トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 画像表示装置および画像表示システム
【発明者】 【氏名】露木 尊
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】谷口 尚郷
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【要約】 【課題】装着者に対して違和感の無い画像を観察させることのできる画像表示装置を提供する。

【解決手段】互いに視差を有する第1の画像および第2の画像を形成する画像形成素子(11R、11L)と、第1の画像を第1の眼に導く第1の光学系(12R)と、第2の画像を第2の眼に導く第2の光学系(12L)と、第1の光学系と第2の光学系との間の間隔を変更する間隔変更手段(17)と、間隔に応じた信号を、間隔に応じた視差を有する第1および第2の画像を生成する画像生成手段に対して出力する信号出力手段(15)とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに視差を有する第1の画像および第2の画像を形成する画像形成素子と、
前記第1の画像を第1の眼に導く第1の光学系と、
前記第2の画像を第2の眼に導く第2の光学系と、
前記第1の光学系と前記第2の光学系との間の間隔を変更する間隔変更手段と、
前記間隔に応じた信号を、該間隔に応じた視差を有する前記第1および第2の画像を生成する画像生成手段に対して出力する信号出力手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記間隔変更手段により前記間隔を変更する際に、前記画像形成素子は、該間隔の調整用画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1の眼と前記第2の眼との間の距離を求める眼幅検出手段を有し、
前記距離に応じて前記間隔変更手段を駆動する駆動手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1の画像に重ね和わせられる第3の画像を撮影する第1の撮像手段と、前記第2の画像に重ね合わせられる第4の画像を撮影する第2の撮像手段とをさらに有し、
前記第1および第2の撮像手段における撮像領域の中心がそれぞれ、前記第1および第2の光学系の離間方向に対して直交し前記第1の光学系の光軸を含む第1の面上および前記離間方向に対して直交し前記第2の光学系の光軸を含む面上に実質的に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
互いに視差を有する第1の画像および第2の画像を形成する画像形成素子と、
前記第1の画像を第1の眼に導く第1の光学系と、
前記第2の画像を第2の眼に導く第2の光学系と、
前記第1および第2の光学系の間隔を変更する間隔変更手段と、
前記第1の眼と前記第2の眼との間の距離を求める眼幅検出手段と、
前記距離に応じた信号を、該距離に応じた視差を有する前記第1および第2の画像を生成する画像生成手段に対して出力する信号出力手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の画像表示装置と、
前記第1および第2の画像を生成して該画像表示装置に供給する画像生成装置とを有することを特徴とする画像表示システム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに視差を有する第1および第2の画像を表示する画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の頭部装着型表示装置(Head Mounted Display:HMD)には、装着して使用する際の不快感や融像しにくいなどの問題を解決するために、観察者の眼幅に合わせるための眼幅調整機構が設けられている。
【0003】
眼幅調整機構としては、液晶パネルを用いた画像表示装置において、液晶パネルの表示可能領域内で表示領域を電気的に調整する機構(例えば、特許文献1参照)や、ユーザが機械的に表示位置を調整できるようにした機構(例えば、特許文献2参照)がある。
【0004】
また、特許文献1では、表示デバイスに表示される視差画像に応じて、表示領域をシフトさせて眼幅を調整する手法が提案されている。
【特許文献1】特開平9−271043号公報(段落番号0034〜0036、図1等)
