指示コマンドのうち優先度が最大の指示コマンドを選択する選択手段と、選択された指示コマンドに従った伝送レートから実際の送信に用いる送信レートを決定する決定手段と、を含む構成を採る。 【0012】 この構成によれば、複数の基地局装置からそれぞれ受信された受信確認応答を用いて、各基地局装置に対応する指示コマンドのうち優先度が最大のものを選択して伝送レートを制御する。このため、基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、上り回線の伝送品質が良好な基地局装置に対応する伝送レート制御を行って、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【0013】 本発明に係る基地局装置は、移動局装置から送信される信号を受信する受信手段と、受信信号に基づいて前記移動局装置に対して伝送レートを指示する指示コマンドを生成する生成手段と、前記移動局装置に対して指示される伝送レートから自装置が受信する余裕がある受信電力を算出する算出手段と、生成された指示コマンドおよび算出された受信電力を送信する送信手段と、を有する構成を採る。 【0014】 この構成によれば、移動局装置からの受信信号に基づいて、この移動局装置への伝送レートの指示コマンドと基地局装置において受信する余裕がある受信電力とを取得し、移動局装置へ送信するため、移動局装置が指示コマンドに従った伝送レート制御を行う際に、基地局装置における受信電力が過剰となることを防止することができる。 【0015】 本発明に係る上り回線伝送レート制御方法は、上り回線の信号に対する受信確認応答ならびに伝送レートの増加、維持、または減少を指示する指示コマンドを複数の基地局装置から受信するステップと、受信された複数の受信確認応答を用いて、受信された複数の指示コマンドのうち優先度が最大の指示コマンドを選択するステップと、選択された指示コマンドに従った伝送レートから実際の送信に用いる送信レートを決定するステップと、を有するようにした。 【0016】 この方法によれば、複数の基地局装置からそれぞれ受信された受信確認応答を用いて、各基地局装置に対応する指示コマンドのうち優先度が最大のものを選択して伝送レートを制御する。このため、基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、上り回線の伝送品質が良好な基地局装置に対応する伝送レート制御を行って、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【発明の効果】 【0017】 本発明によれば、基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明者らは、HSUPAにおける上り回線の再送制御として、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と同様にHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest:ハイブリッド自動再送制御)が有効であることに着目した。さらに、HSUPAにおけるHARQでは、上り回線を伝送されたパケットの受信確認応答であるACK/NACKを基地局装置が移動局装置へ返送することに着目した。 【0019】 そして、本発明者らは、基地局装置が移動局装置へ返送するACK/NACKは、直接的に上り回線のパケットの伝送品質の指標となることを見出すとともに、上り回線のパケットの伝送品質が良好である基地局装置からの指示コマンドに従った伝送レート制御により、パケット再送の低減が可能であることを見出し、本発明をするに至った。 【0020】 すなわち本発明の骨子は、上り回線のパケットに対して基地局装置から返送されるACK/NACKを移動局装置が参照し、パケットが誤りなく受信されたことを示すACKを返送する基地局装置から送信された伝送レートの指示コマンドを優先して、実際の上り回線における伝送レート制御に採用することである。 【0021】 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。 【0022】 (実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態に係る基地局装置は、RF(Radio Frequency:無線周波数)受信部100、復調部110、誤り訂正復号部120、回線品質測定部130、スケジューリング部140、ACK/NACK生成部150、誤り訂正符号化部160、変調部170、およびRF送信部180を有している。 【0023】 RF受信部100は、移動局装置から送信された上り回線のパケットをアンテナを介して受信し、受信パケットに対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を施す。また、RF受信部100は、受信パケットを含む受信信号全体の総受信電力に関する受信電力情報をスケジューリング部140へ出力する。 【0024】 復調部110は、受信パケットを復調し、誤り訂正復号部120および回線品質測定部130へ出力する。 【0025】 誤り訂正復号部120は、復調後の受信パケットに対して、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)および畳み込み符号などによる誤り検出・誤り訂正を行い、誤り訂正後の受信パケットから受信データを出力するとともに、受信データに含まれる送信要求をスケジューリング部140へ出力し、誤り検出結果をACK/NACK生成部150へ出力する。なお、送信要求とは、上り回線のパケット送信を要求する旨の情報であり、各移動局装置が、例えば自装置において蓄積されている送信データの量などに応じて基地局装置へ送信するものである。この送信要求には、例えば、移動局装置が希望する伝送レートに関する情報などが含まれていても良い。 【0026】 回線品質測定部130は、復調後の受信パケットを用いて、例えばSIR(Signal to Interference Ratio:信号対干渉比)などの上り回線の回線品質を測定する。 【0027】 スケジューリング部140は、RF受信部100から出力された受信電力情報、誤り訂正復号部120から出力された送信要求、および回線品質測定部130によって測定された回線品質に基づいて各移動局装置からのパケットに対して割り当てる自装置の受信電力を決定し、それぞれの移動局装置に割り当てられた受信電力に対応する移動局装置ごとの伝送レートの指示コマンドを生成する。 【0028】 具体的には、スケジューリング部140は、受信電力情報および回線品質から、総受信電力に占める熱雑音電力、他セル干渉電力、パケット通信用以外の個別チャネル受信電力、およびパケット通信用のチャネル(E−DCH)の受信電力の内訳を求めておく。そして、E−DCHに割り当て可能な受信電力を各移動局装置に分配する。このとき、スケジューリング部140は、例えば、移動局装置から現在の伝送レートの維持を希望する旨の送信要求が受信されても、当該移動局装置との間の回線品質では伝送レートを減少させる必要があると判断したり、受信信号全体の受信電力があらかじめ定められたRoT閾値を超えてしまわないように伝送レートを減少させる必要があると判断したりする。そして、スケジューリング部140は、判断の結果に従って伝送レートを減少させる旨の指示コマンド「Down」を生成する。同様に、スケジューリング部140は、各移動局装置に対して、伝送レートを維持させる旨の指示コマンド「Keep」および伝送レートを増加させる旨の指示コマンド「Up」を生成する。 【0029】 ACK/NACK生成部150は、誤り訂正復号部120から出力される誤り検出結果に応じて受信確認応答であるACKまたはNACKを生成する。具体的には、ACK/NACK生成部150は、誤り検出の結果、受信データに誤りがなければACKを生成し、受信データに誤りがあればNACKを生成する。 【0030】 誤り訂正符号化部160は、送信データ、指示コマンド、およびACK/NACKがマッピングされて得られた送信信号に対して、例えばCRC符号および畳み込み符号などを用いて誤り訂正符号化する。 【0031】 変調部170は、誤り訂正符号化後の送信信号を変調し、RF送信部180へ出力する。 【0032】 RF送信部180は、送信信号に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を施し、アンテナを介して移動局装置へ送信する。 【0033】 図2は、実施の形態1に係る移動局装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態に係る移動局装置は、RF受信部200、復調部210、誤り訂正復号部220、データ再送制御部230、伝送レート制御部240、送信データバッファ部250、誤り訂正符号化部260、変調部270、送信電力制御部280、およびRF送信部290を有している。 【0034】 RF受信部200は、基地局装置から送信された信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を施す。なお、RF受信部200は、移動局装置のソフトハンドオーバ中には、複数の基地局装置から送信された信号を受信する。 【0035】 復調部210は、受信信号を復調し、誤り訂正復号部220へ出力する。なお、復調部210は、移動局装置のソフトハンドオーバ中には、複数の基地局装置それぞれに対応する基地局装置ごとの受信信号を誤り訂正復号部220へ出力する。 【0036】 誤り訂正復号部220は、復調後の受信信号に対して、例えばCRC符号および畳み込み符号などによる誤り検出・誤り訂正を行い、誤り訂正後の受信信号から受信データを出力するともに、受信データ中に含まれる伝送レートの指示コマンドを伝送レート制御部240へ出力し、受信データ中に含まれるACK/NACKをデータ再送制御部230および伝送レート制御部240へ出力する。なお、誤り訂正復号部220は、移動局装置のハンドオーバ中には、複数の基地局装置それぞれに対応する基地局装置ごとのACK/NACKおよび指示コマンドを伝送レート制御部240へ出力する。 