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【発明の名称】 センサチップ及びそれを用いたセンサ装置
【発明者】 【氏名】ミケレット・ルジェロ

【氏名】川上 養一

【氏名】河井 昭治

【氏名】浜本 勝美

【要約】 【課題】表面プラズモン共鳴センサ装置の小型・軽量化を可能とするとともに、表面プラズモン共鳴測定と局所プラズモン共鳴測定を1台の装置で測定可能とするセンサチップ及びそれを用いたセンサ装置を提供すること。

【解決手段】対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板であり、その一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する傾斜端面としてなる導光体からなるセンサチップを用いる。そのセンサチップを、流路を有するフローセルに配設してセンサ部とする。そのセンサ部と、光源と、その光源からの光を導光体の入射端面に入射させる光学系と、導光体の出射端面からの出射光を検出する第1検出部とで、センサ装置を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面プラズモン共鳴測定及び/又は局在プラズモン共鳴測定に用いる導光体を有するセンサチップであって、該導光体が対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板であり、該一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する傾斜端面としてなるセンサチップ。
【請求項2】
上記一対の主面の一方に1層の金属薄膜を設けてなる請求項1記載のセンサチップ。
【請求項3】
上記の金属薄膜に、金属微粒子層を積層してなる請求項2記載のセンサチップ。
【請求項4】
上記一対の主面の一方に、金属微粒子層を設けてなる請求項1記載のセンサチップ。
【請求項5】
上記傾斜角は45度である請求項1から4のいずれか一つに記載のセンサチップ。
【請求項6】
対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板導光体から成り、該一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する入射端面とし、他方を出射端面とする一方、該一対の主面の一方に1層の金属薄膜を形成してなるセンサチップと、該センサチップの該一対の主面の一方に配設された流路を有するフローセルと、からなるセンサ部と、
光源と、
上記光源からの光を上記導光体の入射端面に入射させる光学系と、
上記導光体の出射端面からの出射光を検出する第1検出部と、を有するセンサ装置。
【請求項7】
上記フローセルは試料流路と比較流路を有しており、上記光学系により上記光源からの光を2方向に分波し、一方の光を試料流路上に入射させる一方、他方の光を比較流路上に入射させるようにした請求項6記載のセンサ装置。
【請求項8】
上記一対の主面の一方の金属薄膜上に金属微粒子層を積層し、該金属微粒子層が試料に接触可能に上記フローセルを配設する一方、上記一対の主面の他方からの出射光を検出する第2検出部を有する請求項6又は7記載のセンサ装置。
【請求項9】
上記傾斜角は45度である請求項6から8のいずれか一つに記載のセンサ装置。
【請求項10】
上記金属薄膜を金膜とする一方、該金膜上に反射膜を積層してなる請求項6から9のいずれか一つに記載のセンサ装置。
【請求項11】
対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板導光体からなり、該一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する傾斜端面とする一方、上記一対の主面の一方に1層の金属微粒子膜を形成してなるセンサチップと、該センサチップの上記一対の主面の一方に配設された流路を有するフローセルと、からなるセンサ部を有するセンサ装置。
【請求項12】
上記導光体の上記側面の一方を入射端面とする一方、
光源と、
上記光源からの光を上記導光体の入射端面に入射させる光学系と、
上記一対の主面の他方からの出射光を検出する検出部と、を有する請求項11記載のセンサ装置。
【請求項13】
上記フローセル側から上記導光体に入射光を供給する光源と、該導光体からの透過光を検出する検出部と、を有する請求光11記載のセンサ装置。
【請求項14】
上記傾斜角は45度である請求項11から13のいずれか一つに記載のセンサ装置。
【請求項15】
上記金属薄膜を金膜とする一方、該金膜上に反射膜を積層してなる請求項11から14のいずれか一つに記載のセンサ装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、表面プラズモン共鳴測定及び/又は局在プラズモン共鳴測定に用いるセンサチップ及びそれを用いたセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面プラズモン共鳴(以下、SPRと略す)センサは、金属表面に生じる表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用するものであり、化学や生化学の分野で検体を非破壊かつリアルタイムで分析できる高感度な検出方法である。例えば、免疫反応等の生体物質間相互作用を放射性同位元素や色素等による標識化によることなくリアルタイムで検出することができる。
