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【発明の名称】 圧電発振器及びその製造方法
【発明者】 【氏名】大石 大輔
【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内

【氏名】駒井 誠
【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内

【要約】 【課題】圧電振動素子とICチップを同一のパッケージ内に封止した圧電発振器において発生し易いDLD特性不良を防止できる圧電発振器の製造方法を提供すること。

【解決手段】シリコンウェハ31の集積回路が形成されていない面をケミカルポリッシュする工程(S2)と、シリコンウェハ31を洗浄する工程(S3)と、シリコンウェハ31をICチップ6個片に切断する工程(S5)と、ICチップ6を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングする工程と、圧電振動素子を絶縁容器内に搭載する工程と、金属蓋により封止する工程とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器の製造方法において、
ベアチップとしての前記ICチップを連結したICチップウェハの集積回路が形成されていない面をケミカルポリッシュするケミカルポリッシュ工程と、
ケミカルポリッシュ工程終了後にICチップウェハを洗浄する洗浄工程と、
ICチップウェハを個片に切断する切断工程と、
ICチップ個片を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングするICチップ搭載工程と、
圧電振動素子を絶縁容器の凹陥部内に搭載する工程と、
前記金属蓋により前記凹陥部を封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
【請求項2】
上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器の製造方法において、
ベアチップとしての前記ICチップを連結したICチップウェハの集積回路が形成されていない面を研磨加工する研磨加工工程と、
前記ICチップウェハの研磨加工面をケミカルポリッシュするケミカルポリッシュ工程と、
ケミカルポリッシュ工程終了後にICチップウェハを洗浄する洗浄工程と、
ICチップウェハを個片に切断する切断工程と、
ICチップ個片を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングするICチップ搭載工程と、
圧電振動素子を絶縁容器の凹陥部内に搭載する工程と、
前記金属蓋により前記凹陥部を封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧電発振器の製造方法において、前記洗浄工程では、化学洗浄を行うことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の圧電発振器の製造方法において、前記洗浄工程では、化学洗浄を行った後、純水洗浄を行うことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
【請求項5】
上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器の製造方法において、
ベアチップとしての前記ICチップを連結したICチップウェハの集積回路が形成されていない面を研磨加工する研磨加工工程と、
前記ICチップウェハの研磨加工面を化学洗浄する第1の洗浄工程と、
前記第1の洗浄工程終了後に純水により前記ICチップウェハを洗浄する第2の洗浄工程と、
ICチップウェハを個片に切断する切断工程と、
ICチップ個片を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングするICチップ搭載工程と、
圧電振動素子を絶縁容器の凹陥部内に搭載する工程と、
前記金属蓋により前記凹陥部を封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の圧電発振器の製造方法において、前記切断工程では、レーザ光線を用いて前記ICチップウェハの切断を行うようにしたことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
【請求項7】