【0037】 データ再送制御部230は、誤り訂正復号部220から出力されるACK/NACKに従って、パケットを再送するか否かを決定し、再送の有無を送信データバッファ部250へ通知する。具体的には、データ再送制御部230は、誤り訂正復号部220からACKが出力された場合は、移動局装置から送信したパケットが基地局装置へ誤らずに伝送されたものとして、次のパケットを送信する旨を送信データバッファ部250へ通知する。一方、誤り訂正復号部220からNACKのみが出力された場合は、移動局装置から送信したパケットがすべての基地局装置へ誤って伝送されたものとして、このパケットを再送する旨を送信データバッファ部250へ通知する。 【0038】 伝送レート制御部240は、指示コマンドから上り回線のパケットの伝送レートを決定し、送信データバッファ部250、誤り訂正符号化部260、変調部270、および送信電力制御部280へ出力する。また、移動局装置のソフトハンドオーバ中、伝送レート制御部240は、複数の基地局装置から送信される指示コマンドのうち、実際の伝送レート制御を行う際に優先して採用すべき、優先度が最大の基地局装置から送信された指示コマンドをACK/NACKの情報に基づいて選択する。伝送レート制御部240の内部構成および動作は、後に詳述する。 【0039】 送信データバッファ部250は、既に送信した送信データを一時的に記憶するとともに、送信データを誤り訂正符号化部260へ出力する。また、送信データバッファ部250は、データ再送制御部230から次のパケットを送信する旨が通知された場合は、記憶している送信データを破棄する一方、パケット再送の旨が通知された場合は、記憶している送信データを再度誤り訂正符号化部260へ出力する。さらに、送信データバッファ部250は、伝送レート制御部240から指示された伝送レートに応じて、誤り訂正符号化部260へ出力する送信データの量を制御する。 【0040】 誤り訂正符号化部260は、送信データバッファ部250から出力された送信データに対して、例えばCRC符号および畳み込み符号などを用いて誤り訂正符号化する。また、誤り訂正符号化部260は、伝送レート制御部240から指示された伝送レートに応じて符号化率を変更する。具体的には、誤り訂正符号化部260は、伝送レートを増加させる場合は、符号化率を大きくし、伝送レートを減少させる場合は、符号化率を小さくする。 【0041】 変調部270は、誤り訂正符号化後の送信データを変調し、RF送信部290へ出力する。また、変調部270は、伝送レート制御部240から指示された伝送レートに応じて変調方式を変更する。具体的には、変調部270は、伝送レートを増加させる場合は、変調多値数が大きい変調方式を用い、伝送レートを減少させる場合は、変調多値数が小さい変調方式を用いる。 【0042】 送信電力制御部280は、伝送レート制御部240によって決定された伝送レートに対応する送信電力を決定し、送信データの送信電力を制御する。 【0043】 RF送信部290は、送信電力が制御された送信データに対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を施し、アンテナを介して基地局装置へ送信する。 【0044】 次に、図3を参照して、本実施の形態に係る移動局装置の伝送レート制御部240の内部構成について説明する。 【0045】 図3に示すように、伝送レート制御部240は、ACK/NACK判定部242、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246を有している。これらのACK/NACK判定部242、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246は、主に移動局装置がソフトハンドオーバ中(すなわち、複数の基地局装置から信号を受信する場合)に動作する。 【0046】 ACK/NACK判定部242は、誤り訂正復号部220から出力された基地局装置ごとのACK/NACKについて、それぞれの基地局装置からACKが送信されたか、またはNACKが送信されたかを判定する。このとき、ACK/NACK判定部242は、最も新しく受信されたACK/NACKを判定する。このように、直近のACK/NACKを判定することにより、例えばデータ再送制御と伝送レート制御の処理のタイミングがずれているような場合でも、確実に最新の上り回線の伝搬環境の指標としてACK/NACKを用いることができる。 【0047】 そして、ACK/NACK判定部242は、ACKを送信した基地局装置については、上り回線におけるパケットの伝送品質が良好であると判断し、ACKを送信した基地局装置の優先度が最大であるとして、この基地局装置の指示コマンドの抽出を指示コマンド抽出部244に指示する。 【0048】 指示コマンド抽出部244は、基地局装置ごとの指示コマンドのうち、抽出を指示された基地局装置の指示コマンドを抽出して、レート決定部246へ出力する。 【0049】 レート決定部246は、指示コマンド抽出部244によって抽出された指示コマンドが複数の場合に、複数の指示コマンドの内容から伝送レートを増加するか、維持するか、または減少するかを決定する。さらに、レート決定部246は、複数の指示コマンドの内容から決定された伝送レートに対応する送信電力が、移動局装置から送信可能な最大送信電力を超えているか否かを判定し、最終的な送信レートを決定する。 【0050】 次いで、上述のように構成された移動局装置のソフトハンドオーバ中における伝送レート決定動作について、図4から図6を参照して具体的に説明する。 【0051】 まず、基地局装置から移動局装置へ指示コマンドおよびACK/NACKが送信されるまでの動作について説明する。 【0052】 図1に示した基地局装置において、移動局装置から送信されたパケットがRF受信部100によって受信されると、所定の無線受信処理が行われた後、復調部110によって復調される。また、このとき、受信電力情報がRF受信部100からスケジューリング部140へ出力される。 【0053】 復調された受信パケットは、誤り訂正復号部120によって誤り検出・誤り訂正され、受信データが出力されるとともに、受信データ中に含まれる移動局装置からの送信要求がスケジューリング部140へ出力され、誤り検出結果がACK/NACK生成部150へ出力される。そして、ACK/NACK生成部150によって、受信パケットに誤りがなければACKが生成され、受信パケットに誤りがあればNACKが生成される。生成されたACK/NACKは、誤り訂正符号化部160へ出力される。 【0054】 一方、回線品質測定部130によって、復調された受信パケットから上り回線の回線品質が測定され、スケジューリング部140へ出力される。これにより、スケジューリング部140には、受信電力情報、送信要求、および回線品質が入力されることになる。そして、スケジューリング部140によって、受信電力情報、送信要求、および回線品質が用いられてスケジューリングが行われ、移動局装置ごとの伝送レートの増減を示す指示コマンドが生成される。生成された指示コマンドは、誤り訂正符号化部160へ出力される。 【0055】 そして、送信データ、ACK/NACK、および指示コマンドからなる送信信号は、誤り訂正符号化部160によって誤り訂正符号化が施され、変調部170によって変調され、RF送信部180によって所定の無線送信処理が行われた上で、アンテナを介して移動局装置へ送信される。 【0056】 ここでは、移動局装置がソフトハンドオーバ中であるため、1つの移動局装置から送信されたパケットが複数の基地局装置によって受信される。そこで、以下の説明においては、ソフトハンドオーバ中の移動局装置が、例えば基地局装置#1、基地局装置#2、および基地局装置#3の3つの基地局装置と通信を行っているものとする。これらの基地局装置#1〜#3は、上述の動作によってそれぞれACK/NACKおよび指示コマンドを生成し、移動局装置へ送信する。このとき、移動局装置と基地局装置#1〜#3との間の上り回線の伝搬環境および基地局装置#1〜#3の総受信電力の内訳は、基地局装置ごとに異なっているため、基地局装置#1〜#3が同一のACK/NACKおよび指示コマンドを送信するとは限らない。 【0057】 次に、このような状況の下で、移動局装置が指示コマンドを選択して伝送レート制御を行う動作について説明する。 【0058】 基地局装置#1〜#3によって送信された信号は、図2に示す移動局装置によって受信される。具体的には、RF受信部200によって信号が受信されると、所定の無線受信処理が行われた後、復調部210によって、それぞれの基地局装置#1〜#3に対応する受信信号が復調される。復調された基地局装置ごとの受信信号は、誤り訂正復号部220によって誤り検出・誤り訂正され、受信データが出力される。同時に、受信データ中に含まれる基地局装置ごとの指示コマンドが伝送レート制御部240の指示コマンド抽出部244へ出力され、基地局装置ごとのACKまたはNACKがデータ再送制御部230および伝送レート制御部240のACK/NACK判定部242へ出力される。 【0059】 そして、データ再送制御部230によって、基地局装置#1〜#3すべての基地局装置からNACKが送信されている場合は、パケットを再送する旨が送信データバッファ部250へ通知され、いずれか1つの基地局装置からでもACKが送信されている場合は、次のパケットを送信する旨が送信データバッファ部250へ通知される。 【0060】 一方、伝送レート制御部240においては、図4に示すフローに従って、実際の送信に採用される送信レートが決定される。 【0061】 すなわち、まず、ACK/NACK判定部242によって、基地局装置#1〜#3のそれぞれからACKまたはNACKのどちらが送信されたかが判定される(ST1000)。このとき、ACK/NACK判定部242によって判定されるACK/NACKは、最も新しく受信された基地局装置ごとのACK/NACKである。つまり、例えば送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)ごとのACK/NACKの履歴が図5に示すもののような場合、ACK/NACK判定部242は、破線で囲まれた直近のTTI#0に対するACKまたはNACKを対象にして判定を行う。