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【発明の名称】 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータで実行させるプログラム
【発明者】 【氏名】芝木 弘幸
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【要約】 【課題】種々のアプリケーションに好適な画像データを即時に提供する画像処理装置を提供する。

【解決手段】画像入力部21を介して入力した画像信号から、地肌レベル検出部2が地肌レベルを検出する。検出された地肌レベルに基づいて地肌信号分離部1が、入力したデジタル画像信号に対して、地肌信号と非地肌信号とに分離する。合成部4は、非地肌信号のみの出力、および分離された地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う。濃度補正部5は、合成部4が出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力したデジタル画像信号に対して第1の画像処理を施す第1の画像処理手段と、
前記第1の画像処理手段によって前記第1の画像処理を施された第1の画像信号に基づいて、入力した前記デジタル画像信号を、前記第1の画像信号と、入力した前記デジタル画像信号から前記第1の画像信号を除去した残余成分である第2の画像信号とに分離する分離手段と、
前記分離手段によって分離された第2の画像信号のみの出力、および前記第1の画像信号と前記第2の画像信号との合成出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成手段と、
前記合成手段が出力する画像信号に対して、第2の画像処理を施す第2の画像処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記合成手段は、前記第1の画像信号のみの出力、および前記第1の画像信号と前記第2の画像信号との合成出力の、少なくともいずれかの出力を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の画像処理手段は、前記入力したデジタル画像信号に対して、第1の画像処理として地肌、裏写りを含む所定の濃度以下の低濃度領域を検出するものであり、
前記分離手段は、前記第1の画像処理手段が検出した検出結果に基づいて、前記入力したデジタル画像信号を、低濃度領域信号と非低濃度領域信号に分離するものであり、
前記合成手段は、前記分離手段によって分離された非低濃度領域信号のみの出力、および前記低濃度領域信号と前記非低濃度領域信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行うものであり、
前記第2の画像処理手段は、前記合成手段から出力される画像信号に対して濃度補正処理を施すものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の画像処理手段は、前記入力したデジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段を有し、
前記分離手段は、前記地肌レベル検出手段が検出した地肌レベルに基づいて、入力した前記デジタル画像信号に対して、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離手段を有し、
前記合成手段は、前記地肌信号分離手段が分離した非地肌信号のみの出力、および前記地肌信号と非地肌信号を合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行うものであり、
前記第2の画像処理手段は、前記合成手段が出力した画像信号に対して濃度補正処理を行う濃度補正手段を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記合成手段は、画像のハイライト部を薄く或いはそのままの濃度で再生する要求信号を受け付けた場合、前記非地肌信号のみを出力し、かつ、前記ハイライト部を濃く再生する要求信号を受け付けた場合、前記非地肌信号と地肌信号とを合成出力するものであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像信号を外部機器に送信する通信手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記通信手段は、前記非地肌信号を送信するものであることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記非地肌信号を解析する解析手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記解析手段は、前記非地肌信号に対してOCR処理を施すものであることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記通信手段は、前記非地肌信号と地肌信号を合成した信号を送信するものであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記解析手段は、前記非地肌信号と地肌信号とを合成した信号を解析するものであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記地肌信号分離手段が分離した前記非地肌信号を圧縮する第1の圧縮手段と、
前記地肌信号分離手段が分離した前記地肌信号を圧縮する第2の圧縮手段と、
前記第1の圧縮手段が圧縮した非地肌信号および前記第2の圧縮手段が圧縮した地肌信号を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積された前記非地肌信号を伸張する第1の伸張手段と、
前記蓄積手段に蓄積された前記地肌信号を伸張する第2の伸張手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項4〜11のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記第2の圧縮手段は、前記第1の圧縮手段よりも圧縮率を高めて圧縮するものであることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記分離手段は、分離した前記地肌信号を低解像度に変換するものであることを特徴とする請求項12または13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記蓄積手段は、前記蓄積手段の蓄積空き容量を判定するものであり、前記蓄積空き容量が不足すると判定した場合、既に蓄積されている前記地肌信号のファイルを破棄するものであることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記蓄積手段は、前記蓄積空き容量が不足すると判定した場合、前記地肌信号のファイルの蓄積を停止するものであることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記蓄積手段は、前記蓄積空き容量が不足すると判定した場合、既に蓄積されている前記地肌信号のファイルをさらに圧縮するものであることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項18】
デジタル画像信号を入力する画像入力装置と、
前記画像入力装置が入力した前記デジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段、
前記地肌レベル検出手段が検出し地肌レベルに基づいて、入力した前記デジタル画像信号を、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離手段、
前記地肌信号分離手段が分離した非地肌信号のみの出力、および前記地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成手段、ならびに
前記合成手段が出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す濃度補正手段を有する画像処理装置と、
