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【発明の名称】 圧電発振器
【発明者】 【氏名】下平 和彦
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【要約】 【課題】小型化、薄型化を実現する圧電発振器を提供する。

【解決手段】上記課題を解決するための圧電発振器は、パッケージ11内にワイヤボンディングによって実装された電子部品(半導体集積回路:IC)14と、圧電振動片16とを有する圧電発振器10において、前記IC14の長手方向と、前記圧電振動片16の長手方向とを交差させて配置し、前記ワイヤボンディングによるワイヤ30の接続面と前記圧電振動片16の実装面とを同じ層に配置する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片と電子部品とがパッケージ内の上下方向に配置してある圧電発振器において、
前記圧電振動片は、前記電子部品のパッド間に配置されると共に、一端を前記パッドに接続したワイヤの他端の接続面に実装したことを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
前記圧電振動片と前記電子部品とは、互いの長辺方向が交差するように配置する構成としたことを特徴とする、請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記電子機器と前記圧電振動片との間には、緩衝材を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧電発振器。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は圧電発振器に係り、特に小型、薄型の電子機器に搭載する場合に好適な圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電発振器は様々な電子機器に搭載され、電子機器の基準信号源や基準周波数源等として利用されている。このような現状において、電子機器の小型化、薄型化への期待と共に、圧電発振器自体の小型化、薄型化も要求されてきている。圧電発振器の小型化を図ったものの例として特許文献1に開示されている圧電発振器を挙げることができる。図2にその概略構成を示す。なお、図2(A)は圧電発振器の平面図を示し、図2(B)は図2(A)のA−A断面を示す図である。図2に示す圧電発振器は、4層の基板2a,2b,2c,2dから成るパッケージベース2と、前記パッケージベース2を封止するリッド7とから構成されるパッケージ1を有する。前記パッケージ1の内部には、圧電振動片4と、発振回路を構成する電子部品(半導体集積回路:IC)3とが実装されている。このような構成要素を有する圧電発振器9では、前記IC3は前記パッケージベース2における基板2aに接着剤等を介して固定され、基板2bに配された電極パターン5に対してワイヤボンディングされている。これに対して圧電振動片4は、前記基板2bの上層として配された基板2cに配された電極パターン8に対して実装される。
【0003】
上記特許文献1に開示された圧電発振器9では特に、圧電振動片4を小型化することに伴い、IC3の実装を行うワイヤボンディングにおけるワイヤ6の接続方向をパッケージ1の短辺方向に設定することを特徴とし、これにより製造段階での問題点を解決し、圧電発振器9を小型化することができる旨を記載している。
【特許文献1】特開2004−15441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された圧電発振器では、確かに実装面積の小型化を実現することができると考えられる。しかし、圧電発振器自体の厚さは従来のものと殆ど変わらないと考えられ、圧電発振器の薄型化には対応していない。
本発明では上記課題を解決し、小型化に加え、薄型化をも実現することができる圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためには、圧電発振器を構成するパッケージ自体を小型化、薄型化し、その内部に圧電振動片と電子機器を実装することができる構成としなければならない。そこで、本発明に係る圧電発振器は、圧電振動片と電子部品とがパッケージ内の上下方向に配置してある圧電発振器において、前記圧電振動片は、前記電子部品のパッド間に配置されると共に、一端を前記パッドに接続したワイヤの他端の接続面に実装したことを特徴とする。電子部品(IC)とパッケージベースとを電気的に接続するワイヤボンディングのパッケージベース側のボンディング面(接続面)と、圧電振動片の実装面とを同じ面(同じ層の基板)としたことにより、パッケージベースを構成する基板を1層減らすことができる。よって、圧電発振器を薄型化することができる。また、ICのパッド間に圧電振動片を配置する構成としたことにより、ICを実装するワイヤと圧電振動片とが接触することが無くなる。よって、圧電振動片をICに近接させて配置することが可能となり、圧電発振器を薄型化することが可能となる。