これにより、常に最新の上り回線の状態を反映したACK/NACKを指示コマンドの選択に用いることができる。 【0062】 図5において、ACKを送信した基地局装置#1および基地局装置#3に関しては、基地局装置#2よりも上り回線の伝搬環境が良好で、移動局装置から送信されたパケットが誤りなく伝送されると判断される。したがって、このような基地局装置からの指示コマンドに従って伝送レート制御を行うことにより、上り回線のパケットの伝送品質が良好に保たれ、再送が発生する回数を低減することができると考えられる。 【0063】 そこで、ACK/NACK判定部242によって、基地局装置#1〜#3のうち、ACKを送信した基地局装置#1および基地局装置#3の優先度が最大であると決定される。さらに、ACK/NACK判定部242によって、これらの基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する旨が指示コマンド抽出部244へ通知される。そして、指示コマンド抽出部244によって、基地局装置#1および基地局装置#3の指示コマンドが抽出され(ST1100)、レート決定部246へ出力される。 【0064】 そして、レート決定部246によって、抽出された指示コマンドが1つであるか否かが判定される(ST1200)。この結果、抽出された指示コマンドが1つである場合、換言すれば、1つの基地局装置のみからACKが送信された場合は、この基地局装置の指示コマンドに従って伝送レートが決定される(ST1300)。 【0065】 一方、図5に示したように、基地局装置#1および基地局装置#3の2つの基地局装置からACKが送信され、対応する2つの指示コマンドが抽出された場合は、これらの指示コマンドから後述する方法で伝送レートが決定される(ST1400)。 【0066】 すなわち、図6に示すように、複数の指示コマンドの中に伝送レートを減少させる旨の指示コマンド「Down」があるか否かが判定され(ST1410)、1つでも指示コマンド「Down」があれば伝送レートを減少させる(ST1420)。また、指示コマンド「Down」が1つもない場合は、伝送レートを維持させる旨の指示コマンド「Keep」があるか否かが判定され(ST1430)、1つでも指示コマンド「Keep」があれば伝送レートを維持する(ST1440)。そして、指示コマンド「Keep」が1つもない場合、換言すれば、すべての指示コマンドが伝送レートを増加させる旨の指示コマンド「Up」である場合は、伝送レートを増加させる(ST1450)。 【0067】 なお、図6に示す伝送レートの決定方法は、指示コマンドの抽出前に実行することも可能である。すなわち、複数の基地局装置から受信された指示コマンドの中に、1つでも指示コマンド「Down」があれば伝送レートを減少させ、指示コマンド「Down」が1つもなく、かつ1つでも指示コマンド「Keep」があれば伝送レートを維持する。これ以外の場合、換言すれば、すべての指示コマンドが指示コマンド「Up」である場合にのみ、伝送レートを増加させる。 【0068】 以上のように、ST1300またはST1400で伝送レートが決定されると、再び図4を参照して、決定された伝送レートに対応する送信電力が移動局装置から送信可能な最大送信電力未満であるか否かがレート決定部246によって判定される(ST1500)。この結果、決定された伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力未満であれば、この伝送レートが実際の送信に採用される送信レートとしてレート決定部246から出力される。一方、決定された伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力以上であれば、最大送信電力に対応する伝送レートが実際の送信に採用される送信レートとしてレート決定部246から出力される。レート決定部246から出力された送信レートは、送信データバッファ部250、誤り訂正符号化部260、変調部270、および送信電力制御部280に入力される。 【0069】 そして、以下のように、ST1300またはST1400で決定された伝送レートが送信レートとなった場合は、決定された伝送レートでパケットが送信され(ST1600)、最大送信電力に対応する伝送レートが送信レートとなった場合は、最大送信電力に対応する伝送レートでパケットが送信される(ST1700)。 【0070】 すなわち、送信レートに対応する量の送信データが送信データバッファ部250から出力され、出力された送信データは、誤り訂正符号化部260によって、送信レートに対応する符号化率の誤り訂正符号化が行われ、変調部270によって、送信レートに対応する変調多値数の変調方式で変調される。さらに、送信電力制御部280によって、送信電力が送信レートに対応する値に制御され、変調後の送信データは、パケット化された上で、RF送信部290からアンテナを介して送信される。 【0071】 以上のように、本実施の形態によれば、複数の基地局装置それぞれから送信された直近のACK/NACKを判定し、ACKを送信した基地局装置の優先度を最大にして、移動局装置がこの基地局装置から送信された伝送レートの指示コマンドに基づく伝送レート制御を行う。このため、最新の上り回線の伝搬環境を反映して、基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【0072】 (実施の形態2) 本発明の実施の形態2の特徴は、所定の時間内に送信したACKの数を基地局装置の得点とし、最も多くのACKを送信した基地局装置の優先度を最大にして、移動局装置が伝送レート制御を行う点である。 【0073】 本実施の形態に係る基地局装置の構成は、実施の形態1に係る基地局装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る移動局装置の構成は、実施の形態1に係る移動局装置(図2)と同様であるが、伝送レート制御部240の内部構成のみが実施の形態1とは異なっている。 【0074】 そこで、図7を参照して、本実施の形態に係る移動局装置の伝送レート制御部240の内部構成について説明する。なお、図7において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。 【0075】 図7に示すように、本実施の形態に係る伝送レート制御部240は、バッファ部302、ACK計数部304、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246を有している。これらのバッファ部302、ACK計数部304、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246は、主に移動局装置がソフトハンドオーバ中に動作する。 【0076】 バッファ部302は、誤り訂正復号部220から出力された基地局装置ごとのACK/NACKを一時的に記憶する。このとき、バッファ部302は、基地局装置ごとかつTTIごとにACKまたはNACKのどちらが返送されてきたかを記憶する。 【0077】 ACK計数部304は、フェージング変動の速さの指標となる最大ドップラー周波数に応じてACKを計数する対象のTTI区間(TTIの数)を設定し、このTTI区間に対応するACKの数を計数する。 【0078】 具体的には、ACK計数部304は、最大ドップラー周波数が大きくフェージング変動が速い場合は、伝搬環境が短期間で変化すると考えられるため、最新のTTIから比較的新しいTTIまでをTTI区間として設定する。一方、ACK計数部304は、最大ドップラー周波数が小さくフェージング変動が遅い場合は、伝搬環境が長時間にわたってあまり変化しないと考えられるため、最新のTTIから比較的古いTTIまでをTTI区間として設定する。 【0079】 そして、ACK計数部304は、TTI区間において最も多くACKを送信した基地局装置については、上り回線におけるパケットの伝送品質が安定して良好であると判断し、ACK数が最大の基地局装置の優先度が最大であるとして、この基地局装置の指示コマンドの抽出を指示コマンド抽出部244に指示する。 【0080】 次いで、上述のように構成された移動局装置のソフトハンドオーバ中における送信レート決定動作について、図8および図9を参照して具体的に説明する。なお、本実施の形態において、基地局装置から移動局装置へ指示コマンドおよびACK/NACKが送信されるまでの動作、ならびに移動局装置によって受信信号の復調・誤り訂正が行われるまでの動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。 【0081】 したがって、以下では、主に、移動局装置の伝送レート制御部240における伝送レート制御について説明する。 【0082】 本実施の形態においては、誤り訂正復号部220によって、基地局装置ごとのACK/NACKが伝送レート制御部240のバッファ部302へ出力される。これらのACK/NACKは、履歴としてバッファ部302によって記憶される。具体的には、例えば図9に示すように、基地局装置#1〜#3それぞれのTTIごとのACK/NACKが記憶される。 【0083】 そして、伝送レート制御部240においては、図8に示すフローに従って、実際の送信に採用される送信レートが決定される。なお、図8において、図4と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。 【0084】 まず、ACK計数部304によって、最大ドップラー周波数に応じたTTI区間が設定される(ST2000)。本実施の形態におけるTTI区間は、ACKを計数する対象のTTIの数であり、伝搬環境が頻繁に変化する場合は比較的新しいTTIのみを対象とし、伝搬環境があまり変化しない場合は比較的古いTTIまでを対象とするように設定される。したがって、最大ドップラー周波数が大きい場合は、比較的短いTTI区間が設定され、最大ドップラー周波数が小さい場合は、比較的長いTTI区間が設定される。 