前記画像処理装置が画像処理を施した画像信号に基づいて画像出力する画像出力装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
入力するデジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出工程と、
前記地肌レベル検出工程で検出された地肌レベルに基づいて、入力した前記デジタル画像信号を、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離工程と、
前記地肌信号分離工程で分離した非地肌信号のみの出力、および前記地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成工程と、
前記合成工程で出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す濃度補正工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項20】
前記地肌信号分離工程により分離された非地肌信号を送信する通信工程を、さらに含むことを特徴とする請求項19に記載の画像処理方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータで実行させるプログラムに関するものであり、特に、画像データを入力して処理し画像を複写あるいは送信する複合機(MF(マルチファンクション)複写機)における画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル複写機は単に原稿画像を複写するだけではなく、読み取った画像信号をハードディスク装置のような大容量記憶媒体に記憶し、記憶した後に同じコピー出力が得られる機能や、蓄積した電子データをネットワークを通じて外部のPCなどに配信するスキャン画像配信の機能が搭載されているものが多い。
【0003】
また、蓄積した画像信号を解析し、OCR処理を施し文字コードデータに変換する複写機もある。つまり、蓄積した画像データを一つの機能ではなく、複数の用途(アプリケーション)に用いる方式が一般的になってきている。
【0004】
しかしながら、画像信号として蓄積する場合の好適な画像信号は、アプリケーション毎に異なるのが実状である。例えば、原稿複写を目的としたコピーアプリでは、地肌除去を行っていない画像信号を蓄積するのが好ましい。何故なら、ユーザがコピー出力をしたときに濃度が薄いと判断した場合、従来の複写機であれば濃度調整キーを操作して、より濃い出力が得られるように調整することができたので、この機能と同じ機能を提供しようとする場合、地肌を除去しない画像を保存しておくことが望ましい。地肌を除去したデータからは、濃度調整によってハイライト画像を濃く再現させようとしても、元データが消失してしまっているので無理である。このようにコピーアプリでは地肌除去処理を施していない画像信号が好適である。
【0005】
一方、スキャン画像を配信する場合、配信された画像をPCのモニタで見たときに、地肌部にデータが残っていると見づらい画像となる。また、地肌部にデータが残っている画像をプリンタ出力する場合、本来なら地肌の分が白く再現されて欲しいところであるが、地肌データが残っていると地肌が汚れたようなプリントアウトが得られ、ユーザが所望するものには成りにくかった。
【0006】
さらにネットワークなどを介した配信時には、画像ファイルサイズは小さい方が好ましいが、地肌データが残っていると圧縮効率が悪いため、ファイルサイズが肥大化してしまうという問題もあった。
【0007】
また、OCRなどの画像解析アプリに適用する場合、地肌信号は除去されている方が認識率が上がることが多かった。このように、アプリケーションによって蓄積する際の好適な画像データは異なっていた。
【0008】
これに対応するために従来技術では、地肌を飛ばさないデータを蓄積しておき、スキャン画像配信時や画像解析時に改めて地肌除去処理を行い、その後、所定の処理を施すというものだった。しかし、蓄積された信号をダイレクトに配信あるいは解析できる方が即時性に優れており、上記の従来技術の方法は優れたものとはいえなかった。
【0009】
また、別の技術としては、地肌除去を行った画像信号と、地肌除去を行わない信号の両方を保存蓄積するというものが考えられる。各アプリケーションに対応したデータを何れかから選択し、即時に供給することで前述の問題を解決できるものであるが、蓄積手段に蓄積するデータ量が非常に大きくなるという別の問題があった。
【0010】
これらの問題を解決するために、画像を第1のダイナミックレンジ、および第2のダイナミックレンジについて、それぞれ第2および第3の映像信号に分離し、第2および第3の映像信号を互いに関連づけて蓄積、出力する再生装置であって、第2の映像信号を可視化する映像表示手段を持ち、更に第2および第3のレンジを含むダイナミックレンジを有する映像信号を生成する技術が考えられている(特許文献1)。この技術によると、表示デバイスのダイナミックレンジを考慮して、表示デバイスに適したレンジ画像と、それ以外のハイライトのレンジ画像に分離するものである。
【0011】
また、蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として地肌除去量指定キー情報と、ハイライト濃度検出手段の結果とを蓄積して、蓄積メモリ手段の画像データを使用するか否かによって、ハイライト濃度を除去する手段を無効にするか有効にするかを切り替える技術が考えられている(特許文献2)。
【0012】
【特許文献1】特開2001−008092号公報
【特許文献2】特開2003−283832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1の技術によると、表示デバイスのダイナミックレンジを考慮して、表示デバイスに適したレンジ画像と、それ以外のハイライトのレンジ画像とに分離して出力し、ダイナミックレンジの違いによる表示の品質劣化を防止しようとするものであるので、複数の用途(アプリケーション)に好適に対応する技術とは言えなかった。
【0014】
また、特許文献2の技術によると、地肌除去量指定キー情報を蓄積手段に蓄積する構成をとっていて、画像処理において地肌除去量指定キー情報を読み込んで、プリントの画質を均一化することができ、また、地肌除去をプリンタのハイライト特性に合わせて処理できるのであるが、しかしながら、複数の用途(アプリケーション)に対応して地肌除去処理の有無を好適に選択できる技術ではなかった。
【0015】
本発明は、これらの問題に鑑みてなされその目的は、コピーアプリ、スキャナ配信アプリ、画像解析アプリなどの様々なアプリケーションに好適な画像データを即時に提供できる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータで実行させるプログラムを提供することである。
【0016】
また、本発明の目的は、このような様々なアプリケーションに好適な画像データを即時に提供するとともに、蓄積手段に蓄積する画像データ量を肥大化させない画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータで実行させるプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、画像処理装置であって、入力したデジタル画像信号に対して第1の画像処理を施す第1の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段によって前記第1の画像処理を施された第1の画像信号に基づいて、入力した前記デジタル画像信号を、前記第1の画像信号と、入力した前記デジタル画像信号から前記第1の画像信号を除去した残余成分である第2の画像信号とに分離する分離手段と、前記分離手段によって分離された第2の画像信号のみの出力、および前記第1の画像信号と前記第2の画像信号との合成出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成手段と、前記合成手段が出力する画像信号に対して、第2の画像処理を施す第2の画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記合成手段は、前記第1の画像信号のみの出力、および前記第1の画像信号と前記第2の画像信号との合成出力の、少なくともいずれかの出力を行うものであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記入力したデジタル画像信号に対して、第1の画像処理として地肌、裏写りを含む所定の濃度以下の低濃度領域を検出するものであり、前記分離手段は、前記第1の画像処理手段が検出した検出結果に基づいて、前記入力したデジタル画像信号を、低濃度領域信号と非低濃度領域信号に分離するものであり、前記合成手段は、前記分離手段によって分離された非低濃度領域信号のみの出力、および前記低濃度領域信号と前記非低濃度領域信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行うものであり、前記第2の画像処理手段は、前記合成手段から出力される画像信号に対して濃度補正処理を施すものであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記第1の画像処理手段は、前記入力したデジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段を有し、前記分離手段は、前記地肌レベル検出手段が検出した地肌レベルに基づいて、入力した前記デジタル画像信号に対して、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離手段を有し、前記合成手段は、前記地肌信号分離手段が分離した非地肌信号のみの出力、および前記地肌信号と非地肌信号を合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行うものであり、前記第2の画像処理手段は、前記合成手段が出力した画像信号に対して濃度補正処理を行う濃度補正手段を有するものであることを特徴とする。
【0021】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記合成手段は、画像のハイライト部を薄く或いはそのままの濃度で再生する要求信号を受け付けた場合、前記非地肌信号のみを出力し、かつ、前記ハイライト部を濃く再生する要求信号を受け付けた場合、前記非地肌信号と地肌信号とを合成出力するものであることを特徴とする。
【0022】
また、請求項6にかかる発明は、請求項4または5に記載の画像処理装置において、前記画像信号を外部機器に送信する通信手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記通信手段は、前記非地肌信号を送信するものであることを特徴とする。
【0024】
また、請求項8にかかる発明は、請求項4〜7のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記非地肌信号を解析する解析手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0025】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載の画像処理装置において、前記解析手段は、前記非地肌信号に対してOCR処理を施すものであることを特徴とする。
【0026】
また、請求項10にかかる発明は、請求項6〜9のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記通信手段は、前記非地肌信号と地肌信号を合成した信号を送信するものであることを特徴とする。
【0027】
また、請求項11にかかる発明は、請求項8〜10のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記解析手段は、前記非地肌信号と地肌信号とを合成した信号を解析するものであることを特徴とする。
【0028】
また、請求項12にかかる発明は、請求項4〜11のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記地肌信号分離手段が分離した前記非地肌信号を圧縮する第1の圧縮手段と、前記地肌信号分離手段が分離した前記地肌信号を圧縮する第2の圧縮手段と、前記第1の圧縮手段が圧縮した非地肌信号および前記第2の圧縮手段が圧縮した地肌信号を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された前記非地肌信号を伸張する第1の伸張手段と、前記蓄積手段に蓄積された前記地肌信号を伸張する第2の伸張手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項13にかかる発明は、請求項12に記載の画像処理装置において、前記第2の圧縮手段は、前記第1の圧縮手段よりも圧縮率を高めて圧縮するものであることを特徴とする。
【0030】
また、請求項14にかかる発明は、請求項12または13に記載の画像処理装置において、前記分離手段は、分離した前記地肌信号を低解像度に変換するものであることを特徴とする。
【0031】
また、請求項15にかかる発明は、請求項12〜14のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記蓄積手段は、前記蓄積手段の蓄積空き容量を判定するものであり、前記蓄積空き容量が不足すると判定した場合、既に蓄積されている前記地肌信号のファイルを破棄するものであることを特徴とする。
【0032】
また、請求項16にかかる発明は、請求項12〜15のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記蓄積手段は、前記蓄積空き容量が不足すると判定した場合、前記地肌信号のファイルの蓄積を停止するものであることを特徴とする。
【0033】
また、請求項17にかかる発明は、請求項12〜16のいずれか1つに記載の画像処理装置において、前記蓄積手段は、前記蓄積空き容量が不足すると判定した場合、既に蓄積されている前記地肌信号のファイルをさらに圧縮するものであることを特徴とする。
【0034】
また、請求項18にかかる発明は、画像形成装置であって、デジタル画像信号を入力する画像入力装置と、前記画像入力装置が入力した前記デジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段、前記地肌レベル検出手段が検出し地肌レベルに基づいて、入力した前記デジタル画像信号を、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離手段、前記地肌信号分離手段が分離した非地肌信号のみの出力、および前記地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成手段、ならびに前記合成手段が出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す濃度補正手段を有する画像処理装置と、前記画像処理装置が画像処理を施した画像信号に基づいて画像出力する画像出力装置と、を備えたことを特徴とする。
【0035】
また、請求項19にかかる発明は、画像処理方法であって、入力するデジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出工程と、前記地肌レベル検出工程で検出された地肌レベルに基づいて、入力した前記デジタル画像信号を、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離工程と、前記地肌信号分離工程で分離した非地肌信号のみの出力、および前記地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成工程と、前記合成工程で出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す濃度補正工程と、を含むことを特徴とする。
【0036】
また、請求項20にかかる発明は、請求項19に記載の画像処理方法において、前記地肌信号分離工程により分離された非地肌信号を送信する通信工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0037】
また、請求項21にかかる発明は、プログラムであって、請求項19または20に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