【特許文献2】特開平6−315121号公報(段落番号0018、図5等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の表示装置は、眼幅のみを調整するだけであり、眼幅に合わせた画像を表示していない。これにより、観察者が頭部装着型表示装置を使用せずに普段見る見え方と、頭部装着型表示装置を使用した見え方とが異なってしまい、頭部装着型表示装置を装着した観察者に対して、違和感を与えたり、左右の画像が融像し難くなることによる疲労感を与えたりしてしまう。
【0006】
ここで、頭部装着型表示装置を用いて複合現実空間(Mixed Reality)や仮想現実空間(Virtual Reality)を表示させる場合には、頭部装着型表示装置を使用した場合の見え方と使用しない場合の見え方との違和感を極力軽減させる必要がある。特に、複合仮想現実空間を表示させる場合には、人間の目が実空間を見たときと同様の見え方をする現実感を重視するために観察者の眼幅にあった視差画像を表示する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示装置は、互いに視差を有する第1の画像および第2の画像を形成する画像形成素子と、前記第1の画像を第1の眼に導く第1の光学系と、前記第2の画像を第2の眼に導く第2の光学系と、前記第1の光学系と前記第2の光学系との間の間隔を変更する間隔変更手段と、前記間隔に応じた信号を、該間隔に応じた視差を有する前記第1および第2の画像を生成する画像生成手段に対して出力する信号出力手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、間隔変更手段によって変更された第1および第2の光学系の間隔に応じた信号を画像生成手段に出力することで、画像生成手段において上記間隔に応じた視差を有する画像を生成させている。これにより、画像表示装置を使用する観察者に対して画像観察時の違和感を与えるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1である頭部装着型表示装置と、該頭部装着型表示装置に対して映像信号を出力する映像信号生成装置とを有する画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
頭部装着型表示装置10は、右眼100R用および左眼100L用の表示ユニット13R、13Lと、眼幅調整器(間隔変更手段)17と、眼幅信号出力部(信号出力手段)15と、映像入力部14R、14Lと、制御回路(マイコン等を使用した回路)16と、操作スイッチ1Dとを有する。
【0012】
表示ユニット13R、13Lはそれぞれ、表示デバイスとしての液晶モジュール(画像形成素子)11R、11Lと、液晶モジュール11R、11Lでの表示画像を拡大させる拡大光学系(第1および第2の光学系)12R、12Lとを有している。
【0013】
拡大光学系12R、12Lは、液晶モジュール11R、11Lからの光を複数回反射させた後、頭部装着型装置10の装着者の眼に向けて射出する。これにより、HMDの装着者は、液晶モジュール11R、11Lでの表示画像を拡大された状態で観察することができる。
【0014】
ここで、頭部装着型表示装置10における眼幅とは、拡大光学系12R、12Lの光軸(射出光軸)101R、101Lの間隔を示す。操作スイッチ1Dは、後述するように、頭部装着型表示装置10における眼幅を調整する際に操作される。
【0015】
液晶モジュール11R、11Lは、p−SiTFTやLCOSなどの液晶パネルと、その周辺回路(駆動回路等)と、光源(バックライト、フロントライト)とを有する。
【0016】
眼幅調整器17は、装着者の操作に応じて、表示ユニット13R、13Lを光軸101R、101Lと直交する方向(水平方向、図1の左右方向)に移動させる。眼幅調整器17の構成を図2に示す。ここで、図2(A)は眼幅調整器の構成を示す上面図であり、図2(B)は眼幅調整器の構成を示す前面図である。
【0017】
図2において、表示ユニット13R、13Lのそれぞれには、ラック33R、33Lが設けられており、ラック33R、33Lは歯車(ピニオンギヤ)32と噛み合っている。そして、歯車32には、装着者によって回転操作される調整用ツマミ31と、歯車32とともに回転するロータリーエンコーダ30とが連結されている。
【0018】
