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【発明の名称】 受信機及びディジタル放送受信方法
【発明者】 【氏名】岡林 郁治
【住所又は居所】埼玉県川越市山田字西町25番地1 パイオニア株式会社川越工場内

【氏名】中尾 堅志
【住所又は居所】埼玉県川越市山田字西町25番地1 パイオニア株式会社川越工場内

【氏名】床井 晶勅
【住所又は居所】埼玉県川越市山田字西町25番地1 パイオニア株式会社川越工場内

【氏名】脇本 啓史
【住所又は居所】埼玉県川越市山田字西町25番地1 パイオニア株式会社川越工場内

【要約】 【課題】サイマル放送されるディジタル放送とアナログ放送を受信状態に応じて切れ目無く切替える。

【解決手段】制御部5が、ディジタル放送受信部1の内部処理時間T1をディジタルテレビ放送の伝送方式に基づいて判定し、映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間をアナログ放送受信部2の内部処理時間T2との時間差(T1−T2)に設定する。受信状態検出部3,4でディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送の受信状態を検出し、ディジタル放送受信部1の受信再生出力VD1,AU1を切替え部8を介して出力中に、制御部5が受信状態検出部3,4の検出結果に基づいて受信状態の悪化を判断すると、切替え部8を制御して、映像遅延部6と音声遅延部7から出力されるアナログ放送受信部2の受信再生出力VD2,AU2に切替えて切れ目無く出力させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる放送方式でサイマル放送されるディジタル放送とアナログ放送を受信するディジタル放送受信部とアナログ放送受信部を有する受信機であって、
前記アナログ放送受信部の受信再生出力を遅延させて出力する遅延手段と、
前記ディジタル放送受信部の受信再生出力又は、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力を選択的に切替えて出力する切替え手段と、
前記ディジタル放送受信部が受信する前記ディジタル放送の受信状態を検出する受信状態検出手段と、
前記ディジタル放送の伝送方式に依る前記ディジタル放送受信部の内部処理時間と前記アナログ放送受信部の内部処理時間との時間差に相当する遅延時間を前記遅延手段に設定すると共に、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力の出力中に、前記受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記ディジタル放送の受信状態の悪化を判断すると、前記切替え手段を切替え制御して、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させる制御手段と、
を有することを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記アナログ放送受信部が受信する前記アナログ放送の受信状態を検出する他の受信状態検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記ディジタル放送の受信状態の悪化を判断すると、前記他の受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記アナログ放送の受信状態の良否を判断し、良好と判断すると前記切替え手段を切替え制御することを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記切替え手段を切替え制御して、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させた後、前記受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記ディジタル放送の受信状態が良好と判断すると、前記切替え手段を切替え制御して、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させることを特徴とする請求項1又は2に記載の受信機。
【請求項4】
前記受信状態検出手段は、受信感度を検出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の受信機。
【請求項5】
前記他の受信状態検出手段は、信号対ノイズの比を検出することを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【請求項6】
前記制御手段は、ディジタル放送に含めて送られてくる伝送制御信号内の伝送方式の情報に基づいて前記ディジタル放送受信部の内部処理時間を判定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の受信機。
【請求項7】
前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力は、アナログ放送の音声の信号であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の受信機。
【請求項8】
前記制御手段は、前記切替え手段を切替え制御して、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させると、警報表示のためのデータを出力することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の受信機。
【請求項9】
前記制御手段は、前記切替え手段を切替え制御して、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させると、ディジタル放送に切替わったことを示すデータを出力することを特徴とする請求項3に記載の受信機。
【請求項10】
異なる放送方式でサイマル放送されるディジタル放送とアナログ放送を受信するディジタル放送受信部とアナログ放送受信部を有する受信機のディジタル放送受信方法であって、
前記アナログ放送受信部の受信再生出力を遅延させて出力する遅延工程と、
前記ディジタル放送受信部の受信再生出力又は、前記遅延工程で遅延される前記アナログ放送受信部の受信再生出力を選択的に切替えて出力する切替え工程と、
前記ディジタル放送受信部が受信する前記ディジタル放送の受信状態を検出する受信状態検出工程と、
前記遅延工程における遅延時間を、前記ディジタル放送の伝送方式に依る前記ディジタル放送受信部の内部処理時間と前記アナログ放送受信部の内部処理時間との時間差に設定すると共に、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力の出力中に、前記受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記ディジタル放送の受信状態の悪化を判断すると、前記切替え工程を切替え制御して、前記遅延工程で遅延される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させる制御工程と、
を有することを特徴とするディジタル放送受信方法。
【請求項11】
前記アナログ放送受信部が受信する前記アナログ放送の受信状態を検出する他の受信状態検出工程を更に備え、
前記制御工程は、前記ディジタル放送の受信状態の悪化を判断すると、前記他の受信状態検出工程の検出結果に基づいて前記アナログ放送の受信状態の良否を判断し、良好と判断すると前記切替え工程を切替え制御することを特徴とする請求項10に記載のディジタル放送受信方法。
【請求項12】
前記制御工程は、前記切替え工程を切替え制御して、前記遅延工程で遅延される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させた後、前記受信状態検出工程の検出結果に基づいて前記ディジタル放送の受信状態が良好と判断すると、前記切替え工程を切替え制御して、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させることを特徴とする請求項10又は11に記載のディジタル放送受信方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、地上ディジタル放送を受信する受信機とディジタル放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上放送のディジタル化が進められ、新たな放送メデアとして地上ディジタル放送が開始されている。
