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【発明の名称】 |
鉛蓄電池 |
| 【発明者】 |
【氏名】古川 淳 【住所又は居所】福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 【氏名】門馬 大輔 【住所又は居所】福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 |
【課題】従来のPb−Ca系合金基板を用いた正極と電解液とを用いた鉛蓄電池に比し、メンテナンスフリー性を維持しつゝ、サイクル寿命及び長期間放電後の容量回復性の向上した鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】Pb−Ca系合金から成る多孔基板に、カルシウム又はカルシウムとスズを含む正極活物質を充填して成る正極とアルミニウムイオンを含む硫酸電解液を具備して成る鉛蓄電池。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムを含む正極活物質を充填して成る正極板とアルミニウムイオンを含む電解液との組み合わせを具備したことを特徴とする鉛蓄電池。 【請求項2】 Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムとスズを含む正極活物質を充填して成る正極と電解液にアルミニウムイオンを含む電解液との組み合わせを具備したことを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、鉛蓄電池に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、自動車用鉛蓄電池はSLIバッテリーと呼ばれるように、始動時のスタータ起動、照明、イグニションをはじめ、高級車では100個以上搭載されていると言うモーターの電源として使用されて来たが、始動時のスタータ起動以外はエンジンが発電機を駆動して電力を供給するため、該鉛蓄電池はさほど深い放電が行われることはなかった。また、該鉛蓄電池は、発電機からの充電により、多くの場合は満充電状態に置かれるため、過充電に強いことが求められていた。該鉛蓄電池は、同時に、過充電時のガス発生による電解液の減少を抑制し、補水の手間をなくすメンテナンスフリー性が求められ、正極の多孔基板を構成する合金はPb−Sb系合金からPb−Ca系合金に変更された。 また、近年、自動車は燃費改善や排出ガスの削減が強く求められるようになり、これに伴い、正極の多孔基板としてPb−Ca系合金から成る合金基板を用いた鉛蓄電池の使用条件は大きく変わってきた。即ち、その使用条件の一つは、信号などによる停車中にエンジンを停止するアイドリングストップである。エンジンの停止により発電機からの電力供給も停止するため、この間の電力は鉛蓄電池の放電によってまかなうことになる。そのため、従来と比較して深く放電されることになった。その結果、該鉛蓄電池は深い充放電状態で使用されることとなり、著しく短命となった。この原因の一つは正極基板合金がPb−Sb系合金からPb−Ca系合金に変わったことによるものである。 即ち、正極基板合金がPb−Sb系合金であった場合は、該基板の酸化で生成した5価のSbイオンが基板と活物質の界面に強固なα−PbO2 層を形成し、基板と活物質の密着性を保つと共に高い導電性を確保していた。これに加え、5価のSbイオンが活物質に作用してその一部をゲル化し、活物質粒子同士の結合性を強化していた。 これに対し、正極基板合金をPb−Ca系合金とした場合には、Sbで見られたような上記のバインダー作用が弱く、基板と活物質の界面が剥離して電解液である硫酸が侵入して不導体である硫酸鉛を生成し、導電性を著しく損なった結果、早期に寿命に達する現象が現れた。また、放電状態で放置した場合も同様の原因で容量が回復しなくなる現象が現れた。更に、深い充放電を繰り返すとPb−Sb系合金を用いた場合の半分程度の回数で活物質が軟化し寿命となった。 そこで、かゝる不都合を有するPb−Ca系合金から成る正極板につき、Pb−Sb系合金を用いた場合と同様のバインダー効果を得ようとする目的で、例えば、特開昭49−71429号公報では、化成した陽極板にSbを付着させたものが、特開昭53−75444号公報では、正極活物質中にアンチモンを放出する貯蔵体を含む正極が、特開昭63−148556号公報では、Pb−Ca系合金格子体の少なくとも一面にPb−Sb−Sn合金層を形成することが夫々提案された。これらに開示の発明によるSbの添加は上記の目的を達成した。