上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器において、前記圧電振動素子と対面するICチップの面がエッチングを施した面であることを特徴とする圧電発振器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装用の圧電発振器の製造方法に関し、特に圧電振動素子とICチップを同一のパッケージ内に封止した圧電発振器において発生し易い不具合、即ち、半導体材料を加工する際に発生した研磨剤や削り屑が圧電振動素子に付着することによって、DLD特性不良を惹起することを防止することができる圧電発振器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴う低価格化、及び小型化の急速な進展により、これらの通信機器に使用される水晶発振器等の圧電発振器に対しても、低価格化、小型化、及び薄型化の要請が高まっている。
このような要請に対応するために、図6に示した如き表面実装型圧電発振器が提案されている。この圧電発振器は、上面に凹陥部101を備えると共に底部に表面実装用の外部電極102を備えた絶縁容器100と、凹陥部101の底面に設けた内部パッド105上にフェイスダウン搭載されたICチップ110と、凹陥部101内の段差115上に設けた接続パッド116上に導電性接着剤117を用いて電気的機械的に固定される圧電振動素子120と、絶縁容器の凹陥部101を封止する金属蓋125と、絶縁容器100の外枠上面に一体化されたシームリング126等を備えている。
圧電振動素子120は、例えば水晶等の圧電基板の両主面に夫々励振電極と、各励振電極から伸びるリード電極が形成されている。
この圧電発振器にあっては、外部電極102と、内部パッド105と、接続パッド116、シームリング126の間は、図示していない内部導体によって接続されている。
ICチップ110は、発振回路、温度補償回路等を構成するベアチップであり、例えばシリコン基板の片面に集積回路と集積回路に接続された電極を露出配置した構成を備えており、電極が形成されている面側を下向き(フェイスダウン)状態にして、バンプ111などを用いて凹陥部101の内底面に形成されている内部パッド105、105にフリップチップ実装されている。
なお、ICチップと圧電振動素子120を絶縁容器100の同一空間に収納するように構成した圧電発振器は特許文献1などに開示されている。
【特許文献1】特開2000−323927公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したような従来の表面実装型水晶発振器は、薄型化、低背化を図るために、絶縁容器100の同一空間内にICチップ110と圧電振動素子120とを高さ方向に重ねて収納したうえで、絶縁容器100内に収納したICチップ110の表面を保護用の樹脂により覆わないように構成していた。さらに、このような構造の水晶発振器では、より一層の低背化を実現するために、ICチップ110を薄く加工するなどしていた。
しかしながら、ICチップ110の薄型化を図るために、絶縁容器100の同一空間内にICチップ110と圧電振動素子120を収納した場合、ICチップ110の表面に付着していたシリコン屑などの塵が圧電振動素子120に付着して、ドライブレベル依存特性(DLD:Drive Level Dependency、以下、「DLD特性」と表記する)不良を引き起こすおそれがあった。
DLD特性とは、圧電振動素子120のドライブレベル変化による発振周波数の変化などを示した特性であり、DLD特性不良は、以下のようなICチップの製造工程にも、その要因があることがわかった。
【0004】
通常、ICチップの製造工程において、ICチップを薄く加工する場合、集積回路を形成したシリコンウェハを用意し、その集積回路面(以下、「表面」という)を保護膜または保護テープで覆った後、シリコンウェハの集積回路が形成されていない面(以下、「裏面」という)を研磨剤により研磨加工する。そして、シリコンウェハが所望の厚みに達したら研磨剤、及び削り屑を純水にて洗い流すようにしている。しかしながら、上記のようにしてシリコンウェハの研磨加工を行った場合、シリコンウェハの裏面に研磨により微細な欠き傷ができ、この欠き傷内に研磨剤の粒子や削り屑が嵌まり込むことがある。あるいはシリコンウェハの裏面にささくれ状態でシリコン結晶屑が残ることがある。このような粒子の屑は、これまでの純水による洗浄では簡単には完全に取り去ることができない。このため、このようなICチップを圧電振動素子と同一空間内に且つ、ICチップの研磨面が圧電素子と対面するように配置した場合は、発振器に加わる衝撃等により粒子や屑がICチップから外れて圧電振動素子(水晶片)に付着する。この結果、圧電振動素子のDLD特性不良を引き起こす要因になる場合があった。
