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【発明の名称】 電圧制御発振器、及び無線通信機器
【発明者】 【氏名】滝波 浩二
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】築澤 貴行
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】大原 淳史
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】電界効果トランジスタを用いる電圧制御発振器において、電源電圧変動に伴う発振周波数の揺れを小さくするためにバックゲート端子をソースに接続すると、基板ロスが大きくなり位相雑音特性が劣化する。

【解決手段】発振トランジスタ115のバックゲート端子を、高インピーダンス素子119を介してソース端子に接続し、発振トランジスタ116のバックゲート端子を、高インピーダンス素子120を介してソース端子に接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのインダクタを有する誘導性回路及び少なくとも一つの可変容量素子を有する容量性回路を有し、前記誘導性回路及び前記容量性回路が並列に接続された並列共振回路と、
電界効果トランジスタである第1の発振トランジスタ及び電界効果トランジスタである第2の発振トランジスタを有する負性抵抗回路とを備え、
前記第1の発振トランジスタのドレインと前記第2の発振トランジスタのドレインとの間に前記並列共振回路が接続されており、
前記第1の発振トランジスタのゲートと前記第2の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第2の発振トランジスタのゲートと前記第1の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのソースと前記第2の発振トランジスタのソースが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートは第1の高インピーダンス素子を介して前記第1の発振トランジスタのソースと接続されており、
前記第2の発振トランジスタのバックゲートは第2の高インピーダンス素子を介して前記第2の発振トランジスタのソースと接続されている、電圧制御発振器。
【請求項2】
少なくとも一つのインダクタを有する誘導性回路及び少なくとも一つの可変容量素子を有する容量性回路を有し、前記誘導性回路及び前記容量性回路が並列に接続された並列共振回路と、
電界効果トランジスタである第1の発振トランジスタ及び電界効果トランジスタである第2の発振トランジスタを有する負性抵抗回路とを備え、
前記第1の発振トランジスタのドレインと前記第2の発振トランジスタのドレインとの間に前記並列共振回路が接続されており、
前記第1の発振トランジスタのゲートと前記第2の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第2の発振トランジスタのゲートと前記第1の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのソースと前記第2の発振トランジスタのソースが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートと前記第2の発振トランジスタのバックゲートが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートと前記第2の発振トランジスタのバックゲートとが高インピーダンス素子を介してソースと接続されている、電圧制御発振器。
【請求項3】
前記第1の高インピーダンス素子および前記第2の高インピーダンス素子は抵抗である、請求項1または2に記載の電圧制御発振器。
【請求項4】
前記第1の高インピーダンス素子および前記第2の高インピーダンス素子は、インダクタである、請求項1または2に記載の電圧制御発振器。
【請求項5】
前記高インピーダンス素子のインピーダンスは100オームより大きい、請求項3または4に記載の電圧制御発振器。
【請求項6】
前記高インピーダンス素子のインピーダンスは10キロオームより小さい、請求項3〜5のいずれかに記載の電圧制御発振器。
【請求項7】
少なくとも一つのインダクタを有する誘導性回路及び少なくとも一つの可変容量素子を有する容量性回路を有し、前記誘導性回路及び前記容量性回路が並列に接続された並列共振回路と、
電界効果トランジスタである第1の発振トランジスタ及び電界効果トランジスタである第2の発振トランジスタを有する負性抵抗回路と、
電源電圧にオフセット電圧を与えて出力する出力端子を有する基準電位発生回路とを備え、