【0003】
表面プラズモンの励起方法には、例えば、Kretschmann配置が用いられている。Kretschmann配置は、基本的に、試料と接触する金属薄膜を底面に有する導光体(以下、センサチップという)のプリズムと、光ビームを発生させる光源と、プリズムと金属薄膜との界面に種々の入射角で光ビームを入射させる光学系と、プリズムと金属薄膜との界面で全反射した光ビームの強度を入射角毎に検出可能な検出部とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
SPR法では、全反射角以上の入射角でプリズム側から金属薄膜に光ビームを入射させると、金属薄膜が十分に薄い場合、金属薄膜の表面にエバネッセント波が染み出してくる。このエバネッセント波の波数と表面プラズモンの波数が一致すると両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行して表面プラズモンが励起される。この時、入射光のエネルギーが消費されるため、反射光の強度が低下する。具体的には、光学系により金属薄膜への入射角を変化させながら反射光の強度を検出部により検出して反射光強度曲線を作成し、反射光の強度の低下が最も大きい入射角を求める。ここで、表面プラズモンの波数は、金属薄膜表面のごく近傍に存在する媒質の屈折率の影響を受ける。そのため、測定対象物の変化により媒質の屈折率が変化すると、表面プラズモン共鳴が生じる入射角、すなわち共鳴角が変化する。したがって、共鳴角のずれによって、測定対象物の濃度の変化を検出することができる。
【0005】
一方、近年、上記のSPR法とは別に金属ナノ粒子間で起きる局在プラズモン共鳴(以下、LPRと略す)を捉える検出法が注目されはじめている(例えば、特許文献2参照)。LPR法は、数nm〜100nm程度のサイズの金属微粒子や金属微細構造中の電子が特定の波長の光と相互作用して共鳴する現象を利用するものである。例えば、金コロイド懸濁液が赤色を呈するのは、入射光の振動電場と金微粒子内の自由電子が波長520nm近傍で共鳴的に振動するためである。LPR法は、全反射光学系を用いないため導光体にプリズムを使用しない。そのため、例えば分光測定用のガラスセルの内壁に金微粒子を固定化したセンサチップを用い、試料をこのセンサチップに供給し、センサチップの吸光度、散乱光、そして反射率の強度の変化を分光光度計により測定する。吸光度等の強度の変化は金属微粒子表面のごく近傍に存在する媒質の屈折率に依存して変化するため、試料の屈折率や膜厚の変化を検出することができる。LPR法は、従来のSPR法に比べより高感度化が可能で、導光体の形状自由度が高い、シンプルな構成のシステムが組める等の特徴を有することから、従来のSPR法が利用できなかった領域への応用が期待されている。
【特許文献1】特開平6-167443号公報
【特許文献2】特開2000-356587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、導光体にプリズムを用いる従来のSPRセンサは、共鳴角のずれを測定する必要上、光学部品を正確に配列し、かつ光源の入射角を変化させるための光源及び検出部の一体的な駆動機構が必要である。そのためセンサ装置が大型化せざるを得ず、センサ装置の小型化及び軽量化が困難であるという問題があった。また、プリズムの交換や、測定対象に合わせた金属薄膜の取替え等の操作が非常に複雑であるという問題もあった。また、創薬開発の分野に利用するには、まだ感度が十分でないという問題もあった。
【0007】
また、通常、センサチップに試料を移動させる流路を有するフローセルを配設してセンサ部を構成するが、SPR法とLPR法に用いるセンサチップの構造や形状が異なるため、同一のセンサ部を使用することができず、1台の装置によりSPR法あるいはLPR法の測定を行うことが困難であるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のセンサチップは、表面プラズモン共鳴測定及び/又は局在プラズモン共鳴測定に用いる導光体を有するセンサチップであって、該導光体が対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板であり、該一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する傾斜端面としてなることを特徴とする。
【0009】
また、上記導光体の一対の主面の片方に1層の金属薄膜を設けて表面プラズモン共鳴測定用のセンサチップとすることができ、さらに、その金属薄膜上に金属微粒子層を形成して表面プラズモン共鳴測定と局在プラズモン共鳴測定のいずれにも使用可能なセンサチップとすることもできる。また、上記導光体の一対の主面の一方に、金属微粒子層を形成して局在プラズモン共鳴測定用のセンサチップとすることもできる。また、上記の傾斜端面の傾斜角は45度とすることが好ましい。
【0010】