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、圧電振動素子とICチップを同一のパッケージ内に封止した圧電発振器において発生し易いDLD特性不良を防止することができる圧電発振器の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器の製造方法において、ベアチップとしての前記ICチップを連結したICチップウェハの集積回路が形成されていない面をケミカルポリッシュするケミカルポリッシュ工程と、ケミカルポリッシュ工程終了後にICチップウェハを洗浄する洗浄工程と、ICチップウェハを個片に切断する切断工程と、ICチップ個片を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングするICチップ搭載工程と、圧電振動素子を絶縁容器の凹陥部内に搭載する工程と、前記金属蓋により前記凹陥部を封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器の製造方法において、ベアチップとしての前記ICチップを連結したICチップウェハの集積回路が形成されていない面を研磨加工する研磨加工工程と、前記ICチップウェハの研磨加工面をケミカルポリッシュするケミカルポリッシュ工程と、ケミカルポリッシュ工程終了後にICチップウェハを洗浄する洗浄工程と、ICチップウェハを個片に切断する切断工程と、ICチップ個片を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングするICチップ搭載工程と、圧電振動素子を絶縁容器の凹陥部内に搭載する工程と、前記金属蓋により前記凹陥部を封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明には、請求項1または請求項2に記載の圧電発振器の製造方法において、前記洗浄工程において、化学洗浄を行うようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の圧電発振器の製造方法において、前記洗浄工程において、化学洗浄を行った後、純水洗浄を行うようにことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器の製造方法において、ベアチップとしての前記ICチップを連結したICチップウェハの集積回路が形成されていない面を研磨加工する研磨加工工程と、前記ICチップウェハの研磨加工面を化学洗浄する第1の洗浄工程と、前記第1の洗浄工程終了後に純水により前記ICチップウェハを洗浄する第2の洗浄工程と、ICチップウェハを個片に切断する切断工程と、ICチップ個片を絶縁容器の凹陥部内にフェイスダウンでボンディングするICチップ搭載工程と、圧電振動素子を絶縁容器の凹陥部内に搭載する工程と、前記金属蓋により前記凹陥部を封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の圧電発振器の製造方法において、前記切断工程では、レーザ光線を用いて前記ICチップウェハの切断を行うようにしたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、上面に凹陥部を備え且つ底部に外部電極を備えた表面実装用の絶縁容器と、該凹陥部の底面に設けた内部パッド上にフェイスダウン搭載されたICチップと、該凹陥部内に設けた接続パッド上に電気的機械的に固定される圧電振動素子と、該絶縁容器の凹陥部を封止する金属蓋と、を備えた圧電発振器において、前記圧電振動素子と対面するICチップの面がエッチングを施した面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ICチップウェハの集積回路が形成されていない面にケミカルポリッシュ処理を施すことで、ICチップウェハの研磨による研磨剤の粒子やICチップウェハの切り屑、あるいはシリコン結晶屑などが残存することがないので、ICチップと圧電振動素子とを同一空間に収納するように圧電発振器を構成した場合でもDLD特性不良の発生を防止することができる。
また本発明においては、ICチップウェハの集積回路が形成されていない面に化学洗浄処理を施してICチップウェハの表面を僅かにエッチングすることにより整えたことで、ICチップウェハの研磨による研磨剤の粒子やICチップウェハの切り屑、あるいはシリコン結晶屑などが残存することがないので、ICチップと圧電振動素子とを同一空間に収納するように圧電発振器を構成した場合でもDLD特性不良の発生を防止することができる。
また、切断工程において、レーザ光線を用いてICチップウェハの切断を行うようにすると、ICチップウェハにチッピングや欠けが発生しないので、DLD特性不良の対策としてはより効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の概略構成を示した図であり、図1(a)には水晶発振器の斜視図が、図1(b)には、同図(a)に示した圧電発振器を一点鎖線A−Aで切断した断面図がそれぞれ示されている。
この図1(a)(b)に示す圧電発振器1は、上面に凹陥部3を有すると共に、その外側底部に表面実装用の外部電極4、4・・を備えた絶縁容器2と、凹陥部3の底面に設けた内部パッド5上にフェイスダウン搭載されたICチップ6と、絶縁容器2の外枠上面に設けた接続パッド8上に導電性接着剤9を用いて電気的機械的に固定される圧電振動素子11と、絶縁容器2の凹陥部3を封止する金属蓋13と、絶縁容器2の外枠上面に一体化されたシームリング12等を備えている。圧電振動素子11は、例えば水晶等の圧電基板の両主面に夫々励振電極と、各励振電極から伸びるリード電極が形成されている。