【0085】 そして、ACK計数部304によって、TTI区間における基地局装置ごとのACKの数が計数され(ST2100)、すべての基地局装置に関してACKの計数が終了するまで繰り返される(ST2200)。図9に示す例では、破線によって囲まれるTTI#0〜#3の4つのTTIがTTI区間400に設定され、まず基地局装置#1のACKが計数されて3という結果が得られ、次に基地局装置#2のACKが計数されて1が得られ、最後に基地局装置#3のACKが計数されて2が得られる。これらのACKの数は、それぞれの基地局装置の得点となる。 【0086】 図9において、得点が高い(すなわち、TTI区間400におけるACKの送信回数が最も多い)基地局装置#1に関しては、他の基地局装置#2、#3よりも上り回線の伝搬環境が安定して良好で、移動局装置から送信されたパケットが誤りなく伝送されると判断される。したがって、このような基地局装置からの指示コマンドに従って伝送レート制御を行うことにより、上り回線のパケットの伝送品質が良好に保たれ、再送が発生する回数を低減することができると考えられる。 【0087】 そこで、ACK計数部304によって、基地局装置#1〜#3のうち、TTI区間400にACKを最も多く送信した基地局装置#1の優先度が最大であると決定される。さらに、ACK計数部304によって、基地局装置#1から送信された指示コマンドを抽出する旨が指示コマンド抽出部244へ通知される。そして、指示コマンド抽出部244によって、基地局装置#1の指示コマンドが抽出され(ST2300)、レート決定部246へ出力される。 【0088】 以下、実施の形態1と同様に、レート決定部246によって、指示コマンドから伝送レートが決定され、決定された伝送レートに対応する送信電力が移動局装置の最大送信電力と比較され、決定された伝送レートまたは最大送信電力に対応する伝送レートが最終的な送信レートとなる。 【0089】 図9に示した例では、ACK数が最大の基地局装置が基地局装置#1のみであるため、この基地局装置#1の指示コマンドに従って伝送レートが決定され、この伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力未満であれば、決定された伝送レートがそのまま送信レートとなり、決定された伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力以上であれば、最大送信電力に対応する伝送レートが送信レートとなる。決定された送信レートは、レート決定部246から送信データバッファ部250、誤り訂正符号化部260、変調部270、および送信電力制御部280に入力され、実施の形態1と同様に、送信レートに従ってパケットが送信される。 【0090】 以上のように、本実施の形態によれば、最大ドップラー周波数に応じて設定されたTTI区間のパケットに対し、最も多くのACKを送信した基地局装置の優先度を最大にするため、指示コマンドの選択において、上り回線の伝搬環境が安定して良好であるか否かを反映させることができる。 【0091】 なお、本実施の形態においては、単純にACKを計数するものとしたが、初めて送信されたパケットに対するACKのみを計数するようにしても良い。同じACKでも、NACKが送信された直後のACKは、再送されたパケットに対するACKであることを意味しており、再送が発生しているということは上り回線の伝送品質が良好ではないことになる。したがって、2回以上連続して送信されたACKは、初回送信のパケットに対するACKであると判断され、このようなACKのみを計数することにより、さらに正確に上り回線の伝搬環境を反映することができる。 【0092】 同様に考えて、例えば、初回送信のパケットに対するACKを1回と計数するのに対し、再送のパケットに対するACKを0.5回と計数するようにして、再送回数に応じた重み付けを行ってACKを計数しても良い。 【0093】 また、本実施の形態においては、TTI区間において新しいTTIに対するACKほど重みを高くするようにしても良い。すなわち、例えば、直近のTTIに対するACKを1回と計数するのに対し、1つ前のTTIに対するACKを0.5回と計数するようにして、対応するTTIの新旧に応じた重み付けを行ってACKを計数しても良い。 【0094】 (実施の形態3) 本発明の実施の形態3の特徴は、所定の時間内におけるACKおよびNACKに数値を割り当てて点数化し、点数の加算平均を基地局装置の得点とし、得点が最も高い基地局装置の優先度を最大にして、移動局装置が伝送レート制御を行う点である。 【0095】 本実施の形態に係る基地局装置の構成は、実施の形態1に係る基地局装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る移動局装置の構成は、実施の形態1に係る移動局装置(図2)と同様であるが、伝送レート制御部240の内部構成のみが実施の形態1とは異なっている。 【0096】 そこで、図10を参照して、本実施の形態に係る移動局装置の伝送レート制御部240の内部構成について説明する。なお、図10において、図3および図7と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。 【0097】 図10に示すように、本実施の形態に係る伝送レート制御部240は、バッファ部302、点数化部502、加算平均算出部504、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246を有している。これらのバッファ部302、点数化部502、加算平均算出部504、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246は、主に移動局装置がソフトハンドオーバ中に動作する。 【0098】 点数化部502は、最大ドップラー周波数に応じてACK/NACKを点数化する対象のTTI区間を設定し、このTTI区間における基地局装置ごとのACK/NACKに点数を付与する。 【0099】 具体的には、点数化部502は、最大ドップラー周波数が大きい場合は、最新のTTIから比較的新しいTTIまでをTTI区間として設定する一方、最大ドップラー周波数が小さい場合は、最新のTTIから比較的古いTTIまでをTTI区間として設定する。 【0100】 そして、点数化部502は、基地局装置ごとに、例えばTTI区間におけるACKには1点、NACKには0点などのように数値化して点数を付与し、基地局装置ごとの点数を加算平均算出部504へ出力する。 【0101】 加算平均算出部504は、基地局装置ごとの点数の加算平均を算出し、加算平均が最も高い基地局装置については、上り回線におけるパケットの伝送品質が安定して良好であると判断し、加算平均が最大の基地局装置の優先度が最大であるとして、この基地局装置の指示コマンドの抽出を指示コマンド抽出部244に指示する。 【0102】 次いで、上述のように構成された移動局装置のソフトハンドオーバ中における送信レート決定動作について、図11および図12を参照して具体的に説明する。なお、本実施の形態において、基地局装置から移動局装置へ指示コマンドおよびACK/NACKが送信されるまでの動作、ならびに移動局装置によって受信信号の復調・誤り訂正が行われるまでの動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。 【0103】 したがって、以下では、主に、移動局装置の伝送レート制御部240における伝送レート制御について説明する。 【0104】 本実施の形態においては、実施の形態2と同様に、基地局装置ごとのACK/NACKが誤り訂正復号部220からバッファ部302へ出力される。これらのACK/NACKは、履歴としてバッファ部302によって記憶される。具体的には、例えば図12に示すように、基地局装置#1〜#3それぞれのTTIごとのACK/NACKが記憶される。 【0105】 そして、伝送レート制御部240においては、図11に示すフローに従って、実際のパケット送信に採用される送信レートが決定される。なお、図11において、図4と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。 【0106】 まず、点数化部502によって、最大ドップラー周波数に応じたTTI区間が設定される(ST3000)。本実施の形態におけるTTI区間は、ACK/NACKを点数化する対象のTTIの数であり、伝搬環境が頻繁に変化する場合は比較的新しいTTIのみを対象とし、伝搬環境があまり変化しない場合は比較的古いTTIまでを対象とするように設定される。したがって、最大ドップラー周波数が大きい場合は、比較的短いTTI区間が設定され、最大ドップラー周波数が小さい場合は、比較的長いTTI区間が設定される。 【0107】 そして、点数化部502によって、TTI区間における基地局装置ごとのACK/NACKが点数化される(ST3100)。ここでは、例えばACKが1点、NACKが0点として点数化されるものとする。基地局装置ごとの点数は、加算平均算出部504へ出力され、加算平均算出部504によって、基地局装置ごとの点数の加算平均が算出され(ST3200)、すべての基地局装置に関して点数の加算平均が算出されるまで処理が繰り返される(ST3300)。図12に示す例では、破線によって囲まれるTTI#0〜#3の4つのTTIがTTI区間600に設定され、まず基地局装置#1の加算平均が0.75(=3/4)と算出され、次に基地局装置#2の加算平均が0.25(=1/4)と算出され、最後に基地局装置#3の加算平均が0.5(=2/4)と算出される。これらの点数の加算平均は、それぞれの基地局装置の得点となる。 【0108】 なお、ここでは、基地局装置#1〜#3すべてのTTI区間を4としたため、加算平均を算出する際の分母がすべての基地局装置#1〜#3で等しいが、最大ドップラー周波数に応じて各基地局装置におけるTTI区間が異なる場合は、加算平均算出の分母も異なる。このようにTTI区間が基地局装置によって異なる場合は、TTI区間のACKの数のみでは上り回線の伝送品質の比較はできないが、本実施の形態によれば、単純に基地局装置#1〜#3の得点を比較することで、上り回線の伝送品質を比較することができる。 