トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 電子診断書作成支援システム
【発明者】 【氏名】内田 元
【住所又は居所】東京都大田区蒲田5丁目37番1号 ニッセイ情報テクノロジー株式会社内

【氏名】宮本 幸一郎
【住所又は居所】東京都大田区蒲田5丁目37番1号 ニッセイ情報テクノロジー株式会社内

【氏名】奥田 俊博
【住所又は居所】東京都大田区蒲田5丁目37番1号 ニッセイ情報テクノロジー株式会社内

【要約】 【課題】医療機関における診断書発行を容易に行え、患者の給付金請求の手続の負担を軽減するシステムを提供する。

【解決手段】診断書作成に必要な項目に対して診断書種別毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、診断書種別に関連付けて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、を備え、診断書作成のために、診断書発行依頼データ中の診断書種別に基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を表示させ、診断書作成データを受信して診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、作成した診断書表示画面を表示させる。作成された電子診断書は暗号化され、別に暗号化された給付金請求書と対応づけられて保険事業者サーバあるいは中継サーバに送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通して相互に交信可能な医療機関サーバと医事管理端末と医師用端末とを含み、
医事管理端末は、
患者からの診断書発行依頼を受けて、患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを入力する診断書発行依頼データ入力手段と、
入力された診断書発行依頼データを医療機関サーバに送信する診断書発行依頼データ送信手段と
を備え、
医師用端末は、
医師によるパスワードの入力により医療機関サーバにログインし医療機関サーバから送信される当該医師用に作成され送信される表示画面を利用して診断書作成に必要なデータを医療機関サーバに送信する診断書作成データ送信手段
を備え、
医療機関サーバは、
医事管理端末から受信した診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、
すべての診断書作成に必要な項目に対して診断書種別ID毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、
医師用端末のログインを受信して、ログインした医師名に基づいて診断書発行依頼データテーブルを検索し、当該医師名の診断書発行依頼データがあれば、医師に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成依頼一覧画面送信手段と、
医師用端末に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成画面送信手段と、
医師用端末から送信される診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、診断書表示画面を生成して医師用端末に表示または印刷のために送信する診断書生成表示送信手段と、
送信された診断書表示画面に基づいて医師用端末から送信される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段と
を備えた、
診断書作成支援システム。
【請求項2】
患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、
すべての診断書作成に必要な項目に対して診断書種別ID毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、
診断書種別IDに関連付けて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、
診断書発行依頼データテーブルを検索し、担当医師毎に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示させる、診断書作成依頼一覧画面作成表示手段と、
表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面作成表示手段と、
診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、
診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連付けて蓄積する電子診断書記憶手段と
を備えた、
医療機関サーバ。
【請求項3】
患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、
すべての診断書作成に必要な項目に対して診断書種別ID毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、
診断書種別IDに関連付けて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、
医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面作成表示手段と、
診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、
診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連付けて蓄積する電子診断書記憶手段と
を備えた、
医療機関サーバ。
【請求項4】
ネットワークを通して相互に交信可能な医療機関サーバと医事管理端末と医師用端末とを含み、
医事管理端末は、
患者からの診断書発行依頼を受けて、患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを入力する診断書発行依頼データ入力手段と、
入力された診断書発行依頼データを医療機関サーバに送信する診断書発行依頼データ送信手段と
を備え、
医師用端末は、
医師によるパスワードの入力により医療機関サーバにログインし医療機関サーバから送信される当該医師用に作成され送信される表示画面を利用して診断書作成に必要なデータを医療機関サーバに送信する診断書作成データ送信手段
を備え、
医療機関サーバは、
医事管理端末から受信した診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの画像データを蓄積する診断書フォーマット画像データファイルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの入力項目番号・入力項目の種別・入力項目の内容・入力項目の位置と大きさを含む入力項目データを蓄積する診断書入力項目ファイルと、
医師用端末のログインを受信して、ログインした医師名に基づいて診断書発行依頼データテーブルを検索し、当該医師名の診断書発行依頼データがあれば、医師に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成依頼一覧送信手段と、
医師用端末に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイルから当該画像データを抽出すると共に、診断書入力項目ファイルから当該診断書フォーマットの入力項目データを抽出し、当該診断書フォームの画像を表示させて、画像表示された入力項目に対応して項目の入力を可能にさせた診断書作成画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成画面送信手段と、
医師用端末から送信される診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書作成データを診断書フォーマット画像データに取り込み、診断書表示画面を生成して医師用端末に表示または印刷のために送信する診断書生成表示送信手段と、
送信された診断書表示画面に基づいて医師用端末から送信される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段と
を備えた、
診断書作成支援システム。
【請求項5】
患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの画像データを蓄積する診断書フォーマット画像データファイルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの入力項目番号・入力項目の種別・入力項目の内容・入力項目の位置と大きさを含む入力項目データを蓄積する診断書入力項目ファイルと、
診断書発行依頼データテーブルを検索し、担当医師毎に、医師に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成依頼一覧画面表示手段と、
表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイルから当該画像データを抽出すると共に、診断書入力項目ファイルから当該診断書フォーマットの入力項目データを抽出し、当該診断書フォームの画像を表示させて、画像表示された入力項目に対応して項目の入力を可能にさせた診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面表示手段と、
診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書作成データを診断書フォーマット画像データに取り込み、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、
診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段と
を備えた、
医療機関サーバ。
【請求項6】
患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの画像データを蓄積する診断書フォーマット画像データファイルと、
診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの入力項目番号・入力項目の種別・入力項目の内容・入力項目の位置と大きさを含む入力項目データを蓄積する診断書入力項目ファイルと、
医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイルから当該画像データを抽出すると共に、診断書入力項目ファイルから当該診断書フォーマットの入力項目データを抽出し、当該診断書フォームの画像を表示させて、画像表示された入力項目に対応して項目の入力を可能にさせた診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面表示手段と、
診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書作成データを診断書フォーマット画像データに取り込み、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、
診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段と
を備えた、
医療機関サーバ。
【請求項7】
医療機関サーバは、新たな診断書を作成するために電子診断書ファイルに蓄積されている既存の電子診断書ファイルを呼び出す手段と、呼び出された既存の電子診断書ファイルの診断書種別IDと、新たな診断書の診断書種別IDとに基づいて診断書入力項目ファイルから双方の入力項目データを呼び出し双方の入力項目を比較する入力項目比較手段と、比較した結果同一の入力項目であれば、新たな診断書の診断書作成画面の入力項目に既存の電子診断書の入力項目の入力情報をプリセットする、既存診断書引用診断書作成手段をさらに備えた、請求項5に記載の診断書作成支援システムまたは請求項6に記載の医療機関サーバ。
【請求項8】
患者の氏名・入院日・退院日・傷病名・医師名を含む医療関連データを、患者毎に付与された患者IDに関連付けて、かつ、各データを検索可能な形態で蓄積する医療データベースをさらに備えた診断書作成支援システムであって、
医療機関サーバは、さらに、
医師用端末に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断作成開始要求又は医師用端末に表示された診断書作成画面を用いて医師が入力する外部データ取込要求を受信して、診断書発行依頼データ中の患者IDに基づいて医療データベースにアクセスし、診断書作成に必要な当該患者の医療関連データを抽出して、当診断書作成画面中の項目に表示させるために医師用端末に送信する、診断書作成画面用医療関連データ送信手段を備えた、
請求項1または請求項4に記載の診断書作成支援システム。
【請求項9】
医療機関サーバは、診断書作成開始要求又は外部データ取込要求を受信して、診断書発行依頼データ中の患者IDに基づき、患者の氏名・入院日・退院日・傷病名・医師名を含む医療関連データを患者毎に付与された患者IDに関連付けてかつ各データを検索可能な形態で蓄積する医療データベースにアクセスして、診断書作成に必要な当該患者の医療関連データを抽出して、当診断書作成画面中の項目に表示させる、診断書作成画面用医療関連データ表示手段をさらに備えた、
請求項2、請求項3、請求項5または請求項6のいずれかに記載の医療機関サーバ。
【請求項10】
医事管理端末は、
保険事業者を特定する保険事業者データを診断書発行依頼データに含めて入力する保険事業者データ入力手段と、
保険事業者宛の給付金請求書を電子化して入力する給付金請求書データ入力手段と、
給付金請求書データを医療機関サーバに送信する給付金請求書データ送信手段と、
をさらに備え、
医療機関サーバは、
保険事業者毎に異なる暗号鍵を保険事業者名と関連づけて蓄積する暗号鍵ファイルと、
医事管理端末から受信した給付金請求書データを、診断書発行依頼データに含まれる保険事業者データに基づいて、暗号鍵ファイルから呼び出した暗号鍵で暗号化し、電子請求書として依頼書類IDと関連付けた電子請求書IDを付与して蓄積する電子請求書ファイルと、
診断書データを電子診断書ファイルとして蓄積するために、診断書発行依頼データテーブルに含まれる保険事業者データに基づいて暗号鍵ファイルから呼び出した暗号鍵で、診断書データを暗号化する、診断書データ暗号化手段と、
診断書発行依頼データテーブルに含まれる依頼書類IDに基づいて、対応する電子請求書と電子診断書をそれぞれ電子請求書ファイルと電子診断書ファイルとから呼び出し、一つのフォルダに収納して電子封筒として、保険事業者がアクセス可能な中継サーバにアップロードする電子封筒アップロード手段、または、保険事業者のサーバに送信する電子封筒送信手段と、
を備えた、請求項1、請求項4、請求項8のいずれかに記載の診断書作成支援システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機関における様々な診断書を発行するためのシステムに関し、さらに、入院給付金請求にかかわる診断書発行及びその送付の効率化を図るシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療機関では、労災保険からの休業(補償)給付等に必要な診断書、自賠責保険の保険金を請求するための経過診断書、簡易保険や民間保険会社による医療保険の入院・手術給付金を請求するための入院証明書(診断書)、死亡保険金を請求するための死亡診断書、等、様々な種類の診断書を患者や家族等の依頼により発行している。医療機関が発行する診断書は、このように、用途により様々な種類の診断書がある上に、保険事業者毎あるいは保険の種類毎にそれぞれフォームや記入項目が異なるため、多くの医療機関では、医師が依頼を受けると指定されたフォームに一枚一枚手書きで記入することにより診断書を作成しているのが実情であった。
【0003】
一方、患者(保険契約に基づく、被保険者に関する給付金の請求権者を以下「患者」という)が保険事業者に給付金を請求する場合、患者はまず保険事業者に連絡して給付金請求書フォーム及び診断書フォームを取寄せ、給付金請求書に必要事項を記入するとともに、診断書フォームを医療機関に出向いて提出し、担当医師による診断書の発行を依頼しなければならない。通常、診断書の発行まで1〜2週間待たなければならず、患者は診断書が発行されたならば再び医療機関に出向く等して診断書を入手し、記入済みの給付金請求書と共に保険事業者に送付することにより、保険事業者における給付金請求の手続がやっと開始されるようになっていた。
【0004】
そこで、近年、保険金請求及び支払に関してコンピュータとネットワークを用いて実現するシステムも検討されている。
【0005】
第1の先行技術として、平成14年4月12日公開の特開2002−109042号「医療給付金手続サービス方法」には、給付金請求仲介サーバが、ネットワークPCから給付金請求情報を受信し、医療機関サーバから治癒証明書を受信し、給付金請求情報を医療保険機関に送信して医療給付金を請求するサービスが記載され、特に、医療保険の契約の内容から医療給付金を仮計算して、給付金支払い前に契約者に貸付金として振込の手続を行うサービスが記載されている。
【0006】
第2の先行技術として、平成14年9月13日公開の特開2002−259557号「給付金支払いシステム、給付金支払い方法および給付金支払いプログラム」には、請求者のユーザ端末が保険会社端末に直接給付金支払い請求を行い、保険会社端末は医療機関端末に証明依頼を送出し、主治医の承認情報を得て給付金支払いの手続を行うシステムが記載されている。
【0007】
第3の先行技術として、平成14年10月11日公開の特開2002−297911号「保険金支払システム、保険金支払方法、並びに保険金支払用サーバ」には、顧客側端末からインターネットを介してサーバにおける保険金の請求内容入力画面に請求情報が入力され、サーバが病院側端末を認証し、病院端末で診断記録入力画面に顧客情報の入力を行って保険金支払手続を行うことが記載されている。
【特許文献1】特開2002−109042号公報
【特許文献2】特開2002‐259557号公報
【特許文献3】特開2002−297911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
医療機関における診断書の作成は、上に述べたように多くは医師の手書きに頼っており、医師にとっては手間も時間も掛かり、大きな負担となっている。特に、患者が一回の入院につき複数の給付金請求を行う場合、医師が一度に複数の診断書を保険事業者毎に異なるフォームで作成するのは大変めんどうな作業となっている。
【0009】
一方、患者が保険事業者に給付金の請求を行う場合、給付金請求のための書類の取寄せ・書類の作成・診断書の手配・給付金請求書と診断書の保険事業者への送付といった幾つもの段階を踏まなければならず手続が面倒であり、時間も掛かるという問題があった。
【0010】
また、保険事業者の方では、患者からまず給付金請求書のみの送付があり、その後診断書が別に送付されることがあり、給付金請求書と診断書の対応付けが事務処理上大変な作業となって、手続が遅延するという問題があった。
【0011】
上記した第1〜第3の先行技術では、診断書作成についての医師の負担を軽くするための解決手段は開示されていない。
【0012】
さらに、第1〜第3の先行技術では、入院給付金の請求制度を完全に新しくしないと実現できないものであり、これまでの制度を引き継いで実現できるシステムとはなっておらず、これまでの制度とは共存させるものではないため、新システムへの移行が容易に実現できないという問題点があった。
【0013】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、医療機関における診断書発行を容易にスピーディーに行えるようにして医師の負担を軽減すること、第2の目的は、患者の給付金請求の手続の負担を軽減するようなシステムを提供すること、第3の目的は、電子化された給付金請求書と診断書とを対応づけて自動的に保険事業者が受領できるようなシステムを提供することによって保険事業者の負担を軽減すること、さらにこれらの目的を達成するシステムは従来の制度と共存可能であり、医療機関等への導入が比較的容易なものであることを前提とするものである。
【0014】
なお、医療機関では、診断書以外にも、診断書と同様の情報が記載される他の医療機関への紹介状や退院サマリーの発行や作成も行っている。従って、本願明細書及び特許請求の範囲において、診断書という用語を用いる場合には、診断書に紹介状や退院サマリーも含むものとする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明による第1の態様の診断書作成支援システムは、ネットワークを通して相互に交信可能な医療機関サーバと医事管理端末と医師用端末とを含み、医事管理端末は、患者からの診断書発行依頼を受けて、患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを入力する診断書発行依頼データ入力手段と、入力された診断書発行依頼データを医療機関サーバに送信する診断書発行依頼データ送信手段とを備え、医師用端末は、医師によるパスワードの入力により医療機関サーバにログインし医療機関サーバから送信される当該医師用に作成され送信される表示画面を利用して診断書作成に必要なデータを医療機関サーバに送信する診断書作成データ送信手段を備え、医療機関サーバは、医事管理端末から受信した診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、すべての診断書作成に必要な項目に対して診断書種別ID毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、医師用端末のログインを受信して、ログインした医師名に基づいて診断書発行依頼データテーブルを検索し、当該医師名の診断書発行依頼データがあれば、医師に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成依頼一覧画面送信手段と、医師用端末に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成画面送信手段と、医師用端末から送信される診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、診断書表示画面を生成して医師用端末に表示または印刷のために送信する診断書生成表示送信手段と、送信された診断書表示画面に基づいて医師用端末から送信される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段とを備えている。
【0016】
また、本願発明による第1の態様の医療機関サーバは、患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、すべての診断書作成に必要な項目に対して診断書種別ID毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、診断書種別IDに関連付けて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、診断書発行依頼データテーブルを検索し、担当医師毎に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示させる、診断書作成依頼一覧画面作成表示手段と、表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面作成表示手段と、診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連付けて蓄積する電子診断書記憶手段とを備えている。
【0017】
また、本願発明による第1の態様に関連した医療機関サーバは、患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、すべての診断書作成に必要な項目に対して診断書種別ID毎に項目の入力の有無を蓄積する診断書作成対応テーブルと、診断書種別IDに関連付けて当該診断書フォーマットデータを蓄積する診断書フォーマットデータファイルと、医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブルを検索し、当該診断書フォームに対応した入力項目のみを表示させるようにした診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面作成表示手段と、診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書フォーマットデータファイルから該当フォーマットデータを抽出して診断書作成データを書き込むことによって、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連付けて蓄積する電子診断書記憶手段とを備えている。
【0018】
上に記載した第1の態様に係る診断書作成支援システムまたは医療機関サーバの構成によれば、医師は診断書毎の書式の相違を意識せずに、必要な項目のみを入力することにより、診断書を作成することができる。
【0019】
本願発明による第2の態様の診断書作成支援システムは、ネットワークを通して相互に交信可能な医療機関サーバと医事管理端末と医師用端末とを含み、医事管理端末は、患者からの診断書発行依頼を受けて、患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを入力する診断書発行依頼データ入力手段と、入力された診断書発行依頼データを医療機関サーバに送信する診断書発行依頼データ送信手段とを備え、医師用端末は、医師によるパスワードの入力により医療機関サーバにログインし医療機関サーバから送信される当該医師用に作成され送信される表示画面を利用して診断書作成に必要なデータを医療機関サーバに送信する診断書作成データ送信手段を備え、医療機関サーバは、医事管理端末から受信した診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの画像データを蓄積する診断書フォーマット画像データファイルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの入力項目番号・入力項目の種別・入力項目の内容・入力項目の位置と大きさを含む入力項目データを蓄積する診断書入力項目ファイルと、医師用端末のログインを受信して、ログインした医師名に基づいて診断書発行依頼データテーブルを検索し、当該医師名の診断書発行依頼データがあれば、医師に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成依頼一覧送信手段と、医師用端末に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイルから当該画像データを抽出すると共に、診断書入力項目ファイルから当該診断書フォーマットの入力項目データを抽出し、当該診断書フォームの画像を表示させて、画像表示された入力項目に対応して項目の入力を可能にさせた診断書作成画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成画面送信手段と、医師用端末から送信される診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書作成データを診断書フォーマット画像データに取り込み、診断書表示画面を生成して医師用端末に表示または印刷のために送信する診断書生成表示送信手段と、送信された診断書表示画面に基づいて医師用端末から送信される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段とを備えている。
【0020】
また、本願発明による第2の態様の医療機関サーバは、患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの画像データを蓄積する診断書フォーマット画像データファイルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの入力項目番号・入力項目の種別・入力項目の内容・入力項目の位置と大きさを含む入力項目データを蓄積する診断書入力項目ファイルと、診断書発行依頼データテーブルを検索し、担当医師毎に、医師に診断書作成を促す診断書作成依頼一覧画面を作成して表示のために医師用端末に送信する、診断書作成依頼一覧画面表示手段と、表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイルから当該画像データを抽出すると共に、診断書入力項目ファイルから当該診断書フォーマットの入力項目データを抽出し、当該診断書フォームの画像を表示させて、画像表示された入力項目に対応して項目の入力を可能にさせた診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面表示手段と、診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書作成データを診断書フォーマット画像データに取り込み、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段とを備えている。
【0021】
さらに、本願発明の第2の態様に関連した医療機関サーバは、患者からの診断書発行依頼を受けて入力された患者ID・診断書様式を指定する診断書種別ID及び担当医データを含む診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与し、依頼書類ID毎に蓄積する診断書発行依頼データテーブルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの画像データを蓄積する診断書フォーマット画像データファイルと、診断書種別IDに関連づけて当該診断書フォーマットの入力項目番号・入力項目の種別・入力項目の内容・入力項目の位置と大きさを含む入力項目データを蓄積する診断書入力項目ファイルと、医師が入力する診断書作成開始要求を受信して、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイルから当該画像データを抽出すると共に、診断書入力項目ファイルから当該診断書フォーマットの入力項目データを抽出し、当該診断書フォームの画像を表示させて、画像表示された入力項目に対応して項目の入力を可能にさせた診断書作成画面を作成して表示させる、診断書作成画面表示手段と、診断書作成画面を用いて入力された診断書作成データを受信して、診断書作成データを診断書フォーマット画像データに取り込み、診断書表示画面を表示または印刷のために生成する診断書生成表示手段と、診断書表示画面に基づいて入力される診断書登録要求を受信して、診断書データを電子診断書ファイルとして依頼書類IDに関連づけて蓄積する電子診断書記憶手段とを備えている。
【0022】
以上に記載した第2の態様に係る診断書作成支援システムまたは医療機関サーバの構成によれば、医師は実際の診断書を記入する感覚で、必要な項目のみを入力することにより、診断書を作成することができる。さらに、この態様に係る診断書作成支援システムまたは医療機関サーバにおいては、診断書フォーマット及び診断書入力項目に関するデータ管理の負担が小さい。
【0023】
第2の態様に係る診断書作成支援システムまたは医療機関サーバにおいて、医療機関サーバが、新たな診断書を作成するために電子診断書ファイルに蓄積されている既存の電子診断書ファイルを呼び出す手段と、呼び出された既存の電子診断書ファイルの診断書種別IDと、新たな診断書の診断書種別IDとに基づいて診断書入力項目ファイルから双方の入力項目データを呼び出し双方の入力項目を比較する入力項目比較手段と、比較した結果同一の入力項目であれば、新たな診断書の診断書作成画面の入力項目に既存の電子診断書の入力項目の入力情報をプリセットする、既存診断書引用診断書作成手段をさらに備えることによって、既存の診断書のデータを利用して、容易に新たな診断書の作成が可能となる。
【0024】
第1または第2の態様による診断書作成支援システムが、患者の氏名・入院日・退院日・傷病名・医師名を含む医療関連データを、患者毎に付与された患者IDに関連付けて、かつ、各データを検索可能な形態で蓄積する医療データベースをさらに備え、医療機関サーバが、さらに、医師用端末に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて医師が入力する診断作成開始要求又は医師用端末に表示された診断書作成画面を用いて医師が入力する外部データ取込要求を受信して、診断書発行依頼データ中の患者IDに基づいて医療データベースにアクセスし、診断書作成に必要な当該患者の医療関連データを抽出して、当診断書作成画面中の項目に表示させるために医師用端末に送信する、診断書作成画面用医療関連データ送信手段を備えるようにすれば、医師による入力の負担をより軽減でき、診断書の作成がよりスピーディーに正確に行える。
【0025】
第1または第2の態様による医療機関サーバが、診断書作成開始要求又は外部データ取込要求を受信して、診断書発行依頼データ中の患者IDに基づき、患者の氏名・入院日・退院日・傷病名・医師名を含む医療関連データを患者毎に付与された患者IDに関連付けてかつ各データを検索可能な形態で蓄積する医療データベースにアクセスして、診断書作成に必要な当該患者の医療関連データを抽出して、当診断書作成画面中の項目に表示させる、診断書作成画面用医療関連データ表示手段をさらに備えるようにすれば、医師による入力の負担をより軽減でき、診断書の作成がよりスピーディーに正確に行える。
【0026】
第1または第2の診断書作成支援システムにおいて、医事管理端末が、保険事業者を特定する保険事業者データを診断書発行依頼データに含めて入力する保険事業者データ入力手段と、保険事業者宛の給付金請求書を電子化して入力する給付金請求書データ入力手段と、給付金請求書データを医療機関サーバに送信する給付金請求書データ送信手段と、をさらに備え、医療機関サーバが、保険事業者毎に異なる暗号鍵を保険事業者名と関連づけて蓄積する暗号鍵ファイルと、医事管理端末から受信した給付金請求書データを、診断書発行依頼データに含まれる保険事業者データに基づいて、暗号鍵ファイルから呼び出した暗号鍵で暗号化し、電子請求書として依頼書類IDと関連付けた電子請求書IDを付与して蓄積する電子請求書ファイルと、診断書データを電子診断書ファイルとして蓄積するために、診断書発行依頼データテーブルに含まれる保険事業者データに基づいて暗号鍵ファイルから呼び出した暗号鍵で、診断書データを暗号化する、診断書データ暗号化手段と、診断書発行依頼データテーブルに含まれる依頼書類IDに基づいて、対応する電子請求書と電子診断書をそれぞれ電子請求書ファイルと電子診断書ファイルとから呼び出し、一つのフォルダに収納して電子封筒として、保険事業者がアクセス可能な中継サーバにアップロードする電子封筒アップロード手段、または、保険事業者のサーバに送信する電子封筒送信手段と、を備えることによって、保険事業者が、暗号化された安全な形態で電子診断書と電子請求書とを対応づけて受領することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。第1の実施形態は、診断書作成支援システムに係る実施形態であり、第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なる診断書作成支援システムに係る実施形態であり、第3の実施形態は、第1又は第2の実施形態に係る診断書作成支援システムにさらに電子化された給付金請求書と電子診断書とを関連付けて保険事業者が受領できる機能を備えた実施形態であり、第4の実施形態は、第3の実施形態とは異なる第1又は第2の実施形態に係る診断書作成支援システムにさらに電子化された給付金請求書と電子診断書とを関連付けて保険事業者が受領できる機能を備えた実施形態である。