【0006】
また、上記構成を有する圧電発振器において、前記圧電振動片と前記電子部品とは、互いの長辺方向が交差するように配置する構成とすると良い。
このような構成とすることにより、比較的大きなICをパッケージ内に実装する場合であっても、パッケージの長辺方向への長さを抑制することができる。よって、圧電発振器の小型化を実現することが可能となる。
【0007】
さらに、上記構成を有する圧電発振器においては、前記電子機器と前記圧電振動片との間には、緩衝材を備えるようにすると良い。
通常、圧電振動片はパッケージ等に加えられる衝撃等によって搖動する。上記構成の圧電発振器によれば、前記圧電振動片の遥動を抑制することが可能となる。これにより、上述のごとく狭まったICと圧電振動片の隙間であっても、圧電振動片を安定して保持することができ、搖動により圧電振動片がICに接触してしまうといった事態を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の圧電発振器に係る実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明の圧電発振器に係る一部の実施形態に過ぎず、本発明は以下の実施形態に拘束されるものでは無い。
【0009】
図1は、本発明の圧電発振器に係る実施の形態を示す。また、図1において(A)は圧電発振器の正面図を示し、(B)は(A)におけるA−A断面図を示し、(C)は(A)におけるB−B断面図を示す。
【0010】
本実施形態の圧電発振器10の基本的構成は、パッケージベース12と前記パッケージベース12を封止するリッド36とから構成されるパッケージ11と、前記パッケージ11の内部に実装される圧電振動片16と、発振回路を構成する電子部品(半導体集積回路:IC)14とから成るものである。
【0011】
前記パッケージ11を構成する前記パッケージベース12は、セラミックス等の絶縁素材を加圧焼成して作成された複数の基板12a、12b、12cから構成される。本実施形態のパッケージベース12は、箱型に形成されており、内部に二段の凹陥部18、20を有する。本実施形態では、パッケージベースの、開口面側に配された凹陥部を第一の凹陥部20と称し、底面側に配された凹陥部を第二の凹陥部18と称する。なお、前記IC14と前記圧電振動片16とは、後述するように、前記第一の凹陥部20と、前記第二の凹陥部18とにそれぞれ、上下方向に配置される。
【0012】
図1を参照すると解るように、前記第二の凹陥部18は、パッケージベース12の短辺方向に係る配置が、一方の長辺側へ偏っている。これは、凹陥部を偏らせた側の長辺とは逆側に、後述する圧電振動片16の実装面を設けるためである。
【0013】
このような構成のパッケージベース12は、パッケージベース12の底面層となる基板12aと、前記第二の凹陥部18を構成する基板12b、及び前記第一の凹陥部20を構成する基板12cとより成る。当該パッケージベース12は、上述した従来の圧電発振器を構成するパッケージベースと比べると、構成する基板が一層少ないことが解る。このため、本実施形態に係る圧電発振器10は従来の圧電発振器に比べ、薄型なものとすることができる。また、前記第二の凹陥部18を構成する基板の上面には、前記ICや前記圧電振動片16を実装するための電極パターン26、28が配置されている。
【0014】
前記リッド36は、前記パッケージベース12を封止する蓋体であって、前記第一の凹陥部20を構成する基板12cの上面に載置される。リッド36には一般的に、ガラス等の光を透過させる透光性のものや、コバールやインバーといった金属性のものが用いられる。なお、リッド36を構成する材質としては、熱膨張率が低い、又は熱膨張率が前記パッケージベースの構成素材と近い材質が好ましい。このような構成のリッド36は、低融点ガラスや低融点金属等の封止材34によって、前記基板12cの上面に固定され、パッケージベース12を封止する。
【0015】
上述のような構成のパッケージベース12とリッド36とからなるパッケージ11には、以下のようにしてIC14と圧電振動片16とが実装される。
まず、IC14の実装について説明する。
IC14の長辺方向と、前記パッケージベースの長辺方向とを平行にし、電極22が配置された面を上面にして前記第二の凹陥部18の底面に対して、接着剤32等を介して固定する。この状態では、前記電極(パッド)22は一般に、ICの長辺方向両端部に列のように配置された状態である。このため、前記ICは、前記パッド22から前記基板12bの上面であって長辺方向両端部側に配された電極パターン26に対して金線等のワイヤ30によって接続される。
【0016】
次に圧電振動片16の実装について説明する。
上述のように実装されたIC14の長辺方向と、実装する圧電振動片16の長辺方向とを直行(交差)させる。この状態で、圧電振動片16の長辺方向における一方の端部を、基板12bの前記第二の凹陥部18を偏らせた側と反対側の辺に確保した実装面に配した電極パターン28に実装する。なお、圧電振動片16の実装は、導電性接着剤24等を介して行えば良い。