【0109】 図12において、得点が高い(すなわち、TTI区間における点数の加算平均が最も高い)基地局装置#1に関しては、他の基地局装置#2、#3よりも上り回線の伝搬環境が安定して良好で、移動局装置から送信されたパケットが誤りなく伝送されると判断される。したがって、このような基地局装置からの指示コマンドに従って伝送レート制御を行うことにより、上り回線のパケットの伝送品質が良好に保たれ、再送が発生する回数を低減することができると考えられる。 【0110】 そこで、加算平均算出部504によって、基地局装置#1〜#3のうち、TTI区間600における点数の加算平均が最も高い基地局装置#1の優先度が最大であると決定される。さらに、加算平均算出部504によって、基地局装置#1から送信された指示コマンドを抽出する旨が指示コマンド抽出部244へ通知される。そして、指示コマンド抽出部244によって、基地局装置#1の指示コマンドが抽出され(ST3400)、レート決定部246へ出力される。 【0111】 以下、実施の形態1と同様に、レート決定部246によって、指示コマンドから伝送レートが決定され、決定された伝送レートに対応する送信電力が移動局装置の最大送信電力と比較され、決定された伝送レートまたは最大送信電力に対応する伝送レートが最終的な送信レートとなる。 【0112】 図12に示した例では、点数の加算平均が最大の基地局装置が基地局装置#1のみであるため、この基地局装置#1の指示コマンドに従って伝送レートが決定され、この伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力未満であれば、決定された伝送レートがそのまま送信レートとなり、決定された伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力以上であれば、最大送信電力に対応する伝送レートが送信レートとなる。決定された送信レートは、レート決定部246から送信データバッファ部250、誤り訂正符号化部260、変調部270、および送信電力制御部280に入力され、実施の形態1と同様に、送信レートに従ってパケットが送信される。 【0113】 以上のように、本実施の形態によれば、最大ドップラー周波数に応じて設定されたTTI区間のパケットに対するACK/NACKに点数を付与し、点数の加算平均が最大である基地局装置の優先度を最大にするため、指示コマンドの選択において、上り回線の伝搬環境が安定して良好であるか否かを反映させることができる。 【0114】 なお、本実施の形態においては、算出された基地局装置ごとの加算平均を所定の閾値と比較し、加算平均が所定の閾値以上である基地局装置の指示コマンドを抽出するようにしても良い。そして、抽出された指示コマンドが複数である場合は、実施の形態1で説明したように、1つでも指示コマンド「Down」があれば伝送レートを減少させ、「Down」がない場合は1つでも「Keep」があれば伝送レートを維持し、すべての指示コマンドが「Up」である場合に伝送レートを増加させる。 【0115】 本実施の形態においては、TTI区間におけるACK/NACKに点数を付与することにより、実施の形態2とは異なり、TTI区間におけるACKとNACKの割合まで考慮したことになる。このため、点数の加算平均に対して閾値判定を行うことにより、ACKとNACKの割合に絶対的な基準を設けて、上り回線の伝送品質が劣悪な基地局装置を確実に排除することができる。したがって、閾値判定を行うことにより、基地局装置間の相対的な比較のみではなく、絶対的な上り回線の伝送品質の良否を反映することができる。 【0116】 (実施の形態4) 本発明の実施の形態4の特徴は、過去に算出された基地局装置ごとの得点に忘却係数を乗じた上で、新たに基地局装置から送信されたACKおよびNACKに数値を割り当てた点数を加算した結果を基地局装置の得点とし、得点が最も高い基地局装置の優先度を最大にして、移動局装置が伝送レート制御を行う点である。 【0117】 本実施の形態に係る基地局装置の構成は、実施の形態1に係る基地局装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る移動局装置の構成は、実施の形態1に係る移動局装置(図2)と同様であるが、伝送レート制御部240の内部構成のみが実施の形態1とは異なっている。 【0118】 そこで、図13を参照して、本実施の形態に係る移動局装置の伝送レート制御部240の内部構成について説明する。なお、図13において、図3および図7と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。 【0119】 図13に示すように、本実施の形態に係る伝送レート制御部240は、バッファ部302、重み付け点数化部702、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246を有している。これらのバッファ部302、重み付け点数化部702、指示コマンド抽出部244、およびレート決定部246は、主に移動局装置がソフトハンドオーバ中に動作する。 【0120】 重み付け点数化部702は、前回算出された得点に対する忘却係数を最大ドップラー周波数に応じて決定し、新たなACKまたはNACKに付与される点数を忘却係数が乗じられた前回の得点に加算して今回の得点を算出する。 【0121】 具体的には、重み付け点数化部702は、最大ドップラー周波数が大きい場合は、前回の得点の重みが比較的小さくなる忘却係数を前回の得点に乗算する一方、最大ドップラー周波数が小さい場合は、前回の得点の重みが比較的大きくなる忘却係数を前回の得点に乗算する。 【0122】 そして、重み付け点数化部702は、忘却係数が乗算された前回の得点に、前回の得点算出以後に基地局装置から送信されたACK/NACKに対応する点数(例えばACKは1点、NACKは0点)を加算して今回の得点を算出する。さらに、重み付け点数化部702は、算出された今回の得点が最も高い基地局装置については、上り回線におけるパケットの伝送品質が安定して良好であると判断し、今回の得点が最大の基地局装置の優先度が最大であるとして、この基地局装置の指示コマンドの抽出を指示コマンド抽出部244に指示する。 【0123】 次いで、上述のように構成された移動局装置のソフトハンドオーバ中における送信レート決定動作について、図14を参照して説明する。なお、本実施の形態において、基地局装置から移動局装置へ指示コマンドおよびACK/NACKが送信されるまでの動作、ならびに移動局装置によって受信信号の復調・誤り訂正が行われるまでの動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。 【0124】 したがって、以下では、主に、移動局装置の伝送レート制御部240における伝送レート制御について説明する。 【0125】 本実施の形態においては、実施の形態2と同様に、基地局装置ごとのACK/NACKが誤り訂正復号部220からバッファ部302へ出力される。これらのACK/NACKは、履歴としてバッファ部302によって記憶される。 【0126】 そして、伝送レート制御部240においては、図14に示すフローに従って、実際のパケット送信に採用される送信レートが決定される。なお、図14において、図4と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。 【0127】 まず、重み付け点数化部702によって、基地局装置ごとの重み付けされた得点が算出される(ST4000)。具体的には、まず、重み付け点数化部702によって、最大ドップラー周波数に応じた忘却係数が決定され、前回算出された得点に忘却係数が乗算される。忘却係数は、伝搬環境が頻繁に変化する場合は前回の得点の重みを比較的小さくする値に決定され、伝搬環境があまり変化しない場合は前回の得点の重みを比較的大きくする値に決定される。したがって、最大ドップラー周波数が大きい場合は、比較的小さい忘却係数が決定され、最大ドップラー周波数が小さい場合は、比較的大きい忘却係数が決定される。 【0128】 そして、重み付け点数化部702によってバッファ部302が参照されることにより、前回の得点算出以後に基地局装置から送信された新たなACK/NACKに点数が付与される。ACK/NACKに対する点数の付与は、例えばACKを1点、NACKを0点とするように数値化して行われる。さらに、重み付け点数化部702によって、忘却係数を乗算後の前回の得点に新たなACK/NACKの点数が加算され、今回の得点が算出される。なお、重み付け点数化部702は、初回の得点算出時には、忘却係数を0として前回の得点は考慮しない。このように、重み付け点数化部702によって、基地局装置ごとの時間的な重み付けが施された得点が算出され、すべての基地局装置に関して今回の得点が算出されるまで処理が繰り返される(ST4100)。 【0129】 このように算出された今回の得点が最も高い基地局装置に関しては、前回の点数化までの状況を考慮に入れても上り回線の伝搬環境が良好で、移動局装置から送信されたパケットが誤りなく伝送されると判断される。したがって、このような基地局装置からの指示コマンドに従って伝送レート制御を行うことにより、上り回線のパケットの伝送品質が良好に保たれ、再送が発生する回数を低減することができると考えられる。 【0130】 そこで、重み付け点数化部702によって、今回の得点が最も高い基地局装置の優先度が最大であると決定される。さらに、重み付け点数化部702によって、優先度が最大の基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する旨が指示コマンド抽出部244へ通知される。そして、指示コマンド抽出部244によって、重み付け点数化部702から通知された指示コマンドが抽出され(ST4200)、レート決定部246へ出力される。 【0131】 以下、実施の形態1と同様に、レート決定部246によって、指示コマンドから伝送レートが決定され、決定された伝送レートに対応する送信電力が移動局装置の最大送信電力と比較され、決定された伝送レートまたは最大送信電力に対応する伝送レートが最終的な送信レートとなる。