上述した眼幅調整器17の構成において、装着者が調整用ツマミ31を回転させると、表示ユニット13R、13Lが相反する方向に同じ量だけ移動する。すなわち、調整用ツマミ31を一方向に回転させると、表示ユニット13R、13Lが互いに近づく方向に移動し、頭部装着型装置10における眼幅が狭くなる。一方、調整用ツマミ31を他方向に回転させると、表示ユニット13R、13Lが互いに離れる方向に移動し、頭部装着装置10における眼幅が広がる。
【0019】
ロータリーエンコーダ30は、調整用ツマミ31の回転角度を検出し、この検出結果を制御回路16に出力する。
【0020】
制御回路16内のメモリ16aには、調整用ツマミ31の回転角度と、眼幅との関係を示すデータテーブルが格納されている。制御回路16は、メモリ16a内のデータテーブルから、ロータリーエンコーダ30からの回転角度データに対応した眼幅データを特定する。そして、制御回路16は、特定した眼幅データを眼幅信号出力部15に出力する。
【0021】
すなわち、制御回路16は、眼幅調整器17の操作によって調整された光軸101R、101Lの間隔(眼幅)を、ロータリーエンコーダ30を介して電気的な信号として読み取り、この読み取った眼幅データを眼幅信号出力部15に出力する。
【0022】
なお、本実施例では、調整用ツマミ31の回転角度データと眼幅データとの関係を示すデータテーブルをメモリ16a内に予め格納した場合について説明したが、回転角度データから眼幅データを演算によって求めてもよい。
【0023】
眼幅信号出力部15は、RS232C、USB、IEEE1394などのインターフェースドライバICにより構成されており、上記眼幅データを、右眼用および左眼用の映像信号生成装置20R、20Lに出力する。
【0024】
映像信号生成装置20R、20Lは、例えば汎用のコンピュータで構成されている。そして、映像信号生成装置20R、20Lは、眼幅信号入力部23R、23Lと、視差画像生成部22R、22Lと、映像出力部21R、21Lとを有している。
【0025】
眼幅信号入力部23R、23Lには、頭部装着型表示装置10の眼幅信号出力部15からの眼幅データが入力され、入力された眼幅データを視差画像生成部22R、22Lに出力する。眼幅信号入力部23R、23Lは、頭部装着型表示装置10の眼幅信号出力部15と同じ構成となっており、RS232C、USB、IEEE1394などのインターフェースで構成されている。
【0026】
映像信号生成部22R、22Lは、入力された眼幅データに基づいて、右眼用および左眼用の視差画像を生成する。映像信号生成部22R、22Lは、ソフトウェアプログラムに従って動作する。
【0027】
映像出力部21R、21Lは、映像信号生成部22R、22Lで生成された視差画像を頭部装着型表示装置10内の映像入力部14R、14Lに出力する。ここで、例えば、コンピュータ内に装備されているグラフィックカードが、映像出力部21R、21Lとしての機能を果たす。
【0028】
本実施例では、映像信号生成装置20R、20Lと頭部装着型表示装置10とが別体で構成された場合について説明したが、これらの装置20R、20L、10を一体的に構成してもよい。
【0029】
次に、本実施例の画像表示システムにおける眼幅調整動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0030】
ステップS1において、操作スイッチ1Dがオン状態になると、眼幅・視差画像調整モードに移行する。
【0031】
ステップS2では、例えば、図4(A)に示す眼幅調整パターンを液晶モジュール11R、11Lに表示する。具体的には、制御回路16が、眼幅信号出力部15を介して映像信号生成装置20R、20Lに、眼幅・視差画像調整モードに入ったことを知らせ、眼幅調整パターンを表示させるコマンドを送信する。このコマンドを受けた映像信号生成装置20R、20Lは、視差画像生成部22R、22Lにおいて図4(A)に示す眼幅調整パターンを生成し、頭部装着型表示装置10の液晶モジュール11R、11Lで表示させる。
【0032】
頭部装着型表示装置10の装着者は、液晶モジュール11R、11Lで表示されている画像(眼幅調整パターン)が重なって融像されて見えるように、眼幅調整器17の調整用ツマミ31を操作することで眼幅の調整を行う。ここで、図4(B)に示すように、眼幅調整パターンがずれて見える場合には、眼幅調整パターンが略一致して見えるように調整用ツマミ31を操作する。
【0033】
ステップS3において、制御回路16は、ロータリーエンコーダ30の出力に基づいて調整ツマミ31が操作されているか否かを判別し、操作されていればステップS4に進み、操作されていなければ本フローを終了する。