【0003】
地上ディジタル放送では、多重化方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、情報源符号化方式及び伝送制御信号方式として、MPEG2−TS及びTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)が採用されている。これにより、伝送帯域幅を複数セグメントに分けて放送を行う多チャンネル化、テレビ放送等の高画質化及び高機能化、放送のみならず様々なデータを伝送するマルチメディア化、固定受信向けと移動受信向けの番組を組み合わせた放送サービス等を行うことを可能にしている。
【0004】
また、非特許文献1及び非特許文献2に公開されているように、既存の地上アナログテレビ放送から地上ディジタルテレビ放送への移行が完了するまでの移行期間では、同じ番組のアナログテレビ放送とディジタルテレビ放送とを夫々別個の伝送帯域に割り当てて同じ時間帯に放送するサイマル放送(simultaneous broadcast)が行われ、ユーザー等がディジタルテレビ放送を受信することが可能な受信機を購入等するまでの間、既存のアナログテレビ受信機でアナログテレビ放送を視聴することができるようになっている。
【0005】
また、移行期間では、所定の移行計画(アナログ周波数変更対策)に従ってアナログテレビ放送の伝送帯域を変更することにより、ディジタル放送用の伝送帯域を確保することとしている。
【0006】
【非特許文献1】総務大臣指定 指定周波数変更対策機関 ARIB 社団法人電波産業会「http://www.arib.or.jp/anahen/index.html」(アナログ周波数変更対策情報)
【非特許文献2】総務大臣指定 指定周波数変更対策機関 社団法人電波産業会「http://www.arib.or.jp/anahen/skj/1_skj.html#top」(地上ディジタルテレビ・アナログ周波数変更対策情報 アナログ周波数変更のスケジュール)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したように地上ディジタル放送への移行が完了するまでの移行期間では、移行計画に従ってサイマル放送が行われることから、サイマル放送を受信することが可能な受信機によってアナログテレビ放送とディジタルテレビ放送を選択して視聴等することが可能である。
【0008】
このため例えば、サイマル放送を受信することが可能な車載型や携帯型等の受信機では、移動中に生じる受信状態の悪化等の変化に応じて、ユーザー等がより良好な映像品質や音声品質の得られるアナログテレビ放送又はディジタルテレビ放送に切替えて、同時間帯に放送されている同じ番組を継続して視聴等することが可能である。
【0009】
ところが、受信状態の悪化等の変化に応じて、ユーザー等が受信中のディジタルテレビ放送から、同番組を放送しているアナログテレビ放送の選局チャンネルを探索して手動で切替えたり、また、受信中のアナログテレビ放送から、より良好な映像品質や音声品質の得られる同番組を放送しているディジタルテレビ放送の選局チャンネルを探索して手動で切替えたのでは、良好な操作性が得られない等の問題を生じる。
【0010】
また、移行計画(アナログ周波数変更対策)に従ってアナログテレビ放送の伝送帯域が変更された場合に、受信状態の悪化等の変化に応じて、ユーザー等がディジタルテレビ放送から変更後のアナログテレビ放送を探索して手動でチャンネル切替えを行うようでは、良好な操作性が得られない等の問題を生じる。
【0011】
また、ディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送とでは、いわゆる伝送方式が異なるため、受信機がディジタルテレビ放送を受信中に、ユーザー等の指示に従ってアナログテレビ放送の受信に切替える等の切替え処理を行うと、映像や音声を不連続に再生してしまい、連続性を有する映像や音声を提供できずにユーザー等に違和感を与える等の問題を生じる。
【0012】
本発明は、上記例示したような問題に鑑みてなされたものであり、サイマル放送によって同時放送される同じ番組をユーザー等が継続受信するために手動でチャンネル切替え等を行うことなく、自動的にチャンネル切替え等を行って、連続性を有する映像や音声を提供することを可能にする受信機及びディジタル放送受信方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、異なる放送方式でサイマル放送されるディジタル放送とアナログ放送を受信するディジタル放送受信部とアナログ放送受信部を有する受信機であって、前記アナログ放送受信部の受信再生出力を遅延させて出力する遅延手段と、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力又は、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力を選択的に切替えて出力する切替え手段と、前記ディジタル放送受信部が受信する前記ディジタル放送の受信状態を検出する受信状態検出手段と、前記ディジタル放送の伝送方式に依る前記ディジタル放送受信部の内部処理時間と前記アナログ放送受信部の内部処理時間との時間差に相当する遅延時間を前記遅延手段に設定すると共に、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力の出力中に、前記受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記ディジタル放送の受信状態の悪化を判断すると、前記切替え手段を切替え制御して、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の受信機において、前記アナログ放送受信部が受信する前記アナログ放送の受信状態を検出する他の受信状態検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記ディジタル放送の受信状態の悪化を判断すると、前記他の受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記アナログ放送の受信状態の良否を判断し、良好と判断すると前記切替え手段を切替え制御することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の受信機において、前記制御手段は、前記切替え手段を切替え制御して、前記遅延手段から出力される前記アナログ放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させた後、前記受信状態検出手段の検出結果に基づいて前記ディジタル放送の受信状態が良好と判断すると、前記切替え手段を切替え制御して、前記ディジタル放送受信部の受信再生出力に切替えて出力させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係るディジタル放送機について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の受信機の基本構成を表したブロック図である。
【0017】
図1において、この受信機は、放送方式の異なるサイマル放送を受信することが可能であり、地上放送受信アンテナANTが接続されるディジタル放送受信部1及びアナログ放送受信部2と、受信状態検出部3,4、制御部5、映像遅延部6、音声遅延部7、切替え部8を備えて構成されている。
【0018】
ディジタル放送受信部1は、ディジタルテレビ放送を受信する。そして、受信アンテナANTに生じるRF(Radio Frequency)受信信号と、制御部5からの選局制御信号CH1に従って内部発生する同調周波数の局発信号とを混合することによる周波数変換処理を行うことによって中間周波信号を生成し、その中間周波信号を直交検波することで生じるベースバンド信号をOFDM復調することでトランスポートストリーム(TS:MPEG-2 Transport Stream)を再生し、更に、トランスポートストリームに含まれている符号化された映像データをディジタル映像信号VD1に映像デコードして出力し、更に、トランスポートストリームに含まれている符号化された音声データをディジタル音声信号AU1に音声デコードして出力する。更に、トランスポートストリームに含まれているセクションと呼ばれる制御及びサービス情報のデータ(以下「セクションデータ」と称する)SECを分離して制御部5に供給する。