また、本発明のセンサチップを用い、以下のセンサ装置を構成することができる。すなわち、対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板導光体から成り、該一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する入射端面とし、他方を出射端面とする一方、該一対の主面の片方に1層の金属薄膜を形成してなるセンサチップと、該センサチップの該一対の主面の金属薄膜側に配設された流路を有するフローセルと、からなるセンサ部と、光源と、該光源からの光を上記導光体の入射端面に入射させる光学系と、上記導光体の出射端面からの出射光を検出する第1検出部とを有する表面プラズモン共鳴測定用のセンサ装置(I)を構成することができる。また、上記フローセルに試料流路と比較流路を設け、上記光学系により上記光源からの光を2方向に分波し、一方の光を試料流路上に入射させる一方、他方の光を比較流路上に入射させるようにすることもできる。さらに、一対の主面の金属薄膜上に金属微粒子層を形成し、該金属微粒子層が試料に接触可能に上記フローセルを配設する一方、上記一対の主面の他方からの出射光を検出する第2検出部を設けることにより表面プラズモン共鳴測定と局所プラズモン共鳴測定とを同時に測定することの可能なセンサ装置(II)を構成することができる。また、センサ装置(I)、(II)の入射端面の傾斜角は45度とすることができる。また、センサ装置(I)、(II)の金属薄膜を金膜とする一方、その金膜上に反射膜を積層することもできる。
【0011】
また、本発明のセンサチップを用いる別のセンサ装置(III)は、対向する一対の主面と対向する一対の側面とを有する透明平板導光体からなり、該一対の側面の一方を上記主面に対し傾斜角を有する傾斜端面とする一方、上記一対の主面の一方に1層の金属微粒子を形成してなるセンサチップと、該センサチップの上記一対の主面の金属微粒子層側に配設された流路を有するフローセルと、からなるセンサ部を有することを特徴とする。センサ装置(III)において、導光体の側面の一方を入射端面とする一方、光源と、光源からの光を入射端面に入射させる光学系と、一対の主面の他方からの出射光を検出する検出部と、を設けることもできる。あるいは、フローセル側から導光体に入射光を供給する光源と、該導光体からの透過光を検出する検出部と、を設けることもできる。また、センサ装置(III)の入射端面の傾斜角は45度とすることができる。また、センサ装置(III)の金属薄膜を金膜とする一方、その金膜上に反射膜を積層することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、センサチップの導光体として、プリズムに代えて透明平板を用いることにより、一対の対向する主面の片方に金属薄膜を形成すると、透明平板/金属薄膜の界面における反射光が透明平板内を伝搬するSPRセンサ装置を構成することができる。従来のプリズムを用いるSPRセンサ装置と異なり、入射角を変化させるに際し、光源及び検出部を一体的に移動させる駆動機構が不要となり、SPRセンサ装置の小型・軽量化が可能となる。また、透明平板は、LPR用の導光体を兼ねており、その対向する主面の一方に、金属微粒子膜を形成すると、LPR用のセンサチップとすることができる。そのため、SPR法とLPR法で同一のセンサ部を使用することが可能となり、1台の装置によりSPR法あるいはLPR法の測定を行うことも可能となる。さらに、透明平板には、ガラス板やアクリル板等を用いることができるので、プリズムあるいはガラスセルを用いる場合に比べ、より安価なセンサチップを用いることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1及び2は、本実施の形態に係るSPRセンサ装置の構成の一例を示す模式図である。図1は装置の全体図、図2はセンサ部の模式断面図、そして図3はセンサ部の上面図である。SPRセンサ装置(A)は、光源1と、センサチップ31とフローセル32を備えたセンサ部3と、センサ部3に試料液と比較液を供給する液供給部11と、光源1からの光をセンサ部3に入射させる光学系2と、センサ部3からの出射光を受光する第1検出部6と、検出部6の信号を増幅・AD変換する前処理部7と、出射光の光量変化を解析する演算部8と、その結果を表示する表示部9、そしてプリンタ10とから構成されている。光学系2は、ポラライザー2aとビームスピリッター2bを有しており、ポラライザー2aによるp偏光をビームスピリッター2bにより2方向に分波し、ミラー2cで反射させてセンサ部3の試料光路31dと比較光路31eに入射させる。また、液供給部11は、試料液タンク11aと、比較液タンク11bと、試料液と比較液をそれぞれ、センサ部のフローセル中の試料流路321cと比較流路322cに供給する試料液用ポンプ11c及び比較液用ポンプ11dとを有している。試料液と比較液はセンサ部3に供給され、測定に供された後、外部に排出される。流速の調整は、コンピュータの指令により行うことができる。
【0014】