前記第1の発振トランジスタのドレインと前記第2の発振トランジスタのドレインとの間に前記並列共振回路が接続されており、
前記第1の発振トランジスタのゲートと前記第2の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第2の発振トランジスタのゲートと前記第1の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのソースと前記第2の発振トランジスタのソースが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートと前記第2の発振トランジスタのバックゲートが前記基準電位発生回路の出力端子と電気的に接続されている、電圧制御発振器。
【請求項8】
電解効果トランジスタを有し、前記共振回路の両端を入力とする増幅回路をさらに備え、
前記電界効果トランジスタのソース端子は、前記基準電位発生回路の出力端子である、請求項7記載の電圧制御発振器。
【請求項9】
第1の周波数制御端子と、第2の周波数制御端子とをさらに備え、
前記可変容量素子の一方の端子に前記第1の周波数制御端子が接続され、
前記可変容量素子の他方の端子に前記第2の周波数制御端子が接続されている、請求項1〜8のいずれかに記載の電圧制御発振器。
【請求項10】
前記並列共振回路は、周波数制御端子を有し、
前記周波数制御端子に低域通過フィルタが接続されており、
前記低域通過フィルタの高周波接地は、電源端子に接続されている、請求項1〜8のいずれかに記載の電圧制御発振器。
【請求項11】
前記第1の発振トランジスタと前記第2の発振トランジスタとは、同一のn型半導体またはp型半導体上に形成されている、請求項2〜10のいずれかに記載の電圧制御発振器。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の電圧制御発振器を備えた、無線通信機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機で用いられる電圧制御発振器、及びそれを用いた無線通信機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電圧制御発振器は、無線通信機の局部発振信号を発生させる手段として広く使用されている。
【0003】
従来の電圧制御発振器の構成例を図12に示す。
【0004】
同図において、10は電源端子であり、11、12はインダクタであり、13、14は可変容量素子であり、17は周波数制御端子であり、18は電流源トランジスタである。15、16は電界効果トランジスタから成る発振トランジスタであり、n型MOSトランジスタを使用している。これら発振トランジスタ15、16のソース端子は共通に接続され、ドレイン端子とゲート端子は互いに交差状に接続され、バックゲート端子は接地されている。なお、同図ではバイアス回路等は省略している。
【0005】
以下、図12を参照しながら従来の電圧制御発振器の動作について説明する。
【0006】
同図においてインダクタ11、12と可変容量素子13、14は並列共振回路19を構成している。可変容量素子13、14の容量値は、その両端の電位差によって決まるので、周波数制御端子17に加える制御電圧によって可変容量素子13、14の容量値が調整される。
【0007】
電圧制御発振器の発振周波数は並列共振回路19の共振周波数の近傍で発振するので、制御電圧を調整することで電圧制御発振器の発振周波数を所望の周波数に設定することができる。発振トランジスタ15、16は負性抵抗回路20を構成しており、この負性抵抗回路20で共振回路19の寄生抵抗成分をキャンセルして発振を持続させる。
【0008】
次に、電圧制御発振器で問題となる周波数変動について説明する。
【0009】
一般に電圧制御発振器は外部からの雑音の影響を受けやすく、中でも電源電圧の変動による発振周波数の揺れが問題になる。
【0010】
図12において電源端子10に雑音21が重畳した場合を考える。このとき、発振周波数を変動させる要因としては大きく2つある。一つは、可変容量素子13、14の両端の電位差が雑音21によって変化し、その結果、共振回路19の共振周波数が変動することによる。もう一つの要因は、発振トランジスタ15、16のゲート端子とバックゲート端子間の電位差が変化するために、基板バイアス効果により負性抵抗回路20の入力インピーダンスが変化することによる。
【0011】
これら2つの影響を抑えるために以下に述べるような方法が提案されている。
【0012】