【0028】
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係る診断書作成支援システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、この診断書作成支援システムは、ネットワーク(例えば、LANやイントラネット)を介して交信可能な医事管理端末2と、医療機関サーバ3と、医師用端末4と、医療データベース5とで構成されている。
【0029】
医事管理端末2は、医療機関の医事課に設置されているコンピュータであり、データの入出力・記録・読み出しをはじめとするコンピュータ全体の動作を制御するCPU21、CPU21が直接アクセス可能な主記憶装置であって処理に必要なデータやプログラムを格納するメモリ22、データ入力画面や医療機関サーバ3から送信される画面を表示するCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示部23、データを入力するためのキーボードやマウスなどの入力部24、データやプログラムを蓄積するハードディスクや光ディスクや光磁気ディスクなどの外部記憶装置である記憶部25、及び医療機関サーバ3等とネットワークを介して通信するための通信インタフェース26を備えている。本実施の形態では、医事管理端末2は、主として、診断書の発行を依頼するための基本的なデータを入力して、医療機関サーバ3に送信するための端末として機能する。
【0030】
医師用端末4は、医療機関に設置されている医師が使用するコンピュータであり、データの入出力・記録・読み出しをはじめとするコンピュータ全体の動作を制御するCPU41、CPU41が直接アクセス可能な主記憶装置であって処理に必要なデータやプログラムを格納するメモリ42、データ入力画面や医療機関サーバ3から送信される画面を表示するCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示部43、データを入力するためのキーボードやマウスなどの入力部44、データやプログラムを蓄積するハードディスクや光ディスクや光磁気ディスクなどの外部記憶装置である記憶部45、及び医療機関サーバ3等とネットワークを介して通信するための通信インタフェース46を備えている。本実施の形態では、医師用端末4は、特定の固定的な端末というよりは、医療機関内のネットワークに接続する端末であって、任意の医師がログインすることで、当該医師用の端末となるものである。そして、診断書の発行が依頼された医師がログインすることにより、医療機関サーバ3から入力を促すための画面が送信されて表示され、その画面を利用して診断書作成データを医療機関サーバ3送信するための端末として機能する。
【0031】
医療機関サーバ3は、医療機関におけるコンピュータシステムを実行するための中心的なコンピュータであり、データの入出力・記録・読み出しをはじめとするコンピュータ全体の動作を制御するCPU31、CPU31が直接アクセス可能な主記憶装置であって処理に必要なデータやプログラムを格納するメモリ32、診断書作成支援システムにおける様々な処理を実行するためのプログラムを格納するプログラム格納領域36やプログラムを実行するために参照するデータを格納するテーブル格納領域37や診断書作成のための処理に必要なデータを蓄積するデータ格納領域38を備えたハードディスク等の外部記憶装置である記憶部35、医事管理端末2や医師用端末4や医療データベース5とネットワークを介して通信するための通信インターフェイス39を備えている。医療機関サーバ3は、医事管理端末2から診断書作成依頼に関わるデータの送信を受け、医師用端末4からは診断書作成データの送信を受け、電子化された診断書(以下「電子診断書」という)を作成し保存するための処理を実行する。記憶部35に格納されているデータやプログラムは、必要に応じてメモリ32にロードされ、CPU31により診断書作成支援システムにおける種々の処理が実行される。また、医療機関サーバ3は医療データベース5に接続しており、必要に応じて医療データベース5にアクセスして必要なデータを取得する。
【0032】
医療データベース5は、例えば電子カルテシステムによって登録される、患者毎に患者ID・患者の氏名・入院日・退院日・傷病名・担当医師名等を含む医療関連データを、患者毎に付与された患者IDに関連付けて、かつ、各データを検索可能な形態で蓄積するデータベースであり、医療機関サーバ3からのアクセスにより必要なデータを提供する。
【0033】
次に、図2を用いて、医療機関サーバ3の記憶部35に格納されているプログラムやテーブルやファイルの内容について説明する。この診断書作成支援システムにおいて、医療機関サーバ3が実行する主要な処理は、以下のA〜Fに記載の処理である。
(A)医事管理端末2から送信される診断書発行依頼データを登録する処理
(B)医師用端末4でログインした医師に診断書作成依頼があることを伝えるために、医師用端末4に診断書作成依頼一覧画面を送信する処理
(C)医師による診断書作成開始の指示を受信して、医師用端末4に診断書作成画面を送信する処理
(D)医師から診断書作成データを受信して、作成された診断書を表示する画面を医師用端末4に送信する処理
(E)医師からの登録指示を受信して、作成された診断書を電子診断書として記憶する処理
(F)必要に応じて医療データベース5から診断書作成に必要な医療関連データを抽出し、診断書作成画面用に送信する処理
そして、これらの処理を実行する為のプログラム361〜366がプログラム格納領域36に格納されている。
【0034】
また、上記(A)医事管理端末2から送信される診断書発行依頼データを登録する処理によって登録されるデータを記録する診断書発行依頼テーブル371と、上記(C)医師により診断書作成開始の指示を受信して、医師用端末4に診断書作成画面を送信する処理において、依頼された診断書作成に必要な入力項目を表示した画面を作成するために参照する、すべての診断書フォームに必要な項目と診断書種別毎に記載が必要な項目との対応付けを定義する診断書作成対応テーブル372とが、テーブル格納領域37に格納されている。
【0035】
さらに、上記(D)医師から診断書作成データを受信して、作成された診断書を表示する画面を医師用端末4に送信する処理において、実際の診断書のイメージで作成された診断書を表示するために診断書種別毎の診断書フォーマットを蓄積する診断書フォーマットデータファイル381と、上記(E)医師からの登録指示を受信して、作成された診断書を電子診断書として記憶する処理において、電子診断書を記憶する電子診断書ファイル382とが、データ格納領域38に格納されている。
【0036】
次に上記した各処理(A)〜(E)の手順をより詳細に説明する。