図2及び3に示すように、センサ部3は、センサチップ31と、センサチップ31に配設されたフローセル32とから構成されている。センサチップ31は、対向する一対の主面311a,312aと対向する一対の側面313a,314aとを有する透明平板からなる導光体31aを有しており、その一対の主面の片方には所定幅の金属薄膜31bが形成されている。その金属薄膜31bは、導光方向に並列配置された試料光路31dと比較光路31eからなる一対の反射光路を形成する。さらに、導光体31aのフローセル側の主面312aの金属薄膜以外の部分には透過防止用の反射膜31cが形成されている。また、導光体31aの一対の側面の一方は、主面に対し傾斜角を有する傾斜端面であって、光源からの光が入射する入射端面314aとなる。また、導光体31aの他方の側面は、垂直端面であって、出射端面313aとなる。
一方、フローセル32は、試料流路321c及び比較流路322cを有する支持部32aと、試料液及び比較液とを封止する封止部32bとを有している。センサチップ31をフローセル32に固定するに際しては、反射膜31cと封止部32bとを対向配置してセンサチップ31を固定する。
【0015】
光源1からの光は、ポラライザー2aによりp偏光とされ、ビームスピリッター2bにより2方向に分波され、ミラー2cで反射させてセンサ部3の試料光路321cと比較光路322cに所定の入射角で入射端面314aより入射する。ここで、試料光路321cと比較光路322cは、それぞれ、フローセル32の試料流路321cと比較流路322cの上に位置する。一方、フローセル32には一定流量で試料液と比較液が供給される。入射光は、センサチップ31内で多重反射するが、金属薄膜表面近傍の供給される媒質の屈折率の変化に伴い、表面プラズモンの共鳴励起条件が変化して反射光の強度に変化が生じ、出射端面313aから出射して第1検出部6により検出される。その反射光の変化は、試料光路と比較光路との差電圧として出力される。なお、試料光路と比較光路を設けているので、入射光の波長の揺らぎや光量の変動、そしてフローセルの流路内における脈流の影響を除去することができる。
【0016】
光源には、レーザ光等の単色光源又は白色光源を用いることができる。単色光源を用いる場合、入射角を一定にする方法を用いることが好ましい。透明平板導光体への入射角を一定とし、検出部の導光体/金属薄膜の界面で反射される反射光の光量を光検出部で計測し、反射光の強度低下を測定する。強度低下は、検出部の表面に存在する被検出物質の屈折率に依存するため、強度低下の程度から被検出物質の種類や濃度を検出することができる。ここで、入射角とは、導光方向あるいは導光体の反射光路に対する入射光の角度をいう。また、検出部には、CCDやPD(フォトダイオード)等を用いることができる。
【0017】
なお、本発明においては、光源には単色光源を用いることが好ましい。特にレーザ光を用いることにより、伝送損失を少なくすることができ、また波長分散の影響を減らして伝送歪を少なくすることができる。また、反射光の強度を直接測定することができるので、検出に分光器を用いる方法に比べ、より迅速かつ高精度の測定が可能だからである。
【0018】
本発明に用いる透明平板には、波長400〜1000nmの範囲の光を吸収のない材料が好ましく、ガラス板、有機ポリマーから成る板材、例えばアクリル板、ポリメタクリレート板等を用いることができる。
【0019】
透明平板を用いることにより、反射光の相互干渉を抑制して規則的な多重反射を行いながら平板内を伝搬させることができる。これに対し、光ファイバーを用いた場合には、三次元的に光が伝搬するため、相互干渉が起きやすく規則的な反射光を得るのは容易ではない。多重反射の回数を増加させると、反射光の強度が増幅され検出感度を増加させることができる。しかしながら、検出感度に関しては反射回数には最適範囲があり、それを超えると反射に伴う光量損失が増加して感度が低下する。多重反射の回数は、入射角や波長のみならず、透明平板の厚さや長さを変化させることにより、制御することができる。透明平板の厚さは、0.5〜3mm、より好ましくは0.8〜1.5mmである。3mmより大きいと、反射回数を増やすことが困難となるからである。また、透明平板の長さ、即ち、フローセル32の試料流路321cと比較流路322cに形成する金属薄膜又は金微粒子層の長さは、3〜30mm、より好ましくは5〜15mmである。30mmより長いと反射回数が増えて光の減衰が起こるためである。
【0020】
また、透明平板の入射端面に、主面に対して傾斜角を設けることが好ましい。表面プラズモン共鳴を発生させるには光を全反射条件で入射する必要があり、通常深い入射角が必要になる。本発明では端面に傾斜角を設けているので、入射角の範囲を広くすることができる。これにより、広い範囲の共鳴現象を測定することができ、多くの種類の被検出物質を検出することが可能となる。特に、傾斜角を45度とすることにより約16度から約73度の広い範囲で入射光を端面に入射させることができる。これに対し、傾斜角を有しない場合には、約48度以上の深い入射角を得ることは困難である。なお、傾斜角を所定の角度に加工するには、回転研磨装置等を用いて行うことができる。
【0021】
金属薄膜に用いる金属は、金、銀、白金等を挙げることができる。これらを単独又は複数組み合わせて使用することもできる。金属薄膜の厚さは、10〜200nm、より好ましくは10〜50nmである。200nmを超えると、表面プラズモン共鳴が減少して十分に検出することができないからである。金属薄膜の形成方法は、所定の膜厚を均一に形成できる方法であれば特に限定されない。例えば、スパッタリング法や蒸着法を用いることができる。