【0019】
更に、ディジタル放送受信部1は、上述の直交検波したベースバンド信号I,Qを受信状態検出部3に供給すると共に、上述のOFDM復調の際に再生するTMCC信号、すなわち伝送方式やフレーム構成等の伝送制御情報を有するTMCC信号Stmccを制御部5に供給する。
【0020】
受信状態検出部3は、ベースバンド信号I,Qを入力し、受信感度を表すC/N(Carrier/Noise)値を検出して、その検出信号Scnを制御部5に供給する。
【0021】
アナログ放送受信部2は、アナログテレビ放送を受信する。そして、受信アンテナANTに生じるRF受信信号と、制御部5からの選局制御信号CH2に従って内部発生する同調周波数の局発信号とを混合することによる周波数変換処理を行うことによって中間周波信号を生成し、その中間周波信号を映像検波(AM検波)と音声検波(FM検波)することでコンポジットビデオ信号と音声ベースバンド信号を生成し、更にコンポジットビデオ信号に対して輝度及び色信号処理等を施すことで映像信号を再生すると共に、音声ベースバンド信号に対して音声多重復調処理等を施すことで音声信号を再生する。更に、映像信号と音声信号をディジタル映像信号Vdとディジタル音声信号Auにアナログディジタル変換して、映像遅延部6と音声遅延部7に供給する。
【0022】
映像遅延部6は、制御部5からの遅延時間設定信号CDLYに従って遅延時間が可変設定される可変遅延回路や可変遅延素子等で形成され、入力されるディジタル映像信号Vdを遅延時間分遅延させて、ディジタル映像信号VD2として切替え部8に供給する。
【0023】
音声遅延部7は、制御部5からの遅延時間設定信号CDLYに従って遅延時間が可変設定される可変遅延回路や可変遅延素子等で形成され、入力されるディジタル音声信号Auを遅延時間分遅延させて、ディジタル音声信号AU2として切替え部8に供給する。
【0024】
受信状態検出部4は、映像検波された上述のコンポジットビデオ信号VIFに混入しているノイズを検出し、所定のゲート期間(予め決められた単位時間)内に現れるノイズの数を計数することでノイズの発生密度を検出し、その検出した発生密度を映像信号成分に対するノイズ成分との比、すなわちS/N(Signal/Noise)比として、その検出信号Ssnを制御部5に供給する。
【0025】
切替え部8は、制御部5からの切替え制御信号CSWに従って切替え動作するスイッチ素子等で形成されている。そして、ディジタル放送受信部1側に切替えられると、ディジタル放送受信部1の受信再生出力であるディジタル放送番組のディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を入力し、出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力する。また、アナログ放送受信部2側に切替えられると、アナログ放送受信部2の受信再生出力であるアナログ放送番組のディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を入力し、出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力する。
【0026】
制御部5は、選局制御信号CH1,CH2によってディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2を選局制御する他、受信状態検出部3,4から供給される検出信号Scn,Ssnに基づいてディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2の受信状態の良否を判断し、より良好な受信状態の得られる出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutを出力させるべく、切替え部8を切替え制御する。
【0027】
更に、制御部5は、TMCC信号Stmccに含まれている伝送方式の情報を用いてディジタル放送受信部1の内部処理時間T1を判定し、アナログ放送受信部2の内部処理時間T2との時間差(T1−T2)を演算して、遅延時間制御信号CDLYによって、映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間をその時間差(T1−T2)に設定する。かかる遅延時間の設定処理を行うことで、ディジタル放送受信部1からディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1が切替え部8に供給されるタイミングと、アナログ放送受信部2から映像遅延部6と音声遅延部7を介してディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2が切替え部8に供給されるタイミングとを一致させ、実質的にディジタル放送受信部1の内部処理時間とアナログ放送受信部2の内部処理時間を合わせるようにしている。
【0028】
更に、制御部5は、セクションデータSECから放送局がサービス情報として提供している番組配列情報(SI:Service Information)を取得し、サイマル放送を含む地上ディジタル放送網の全放送局で放送される番組と、各番組の開始及び終了時刻と、各放送局の放送チャンネル、サイマル放送の関連付け情報とを互いに関連付けたデータテーブルTABを作成して記憶する。
【0029】
更に、制御部5は、ユーザー等から所望のディジタルテレビ放送が選局操作されると、データテーブルTABを検索して、そのディジタルテレビ放送の放送チャンネルに関連付けられている、同一番組を放送しているサイマル放送のアナログテレビ放送の放送チャンネルをデータテーブルTABから検索する。そして、選局制御信号CH1によって、ユーザー等から入力された放送チャンネルをディジタル放送受信部1に同調受信させ、同時に、選局制御信号CH2によって、検索した放送チャンネルをアナログ放送受信部2にて同調受信させることで、同じ時間帯に同一番組を放送しているサイマル放送のディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送とを並列的に受信させる。
【0030】
次に、かかる構成を有する受信機の動作について説明する。
ユーザー等からサイマル放送のディジタル放送の放送チャンネルが選局入力されると、制御部5が記憶しているデータテーブルTABを検索して、その選局入力されたディジタル放送の放送チャンネルに関連付けられているサイマル放送のアナログテレビ放送の放送チャンネルを取得する。そして、選局制御信号CH1,CH2によって、ディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2を選局制御することにより、上述の選局入力されたディジタルテレビ放送と、検索して取得したアナログテレビ放送を並列的に受信させる。すなわち、サイマル放送である一方のディジタルテレビ放送をディジタル放送受信部1で受信させ、他方のアナログテレビ放送をアナログ放送受信部2で受信させる。更に、切替え制御信号CSWによって、切替え部8をディジタル放送受信部1側へ切り替えさせることで、ディジタル放送受信部1から出力されるディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力させ、ユーザー等に対してディジタルテレビ放送の映像と音声を視聴等できるようにする。
【0031】
次に、制御部5は、受信状態検出部3の検出信号Scnが受信状態の悪化を示す値となっているか判断する。そして、ディジタルテレビ放送の受信状態が悪化していると判断すると、受信状態検出部4の検出信号Ssnに基づいて、アナログテレビ放送の受信状態も悪化しているか否か判断する。すなわち、所定の条件に基づいてディジタルテレビ放送の受信状態が悪化したと判断しただけでは、アナログテレビ放送への切替えを行わず、アナログテレビ放送へ切替えた場合に再生映像と再生音声の品質が視聴等に耐え得るか否かを判断すべく、検出信号Ssnを更に厳しい条件の下で調べることによりアナログテレビ放送の受信状態の良否を判断する。例えば、アナログテレビ放送の伝送帯域に大電力のノイズが混入した場合等を想定した厳しい条件の下で検出信号Ssnを調べることで、受信状態の良否を判断する。