【0034】
装着者が調整用ツマミ31を操作して、眼幅調整パターンが略一致して見えるようになった場合には、操作スイッチ1Dを再び操作する。
【0035】
ステップS4では、操作スイッチ1Dがオン状態であるか否かを判別し、オン状態であればステップS5に進む。
【0036】
ステップS5において、制御回路16は、ステップS4で操作スイッチ1Dがオン状態になった時点での回転角度データと、メモリ16aのデータテーブルとに基づいて、眼幅データを決定する。そして、眼幅データを、眼幅信号出力部15を介して映像信号生成装置20R、20Lに出力する。これにより、頭部装着型表示装置10における眼幅の調整が完了する。
【0037】
そして、頭部装着型表示装置10で観察画像を表示させる場合には、視差画像生成部22R、22Lは、入力された眼幅データに基づいて左眼および右眼用の視差画像を生成し、この生成画像を頭部装着型表示装置に出力する。
【0038】
本実施例の画像表示システムによれば、頭部装着型表示装置10の眼幅に応じて視差画像を生成しているため、装着者は視差画像を違和感なく観察でき、画像観察時の疲労感を軽減することができる。しかも、リアリティの高い画像を観察することができる。
【0039】
なお、本実施例では、眼幅調整器17の操作によって検出される調整用ツマミ31の回転角データから眼幅データを決定し、該眼幅データを映像信号生成装置20R、20Lに送信する場合について説明したが、以下に説明する構成とすることもできる。
【0040】
すなわち、頭部装着型表示装置に、装着者の瞳位置を検出する瞳検出ユニットを設け、瞳検出ユニットで検出された瞳位置に基づいて装着者の眼幅を算出し、この眼幅データを映像信号生成装置に送信するようにしてもよい。
【実施例2】
【0041】
図5に、本発明の実施例2である画像表示システムの構成を示す。図5において、実施例1で説明した部材と同じ部材については同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0042】
本実施例の画像表示システムにおける頭部装着型表示装置は、複合現実感(Mixed Reality)に関するものであり、撮影光学系および表示光学系を有するビデオシースルー型の頭部装着型表示装置である。
【0043】
本実施例の頭部装着型表示装置40は、実施例1の頭部装着型表示装置の構成に加えて、撮像ユニット(第1および第2の撮像手段)18R、18Lと、撮影画像出力部1CR、1CLとを有している。
【0044】
撮像ユニット18R、18Lは、CMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子19R、19Lと、撮像素子19R、19Lを駆動する駆動回路(不図示)と、撮影レンズ1AR、1ALとを有している。
【0045】
撮像素子19R、19Lの撮像面には、撮影レンズ1AR、1ALによって光学像(物体像)が形成され、該光学像は撮像素子19R、19Lでの光電変換によって電気信号に変換される。撮像素子19R、19Lの出力信号は、撮影画像出力部1CR、1CLを介して、映像信号生成装置50R、50Lの撮影画像入力部25R、25Lに入力される。
【0046】
一方、実施例1と同様に眼幅信号出力部15の出力信号(眼幅データ)は、映像信号生成装置50R、50Lの眼幅信号入力部23R、23Lに入力され、視差画像生成部22R、22Lにおいて眼幅データに応じた視差画像が生成される。
【0047】
画像処理部24R、24Lは、視差画像生成部22R、22Lからの視差画像と、撮影画像入力部25R、25Lからの撮影画像とを合成し、合成画像を映像出力部21R、21Lを介して頭部装着型表示装置40(映像入力部14R、14L)に出力する。
【0048】
ここで、画像処理部24R、24Lは、高速な処理速度をもつコンピュータ上のソフトウェアプログラムにしたがって動作する。また、撮影画像出力部1CR、1CLは、動画に対応可能なUSB2.0やIEEE1394などのコンピュータに備わっている高速なI/Fで構成することができる。さらに、撮影画像入力部25R、25Lは、撮影画像出力部1CR、1CLと同様に、USB2.0やIEEE1394などのコンピュータに備わっている高速なI/Fで構成することができる。
【0049】
液晶モジュール11R、11Lには、撮影画像および視差画像が重畳された状態で表示される。これにより、ビデオシースルー型の頭部装着型表示装置40が構成される。
【0050】