処理(A)
診断書発行の依頼は、医事管理端末2で受け付けられる。ここでは、発行を依頼された診断書様式を指定する診断書種別ID、患者ID、患者名、担当医、入院日、請求期間、等の診断書発行依頼データが入力される。診断書種別IDは、医療機関が発行するすべての診断書を種別するIDであり、プルダウンメニュー等により表示されている保険事業者及び診断書種別を画面で選択することにより入力することも出来る。患者IDについては、患者の診察券(診察カード)から読み込むようにしてもよいし、さらに、医療データベース5から患者IDに対応する患者名、入院日、退院日等のデータをダウンロードして入力画面に表示するようにしてもよい。
【0037】
医事管理端末2で入力された診断書発行依頼データは、確認のため診断書作成依頼登録画面に表示され、確認後登録ボタンを操作することにより、医療機関サーバ3に送信される。図5は、診断書作成依頼登録画面の例を示したものである。この画面では、担当の医師名、患者ID、患者名、入院日、給付金の請求対象期間(例えば、退院後に入院給付金を請求する場合、通常は入院日から退院日が請求対象期間となる)、診断書種別(図5の例では、一回の入院につき、B生命とC生命の両保険事業者に入院給付金を請求するための診断書の発行依頼である)が表示されている。
【0038】
医療機関サーバ3は、医事管理端末2から送信された診断書発行依頼データを、依頼された診断書毎に依頼書類IDを付与して、依頼書類IDを主キー(Primary Key)として、診断書発行依頼データテーブル371に格納する。図3は、診断書発行依頼データテーブル371の例を示した図である(全ての項目について例示しているわけではない)。図5で表示している診断書作成依頼データは、図3中、依頼書類ID00002及び000003のレコードに該当する。このように、依頼書類IDは、依頼された診断書1通毎に採番されるものであり、図5に示すように一回の入院に対する給付金請求であっても、B生命用の診断書、C生命用の診断書の2通の発行が依頼されているので、それぞれに依頼書類IDが付与される。一方、図3に示されている依頼IDは、同時に依頼された診断書の順番を示すコードであって、複数の診断書の発行が依頼された場合には、001、002のように順番に付与していく。
【0039】
なお、ステータスの項目は、依頼された診断書の医師の処理状況を示すコードが書き込まれていくために設けられており、図3に示す例では、例えば、「00」は未依頼、「01」は未作成、「10」は作成中、「20」は要修正、「30」は受取待ち、「40」は交付待ち、「50」は交付済み、のようにコードが設定されている。