図13は、共振回路19における共振周波数の変動を抑えるために考案された従来の技術である(例えば、特許文献1参照。ただし説明の都合上、発明者が回路図に変更を加えている。)。同図において前述と同様の部分には同じ符号を付しており説明は省略する。35は第2の周波数制御端子であり、36、37はDCカットコンデンサである。本回路では、可変容量素子13の容量値を2つの制御端子17、35の電位差によって定める。そのため、電源端子10に雑音21が重畳した場合でも、可変容量素子13の両端には同じ電圧変動を生じる。したがって、可変容量素子の両端の電位差は保たれ、共振回路19の共振周波数を一定に保つことができる。
【0013】
また、負性抵抗回路20による周波数変動を抑えるためには図14に示す方法がある。同図において、前述と同様の部分には同じ符号を付しており説明は省略する。同図では、発振トランジスタ15、16のバックゲート端子はソース端子に接続されている(例えば、非特許文献1参照。)。この場合、電源端子10に雑音21が重畳した場合であっても、ソース端子には同じ電圧変動36が重畳する。したがって、発振トランジスタ15、16のゲート端子とバックゲート端子の電位差が保たれるので、基板バイアス効果が発生しない。図15は発振トランジスタのバックゲート端子をグランドに接続した場合(図中A)とソースに接続した場合(図中B)のシミュレーション結果を示している。ただし、本シミュレーションでは共振回路19の共振周波数は一定とした。図15よりバックゲートをグランドに接続した場合は発振周波数が変動するのに対し、ソースに接続した場合には発振周波数の変動を抑えられることが分かる。なお、この発振周波数変動の抑圧効果については非特許文献1では明示されておらず、発明者らが独自に明らかにしたものである。
【0014】
以上説明した2つの方法を図16に示す様に組み合せれば、電源電圧変動による発振周波数の変動を抑えられる。
【特許文献1】特開2000−224027号公報(第4図)
【非特許文献1】「携帯無線端末のCMOS化のためのアナログ回路設計技術」トリケップス出版、1999 年12月16日、p.189
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前記図16に示した構成では電圧制御発振器において最も重要となる位相雑音特性が劣化するという課題がある。この理由を以下に説明する。
【0016】
図17は図16に示した回路のO1、O2、P1端子の電圧変動を示している。この様に、共振回路の両端O1、O2は発振周波数において大きな電圧変動を生じている。一方、発振トランジスタのソース端子P1は回路の仮想接地点であるので、基本波成分および奇数次の高調波成分は打ち消し合い、偶数次高調波成分のみが生じる。偶数次高調波の中では2倍高調波成分が最も大きいので、P1は発振周波数の2倍の周波数で電圧変動が生じる。
【0017】
図18は、図16における発振トランジスタ15または16の断面構造を示している。同図において、40はドレイン端子であり、41はゲート端子であり、42はソース端子である。44、45はn型半導体であり、46はp型半導体であり、47はn型半導体であり、48はp型シリコン基板である。43はn型半導体47の接続端子であり通常電源に接続される。
【0018】
図16に示した回路ではソース端子とバックゲート端子が接続されているので、図18のソース端子42はバックゲート(p型半導体)46に接続される。ここで、前述した様にソース端子42の電位は発振周波数の2倍で変動しているが、ソース端子42はp型半導体46と接続されているのでp型半導体46全体の電位も変動する。その結果、図18に示す経路49から高周波信号がp型シリコン基板48に漏洩し、シリコン基板48の抵抗成分によって失われる。
【0019】
電圧制御発振器の位相雑音特性は回路での信号損失によって劣化するので、従来の構成では、電源電圧変動による周波数変動は抑圧できても位相雑音特性が劣化してしまうという課題があった。
【0020】
本発明は、上記課題を考慮し、電源電圧変動による周波数変動を抑圧するとともに、位相雑音特定が劣化しない電圧制御発振器、及び無線通信機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、少なくとも一つのインダクタを有する誘導性回路及び少なくとも一つの可変容量素子を有する容量性回路を有し、前記誘導性回路及び前記容量性回路が並列に接続された並列共振回路と、
電界効果トランジスタである第1の発振トランジスタ及び電界効果トランジスタである第2の発振トランジスタを有する負性抵抗回路とを備え、
前記第1の発振トランジスタのドレインと前記第2の発振トランジスタのドレインとの間に前記並列共振回路が接続されており、
前記第1の発振トランジスタのゲートと前記第2の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第2の発振トランジスタのゲートと前記第1の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのソースと前記第2の発振トランジスタのソースが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートは第1の高インピーダンス素子を介して前記第1の発振トランジスタのソースと接続されており、