しかし乍ら、微量であるとは言えSbの付与は負極の水素過電圧を低下させ、充電時のガス発生による電解液の減少を招き、メンテナンスフリー性を損なう結果となった。 更に、かゝるPb−Ca系合金にSbを付与した上記の課題を解決するため、Sbを付与せずに、Sbと同程度の基板と活物質の界面や活物質粒子相互の結合力を維持し、メンテナンスフリー性を有する鉛蓄電池に係る発明が特開平3−145061号公報に提案された。 この公報に記載の発明は、格子母材の少なくとも一部に鉛−ビスマス系合金層を付与した格子体を正極に用いることにより、メンテナンスフリー性を維持しつつ深い放電を繰り返す寿命特性の向上を計ったものであるが、基板と活物質の界面や活物質粒子相互の結着性の改善効果は不充分であった。 一方、放電後、長期間放置された鉛蓄電池の充電による容量回復性を向上させることを目的とし、格子体としてスズを含有する非アンチモン系鉛合金を用い、且つ電解液中にアルカリ金属イオンを存在させることを特徴とする鉛蓄電池や格子体としてCaとSnを含有する非アンチモン系合金を用い、且つ電解液中にアルカリ土類金属イオンとアルカリ金属イオンを共存させ且つ格子−活物質界面にα−PbO2 皮膜を生成させたことを特徴とする鉛蓄電池が、特公昭57−32873号公報、特公平7−242243号公報などに夫々開示されている。 しかし乍ら、これらに開示の発明は、上記の目的は達成したが、それ以上の効果、例えば、基板と活物質の界面の密着性、活物質の粒子相互の結着性の効果は得られなかった。 本願の発明者は、先に、鉛蓄電池の基板用のPb−Ca系合金として、特開2003−306733号公報において、Ca,Sn,Al,Baの夫々の含有量を特定し、残部鉛から成る鉛蓄電池用鉛合金と、この合金に夫々特定量の銀、ビスマス、タリウムの中から選ばれた少なくとも一種を更に含む鉛基合金とを提案し、これらを用いて作製した合金基板に通常の活物質を充填し、通常の電解液を用いた鉛蓄電池に係る発明を開示した。しかし乍ら、この発明では、これら鉛基合金を用いて向上した耐食性と機械的強度の双方を有する合金基板と、更には、かゝる特性に加え、高温苛酷な条件でも安定して長期の使用に耐えることができる鉛蓄電池を提供することができるが、試験の結果、該鉛合金格子は、その高耐食性の故に、正極基板と充填活物質との界面の密着性及び活物質粒子相互の結合性が低いことが判明した。 【特許文献1】特開昭49−71429号公報 【特許文献2】特開昭53−75444号公報 【特許文献3】特開昭63−148556号公報 【特許文献4】特開平3−145061号公報 【特許文献5】特公昭57−32873号公報 【特許文献6】特開平4−206150号公報 【特許文献7】特開2003−306733号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、上記特許文献1〜7に記載の発明の不都合を解消し、Pb−Sb系合金基板を用いた場合のように、格子体と活物質との密着性及び活物質粒子相互の結合性が良好であり、メンテナンスフリー性を維持し乍ら、サイクル寿命及び容量回復性を向上した鉛蓄電池を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、上記の目的を達成した鉛蓄電池を提供するもので、その請求項1に記載の通り、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムを含む正極活物質を充填して成る正極板とアルミニウムイオンを含む電解液との組み合わせを具備したことを特徴とする。 更に本発明は、上記の発明において、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムとスズを含む正極活物質を充填して成る正極と電解液にアルミニウムイオンを含む電解液との組み合わせを具備したことを特徴とする。 【発明の効果】 【0005】 本発明によれば、後記に明らかにするように、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムを含んだ正極活物質を充填して成る正極板とアルミニウムイオンを含む電解液とを組み合わせて鉛蓄電池を構成するときは、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムを含まない正極活物質を充填して成る正極板とアルミニウムイオンを含まない電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムを含む正極活物質を充填して成る正極板とアルミニウムイオンを含まない電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池、或いは、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムを含まない正極活物質を充填して成る正極板と、アルミニウムイオンを含む電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池に比し、サイクル寿命及び容量回復性が向上し、且つメンテナンスフリー性を有する鉛蓄電池が得られる。 