【0040】
処理(B)
医師用端末4で医師がログインすると、医療機関サーバ3は、ログインした医師の医師IDが、診断書発行依頼データテーブル中の担当医IDフィールドに含まれているか否か検索し、含まれている場合は、当該担当医に依頼された診断書依頼データを依頼ID毎に抽出し、少なくとも患者ID、患者名、ステータスを表示した診断書作成依頼一覧画面を作成し、表示のために医師用端末4に送信する。図6は、この診断書作成依頼一覧画面の例を示した図であり、当該担当医師に作成が依頼されている診断書依頼データが、患者ID、患者名、入院日、診断書作成状況(ステータスのデータがこのように反映されている)を表示した一覧画面で提供されている。なお、ここでは、入院日が表示されているが、これに代わり作成期限(例えば診断書発行依頼データの入力日から自動的に設定する期限)が表示されてもよい。医師がこの画面の「作成」ボタンを操作することにより、医療機関サーバ3に診断書作成開始要求の指示が送信される。

【0041】
なお、上記した処理(A)及び処理(B)は、診断書発行の依頼を医事管理端末2で受け付ける実施形態であるが、医師が直接診断書発行の依頼を受けて、医師用端末4から診断書発行依頼データを入力する実施形態も考えられる。その場合には、医療機関サーバ3は、診断書作成依頼一覧画面を医師用端末4に表示させる必要はなく、医師による診断書発行依頼データの入力を受けて、処理(C)に移行すればよい。

【0042】
処理(C)
医師用端末4から診断書作成開始要求の指示を受信すると、医療機関サーバ3は、医師用端末4に対して、選択された診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書作成対応テーブル372を検索し、依頼された診断書に必要な記入項目のみを入力項目として表示させるようにした診断書作成画面を作成し、表示のために医師用端末4に送信する。図4は、診断書作成対応テーブル372の例を示したものである。診断書作成対応テーブル372は、医療機関が発行する全ての種類の診断書の入力項目を管理しており、図4では入力項目のフィールドにa、b、c、d、・・・の順に入力項目が設定されており、この入力項目は一意である。そして、この入力項目に対し、診断書種別ID(図4中で、AA001、AA002、BB001、BB002、・・・で示されている)毎に、その入力項目が必要な入力項目であるか否かを定義している。図4の例では、各診断書種別毎に入力が必要な項目は「○」、入力が不要な項目は「×」により表示しているが、実際には例えば、「○」に相当するフィールドにはフラグを立て、「×」に相当するフィールドにはフラグを立てないようにして制御する。
【0043】
図7は、診断書作成画面の例を示したものである。診断書作成画面は、すべての種類の診断書作成データを入力するための共通画面である。医療機関サーバ3は、依頼を受けた診断書種別IDに基づいて診断書作成対応テーブルにアクセスし、診断書作成画面中に表示される全ての入力項目のうち、依頼を受けた診断書に不要な入力項目をマスキング若しくは表示させないようにした診断書作成画面を作成し、表示のために医師用端末4に送信する。従って、医師は診断書毎の入力項目の相違を意識することなく、必要な項目のみ入力をすれば診断書の作成が可能となっている。この機能は、患者が同時に2以上の診断書の発行を依頼した場合に特に医師の労力の軽減に大きな効果がある。すなわち、医療機関サーバが依頼を受けた複数の診断書種別IDに基づいて診断書作成対応テーブルにアクセスし、依頼を受けた複数の診断書に共通して不要な入力項目のみをマスキング若しくは表示させないようにした一つの診断書作成画面を医師用端末4に提供することにより、医師は複数の診断書フォーマットを意識せずに一回の入力により複数の診断書発行のためのデータを入力することが可能になっているので、医師の診断書作成の労力を格段に減少させることができる。