前記第2の発振トランジスタのバックゲートは第2の高インピーダンス素子を介して前記第2の発振トランジスタのソースと接続されている、電圧制御発振器である。
【0022】
また、第2の本発明は、 少なくとも一つのインダクタを有する誘導性回路及び少なくとも一つの可変容量素子を有する容量性回路を有し、前記誘導性回路及び前記容量性回路が並列に接続された並列共振回路と、
電界効果トランジスタである第1の発振トランジスタ及び電界効果トランジスタである第2の発振トランジスタを有する負性抵抗回路とを備え、
前記第1の発振トランジスタのドレインと前記第2の発振トランジスタのドレインとの間に前記並列共振回路が接続されており、
前記第1の発振トランジスタのゲートと前記第2の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第2の発振トランジスタのゲートと前記第1の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのソースと前記第2の発振トランジスタのソースが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートと前記第2の発振トランジスタのバックゲートが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートと前記第2の発振トランジスタのバックゲートとが高インピーダンス素子を介してソースと接続されている、電圧制御発振器である。
【0023】
また、第3の本発明は、前記第1の高インピーダンス素子および前記第2の高インピーダンス素子は抵抗である、第1または2の本発明の電圧制御発振器である。
【0024】
また、第4の本発明は、前記第1の高インピーダンス素子および前記第2の高インピーダンス素子は、インダクタである、第1または2の本発明の電圧制御発振器である。
【0025】
また、第5の本発明は、前記高インピーダンス素子のインピーダンスは100オームより大きい、第3または4の本発明の電圧制御発振器である。
【0026】
また、第6の本発明は、前記高インピーダンス素子のインピーダンスは10キロオームより小さい、第3〜5の本発明のいずれかの電圧制御発振器である。
【0027】
また、第7の本発明は、少なくとも一つのインダクタを有する誘導性回路及び少なくとも一つの可変容量素子を有する容量性回路を有し、前記誘導性回路及び前記容量性回路が並列に接続された並列共振回路と、
電界効果トランジスタである第1の発振トランジスタ及び電界効果トランジスタである第2の発振トランジスタを有する負性抵抗回路と、
電源電圧にオフセット電圧を与えて出力する出力端子を有する基準電位発生回路とを備え、
前記第1の発振トランジスタのドレインと前記第2の発振トランジスタのドレインとの間に前記並列共振回路が接続されており、
前記第1の発振トランジスタのゲートと前記第2の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第2の発振トランジスタのゲートと前記第1の発振トランジスタのドレインとが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのソースと前記第2の発振トランジスタのソースが接続されており、
前記第1の発振トランジスタのバックゲートと前記第2の発振トランジスタのバックゲートが前記基準電位発生回路の出力端子と電気的に接続されている、電圧制御発振器である。
【0028】
また、第8の本発明は、電解効果トランジスタを有し、前記共振回路の両端を入力とする増幅回路をさらに備え、
前記電界効果トランジスタのソース端子は、前記基準電位発生回路の出力端子である、第7の本発明の電圧制御発振器である。
【0029】
また、第9の本発明は、第1の周波数制御端子と、第2の周波数制御端子とをさらに備え、
前記可変容量素子の一方の端子に前記第1の周波数制御端子が接続され、
前記可変容量素子の他方の端子に前記第2の周波数制御端子が接続されている、第1〜8の本発明のいずれかの電圧制御発振器である。
【0030】
また、第10の本発明は、前記並列共振回路は、周波数制御端子を有し、
前記周波数制御端子に低域通過フィルタが接続されており、
前記低域通過フィルタの高周波接地は、電源端子に接続されている、第1〜8の本発明のいずれかの電圧制御発振器である。
【0031】
また、第11の本発明は、前記第1の発振トランジスタと前記第2の発振トランジスタとは、同一のn型半導体またはp型半導体上に形成されている、第2〜10の本発明のいずれかの電圧制御発振器である。
【0032】