このような圧電発振器1にあっては、外部電極4と、内部パッド5と、接続パッド8、シームリング12の間は、図示していない内部導体によって接続されている。ICチップ6は、発振回路、温度補償回路等を構成するベアチップであり、例えばシリコン基板の片面に集積回路と集積回路に接続された電極を露出配置した構成を備えており、電極が形成されている面側を下向き(フェイスダウン)状態にして、バンプ7、7などの接続部材を用いて凹陥部3の内底面に形成されている内部パッド5、5にフリップチップするようにしている。
そして、本実施の形態の圧電発振器1においては、絶縁容器2に実装されるICチップ6の裏面側をエッチング処理したエッチング面20とすることで、上面側となるICチップ6の裏面に、ICチップ6を薄く研磨加工したときの切り屑などが残存しないようにしている。これにより、ICチップ6と圧電振動素子11とを同一空間に収納したシングルシールタイプの圧電発振器において、DLD特性不良が発生するのを防止することができる。
【0009】
以下、図1に示した表面実装型水晶発振器の製造方法について説明する。
図2、図3は、第1の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順を示した図である。
この場合、まず、図2に示す工程S1において、図示しない集積回路作製工程において集積回路が形成されたシリコンウェハ(ICチップウェハ)31を用意する。このようなシリコンウェハ31は、上記したベアチップとしてのICチップが多数個連結した状態で形成されている。
次に工程S2において、シリコンウェハ31の裏面側、つまり集積回路が形成されていない面側にケミカルポリッシュ処理を施す。ケミカルポリッシュ処理とは、例えば水酸化カリウムなどのアルカリ溶液によるエッチング、またはアルカリ溶液などのエッチング液と砥粒(研磨剤)とを併用して行う研磨処理とされる。この場合、研磨剤には例えばシリカ粒子が用いられる。
上記工程S2におけるエッチング加工処理終了後、工程S3においてシリコンウェハ31の洗浄を行い、洗浄終了後、工程S4においてシリコンウェハ31の片側全面にテープを貼付する。そして、工程S5においてシリコンウェハ31をカッター32により、図示すような切断ラインとなるように切断して、シリコンウェハ31から多数のICチップ6,6・・を取り出す。そして次の工程S6において、ICチップ6に貼付されているテープをはがすようにする。なお、シリコンウェハを切断する際には、切りくずを洗い流すようにする。また、このときテープは厚み方向にハーフカットする。
上記工程S6により得られたICチップ6は、図3に示す工程S7において、例えばICチップ6を吸着することができる吸着ツール41を用いて、ICチップ6の表面(集積回路面)を下向き(フェイスダウン)状態にして、絶縁容器2の内部パッド5、5にICチップ6をフリップチップ実装する。この場合、絶縁容器2に実装されたICチップ6の上面側は、ケミカルポリッシュ処理によりエッチングしたエッチング面20となる。
そして続く工程S8において、絶縁容器2の接続パッド8上に導電性接着剤9を用いて圧電振動素子11を接続した後、工程S9において、絶縁容器2上面のシールリング12に金属蓋13を取り付け、絶縁容器2内を気密封止する。これにより、上記図1に示した表面実装型水晶発振器を構成することができる。
このように圧電発振器を製造すれば、圧電発振器のより一層の薄型化を図るために、ICチップ6をより薄くするための研磨加工を行ったとしても、ICチップ6の裏面に研磨剤の粒子やシリコンウェハの切り屑、あるいはシリコン結晶屑などが残存することがないので、従来、シングルシールタイプの圧電発振器において発生していたDLD特性不良を防止することができる。
【0010】
次に、第2の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順について説明する。
この場合、先ず、図4に示す工程S11において、集積回路が形成されたシリコンウェハ31を用意する。次に工程S12において、シリコンウェハ31の裏面を研磨加工する処理を行った後、工程S13において、研磨加工した研磨加工面にケミカルポリッシュ処理を施すようにする。工程S13におけるケミカルポリッシュ処理終了後、工程S14においてシリコンウェハ31を洗浄し、洗浄後、先において説明した図2に示す工程S4以降の手順で製造する。つまり、シリコンウェハ31の片側全面にテープを貼付した後、シリコンウェハ31を切断してICチップ6を取り出した後、ICチップ6に貼付されているテープをはがすようにする。この後、吸着ツール41を用いてICチップ6をフリップチップ実装し、さらに圧電振動素子11を搭載して絶縁容器2内を気密状態で封止することで、図1に示した表面実装型水晶発振器を構成することができる。この場合も、シリコンウェハ31の表面が最終的にエッチング加工面となるので、ICチップ6の裏面に研磨剤の粒子やシリコンウェハの切り屑、あるいはシリコン結晶屑などが残存することがないのでDLD特性不良を防止することができる。