【0044】
処理(D)
医師が医師用端末4に表示された診断書作成画面において、必要な項目への入力を終了し、例えば図7に示された診断書作成画面の最下欄に表示されている保存ボタンを医師が操作することによって、医療機関サーバ3に入力された診断書作成データが送信される。診断書作成データを受信した医療機関サーバ3では、実際の診断書フォームのイメージで作成された診断書を表示するために診断書種別毎の診断書フォーマットを蓄積する診断書フォーマットデータファイル381にアクセスして、該当する診断書フォーマットデータを抽出し、送信された診断書作成データを書き込むことによって、完成された診断書を表示するための診断書表示画面を生成して医師用端末4に送信する。図8は、この診断書表示画面の例を示した図であり、医師はこの診断書表示画面により、診断書の内容を確認することが出来る。医師が診断書の内容を確認し、医療機関サーバに対する電子診断書登録要求を指示する入力(図7では画面最下欄のOKボタンの操作)を行うと、当該医師の電子署名が実行された上、電子証明付の診断書データが電子診断書登録要求とともに医療機関サーバ3に送信される。
【0045】
なお、紙による診断書を発行する場合、診断書表示画面により診断書の内容を確認して印刷ボタンを操作することにより診断書の印刷出力を行い、これに医師が記名捺印をして発行すればよい。

【0046】
処理(E)
医師用端末4から診断書登録要求を受信した医療機関サーバ3は、電子署名データが添付された診断書データを、電子診断書として依頼書類IDに関連付けて電子診断書ファイル382に記憶する。

【0047】
処理(F)
なお、医療機関サーバ3は、診断書作成画面を生成する場合、患者IDに基づいて医療データベース5にアクセスし、入力項目として必要なデータをあらかじめ医療データベース5の医療関連データから取得し、診断書作成画面に表示させるようにすれば、医師によるデータ入力項目の労力の軽減を図ることが出来る。
【0048】
また、医療データベース5からの医療関連データを取り込んでいない診断書作成画面が医療機関サーバ3から医師用端末4に送信された後、図7に例示した診断書作成画面の最下欄に表示されている外部データ取込ボタンを医師が操作することにより、外部データ取込要求の指示が医療機関サーバ3に送信され、外部データ取込要求を受信した医療機関サーバ3が医療データベース5から必要な医療関連データを取り込んで、診断書作成画面に表示させるために医師用端末4に送信するようにしてもよい。
【0049】
しかしながら、電子カルテシステム等医療データベースを構築する為のシステムを未だ導入していない医療機関ではこれらの項目は医師が直接入力すればよい。

【0050】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態と各処理の全体的なフローは共通しているが、第1の実施形態に記載した処理(C)医師による診断書作成開始の指示を受信して、医師用端末4に診断書作成画面を送信する処理と、処理(D)医師から診断書作成データを受信して、作成された診断書を表示する画面を医師用端末4に送信処理についての処理(すなわちプログラム)の内容と処理を実行するために準備されるデータやファイルが、第1の実施形態と異なる。
なお、その他の処理の手順や利用するデータについては、第1の実施形態と共通しているので、その部分についての説明は省略し、処理(C)及び処理(D)についてのみ詳細に説明する。

【0051】
処理(C)
図9は第2の実施形態における、記憶部35の内容を示す図である。第1の実施形態とは処理(C)及び処理(D)のプログラムの内容が異なるため、図9では、診断書作成画面送信プログラム367及び診断書生成表示送信処理プログラム368として、図2とは異なる参照番号を付与して表示している。また、診断書作成画面や診断書表示画面を生成するために設定されるのは、診断書フォーマット画像ファイル383及び診断書入力項目ファイル384である。
【0052】
ここで、診断書フォーマット画像ファイル383は、診断書種別毎に、その診断書フォーマットの画像ファイルを保持する。この画像ファイルは、診断書フォーマットをスキャナで取り込んだり、保険事業者から配布されるPDFファイルから生成される。また、診断書入力項目ファイルは、診断書種別毎に、入力項目についてのデータを保持するファイルであり、具体的には入力項目番号(一意のもの)・入力項目の種別(テキスト情報/丸付け項目)・入力項目の内容(例:「患者氏名」等)・「診断書フォーマット画像ファイル」上での当該項目の位置・大きさのデータを保持する。
【0053】
図10は、第2の実施形態における処理(C)及び処理(D)の概要を示した図である。
医師用端末4に表示された診断書作成依頼一覧画面を用いて、医師が診断書作成開始要求を医療機関サーバ3に送信すると、医療機関サーバ3は、診断書発行依頼データ中の診断書種別IDに基づいて、診断書フォーマット画像データファイル383にアクセスし、該当する診断書フォーマット画像データを抽出して、診断書作成画面として表示させる。一方、医療機関サーバ3は、診断書種別IDに基づいて、当該診断書フォームの診断書入力項目データを抽出し、該当する入力項目の種別・入力項目の位置・大きさの情報から医師が各項目を入力できるように診断書作成画面を生成して、医師用端末4に送信する。

【0054】
処理(D)
医師が医師用端末4に表示された診断書作成画面において、必要な項目への入力を終了し、例えば保存ボタンを医師が操作することによって、医療機関サーバ3に入力された診断書作成データが送信されると、診断書作成データを受信した医療機関サーバ3では、実診断書フォーマット画像データファイル383にアクセスして、該当する診断書フォーマット画像データを抽出し、送信された診断書作成データを書き込むことによって、完成された診断書を表示するための診断書表示画面を生成して医師用端末4に送信する。医師はこの診断書表示画面により、診断書の内容を確認することが出来る。医師が診断書の内容を確認し、医療機関サーバに対する電子診断書登録要求を指示する入力を行うと当該医師の電子署名が実行された上、電子証明付の診断書データが電子診断書登録要求とともに医療機関サーバ3に送信される。

この第2の実施形態では、依頼された診断書の画像データを表示して医師に各項目を入力させるようになっているので、一枚の診断書を作成する場合には、従来通りの方法で診断書を作成する感覚で医師は診断書の入力を行うことが可能となる。一方、患者が一度に複数の診断書の作成を依頼する場合などでは、医師が依頼される診断書毎にすべての項目を入力して診断書を作成するのでは非常に効率が悪くなる。そこで、第2の実施形態では、新たに診断書を作成する場合に、過去に作成して登録されている電子診断書のファイルを利用することが可能になっている。この機能は、同一の診断書種別のものでなくとも過去の診断書作成データを利用できることに特徴がある。
【0055】
図11は、この機能の概要を示した図である。医療機関サーバ3は、診断書作成画面中に、新たな診断書を作成するために電子診断書ファイルに蓄積されている既存の電子診断書ファイルを引用するための操作ボタンを表示させる。医師がこの操作ボタンを操作すると、医師用端末4から送信された引用要求を受けて、医療機関サーバ3は診断書発行依頼データテーブル371にアクセスし、当該医師の医師IDに基づいて、当該医師が過去に作成した診断書データを呼び出して一覧表示画面を作成し、表示のための医師用端末4に送信する。医師用端末4で医師が引用を希望する診断書を画面で選択すると、選択指示は医療機関サーバ3に送信され、医療機関サーバ3は依頼書類IDに基づいて電子診断書ファイル382から該当する電子診断書ファイルを抽出し、表示のためのに医師用端末4に送信する。
【0056】
医師が医師用端末4で引用する診断書を確認し引用決定ボタンを操作すると、引用決定指示を受信した医療機関サーバ3は、呼び出された既存の電子診断書ファイルの診断書種別IDと、医師が新たに作成しようとしている診断書の診断書種別IDとに基づいて、診断書入力項目ファイル384から、双方の入力項目データを呼び出し双方の入力項目の内容を比較する。比較の結果、入力項目の内容が同一であれば、新たな診断書の診断書作成画面の入力項目に既存の電子診断書の入力項目の入力された情報をプリセットする。
【0057】
この機能は、患者が同時に2以上の診断書の発行を依頼した場合に特に医師の労力の軽減に大きな効果がある。また、第1の実施形態の場合には、すべての診断書の作成に必要な入力項目について管理し、診断書作成画面に反映しなければならず、作成する診断書の増加や変更等に対応するメンテナンスのコストがかかる。第2の実施形態では、入力項目は診断書種別毎に管理し、共通な入力項目について診断書間で引用が可能なシステムとしたので、第1の実施形態に比べメンテナンスが楽であるという利点がある。