また、第12の本発明は、第1〜11の本発明のいずれかの電圧制御発振器を備えた、無線通信機器である。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、電源電圧変動による周波数変動を抑圧するとともに、位相雑音特定が劣化しない電圧制御発振器、及び無線通信機器を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における電圧制御発振器の構成を示したものである。
【0035】
図1において、電圧制御発振器は、電源端子110と、インダクタ111、112と、可変容量素子104と、発振トランジスタ115、116と、周波数制御端子100、101と、DCカットコンデンサ102、103と、電流源118と、抵抗119、120とを備える。なお、図1において、バイアス回路等は省略されている。
【0036】
可変容量素子104は、PN接合ダイオードやMOSトランジスタ等で構成される。発振トランジスタ115、116は電界効果トランジスタを使用しており、ここではn型MOSトランジスタを用いている。
【0037】
インダクタ111とインダクタ112とは直列に接続されており、各インダクタ111、112の間には電源端子110が接続されている。可変容量素子104の両端にはDCカットコンデンサ102、103が直列に接続されている。また、可変容量素子104の両端には、周波数制御端子100、101が接続されている。インダクタ111、112を含む直列回路である誘導性回路と、可変容量素子103、DCカットコンデンサ102、103を含む直列回路である容量性回路とが並列に接続されて並列共振回路90が構成されている。
【0038】
発振トランジスタ115のゲートおよび発振トランジスタ116のドレインが接続されており、また発振トランジスタ116のゲートおよび発振トランジスタ115のドレインが接続されている。さらに、発振トランジスタ115のソースと発振トランジスタ116のソースが互いに接続されている。
【0039】
119、120は高インピーダンスを有する抵抗であり、抵抗119は、発振トランジスタ115のバックゲートおよびソースの間に接続されており、抵抗120は、発振トランジスタ120のバックゲート及びソースの間に接続されている。
【0040】
次に、このような本実施の形態の動作を説明する。
【0041】
可変容量素子104はその両端に加えられる電位差によって容量値が変化する。図1では、2つの周波数制御端子100、101に入力される信号の電位差によって、可変容量素子104の容量値が定められる。
【0042】
電圧制御発振器は並列共振回路90の共振周波数近傍で発振するので、周波数制御電圧100、101の電圧を制御することによって発振周波数を調整することができる。発振トランジスタ115、116は負性抵抗回路であり、共振回路の寄生抵抗成分による損失をキャンセルして発振を持続させる。
【0043】
図2は図1の回路における発振トランジスタ119と120の断面構造を示している。図2において、240はドレイン端子であり、241はゲート端子であり、242はソース端子である。244、245はn型半導体であり、246はp型半導体であり、247はn型半導体であり、248はp型シリコン基板である。243はn型半導体247の接続端子であり、電源に接続される。また、250は抵抗(図1の抵抗119、120に対応)であり、ソース端子242とp型半導体246との間に挿入されている。
【0044】
本実施の形態1では、発振トランジスタ115、116のバックゲートとソース端子の間に高インピーダンスを有する抵抗250が挿入されているので、高周波信号の漏洩経路251が遮断される。そのため、ソース端子242の電位が変動しても、p型半導体246の電圧変動が抑えられ、結果としてシリコン基板248への高周波信号の漏洩を小さくできる。電圧制御発振器の位相雑音特性は回路の損失を小さくするほど改善するので、本実施の形態1によって電源電圧変動による周波数変動を抑え、かつ位相雑音特性の劣化も抑えることができる。
【0045】
また、p型半導体256とn型半導体257の間、およびn型半導体257とp型シリコン基板258の間にはPN接合からなる容量252、253が存在し、これらの容量がシリコン基板の損失成分256を介して接続される。電圧制御発振器において、発振トランジスタのソース端子242とグランドとの間の容量成分が大きいと、発振トランジスタの1/fノイズが発振周波数近傍に変換され、位相雑音特性を劣化させることが知られているが、本実施の形態1では抵抗250によってソース端子242と接合容量252、253とが分離されるので、発振トランジスタの1/fノイズによる位相雑音特性の劣化も抑えることができるという副次的な効果も得られる。
【0046】