そして、送信レートは、レート決定部246から送信データバッファ部250、誤り訂正符号化部260、変調部270、および送信電力制御部280に入力され、実施の形態1と同様に、送信レートに従ってパケットが送信される。 【0132】 以上のように、本実施の形態によれば、最大ドップラー周波数に応じて決定された忘却係数を前回の得点に乗算し、忘却係数乗算後の前回の得点に新たなACK/NACKの点数を加算して今回の得点を算出する。そして、今回の得点が最大である基地局装置の優先度を最大にするため、指示コマンドの選択において、上り回線の伝搬環境が安定して良好であるか否かを反映させることができる。 【0133】 なお、上記実施の形態2〜4においては、TTI区間の設定および忘却係数の決定に最大ドップラー周波数を用いるが、最大ドップラー周波数は、移動局装置が下り回線の信号を用いて測定しても良く、各基地局装置が上り回線の信号を用いて測定し、移動局装置へ通知しても良い。また、図9および図12に示した例では、最大ドップラー周波数に応じて設定されるTTI区間を全基地局装置#1〜#3に共通のものとしたが、実際には各基地局装置において測定される最大ドップラー周波数が異なっていると考えられるため、それぞれの基地局装置#1〜#3で異なるTTI区間を設定しても良い。同様に、実施の形態4における忘却係数も基地局装置ごとに異なっていても良い。 【0134】 また、上記実施の形態3、4においては、ACKに1点、NACKに0点を付与して数値化するものとしたが、それぞれに付与される点数は任意で良い。 【0135】 また、上記実施の形態3、4において、初めて送信されたパケットに対するACKの点数を高くし、再送されたパケットに対するACKの点数を低くするようにしても良い。同じACKでも、NACKが送信された直後のACKは、再送されたパケットに対するACKであることを意味しており、再送が発生しているということは上り回線の伝送品質が良好ではないことになる。したがって、2回以上連続して送信されたACKは、初回送信のパケットに対するACKであると判断され、このようなACKに対して高い点数を付与することにより、さらに正確に上り回線の伝搬環境を反映することができる。 【0136】 同様に考えて、ACKの前にNACKが連続した回数に応じて、点数に傾斜を設けるようにしても良い。すなわち、例えば、ACKの前にNACKが1回のみであれば、再送が1回のみ発生したことになるため比較的高い点数を付与し、ACKの前にNACKが2回連続していれば、再送が2回発生したことになるため比較的低い点数を付与するようにしても良い。 【0137】 (実施の形態5) 本発明の実施の形態5の特徴は、移動局装置が最終的に送信レートを決定する際、指示コマンドから決定した伝送レートに対応する送信電力を、基地局装置において受信可能な電力に対応する許容送信電力と比較する点である。 【0138】 図15は、実施の形態5に係る基地局装置の要部構成を示すブロック図である。図15に示す基地局装置は、図1に示す基地局装置のスケジューリング部140をスケジューリング部140aに代え、ΔRoT算出部800を追加した構成となっている。 【0139】 スケジューリング部140aは、RF受信部100から出力された受信電力情報、誤り訂正復号部120から出力された送信要求、および回線品質測定部130によって測定された回線品質に基づいて各移動局装置からのパケットに対して割り当てる自装置の受信電力を決定し、それぞれの移動局装置に割り当てられた受信電力に対応する移動局装置ごとの伝送レートの指示コマンドを生成する。 【0140】 また、スケジューリング部140aは、RoT閾値、受信電力情報、およびスケジューリングによる受信電力の割り当て結果をΔRoT算出部800へ出力する。 【0141】 ΔRoT算出部800は、RoT閾値と受信電力の割り当て結果から、基地局装置においてさらに受信する余裕がある電力を示すΔRoTを算出する。具体的には、ΔRoT算出部800は、図16に示すΔRoT810を算出する。すなわち、ΔRoT算出部800は、RoT閾値から熱雑音電力を減算して、目標RoT820を求める。そして、ΔRoT算出部800は、実際にRF受信部100において受信された信号全体の総受信電力から熱雑音電力を減算して、受信RoT830を求める。さらに、ΔRoT算出部800は、目標RoT820から受信RoT830を減算してΔRoT810を算出する。算出されたΔRoTは、誤り訂正符号化部160、変調部170、およびRF送信部180を経て、セル内の移動局装置に報知される。本実施の形態においては、移動局装置がソフトハンドオーバ中であるため、移動局装置は、複数の基地局装置からそれぞれΔRoTを受信することになる。 【0142】 なお、ΔRoT算出部800は、図16中のE−DCH受信電力をスケジューリングによる受信電力の割り当て結果に置き換えて、将来予想されるΔRoTを算出しても良い。 【0143】 本実施の形態に係る移動局装置の構成は、実施の形態1に係る移動局装置(図2)と同様であるが、伝送レート制御部240の内部構成のみが実施の形態1とは異なっている。 【0144】 そこで、図17を参照して、本実施の形態に係る移動局装置の伝送レート制御部240の内部構成について説明する。なお、図17において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。 【0145】 図17に示すように、本実施の形態に係る伝送レート制御部240は、ACK/NACK判定部242、指示コマンド抽出部244、レート決定部246a、および許容送信電力取得部902を有している。これらのACK/NACK判定部242、指示コマンド抽出部244、レート決定部246a、および許容送信電力取得部902は、主に移動局装置がソフトハンドオーバ中に動作する。 【0146】 レート決定部246aは、指示コマンド抽出部244によって抽出された指示コマンドが複数の場合に、複数の指示コマンドの内容から伝送レートを増加するか、維持するか、または減少するかを決定する。さらに、レート決定部246aは、複数の指示コマンドの内容から決定された伝送レートに対応する送信電力が、すべての基地局装置が受信可能な許容送信電力を超えているか否かを判定し、最終的な送信レートを決定する。 【0147】 許容送信電力取得部902は、基地局装置ごとのΔRoTのうち最小のΔRoTを選択し、最小ΔRoTに対応する送信電力を許容送信電力としてレート決定部246aに通知する。具体的には、許容送信電力取得部902は、例えば自装置の現在の送信電力(基地局装置の受信RoTに含まれる自装置からの受信電力に対応する送信電力)にΔRoTを加算した電力を許容送信電力とする。 【0148】 次いで、上述のように構成された移動局装置のソフトハンドオーバ中における伝送レート決定動作について、図18を参照して説明する。なお、本実施の形態において、ΔRoTが基地局装置から移動局装置へ報知されている以外は、移動局装置によって受信信号の復調・誤り訂正が行われるまでの動作が実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。 【0149】 したがって、以下では、主に、移動局装置の伝送レート制御部240における伝送レート制御について説明する。 【0150】 本実施の形態においては、基地局装置から報知されたΔRoTは、誤り訂正復号部220から伝送レート制御部240の許容送信電力取得部902へ出力される。すなわち、許容送信電力取得部902には、通信相手となる基地局装置ごとのΔRoTが入力される。 【0151】 そして、伝送レート制御部240においては、図18に示すフローに従って、実際の送信に採用される送信レートが決定される。なお、図18において、図4と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。 【0152】 まず、許容送信電力取得部902によって、基地局装置ごとのΔRoTのうち最小のΔRoTが選択される。そして、最小ΔRoTに対応する送信電力が許容送信電力として取得される(ST5000)。この許容送信電力は、レート決定部246aに通知される。 【0153】 ΔRoTは、各基地局装置において受信する余裕がある電力を示しているため、このΔRoTによって許容される送信電力を超えた送信電力でパケットを送信すれば、受信電力が基地局装置のRoT閾値を超えてしまい、この基地局装置がカバーするセルでの干渉が増大する。したがって、最小ΔRoTを考慮した送信電力でパケットを送信することにより、システム全体の干渉の増大を防止することができる。 【0154】 許容送信電力の取得後、実施の形態1と同様に、直近のTTIに対してACKを返送した基地局装置の優先度が最大とされ、この基地局装置からの指示コマンドが抽出されて、伝送レートが決定される。 【0155】 そして、決定された伝送レートに対応する送信電力が許容送信電力未満であるか否かがレート決定部246aによって判定される(ST5100)。この結果、決定された伝送レートに対応する送信電力が許容送信電力未満であれば、この伝送レートを送信レートとしてパケットが送信される。一方、決定された伝送レートに対応する送信電力が許容送信電力以上であれば、許容送信電力に対応する伝送レートを送信レートとしてパケットが送信される(ST5200)。 【0156】 実施の形態1から4においては、指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力を、移動局装置から送信可能な最大送信電力と比較することにより、最終的な送信レートを決定した。しかし、たとえ指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力未満であっても、この送信電力でパケットを送信すると、パケットを受信するいずれかの基地局装置において受信電力が受信可能な範囲を超えてしまう可能性がある。 【0157】 そこで、本実施の形態においては、指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力を、基地局装置から報知されるΔRoTの最小値に対応する許容送信電力と比較することにより、最終的な送信レートを決定する。 