【0032】
そして、検出信号Ssnを厳しい条件の下で調べた結果、受信状態が悪化していると判断すると、ディジタルテレビ放送を継続させつつ、検出信号Scnに基づくディジタルテレビ放送の受信状態の悪化の有無の判断と、検出信号Ssnに基づくより厳しい条件でのアナログテレビ放送の受信状態の悪化の有無の判断とを継続的に繰り返す。
【0033】
一方、制御部5は、上述の厳しい条件の下で検出信号Ssnを調べた結果、アナログテレビ放送の受信状態が良好であると判断すると、TMCC信号Stmcc内の伝送方式に関する情報を用いて、受信機1の内部処理時間T1を判定し、遅延時間設定信号CDLYによって映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間を、その内部処理時間T1とアナログ放送受信部2の内部処理時間T2との差の時間(T1−T2)に設定し、更に、切替え制御信号CSWによって切替え部8をアナログ放送受信部2側に切替えさせる。
【0034】
これにより、アナログテレビ放送から再生されるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2が切替え部8を介して出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力され、ユーザー等は受信状態の悪化したディジタルテレビ放送に代えて自動的に同一番組を継続して視聴等することができる。
【0035】
更に、切替え部8がアナログ放送受信部8側に切替わる際、予め映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間が可変設定されて、実質的にディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2の内部遅延時間が合わせられるので、同一番組を切れ目のない連続した映像及び音声として再生させることができる。
【0036】
次に、アナログテレビ放送への切替えが行われると、制御部5が、継続的に受信状態検出部3の検出信号Scnを監視し、ディジタルテレビ放送の受信状態が良好となったか否か判断する。そして、その受信状態が良好となったと判断すると、切替え制御信号CSWによって切替え部8をディジタル放送受信部1側へ切り替えさせ、ディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を切替え部8を介して出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力させ、同一番組を連続的且つ自動的にディジタルテレビ放送によって視聴等できるようにする。
【0037】
以上に説明したように、本実施形態の受信機によれば、サイマル放送のディジタルテレビ放送を受信中に、その受信状態が悪化すると、同一番組をサイマル放送しているアナログテレビ放送に切替える際に、予め映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間を可変設定して、ディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2の内部処理時間を実質的に合わせるので、同一番組を時間ズレを生じさせることなく且つ切れ目なく視聴等させることができる。このため、ユーザー等に違和感を与えない等の効果が得られる。
【0038】
更に、サイマル放送であるディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送の切替えを、良好な受信状態の得られる方に自動切り替えするので、ユーザー等に対して良好な操作性を提供することができる。
【0039】
なお、以上に説明した実施形態では、受信状態の悪化に伴ってディジタルテレビ放送からアナログテレビ放送へ切替えると、アナログ放送受信機2側で再生されるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2を共に出力することで、同一番組の映像と音声を共に再生させることを可能にしているが、ディジタル音声信号VD2だけを出力して音声だけを再生できるようにしてもよい。すなわち、番組の音声はFM波として伝送されてくることから、受信状態が悪化した場合には、ユーザー等に品質低下の少ない音声だけを提供すべく、切替え部8を介してディジタル音声信号AU2だけを出力してもよい。
【0040】
また、本実施形態では、制御部5が受信状態検出部3の検出信号Scnに基づいて受信状態の悪化を判断すると、更にアナログテレビ放送の受信状態の良否を判断し、その良否判断の結果、良好と判断すると、切替え部8を切替え制御して、アナログ放送受信部2の受信再生出力であるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2に切り替えて出力させることとしているが、別の構成として、制御部5が検出信号Scnに基づいて受信状態の悪化を判断すると、アナログテレビ放送の受信状態の良否を判断する処理を行うことなく、切替え部8を切替え制御して、アナログ放送受信部2の受信再生出力であるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2に切替えて出力させるようにしてもよい。かかる構成とする場合には、受信状態検出部4を省略することができる。
【実施例】
【0041】
次に、より具体的な実施例について図2及び図3を参照して説明する。図2(a)は、本実施例の受信機の構成を表したブロック図であり、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。図2(b)は、崖効果を説明するための特性図である。図3は、動作を説明するためのフローチャートである。
【0042】
図2(a)において、この受信機は、ディジタルテレビ放送を受信するディジタル放送受信部1と、アナログテレビ放送を受信するアナログ放送受信部2と、受信状態検出部3,4と、制御部5、映像遅延部6、音声遅延部7、切替え部8、記憶部9、操作部10、OSD(On Screen Display)部11、OSDデータ混合部12,13を備えて構成されている。
【0043】
ディジタル放送受信部1は、地上放送受信アンテナANTが接続されるフロントエンド部1aと、OFDM復調部1bと、デマックス(DEMAX)と呼ばれる分離回路と映像デコーダ及び音声デコーダを有する音声/映像処理部1cと、を備えて構成されている。
【0044】
フロントエンド部1aは、受信アンテナANTに生じるRF受信信号と、制御部5からの選局制御信号CH1に従って内部発生する同調周波数の局発信号とを混合することによる周波数変換処理を行うことによって、中間周波信号(IF信号)を生成し、更に、その中間周波信号を帯域制限して増幅等の処理を施すことで、希望信号としての中間周波信号IF1を出力する。
【0045】
OFDM復調部1bは、中間周波信号IF1を直交検波することでベースバンド信号を生成し、更に、そのベースバンド信号を復調することによってトランスポートストリームTSを再生して、音声/映像処理部1cへ出力する。
【0046】
すなわち、OFDM復調部1bは、中間周波信号IF1に対して、直交検波と、同期受信処理、FFT処理、並列/直列変換処理、符号判定処理を行う他、ビタビ復号処理とデインターリーブ処理とエネルギー逆拡散処理及びリードソロモン復号処理等のいわゆる誤り訂正復号処理を施すことによって、中間周波信号IF1からベースバンド信号を生成し、更に、そのベースバンド信号からトランスポートストリームTSを再生して出力する。
【0047】
ここで、OFDM復調部1bが上述の誤り訂正復号処理を行う際、放送局側からベースバンド信号に含めて送られてくる伝送方式やフレーム構成等の伝送制御情報を有するTMCC信号(伝送制御信号)をビタビ復号処理によって復号してから解析し、その解析結果に基づいて、受信中のディジタルテレビ放送の上記伝送方式等に適合したデインターリーブとエネルギー逆拡散及びリードソロモン復号等の処理を行うことによって、トランスポートストリームTSを生成する。
【0048】
更に、上述の直交検波によって生成されるベースバンド信号I,Qが受信状態検出部3に供給され、上述の解析されたTMCC信号Stmccが制御部5に供給されている。
【0049】