更に、上記の本発明において、Pb−Ca系合金から成る多孔基板にカルシウムとスズを含ませた正極活物質を充填して成る正極板を、アルミニウムイオンを含有する電解液と組み合わせるときは、鉛蓄電池のサイクル寿命及び容量回復性が更に向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明の鉛蓄電池の正極を製造するに用いられる格子体などの多孔基板は、従来公知の各種のPb−Ca系合金から成る鉛基合金を選択、使用できるが、好ましくは、出願人が先に上記の特許文献7に開示のPb−Ca系合金を用いるときは、優れた耐食性と機械的強度を有し、更には、高温苛酷な条件下でも安定して長期の使用に耐える鉛蓄電池を製造することができる。而も、この鉛蓄電池用鉛基合金を用いて重力鋳造法、連続鋳造法、圧延・加工法などの所望の方法によって電極基板を製造できるので、本発明は、この合金を用いて以下にその実施の態様を説明する。 即ち、更に詳細には、上記の優れた耐食性と機械的強度を有するPb−Ca系合金を材料とし、上記所望の製造法を用いて格子基板などの電極基板を製造する。その合金組成は、カルシウムが0.02重量%以上で0.05重量%未満、スズが0.4重量%以上で2.5重量%以下、アルミニウムが0.005重量%以上で0.04重量%以下、バリウムが0.002重量%以上で0.14重量%以下、残部が鉛とから成る。以下、これを第1基板と称する。 上記の組成合金に更に、0.005重量%以上で0.07重量%以下の銀、0.01重量%以上で0.10重量%以下のビスマス、0.001重量%以上で0.05重量%以下のタリウムの中から選ばれる少なくとも一種を含ませることにより、更に機械的強度を高め、且つ高温でのクリープ破断強度を向上せしめた多孔基板が得られる。以下、これを第2基板と称する。 【0007】 本発明の1つの実施態様によれば、従来の所望のPb−Ca系合金から成る格子体などの多孔基板に、好ましくは、上記の第1基板又は第2基板の多孔基板の多孔内に充填する通常の正極活物質に、即ち、正極用鉛粉にカルシウムとして、その硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩などの塩類から選択した少なくとも一種の粉末を添加、混在せしめて調製したカルシウム含有の正極活物質を充填し、本発明の正極板を作製する。然るときは、カルシウムは、多孔基板と活物質の界面との導電性を確保すると共に密着性を向上すると同時に、活物質粒子相互の結着性の向上した正極板が得られる。以下これを第1正極板と称する。 【0008】 また、本発明の他の実施態様によれば、前記と同じPb−Ca系合金から成る多孔基板の多孔内に、前記と同じ正極活物質に、上記のカルシウム材の少なくとも1種の粉末と金属スズ、スズの塩類などのスズ化合物から成るスズ材のうち、その少なくとも1種の粉末を、例えば、硫酸スズの粉末を添加、混在せしめて調製した両成分を含有する正極活物質を充填し、本発明の正極板を作製する。これを第2正極板とする。然るときは、後記に明らかにするように、第2正極板を用いるときは、第1正極板に比し更に向上した効果をもたらす正極板が得られる。 上記のような正極板の改善をもたらす理由は明らかでないが、カルシウムは、アンチモンには劣るが、基板−活物質界面のα−PbO2 を安定化する働きがある。そこにスズが併存する場合は、スズがドープされて導電性が向上し、実質的に界面の密着性を高めたと同じ効果が生ずると考えられると共に、カルシウムをドープしたα−PbO2 は酸化触媒が高まり、導電性の高いSnO2 を安定化したためと考えられる。活物質粒子同士についても、電解液である硫酸水溶液と反応する表面はβ−PbO2 であるが、内部はα−PbO2 であることから、同様の作用効果があるものと考えられる。また、カルシウムもスズも、アンチモンのようなメンテナンスフリー性を損なう作用はないので、上記の第1正極板又は第2正極板を用いてメンテナンス性の鉛蓄電池が得られ有利である。 【0009】 更に、本発明によれば、上記のように、第1正極板又は第2正極板を用意する一方、鉛蓄電池に用いる硫酸電解液として、該電解液に、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム材を添加、溶解してそのアルミニウムイオンを含む電解液を調製する。