【0022】
また、透過防止用の反射膜は、導光体への入射光及び導光体内の反射光が、封止材に吸収されることを防止するものである。化学的に安定で、反射率の高い銀膜を用いることが好ましい。反射膜の厚さは、150〜300nmが好ましい。150nmより薄いと充分な反射効果がなく、300nmあれば十分な反射効果が得られる。
【0023】
また、金属薄膜の表面に疎水層を形成することが好ましい。金属薄膜への水分の吸着を抑制して、湿度変化に起因する共鳴条件のドリフトを防止することができる。疎水層には、単分子膜を形成する界面活性物質、例えばアルキルチオールを用いても良く、又はシラン処理を行っても良い。また、金属薄膜の表面に分子認識物質を含むプローブ層を設け、被検出物質との相互作用によるプローブ層の屈折率変化を測定することにより、被検出物質及びその濃度を検出することもできる。分子認識物質には、抗原や抗体等のタンパク質、核酸等の生体由来物質や、特定の物質に親和性を有する合成物質等を用いることができる。
【0024】
また、分子認識物質をリンカーにより金属薄膜上に固定することができる。リンカーは予めプローブ層の下地層として金属薄膜上に固定することができ、アミノ基又はチオール基を有する化合物、ペプチド、アビジン、ビオチン、ヒスチジン等を用いることができる。これらのリンカーは予め化学修飾により分子認識物質に導入することもできる。ここで、上記のアミノ基又はチオール基を有する化合物には自己組織化単分子(self-assembled monolayer : SAM)膜を形成するアルキル分子を用いることができる。例えば、抗原抗体反応による腫瘍マーカの測定に適用する場合、金属薄膜上にSAM膜を形成し、目的とする抗原と特異的に反応する抗体をSAM膜に修飾して用いることができる。
【0025】
また、特定の塩基配列をハイブリダイゼーションにより検出する遺伝子検出方法に適用する場合、多数のDNA又はオリゴヌクレオチドの配列(プローブ核酸)を、金属薄膜上にスポット固定する。ここで、金属薄膜への固定にはプローブ核酸を構成する官能基であるチオール基との結合により行う。検体となる標識した試料RNA(標的核酸)を含む溶液をセンサの検出部に滴下すると、固定したプローブ核酸と、標的核酸とのハイブリダイゼーションによりプローブ核酸と相補的な塩基配列を有する標的核酸が選択的にプローブ核酸と結合する。このハイブリダイゼーションに伴う共鳴角や反射光強度の変化を測定する。
【0026】
また、封止材は試料液に対し化学的に安定で、かつ密着性に優れることが要求され、シリコンゴムシートあるいはテフロンシートを用いることが好ましい。
【0027】
本実施の形態によれば、導光体に従来のプリズムに代えて透明平板を用いることにより、入射角を変化させるに際し、光源及び検出部を一体的に移動させる駆動機構が不要となるので、SPRセンサ装置の小型・軽量化が可能となる。また、センサチップの導光方向の長さを変化させることにより、多重反射の回数を制御して感度を調整することができる。これにより、媒質との屈折率差が小さく検出濃度の低い被検出物質についてはセンサチップの長さを大きくして検出感度を高めることができる。一方、検出濃度の高い被検出物質については、センサチップの長さを短くして感度を下げることにより、より高い濃度範囲まで測定することが可能となる。また、試料光路と比較光路を設けることにより、波長の揺らぎや光量の変動、そしてフローセルの流路内での脈流の影響を除去することができるので、測定の信頼性を向上させることができる。
【0028】
実施の形態2.
本実施の形態に係るセンサ装置は、実施の形態1のセンサ装置において、金属膜の上に金属微粒子層を積層したLPR測定兼用のセンサチップを用い、かつLPR測定用の第2検出部を設けた装置であり、SPR測定とLPR測定を同時に行うことができる。
【0029】
図4は、センサ部4Aの模式断面図である。センサチップ41Aは、対向する一対の主面411a,412aと対向する一対の側面413a,414aとを有する透明平板からなる導光体41aを有しており、その一対の主面の一方(フローセル側)には所定幅の金属薄膜が形成されている。その金属薄膜41bの上には、金属微粒子層41dが形成されている。金属微粒子層は、多数の金属微粒子が互いに離間した状態で金属薄膜に固着して形成され、その結果、金属薄膜との界面に金属微粒子が存在しない空隙領域と、金属微粒子領域とを形成する。さらに、フローセル側の主面の金属薄膜及び金属微粒子層以外の部分には透過防止用の反射膜41cが形成されている。この金属薄膜は、導光方向に並列配置された試料光路と比較光路からなる一対の反射光路を形成する。また、導光体41aの一対の側面の一方は、主面に対し傾斜角を有する傾斜端面であって、光源からの光が入射する入射端面414aとなる。また、導光体41aの他方の側面は、垂直端面であって、出射端面413aとなる。一方、フローセル42は、試料流路及び比較流路を有する支持部42aと、試料液及び比較液とを封止する封止部42bとを有している。センサチップ41Aをフローセル42に固定するに際しては、封止部42bを介して金属微粒子膜41dを有する主面412aと支持部42aとを対向配置してセンサチップ41Aを固定する。センサチップ41Aの出射端面413a側にはSPR測定用の第1検出部6、そしてフローセル42側の主面の反対の主面411a側にはLPR測定用の第2検出部12が配置されている。