なお、抵抗250は発振トランジスタのソース端子が電源電圧110の変動に追従する範囲で十分大きなインピーダンスを有していれば良く、100Ωから10kΩ程度の範囲で選択すれば良い。また、抵抗250の変わりに、高インピーダンスを有するインダクタを使用しても良い。
【0047】
また、図1の回路では2つの周波数制御端子100、101を用いているが、一つの周波数制御端子のみを用いる構成も考えられる。その場合、並列共振回路の共振周波数の変動を抑えるためには、図3に示す構成をとれば良い。以下、図3の動作原理について説明する。図3において前述と同様の部分には同一の符号を付しており説明は省略する。131は抵抗であり、132、133はコンデンサであり、これらは低域通過フィルタ(ループフィルタ)134を構成している。ループフィルタ134は、ループフィルタ入力端子130から入力された信号から、低周波成分のみを抽出する回路である。また、105は第2の可変容量素子であり、破線95で囲まれた回路が電圧制御発振器部分に相当する。
【0048】
従来、周波数制御端子を一つにすると、電源端子に雑音135が重畳した場合に可変容量素子104、105に加わる電圧が変動し、発振周波数が変動するという問題があった。図3に示した回路ではループフィルタ134の高周波接地を電源110に接続する。これにより、周波数制御端子100には雑音135と同じ電圧変動136が生じる。したがって、可変容量素子104、105の両端の電位差が変化しないので、雑音135の影響をキャンセルすることができる。他の動作は前述した図1の回路と同じであるので説明は省略する。本実施の形態1によれば、周波数制御端子が一つの場合でも、電源電圧変動による周波数変動を抑えることができる。
【0049】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
【0050】
図4は本発明の実施の形態2における電圧制御発振器の構成を示したものであり、前述と同様の部分には同一の符号を付しており説明は省略する。
【0051】
図4において発振トランジスタ115、116のバックゲート端子は互いに接続されており、さらに抵抗121を介してソース端子に接続されている。抵抗121は100Ωから10kΩ程度の高インピーダンスを有する。
【0052】
本実施の形態2では、ソース端子と発振トランジスタのバックゲート端子の間に高インピーダンスを有する抵抗121が接続されているので、ソース端子からバックゲート端子への高周波信号の漏洩を抑圧することができ、結果として位相雑音特性を改善できる。
【0053】
図5は、図4に示した発振トランジスタ115、116の断面構造を示している。
【0054】
図5において、140a、140bはドレイン端子であり、141a、141bはゲート端子であり、142はソース端子である。144a、144b、145a、145bはn型半導体であり、148はp型半導体であり、149はn型半導体であり、150はp型シリコン基板である。147はn型半導体247の接続端子であり、電源に接続される。また、153は抵抗(図4の抵抗121に対応)であり、ソース端子142とp型半導体148との間に接続されている。破線151aで囲まれた部分と破線151bで囲まれた部分が、図4に示した発振トランジスタ115、116にそれぞれ対応している。
【0055】
図5に示したトランジスタの構造では、発振トランジスタ151a、151bのバックゲートとソース端子142の間に高インピーダンスを有する抵抗153が挿入されているので、高周波信号の漏洩経路154が遮断される。そのため、従来の技術で問題となっていたシリコン基板への高周波信号の漏洩が小さくなり位相雑音特性を改善できる。さらに、2つの発振トランジスタ151a、151bは、同一のp型半導体148の内部に形成されているので、ドレイン端子140a、140bの間隔を小さくできる。ドレイン端子140a、140bの間に生じる寄生抵抗成分155は、ドレイン端子間の距離に反比例するので、本構造によれば寄生抵抗155による高周波信号の損失を抑え、位相雑音特性をさらに改善できる。
【0056】
なお、トランジスタ151a、151bのソースを構成するn型半導体145a、145bを共用しても良い。
【0057】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
【0058】
図6は本発明の実施の形態3における電圧制御発振器の構成を示したものであり、前述と同様の部分には同一の符号を付しており説明は省略する。
【0059】
同図において142はn型MOSトランジスタであり、ゲートとドレインと電源端子110が接続されており、また、バックゲートとソースが接続されている。また、143は電流源であり、トランジスタ142と電流源143が基準電位発生回路144を構成している。141は基準電位発生回路の出力端子である。
【0060】