【0011】
次に、第3の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順について説明する。
この場合も、まず、図5に示す工程S21において、集積回路が形成されたシリコンウェハ31を用意する。次に工程S22において、シリコンウェハ31の裏面を研磨加工処理した後、工程S23において、研磨面に対して化学洗浄処理を施す。化学洗浄処理では、例えば希薄エッチング液を用いて洗浄を行った後、必要に応じてフッ化水素水などのフッ化溶液やアンモニア溶液、塩酸溶液による浄化処理を施す。なお、希薄エッチング液としては、例えばアンモニア、過酸化水素水、水を1:1:5の比率により混合したものを用いる。上記工程S23において化学洗浄処理を行った後、工程S24においてシリコンウェハ31を純水により洗浄し、洗浄終了後、上記同様、図2に示した工程S4以降の製造手順、即ち、シリコンウェハ31の片側全面にテープを貼付した後、シリコンウェハ31を切断してICチップ6を取り出した後、ICチップ6に貼付されているテープをはがす。この後、吸着ツール41を用いてICチップ6をフリップチップ実装し、さらに圧電振動素子11を搭載して絶縁容器2内を気密状態で封止することで、図1に示した表面実装型水晶発振器を構成することができる。
このようにした場合は、化学洗浄により僅かではあるがシリコンウェハ31の表面が除去されることにより、研磨により生じた溝に挟まっている屑などを取り除くことができるので、上記同様、ICチップ6の裏面に研磨剤の粒子やシリコンウェハの切り屑、あるいはシリコン結晶屑などが残存することがない。
なお、上記第1及び第2の実施の形態に係る水晶振動子の製造工程において、工程S3(S14)にて化学洗浄を行うようにしてもよい。また、工程S3(S14)にて化学洗浄と純水洗浄を行うようにしてもよい。その場合は化学洗浄を行った後に純水洗浄を行うようにする。
また、工程S5において、レーザ光線を用いてシリコンウェハ31を切断した場合、ダイシングブレードを用いて切断したときのように、シリコンウェハ31にチッピングや欠けが発生しないので、レーザ光線を用いてシリコンウェハ31を切断したほうがDLD特性不良の対策としてはより効果的である。
また、本実施の形態においては、絶縁容器2の上面に圧電振動素子11を接続するための接続パット8を設け、この接続パット8の外周囲に金属蓋13を接続するためのシームリング12を配置することで、ICチップ6と圧電振動素子11、及び圧電振動素子11と金属蓋13とが接触しないように構成しているが、これはあくまでも一例であり、本発明は、少なくともICチップと圧電振動素子11が絶縁容器の同一空間内に配置される構造の圧電発振器であれば適用することができる。例えば図6に示したような構造の圧電発振器にも適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る表面実装型水晶発振器の概略構造を示した図。
【図2】第1の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順を示した図。
【図3】第1の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順を示した図。
【図4】第2の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順を示した図。
【図5】第3の実施の形態に係る表面実装型水晶発振器の製造手順を示した図。
【図6】従来の表面実装型水晶発振器の概略構造を示した図。
【符号の説明】
【0013】
1 圧電発振器、2 絶縁容器、3 凹陥部、4 外部電極、5 内部パット、6 ICチップ、7 電極、8 接続パット、9 導電性接着剤、11 圧電振動素子、12 シームリング、13 金属蓋
【出願人】 【識別番号】000003104
【氏名又は名称】エプソントヨコム株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区塚越三丁目484番地
【出願日】 平成16年7月12日(2004.7.12)
【代理人】 【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均

【公開番号】 特開2006−33093(P2006−33093A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2004−205118(P2004−205118)