【0017】
このような状態で実装された圧電振動片16の他方の端部は、前記ICに配されたパッド22の間に位置することとなる。このため、圧電振動片16の実装状態を側面から観察すると、図1(B)に示すように、IC14を実装するワイヤボンディングのワイヤ30の間に配置された状態となる。このような実装状態の圧電振動片16は、図1(B)から読み取れるように、その上面とワイヤ30の上部円弧部分とが略同じ高さとなる。
【0018】
通常、ワイヤボンディングによってICを実装した場合に、圧電振動片はワイヤに接触しないように前記ワイヤの上側に配置されて実装される。
これに対し、本実施形態では圧電振動片16を、IC14を実装するワイヤ30の間に配するような構成としたことにより、圧電振動片16の実装面と、IC14のワイヤボンディング面とを同じ層の基板表面に確保することが可能となった。これにより、圧電発振器10の厚みを削減することができた。
【0019】
上述のようにして実装されたIC14と圧電振動片16との間には、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の非導電性樹脂による緩衝材15を配置する。この緩衝材15の作用により、前記圧電振動片の揺動を抑制することができる。このため、圧電振動片16の自由端が前記IC14に接触することを防止することができる。
【0020】
また、前記緩衝材15は液状のものを塗布して硬化させるというものが一般的である。このため、従来ではIC14と圧電振動片16との間の空間が広かったため、塗布した緩衝材15自体が流れてしまい、両者を繋ぎ止めて固定することができなかった。これに対し本実施形態による圧電振動片16の配置によれば、IC14と圧電振動片16との間隔は、前記緩衝材15が表面張力によって形状維持できる程度となるため、実現することができるようになった。
【0021】
図1に示す圧電振動片16は、ATカット圧電振動片であるが、本発明の圧電発振器10に実装する圧電振動片は、弾性表面波素子や、音叉型圧電振動片であっても良い。なお、この場合は前記緩衝材を備えないようにする。
【0022】
上記構成の圧電発振器10は、まず、パッケージベース12を焼成し、第二の凹陥部18にIC14を固定する。その後、前記IC14に配されたパッド22とパッケージベース12を構成する基板12bに配された電極パターン26とをワイヤボンディングによって実装する。
【0023】
この後、圧電振動片16を前記ワイヤボンディングによるワイヤ30の間に配置するようにパッケージベース12を構成する基板12bに配された電極パターン28に実装する。なお、圧電振動片16の実装は、導電性接着剤24による。また、実装した圧電振動片16の遥動を防止するためには、前記圧電振動片16を実装する際に、前記IC14の上面に緩衝材15を塗布するように構成すると良い。このようにしてパッケージベース12の内部にIC14と圧電振動片16とを実装した後、パッケージベース12の上部開口部(基板12cの上面)にリッド36を載置し、封止材34を介して封止する。
【0024】
上記のようにして製造される圧電発振器によれば、圧電発振器の厚さを削減することができる。また、パッケージベース12を構成する基板の数が、従来に比べ少なくなるため、基板間の積層ズレを減少させることができる。
なお、本実施形態では、パッケージベースを積層基板によって構成する旨記載したが、パッケージベースは一体型に構成されるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の圧電発振器に係る実施の形態を示す図である。
【図2】従来の圧電発振器を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
10………圧電発振器、11………パッケージ、12………パッケージベース、12a、12b、12c………基板、14………IC(電子部品、半導体集積回路)、15………緩衝材、16………圧電振動片、36………リッド。

【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成16年7月2日(2004.7.2)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100107076
【弁理士】
【氏名又は名称】藤綱 英吉

【識別番号】100107261
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 修

【公開番号】 特開2006−20140(P2006−20140A)
【公開日】 平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願番号】 特願2004−196763(P2004−196763)