請求項1にかかる発明によれば、第1の画像処理手段は入力したデジタル画像信号に対して第1の画像処理を施す。分離手段は、第1の画像処理手段によって第1の画像処理を施された第1の画像信号に基づいて、入力したデジタル画像信号を、第1の画像信号と、入力したデジタル画像信号から第1の画像信号を除去した残余成分である第2の画像信号とに分離する。合成手段は、第2の画像信号のみの出力、および第1の画像信号と第2の画像信号との合成出力の、少なくともいずれかの出力を行う。第2の画像処理手段は、合成手段が出力する画像信号に対して、第2の画像処理を施す。この構成によって、必要に応じて第1の画像処理を施した信号の差分信号と、差分信号を生成する前の信号に復元した信号との、少なくともいずれかに対して第2の画像処理を行うことができるので、アプリケーションに好適な画像データを迅速に画像処理することができる。
【0039】
また、請求項2にかかる発明によれば、合成手段は、第1の画像信号のみの出力、および第1の画像信号と第2の画像信号との合成出力の、少なくともいずれかの出力を行う。この構成によって、必要に応じて第1の画像処理を施した信号と、第1の画像処理を施す前の信号に復元した信号との、少なくともいずれかに対して第2の画像処理を行うことができるので、アプリケーションに好適な画像データを迅速に画像処理することができる。
【0040】
また、請求項3にかかる発明によれば、第1の画像処理手段は、入力したデジタル画像信号に対して、第1の画像処理として地肌、裏写りを含む所定の濃度以下の低濃度領域を検出する。分離手段は、低濃度領域検出手段が検出した検出結果に基づいて、入力したデジタル画像信号を、低濃度領域信号と非低濃度領域信号に分離する。合成手段は、非低濃度領域信号のみの出力、および低濃度領域信号と非低濃度領域信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う。第2の画像処理手段は、合成手段から出力される画像信号に対して濃度補正処理を施す。この構成によって、必要に応じて、例えばデフォルトの濃度調整設定のときや外部機器へ画像を転送する場合には低濃度領域を含まない非低濃度領域信号(例えば地肌が除去された画像信号)を即座に合成手段から出力でき、濃度調整要求があった場合には低濃度領域信号を除去前の信号に復元し、復元された信号を濃度補正することができるので、ユーザのニーズに応じ、またアプリケーションに好適な画像データを迅速に濃度補正処理することができる。
【0041】
また、請求項4にかかる発明によれば、第1の画像処理手段は、入力したデジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段を備える。分離手段は、地肌レベル検出手段が検出した地肌レベルに基づいて、入力したデジタル画像信号に対して、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離手段を備える。合成手段は、非地肌信号のみの出力、および地肌信号と非地肌信号を合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う。第2の画像処理手段は、合成手段が出力した画像信号に対して濃度補正処理を行う濃度補正手段を備える。この構成によって、必要に応じて、例えばデフォルトの濃度調整設定のときや外部機器へ画像を転送する場合には、地肌信号を含まない非地肌信号を即座に合成手段から出力し、濃度調整要求があった場合には地肌除去前の信号に復元し、復元された信号を濃度補正することができるので、ユーザのニーズに応じ、またアプリケーションに好適な画像データを迅速に濃度補正処理することができる。
【0042】
また、請求項5にかかる発明によれば、合成手段は、画像のハイライト部を薄く或いはそのままの濃度で再生する要求信号を受け付けた場合、非地肌信号のみを出力し、かつ、ハイライト部を濃く再生する要求信号を受け付けた場合、非地肌信号と地肌信号とを合成出力する。この構成によって、ハイライト部を薄くあるいはそのままの濃度で再生する要求に対しては、地肌信号を含まない非地肌信号を即座に合成手段から出力し、ハイライト部を濃く再生する要求に対しては地肌除去前の信号に復元し、復元された信号を濃度補正することができるので、ユーザのニーズに応じ、またアプリケーションに好適な画像データを迅速に濃度補正処理することができる。
【0043】
また、請求項6にかかる発明によれば、画像信号を外部機器に送信する通信手段を、さらに備える。この構成によって、画像処理装置における例えば、分離手段によって分離された非地肌信号を送信できるので、即座にユーザが所望する地肌が適正に除去された画像信号を配信することができる。
【0044】
また、請求項7にかかる発明によれば、通信手段は、非地肌信号を送信する。この構成によって、分離手段によって分離された非地肌信号のみを送信できるので、即座にユーザが所望する地肌が適正に除去された画像信号を配信することができる。
【0045】
また、請求項8にかかる発明によれば、非地肌信号を解析する解析手段を、さらに備える。この構成によって、解析手段が、分離手段で地肌が除去された非地肌信号を解析するので、高精度な解析結果を用いて画像処理を施すことができる。
【0046】
また、請求項9にかかる発明によれば、解析手段は、非地肌信号に対してOCR処理を施す。この構成によって、解析手段が、分離手段で地肌が除去された非地肌信号をOCR処理するので、高精度にOCR処理を施された結果を用いて画像処理を施すことができる。
【0047】
また、請求項10にかかる発明によれば、通信手段は、非地肌信号と地肌信号を合成した信号を送信する。この構成によって、必要に応じて、例えばユーザ或いはシステムコントローラからの要求に応じて、非地肌信号と地肌信号を合成した地肌を除去する前の信号を配信することができる。
【0048】
また、請求項11にかかる発明によれば、解析手段は、非地肌信号と地肌信号とを合成した信号を解析する。この構成によって、必要に応じて、例えばユーザ或いはシステムコントローラからの要求に応じて、非地肌信号と地肌信号を合成した地肌を除去する前の信号を解析するので、高精度な解析結果を用いて画像処理を施すことができる。
【0049】
また、請求項12にかかる発明によれば、地肌信号分離手段が分離した非地肌信号を圧縮する第1の圧縮手段と、地肌信号分離手段が分離した地肌信号を圧縮する第2の圧縮手段と、第1の圧縮手段が圧縮した非地肌信号および第2の圧縮手段が圧縮した地肌信号を蓄積する蓄積手段と、蓄積手段に蓄積された非地肌信号を伸張する第1の伸張手段と、蓄積手段に蓄積された地肌信号を伸張する第2の伸張手段と、をさらに備える。この構成によって、地肌信号分離手段からの非地肌信号を圧縮して蓄積し、また伸張し、かつ地肌信号を圧縮して蓄積し、また伸張するので、地肌信号および非地肌信号にそれぞれ応じた好適な画像圧縮を施すことができる。
【0050】
また、請求項13にかかる発明によれば、第2の圧縮手段は、第1の圧縮手段よりも圧縮率を高めて圧縮する。この構成によって、画質に影響の少ない非地肌信号のファイル容量をより低く抑えることができ、その結果、全体的な画像ファイル容量を小さく抑えて蓄積することができる。
【0051】
また、請求項14にかかる発明によれば、分離手段は、分離した地肌信号を低解像度に変換する。この構成によって、画質に影響の少ない地肌信号のファイルを低解像度に変換して蓄積するので、地肌信号のファイル容量をより低く抑えることができ、その結果、全体的な画像ファイル容量を小さく抑えて蓄積することができる。
【0052】
また、請求項15にかかる発明によれば、蓄積手段は、蓄積手段の蓄積空き容量を判定するものであり、蓄積空き容量が不足すると判定した場合、既に蓄積されている地肌信号のファイルを破棄する。この構成によって、蓄積手段における蓄積容量が不足した場合、或いは蓄積容量がなくなった場合、既に蓄積されている画像ファイルのうち画質に影響の少ない地肌信号ファイルを破棄し、より重要な非地肌信号ファイルを残すので、画質により影響が少ないようにして蓄積空き容量を増加させることができる。
【0053】
また、請求項16にかかる発明によれば、蓄積手段は、蓄積空き容量が不足すると判定した場合、地肌信号のファイルの蓄積を停止する。この構成によって、蓄積手段における蓄積容量が不足した場合、或いは蓄積容量がなくなった場合、画質に影響の少ない地肌信号ファイルの蓄積を停止するので、画質により影響が少ないようにして蓄積空き容量の消費を抑えることができ、より多くの有効な画像データを蓄積することができる。