かゝる電解液を調製するには、アルミニウム材として、金属アルミニウムや硫酸アルミニウムなど電解液に可溶性の各種のアルミニウム化合物を用い、これを通常の硫酸電解液に添加溶解して本発明のアルミニウムイオン含有電解液を調製する。アルミニウムイオンの効果は、これも明らかではないが、放電放置における電解液中の硫酸イオン濃度の低下を抑制することにとどまらず、正極及び負極に生成する硫酸鉛の結晶の粗大化や緻密化を抑制して、回復充電時の充電受け入れ性を大幅に改善する効果があり、とくに、本発明の上記の第1正極板又は第2正極板と組み合わせて鉛蓄電池を製造した場合は、そのサイクル寿命及び容量回復性に著しい向上をもたらす。 【0010】 即ち、本発明は、正極板として、PB−Ca系合金から成る多孔基板に、例えば上記の第1基板又は第2基板にカルシウム又はカルシウムとスズを含有せしめた正極活物質を充填して成る第1正極板又は第2正極板と、硫酸電解液として、これにアルミニウムイオンを含有せしめた電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池を構成することにより、後記に明らかにするように、活物質にカルシウムやスズを含まない正極板とアルミニウムイオンを含まない硫酸電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池、充填した正極活物質にカルシウム又はカルシウムとスズを含ませた正極板とアルミニウムイオンを含まない硫酸電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池及び活物質にカルシウム又はカルシウムとスズを含まない正極板とアルミニウムイオンを含む硫酸電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池に比し、サイクル寿命及び長時間放電状態に放置後の容量回復性の両者を著しく向上せしめることができると共に、メンテナンス性が維持された鉛蓄電池が得られる。 【0011】 次に、本発明の詳細な実施例を比較例と共に詳述する。 Pb−Ca系合金から成る多孔基板として、前記の第2基板に属する合金、即ち、その合金組成がカルシウム0.04重量%、スズ1.0重量%、アルミニウム0.015重量%、バリウム0.008重量%、ビスマス0.05重量%、残部鉛と不可避物から成る合金を用い、ブックモールドによる鋳造式基板を製造した。鋳造は毎分15枚の速度で行った。そして鋳造した基板は120℃で3時間熱処理を施し、時効硬化させた。 一方、正極用鉛粉に硫酸カルシウム単独又は硫酸カルシウムと硫酸スズを下記表1に示すように、添加しない正極活物質及び添加量を変えて添加し、混合して成る種々の正極活物質を夫々製造し、その夫々を公知の方法で調製した夫々の正極ペーストを、前記の時効硬化処理して得られた各多孔基板に充填し、その後40℃、湿度95%の雰囲気で24時間熱し、乾燥して夫々の正極未化成板を作製した。その夫々と公知の方法で製造した負極未化成板とポリエチレンセパレータを組み合わせて成る夫々の極板群を夫々の電槽内に収容し、更に夫々の電槽内に、下記表1に示すように、硫酸アルミニウムを添加しないものから添加量を変えて調製して成る夫々の硫酸電解液を注入した後、電槽化成を行い、5時間率容量が50AhのD23サイズの12V電池を夫々作製した。 尚、カルシウム及びスズの量は、金属換算での添加量を示し、アルミニウムは硫酸塩換算での添加量を示す。 これらの電池を用いてJIS D 5301に準拠して重負荷試験を行い、サイクル寿命(回数)を測定した。これとは別に、上記の夫々の電池を60℃で4週間の放電放置試験を行い、放電後の容量回復性(%)を測定した。その結果を、表1に示した。 【0012】 【表1】
【0013】 表1において、比較例1から明らかなように、カルシウム及びスズを含まない正極板とアルミニウムイオンを含まない硫酸電解液とを組み合わせて成る鉛蓄電池のサイクル寿命及び容量回復性は最も低いことが判る。また、Pb−Ca系合金基板の成分として、アルミニウム、カルシウム及びスズは、サイクル寿命及び容量回復の向上効果に寄与しないことが判る。 また、比較例2から明らかなように、活物質にカルシウムを含有する正極とアルミニウムイオンを含有しない電解液と組み合わせた場合は、比較例1と比べるとき、サイクル寿命がいくらか向上することが認められる。 比較例3から明らかなように、活物質にスズを含有する正極とアルミニウムイオンを含有しない電解液とを組み合わせた場合は、比較例1と比べるとき、容量回復性はやゝ向上するが、サイクル寿命の向上は認められない。 