発振トランジスタ115、116のバックゲートは抵抗119、120を介して接続され、接続端子が基準電位発生回路144の出力端子141に接続されている。
【0061】
ここで、電源端子110に雑音135が重畳した場合を考える。基準電位発生回路144内部のトランジスタ142は、ドレイン端子の電圧に一定のオフセット電圧を与えて出力端子141から出力する。したがって、出力端子141にも雑音135と同じ電圧変動145が発生する。一方、発振トランジスタの115、116のソース端子にも雑音135と同じ電圧変動146が発生する。雑音145と146は雑音135と同じように変動するので、発振トランジスタ115、116のソースとバックゲート端子間の電位差は保たれる。したがって、発振トランジスタ115、116の基板バイアス効果に起因する発振周波数の変動を抑えることができる。
【0062】
さらに、本実施の形態3によれば発振トランジスタ115、116のバックゲートとソース端子が回路的に接続されていないので、高周波信号の漏洩が遮断され位相雑音特性を改善できる。
【0063】
また、図7に示す様に発振トランジスタ115、116のバックゲート端子を接続して、その接続点と基準電位発生回路の出力端子141の間に、抵抗121を挿入しても良い。
なお、この場合、抵抗121は必ずしも必要ではなく、使用しなくても良い。
【0064】
また、基準電位発生回路144は、電源電圧に対して一定のオフセット電圧を発生すれば良く、例えば図8に示す構成も考えられる。同図において150、151はダイオードであり、152は抵抗である。同図では、電源電圧に2つのダイオードが直接に接続されているので、約1.4Vのオフセット電圧が発生する。
【0065】
また、基準電位発生回路144は電源電圧に一定のオフセット電圧を与えればよく、他の回路ブロックで発生するオフセット電圧を利用することもできる。図9は、電圧制御発振器の出力を取り出すバッファアンプ167を基準電位発生回路として利用した場合の構成である。同図において、160、161はインダクタであり、162、163はDCカットコンデンサであり、164、165はトランジスタであり、166は電流源であり、168、169は出力端子であり、170、171はバイアス抵抗である。図9において、電源端子110に雑音135が重畳すると、バッファアンプ167のトランジスタ164、165のソース端子には同じ電圧変動145が重畳する。したがって、電圧制御発振器の発振トランジスタ119、120のソース端子とバックゲート端子間の電位差は保たれる。他の動作は前述と同じである。
【0066】
なお、以上の説明では、発振トランジスタ115、116としてn型MOSを使用して説明を行ったが、p型MOS、あるいはn型MOSとp型MOSの両方を用いても良い。例えば、p型MOSを使用した場合、図1で示した回路は図10の形になる。また、発振トランジスタ115、116の断面構造は図11の様になる。この様にp型シリコン基板上にp型MOSを構成する場合、n型半導体247とソース端子242が抵抗250を介して接続される。なお、p型シリコン基板の代わりにn型シリコ基板を用いてn型MOSまたはp型MOSを構成しても良いことは言うまでもない。
【0067】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4ついて説明する。
【0068】
図19は本発明の実施の形態4における無線通信機器の構成を示した図である。
実施の形態4の無線通信機器301は、ベースバンド部302、電圧制御発振器303、ミキサ304、バンドパスフィルタ305、電力増幅器306、カップッラ307、アイソレータ308、ローパスフィルタ309、アンテナ共用器310、アンテナ311、低雑音増幅器312、バンドパスフィルタ313、ミキサ314、及びバンドパスフィルタ315を備えている。
【0069】
ミキサ304、バンドパスフィルタ305、電力増幅器306、カップッラ307、アイソレータ308、及びローパスフィルタ309は、送信回路316を構成している。また、低雑音増幅器312、バンドパスフィルタ313、及びミキサ314は、受信回路317を構成している。
【0070】
また、電圧制御発振器303は、上述した実施の形態1〜3で説明した各種の電圧制御発振器である。
【0071】
次に、このような本実施の形態の動作を説明する。
【0072】
まず、無線通信機器301の送信動作を説明する。
【0073】