【0054】
また、請求項17にかかる発明によれば、蓄積手段は、蓄積空き容量が不足すると判定した場合、既に蓄積されている地肌信号のファイルをさらに圧縮する。この構成によって、蓄積手段における蓄積容量が不足した場合、或いは蓄積容量がなくなった場合、画質に影響の少ない地肌信号ファイルを更に圧縮するので、画質により影響が少ないようにして蓄積空き容量を増加させることができる。
【0055】
また、請求項18にかかる発明によれば、画像形成装置であって、デジタル画像信号を入力する画像入力装置と、画像入力装置が入力したデジタル画像信号から地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段、地肌レベル検出手段が検出し、地肌レベルに基づいて、入力したデジタル画像信号を、地肌信号と非地肌信号とに分離する地肌信号分離手段、非地肌信号のみの出力、および地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う合成手段、ならびに合成手段が出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す濃度補正手段を有する画像処理装置と、画像処理装置が画像処理を施した画像信号に基づいて画像出力する画像出力装置と、を備えた。この構成によって、必要に応じて第1の画像処理を施した信号の差分信号と、差分信号を生成する前の信号に復元した信号との、少なくともいずれかに対して第2の画像処理を行って、アプリケーションに好適な画像データを迅速に画像処理して、処理した画像を形成できる画像形成装置を提供できる。
【0056】
また、請求項19にかかる発明によれば、画像処理方法であって、地肌レベル検出工程は入力するデジタル画像信号から地肌レベルを検出する。地肌信号分離工程は、地肌レベル検出工程で検出された地肌レベルに基づいて、入力したデジタル画像信号を、地肌信号と非地肌信号とに分離する。合成工程は、非地肌信号のみの出力、および地肌信号と非地肌信号とを合成した出力の、少なくともいずれかの出力を行う。濃度補正工程は、合成工程で出力した画像信号に対して濃度補正処理を施す。この構成によって、必要に応じて、例えばデフォルトの濃度調整設定のときや外部機器へ画像を転送する場合には、地肌信号を含まない非地肌信号を即座に分離して出力し、濃度調整要求があった場合には地肌除去前の信号に復元し、復元された信号を濃度補正することができるので、ユーザのニーズに応じ、またアプリケーションに好適な画像データを迅速に濃度補正処理することができる。
【0057】
また、請求項20にかかる発明によれば、地肌信号分離工程により分離された非地肌信号を送信する通信工程を、さらに含む。この構成によって、分離工程で分離された非地肌信号を送信できるので、即座にユーザが所望する地肌が適正に除去された画像信号を配信することができる。
【0058】
また、請求項21にかかる発明によれば、プログラムであって、請求項19または20に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータで実行させるプログラムの最良な実施の形態を、実施の形態1〜5に分けて詳細に説明する。
【0060】
(1.実施の形態1)
図1は、実施の形態1による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態1による画像処理装置10は、画像形成装置において画像処理機能を実行する部分である。画像形成装置は、画像入力部21、画像処理装置10、および画像出力部22を備える。
【0061】
画像入力部21は、デジタル画像信号を入力して画像処理装置10に出力する。画像入力部21は、例えばスキャナである。あるいは、入力部21はネットワークを介して信号を取り込む通信手段であってもよい。画像処理装置10は画像情報を、スキャナを介して入力しても、ネットワークを介して送信されるものを入力しても良い。
【0062】
画像出力部22は、画像処理装置10において処理された画像情報を画像として出力させる。画像出力部22は、例えば、プリンタである。しかし、特にプリンタに限定するものではない。例えば、光を投影して画像を形成するプロジェクタであってもよい。
【0063】
実施の形態1による画像処理装置10は、地肌信号分離部1、地肌レベル検出部2、蓄積部3、合成部4,濃度補正部5、操作部6、システムコントローラ部7、および画像送信部8を備える。
【0064】
実施の形態1による画像処理装置10は、スキャナなどの画像入力部21によって取得されたデジタル画像信号diを入力する。地肌レベル検出部2は、入力した画像信号diに対して地肌レベルの検出を行う。
【0065】
地肌信号分割部1は、地肌レベル検出部2が検出した地肌レベルblに応じて、地肌信号と非地肌信号とを分離する。地肌レベルを除去する技術は、公知技術を適用することができる。
【0066】
公知の地肌レベルを除去する技術は、例えば特開平9−9057号公報記載の技術を適用することができる。この技術では、CCDなどのイメージセンサで読み込んだ画素のピーク値を検出し、読み込んで検出された画素のピーク値を、ADコンバータのリファレンス電圧に戻すことで地肌除去を行う。ここでは、ピーク値が地肌レベルであり、地肌レベルをリファレンスとすることで、地肌レベルを紙白に飛ばすことができる。この技術では、リアルタイムで地肌除去が行うことができ、逐次地肌レベルを更新しながら地肌除去を行うので、領域毎に異なる地肌除去処理を施すことができる。
【0067】
他の公知の地肌レベルを除去する技術は、スキャンした画像信号に対し、各濃度毎に画素数を計数してヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムからピーク値を決定し、地肌除去のための閾値を求める技術である。この技術は、画像全体から唯一の地肌レベルを求めるものであるので、1ページ分の画像蓄積が必要となるので、リアルタイム性にやや劣る。また、画像全面に対して一つの地肌レベルで除去処理を施すので、エリアによって地肌の除去具合が異なることはなく、一定レベルの地肌除去を施すことができる。
【0068】
また、公知の地肌レベルを除去する技術としては、特開平4−37258号公報記載の技術では、予め定めた単位エリア毎に濃度のヒストグラムを作成し、これからピーク値を決定して、決定したピーク値をもとに地肌除去のための閾値レベルを決定する。また、特開平7−74952号公報の技術では、像域分離部により絵柄ハイライト領域を検出し、検出結果に応じて適応的に地肌除去のための閾値レベルを決定する。
【0069】
本発明における地肌レベル検出部2は、上記のどのような方式を適用しても良い。また、地肌レベル検出部2の出力blは、1画像面に対して1つのレベル信号であっても良く、また、所定領域ごとに対応したレベル信号であっても良く、あるいは入力画像と同等の画像サイズを持つような画素レベル単位のレベル信号であっても良い。
【0070】
図2は、地肌信号分離部1の地肌除去特性の一例を示す模式図である。図2に示した地肌除去特性によると、地肌レベルblよりも入力画像信号diが小さい場合、出力画像信号nj=0を出力し、地肌レベルbl以上の場合は出力画像信号njとして入力画像信号diを出力する(ni=di)。
【0071】
地肌信号分離部1は、このような変換を施すことによって、地肌除去された信号である非地肌信号njを取得する。地肌信号分離部1は、入力画像信号diから上記の変換によって取得した非地肌信号njを引くことによって地肌信号jdを取得する。こうして、地肌信号分離部1は、地肌レベル検出部2が検出した地肌レベル信号blに応じて、画像入力部が取得した入力画像信号diに対して、地肌信号jdと非地肌信号njとを分離生成する。
【0072】
図3は、他の地肌除去特性の一例を示す模式図である。地肌信号分離部1は、図3に示した特性によって地肌除去を施しても良い。図3では、地肌レベルblを1.5倍した入力画像信号値1.5blと、これに対応する出力値anjによって定まるA点(1.5bl、anj)とB点(bl、0)とを結んだ線分ABを含む線分のグラフを用いて画素レベル変換を行う。このようにして定義された変換特性を使用すると、地肌除去される濃度レベル付近の除去後の濃度変化を緩やかなものとすることができ、違和感の少ない地肌除去処理を施すことができる。この場合も、地肌信号分離部1は、地肌信号を、入力画像信号diから非地肌信号njを減ずることによって求めることができる。