【0158】 これにより、パケットを受信するすべての基地局装置において、受信電力が受信可能な範囲を超えてしまうことがなく、システム全体の干渉の増大を防止することができる。 【0159】 以上のように、本実施の形態によれば、上り回線の伝送品質が良好な基地局装置から送信された伝送レートの指示コマンドを選択した上で、この指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が許容送信電力未満である場合にのみ、指示コマンドに従った伝送レートを実際の送信レートとする。このため、移動局装置から送信されたパケットを受信するすべての基地局装置において、受信電力が受信可能な範囲を超えてしまうことがなく、システム全体の干渉の増大を防止することができる。 【0160】 なお、本実施の形態においては、実施の形態1と同様に直近の受信確認応答がACKである基地局装置からの指示コマンドを抽出するものとして説明したが、指示コマンドの抽出については、実施の形態2〜4と同様の方法で行っても良い。 【0161】 また、本実施の形態においては、説明の便宜上、指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力を許容送信電力のみと比較するものとしたが、移動局装置から送信可能な最大送信電力との比較を併せて行うのが望ましい。こうすることにより、移動局装置から送信不可能な送信電力や基地局装置のRoT閾値を超過させる送信電力に対応する伝送レートを確実に排除することができる。 【0162】 また、上記実施の形態1〜5においては、ソフトハンドオーバ中である移動局装置が、通信相手であるすべての基地局装置からACK/NACKおよび指示コマンドを受信するものとして説明したが、あらかじめACK/NACKを用いて優先度が最大の基地局装置を決定しても良い。 【0163】 すなわち、移動局装置は、上記実施の形態1〜5と同様の方法により、ACK/NACKから優先度が最大の基地局装置をあらかじめ決定しておく。そして、例えば、優先度が最大の基地局装置を通信相手であるすべての基地局装置へ報知し、優先度が最大の基地局装置のみから指示コマンドが送信されるようにしても良い。この場合は、指示コマンドに従って送信レートが決定された後、さらに、優先度が最大の基地局装置以外から、送信レートでの送信を許容するか否かの応答が返信されるようにしても良い。 【0164】 本発明の第1の態様に係る移動局装置は、複数の基地局装置から送信された、上り回線の信号に対する受信確認応答または上り回線の伝送レートを指示する指示コマンドを受信する受信手段と、受信された受信確認応答または指示コマンドの少なくともいずれか一方に基づいて実際の送信に用いる送信レートを決定する制御手段と、を有する構成を採る。 【0165】 この構成によれば、上り回線の信号に対する受信確認応答または伝送レートの指示コマンドを受信し、少なくともいずれか一方に基づいて伝送レートを制御するため、複数の異なる指示コマンドから実際の伝送レートを決定したり、受信確認応答を反映して実際の伝送レートを決定したりして、各基地局装置へ向かう上り回線の伝搬路状態を考慮することができ、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【0166】 本発明の第2の態様に係る移動局装置は、上記第1の態様において、前記制御手段は、伝送レートの減少を指示する指示コマンドが少なくとも1つ受信された場合は、伝送レート減少の指示コマンドに従った伝送レートを送信レートとして決定し、伝送レートの減少を指示する指示コマンドが受信されずに伝送レートの維持を指示する指示コマンドが少なくとも1つ受信された場合は、伝送レート維持の指示コマンドに従った伝送レートを送信レートとして決定する構成を採る。 【0167】 この構成によれば、複数の基地局装置から受信される指示コマンドのうち、最も低い伝送レートを指示する指示コマンドに従って伝送レートを制御するため、システム全体における干渉の増大を防止することができるとともに、加入者容量を増加させることができる。 【0168】 本発明の第3の態様に係る移動局装置は、上記第1の態様において、前記制御手段は、前記受信確認応答を用いて、前記複数の基地局装置のうち優先度が最大の基地局装置を選択する選択手段と、選択された基地局装置の指示コマンドに従った伝送レートから送信レートを決定する決定手段と、を含む構成を採る。 【0169】 この構成によれば、複数の基地局装置からそれぞれ受信された受信確認応答を用いて、各基地局装置のうち優先度が最大のものを選択して伝送レートを制御する。このため、複数の基地局装置から送信される伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、上り回線の伝送品質が良好な基地局装置に対応する伝送レート制御を行って、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【0170】 本発明の第4の態様に係る移動局装置は、上記第3の態様において、前記選択手段は、最も新しく受信された基地局装置ごとの受信確認応答が受信成功を示すACKであるか受信失敗を示すNACKであるかを判定するACK/NACK判定部と、判定の結果、受信確認応答がACKである基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する指示コマンド抽出部と、を有する構成を採る。 【0171】 この構成によれば、最新の受信確認応答としてACKを送信した基地局装置からの指示コマンドを抽出するため、最新の上り回線の伝送品質を反映して指示コマンドを選択することができるとともに、簡便な回路構成で適切な指示コマンド選択を実現することができる。 【0172】 本発明の第5の態様に係る移動局装置は、上記第3の態様において、前記選択手段は、過去に受信された受信確認応答を用いて、優先度が最大である指示コマンドを選択する構成を採る。 【0173】 この構成によれば、過去に受信された受信確認応答を用いて指示コマンドを選択するため、上り回線の伝送品質が長期にわたって安定して良好な基地局装置からの指示コマンドを選択することができる。 【0174】 本発明の第6の態様に係る移動局装置は、上記第5の態様において、前記選択手段は、最大ドップラー周波数に応じて過去の受信確認応答を指示コマンドの選択に反映する構成を採る。 【0175】 この構成によれば、最大ドップラー周波数に応じて過去の受信確認応答を用いるため、フェージング変動の速さを考慮して対象とする受信確認応答の区間や過去の受信確認応答に対する重みを決定することができ、上り回線の長期にわたる伝送品質をさらに正確に指示コマンドの選択に反映することができる。 【0176】 本発明の第7の態様に係る移動局装置は、上記第5の態様において、前記選択手段は、受信された基地局装置ごとの受信確認応答の履歴を記憶するバッファ手段と、受信された受信確認応答を数値化して基地局装置ごとの得点とする数値化手段と、得点が最も高い基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する抽出手段と、を含む構成を採る。 【0177】 この構成によれば、基地局装置ごとの受信確認応答の履歴において、ACKおよびNACKを数値化して基地局装置ごとの得点を決定し、得点が最も高い基地局装置から送信された指示コマンドを抽出する。このため、過去の受信確認応答を指示コマンドの選択に確実に反映することができるとともに、ACKおよびNACKの数値化によって処理を容易にすることができる。 【0178】 本発明の第8の態様に係る移動局装置は、上記第7の態様において、前記数値化手段は、所定の区間内の受信確認応答におけるACKの数を計数して基地局装置ごとの得点とするACK計数部、を有する構成を採る。 【0179】 この構成によれば、所定区間内のACKの数を基地局装置ごとの得点とするため、少ない演算量で上り回線の伝送品質が安定して良好な基地局装置を選択することができる。 【0180】 本発明の第9の態様に係る移動局装置は、上記第7の態様において、前記数値化手段は、所定の区間内の受信確認応答に対して点数を付与する点数化部と、所定の区間内における基地局装置ごとの点数の加算平均を算出して基地局装置ごとの得点とする加算平均算出部と、を有する構成を採る。 【0181】 この構成によれば、所定区間内における受信確認応答の点数を加算平均して基地局装置ごとの得点とするため、所定区間が基地局装置ごとに異なっている場合でも、単純に基地局装置ごとの得点を比較して、上り回線の伝送品質が安定して良好な基地局装置を選択することができる。また、加算平均を所定の閾値と比較することにより、基地局装置間の相対的な比較のみではなく、上り回線の伝送品質に絶対的な基準を設けることができる。 【0182】 本発明の第10の態様に係る移動局装置は、上記第7の態様において、前記数値化手段は、前回の基地局装置ごとの得点に重み付けをした上で新たに受信された受信確認応答に付与される点数を加算して今回の基地局装置ごとの得点を算出する重み付け点数化部、を有する構成を採る。 【0183】 この構成によれば、前回の基地局装置ごとの得点に重み付けをした上で、新たな受信確認応答の点数を加算して今回の得点とするため、過去の受信確認応答をすべて考慮に入れて上り回線の伝送品質を比較することができ、より確実に上り回線の伝送品質が良好な基地局装置からの指示コマンドを選択することができる。 【0184】 本発明の第11の態様に係る移動局装置は、上記第10の態様において、前記重み付け点数化部は、最大ドップラー周波数に応じて前回の基地局装置ごとの得点に重み付けする構成を採る。 【0185】 この構成によれば、最大ドップラー周波数に応じて前回の基地局装置ごとの得点に重み付けするため、フェージング変動の速さを考慮して忘却係数を決定することができ、上り回線の長期にわたる伝送品質をさらに正確に指示コマンドの選択に反映することができる。 【0186】 本発明の第12の態様に係る移動局装置は、上記第7の態様において、前記数値化手段は、初めて送信された信号に対するACKと再送された信号に対するACKとを異なる値に数値化する構成を採る。 