【0058】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第1又は第2の実施形態に係る診断書作成支援システムにさらに電子化された給付金請求書と電子診断書とを関連づけて保険事業者が受領出来る機能を備えた実施形態である。以下、図12を用いて、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る診断書作成支援システムの基本的な構成は、図1及び図2又は図9に示した第1又は第2の実施形態のように、医事管理端末2と、医師用端末4と、医療機関サーバ3で構成されるが、図12は、第3の実施形態を実施するためにさらに備えなければならない構成要素を中心に図示するようにした。以下の説明でも、第1又は第2の実施形態と共通の構成要素については省略し、第3の実施形態を実施するための特有の構成要素を中心に説明する。
【0059】
この実施形態では、保険事業者に給付金請求の手続きを開始してもらうために、従来では患者が保険事業者から取り寄せた給付金請求書に必要事項を記入して医療機関から発行された診断書とともに保険事業者に送付していた手続きに替わり、医療機関が電子化された給付金請求書と診断書とを暗号化した上で両者を対応づけて自動的に保険事業者が受領できるようにするものである。従って、診断書発行の依頼を受け付ける医事管理端末2において、診断書発行依頼データを入力すると共に、給付金請求書を電子化して医療機関サーバ3に送信する手段24aが必要となる。給付金請求書を電子化する手段としては、例えば、患者が必要事項を記入した給付金請求書をスキャナで読み込んで画像データ化してもよいし、医事課職員が手書きの給付金請求書を見ながらあるいは患者から必要事項を聞き取りながら所定のフォームで入力するようにしてもよいし、OCRシート等に記入してもらいこれを読みとるようにしてもよい。いずれかの方法で電子化された給付金請求書データは、診断書発行依頼データと共に医療機関サーバ3に送信される。
【0060】
さらに、後段で説明するように、給付金請求書あるいは電子診断書は保険事業者毎に異なる暗号鍵で暗号化されるので、診断書種別の他に、保険事業者を特定するデータ(以下「保険事業者データ」という)が診断書発行依頼データに含まれるようにしなければならない。保険事業者データを入力する手段24bとしては、診断書発行依頼データを入力する際に個別に入力してもよいし、診断書種別IDが保険事業者を識別できるIDとしてコード化されている場合は、診断書種別IDから読みとるようにしてもよい。また、給付金請求書の特定箇所に表示されている保険事業者を特定するマークあるいはバーコードをスキャナ等で読みとってもよい。
【0061】
次に、医事管理端末2から給付金請求書データを受信した医療機関サーバ3は、給付金請求書データを暗号化するために、保険事業者毎に異なる暗号鍵を保険事業者名と関連づけて蓄積する暗号鍵ファイル38aと、給付金請求書暗号化プログラム36aとを備えている。そして、医事管理端末2から送信される診断書発行依頼データに含まれる保険事業者データに基づいて暗号鍵ファイル38aにアクセスし、該当する暗号鍵を抽出して、給付金請求書を暗号化し、電子請求書として、電子請求書ファイル38bに依頼書類IDと関連づけて保存する。
【0062】
また、医師端末4で入力されて医療機関サーバ3に送信された診断書データは、同様に保険事業者データに基づいて暗号鍵ファイル38aから抽出された暗号鍵を用いて、診断書データ暗号化プログラム36bによって暗号化され、依頼書類IDと関連づけて電子診断書ファイル38cに保存される。
【0063】
さらに、医療機関サーバ3は、電子封筒アップロードプログラム36cまたは電子封筒送信プログラム36dにより、依頼書類IDに基づいて、電子請求書ファイル38bと電子診断書ファイル38cとから、対応する電子請求書と電子診断書とを呼び出し、一つの電子的なフォルダ(これを以下「電子封筒」という)に格納して、保険事業者サーバ8がアクセス可能な中継サーバ6にアップロードし、または保険事業者サーバ8に直接送信する。アップロードされた電子封筒は、中継サーバ6の保険事業者毎の格納エリアに格納される。その場合、中継サーバ6は、保険事業者毎に、アップロードを通知する電子メールを保険事業者サーバ8に対して送信する。当該電子メールは、保険事業者の受付窓口の担当者宛のものであってもよい。
【0064】
中継サーバ6は、保険事業者サーバ8から電子封筒がダウンロードされると、格納エリアから電子封筒を削除するようにしている。中継サーバ6は、医療機関サーバ3と、保険事業者サーバ8にとって、必要なときにアクセス出来るものであるため、医療機関サーバ3または保険事業者サーバ8のいずれかを常時受信可能なオープンな状態にすることがなく、医療機関サーバ3と保険事業者サーバ8にとってセキュリティを向上させることができるものである。
【0065】
なお、認証局サーバ7は、医師用端末4で作成された電子診断書に対して当該医師が作成したものであることを認証する電子署名に必要な証明書を医師端末4に付与し、保険事業者サーバ8から当該電子署名が真正なものであるか否かの検証の問合せを受け、電子署名の真偽を応答し、電子署名の失効手続が為されているか否かについて応答する。
【0066】
本実施の形態において、給付金請求書及び電子診断書の暗号化は、医療機関サーバ3で行っているが、それぞれ医事管理端末2及び医師用端末4で暗号化してもよい。その場合、暗号鍵は医療機関サーバ3から提供されることになる。