音声/映像処理部1cは、トランスポートストリームTSを入力し、トランスポートストリームTSを構成している各トランスポートストリームパケット(Transport Stream Packet)TSP内の、エレメンタリーストリーム(Elementary Stream)ES、パケッタイズドエレメンタリストリーム(Packetized Elementary Stream)PES、セクションと呼ばれる制御及びサービス情報のデータ(セクションデータ)SECをそれぞれ分離(デマルチプレクス)する。そして、セクションデータSECを制御部5に供給する。一方、エンコードされている映像データを有するエレメンタリーストリームESとパケッタイズドエレメンタリストリームPESを所定の映像デコーダ(MPEG-2 Video)でディジタル映像信号VD1にデコードし、OSDデータ混合部12を介して切替え部8に供給する。更に、エンコードされている音声データを有するエレメンタリーストリームESとパケッタイズドエレメンタリストリームPESを所定の音声デコーダ(MPEG-2 AAC)でデコードし、切替え部8に供給する。
【0050】
受信状態検出部3は、上述のベースバンド信号I,Qを入力し、キャリア成分とノイズ成分の比を演算することで受信感度を表すC/N値を検出し、その検出信号Scnを制御部5に供給する。
【0051】
より詳細に述べれば、受信状態検出部3は、ベースバンド信号I,Qのコンスタレーション上でのI軸成分の二乗(I2)とQ軸成分の二乗(Q2)の和(I2+Q2)を演算して、平方根SQRT(I2+Q2)を演算することによってシンボル振幅Raを求め、基準の(固定の)シンボル振幅Rとシンボル振幅Raとの差分の絶対値│R−Ra│を、ノイズによって生じる振幅のズレ量とする。そして、予め決められた所定時間の間に、上述の絶対値│R−Ra│を複数個(固定数)演算して累積加算することで受信感度を表すC/Nの値を演算し、そのC/Nの値を示す検出信号Scnを出力する。
【0052】
アナログ放送受信部2は、地上放送受信アンテナANTが接続されるフロントエンド部2aと、復調部2bを有して構成されている。
【0053】
フロントエンド部2aは、受信アンテナANTに生じるRF受信信号と、制御部5からの選局制御信号CH2に従って内部発生する同調周波数の局発信号とを混合することによる周波数変換処理を行うことによって、中間周波信号(IF信号)を生成し、更に、その中間周波信号を帯域制限して増幅等の処理を施すことで、希望信号としての中間周波信号IF2を出力する。
【0054】
復調部2bは、中間周波信号IF2を映像検波(AM検波)と音声検波(FM検波)することでコンポジットビデオ信号と音声ベースバンド信号を生成し、コンポジットビデオ信号に対して輝度及び色信号処理等を施すことで映像信号を再生すると共に、音声ベースバンド信号に対して音声多重復調処理等を施すことで音声信号を再生する。そして、A/D変換器(図示略)によって映像信号と音声信号をディジタル映像信号Vdとディジタル音声信号Auにアナログディジタル変換し、映像遅延部6と音声遅延部7に供給する。
【0055】
映像遅延部6は、制御部5からの遅延時間設定信号CDLYに従って遅延時間が可変設定されるバッファメモリで形成され、入力されるディジタル映像信号VdをFIFO(ファーストインファーストアウト)処理によって遅延時間分遅延させ、OSDデータ混合部13を介して、ディジタル映像信号VD2として切替え部8に供給する。
【0056】
音声遅延部7は、制御部5からの遅延時間設定信号CDLYに従って遅延時間が可変設定されるバッファメモリで形成され、入力されるディジタル音声信号AuをFIFO処理によって遅延時間分遅延させて、ディジタル音声信号AU2として切替え部8に供給する。
【0057】
受信状態検出部4は、復調部2bで映像検波された上述のコンポジットビデオ信号VIFに混入しているノイズを検出し、所定のゲート期間(予め決められた単位時間)内に現れるノイズの数を計数することでノイズの発生密度を検出し、その検出した発生密度を映像信号成分に対するノイズ成分との比、すなわちS/N比として、その検出信号Ssnを制御部5に供給する。
【0058】
より詳細に述べれば、受信状態検出部4は、コンポジットビデオ信号VIFの垂直ブランキング期間をPLL回路等(図示略)で同期検出し、検出したブランキング期間内に生じるコンポジット同期信号に混入しているノイズ成分をフィルタによるフィルタリング処理及びコンパレータによる閾値電圧との比較処理を行うことで検出する。そして、所定のゲート時間(単位時間)内に検出されたノイズ成分の数を計数し、計数値(ノイズ成分の発生密度)をS/N比の値として、そのS/N比の値を示す検出信号Ssnを出力する。
【0059】
切替え部8は、制御部5からの切替え制御信号CSWに従って切替え動作するアナログスイッチ素子で形成されており、ディジタル映像信号VD1,VD2の一方を出力映像信号VDoutとしてディスプレイ装置等(図示略)へ出力し、また、ディジタル音声信号AU1,AU2の一方を出力音声信号AUoutとしてスピーカシステム等(図示略)へ出力する。
【0060】
制御部5は、マイクロプロセッサ(MPU)やディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等で形成され、記憶部9と、ユーザー等が選局操作等を行うための操作部10が接続されている。
【0061】
そして、制御部5は、選局制御信号CH1,CH2によってディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2を選局制御する他、受信状態検出部3,4から供給される検出信号Scn,Ssnに基づいてディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2の受信状態の良否を判断し、より良好な受信状態の得られる出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutを出力させるべく、切替え部8を切替え制御する。
【0062】
更に、制御部5は、TMCC信号Stmccに含まれている伝送方式の情報を用いてディジタル放送受信部1の内部処理時間T1を判定し、アナログ放送受信部2の内部処理時間T2との時間差(T1−T2)を演算して、遅延時間制御信号CDLYによって、映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間をその時間差(T1−T2)に設定する。
【0063】
すなわち、ディジタル信号処理を多用するディジタル放送受信部1がRF受信信号からディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を再生するまでに要する内部処理時間T1と、アナログ放送受信部2がRF受信信号からディジタル映像信号Vdとディジタル音声信号Auを再生するまでに要する内部処理時間T2とでは、内部処理時間T1の方が内部処理時間T2より長くなり、更に、アナログ放送受信部2の内部処理時間T2はほぼ一定であるが、ディジタル放送受信部1の内部処理時間T1は、受信中のディジタルテレビ放送の伝送方式の違いに応じて変化する。
【0064】
そのため、仮に、ディジタル放送受信部1で再生されるディジタル映像信号VD1及びディジタル音声信号AU1と、アナログ放送受信部2で再生されるディジタル映像信号Vd及びディジタル音声信号Auとを、ディスプレイ装置とスピーカシステム等に同時に供給して、サイマル放送によって同じ時間帯に放送される同一番組を表示等させることとすると、ディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1による映像と音声の方が、ディジタル映像信号Vdとディジタル音声信号Auによる映像と音声より早くディスプレイ装置とスピーカシステム等で再生されるという現象が生じる。
【0065】
そこで、制御部5は、TMCC信号Stmccに含まれている伝送方式の情報を取得し、伝送方式毎に対応付けて予め記憶している内部処理時間T1の検索データテーブル(図示略)を検索することで、実際に受信中のディジタルテレビ放送の伝送方式に対応する内部処理時間T1を判定し、アナログ放送受信部2の一定の内部処理時間T2との時間差(T1−T2)を映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間に設定する。これにより、ディジタル放送受信部1からディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1が切替え部8に供給されるタイミングと、アナログ放送受信部2から映像遅延部6と音声遅延部7を介してディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2が切替え部8に供給されるタイミングとを一致させている。