【0187】 この構成によれば、初回送信の信号に対するACKと再送の信号に対するACKとに異なる点数を付与するため、初回送信の信号に対するACKのみをACKとして計数したり、再送の信号に対するACKに低い点数を付与したりするなど、より厳密に上り回線の伝送品質を評価することができる。 【0188】 本発明の第13の態様に係る移動局装置は、上記第3の態様において、前記決定手段は、複数の指示コマンドが選択された場合に、伝送レートを減少させる旨の指示コマンドが少なくとも1つ選択されている場合に伝送レートを減少させ、伝送レートを減少させる旨の指示コマンドが選択されずに伝送レートを維持させる旨の指示コマンドが少なくとも1つ選択されている場合に伝送レートを維持し、伝送レートを増加させる旨の指示コマンドのみが選択されている場合に伝送レートを増加させる構成を採る。 【0189】 この構成によれば、複数の基地局装置から受信される指示コマンドのうち、優先度が最大かつ最も低い伝送レートを指示する指示コマンドに従って伝送レートを制御するため、上り回線の伝送品質が良好な基地局装置に対応する伝送レート制御を行うとともに、システム全体における干渉の増大を防止することができる。 【0190】 本発明の第14の態様に係る移動局装置は、上記第3の態様において、前記決定手段は、選択された指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が自装置から送信可能な最大送信電力以下である場合は前記伝送レートを送信レートに決定し、前記伝送レートに対応する送信電力が前記最大送信電力以上である場合は前記最大送信電力に対応する伝送レートを送信レートに決定する構成を採る。 【0191】 この構成によれば、指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が最大送信電力以下である場合にのみ、この伝送レートを送信レートとして採用するため、移動局装置における限界を超えた制御をすることがなく、誤動作などを防止することができる。 【0192】 本発明の第15の態様に係る移動局装置は、上記第3の態様において、前記決定手段は、各基地局装置において受信する余裕がある受信電力を示す受信電力情報に基づいて自装置からの送信が許容される許容送信電力を取得する取得部、を含み、選択された指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が前記許容送信電力以下である場合は前記伝送レートを送信レートに決定し、前記伝送レートに対応する送信電力が前記許容送信電力以上である場合は前記許容送信電力に対応する伝送レートを送信レートに決定する構成を採る。 【0193】 この構成によれば、指示コマンドに従った伝送レートに対応する送信電力が許容送信電力以下である場合にのみ、この伝送レートを送信レートとして採用するため、基地局装置における受信電力が過剰になることを防止して、システム全体の干渉の増大を防止することができる。 【0194】 本発明の第16の態様に係る移動局装置は、上記第15の態様において、前記取得部は、各基地局装置において受信する余裕がある受信電力のうち最小の受信電力に対応する送信電力を許容送信電力とする構成を採る。 【0195】 この構成によれば、受信電力の余裕が最も小さい基地局装置に合わせた許容送信電力を取得するため、許容送信電力以下の送信電力に対応する伝送レートで信号を送信し、この信号の電力がすべての通信相手となる基地局装置において受信可能な範囲に収まって、システム全体の干渉の増大を確実に防止することができる。 【0196】 本発明の第17の態様に係る基地局装置は、移動局装置から送信される信号を受信する受信手段と、受信信号に基づいて前記移動局装置に対して伝送レートを指示する指示コマンドを生成する生成手段と、前記移動局装置に対して指示される伝送レートから自装置が受信する余裕がある受信電力を算出する算出手段と、生成された指示コマンドおよび算出された受信電力を送信する送信手段と、を有する構成を採る。 【0197】 この構成によれば、移動局装置からの受信信号に基づいて、この移動局装置への伝送レートの指示コマンドと基地局装置おいて受信する余裕がある受信電力とを取得し、移動局装置へ送信するため、移動局装置が指示コマンドに従った伝送レート制御を行う際に、基地局装置における受信電力が過剰となることを防止することができる。 【0198】 本発明の第18の態様に係る上り回線伝送レート制御方法は、複数の基地局装置から送信された、上り回線の信号に対する受信確認応答または上り回線の伝送レートを指示する指示コマンドを受信するステップと、受信された受信確認応答をまたは指示コマンドの少なくともいずれか一方に基づいて実際の送信に用いる送信レートを決定するステップと、を有するようにした。 【0199】 この方法によれば、上り回線の信号に対する受信確認応答または伝送レートの指示コマンドを受信し、少なくともいずれか一方に基づいて伝送レートを制御するため、複数の異なる指示コマンドから実際の伝送レートを決定したり、受信確認応答を反映して実際の伝送レートを決定したりして、各基地局装置へ向かう上り回線の伝搬路状態を考慮することができ、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【0200】 本発明の第19の態様に係る上り回線伝送レート制御方法は、複数の基地局装置から送信された、上り回線の信号に対する受信確認応答および上り回線の伝送レートを指示する指示コマンドを受信するステップと、受信された受信確認応答を用いて、前記複数の基地局装置のうち優先度が最大の基地局装置を選択するステップと、選択された基地局装置の指示コマンドに従った伝送レートから送信レートを決定するステップと、を有するようにした。 【0201】 この方法によれば、複数の基地局装置からそれぞれ受信された受信確認応答を用いて、各基地局装置のうち優先度が最大のものを選択して伝送レートを制御する。このため、複数の基地局装置から送信される伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、上り回線の伝送品質が良好な基地局装置に対応する伝送レート制御を行って、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができる。 【産業上の利用可能性】 【0202】 本発明に係る移動局装置および上り回線伝送レート制御方法は、基地局装置から送信される複数の伝送レートの指示コマンドから適切な指示コマンドを選択し、システム全体の干渉を低減するとともにセクタースループットを向上させることができ、例えばセル間を移動する際にソフトハンドオーバを実行する移動局装置および上り回線伝送レート制御方法として有用である。 【図面の簡単な説明】 【0203】 【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の要部構成を示すブロック図 【図2】実施の形態1に係る移動局装置の要部構成を示すブロック図 【図3】実施の形態1に係る伝送レート制御部の内部構成を示すブロック図 【図4】実施の形態1に係る伝送レート制御動作を示すフロー図 【図5】実施の形態1に係るACK/NACKの履歴の一例を示す図 【図6】実施の形態1に係るレート増減の決定を示すフロー図 【図7】本発明の実施の形態2に係る伝送レート制御部の内部構成を示すブロック図 【図8】実施の形態2に係る伝送レート制御動作を示すフロー図 【図9】実施の形態2に係るACK/NACKの履歴の一例を示す図 【図10】本発明の実施の形態3に係る伝送レート制御部の内部構成を示すブロック図 【図11】実施の形態3に係る伝送レート制御動作を示すフロー図 【図12】実施の形態3に係るACK/NACKの履歴の一例を示す図 【図13】本発明の実施の形態4に係る伝送レート制御部の内部構成を示すブロック図 【図14】実施の形態4に係る伝送レート制御動作を示すフロー図 【図15】本発明の実施の形態5に係る基地局装置の要部構成を示すブロック図 【図16】実施の形態5に係る基地局装置における受信電力の内訳の一例を示す図 【図17】実施の形態5に係る伝送レート制御部の内部構成を示すブロック図 【図18】実施の形態5に係る伝送レート制御動作を示すフロー図 【図19】基地局装置における受信電力の内訳の一例を示す図 【図20】移動体通信システムの一例を示す図 【符号の説明】 【0204】 140、140a スケジューリング部 200 RF受信部 210 復調部 220 誤り訂正復号部 230 データ再送制御部 240 伝送レート制御部 242 ACK/NACK判定部 244 指示コマンド抽出部 246、246a レート決定部 250 送信データバッファ部 260 誤り訂正符号化部 270 変調部 280 送信電力制御部 290 RF送信部 302 バッファ部 304 ACK計数部 502 点数化部 504 加算平均算出部 702 重み付け点数化部 800 ΔRoT算出部 902 許容送信電力取得部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
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| 【出願日】 |
平成16年9月13日(2004.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105050 【弁理士】 【氏名又は名称】鷲田 公一
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| 【公開番号】 |
特開2006−81126(P2006−81126A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月23日(2006.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願2004−266025(P2004−266025) |
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