ベースバンド部302から出力されたベースバンド信号は、ミキサ304に入力される。ミキサ304は、電圧制御発振器303から出力された局部発振信号を入力されてくるベースバンド信号で変調して、高周波信号を出力する。ミキサ304から出力された高周波信号の不要周波数成分は、バンドパスフィルタ305で低減され、電力増幅器306は、不要周波数成分が低減された高周波信号を増幅する。電力増幅器306から出力された高周波信号は、カップラ307に入力される。カップラ307は、電力増幅器306から出力される高周波信号の電力をモニターして電力の増減を電力増幅器306にフィードバックする。カップラ307を通過した高周波信号は、アイソレータ308、ローパスフィルタ309を通り、アンテナ共用器310に入力される。アンテナ共用器310は、入力されてくる高周波信号をアンテナ311に導く。アンテナ311に導かれた高周波信号は、空中に電波として放射される。
【0074】
次に、無線通信機器301の受信動作を説明する。
【0075】
アンテナ311は、空中を伝搬してきた電波を電気信号に変換してアンテナ共用器310に出力する。アンテナ共用器310は、アンテナ311から入力されてきた受信信号を低雑音増幅器312に導く。低雑音増幅器312は、受信信号を増幅し、増幅された受信信号は、バンドパスフィルタ313で不要周波数成分が低減された後、ミキサ314に入力される。ミキサ314は、電圧制御発振器303からバンドパスフィルタ315を経由して入力されてくる局部発振信号を用いて受信信号をベースバンド信号に復調する。復調されたベースバンド信号は、ベースバンド部302に入力される。
【0076】
このように、実施の形態4の無線通信機器301に実施の形態1〜3で説明した電圧制御発振器を用いることにより、 電源電圧変動による周波数変動を抑圧するとともに、位相雑音特定が劣化しない無線通信機器を提供することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明にかかる、電圧制御発振器、及び無線通信機器によれば、電源電圧変動が生じた場合にも発振周波数が安定し、かつ位相雑音特性を良好に保つことができ、半導体集積回路や無線通信機器の用途に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1における電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図2】本発明の実施の形態1における発振トランジスタの構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における別の構成を示す回路図
【図4】本発明の実施の形態2における電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図5】本発明の実施の形態2における発振トランジスタの構造を示す図
【図6】本発明の実施の形態3における電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図7】本発明の実施の形態3における別の構成を示す回路図
【図8】本発明の実施の形態3における別の基準電位発生回路の構成を示す回路図
【図9】本発明の実施の形態3における別の基準電位発生回路の構成を示す回路図
【図10】本発明の実施の形態1においてp型MOSを使用した場合の電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図11】本発明の実施の形態1においてp型MOSを使用した場合の発振トランジスタの構成を示す図
【図12】従来の電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図13】従来の電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図14】従来の電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図15】従来の電圧制御発振器の電源電圧変動に対する周波数の変化を示す図
【図16】従来の電圧制御発振器の構成を示す回路図
【図17】従来の電圧制御発振器における電圧変動波形図
【図18】従来の電圧制御発振器における信号損失の発生原因の説明図
【図19】本発明の実施の形態4における無線通信機器の構成を示す図
【符号の説明】
【0079】
100、101 周波数制御端子 111、112 インダクタ
102、103 DCカットコンデンサ
104 可変容量素子 110電源端子
115、116 発振トランジスタ 118 電流源
119、120 高インピーダンス抵抗
90 並列共振回路
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年6月30日(2004.6.30)
【代理人】 【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道

【公開番号】 特開2006−19938(P2006−19938A)
【公開日】 平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願番号】 特願2004−194434(P2004−194434)