【0066】
更に、制御部5は、セクションデータSECから放送局がサービス情報として提供している番組配列情報(SI)から、サイマル放送を含む地上ディジタル放送網の全放送局で放送される番組と、各番組の開始及び終了時刻と、各放送局の放送チャンネル、サイマル放送の関連付け情報とを互いに関連付けたデータテーブルTABを作成し、記憶部9に記憶する。
【0067】
更に、制御部5は、ユーザー等から操作部10を介して所望のディジタルテレビ放送が選局入力されると、データテーブルTABを検索して、そのディジタルテレビ放送の放送チャンネルに関連付けられている、同一番組を放送しているサイマル放送のアナログテレビ放送の放送チャンネルをデータテーブルTABから検索する。そして、選局制御信号CH1によって、ユーザー等から入力された放送チャンネルをフロントエンド部1aにて同調受信させ、同時に、選局制御信号CH2によって、検索した放送チャンネルをフロントエンド部2aにて同調受信させることで、同じ時間帯に同一番組を放送しているサイマル放送のディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送を並列的に受信させる。
【0068】
更に、制御部5は、ユーザー等から操作部10を介して所望のアナログテレビ放送が選局入力されると、データテーブルTABを検索して、そのアナログテレビ放送の放送チャンネルに関連付けられている、同一番組を放送しているサイマル放送のディジタルテレビ放送の放送チャンネルをデータテーブルTABから検索する。そして、選局制御信号CH1によって、検索した放送チャンネルをフロントエンド部1aにて同調受信させ、同時に、選局制御信号CH2によって、ユーザー等から入力された放送チャンネルをフロントエンド部2aにて同調受信させることで、同じ時間帯に同一番組を放送しているサイマル放送のディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送を並列的に受信させる。
【0069】
OSD部11は、制御部5を介して供給される番組配列情報(SI)を記憶し、制御部5からの指令に従ってその番組配列情報(SI)からビットマップ形式の電子番組案内(EPG:Electric Program Guide)データDaを作成して、OSDデータ混合部12に供給することにより、ユーザー等に放送番組の予定表をディスプレイ表示させるためのディジタル映像信号VD1を切替え部8へ出力させる。
【0070】
また、OSD部11は、受信状態が悪化した結果、切替え部8がディジタル放送受信部1側からアナログ放送受信部2側に切替えられると、制御部5からの指示に従って、ビットマップ形式の警報データDbをOSDデータ混合部13に供給することにより、映像遅延部6から出力されるディジタル映像信号VD2に当該警報データDbを混合させ、アナログテレビ放送の映像に警報表示を重ねて表示させるためのディジタル映像信号VD2を生成させて切替え部8側へ出力させる。
【0071】
次に、かかる構成を有する受信機の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、ユーザー等がサイマル放送であるディジタルテレビ放送又はアナログテレビ放送を選局した場合の動作について説明する。
【0072】
この受信機は、電源投入されると、ディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2が共に受信動作を行う。そして、図3のステップS100において、ユーザー等から操作部10を介して所望の放送チャンネルが選局入力されると、ステップS101に移行して、制御部5がディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送のいずれの放送チャンネルが選局入力されたか判断し、ディジタルテレビ放送の放送チャンネル(以下、「DCH1」とする)であればステップS102、アナログテレビ放送の放送チャンネル(以下、「ACH2」とする)であれば、後述のステップS108へ移行する。
【0073】
ステップS102では、制御部5がディジタル放送の出力開始の制御を行う。すなわち、制御部5は、記憶部9に既に記憶されているデータテーブルTAB(チャンネル切替えの操作がなされる以前に制御部5がディジタルテレビ放送を受信中に作成又は更新した最新のデータテーブルTAB)を検索し、入力されたディジタルテレビ放送の放送チャンネルDCH1に関連付けられているサイマル放送のアナログテレビ放送の放送チャンネルACH2の情報を取得する。そして、選局制御信号CH1によってディジタル放送受信部1内のフロントエンド部1aを選局制御することにより、放送チャンネルDCH1のディジタルテレビ放送を同調受信させ、更に、選局制御信号CH2によってアナログ放送受信部2内のフロントエンド部2aを選局制御することにより、放送チャンネルACH2のアナログテレビ放送を同調受信させる。これにより、同じ時間帯に放送されている同一番組のサイマル放送(ディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送)をディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2で受信させる。
【0074】
更に、制御部5は、切替え制御信号CSWによって切替え部8をディジタル放送受信部1側へ切替えさせることで、ディジタル放送受信部1側で再生されるディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を、出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力させる。これにより、ディジタルテレビ放送の出力開始となり、ユーザー等は選局入力した所望のディジタルテレビ放送を視聴等することが可能となる。
【0075】
更に、制御部5は、セクションデータSECに含めて番組配列情報(SI)が送られてくると、新たなデータテーブルTABを作成して更新する処理を行うと共に、受信状態検出部3,4の検出信号Scn,Scnと、TMCC信号Stmccを継続的に入力することとなる。
【0076】
上述のステップS102においてディジタルテレビ放送の出力を開始すると、次に、ステップS103において、制御部5が検出信号Scnの値と閾値THDcrfとの比較によって、ディジタル放送受信部1側の受信状態の良否を判断する。そして、検出信号Scnの値が閾値THDcrfより大きい場合には、受信状態が良好であると判断(「Yes」と判断)して、受信中のディジタルテレビ放送の出力を継続し、一方、検出信号Scnの値が閾値THDcrfより小さい場合には、受信状態が悪化したと判断(「No」と判断)して、ステップS104へ移行する。
【0077】
すなわち、図2(b)の特性図にて模式的に示すように、ディジタルテレビ放送(DTV)の到来電波が所定の電界強度Ecrfより強く、それによってC/Nの値も大きいときには、スピーカシステムやディスプレイ装置で再生される音声と映像は、アナログテレビ放送(ATV)を受信する場合よりも高品質となるが、上述の電界強度が強度Ecrfより弱くなり、C/Nの値も小さくなるときには、アナログテレビ放送(ATV)を受信する場合に較べて、急激に品質が低下する。かかる現象は崖効果(Criff Effect)と呼ばれている。
【0078】
そこで、制御部17は、検出信号Scnの値が電界強度Ecrfに相当する予め記憶している閾値THDcrfより大きいときには、受信状態が良好であると判断して受信中のディジタルテレビ放送の出力を継続し、一方、検出信号Scnの検出値が閾値THDcrfより小さい場合には受信状態が悪化したと判断して、ステップS104へ移行する。
【0079】
ステップS104では、制御部5が、検出信号Ssnを予め記憶している閾値THDsnと比較し、検出信号Ssnの値が閾値THDsnより大きい場合には、アナログテレビ放送よりもディジタルテレビ放送を出力する方が良好な映像と音声を再生することができると判断(「No」と判断)して、受信中のディジタルテレビ放送の出力を継続すべくステップS104の処理を繰り返す。一方、検出信号Ssnの値が閾値THDsnより小さい場合には、アナログテレビ放送を受信する方が良好な映像と音声を再生することができると判断(「Yes」と判断)して、ステップS105に移行する。