【0030】
光源から光は、ビームスピリッタにより2方向に分波され、ミラーで反射させてセンサ部の試料光路と比較光路に所定の入射角で入射端面414aより入射する。入射光はセンサチップ内を伝搬するが、金属微粒子層41dの空隙領域に入射した光は、その空隙領域で全反射されセンサチップ41A内で多重反射し出射端面413aから出射して第1検出部6により検出されSPR測定が行われる。一方、金属微粒子層41dの金属微粒子領域に入射した光は、金属微粒子を透過して散乱光を発生させ、この散乱光は第2検出部12により検出されLPR測定が行われる。これにより、SPR測定とLPR測定を同時に行うことができる。なお、反射光及び散乱光の変化は、試料光路と比較光路との差電圧として出力される。試料光路と比較光路を設けているので、入射光の波長の揺らぎや光量の変動、そしてフローセルの流路内における脈流の影響を除去することができる。また、第1及び第2検出部には同じ検出部を用いることができ、例を挙げれば、CCDやPD(フォトダイオード)等を用いることができる。なお、本実施の形態では、第2検出部12を、フローセル42側の主面の反対の主面411a側に配置しているが、支持部42aに透明な材料を用いれば、支持部42a側に配置することもできる。
【0031】
本実施の形態では、SPRとLPRを同時に測定する必要上、光が金属薄膜を透過して金微粒子に到達するために、金属薄膜の膜厚は10〜30nmの範囲にすることが好ましい。30nmより大きいと、金属微粒子層に到達せず、また、第2検出基側に出射することができないからである。一方、金属微粒子には、金、銀あるいは白金等の金属微粒子を用いることができる。金属微粒子の大きさは、直径10〜100nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは20〜40nmである。金属微粒子層は、金属微粒子が凝集せず、各微粒子が離間した状態で存在する事が好ましい。そのような金属微粒子膜の作製方法としては、特許文献1に記載のように、ガラス基板に、チオール基を有するシラン化合物を結合させ、別途調製した金コロイド溶液中にそのガラス基板を浸漬して金のコロイド粒子をガラス基板に固定する方法を挙げることができる。又は、小山らの方法(特願2003-433214)を用いることもできる。小山らの方法は、金微粒子の核を形成させるシード溶液と、その核を成長させる成長溶液を用いる方法であり、基板の任意の場所に金微粒子を成長させることができるという利点を有する。さらに、金微粒子の基板に対する付着力が大きいという利点も有する。
【0032】
本実施の形態は実施の形態1と同様の効果を有するが、さらに以下の効果も有する。導光体に透明平板を用い、金属薄膜の上に金属微粒子層を積層したセンサチップを用いるようにしたので、SPRとLPRを同時に測定することができる。そのため、検出感度の異なる2つの検出方法を同時に用いることができるので、SPR測定とLPR測定を単独で行った場合と比べ、被検出物質の検出可能濃度の範囲をより大きくすることができる。また、検出感度の異なる種々の被検出物質を1台の装置で測定することも可能となる。
【0033】
実施の形態3.
本実施の形態に係るセンサ装置はLPRセンサ装置である。一対の主面の一方に金属微粒子層41dのみを形成したLPR測定用のセンサチップ41Bを用いた以外は、実施の形態2と同様の構成を有する。
【0034】
図5は、センサ部4Bの模式断面図である。センサチップ41Bは、対向する一対の主面411a,412aと対向する一対の側面413a,414aとを有する透明平板からなる導光体41aを有しており、その一対の主面の一方(フローセル側)には所定幅の金属微粒子層41dが形成されている。この金属微粒子層は、導光方向に並列配置された試料光路と比較光路からなる一対の反射光路を形成する。金属微粒子層は、多数の金属微粒子が互いに離間した状態でセンサチップの主面上に固着した状態で形成され、その結果、センサチップとの界面に、金属微粒子が存在しない空隙領域と、金属微粒子領域とを形成している。さらに、フローセル側の主面の金属微粒子層以外の部分には透過防止用の反射膜41cが形成されている。
【0035】
光源から光は、ビームスピリッタにより2方向に分波され、ミラーで反射させてセンサ部の試料光路と比較光路に所定の入射角で入射端面414aより入射する。入射光はセンサチップ内を伝搬するが、金属微粒子層の空隙領域に入射した光は、その空隙領域で全反射されセンサチップ41B内で多重反射し出射端面413aから出射する。一方、金属微粒子層の金属微粒子領域に入射した光は、金属微粒子を透過して散乱光を発生させ、この散乱光は第2検出部12により検出されLPR測定が行われる。なお、実施の形態2の場合と同様に、第2検出部12は、フローセル42側の主面の反対の主面411a側に配置しても良く、あるいは支持部42aに透明な材料を用いれば、支持部42a側に配置することもできる。
【0036】
本実施の形態によれば、導光体に透明平板を用いることにより、センサ部を共通にすることができるので、SPR測定も可能なLPR測定装置を提供することが可能となる。
【0037】
実施の形態4.