【0073】
次に蓄積部3は、これらの地肌信号jdおよび非地肌信号njを、それぞれ蓄積する。ここで蓄積部3が1面分の画像信号を蓄積するのは、操作部6などによってユーザが複数枚の出力要求を行った場合に、繰り返し読み出すことによって対応するためである。また、ネットワークを通じて外部機器に読み込んだ画像を配信する場合にも、一旦、蓄積部3に蓄積した画像を読み出し出力する場合に、相応しいものである。
【0074】
合成部4は、蓄積部3から地肌信号jdと非地肌信号njとを読み出す。合成部4ではシステムコントローラ部7からの制御信号ajに応じて、処理内容を切り替える。さらにシステムコントローラ部7は、操作部6によってユーザによる設定入力による処理モード信号ntを受け付ける構成とすることができる。この場合、受け付けた処理モード信号ntによって合成部4を制御する制御信号ajを決定して出力させるよう制御する。また、処理モード信号ntに応じて、システムコントローラ部7は制御信号dtによって濃度補正部5を制御する。
【0075】
合成部4は、システムコントローラ部7が送信する制御信号ajに応じて、蓄積部3から読み出した地肌信号jdと非地肌信号njとを合成して出力するか、あるいは、非地肌信号njのみをそのまま出力するかを選択的に処理する。合成する際の演算は、例えば、
cp=nj+jd (式)
として算出する。
【0076】
濃度補正部5は、システムコントローラ部7が送信する制御信号dtに応じて、あらかじめ設定された濃度変換テーブルを読み出し、読み出された濃度変換テーブルによる変換によって所定の濃度変換を行う。
【0077】
表1は、濃度調整キーntを受信したシステムコントローラ部7が、合成部4と濃度補正部5とを制御する制御信号を示す表である。濃度調整キーntは操作部6がユーザからの指定を受け付けて設定され、システムコントローラ部7は、設定された濃度調整キーntによって、合成部4と濃度補正部5にそれぞれ制御信号ajおよび制御信号dtを出力する。
【0078】
【表1】


【0079】
濃度調整キーntは、中央の設定値4をデフォルトとし、より薄いほうへの調整は3→2→1と順にキーを下げ、より濃いほうへの調整は5→6→7と順にキーを上げるよう設定しておく。デフォルト及びデフォルトよりも薄いほうへ濃度を調整する入力信号が受け付けられた場合、合成部4へ出力する制御信号ajは0とする。逆にデフォルトよりも濃いほうへ濃度を調整する要求が受け付けられた場合にはajは1として出力する。
【0080】
合成部4は、受け付けた制御信号ajが0の場合には上述のように非地肌信号njのみをそのまま出力する。合成部4は、受け付けた制御信号ajが1の場合には、地肌信号jdと非地肌信号njとを合成して出力する。
【0081】
デフォルトよりも濃くなるよう濃度再現したい場合には、一旦、地肌信号分離部1で分離した地肌データが必要であり、デフォルトよりも薄くなるよう濃度再現したい場合は、地肌データを除去しないものを出力する。
【0082】
図4は、濃度補正部5が濃度変換処理を施すテーブルを示す模式図である。システムコントローラ部7は、濃度補正部5に対して濃度調整キーの設定に応じて制御信号dtを出力して、表1に示された7つの濃度変換テーブルtbl1〜tbl7の中から選択して制御する。図中に示されたように、濃度変換テーブルtbl1は最も薄い濃度再現をする変換テーブルであり、濃度変換テーブルtbl7は最も濃い濃度再現をする変換テーブルである。
【0083】
画像出力部22は、濃度補正部5によって濃度変換テーブルを使用して濃度変換処理を施された画像信号を、画像として出力する。本実施例では特に説明しないが、一般に電子写真エンジンなどの画像出力部に出力する場合は、誤差拡散処理やディザ処理などの中間調処理が行われた後に画像出力される。
【0084】
ところで、近年のデジタル複合機、即ちコピー機能以外に、スキャナ、ファクシミリ、プリンタなどの複数の機能を有する複写機では、スキャナで読み取った画像信号を一旦蓄積し、ネットワークを通じて外部のコンピュータに配信する機能を搭載しているものが多い。このようなスキャン画像の配信を行う際には、地肌除去を施した画像を転送することが望ましい。なぜなら、受信した画像をモニタ表示したとき、あるいはプリンタによって出力した場合、地肌部分に濃度を有していると、汚れたように見えるためである。地肌部分に画像データが残るのが忠実な色を再現するデータであったとしても、実際は地肌部分には濃度データがないことが望まれることが多い。
【0085】
このように、スキャン画像配信を配信する場合には、蓄積部3に蓄積された地肌除去済みの信号(=非地肌信号nj)をそのまま出力するように構成することが望ましい。一方、必要に応じて、操作部6から設定入力を受け付けた場合は、地肌信号および非地肌信号を合成した信号を送信できる構成であることが望ましい。
【0086】
以上のように、コピー時におけるデフォルトまたはデフォルトよりも薄く濃度を再現したい場合、及びスキャン画像配信時には、非地肌信号を用いて速やかに画像処理あるいは転送を行うことができる。また、コピー時におけるデフォルトよりも濃く濃度再現したいときには、別に蓄積してある地肌信号を再び合成した後に、濃度補正することで、濃く濃度再現することが可能になる。
【0087】
図5は、実施の形態1による画像処理手順を説明するフローチャートである。デジタル画像データが入力されると、地肌レベル検出部1は、入力したデジタル画像信号から地肌レベルを検出する(ステップS101)。地肌信号分離部1は、地肌レベル検出部2が検出した地肌レベルに基づいて、地肌信号と非地肌信号とに分離する(ステップS102)。
【0088】
分離されたそれぞれの信号は、それぞれ別々に蓄積部3に蓄積されて、合成部4に出力される。システムコントローラ部7が、薄い濃度再現の指定を受け付けたか否かを検出し(ステップS103)、薄い濃度再現の指定を受け付けた場合(ステップS103のYes)、システムコントローラ部7は合成部4に薄い濃度再現の制御信号を送る(ステップS104)。合成部4は非地肌信号のみ出力する(ステップS105)。
【0089】
一方、システムコントローラ部が薄い濃度再現の指定を受け付けなかった場合(ステップS103のNo)、システムコントローラ部7は、合成部4に対して濃い濃度再現の制御信号を送る(ステップS106)。合成部4は地肌信号と非地肌信号とを合成して出力する(ステップS107)。濃度補正部5はシステムコントローラ部7からの制御信号を受けて濃度補正処理を施す(ステップS108)。
【0090】
以上、本実施例では一般的な地肌画像に対応する画像信号を地肌信号と称して説明したが、地肌信号を地肌そのものの意味で限定的にとらえるものではない。例えば、裏写り画像もコピー時や画像配信時には一般的に除去されて再生された方が好ましい画像である。このような意味では、地肌や裏写りを含むデフォルト時には不要な画像を所定の低濃度領域と称して、該低濃度領域を検出し、該低濃度画像と非低濃度画像に分離して処理を施すと、迅速で良好な画質を得ることができる。
【0091】
あるいは電子写真プリンタなどで出力した場合、しばしば見られる孤立点状の汚れ(ゴミ)なども除去された方が好ましい画像である。また、切り貼り原稿の原稿縁部分に見られる切り貼り影なども除去された方が望ましい。このような不要な画像信号も、地肌信号分離部1が分離する際に地肌信号側(或いは低濃度信号側)に分離するようにしておくと、良質なコピー再生や良質な配信画像が実現できる。また、必要に応じて地肌信号を用いて処理する構成により、地肌をも含めたが像形成が必要な際には、地肌を除去せずに画像出力するものとする。
【0092】
以上説明したように、実施の形態1による画像処理装置によれば、地肌レベルを検出して、検出された地肌レベルによって、地肌信号と非地肌信号とに分離し、通常は地肌レベルを除いた非地肌信号により画像出力などを行い、濃い画像が要請される場合は、非地肌信号と地肌信号とを合成して画像出力するので、コピーアプリ、スキャナ配信アプリ、画像解析アプリなどの様々なアプリケーションに好適な画像データを即時に提供できる。
【0093】