【0080】
すなわち、一般的には、上述の崖効果よってディジタルテレビ放送の受信感度が悪化した場合には、アナログテレビ放送に切替えた方が良好な映像と音声を再生することができるが、アナログテレビ放送の伝送帯域に大電力のノイズが混入等した場合には、アナログテレビ放送では良好な映像と音声を再生することができなくなる場合がある。
【0081】
そこで、制御部5は、アナログテレビ放送の伝送帯域に大電力のノイズが混入等した場合を想定して決められている閾値THDsnと、実際に検出された検出信号Ssnの値を比較し、検出信号Ssnの値が閾値THDsnより大きい場合には、ステップS104からの処理に移行して、受信中のディジタルテレビ放送を継続して出力させ、一方、検出信号Ssnの値が閾値THDsnより小さい場合にステップS105に移行して、アナログテレビ放送の出力に切替えるための処理を行う。
【0082】
ステップS105では、制御部5が、ディジタルテレビ放送の受信状態が悪化する直前に入力しておいたTMCC信号Stmcc内の伝送方式の情報に基づいて、ディジタル放送受信部1の内部処理時間T1を判定し、更にアナログ放送受信部2の内部処理時間T2との時間差(T1−T2)を演算して、遅延時間設定信号CDLYによって映像遅延部6と映像遅延部9の遅延時間をその時間差(T1−T2)に設定する。更に、切替え制御信号CSWによって切替え部8をアナログ放送受信部2側へ切替えさせることで、映像遅延部6と音声遅延部7によって遅延されるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2を出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力させる。
【0083】
更に、制御部5は、受信状態が悪化した結果、アナログテレビ放送の出力に切替えると、OSD部11からOSDデータ混合部13に警報データDbを供給させる。このため、警報データDbが混合されたディジタル映像信号VD2が切替え部8を介して出力映像信号VDoutとして出力される。例えば、『受信状態が悪化しているので、アナログ放送を受信中です』等の警報表示をアナログテレビ放送の映像内の一部領域にスーパーインポーズ表示させるための警報データDbをOSD部11からOSDデータ混合部13へ供給させている。これにより、ユーザー等は、受信状態が悪化した結果、アナログテレビ放送の映像がディスプレイ装置に表示されたことを知ることができる。
【0084】
更に、映像遅延部6と音声遅延部7に上述の時間差(T1−T2)に相当する遅延時間が設定されるため、切替え部8が切替え動作する際、ディジタル映像信号VD1がVD2へ切れ目無く切り替わると共に、ディジタル音声信号AU1もAU2へ切れ目無く切り替わり、ディスプレイ装置等に表示される映像とスピーカシステム等で再生される音声が不連続となる等の問題を未然に防止することができる。
【0085】
このように受信状態の悪化に伴ってアナログテレビ放送の出力に切替えた後、次に、ステップS106において、制御部5が、検出信号Scnに基づいてディジタルテレビ放送の受信状態を監視する。すなわち、検出信号Scnの値と閾値THDcrfとを比較し、検出信号Scnの値が閾値THDcrfより大きい場合には、受信状態を良好である判断(「Yes」と判断)してステップS107へ移行し、一方、検出信号Scnの値が閾値THDcrfより小さい場合には、ディジタルテレビ放送の受信状態を良好ではないと判断(「No」と判断)して、ステップS106の処理を繰り返すことでアナログテレビ放送の出力を継続する。
【0086】
次に、ステップS107では、制御部5が、上述のディジタルテレビ放送の受信状態が良好な状態となったとの判断結果に従って、切替え制御信号CSWによって切替え部8をディジタル受信部1側へ切替えさせる。これにより、ディジタル受信部1側で再生されるディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1が、出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力される。
【0087】
更に、制御部5がOSD部11に指令して、所定のOSDデータDaをOSDデータ混合部12へ供給させることにより、アナログテレビ放送からディジタルテレビ放送の出力へと切り替わった旨のOSD表示を行わせる。例えば、『良好な受信状態でディジタルテレビ放送を御覧になれます』等のOSD表示をディジタルテレビ放送の映像内の一部領域にスーパーインポーズ表示させるためのOSDデータDaをOSD部11からOSDデータ混合部13へ、所定時間(数秒)の間供給させている。これにより、ユーザー等は、良好な受信状態に戻ったことを知ることができる。
【0088】
そして、ステップS107の処理に引き続いて、ステップS103からの処理を繰り返すことで、より良好な受信状態の下でユーザー等が視聴等できるように処理が行われる。
【0089】
次に、上述したユーザー等がアナログテレビ放送の放送チャンネルを選局入力し、ステップS101からステップS108に移行した場合の動作について説明する。
【0090】
ステップS108では、制御部5が、アナログテレビ放送の出力開始の制御を行う。すなわち、制御部5は、記憶部9に既に記憶されている上述のデータテーブルTAB(チャンネル切替えの操作がなされる以前に制御部5がディジタルテレビ放送を受信中に作成又は更新した最新のデータテーブルTAB)を検索し、選局入力されたアナログテレビ放送の放送チャンネルACH2に関連付けられているサイマル放送のディジタルテレビ放送の放送チャンネルDCH1の情報を取得する。そして、選局制御信号CH1によってディジタル放送受信部1内のフロントエンド部1aを選局制御することにより、放送チャンネルDCH1のディジタルテレビ放送を同調受信させ、更に、選局制御信号CH2によってアナログ放送受信部2内のフロントエンド部2aを選局制御することにより、放送チャンネルACH2のアナログテレビ放送を同調受信させる。これにより、同じ時間帯に放送されている同一番組のサイマル放送(ディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送)をディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2で受信させる。
【0091】
更に、制御部5は、切替え制御信号CSWによって切替え部8をアナログ放送受信部2側へ切替えさせることで、アナログ放送受信部2側で再生されるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2を、出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力させる。これにより、アナログテレビ放送の出力開始となり、ユーザー等は選局入力した所望のアナログテレビ放送を視聴等することが可能となる。更に、ユーザー等が自らアナログテレビ放送を選局入力した場合は、受信状態が悪化した結果アナログテレビ放送への切替えを行うのではないため、制御部5は、OSD部11からOSDデータ混合部13に警報データDbを供給させない。このため、後述する『自動切替えモード』をユーザー等が指定していない場合には、警報表示のないアナログテレビ放送の映像を視聴等することができる。
【0092】
更に、ユーザー等からアナログテレビ放送が選局された場合にも、ディジタル放送受信部1が受信動作をすることから、制御部5は、セクションデータSECに含めて番組配列情報(SI)が送られてくると、新たなデータテーブルTABを作成して更新する処理を行うと共に、受信状態検出部3,4の検出信号Scn,Scnと、TMCC信号Stmccを継続的に入力することとなる。
【0093】
次に、ステップS109において、制御部5が、ユーザー等から操作部10を介して『自動切替えモード』の指定がなされているか判断し、指定されていない場合には、『マニュアルモード』であると判断(「No」と判断)して、受信状態の良否にかかわらずアナログテレビ放送の出力を継続させる。一方、『自動切替えモード』の指定がなされていると判断(「Yes」と判断)すると、ステップS106に移行して、上述した受信状態の良否に応じてアナログテレビ放送とディジタルテレビ放送との出力を自動的に切替える処理を行う。
【0094】