本実施の形態に係るセンサ装置は別のLPRセンサ装置である。一対の主面の片方に金属薄膜を形成したセンサチップに代えて、一対の主面の一方に金属微粒子層を形成したLPR測定用のセンサチップを用い、SPR測定用の第1検出部に代えてセンサ部の対向する一対の主面を挟むように光源とLPR測定用の第2検出部を配置した以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。
【0038】
図6は、センサ部5の模式断面図である。センサチップ51は、対向する一対の主面511a,512aと対向する一対の側面513a,514aとを有する透明平板からなる導光体51aを有しており、一方の主面512aには金属微粒子層51dが形成されている。さらに、金属微粒子層51dを有する主面512aには、金属微粒子層以外の部分に透過防止用の反射膜51cが形成されている。導光体51aの一対の側面の一方は、主面に対し傾斜角を有する傾斜端面514a、そして他方の側面は、垂直端面513aであって、透過防止用の反射膜51cが形成されている。一方、フローセル52は、試料流路及び比較流路を有する支持部52aと、試料液及び比較液とを封止する封止部52bとを有している。センサチップ51をフローセル52に固定するに際しては、封止部52bを介して金属微粒子層51dを有する主面512aと支持部52aとを封止部52bを介して対向配置してセンサチップ51を固定する。
【0039】
光源からの光は、フローセル52とセンサチップ51を通過して、第2検出部12により検出される。光源に白色光を用いる場合、第2検出部に分光器を用いて透過光の吸収スペクトルを測定し吸光度の変化を検出することができる。あるいは光源に単色光を用いる場合、第2検出部にはCCDやPDを用いて吸光度の変化を検出することができる。
なお、本実施の形態においては、金属微粒子膜は、実施の形態2と同様の方法により作製することができる。
【0040】
本実施の形態によれば、導光体に透明平板を用いることにより、センサ部を共通にすることができるので、SPR測定も可能なLPR測定装置を提供することが可能となる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
センサ部の作製例1.
(SPR測定用センサチップの作製)
透明平板には、顕微鏡用のスライドガラス(クラウンガラス、屈折率:ne=1.524、厚さ1.1mm)を26×24mmに切断したものを用いた。片方の側面を45°に研磨した後、脱脂洗浄し水洗して乾燥させた。次に、スライドガラスの中央に幅12mmのマスキング材を置いてマスク部とし、スパッタリング法により、マスク部の周縁部に銀を200nmの厚さにコートして透過防止用の反射膜とした。次にマスキング材を取り去り、ターゲットを金に替えてスパッタリングを行い、50nmの厚さの金膜を形成し、センサチップを得た。
【0042】
(SPR測定用センサ部の作製)
封止材にはシリコンゴムシート(厚み0.5mm)を用い、そのゴムシートに試料用流路と比較用流路の形状を打ち抜いた。次に、フローセルの支持部の流路形成面とセンサチップの主面とを封止材を介して対向配置し、固定してセンサ部を得た。
【0043】
センサ部の作製例2.
(LPR測定用センサチップの作製)
金膜を形成することに代えて金の微粒子層を形成する以外は、SPR用センサチップの作製方法と同様の方法によりLPR用センサチップを作製し、次いでセンサ部を作製した。
(LPR測定用センサ部の作製)
金薄膜を形成していないセンサチップに、封止材としてシリコンゴムシート(厚み0.5mm)を用い、そのゴムシートに試料用流路と比較用流路の形状を打ち抜いた。次に、フローセルの支持部の流路形成面とセンサチップの金微粒子を成長させた主面とを封止材を介して対向配置し、固定してセンサ部を得た。
ここで、金微粒子の成長には、前述の小山らの方法を用いた。すなわち、0.25mM HAuCl4(テトラクロロ金(III))と0.25mM クエン酸三ナトリウム水溶液の19.5mlに0.1M NaBH4(テトラヒドロホウ酸ナトリウム)の0.5mlを添加することによりシード溶液を調製した。また、0.1M セチルトリメチルアンモニウムブロミド溶液 90mlに0.1M NaOH(水酸化ナトリウム) 0.5mlと0.1M アスコルビン酸 0.5ml、0.01M HAuCl4(テトラクロロ金(III))2.5mlを混合して成長溶液を調製した。次に、シード溶液を5μl/minの流速で2時間送液することにより、約4nmの金微粒子の核をスライドガラスの一方の主面上に形成した。次に、精製水を送液して洗浄した後、成長溶液を5μl/minの流速で15時間送液して約50nmの金微粒子を成長させた。
【0044】
実施例1.
(SPR測定1)
方法
図1のセンサ装置を用いてSPR測定を行った。センサ部には、上記の作製例で作製したSPR測定用センサ部、試料液には水とメタノールの混合溶液、比較液には精製水、そして光源には670nmの半導体レーザを用い、入射角を10度から50度の範囲で変化させた時の、センサチップからの出射光の強度(透過光強度)を測定した。また、センサチップの導光方向の長さを変化させた時の透過光強度の変化も測定した。具体的には、透過光強度の変化は、試料側と比較側の検出器の出力電圧の差電圧(以下、感度という)の変化で評価した。
結果
図7は、感度と入射角との関係を示すグラフである。感度は、水とメタノールの混合溶液の出力電圧から比較液である精製水の出力電圧の値を差し引いたものである。入射角が20度付近の時に鋭い差電圧の変化が観察された。この変化はメタノールによるものである。水の屈折率はne=1.333、メタールはne=1.3286であり、この僅かな屈折率差(0.0044)にもかかわらず86mVの差電圧が得られ、非常に高感度であることがわかった。
【0045】
図8に、入射角を20度に固定して測定した、センサチップの導光方向の長さと差電圧との関係を示す。センサチップの長さ4、6、8、10、12mmとしたが、それぞれ反射回数1回、2回、3回、4回、5回に対応する。長さが4〜12mmの範囲では、センサチップの長さに比例して差電圧が増加して高感度となることがわかった。これはセンサチップの長さの増加とともに反射回数が増加したことによると考えられる。なお、図7の場合には、センサチップは長さが12mmのものを用いた。
【0046】
実施例2.