ビデオシースルー型の頭部装着型表示装置において、装着者は、上述したように撮像ユニット18R、18Lによって撮影された物体像(外界像)と視差画像とを、表示ユニット13R、13Lを介して観察することができる。
【0051】
ここで、撮像ユニット18R、18L(撮影レンズ1AR、1AL)の撮影光軸(撮影領域の中心軸)102R、102Lと表示ユニット13R、13L(拡大光学系12R、12L)の光軸101R、101Lとが略一致するように、撮像ユニット18R、18Lおよび表示ユニット13R、13Lが配置されている。
【0052】
このように配置することで、装着者の視線(光軸101R、101L)と、撮像ユニット18R、18Lでの視線(撮影光軸)との視差を概ね無くすことができ、頭部装着型表示装置を装着したときの観察状態を、装着していないときの状態と概ね同じ状態とすることができる。
【0053】
なお、撮影光軸102Rが、光軸101R、101Lを含む面に対して直交し、光軸101Rを含む面内に位置するように、表示ユニット13Rに対して撮像ユニット18Rを配置してもよい。同様に、撮影光軸102Lが、光軸101R、101Lを含む面に対して直交し、光軸101Lを含む面内に位置するように、表示ユニット13Lに対して撮像ユニット18Lを配置してもよい。
【0054】
また、眼幅調整器17の操作によって頭部装着型表示装置40での眼幅を調整する場合において、表示ユニット13R、13Lおよび撮像ユニット18R、18Lは一体となって移動可能となっている。すなわち、眼幅調整器17の調整用ツマミ31(図2参照)の操作によって、表示ユニット13Rおよび撮像ユニット18Rと、表示ユニット13Lおよび撮像ユニット18Lは、相反する方向に移動する。
【0055】
本実施例においても、眼幅調整器17を操作して頭部装着型表示装置での眼幅を調整できるため、実施例1と同様の効果を得ることができる。特に、本実施例では、現実空間および仮想空間が重ね合わせられた状態を違和感なく観察することができる。
【0056】
なお、本実施例では、ビデオシースルー型の頭部装着型表示装置について説明したが、現実空間をハーフミラーで直接見て仮想空間と重ねる、いわゆる光学シースルー型の頭部装着型表示装置についても適用することができる。
【実施例3】
【0057】
図6に、本発明の実施例3である画像表示システムの構成を示す。図6において、実施例1、2で説明した部材と同じ部材については同一符号を用いて、詳細な説明は省略する。
【0058】
実施例1、2では、装着者が眼幅調整器を操作することで頭部装着装置での眼幅を調整している。一方、本実施例における頭部装着型表示装置60では、装着者の眼幅を検出し、この検出結果に基づいて自動的に頭部装着型表示装置60での眼幅を調整するものである。
【0059】
本実施例の頭部装着型表示装置60は、実施例2の頭部装着型表示装置の構成に加えて、装着者の瞳位置を検出する瞳検出ユニット(眼幅検出手段)1Bを有している。瞳検出ユニット1Bは、例えば、赤外光を照射する投光素子、魚眼レンズおよび撮像素子を備えた光画角の赤外線カメラユニットで構成することができる。
【0060】
すなわち、装着者の両眼に対して投光素子から赤外光を照射し、撮像素子を用いて両眼それぞれを撮像する。そして、瞳検出ユニット1B内の画像処理演算回路(不図示)によって瞳位置、例えば、眼の黒目領域のうち両端の中心位置を検出し、該瞳位置から装着者の眼幅を算出する。
【0061】
次に、上述した瞳検出動作によって算出された装着者の眼幅データに基づいて、頭部装着型表示装置60での眼幅を眼幅調整器27によって調整する構成について、図7を用いて説明する。ここで、図7(A)は、本実施例の頭部装着型表示装置の一部分を示す上面図であり、図7(B)は、上記一部分を示す正面図である。
【0062】
眼幅調整器27は、表示ユニット13Rおよび撮像ユニット18Rに連結されたラック33Rと、表示ユニット13Lおよび撮像ユニット18Lに連結されたラック33Lと、ラック33R、33Lに噛み合う歯車32とを有している。
【0063】
モータ(駆動手段)34の出力軸は歯車32に連結されており、モータ34に制御回路(駆動手段)16からの駆動信号が入力されると、歯車32が回転することで、歯車32と噛み合うラック33R、33Lが移動する。これにより、表示ユニット13R、13Lが相反する方向に移動し、頭部装着型表示装置60での眼幅を変更することができる。
【0064】
次に、図8に示すフローチャートを用いて、本実施例の頭部装着型表示装置における眼幅調整動作について説明する。
【0065】