そして、以上に説明したステップS100〜S109の処理中に、ユーザー等から新たな放送チャンネルが入力操作されると、制御部5はステップS100からの処理を新規に開始することで、新たな放送チャンネルに対しても、受信状態の良否に応じて自動的により良好な品質の得られるディジタルテレビ放送又はアナログテレビ放送に切替える処理を行う。
【0095】
以上説明したように、本実施例の受信機によれば、サイマル放送のディジタルテレビ放送を受信中に、受信状況が悪化すると、同じ時間帯に放送されている同一番組のアナログテレビ放送に自動的に切替えるので、ユーザー等に対して同一番組を継続して視聴等させることができ、且つ良好な操作性を提供することができる。
【0096】
更に、受信状態の悪化に伴ってアナログテレビ放送の出力に切替えた後、ディジタルテレビ放送の受信状態が良好になると、そのディジタルテレビ放送の出力に自動的に切替えるので、より品質の良好な映像や音声を提供することができ、且つ良好な操作性を提供することができる。
【0097】
更に、サイマル放送のディジタルテレビ放送を受信中に、受信状況が悪化して、同一番組のアナログテレビ放送の出力に切替える際、そのディジタルテレビ放送の伝送方式に応じたディジタル放送受信部1の内部処理時間T1とアナログテレビ放送受信部2の内部処理時間T2との時間差(T1−T2)に基づいて、映像遅延部6と音声遅延部7の遅延時間を可変設定するので、同一番組を切れ目のない連続した映像及び音声として再生させることができ、ユーザー等に違和感を与えることない等の効果が得られる。
【0098】
更に、サイマル放送のディジタルテレビ放送を受信中に、受信状態の悪化に伴って同一番組のアナログテレビ放送の出力に切替えると、警報表示を行うので、アナログテレビ放送による映像と音声の品質が低下した原因等をユーザー等に提示することができる。
【0099】
また、サイマル放送のアナログテレビ放送を受信中に、受信状態の改善に伴って同一番組のディジタルテレビ放送の出力に切替えると、OSD表示を行うので、より品質の良好な映像や音声に戻ったことをユーザー等に提示することができる。
【0100】
なお、以上に説明した実施例の受信機では、図3中のステップS105において、アナログテレビ放送の出力に切替えると、映像遅延部6と音声遅延部7を介して生じるディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2との両者を切替え部8を介して出力映像信号VDoutと出力音声信号AUoutとして出力しているが、ディジタル音声信号AU2だけを出力させてもよい。かかる変形例の場合に、アナログ放送受信機2によって再生されるディジタル映像信号に警報データDbを混合させるのではなく、警報データDbのみをディジタル映像信号VD2として出力することにより、ディジタル音声信号AU2による音声再生をスピーカシステム等で再生させながら、ディスプレイ装置等に警告表示を行わせる。
【0101】
かかる変形例によれば、ディジタルテレビ放送の映像よりも画質が低下するアナログテレビ放送の映像をディスプレイ装置等で再生表示させず、FM波で伝送されてくる音声のみを比較的良好な品質で提供することができ、ユーザー等に対して違和感を与えない等の効果が得られる。
【0102】
また、以上に説明した実施例では、図3中のステップS104において、S/N比に関する検出信号Ssnの値を1つの閾値THDsnと比較することで、ディジタルテレビ放送からアナログテレビ放送へ切替えるか否かの判断を行っているが、かかる判断を複数の異なる値の閾値との比較によって行って、より細かに切替えを行うようにしてもよい。すなわち、他の変形例として、ステップS1203でディジタルテレビ放送の受信状態が悪化したと判断して、ステップS104に移行すると、ステップS104では、実際の検出で得られる検出信号Ssnの値と上述の閾値THDsnとの比較を行ってアナログテレビ放送の受信状態の良否を判断する。そして、アナログテレビ放送の受信状態が悪化していると判断すると、予め決められている更に条件の厳しい第2の閾値THDfmと検出信号Ssnの値と比較し、第2の閾値THDfmより検出信号Ssnの値が大きい場合には、ステップS105においてアナログテレビ放送のディジタル映像信号VD2を出力させずに、FM波で伝送されてくる音声のディジタル音声信号AU2だけを切替え部8を介して出力させる。一方、第2の閾値THDfmと検出信号Ssnの値と比較した結果、第2の閾値THDfmより検出信号Ssnの値が小さい場合には、ステップS105においてアナログテレビ放送のディジタル映像信号VD2とディジタル音声信号AU2との両者を切替え部8を介して出力させる。
【0103】
このように、ディジタルテレビ放送の受信状態が悪化して、アナログテレビ放送の出力に切替える際に、複数の閾値THDsn,THDfm等と検出信号Ssnの値を比較して、映像と音声の提供、又は、音声のみの提供に切替えることで、ユーザー等に対して、より良好な品質の得られる映像や音声を提供することができる。
【0104】
また、以上の実施例の説明では、ディジタルテレビ放送とアナログテレビ放送をディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2で並列的に受信することとしているが、ディジタル放送受信部1の再生出力を切替え部8を介して出力する間は、アナログ放送受信部2の給電を遮断し、また、アナログ放送受信部2の再生出力を切替え部8を介して出力する間は、ディジタル放送受信部1の給電を遮断するようにしてもよい。そして、図3のステップS103,S104,S106において受信状態を判断するときには、ディジタル放送受信部1及び又はアナログ放送受信部2に給電を行うことで、受信状態の検出を行うことができる。
【0105】
かかる構成によれば、消費電力の低減等を実現することができ、特に携帯型の受信機に適用すると優れた効果を発揮する。
【0106】
また、以上の実施例の説明では、図3のステップS102,S108に示しように、ディジタルテレビ放送の放送チャンネルが選局入力された場合には、データテーブルTABを検索して、同一番組を放送しているアナログテレビ放送放送チャンネルを自動検索し、また、アナログテレビ放送の放送チャンネルが選局入力された場合には、データテーブルTABを検索して、同一番組を放送しているディジタルテレビ放送放送チャンネルを自動検索して、ディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2にサイマル放送を受信すべく選局制御することとしているが、ステップS100において、制御部5がOSD部11に指令して、電子番組案内(EPG)をディスプレイ装置等に表示させ、その表示に従ってユーザー等から操作部10を介して所望のサイマル放送のディジタルテレビ放送チャンネルとアナログテレビ放送チャンネルが選局入力されると、それらの放送チャンネルに従って、制御部5がディジタル放送受信部1とアナログ放送受信部2を同調制御し、優先的にディジタル放送受信部1で再生されるディジタル映像信号VD1とディジタル音声信号AU1を出力信号VDoutと出力映像信号AUoutとして出力させるべく切替え部8を切り替えさせて、ステップS103の処理から受信を開始するようにしてもよい。かかる構成によれば、ステップS101,S102,S108,S109を省略し、処理の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態に係る受信機の構成を表したブロック図である。
【図2】実施例の受信機の構成を表したブロック図である。
【図3】図2に示す受信機の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
1…ディジタル放送受信部
2…アナログ放送受信部
3,4…受信状況検出部
5…制御部
6…映像遅延部
7…音声遅延部
8…切替え部
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【住所又は居所】東京都目黒区目黒1丁目4番1号
【出願日】 平成17年3月25日(2005.3.25)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2006−270825(P2006−270825A)
【公開日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願番号】 特願2005−89001(P2005−89001)