(SPR測定2)
方法
試料液にグルコース水溶液(濃度0.5〜20重量%)を用い、入射角を20度、センサチップの長さを12mmとして、実施例1と同様の方法でSPR測定を行った。
結果
グルコース濃度と差電圧との関係を図9に示す。この図から明らかな様に、20重量%の高濃度までの広い濃度範囲で、グルコース濃度と差電圧との直線関係が得られた。
【0047】
実施例3.
(SPR測定3)
方法
上記の作製例1の方法で作製したセンサ部を用い、そのセンサチップのSAM膜を固定し、SAM膜の上にプローブ層としてアミノカップリング反応の官能基を活性化した。具体的には、まず0.1Mリン酸緩衝液(PBS)を送液して金薄膜の表面を洗浄した。そして、10mMメルカプトプロピオン酸(HS(CH)COOH)溶液を送液してSAM膜を形成した後、0.1Mリン酸緩衝液で洗浄した。次に、アミノカップリング反応の活性化試薬である0.4M 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)と0.1M N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)の混合溶液を送液して0.1Mリン酸緩衝液で洗浄した。そして、10μg/Lの牛血清アルブミン(BSA)を1ml送液した。
結果
SAM-EDC/NHS-アルブミン固定化反応のタイムコースの測定結果を図10に示す。差電圧は、SAM膜の固定化によって28mV、EDC/NHSの固定化により12mV、そしてBSAとの結合により38mV変化し、BSAの高感度な検出が可能なことを確認した。
【0048】
以上の説明したように、本発明によれば、センサチップの導光体として、プリズムに代えて透明平板を用いることにより、従来のような光源と検出部を移動させる駆動機構が不要となり、SPRセンサ装置の小型・軽量化が可能となる。また、センサチップの導光方向の長さを変化させることにより、多重反射の回数を制御することができるので、試料の種類や濃度に応じて感度調整を容易に行うことができる。また、LRP測定用のセンサチップも兼用することができるので、同一の装置で、SPR及び/又はLPRの測定を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1に係るセンサ装置の構成の一例を示す模式図である。
【図2】図1のセンサ装置に用いるセンサ部の構造の一例を示す模式断面図である。
【図3】図1のセンサ装置に用いるセンサ部の構造の一例を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るセンサ装置に用いるセンサ部の構造の一例を示す模式断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るセンサ装置に用いるセンサ部の構造の一例を示す模式断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係るセンサ装置に用いるセンサ部の構造の一例を示す模式断面図である。
【図7】本発明の実施例1における水−メタノール混合溶液の感度と入射角の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例1におけるセンサチップの長さと感度の関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例2におけるグルコース濃度と感度の関係を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例3におけるSAM-EDC/NHS-アルブミン固定化反応のタイムコースの結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0050】
1,13 光源、2 光学系、2a ポラライザー、2b ビームスピリッタ、2c ミラー、3,4A,4B,5 センサ部、31 センサチップ、31a 導光体、311a,312a 主面、313a 出射端面、314a 入射端面、31b 金属薄膜、31c 反射膜、31d 試料光路、31e 比較光路、32 フローセル、32a 支持部、32b 封止部、32c 流路、321c 試料流路、322c 比較流路、41A,41B センサチップ、41a 導光体、411a,412a 主面、413a 出射端面、414a 入射端面、41b 金属薄膜、41c 反射膜、41d 金属微粒子膜、42 フローセル、42a 支持部、42b 封止部、42c 流路、51 センサチップ、51a 導光体、511a,512a 主面、513a 出射端面、514a 入射端面、51d 金属微粒子膜、51c 反射膜、52 フローセル、52a 支持部、52b 封止部、52c 流路、6 第1検出部、7 前処理部、7a 増幅器、7b A/D変換器、8 演算部、9 表示部、10 プリンタ、11 液供給系、11a 試料液タンク、11b 比較液タンク、11c 試料液用ポンプ、11d 比較液用ポンプ、12 第2検出部。

【出願人】 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】501445977
【氏名又は名称】テラメックス株式会社
【出願日】 平成16年6月17日(2004.6.17)
【代理人】 【識別番号】100086405
【弁理士】
【氏名又は名称】河宮 治

【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫

【公開番号】 特開2006−3217(P2006−3217A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−179867(P2004−179867)