(2.実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態2による画像処理装置20が実施の形態1による画像処理装置と異なる点は、画像解析部9を備え、画像解析部9が蓄積部3に蓄積された画像信号をOCR処理する。一般に、OCR処理を施す際には地肌除去された画像信号を用いる方が、地肌部のノイズ、ゴミ等の影響が少なく高精度な認識を行える。このため、画像解析部9は、蓄積部3に蓄積された非地肌信号を入力して画像解析する。
【0094】
しかしながら、地肌除去が強すぎた場合などは、特に低濃度の文字で認識率が低下してしまうことがある。このような場合にはユーザが操作部を介して入力することによって、合成部4によって非地肌信号と地肌信号を合成した信号によって画像解析を行う構成しておけば、より認識精度の高いOCR処理を施すことが可能になる。
【0095】
図7は、本発明の実施の形態2による他の画像処理装置の機能的ブロック図である。ここでは、画像解析部9bが、地肌除去が強すぎた場合に対応して、合成部4が地肌信号と非地肌信号を合成した信号に対してOCR処理を施す。
【0096】
以上の例で説明した画像解析部9および9bによる解析結果に対して、さらなる画像処理を施すようにしても良く、あるいは解析結果をそのまま画像出力する構成としても良い。また、操作部6がユーザの指定入力を受け付けた場合に受け付けた指定によって、図6で示したように非地肌信号で文字を解析する場合と、図7に示したように非地肌信号と地肌信号とを合成した信号で文字を解析する場合とに分けて、解析部9が解析することが望ましい。
【0097】
図8は、実施の形態2による画像処理手順を説明するフローチャートである。この手順は、実施の形態1による画像処理手順のステップS102、即ち、デジタル画像データが地肌レベルを検出されて、地肌信号分離部1が、地肌レベルに基づいて地肌信号と非地肌信号とに分離したステップからスタートする。システムコントローラ部7は、薄い濃度で解析する指定を受け付けたか否かを検出し(ステップS201)、検出した場合(ステップS201のYes)、システムコントローラ部7は薄い濃度で解析する制御信号を画像解析部9に送る(ステップS202)。画像解析部9は、非地肌信号で解析する(ステップS203)。
【0098】
一方、システムコントローラ部7は、薄い濃度ではなく濃い濃度で解析する指定を受け付けた場合(ステップS201のNo)、システムコントローラ部7は濃い濃度で解析する制御信号を解析部9bに送る(ステップS204)。画像解析部7は、地肌信号と非地肌信号との合成信号で解析処理を施す(ステップS205)。
【0099】
以上の説明では、説明の都合上画像解析部9および9bと記載したが、別々の構成にする必要はなく、必要に応じて一体的に、または別々のものと構成することができる。
【0100】
以上、画像解析処理として、画像解析部9はOCR処理を例に挙げて説明したが、画像解析部9の施すOCR処理は画像解析処理の一例として挙げたものである。他にも画像解析処理としては、例えば高圧縮PDF化処理のように画像を解析し、解析した結果に応じて適応的に圧縮方式を切り換え、ファイルサイズの小さな電子文書に変換するような、他の種々の処理に対しても上記構成は有効である。
【0101】
以上説明したように、実施の形態2による画像処理装置によると、非地肌信号に対して、あるいは非地肌信号と地肌信号とを合成した信号に対して画像解析部が画像を解析して、以後の画像処理を施すので、コピーアプリ、スキャナ配信アプリ、画像解析アプリなどの様々なアプリケーションに好適な方式で画像解析を行って画像処理を施し、各アプリケーションに好適な画像データを即時に提供できる。
【0102】
(3.実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態3による画像処理装置30が実施の形態1による画像処理装置と異なる点は、地肌信号分離部1が分離した非地肌信号njおよび地肌信号jdをそれぞれ圧縮する第1の圧縮部11及び第2の圧縮部12を備えた点であり、また、それぞれ圧縮して蓄積された非地肌信号njおよび地肌信号jdを、それぞれ読み出して伸長する第1の伸張部13および第2の伸張部14を備えて、画像信号を復元する点である。第1の伸長部および第2の伸長部によって復元された画像信号は、前述と同様に合成部4に入力される。このように構成することによって蓄積部3における蓄積容量を低減することができる。
【0103】
ところで、地肌分離部3によって分離された地肌信号jdは、文字通り原稿画像の地肌データが抽出された画像信号であるので、画像としては、比較的濃度変化の小さな平坦画像である。逆に非地肌信号njは、文字部や高濃度の写真部などを含む濃度変化の比較的激しい画像信号である。一般に、画像の重要度としては、はるかに非地肌信号njの方が高い。
【0104】
そこで本発明では、第2の圧縮部12における地肌信号に対する圧縮率を、第1の圧縮部における非地肌信号に対する圧縮率よりも高く設定することが望ましい。このように地肌信号の圧縮率をより高く設定することによって、全体の蓄積容量を小さく抑えることができる。地肌信号に対して圧縮率を高く設定しても、もともと激しい濃度変化を有する画像ではないので、圧縮による劣化、例えばJEPG圧縮におけるモスキートノイズやブロック歪みのような劣化が発生しにくく、合成部4における合成後の画像信号に見掛け上の違和感を引き起こすことは少ないといえる。
【0105】
また、地肌信号のファイル容量を小さくする方法として、低解像度画像への変換も有効である。第2の圧縮部12の中で低解像度信号に変換して蓄積し、第2の伸張部14の中で再び元の解像度の信号に復元するように構成する。
【0106】
前述のように、地肌信号は濃度変化が少なく、文字などの頻繁な信号変化を含まないので、低解像度に変換しても画質への影響は小さい。以上のような方法で、地肌信号と非地肌信号を蓄積する蓄積部3の蓄積容量を小さく抑えることができる。
【0107】
ところで、蓄積部3はHDD装置などで構成されており、蓄積できるファイル容量には限りがある。蓄積する画像が大量な場合は蓄積部3に入りきらなくなり、コピー動作が行えなくなることがあった。このようなときは、既に蓄積されている地肌信号のファイルを破棄するように構成すればよい。前述のように、地肌信号は比較的重要度が低いファイルであるので、破棄する順位としては地肌信号から破棄するのがよい。また、空き容量が少なくなったときには地肌信号を蓄積しないように構成してもよい。また、空き容量が少なくなった時には、既に蓄積されている地肌信号ファイルをさらに容量が低下するように再圧縮を行うようにしてもよい。
【0108】
なお、本実施の形態では、画像入力部21(例えばスキャナ)からの画像信号から地肌レベルを検出し、地肌信号分離部1で2つの信号に分離する例を示している。これは、2つの信号を合成することで画像入力部21から入力した直後の信号に復元できるものである。
【0109】
以上説明ように、実施の形態3による画像処理装置によれば、分離された非地肌信号および地肌信号をそれぞれ圧縮して蓄積し、読み出して伸張するので、伸張の前段階で画像を送信したり、伸張した後に画像処理を施したりすることができるので、圧縮することにより蓄積容量を低減しつつも、画像解析アプリなどの様々なアプリケーションに好適な画像データを即時に提供できる。
【0110】
また、分離された信号の蓄積においては、地肌信号の圧縮率を非地肌信号のそれよりも高め、また、蓄積容量が不足してきた場合には、非地肌信号の蓄積を優先して蓄積するので、信号の重要度に応じた効率的な蓄積が可能となる。
【0111】
(4.実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態4による画像処理装置40が実施の形態1による画像処理装置と異なる点は、画像入力部21と地肌信号分離部1との間にフィルタ処理部15を備えた点である。
【0112】
この構成によって、入力画像信号diに対して、地肌レベル検出部2が地肌レベルblを検出しつつ、同時にフィルタ処理部15が入力画像信号diに対してフィルタ処理を施し、フィルタ処理を施された画像信号foに対して、地肌信号分離部1が該検出された地肌レベル信号blに従って地肌信号分離を行う。
【0113】
このようなフィルタ処理を施しておくことによって、合成部4が、分離した2つの信号を合成することでフィルタ処理後の信号に復元することができる。このように、復元したい画像信号は、画像処理の各部の配置および処理の流れによって適宜変更を加えることができる。
【0114】