ステップS11において、操作スイッチ1Dがオン状態になると、眼幅・視差画像調整モードに移行する。
【0066】
ステップS12では、眼幅調整パターンを液晶モジュール11R、11Lに表示する。具体的には、制御回路16が、眼幅信号出力部15を介して映像信号生成装置50R、50Lに、眼幅・視差画像調整モードに入ったことを知らせ、眼幅調整パターンを表示させるコマンドを送信する。
【0067】
このコマンドを受けた映像信号生成装置50R、50Lは、視差画像生成部22R、22Lにおいて眼幅調整パターンを生成し、頭部装着型表示装置60の液晶モジュール11R、11Lで表示させる。ここで、眼幅調整パターンに所定の指標を含ませておくことで、装着者の眼を指標に注視させることができる。
【0068】
ステップS13では、上述したように瞳検出ユニット1Bによって装着者の瞳位置を検出する。検出された瞳位置に関するデータは、制御回路16に出力される。
【0069】
ステップS14において、制御回路16は、瞳位置データに基づいて装着者の眼幅を算出し、この眼幅データに基づいてモータ34の駆動を制御する。すなわち、制御回路16は、ロータリーエンコーダ30の出力に基づいて歯車34の回転角度をモニタしながら、モータ34を駆動する。
【0070】
そして、制御回路16のメモリ16a内に格納されたデータテーブルを用いて、モニタしている回転角度が、予め算出しておいた眼幅データに対応した回転角度に到達した場合には、モータ34の駆動を停止する。そして、本フローを終了する。
【0071】
これにより、頭部装着型表示装置での眼幅を、装着者の眼幅と略一致させることができる。
【0072】
なお、本実施例では、モータ34を用いた場合について説明したが、上述した特許文献1で提案されているように、液晶モジュール11R、11Lとして、表示可能領域が実際の表示領域よりも広い表示素子を用い、眼幅データに応じて実際の表示領域の位置を表示可能領域の中で変更するようにしてもよい。また、瞳検出ユニット1Bは、右眼および左眼の一方又は両方に対応させて設けることができる。
【0073】
本実施例によれば、頭部装着型表示装置60での眼幅が自動的に調整されるため、頭部装着型表示装置60での眼幅を手動で調整する手間を省略できるとともに、違和感の無い画像を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施例1である画像表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例1における眼幅調整器の構成を示す上面図(A)および正面図(B)。
【図3】実施例1における眼幅調整動作を示すフローチャート。
【図4】眼幅調整パターンを示す図(A)と、眼幅調整パターンのずれ状態を示す図(B)。
【図5】本発明の実施例2である画像表示システムの構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施例3である画像表示システムの構成を示すブロック図。
【図7】実施例3における眼幅調整器の構成を示す上面図(A)および正面図(B)。
【図8】実施例3における眼幅調整動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0075】
10・・・・ 頭部装着型表示装置
11R・・・ 液晶モジュール(右眼用)
11L・・・ 液晶モジュール(左眼用)
12R・・・ 拡大光学系(右眼用)
12L・・・ 拡大光学系(左眼用)
15・・・・ 眼幅信号出力部
17・・・・ 眼幅調整器
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
【出願日】 平成16年10月1日(2004.10.1)
【代理人】 【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行

【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文

【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也

【識別番号】100108361
【弁理士】
【氏名又は名称】小花 弘路

【公開番号】 特開2006−108868(P2006−108868A)
【公開日】 平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願番号】 特願2004−290086(P2004−290086)