また、比較例4から、電解液にアルミニウムを添加しても、正極活物質にカルシウム又は/及びスズを添加しなければ、サイクル寿命の向上は認められず、容量回復性の向上効果も殆どないことが判る。 また、比較例5から、正極活物質にカルシウムとスズを添加しても、電解液にアルミニウムイオンが存在しない場合は、サイクル寿命と容量回復性の著しい向上効果は認められないことが判る。 これに対し、実施例1〜13から明らかにように、正極活物質にカルシウム単独又はカルシウムとスズの両者を添加すると共に電解液にアルミニウム材を添加溶解することにより始めて、サイクル寿命と容量回復性の両者の著しい向上が認められることが判る。 また、実施例3〜5から明らかなように、アルミニウムの添加量を一定とし、カルシウムとスズを合わせた添加量を増大すると、その増大に伴い、サイクル寿命及び容量回復性の向上が認められることが判る。 かくして、本発明の上記の実施例に用いたPb−Ca系合金基板を用いた正極板は、上記の合金により優れた耐食性と機械的強度と高温でのクリープ破断強度を有する特性に加え、上記の本発明の添加剤を含有せしめた正極活物質と電解液の組み合わせによりサイクル寿命と容量回復性の向上をもたらし、メンテナンスフリー特性を維持した鉛蓄電池が得られることが判る。 【0014】 上記の添加剤としてのアルミニウム材は、その硫酸塩を添加した場合を示したが、硫酸水溶液や水に可溶性の夫々の化合物であれば良く、例えば、その夫々の炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、水酸化物、アルミン酸塩などの化合物で添加することができる。また、添加剤としてのカルシウムやスズは夫々の酸化物でもよい。また、これらはその水溶液として添加してもよい。 尚、カルシウムの添加量は、金属換算で正極活物質に対し1.5重量%以下が好ましい。1.5重量%を越えるときは、利用率や放電電圧の低下の傾向がある。スズの添加量は、金属換算で正極活物質に対し1.0重量%以下が、カルシウムの場合と同様に好ましい。アルミニウムの添加量は、硫酸塩換算で硫酸電解液1リットルに対し2〜50g以下が好ましい。50g/lを越えると導電率が低下して、低温での急放電特性が低下する傾向が認められる。 【0015】 尚、上記の第2基板やPb−Ca−Sn合金から成る合金基板を用いて、これらの多孔基板に上記の実施例と同様にカルシウム単独又はカルシウムとスズの両成分を上記の添加量含有せしめて成る正極活物質を充填して成る夫々の正極板と上記の実施例と同様にアルミニウムを上記の添加量含有せしめて成る硫酸電解液とを具備して成る夫々の鉛蓄電池に構成するときも、上記の実施例と同様の結果が得られた。 【0016】 以上のように、試験結果から明らかな通り、カルシウム又はカルシウム及びスズを混在させた正極活物質をPb−Ca系合金から成る多孔基板に充填した正極板とアルミニウム材を添加溶解したアルミニウムイオンを含む電解液とを具備した鉛蓄電池により、メンテナンスフリー性を維持し乍ら、長寿命で且つ長期放置後の容量回復性が向上した鉛蓄電池をもたらす。かくして、本発明の鉛蓄電池は、メンテナンスフリー性を維持されると共に、従来に比し、充放電サイクル寿命や放電状態に長期間放置後の容量回復性が優れているので、アイドリングストップ、HEV又はサイクルユースなどの深いDODの用途での長寿命化が達成され、特に、自動車用鉛蓄電池に適用でき、また鉛蓄電池の用途拡大に貢献できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005382 【氏名又は名称】古河電池株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ケ谷区星川2丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成16年6月15日(2004.6.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064322 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 和男
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| 【公開番号】 |
特開2006−4636(P2006−4636A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月5日(2006.1.5) |
| 【出願番号】 |
特願2004−176423(P2004−176423) |
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