ところで、地肌レベル検出部2が地肌レベルを検出するのは、フィルタ処理部15の前に行うことが好ましい。フィルタ処理によって鮮鋭性を強調したり、なめらかさを得るために平滑化したりした後の信号から地肌検出を行った場合、地肌レベルを誤って検出することが多いからである。
【0115】
特に、強調フィルタが施された画像では、文字輪郭部に実際の地肌よりもより白く見えるような濃度の低い部分であるアンダーシュートが生じる場合があり、このアンダーシュート部分を誤って最も地肌が明るい部分と検出してしまうと、適切な地肌検出が行えなくなってしまうからである。このため、地肌信号と非地肌信号に分離する前にフィルタ処理を施す場合は、フィルタ処理を施す前に地肌レベル検出を行っておき、フィルタ処理後の信号に対して地肌信号分離を行う構成が望ましい。
【0116】
以上、実施の形態1〜4による画像処理装置では、蓄積部3から読み出した信号に対して、濃度変換処理を施す例を示したが、このような処理の例の限りではない。たとえば、第2のフィルタ処理を施す構成としてもよく、地肌を飛ばしていない画像に復元した状態からフィルタ処理を施すほうが好適な場合にはそのように構成することもできる。
【0117】
ユーザの設定により、比較的強調度合いの弱い第2のフィルタ処理を施す場合には、地肌除去後の画像信号をそのまま用いて処理を行い、比較的強調度合いの強い第2のフィルタ処理を行う場合には、文字部のジャギー等が目立つので、地肌を飛ばしていない画像に復元した状態からフィルタ処理を施すように構成することもできる。
【0118】
なお、図1における画像入力部21は、スキャナなどのCCDによる画像読み取り装置であっても良く、あるいは既に読み取られた画像ファイルを受信して入力する入力装置であっても良い。
【0119】
以上説明したように、実施の形態4による画像処理装置によれば、フィルタ処理を、地肌信号分離処理の前でかつ地肌レベル検出に影響を与えない配置において、施すことによって、正確な地肌レベルを検出することを可能にしつつ、分離した2つの信号を合成することによりフィルタ処理後の信号に復元することができるので、画像信号に対してフィルタ処理を施して、画像解析アプリなどの様々なアプリケーションに好適な画像データを即時に提供できる。
【0120】
(5.実施の形態5)
実施の形態5による画像形成装置は、実施の形態1による画像処理装置10を画像処理機能を実行する部分として備える画像形成装置である。実施の形態5による画像形成装置は、図1に示した画像形成装置として具現化することができる。即ち、画像形成装置は、画像入力部21と、画像処理装置10と、画像出力部22とを備えてなる構成とする。
【0121】
実施の形態5による画像形成装置の動作および画像形成手順は、すでに実施の形態1において説明した画像処理装置10において、画像入力部21が入力した画像データに対して画像処理装置10が画像処理を施して出力した画像データを、画像出力部22が画像出力することによって、動作および手順を具現化できるので、ここでは説明を省略する。
【0122】
画像形成装置は、また、実施の形態2〜4のいずれかによる画像処理装置(20,30,および40)を内部に組み込んでそれぞれの画像処理機能を実行し、それぞれ処理を施された画像データによって画像形成することができる。
【0123】
実施の形態5による画像形成装置によれば、地肌レベルを検出して、検出された地肌レベルによって、地肌信号と非地肌信号とに分離し、通常は地肌レベルを除いた非地肌信号により画像出力などを行い、濃い画像が要請される場合は、非地肌信号と地肌信号とを合成して画像形成するので、コピーアプリ、スキャナ配信アプリ、画像解析アプリなどの様々な画像形成アプリケーションに好適な画像データを即時に提供して画像形成できる。
【0124】
(6.ハードウェア構成など)
図11は、実施の形態による画像形成装置のハードウェア構成図である。同図に示すようにこの画像処理装置は、CPU(Central Processing Unit)902、SDRAM903、フラッシュメモリ904およびハードディスク(HD)905などをASIC901に接続したコントローラボード900と、オペレーションパネル910と、ファックスコントロールユニット(FCU)920と、USB930と、IEEE1394940と、プリンタ950と、スキャナ960とからなる。
【0125】
オペレーションパネル910はASIC901に直接接続され、FCU920、USB930、IEEE1394940、プリンタ950、およびスキャナ960は、PCIバスを介してASIC901に接続されている。
【0126】
HD905には、画像形成装置のCPUに、上述した各手順(工程)を実行させる、あるいは上述した各部の機能を実行させるための画像形成プログラムが格納されている。
【0127】
なお、画像形成装置の特徴的部分である画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。この場合、CPU902が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して主記憶装置上にロードすることで、画像処理装置に、上述した各工程を実行、あるいは各部の機能を実現させる。
【0128】
本実施の形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(地肌レベル検出部、地肌信号分離部、蓄積部3、画像送信部、合成部4、濃度補正部5、およびシステムコントローラ部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから上記の各プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0129】
また、画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。または、画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供若しくは配布するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上のように、本発明にかかる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータで実行させるプログラムは、画像処理技術に有用であり、特に、デジタル複合機に適している。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】実施の形態1による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図2】地肌信号分離部1の地肌除去特性の一例を示す模式図である。
【図3】他の地肌除去特性の一例を示す模式図である。
【図4】濃度補正部5が濃度変換処理を施すテーブルを示す模式図である。
【図5】実施の形態1による画像処理手順を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2による他の画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図8】実施の形態2による画像処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図11】実施の形態による画像形成装置のハードウェア構成図である。
【符号の説明】
【0132】
10,20,30,40 画像処理装置
1 地肌信号分離部
2 地肌レベル検出部
3 蓄積部
4 合成部
5 濃度補正部
6 操作部
7 システムコントローラ部
8 画像送信部
9、9b 画像解析部
11 第1の圧縮部
12 第2の圧縮部
13 第1の伸長部
14 第2の伸長部
15 フィルタ処理部
21 画像入力部
22 画像出力部
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
【出願日】 平成16年9月10日(2004.9.10)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明

【公開番号】 特開2006−81012(P2006−81012A)
【公開日】 平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願番号】 特願2004−264476(P2004−264476)