【0067】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について、図13を用いて説明する。第3の実施形態が患者からの給付金請求の受付を医事管理端末2で行っていたのに対し、第4の実施形態では、患者からの給付金請求を受付ける請求書受付サーバ9を設けている。請求書受付サーバ9は、インターネット上に給付金請求を受付けるためのウェブサイトを開設しており、患者は当該ウェブサイトにアクセスして、給付金請求データを入力できる表示画面を患者端末10(例えば、自宅のパーソナルコンピュータなど)にダウンロード出来るようになっている。以下、給付金請求が受付けられて医療機関サーバ3に登録されるまでの処理について説明する。
【0068】
患者はまず、パスワードやICカード等を用いての入力により請求書受付サーバ9にログインする(そのためには、患者は請求書受付サーバ9にユーザーとして予め登録されていることが前提である)。ログインに対して、請求書受付サーバ9は、患者端末10に対して、請求の対象となる保険の保険事業者名及び契約書番号、すなわち当該保険契約を特定できるデータを入力するための画面を表示させる。患者端末10から、保険事業者名及び契約書番号のデータが送信されると、請求書受付サーバ9は、当該保険事業者の保険事業者サーバ8に対して当該保険契約の内容を確認するための通知を送信して、保険事業者サーバ8からの保険内容の確認の通信を待つ。保険事業者サーバ8では、保険契約の内容を確認すると、当該保険契約の内容を表示したデータを請求書受付サーバ9に送信する。請求書受付サーバ9は、保険事業者サーバ8から送信されたデータに基づいて、患者端末10に対して、給付金請求についてのデータを入力するための画面を表示させる。その画面を利用して、患者端末10から給付金請求データ、具体的には、医療機関名や対象期間等のデータを入力して、請求書受付サーバ9に送信できるようになっている。患者端末10から給付金請求データを受信した請求書受付サーバ9は、保険事業者毎に異なる暗号鍵を保持している暗号鍵ファイルから、当該保険事業者の暗号鍵を抽出し、給付金請求データを電子請求書として暗号化して依頼書類IDを付与して医療機関サーバ3に送信し登録を行う。その後の処理については、第1、第2、第3の実施形態に記載している処理と同様である。
【0069】
第4の実施形態によれば、医療機関毎に電子請求書の登録処理を実行していたが、その部分を請求受付サーバ9で行うものであるから、医療機関の事務処理を大幅に低減できる。また、請求の受付をインターネットを経由して行うが、請求人の信頼性を保険事業者サーバ8に確認することで担保できる。
【0070】
最後に、保険事業者サーバ8が中継サーバ6から新規電子封筒のアップロードがあった旨の電子メールを受信し、受信メールに記載されたURLにアクセスした場合に、ユーザIDとパスワードの入力を条件に、表示される新規電子封筒一覧画面について、図14を参照しながら説明する。図14は、保険事業者サーバ8における新規電子封筒一覧画面の例を示したものである。
保険事業者サーバ8では、図14に示されるように、新規に中継サーバ6にアップロードされた電子封筒が医療機関名、ファイル名の一覧で表示され、画面下側に「ダウンロード」と「キャンセル」のボタンが設けられている。ここで、「ダウンロード」ボタンがクリックされると、電子封筒のダウンロードが開始され、「キャンセル」ボタンがクリックされると、電子封筒のダウンロードは行われない。
【0071】
次に、保険事業者サーバ8において、給付金等の請求書類の受付を確認する場合の表示画面について図15を用いて説明する。図15は、保険事業者サーバ8における請求書類受付画面の例を示す図である。
【0072】
医療機関サーバ3は、電子診断書が作成されると、給付金の電子請求書とそれに対応する電子診断書とを中継サーバ6にアップロードし、それと共に、中継サーバ6は、送付先となっている保険事業者サーバ8に、電子請求書及び電子診断書を中継サーバ6にアップロードしたことを通知する電子メールを送信する。その電子メールには、当該保険事業者宛の電子請求書及び電子診断書が格納されるURLが記載されている。
【0073】
保険事業者サーバ8では、その電子メールを受信すると、URLに基づいて中継サーバ6にアクセスして、当該保険事業者宛の電子封筒をダウンロードし、図15に示すような請求書類受付確認画面が表示される。
【0074】
図15に示すように、請求書類受付画面は、当該保険事業者宛の請求書及び診断書のリストを表示するものであり、請求者と、受付日と、検証結果のOK/NGと、電子請求書と電子診断書のそれぞれについての印刷ボタンとが表示されるものである。ここで、診断書に添付されている電子署名が正当であるかどうかが、保険事業者サーバ8によって検証されており、請求書類受付確認画面ではその結果を「検証結果」として示すようになっている。検証結果が「OK」であれば当該診断書は有効であるが、検証結果が「NG」であれば当該診断書は無効となり、請求自体も無効となるため、印刷することも不可能となるものである。
【0075】
そして、図15に示した請求書類受付確認画面の請求一覧において、検証結果が「OK」である任意の請求書又は診断書を選択して「印刷」ボタンがクリックされると、当該選択された給付金請求書のデータ又は診断書のデータが一旦表示され、請求書又は診断書が印刷されるものである。そして、印刷された請求書又は診断書については、図15の請求書類受付確認画面の一覧表示から削除されるようになっている。
【0076】
本システムでは、請求書について紙媒体を想定したが、紙媒体ではなく、ICカード等を用いた給付金請求であってもよい。この場合、請求が本人によるものであることを認証するために、パスワード認証、生体認証を行うようにしてもよい。また、本システムでは、中継サーバ6を設けて中継処理を行うようにしたが、医療機関サーバ3が保険会社サーバ8に直接電子封筒を送信するようにしてもよい。
【0077】
さらに、本システムでは、医師端末4で医師毎に電子署名を行うようにしているが、医療機関サーバ3が医療機関を代表して一括して電子署名を行うようにしてもよい。医療機関サーバ3がまとめて電子署名を行うことで、医療機関としてはシステム構成を簡略化でき、コストを低減できる効果がある。なお、医師本人が作成した診断書であるか否かは、医師が医療機関内のネットワークにアクセスする際に、医師のIDとパスワード入力により認証を行っているため、信頼性は維持されるものである。
【実施例】
【0078】
本発明による診断書作成支援システムを実施するための具体的な構成について図16を用いて説明する。図16に示すように、A大学病院では、給付金請求書を読み込むためのスキャナー1を接続する医事管理端末(患者端末)2と、医療科A医師用端末4と、医療科B医師用端末4と、院内サーバ3と、院内情報データベース5とが、院内LANで接続され、さらに学内WAN(Wide
Area Network)を介してインターネットに接続している。
【0079】
また、B病院では、スキャナー1を接続する医事管理端末(患者端末)2と、医師用端末4と、院内サーバ3とが、院内LANで接続され、さらにADSLモデムを介してインターネットに接続している。B病院に医療データベースがないのは、まだ、医療情報をデータベースによって管理していないケースだからである。
【0080】
C保険事業者では、保険事業者サーバ8が部内LANに接続し、さらに社内WANを介してインターネットに接続している。
【0081】
なお、認証局サーバ7もインターネットに接続している。
【0082】
以上のような実施例の構成において、本発明によるシステムが実現されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本願発明に係る技術は、医療機関における診断書発行業務ばかりでなく、様々な証明書や認証書を発行する機関の業務にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施形態に係る診断書作成支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る医療機関サーバの記憶部に格納されているプログラム・テーブル・ファイルを示すブロック図である。
【図3】診断書発行依頼データテーブルの内容の例を示す図である。
【図4】診断書作成対応テーブルの内容の例を示す図である。
【図5】診断書作成依頼登録画面の例を示す図である。
【図6】診断書作成依頼一覧画面の例を示す図である。
【図7】診断書作成画面の例を示す図である。
【図8】診断書表示画面の例を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係る医療機関サーバの記憶部に格納されているプログラム・テーブル・ファイルを示すブロック図である
【図10】第2の実施形態に係る医療機関サーバの処理の流れを説明する図である。
【図11】第2の実施形態に係る医療機関サーバの処理の内容を説明する図である。
【図12】第3の実施形態に係る診断書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
【図13】第4の実施形態に係る診断書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
【図14】新規電子封筒一覧画面の例を示す図である。
【図15】請求書類受付確認画面の例を示す図である。
【図16】実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0085】
2 医事管理端末
3 医療機関サーバ
4 医師用端末
5 医療データベース
6 中継サーバ
7 認証局サーバ
8 保険事業者サーバ
9 請求書受付サーバ
10 患者端末
【出願人】 【識別番号】500104314
【氏名又は名称】ニッセイ情報テクノロジー株式会社
【住所又は居所】東京都大田区蒲田5丁目37番1号
【出願日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【代理人】 【識別番号】100101845
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 明子

【公開番号】 特開2006−85684(P2006−85684A)
【公開日】 平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願番号】 特願2005−238051(P2005−238051)